JP2012066966A - プラズマcvd装置とカーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイアス電源等の設置を不要とすることができ、基板に対して原料ガス中の炭素のみを効果的に提供してカーボンナノチューブを垂直配向で成長させ、製造することのできるプラズマCVD装置とカーボンナノチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】チャンバ1と、チャンバ1に連通するプラズマ発生部3およびガス提供部2と、チャンバ1内でカーボンナノチューブを成長させる基板Kが載置される載置部4と、を備えてなるプラズマCVD装置10であり、ガス提供部2からは少なくとも炭素原料ガスが導入されるようになっており、チャンバ1内において、プラズマ発生部3と基板Kの間にバルク状の遮蔽材5が配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、カーボンナノチューブの製造に供されるプラズマCVD装置と、カーボンナノチューブの製造方法に関するものである。
垂直配向したカーボンナノチューブ(CNTと称される)は、構造制御が可能であるために特に電池用途への開発が活発に進められている。そして、このカーボンナノチューブの製造に際しては、熱CVD法を中心とした開発が活発であるが、その一方で、反応温度を低下させることのできるプラズマCVDを適用してカーボンナノチューブを成長させる技術の開発も活発である。
このプラズマCVD装置を用いて、炭素原料ガス(炭化水素ガス)をプラズマ領域に通過させて水素と炭素に分解し、炭素をシリコン等の基板上に提供してこれを基板上で成長させることでカーボンナノチューブを製造する装置や方法がたとえば特許文献1に開示されている。ここで開示されるリモートプラズマCVD装置においては、処理基板がプラズマに曝されないように、プラズマ発生領域と処理基板を離間するとともに、プラズマ発生領域と基板ステージの間に、モリブデンやチタン、タングステン、タングステンカーバイトから選ばれた物質で形成されるメッシュ状の遮蔽部材が配設されている。
この装置ではさらに、プラズマで分解された原料ガスをエネルギーをもって基板上に到達させるべく、遮蔽部材と基板の間に、基板にバイアス電圧を印加するためのバイアス電源を設けている。
本発明者等によれば、このように基板や遮蔽部材にバイアス電源を設けた場合に、設定する電位制御、すなわち電位のマッチングが極めて困難であることが特定されており、具体的には、設定された電位に誤差がある場合にこれが放電の原因となったり、あるいは、プラズマの濃度によっては炭素原料ガスを十分に分解できないなどの問題が生じ得る。
また、本発明者等によれば、公開技術のリモートプラズマCVD装置がバイアス電源を設けている理由はほかにもあり、これは、メッシュ開口を介して原料炭素以外の水素や水素イオンが基板に提供されるのを防ぐことである。
しかし、メッシュ状の遮蔽部材とすることで、たとえばメッシュの格点に電界が集中し易く、電界集中部位の温度が上昇して遮蔽部材が局所的に熱分解してしまい、分解片が基板に落ちてしまうといった問題も懸念される。
特許2008−230896号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、バイアス電源等の設置を不要とすることができ、基板に対して原料ガス中の炭素のみを効果的に提供してカーボンナノチューブを垂直配向で成長させ、製造することのできるプラズマCVD装置とカーボンナノチューブの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるプラズマCVD装置は、チャンバと、該チャンバに連通するプラズマ発生部およびガス提供部と、該チャンバ内でカーボンナノチューブを成長させる基板が載置される載置部と、を備えてなるプラズマCVD装置であって、前記ガス提供部からは少なくとも炭素原料ガスが導入されるようになっており、前記チャンバ内において、プラズマ発生部と前記基板との間にバルク状の遮蔽材が配設されているものである。
本発明のプラズマCVD装置は、従来の公開技術におけるメッシュ状の遮蔽部材に代わって、バルク状の遮蔽材をプラズマ発生部と基板の間に配設したものである。ここで、「バルク状」とは、メッシュなどのように開口、貫通孔を具備しない中実構造を呈していることを意味している。
