JP4825846B2 - カーボンナノチューブ作製装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カーボンナノチューブ作製装置、カーボンナノチューブ作製方法、および、ラジカル作製装置に関する。
カーボンナノチューブは、その特異な構造に由来する数々の優れた特性を有する新材料として注目されている。そして、カーボンナノチューブの作製方法としては、アーク放電法、レーザーアブレーション法、または、液相法などがあるが、生産性、制御性、および、半導体プロセス整合性の点で化学気相堆積法(CVD)が優位である。中でも、プラズマを用いて原料を分解することでカーボンナノチューブを作製するプラズマCVD法は、プラズマの生成方法を変えた多数の作製手法が提案されている。そして、励起方式として、容量結合型プラズマ、誘導結合型プラズマ、または、表面波プラズマなどがある。
例えば、非特許文献1には、プラズマCVD法を用いた高品質カーボンナノチューブの低温成長に関する研究を行った結果、プラズマを用いた高品質カーボンナノチューブの低温下での作製にはイオン成分の選択的除去が不可欠であることが記載されている。これはイオン成分がカーボンナノチューブのエッチングを引き起こすためである。
N.Sakuma et al.,Proc.New Diamond and Nano Carbons,2007年,p.195
しかしながら、プラズマパワー減少、または、圧力増加などを行うことで、比較的簡便にイオン成分を低減することは可能であるが、同時にカーボンナノチューブの原料となるラジカル成分も低減してしまう。また、プラズマから基板を十分離すリモートプラズマ方式もよく用いられるが、圧力を増加させたときと同様にラジカルが減少してしまう上に、ラジカルよりもイオンの寿命の方が長い場合、ラジカル供給量が少なすぎるために全くカーボンナノチューブが生成されなくなってしまう。
イオン成分のみを積極的に取り除く手法として、リモートプラズマ方式において、プラズマ−基板間にバイアス印加可能なメッシュグリッドを設置することでイオン成分の基板への到達を防ぐ方法がある。通常イオンは正の電荷を有するので、正バイアスを印加することで容易にイオン成分のみを除去できる。しかし、この場合、逆の電荷を持つ電子(あるいはガス種によっては負イオンが生成される場合もある)は、正バイアスによって加速し、メッシュグリッドを通過してしまう。イオン成分除去を目的に印加されるバイアスは数10V以上であることが多いため、通過した電子は数10eV以上の運動エネルギーを有することになる。これはガスを分解、励起するのに十分なエネルギーであり、メッシュグリッド−基板間でイオン、ラジカルの再生成が起きてしまう。そのため、正バイアスを印加したメッシュグリッドを用いて行った実験では、グラフェン壁がカップスタック状になっている低品質なカーボンナノチューブしか得られていない。したがって、メッシュグリッドに正バイアスを印加するだけの装置構成ではイオン成分の除去は可能であるものの、高品質カーボンナノチューブの作製は難しい。
また、磁場を用いてイオン成分を除去する方法も提案されているが、電気的手法であるバイアス印加と同様に、逆の電荷を有するものを集めてしまう。さらに、磁場の場合、イオン、電子ともにエネルギーが付与されるため、それらによるガスの分解、励起現象も大きくなり、イオン成分の完全除去はより難しくなる。
以上のように、従来技術ではイオン成分の除去のみに着目し、逆の電荷を有する粒子には何らの対策も講じられていない。上述した実験結果からも明らかなように、高品質カーボンナノチューブの低温成長を行うためには、イオン成分の除去とともに逆の電荷を有する粒子の処置も重要となる。さらに、その処置のためにカーボンナノチューブの成長に必要なラジカルまでが失われることがあってはならない。したがって、ラジカル成分のみを供給できるプラズマ装置が求められる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、広い温度範囲、特に低温において高品質なカーボンナノチューブを作製することができるカーボンナノチューブ作製装置、カーボンナノチューブ作製方法、および、ラジカルを作製することができるラジカル作製装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ガスからイオン、ラジカル、および、電子からなるプラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記ラジカルからカーボンナノチューブを作製するカーボンナノチューブ作製手段と、前記プラズマ生成手段と前記カーボンナノチューブ作製手段との間に設けられ、前記イオンおよび前記電子の前記カーボンナノチューブ作製手段への進入を防止する遮蔽電極手段と、前記遮蔽電極手段に電圧を印加するバイアス印加手段と、を備え、前記遮蔽電極手段は、少なくとも1つの開口部を備える第1の遮蔽電極を2段以上備え、隣り合う前記第1の遮蔽電極において、互いの前記開口部間の距離は、前記イオンまたは前記電子が両方の前記開口部を通過不能なだけ離れていること、を特徴とする。
