JP2005315642A - 温度定点セル、温度定点装置および温度計校正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 1100℃から3000℃を超える温度域で定点を実現することが可能で、かつ使用時でのるつぼの亀裂発生を防止することが可能な温度定点セルを提供する。
【解決手段】 炭素を成分とするるつぼと、このるつぼ内に封入される定点物質とからなる温度定点セルであって、
前記定点物質は、金属または金属炭化物と炭素との共晶が存在された、炭素粉末を含む多孔質体からなることを特徴とする温度定点セル。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば放射温度計や熱電対等の高温域で使用される温度計の校正に用いる温度定点セル、温度定点装置および温度計校正方法に関する。
温度計を校正する際、常温域以上では金属の凝固点もしくは融点が温度の定義定点として採用され、その実現方法として温度定点るつぼが用いられる。これらは通常、黒鉛製のるつぼを用い、その中に定点物質として純金属を鋳込んだものであり、その内部の温度を温度計で測定し、温度定点るつぼを温度可変の炉の内部に置き環境温度を昇温・降温させたときのるつぼの温度変化を観測、定点物質の液相・固相が共存する状態では融解の潜熱により温度変化がなくなることを利用して温度計の校正を行うものである((社)日本電気計測器工業界編「新編温度計の正しい使い方」、第7章、日本工業出版社(1997)参照)。
温度定点の最高温度は、純金属を定点物質として用いる場合、1085℃の銅点であり、銅点より高温域では外挿により目盛りが定義されている。銅点以上の温度域での目盛りの維持には銅点以下で定点校正された放射温度計を利用するか、リボン電球と呼ばれるタングステンリボンをフィラメントとする電球の放射輝度と電流の特性に目盛りを移して行われている。
このようなことから特許文献1には、炭素を成分とするるつぼと、このるつぼ内に封入され、炭素と金属との共晶組織の定点物質とからなり、銅点を超える温度域で定点を実現することが可能な温度定点セルが開示されている。
また、特許文献2には炭素を成分とするるつぼと、このるつぼ内に封入され、炭化物と炭素の共晶組織、または炭素固溶体と炭素の共晶組織の定点物質とからなり、2500℃を超える温度域まで定点温度域を拡張することが可能な温度定点セルが開示されている。
しかしながら、前記特許文献1,2の温度定点るつぼにおいて、温度計校正の目的のためにそのるつぼを温度可変電気炉の内部に置き、環境温度を昇温・降温させると、その定点物質が膨張・収縮することによりるつぼにストレスが加わって亀裂を生じる虞があった。この亀裂発生は、共晶組織の一成分がるつぼと同じ炭素材料であるために共晶組織の他の成分(例えば金属)がるつぼ内面に密着し易くなることも関連している。
特許第2987459号 特許第3404531号
本発明は、1100℃から3000℃を超える温度域で定点を実現することが可能で、かつ使用時でのるつぼの亀裂発生を防止することが可能な温度定点セルを提供するものである。
本発明は、前記特性の温度定点セルを備えた温度定点装置を提供するものである。
本発明は、放射温度計、熱電対、その他の1100℃から3000℃を超える高温域で使用されるあらゆる温度計の校正の高精度化を達成することが可能な温度計校正方法を提供するものである。
本発明によると、炭素を成分とするるつぼと、このるつぼ内に封入される定点物質とを含む温度定点セルであって、
前記定点物質は、金属または金属炭化物と炭素との共晶が存在された、炭素粉末を含む多孔質体からなることを特徴とする温度定点セルが提供される。
また本発明によると、炭素を成分とするるつぼと、このるつぼ内に封入される定点物質とを含む温度定点セルであって、
前記定点物質は、(a)金属または金属炭化物と炭素との共晶と(b)炭素粉末とからなる顆粒であることを特徴とする温度定点セルが提供される。
さらに本発明によると、前記2つの温度定点セルのうちいずれか一方の温度定点セルと、
前記温度定点セルが内部に設置され、その温度定点セルの周囲温度を上昇または下降させる炉と
を具備することを特徴とする温度定点装置が提供される。
さらに本発明によると、前記2つの温度定点セルのうちいずれか一方の温度定点セルの周囲温度を上昇または下降せしめ、その時の前記温度定点セルの温度変化を温度計にて測定し、測定された温度変化状態から前記温度計を校正することを特徴とする温度計校正方法が提供される。