なお、プラズマ領域で分解された水素イオンや水素など、原料炭素以外の成分が基材に提供されないようにするべく、バルク状の遮蔽材の面積は、少なくとも載置される基板以上の面積を有し、かつ、載置された基板を遮蔽材側から見た際に、この基板が完全に遮蔽材で覆われているのが望ましい。
バルク状の遮蔽材を適用したことにより、メッシュ状の遮蔽部材のように、メッシュを介して水素や水素イオンが基板に到達し得るという問題も生じ得ない。したがって、電位制御が極めて困難なバイアス電源を設ける必要もない。
さらには、メッシュの格点に電界が集中し、温度が上昇して遮蔽部材が局所的に熱分解してその分解片が基板に落ちてしまうといった問題も生じ得ない。
ここで、バルク状の遮蔽材の形成素材は、上記公開技術におけるメッシュ状の遮蔽部材のごとく、モリブデンやチタン、タングステン、タングステンカーバイトなどの高価なメタルに限定されるものではなく、シリコンやグラファイト、ステンレス、ガラス、ポーラス炭素などを適用することができる。
また、装置構成において、ガス提供部から導入されるガスは、メタンガス等の炭化水素ガスである炭素原料ガスのほか、これと水素ガスやアルゴンガスなどの混合ガスが提供されるものであってもよい。
さらに、2つのプラズマ領域を有し、上方のプラズマ領域に水素ガス等を導入し、下方のプラズマ領域に炭素原料ガスとアルゴンガスなどを導入する装置であってもよい。
いずれの装置形態であっても、プラズマ領域を通過する過程で炭素原料ガスが炭素と水素に分解され、バルク状の遮蔽材でこの水素の影響を軽減し、炭素を遮蔽材の側方を流通させてその下方に位置する基板に提供することができる。
なお、カーボンナノチューブの成長起点となる触媒の活性が低下するのを防止するべく、基板表面には緩衝層が設けてあるのが好ましく、たとえば、チタンやバナジウム、クロムのいずれか一種、もしくはこれらのいずれか一種を主成分とする合金から緩衝層を形成することができる。
また、基板上もしくは上記緩衝層上には、コバルトやニッケル、鉄等の触媒金属が散布されているのが好ましい。
上記する本発明のプラズマCVD装置によれば、従来構造のプラズマCVD装置に対して、メッシュ状の遮蔽材に代えてバルク状の遮蔽材をプラズマ発生部と基板の間に配設した簡易な構造改良により、バイアス電源等の設置やその精緻なマッチング制御を一切不要とでき、基板に原料炭素を効果的に提供することで効率的にカーボンナノチューブを垂直配向で成長させ、製造することができる。
また、本発明はカーボンナノチューブの製造方法にも及ぶものであり、プラズマCVD装置を構成するチャンバ内でプラズマを発生させるとともに少なくとも炭素原料ガスを導入し、炭素原料ガスがプラズマで分解されてなる炭素を該チャンバ内に載置された基板に提供し、該基板上でカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブの製造方法であって、前記チャンバ内のプラズマ発生部と前記基板の間にバルク状の遮蔽材が配設されており、プラズマ発生部を通過して分解されたプラズマは遮蔽材にて遮蔽され、プラズマで分解された炭素は基板に提供され、該基板上の炭素を成長させてカーボンナノチューブを製造するものである。
この製造方法は既述するプラズマCVD装置を使用してカーボンナノチューブを製造するものであり、この製造方法によれば、炭素原料ガス中の水素や水素イオンを効果的にバルク状の遮蔽材で軽減できることから、使用する原料炭素を有効に利用しながらカーボンナノチューブを垂直配向で成長させ、製造することが可能となる。
以上の説明から理解できるように、本発明のプラズマCVD装置とカーボンナノチューブの製造方法によれば、バルク状の遮蔽材をプラズマ発生部と基板の間に配設した簡易な構造改良により、可及的に安価な装置にて何等の精緻な電圧制御をおこなうことなく、原料炭素のみを効果的に基板に提供してカーボンナノチューブを垂直配向で成長させ、製造することができる。
本発明のプラズマCVD装置の一実施の形態を説明した模式図である。 本発明のプラズマCVD装置の他の実施の形態を説明した模式図である。 (a)は本発明の製造方法で製造された実施例1にかかるカーボンナノチューブの、(b)は実施例2にかかるカーボンナノチューブの、それぞれFESEM写真図(電界放射型透過電子顕微鏡写真図)である。 (a)は本発明の製造方法で製造された実施例3にかかるカーボンナノチューブのFESEM写真図であり、(b)は実施例3にかかるカーボンナノチューブのTEM写真図(透過型電子顕微鏡写真図)である。 (a)は本発明の製造方法で製造された実施例4にかかるカーボンナノチューブの、(b)は実施例5にかかるカーボンナノチューブの、(c)は実施例6にかかるカーボンナノチューブの、それぞれFESEM写真図である。 (a)は本発明の製造方法で製造された実施例7にかかるカーボンナノチューブの、(b)は実施例8にかかるカーボンナノチューブの、それぞれFESEM写真図である。 (a)は本発明の製造方法で製造された実施例9にかかるカーボンナノチューブのFESEM写真図であり、(b)は実施例9にかかるカーボンナノチューブのTEM写真図である。 (a)は本発明の製造方法で製造された実施例10にかかるカーボンナノチューブの、(b)は実施例11にかかるカーボンナノチューブの、(c)は比較例にかかるカーボンナノチューブの、それぞれFESEM写真図である。 (a)は基板上におけるカーボンナノチューブの成長を、エネルギー分散型分析装置(EDS)を用いて撮像した写真図であり、(b)は図9aの四角枠内を拡大した図であり、(c)は図9bの測定箇所1のEDSスペクトル図であり、(d)は図9bの測定箇所2のEDSスペクトル図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1,2はともに、本発明のプラズマCVD装置の実施の形態を説明した模式図である。
図1で示すプラズマCVD装置10は、チャンバ1と、チャンバ1の上方に位置してこれに連通するプラズマ発生部3と、このプラズマ発生部3の上方に位置して各種のガスが導入されるガス提供部2と、プラズマ発生部3に交流電圧を印加する電源6とから大略構成されている。
チャンバ1には、その下方に基板Kが載置されて、この基板Kの温度を100〜900℃の温度範囲で調整可能なヒータを備えた載置部4が配され、この載置部4と上方のプラズマ発生部3の間には、バルク状の遮蔽材5が配されている。
プラズマ発生部3に交流電圧を印加する電源6は、周波数が400kHz〜2.45GHzの範囲、出力が0.1kW〜50kWの範囲で調整自在となっている。
また、チャンバ1は、0.1〜300Torrの圧力環境に耐え得る真空チャンバである。
バルク状の遮蔽材5は、シリコン、グラファイト、ステンレス、ガラス、ポーラス炭素などから形成される。
また、基材Kは、シリコン、ステンレス、アルミニウム、マグネシウム、カーボンのいずれかの単一素材か、これらを主成分とする素材から形成されている。さらに、この遮蔽材5の厚みは、0.01〜30mmの範囲のものが使用できる。
この基材Kと遮蔽材5の間の間隔は、0.001〜50mmの範囲で調整される。
また、カーボンナノチューブの成長起点となる触媒の活性が低下するのを防止するべく、基板Kの表面に緩衝層を設けておくのが好ましく、チタンやバナジウム、クロムのいずれか一種、もしくはこれらのいずれか一種を主成分とする合金からこの緩衝層を形成することができる。
さらに、基材Kの表面もしくは緩衝層に粒径が1〜50nm程度の触媒を散布しておくのが好ましく、コバルトやニッケル、鉄などを主成分とする触媒金属からこの触媒が形成される。なお、必要に応じて、この触媒表面の酸化膜や汚れを清浄化する処理をおこなってもよい。
さらに、プラズマ領域で分解された水素イオンや水素など、原料炭素以外の成分が基材Kに提供されないように、遮蔽材5の面積は基板K以上の面積であり、かつ、載置された基板Kを遮蔽材5側から見た際にこの基板Kが完全に遮蔽材5で覆われているようになっている。
載置部4上に基板Kを載置し、電源6を通電してプラズマ発生部3内をプラズマ雰囲気とした状態で、ガス提供部2より炭素原料ガスであるメタンガスと、エッチングガスである水素ガスと、発光スペクトル取得用のアルゴンガスからなる混合ガスを導入する(X1方向)。
導入された混合ガスは、プラズマ発生部3(プラズマ発生領域)を通過し(X2方向)、チャンバ1内に導入される。
このプラズマ発生部3を通過する過程で、メタンガスは炭素と水素、水素イオンなどに分解され、これらがチャンバ1内に導入されると、水素はバルク状の遮蔽材5に吸着され(X3方向)、水素イオンは遮蔽材5で阻止(もしくは阻害)されて(X4方向)、いずれも、遮蔽材5の下方に位置する基材K側へ提供されない。
一方、分解された原料炭素は、遮蔽材5の側方の隙間を介してその下方の基材Kへ回り込むようにして提供される(X5方向)。
また、導入されたアルゴンガス等はチャンバ1の下方に設けられた排気孔を介して外部に排気される(X6方向)。
図示するプラズマCVD装置10によれば、プラズマ発生部3と基板Kの間にバルク状の遮蔽材5が配設されていることで、この遮蔽材5にバイアス電源等を設ける必要は一切なく、ここで原料炭素以外のイオン等を阻止することができ、原料炭素のみを効果的に基材Kに提供することができる。