本発明によれば、プラズマ生成部とカーボンナノチューブ作製部との間に設けられた荷電粒子遮蔽電極部が、プラズマ生成部で生成されたプラズマ中のイオン、ラジカル、および、電子のうち、イオンおよび電子のカーボンナノチューブ作製部への進入を防止し、ラジカルをカーボンナノチューブ作製部へ通すことができるので、広い温度範囲、特に低温においても、ラジカルを原料とする高品質なカーボンナノチューブを作製することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、プラズマ生成部に接続された荷電粒子遮蔽電極部が、プラズマ生成部で生成されたプラズマ中のイオン、ラジカル、および、電子のうち、イオンおよび電子の外部への放出を防止し、ラジカルを外部へ放出することができるので、ラジカルを作製することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるカーボンナノチューブ作製装置、カーボンナノチューブ作製方法、および、ラジカル作製装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置の構成を示す断面図である。カーボンナノチューブ作製装置1は、プラズマCVD法により、基板上にカーボンナノチューブを作製する。カーボンナノチューブ作製装置1は、プラズマ生成部2、多段荷電粒子遮蔽電極部3、バイアス印加用電源4、および、成長基板保持部5を備えて構成されている。
プラズマ生成部2は、プラズマを生成する。プラズマ生成部2は、パルス電源6、ガス導入口7、上部電極8、および、下部電極9を備えて構成されている。
パルス電源6は、プラズマ生成に用いるパルス電圧を発生する。パルス電源6は、パルスの高い尖頭値でプラズマを間歇的に生成するため、プラズマ生成に必要な電力は他の種類の電源より少なくなる。
ガス導入口7は、放電ガスをカーボンナノチューブ作製装置1内に導入する。放電ガスは、例えば、カーボンナノチューブの原料となる炭素系ガスとしてメタン、キャリアガスとして水素、および、励起促進効果を有する希ガスとしてアルゴンを適当な割合で混合した混合ガスを使用する。ここで、励起希ガス原子による他原子、分子励起促進効果を得るために、アルゴンガス比率は50%以上が好ましい。また、水素イオンはカーボンナノチューブの成長阻害要因であるため、メタン/水素比は1以上が望ましい。なお、使用するガスの種類はこれに限られず、炭素系ガスとしてアセチレンを使用してもよく、希ガスとしてヘリウムを使用してもよい。
上部電極8は、パルス電源6からのパルス電圧を下部電極9との間に印加するとともに、ガス導入口7から導入された放電ガスを放出する。上部電極8には、ガス導入口7とつながっている多数の孔(図示せず)が設けられており、ガス導入口7からの放電ガスを上部電極8の全領域から均一に放出することができる。そして、上部電極8と下部電極9との間で、放電ガスからプラズマ10が生成される。なお、プラズマ10は、電荷を有する各種イオン、電気的に中性だが反応性に富むラジカル、および、原子から解離した電子からなる。
下部電極9は、上部電極8との間にパルス電圧を印加する。下部電極9は、メッシュ(グリッド)形状をしており、生成されたプラズマ10(イオン、ラジカル、および、電子)は、メッシュの孔(開口部)を通じて、多段荷電粒子遮蔽電極部3へ送られる。なお、下部電極9は、通常接地されるが、正または負のDC電位を印加し、プラズマ10の状態を制御してもよい。
多段荷電粒子遮蔽電極部3は、プラズマ10を構成するイオン、ラジカル、および、電子のうち、イオンと電子とを遮蔽するため、プラズマ生成部2と成長基板保持部5の間に配置される。多段荷電粒子遮蔽電極部3は、3段の板状の遮蔽電極部から構成されており、具体的には、1段目に設けられた第1遮蔽電極部11、2段目に設けられた第2遮蔽電極部12、および、3段目に設けられた第3遮蔽電極部13を備えて構成されている。そして、第1遮蔽電極部11は複数の開口部14、第2遮蔽電極部12は複数の開口部15、第3遮蔽電極部13は複数の開口部16をそれぞれ備えて構成されている。
図2は、多段荷電粒子遮蔽電極部3における各遮蔽電極部の上面図である。図をみると、開口部14、開口部15、および、開口部16の開口径は、開口部14より開口部15の方が小さく、開口部15より開口部16の方が小さくなっている。さらに、それらの開口部数は、開口部14より開口部15の方が多く、開口部15より開口部16の方が多くなっている。なお、多段荷電粒子遮蔽電極部3の詳しい仕組みについては、後ほど説明する。
バイアス印加電源4は、多段荷電粒子遮蔽電極部3にバイアスを印加する電源である。なお、本例では、バイアス印加電源4は、多段荷電粒子遮蔽電極部3に負のバイアスを印加している。バイアス印加電源4は、第1バイアス印加電源17、第2バイアス印加電源18、および、第3バイアス印加電源19を備えて構成されている。