本発明に係る温度定点セルは、1100℃から3000℃を超える温度域で定点を実現することが可能で、かつ使用時でのるつぼの亀裂発生を防止することが可能になり、高性能、長寿命化を達成できる。
本発明に係る温度定点装置は、前記特性の温度定点セルを備え、高温域での放射温度計、熱電対、その他の温度計の校正が内挿で行え、高精度で長寿命の温度定点装置を提供することができる。
本発明に係る温度計校正方法は、前記特性の温度定点セルを用いることによって、従来における温度計の校正手段の欠如や目盛りの不確かさのために十分な精度が得られなかった高温域での温度校正精度を向上できると共に、その校正操作を長期間にわたって安定的に実施できる。
以下、本発明に係る温度定点セル、温度定点装置および温度校正方法を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、この第1実施形態に係る温度定点セルを示す断面図である。
温度定点セル1は、炭素を成分とする、例えば黒鉛からなるるつぼ2を備えている。このるつぼ2は、片封じ円筒状のるつぼ本体3と、この本体3の片封じ部から内部に向かって突出させることにより形成された空洞4と、前記本体3の開口部に気密に取り付けられた黒鉛からなる円板状蓋体5とから構成されている。定点物質6は、金属(または金属炭化物)と炭素との共晶が存在された、炭素粉末を含む組成を有し、前記るつぼ2内に前記黒体空洞4が位置する突起部を覆うように封入された外形が円柱状の多孔質体からなる。この多孔質体6は、金属(または金属炭化物)/炭素の共晶の融解・凝固点温度を定点として用いる。前記多孔質体6の外周面とるつぼ1の内面の間には、所望の隙間が形成されている。なお、多孔質体6上面とるつぼ1内面間には黒鉛製のスペーサ7が介在されている。
前記定点物質を構成する金属としては、銅点より融点が高い炭素共晶を形成するものであればよく、例えば鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、イリジウム、レニウム、オスミウム等を挙げることができる。
前記定点物質を構成する金属炭化物としては、銅点より融点が高い炭素共晶を形成するものであればよく、例えばホウ素、モリブデン、バナジウム、チタン、ジコニウム、ハフニウム、ニオブ、タングステン、または希土類元素の炭化物を挙げることができる。
前述した温度定点セルは、例えば次のような方法により製造される。
まず、高純度の金属(または金属炭化物)の粉末と高純度の黒鉛粉末とを金属(または金属炭化物)/炭素の共晶組成より黒鉛粉末が多くなるように混合し、この混合粉末を黒体空洞を有する黒鉛製のるつぼ本体内に充填する。つづいて、このるつぼ本体の開口部を開放した状態で縦型電気炉内に設置し、前記炉内をアルゴンで置換してアルゴン雰囲気にするか、または炉内を真空引きして高真空状態にした後、前記共晶の融点より低い温度まで加熱して、その温度を所望時間維持することにより金属が焼結される。ひきつづき、前記共晶の融点より高い温度に加熱することにより金属が溶融し、共存する面状黒鉛粉末で覆われて金属が島状態で分離される。この後、電気炉のヒータへの通電を切り、室温まで冷却することにより、前記金属が凝固する過程で炭素粉末が共存された状態で金属と炭素との共晶が生成される。このため、金属と炭素との共晶が存在された、炭素粉末を含む組成を有する外形が円柱状の多孔質体が作られる。この多孔質体は、外周がるつぼ本体内面との間に所望の隙間があけられ、かつ上端が本体の開口端より下方に位置される。最後に、多孔質体の上端に例えば黒鉛からなる円板状のスペーサを重ね、黒鉛製の蓋体をるつぼ本体の開口端に固定して定点物質である前記多孔質体を気密に封止することにより温度定点セルが製造される。
このような温度定点セルの製造において、原料である混合粉末の一回の充填(鋳込み)、加熱によって定点物質である多孔質体を得ること可能になり、製造コストを低減できる。
すなわち、前述した特許文献1,2の発明ではるつぼ内に共晶組成の定点物質を封入する場合、粉末から融解したときに体積減少が大きい、つまり充填率が著しく減少するため、定点物質の完全な充填状態を得るには10回程度の鋳込み操作を繰り返す必要がある。このため、温度定点セルの製造コストが高くなる。