したがって、原料となるメタンガスを有効に利用しながら、効果的かつ効率的に垂直配向のカーボンナノチューブを製造することができる。
一方、図2で示すプラズマCVD装置10Aは、プラズマ発生用の電源6のほかにその上方に別途の電源6Aを具備するものであり、上方のプラズマ発生部3Bと下方のプラズマ発生部3Aの2つのプラズマ発生部を有する装置である。上方のプラズマ発生部3Bに通じるガス提供部2Aから水素ガスのみが導入され(X1’、X2’方向)、下方のプラズマ発生部3Aに設けられた別途のガス提供部2Bからメタンガスとアルゴンガスの混合ガスが導入される(X7方向)ようになっている。
[本発明の製造方法で製造されたカーボンナノチューブの観察結果]
本発明者等は、主として素材の異なる種々の遮蔽材を適用してプラズマCVD装置を作成し、これを使用して本発明の製造方法で垂直配向のカーボンナノチューブを成長させてそれらの観察をおこなった。以下、それぞれの実施例および比較例の条件と観察結果を示した対応図を説明する。
[実施例1]
純度99.9999%のシリコン基板上に緩衝層の金属がチタン、カーボンナノチューブの成長触媒にコバルトを適用し、株式会社アルバック製のアークプラズマガンを適用してカーボンナノチューブを成長させた。まず、チタンを放電回数:600回でスパッタリングし、コバルトを同条件で300回スパッタリングした。これにより、触媒を固定した基板を20×20mmの大きさに切り出した後に、図2で示すプラズマCVD装置内に載置し、基板表面温度が反応中で400℃に保たれるようにヒータ温度を調整した。カーボンソースにはメタンガスを使用し、エッチングガスには水素、発光スペクトル取得用にアルゴンガスを使用し、それぞれ60sccm、60sccm、5sccm(いずれも太陽日産株式会社製、純度G1)のフローレートとし、チャンバ内圧力を10Torr、プラズマ用マイクロ波入力水素側を300W、メタンガス側を300Wとし、プラズマ−基板間に設置する遮蔽材には基板と同様のシリコン素材のものを使用し、その厚みは0.7mm、φ40mmのものを基板との距離を5mmの位置で設置し、成長時間を30分の条件でカーボンナノチューブを成長させた。その結果、カーボンナノチューブの成長速度は16nm/min、カーボンナノチューブの本数密度はおよそ6.25×1010本/cmの均一な垂直配向のカーボンナノチューブが基板の全面に得られた。この実施例1のFESEM写真図(電界放射型透過電子顕微鏡写真図)を図3aに示している。
[実施例2]
実験条件は実施例1と同様であるが、遮蔽材と基板の距離を0.5mmまで近接させてカーボンナノチューブを成長させた。その結果、カーボンナノチューブの成長速度は26nm/min、カーボンナノチューブの本数密度はおよそ7.84×1010本/cmの均一な垂直配向のカーボンナノチューブが基板の全面に得られた。この実施例2のFESEM写真図を図3bに示している。
[実施例3]
実験条件は実施例1と同様であるが、遮蔽材にニラコ株式会社製のグラファイト板(厚みが0.5mm、50mm角)を適用してカーボンナノチューブを成長させた。その結果、カーボンナノチューブの成長速度は33nm/min、カーボンナノチューブの本数密度はおよそ4.90×1011本/cmの均一な垂直配向のカーボンナノチューブが基板の全面に得られた。この実施例3のFESEM写真図を図4aに、TEM写真図(透過型電子顕微鏡写真図)を図4bにそれぞれ示している。
[実施例4]
実験条件は実施例1と同様であるが、遮蔽材にアルミニウム板(厚みが0.5mm、50mm角)を適用してカーボンナノチューブを成長させた。その結果は実施例1と同様であった。この実施例4のFESEM写真図を図5aに示している。
[実施例5]
実験条件は実施例1と同様であるが、遮蔽材にステンレス板(厚みが0.5mm、50mm角)を適用してカーボンナノチューブを成長させた。その結果は実施例1と同様であった。この実施例5のFESEM写真図を図5bに示している。
[実施例6]
実験条件は実施例1と同様であるが、遮蔽材にガラス板(厚みが0.5mm、50mm角)を適用してカーボンナノチューブを成長させた。その結果は実施例1と同様であった。この実施例6のFESEM写真図を図5cに示している。
[実施例7]
実験条件は実施例1と同様であるが、遮蔽材にポーラス炭素板(厚みが0.5mm、50mm角)を適用してカーボンナノチューブを成長させた。その結果は実施例1と同様であった。この実施例7のFESEM写真図を図6aに示している。
[実施例8]