これに対し、第1実施形態では金属(または金属炭化物)と炭素との共晶が存在された、炭素粉末を含む組成の多孔質体をるつぼ内に所望の隙間をあけて封入する構造であるため、1回の混合粉末のるつぼ内への充填、加熱の操作で得られ、かつ金属(金属炭化物)の量を低減できる。その結果、低コストで温度定点セルを製造することが可能になる。
次に、前述した温度定点セルを備えた温度定点装置を図2を参照して説明する。
温度定点装置は、縦型可変電気炉21を有する。この可変電気炉21は、円筒状の断熱材22と、この断熱材22の内部に配置された円筒状に捲回したヒータエレメント23を備えている。このヒータエレメント23は、図示しない制御器を有するヒータ電源に接続されている。
上端にフランジ24を有するアルミナ製の有底筒状炉心管25は、前記円筒状の断熱材22の上端側からその外周面が前記ヒータエレメント23に囲まれるように挿入、支持されている。この炉心管25内には、前述した図1に示す温度定点セル1がその空洞4が上方に向くように装填されている。
アルミナ製保護管26は、前記炉心管25のフランジ24中心を貫通して前記温度定点セル1の空洞4内に挿入されている。アルゴンのような希ガスを導入するためのガス導入管27は、前記炉心管25のフランジ24を貫通してその炉心管25内に挿入されている。排気管28は、一端が前記炉心管25のフランジ24に連結され、他端が図示しない真空ポンプのような排気部材に連結されている。
モニタ用熱電対29は、前記断熱材22の下端側からその先端が前記炉心管25の底部に近接するように挿入されている。このモニタ用熱電対29は、前記ヒータ電源の制御器に接続され、温度測定結果が前記制御器に入力される。温度測定結果が制御器に入力されると、その制御器から前記ヒータ電源に制御信号が出力されて、前記ヒータエレメント23の発熱温度を制御する。
このような図2に示す構成の温度定点装置による定点校正方法を説明する。
まず、温度定点セル1の空洞4に挿置された保護管26内に被校正熱電対30を挿入する。図示しない真空ポンプを作動して炉心管25内の空気を排気管28を通して排気すると共に、例えばアルゴンガスをガス導入管28を通して前記炉心管25内に導入することにより炉心管25内をアルゴン雰囲気にする。このように炉心管25内をアルゴン雰囲気にすることにより、その炉心管25内の装填された温度定点セル1の黒鉛るつぼの酸化焼失を防ぐと共に、同セルに封入された定点物質の酸化を防止する。
前記炉心管25内がアルゴンで十分に置換された後、図示しないヒータ電源からヒータエレメント23に通電して所望の速度で前記断熱材1の炉心管25内を昇温する。炉心管25の温度がその内部に装填された図1に示す温度定点セル1の定点物質である多孔質体6に存在する金属(または金属炭化物)/炭素の共晶の融点近傍に達すると、その融点近傍で温度を上下動させる。このとき、前記金属(または金属炭化物)/炭素の共晶が融点を超えると、多孔質体6を構成する炭素(黒鉛)が僅かに溶出するが、再度温度を下げると余分な黒鉛は多孔質体6の面状黒鉛粉末に析出するため、凝固点に至るときには共晶の組成比に戻る。そのため、再現性の良い溶解・凝固プラトーが観測される。共晶は、多孔質体6の一方の成分およびるつぼ材料と同じ黒鉛と純金属とかなる組成を有するため、本質的に前記黒鉛が不純物となり得ず、凝固点降下は生じない。
このような温度定点セル1の定点物質である多孔質体6に存在する金属(または金属炭化物)/炭素の共晶の溶融・凝固において、温度定点セル1の空洞4に保護管26が挿置され、この保護管26内に挿入された被校正熱電対30で温度定点セル1の温度を測定する。この被校正熱電対30の出力と温度定点セル1の共晶の融点を対応させることにより校正を行う。
したがって、熱電対の定点校正において、前記多孔質体に存在する金属(または金属炭化物)/炭素の共晶は融点が銅より高いために1100℃から3000℃を超える温度域で定点の校正を実現できる。
また、前記温度定点セル1において多孔体6は図1に示すように黒鉛るつぼ2の内面に対して所望の隙間をあけて封入されているため、定点校正後の冷却過程でのるつぼ2と定点物質6との間の熱膨張差に起因するるつぼ2へのストレス発生も回避できる。したがって、るつぼ2の亀裂発生を防止して長寿命化を達成できる。
なお、第1実施形態において被校正温度計としては熱電対を用いたが、この他に抵抗温度計、ファイバー温度計等の高温接触温度計を用いることができる。
(第2実施形態)
図3は、この第2実施形態に係る温度定点セルを示す断面図である。なお、図3において図1と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
温度定点セル1は、るつぼ2を構成する円筒状のるつぼ本体3内面と多孔質体6の隙間に例えば複数枚の黒鉛ペーパを積層した円筒状の黒鉛支持部材8が介挿され、るつぼ2を構成する黒鉛からなる円板状蓋体5と多孔質体6の隙間に例えば複数枚の黒鉛ペーパを積層した円板状支持体9を介挿した構造を有する。
前記定点物質を構成する金属、金属炭化物は、第1実施形態で説明したものと同様なものが用いられる。
前記支持体は、黒鉛ペーパの積層物の他に、単一の黒鉛体から形成してもよい。
前述した温度定点セルは、例えば次のような方法により製造される。
まず、高純度の金属(または金属炭化物)の粉末と高純度の黒鉛粉末とを金属(または金属炭化物)/炭素の共晶組成より黒鉛粉末が多くなるように混合し、この混合粉末を黒体空洞を有する黒鉛製のるつぼ本体内に充填する。つづいて、この本体の開口部を開放した状態で縦型電気炉内に設置し、前記炉内をアルゴンで置換してアルゴン雰囲気にするか、または炉内を真空引きして高真空状態にした後、前記共晶の融点より低い温度まで加熱して、その温度を所望時間維持することにより金属が焼結される。このとき、金属焼結物を含む黒鉛粉末の混合体はるつぼ本体内にその内面との間に所望の隙間をあけて生成される。電気炉のヒータへの通電を切り、室温まで冷却した後、るつぼ本体と混合体の隙間に例えば複数枚の黒鉛ペーパを積層した円筒状の黒鉛支持部材を介在し、混合体の上端に複数枚の黒鉛ペーパを積層した円板状の黒鉛支持部材を重ね、黒鉛製の蓋体を本体の開口端に固定する。再度、電気炉のヒータへの通電を行って前記共晶の融点より高い温度に加熱することにより前記混合体の金属が溶融し、共存する面状黒鉛粉末で覆われて金属が島状態で分離される。ひきつづき、電気炉のヒータへの通電を切り、室温まで冷却するにより前記金属が凝固する過程で炭素粉末が共存された状態で金属と炭素との共晶が生成される。このため、金属(または金属炭化物)と炭素との共晶が存在された、炭素粉末を含む組成を有する定点物質である外形が円柱状の多孔質体が前記黒鉛支持部材の内部に作られ、温度定点セルが製造される。
このような温度定点セルの製造において、原料である混合粉末の一回の充填(鋳込み)、加熱によって定点物質である多孔質体を得ること可能になり、製造コストの低減を図ることができる。
次に、前述した温度定点セルを備えた温度定点装置を図4を参照して説明する。
温度定点装置は、横型可変電気炉31を有する。この可変電気炉31は、横置きされた円筒状の断熱材32と、この断熱材32の両端にそれぞれ着脱可能に配置され、中央に窓穴33a,33bが開口された円板状封止板34a,34bと、これら封止板34a,34bの外面に、その窓穴33a,33bを覆うように取り付けられた例えば石英ガラスからなる透明な円形窓35a,35bと、この断熱材32および封止板34a,34bで囲まれた空間36の内部に配置された黒鉛からなる円筒状のヒータエレメント37とを備えている。このヒータエレメント37は、図示しない制御器を有するヒータ電源に接続されている。アルゴンのような希ガスを導入するためのガス導入管38は、左端側の封止板34aに連結されている。排気管39は、一端が右端側の封止板34bに連結され、他端が図示しない真空ポンプのような排気部材に連結されている。
前述した図3に示す温度定点セル1は、例えば黒鉛フェルトからなる円筒状断熱部材40にそのセル1の空洞4がその断熱部材40の右端側に位置するように挿入されている。例えば黒鉛フェルトからなる円板状断熱部材41は、前記円筒状断熱部材40の左端側に配置されている。温度定点セル1の空洞4と合致する穴が中央に開口された例えば黒鉛フェルトからなる円板状断熱部材42は、前記円筒状断熱部材40の右端側に配置されている。このような断熱部材40〜42で囲まれた温度定点セル1は、前記円筒状のヒータエレメント37内にその空洞4と合致する穴が開口された円板状断熱部材42が例えば右端側の封止板34bに向くように装填されている。
モニタ用放射温度計43は、前記可変電気炉31の外部に左端側の封止板34aの窓35aに対向するように配置されている。このモニタ用放射温度計43は、前記ヒータ電源の制御器に接続され、温度測定結果が前記制御器に入力される。温度測定結果が制御器に入力されると、その制御器から前記ヒータ電源に制御信号が出力されて、前記ヒータエレメント37の発熱温度を制御する。