実験条件は実施例1と同様であるが、遮蔽材にガラスファイバー板(厚みが0.3mm、50mm角)を適用してカーボンナノチューブを成長させた。その結果は実施例1と同様であった。この実施例8のFESEM写真図を図6bに示している。
[実施例9]
実験条件は実施例1と同様であるが、触媒にニッケル金属を適用してカーボンナノチューブを成長させた。その結果、カーボンナノチューブの成長速度は64nm/min、カーボンナノチューブの本数密度はおよそ6.25×1011本/cmの均一な垂直配向のカーボンナノチューブが基板の全面に得られた。なお、この実施例では、電界によってカーボンナノチューブに若干の配向が生じた。この実施例9のFESEM写真図を図7aに、TEM写真図を図7bにそれぞれ示している。
[実施例10、11]
実験条件は実施例9と同様であるが、遮蔽材にシリコン板(厚みが0.5mm、50mm角)を適用し、遮蔽板の距離を5mm、0.5mmとしてカーボンナノチューブを成長させた。距離が5mmの実施例10のFESEM写真図を図8aに、距離が0.5mmの実施例11のFESEM写真図を図8bにそれぞれ示している。
[比較例1、2]
上記する各実施例に対して、実験条件は実施例1と同様であるが、遮蔽材を適用せずにカーボンナノチューブを成長させた場合の基板断面のFESEM写真図を図8cに示している。同図より、基板の全面にカーボンナノチューブが全く確認できなかった。
さらに、実験条件は実施例1と同様であるが、既述する公開技術と同様に金属メッシュ構造の遮蔽材を適用してカーボンナノチューブを成長させた。この場合、遮蔽材−基板間の距離に関わらず、金属メッシュ遮蔽材上に電界集中による発光部が発生し、基板の温度が局所的に高温となり、その部分のみにカーボンナノチューブが発生したために、基板上で均一な成長は得られなかった。
本発明者等はさらに、シリコン基板上でコバルト触媒を散布してカーボンナノチューブを成長させ、これをエネルギー分散型分析装置(EDS)を用いて観察している。図9aは基板上における広範囲の撮像した写真図であり、図9bは図9aの四角枠内を拡大した図であり、図9cは図9bの測定箇所1のEDSスペクトル図であり、図9dは図9bの測定箇所2のEDSスペクトル図である。
測定箇所1ではカーボンナノチューブは成長していないが、測定箇所2ではカーボンナノチューブの成長が確認できた。
上記実験結果より、カーボンナノチューブの成長促進に際し、バルク状の遮蔽材を適用することの有効性や、その素材に比較的安価な材料を適用した場合でも遮蔽材の作用を十分に発揮できることが実証されている。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…チャンバ、2,2A,2B…ガス提供部、3,3A,3B…プラズマ発生部(プラズマ発生領域)、4…載置台、5…遮蔽材、6,6A…電源、10,10A…プラズマCVD装置、K…基材

Claims (4)

  1. チャンバと、該チャンバに連通するプラズマ発生部およびガス提供部と、該チャンバ内でカーボンナノチューブを成長させる基板が載置される載置部と、を備えてなるプラズマCVD装置であって、
    前記ガス提供部からは少なくとも炭素原料ガスが導入されるようになっており、
    前記チャンバ内において、プラズマ発生部と前記基板との間にバルク状の遮蔽材が配設されているプラズマCVD装置。
  2. 前記遮蔽材が、シリコン、グラファイト、ステンレス、ガラス、ポーラス炭素のうちのいずれか一種から形成されている、請求項1に記載のプラズマCVD装置。
  3. プラズマCVD装置を構成するチャンバ内でプラズマを発生させるとともに少なくとも炭素原料ガスを導入し、炭素原料ガスがプラズマで分解されてなる炭素を該チャンバ内に載置された基板に提供し、該基板上でカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブの製造方法であって、
    前記チャンバ内のプラズマ発生部と前記基板の間にバルク状の遮蔽材が配設されており、プラズマ発生部を通過して分解されたプラズマは遮蔽材にて遮蔽され、プラズマで分解された炭素は基板に提供され、該基板上の炭素を成長させてカーボンナノチューブを製造するカーボンナノチューブの製造方法。
  4. 前記遮蔽材が、シリコン、グラファイト、ステンレス、ガラス、ポーラス炭素のうちのいずれか一種から形成されている、請求項3に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
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