このような図4に示す構成の温度定点装置による定点校正方法を説明する。
まず、横型可変電気炉31の外部に被校正放射温度計44を温度定点セル1の黒体空洞4が向いた右端側の封止板34bの窓35bに対向するように配置する。図示しない真空ポンプを作動して断熱材32および封止板34a、34bで囲まれた空間36内の空気を排気管39を通して排気すると共に、例えばアルゴンガスをガス導入管38を通して前記空間内36に導入してアルゴン雰囲気にする。このように断熱材32および封止板34a、34bで囲まれた空間36内をアルゴン雰囲気にすることにより、その空間36内の装填された温度定点セル1の黒鉛るつぼの酸化焼失を防ぐと共に、同セル1に封入された定点物質の酸化を防止する。
前記空間36内がアルゴンで十分に置換された後、図示しないヒータ電源から円筒状ヒータエレメント37に通電して発熱させてそのヒータエレメント37内の温度を所望の速度で昇温させる。このようなヒータエレメント37の昇温により装填された図3に示す温度定点セル1の定点物質である多孔質体6に存在する金属(または金属炭化物)/炭素の共晶の融点近傍に達すると、その融点近傍で温度を上下動させる。このとき、温度定点セル1は断熱部材40〜42で囲まれているために温度分布を均一化することが可能になる。前記金属(または金属炭化物)/炭素の共晶が融点を超えると、多孔質体6を構成する炭素(黒鉛)が僅かに溶出するが、再度温度を下げると余分な黒鉛は多孔質体6の面状黒鉛粉末に析出するため、凝固点に至るときには共晶の組成比に戻る。そのため、再現性の良い溶解・凝固プラトーが観測される。共晶は、多孔質体6の一方の成分およびるつぼ材料と同じ黒鉛と純金属とからなる組成を有するため、本質的に前記黒鉛が不純物となり得ず、凝固点降下は生じない。
このような温度定点セル1の定点物質である多孔質体6に存在する金属(または金属炭化物)/炭素の共晶の溶融・凝固において、横型可変電気炉31の外部に配置した被校正放射温度計44により石英ガラス製窓35bを通して温度定点セル1の空洞(黒体空洞)4の放射光を捉え、温度定点セル1の温度を測定する。この被校正放射温度計44の出力と温度定点セル1の共晶の融点を対応させることにより校正を行う。
したがって、前記放射温度計の定点校正において、前記多孔質体に存在する金属(または金属炭化物)/炭素の共晶は融点が銅より高いために1100℃から3000℃を超える温度域で定点の校正を実現できる。
また、前記温度定点セル1において多孔体6は図3に示すように黒鉛るつぼ2の内面に例えば複数枚の黒鉛ペーパを積層した黒鉛支持部材8、9を介して封入されているため、定点校正後の冷却過程でのるつぼ2と定点物質6との間の熱膨張差に起因するるつぼ2へのストレス発生を前記黒鉛支持部材8、9で吸収できる。特に、複数枚の黒鉛ペーパを積層した黒鉛支持部材8、9を用いることによって、熱膨張差に起因するるつぼ2へのストレス発生をより効果的に吸収することが可能になる。したがって、るつぼ2の亀裂発生を防止して長寿命化を達成できる。
なお、第2実施形態において温度定点セルが組込まれる温度定点装置は、前述した図4に示す構造に限らず、前述した図2に示す縦型可変電気炉を有する構造でもよい。
(第3実施形態)
図5は、この第3実施形態に係る温度定点セルを示す断面図である。なお、図5において図1と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
この温度定点セル1は、るつぼ2を構成する円筒状のるつぼ本体3内に定点物質である(a)金属または金属炭化物と炭素との共晶と(b)炭素粉末とからなる顆粒10を封入した構造を有する。
前記定点物質を構成する金属、金属炭化物は、第1実施形態で説明したものと同様なものが用いられる。
前述した温度定点セルは、例えば次のような方法により製造される。
まず、高純度の金属(または金属炭化物)の粉末と高純度の黒鉛粉末とを金属(または金属炭化物)/炭素の共晶組成より黒鉛粉末が多くなるように混合し、この混合粉末を黒体空洞を有する黒鉛製のるつぼ本体内に充填する。なお、この混合粉末は、前述した第1、第2の実施形態に比べてより多い量の黒鉛粉末を含有させる。つづいて、この本体の開口部を開放した状態で縦型電気炉内に設置し、前記炉内をアルゴンで置換してアルゴン雰囲気にするか、または炉内を真空引きして高真空状態にした後、前記共晶の融点より高い温度まで加熱することにより、金属が溶融し、共存する個々の黒鉛粒子に付着する。ひきつづき、電気炉のヒータへの通電を切り、室温まで冷却することにより、金属が凝固する過程で黒鉛粉末を取り囲むように金属と黒鉛との共晶が生成される。このため、(a)金属または金属炭化物と炭素との共晶と(b)炭素粉末とからなる顆粒が作られる。その後、るつぼ本体の開口端に黒鉛製の蓋体を固定して定点物質である前記顆粒を気密に封止することにより温度定点セルが製造される。
このような温度定点セルの製造において、原料である混合粉末の一回の充填(鋳込み)、加熱によって定点物質である顆粒を得ること可能になり、製造コストの低減を図ることができる。
前述した温度定点セルを備えた温度定点装置は、前述した図2に示す縦型可変電気炉を有する構造、図4に示す横型可変電気炉を有する構造、のものが挙げられる。このような構成の温度定点装置(例えば図4に示す横型可変電気炉を有する構造)による定点校正方法を以下に説明する。
まず、横型可変電気炉31の外部に被校正放射温度計44を温度定点セル1の黒体空洞4が向いた右端側の封止板34bの窓35bに対向するように配置する。図示しない真空ポンプを作動して断熱材32および封止板34a、34bで囲まれた空間36内の空気を排気管39を通して排気すると共に、例えばアルゴンガスをガス導入管38を通して前記空間内36に導入してアルゴン雰囲気にする。このように断熱材32および封止板34a、34bで囲まれた空間36内をアルゴン雰囲気にすることにより、その空間36内の装填された温度定点セル1の黒鉛るつぼの酸化焼失を防ぐと共に、同セル1に封入された定点物質の酸化を防止する。
前記空間36内がアルゴンで十分に置換された後、図示しないヒータ電源から円筒状ヒータエレメント37に通電して発熱させてそのヒータエレメント37内の温度を所望の速度で昇温させる。このようなヒータエレメント37の昇温により装填された図5に示す温度定点セル1の定点物質である顆粒10に存在する金属(または金属炭化物)/炭素の共晶の融点近傍に達すると、その融点近傍で温度を上下動させる。このとき、温度定点セル1は断熱部材40〜42で囲まれているために温度分布を均一化することが可能になる。前記金属(または金属炭化物)/炭素の共晶が融点を超えると、顆粒10を構成する炭素(黒鉛)が僅かに溶出するが、再度温度を下げると余分な黒鉛は顆粒10の黒鉛粉末に析出するため、凝固点に至るときには共晶の組成比に戻る。そのため、再現性の良い溶解・凝固プラトーが観測される。共晶は、顆粒10の一方の成分およびるつぼ材料と同じ黒鉛と純金属とかなる組成を有するため、本質的に前記黒鉛が不純物となり得ず、凝固点降下は生じない。
このような温度定点セル1の定点物質である顆粒10に存在する金属(または金属炭化物)/炭素の共晶の溶融・凝固において、横型可変電気炉31の外部に配置した被校正放射温度計44により石英ガラス製の窓35bを通して温度定点セル1の空洞(黒体空洞)4の放射光を捉え、温度定点セル1の温度を測定する。この被校正放射温度計44の出力と温度定点セル1の共晶の融点を対応させることにより校正を行う。
したがって、前記放射温度計の定点校正において、前記多孔質体に存在する金属(または金属炭化物)/炭素の共晶は融点が銅より高いために1100℃から3000℃を超える温度域で定点の校正を実現できる。
また、前記温度定点セル1において定点物質が顆粒の形態を有するため、定点校正後の冷却過程でのるつぼ2と定点物質(顆粒)10との間の熱膨張差に起因するるつぼ2へのストレス発生も回避できる。したがって、るつぼ2の亀裂発生を防止して長寿命化を達成できる。
以下、本発明の実施例を前述した図面を参照して説明する。
(実施例1)
まず、図1に示す純化した黒鉛製のるつぼ本体2を用意する。この本体2は、外形24mm、長さ45mmの片封じ円筒状をなし、その片封じ部に直径3mm、深さ34mmの円筒状の空洞4を形成した形状を有する。
次いで、平均粒径20μm、純度99.999%の白金粉末30gと平均粒径77μm、純度99.9999%の黒鉛粉末0.4gとを白金/炭素の共晶組成より黒鉛粉末が多くなるように混合し、この混合粉末を前記るつぼ本体内に充填した。つづいて、このるつぼ本体の開口部を開放した状態で縦型電気炉内に設置し、前記炉内をアルゴンで置換してアルゴン雰囲気にした後、白金/炭素共晶の融点(1738℃)より約50℃低い温度まで加熱して、その温度を約30分間維持ことにより白金が焼結された。このとき、白金焼結物を含む黒鉛粉末の混合体はるつぼ本体内にその内面との間に所望の隙間をあけて生成された。電気炉のヒータへの通電を切り、室温まで冷却した後、るつぼ本体と混合体の隙間(約1mm)に複数枚の黒鉛ペーパを積層した円筒状の黒鉛支持部材を介在し、混合体の上端に複数枚の黒鉛ペーパを積層した円板状の黒鉛支持部材を重ね、黒鉛製の蓋体を本体の開口端に固定した。再度、電気炉のヒータへの通電を行って前記共晶の融点より高い温度に加熱することにより前記混合体の白金が溶融し、共存する面状黒鉛粉末で覆われて白金が島状態で分離された。ひきつづき、電気炉のヒータへの通電を切り、室温まで冷却するにより前記白金が凝固する過程で炭素粉末が共存された状態で白金と炭素との共晶が生成された。このため、白金/炭素共晶が存在された、黒鉛粉末を含む組成を有する定点物質である外形が円柱状の多孔質体が前記黒鉛支持部材の内部に作られ、前述した図3に示す構造の温度定点セルが製造された。
得られた温度定点セルを前述した図4に示す横型可変電気炉を有する温度定点装置に組込み、第2実施形態で説明したの同様な放射温度計の定点校正を行った。すなわち、横型可変電気炉31の断熱材32および封止板34a、34bで囲まれた空間36内をアルゴン雰囲気に置換した後、ヒータエレメント37により約30分間で温度定点セル1の多孔質体に存在する白金/炭素共晶をその融点まで約60℃/分間で昇温し、融点近傍で炉内温度を上下させた。このとき、図6のAに示す融解・凝固のプラトーを実現できた。プラトーでの放射温度計の出力と白金/炭素共晶の融点(1738℃)とを対応させて定点校正を行った。
黒鉛るつぼに白金/炭素の共晶組織を有する定点物質を封入した特許文献1(特許第2987459号)の温度定点セルは、40mKの融解プラトーの再現性(標準偏差)が得られるのに対し、本実施例1の温度定点セルの同再現性が70mKとやや劣るものの、実用上十分な性能である。また、プラトーの温度値は前記再現性の範囲では差が見られなかった。
前記校正作業の終了後、横型可変電気炉のヒータエレメントの電源を切り、約100℃/分間の降温速度で約1時間後に室温に戻して温度定点セルを炉から取り出した。このような急激な昇温・降温の温度変化にも本実施例1の温度定点セルのるつぼに亀裂が見られず、十分な耐熱衝撃瀬を有することが確認された。これに対し、黒鉛るつぼに白金/炭素の共晶組織を有する定点物質を封入した特許文献1(特許第2987459号)の温度定点セルは、るつぼへの亀裂発生を防ぐために昇温・降温を約10〜15℃/分間と比較的な緩慢な速度で行う必要があった。ただし、このような昇温・降温の条件でもるつぼの亀裂発生がしばしば起こった。このようなことから、本実施例1の温度定点セルは亀裂、破損が生じず、半永久的に繰り返し使用が可能である上、校正作業の効率化を図ることが可能になる。
さらに、実施例1と同サイズの黒鉛るつぼを用い、このるつぼに白金/炭素の共晶組織を有する定点物質を封入した特許文献1(特許第2987459号)の温度定点セルに製造においては80gの白金を必要とし、かつ鋳込み作業は各原料粉末が融解した時に充電率が著しく減少することから、るつぼ内に白金/炭素の共晶組織を有する定点物質を完全に充填するには10回程度の鋳込み作業を繰り返す必要があった。これに対し、本実施例1の温度定点セルの製造では鋳込み作業が1回で済み、かつ白金の使用量も半減できる。したがって、作業の簡略化と原料コストの低減化を達成できた。
(実施例2)
平均粒径20μm、純度99.999%の白金粉末30gと平均粒径77μm、純度99.9999%の黒鉛粉末1.6gとを白金/炭素の共晶組成より黒鉛粉末が実施例1よりさらに多くなるように混合し、この混合粉末を実施例1と同様な形状、寸法の黒鉛製るつぼ本体内に充填した。つづいて、このるつぼ本体の開口部を開放した状態で縦型電気炉内に設置し、前記炉内をアルゴンで置換してアルゴン雰囲気にした後、白金/炭素共晶の融点(1738℃)より高い温度まで加熱することにより、白金が溶融し、共存する個々の黒鉛粒子に付着した。ひきつづき、電気炉のヒータへの通電を切り、室温まで冷却することにより、白金が凝固する過程で黒鉛粉末を取り囲むように白金と炭素との共晶が生成された。このため、るつぼ本体内に十分な量で充填された白金/炭素共晶と黒鉛粉末とからなる顆粒が作られた。その後、黒鉛製の蓋体をるつぼ本体の開口端に固定して定点物質である前記顆粒を気密に封止することにより前述した図5に示す構造の温度定点セルが製造された。
得られた温度定点セルを前述した図4に示す横型可変電気炉を有する温度定点装置に組込み、実施例1と同様に放射温度計の定点校正を行った。このとき、図6のBに示す融解・凝固のプラトーを実現できた。プラトーでの放射温度計の出力と白金/炭素共晶の融点(1738℃)とを対応させて定点校正を行った。
本実施例2の温度定点セルの融解プラトーの再現性(標準偏差)は100mKと黒鉛るつぼに白金/炭素の共晶組織を有する定点物質を封入した特許第2987459号の温度定点セルに比べて劣るものの、2次標準、移送標準として実用上十分な性能である。また、プラトーの温度値は前記再現性の範囲では差が見られなかった。
前記校正作業の終了後、横型可変電気炉のヒータエレメントの電源を切り、約100℃/分間の降温速度で約1時間後に室温に戻して温度定点セルを炉から取り出した。このような急激な昇温・降温の温度変化にも本実施例1の温度定点セルのるつぼに亀裂が見られず、十分な耐熱衝撃瀬を有することが確認された。さらに、本実施例2の温度定点セルの製造では鋳込み作業が1回で済み、かつ白金の使用量も半減でき、作業の簡略化と原料コストの低減化を達成できた。
本発明の第1実施形態に係る温度定点セルを示す断面図。 温度定点セルが組込まれた縦型可変電気炉を有する温度定点装置を示す断面図。 本発明の第2実施形態に係る温度定点セルを示す断面図。 温度定点セルが組込まれた横型可変電気炉を有する温度定点装置を示す断面図。 本発明の第3実施形態に係る温度定点セルを示す断面図。 実施例1、2の温度定点セルの溶融・凝固の時間と温度の関係を示す図。
符号の説明
1…温度定点セル、2…るつぼ、3…るつぼ本体、4…空洞、5…蓋体、6…定点物質(多孔質体)、8,9…支持体、10…定点物質(顆粒)、21…縦型可変電気炉、23,37…ヒータエレメント、25…炉心管、26…保護管、29…モニタ用熱電対、30…被校正熱電対、31…横型可変電気炉、43…モニタ用放射温度計、44…被校正放射温度計。

Claims (10)

  1. 炭素を成分とするるつぼと、このるつぼ内に封入される定点物質とを含む温度定点セルであって、
    前記定点物質は、金属または金属炭化物と炭素との共晶が存在された、炭素粉末を含む多孔質体からなることを特徴とする温度定点セル。
  2. 前記定点物質である多孔質体は、前記るつぼ内にその内面に対して所望の隙間をあけて封入されることを特徴とする請求項1記載の温度定点セル。
  3. 炭素を成分とする支持体は、前記多孔質体と前記るつぼ内面との隙間にさらに介装されることを特徴とする請求項2記載の温度定点セル。
  4. 前記支持体は、黒鉛ペーパを複数枚積層した積層体からなる請求項3記載の温度定点セル。
  5. 炭素を成分とするるつぼと、このるつぼ内に封入される定点物質とを含む温度定点セルであって、
    前記定点物質は、(a)金属または金属炭化物と炭素との共晶と(b)炭素粉末とからなる顆粒であることを特徴とする温度定点セル。
  6. 前記金属は、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、イリジウム、レニウム又はオスミウムのいずれかであることを特徴とする請求項1または5記載の温度定点セル。
  7. 前記金属炭化物は、ホウ素、モリブデン、バナジウム、チタン、ジコニウム、ハフニウム、ニオブ、タングステン、または希土類元素の炭化物のいずれかであることを特徴とする請求項1または5記載の温度定点セル。
  8. 請求項1または5記載の温度定点セルと、
    前記温度定点セルが内部に設置され、その温度定点セルの周囲温度を上昇または下降させる炉と
    を具備することを特徴とする温度定点装置。
  9. 請求項1または5記載の温度定点セルの周囲温度を上昇または下降せしめ、その時の前記温度定点セルの温度変化を温度計にて測定し、測定された温度変化状態から前記温度計を校正することを特徴とする温度計校正方法。
  10. 前記温度計は、放射温度計、熱電対、抵抗温度計であることを特徴とする請求項9記載の温度計校正方法。
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