第1バイアス印加電源17は、第1遮蔽電極部11と接続し、第1遮蔽電極部11に電圧を印加する。第2バイアス印加電源18は、第2遮蔽電極部12と接続し、第2遮蔽電極部12に電圧を印加する。第3バイアス印加電源19は、第3遮蔽電極部13と接続し、第3遮蔽電極部13に電圧を印加する。従って、第1遮蔽電極部11、第2遮蔽電極部12、および、第3遮蔽電極部13に対して、それぞれ異なる電圧を印加することが可能である。なお、第1バイアス印加電源17、第2バイアス印加電源18、および、第3バイアス印加電源19が印加する電圧は、最大で数100V、最低で数Vの範囲で設定することが好ましい。
成長基板保持部5は、基板20の表面にカーボンナノチューブを気相成長させることによりカーボンナノチューブを作製する。成長基板保持部5は、基板ステージ21を備えて構成されている。基板ステージ21は、基板20を戴置する台であり、加熱機構(図示せず)を備えており、基板20を適当な温度まで加熱することができるようになっている。基板20は、Siなど適当でよく、その上に触媒として、Ni、Fe、Coなどの微粒子(または極薄膜)が堆積されているものを使用する。なお、基板20が加熱される温度は、300〜500℃と広い範囲の低温である。
(カーボンナノチューブの作製方法)
本実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置1によるカーボンナノチューブの作製方法について説明する。なお、以後の説明のため、図2において、下部電極9と第1遮蔽電極部11の間を空間A、第1遮蔽電極部11と第2遮蔽電極部12の間を空間B、第2遮蔽電極部12と第3遮蔽電極部13の間を空間Cとする。
初めに、上部電極8にパルス電源7からのパルス電圧が印加され、上部電極8に設けられた多数の孔から放電ガスが放出されると、上部電極8と下部電極9との間でプラズマ10が生成される。前述したように、パルス電源6ではプラズマ生成に必要な電力が他の種類の電源より少ない。そして、電源としてパルス電源6を使用するのは、以下の理由による。すなわち、プラズマを構成するイオン、ラジカル、および、電子の量は一般的に投入電力に比例するため、イオンおよび電子量を少なくするためには、低い電力でプラズマを生成、維持することが有効であるからである。従って、プラズマの生成方式はパルス励起式であり、発生するプラズマの密度は、1010cm−3以下となる。
生成されたプラズマ10は、カーボンナノチューブ作製装置1に設けられた排気部(図示せず)の排気、または、重力による流れに従い、下部電極9のメッシュの孔(開口部)から多段荷電粒子遮蔽電極部3の空間Aへ送られる。また、空間Aにおいても、プラズマ10で生成された励起アルゴン原子の持つ励起促進効果により、イオンおよびラジカルが2次的に生成される。ここで、多段荷電粒子遮蔽電極部3の各遮蔽電極部には、バイアス印加電源4により負のバイアスが印加されている。
そのため、空間Aに存在するイオンの大部分は、第1遮蔽電極部11がイオンに対する吸収板として機能するため、その引力により引き寄せられ、第1遮蔽電極部11との衝突により消滅する。ただし、少量のイオンは負バイアスによって加速され、そのまま開口部14を通り抜け、空間Bに到達する。
また、空間Aに存在する電子は、第1遮蔽電極部11が電子に対する反射板として機能し、その反発力のため、そのまま空間Aに閉じ込められる。一方、空間Aに存在するラジカルは、電気的に中性であり第1遮蔽電極部11に印加された負バイアスの影響を受けないので、流れに従い、そのまま開口部14を通り抜け空間Bに到達する。従って、ほぼ全てのラジカルおよび少量のイオンが、空間Aから空間Bへ到達することになる。
空間Bでは、空間Aから移動してきたラジカルおよび少量のイオンに加え、プラズマ10で生成された励起アルゴン原子の持つ励起促進効果により、イオンおよびラジカルが2次的に生成される。さらに、空間Bで加速されたイオンによる放電ガスの分解、励起現象によって、新たにイオンおよび電子が少量生成される。
そして、空間Bに存在する少量のイオンは、第2遮蔽電極部12がイオンに対する吸収板として機能するため、その引力により引き寄せられ、第2遮蔽電極部12との衝突によりほぼ全てが消滅する。ここで、負バイアスによって加速されたイオンが第2遮蔽電極部12に衝突せずそのまま開口部15を通り抜けないように、開口部15は開口部14から一定の距離だけ離れている。図3は、遮蔽電極部の各開口部と遮蔽電極部間の関係を示す図である。空間Aで加速されたイオンは、さらに空間Bで加速されるため、空間Bでは直線的に移動する。そのため、空間Aから空間Bに入射角45度以上で入射したイオンが通り抜けないように、開口部15を開口部14から離しておけばよい。
従って、第1遮蔽電極部11と第2遮蔽電極部12の間の距離をL1、開口部14と開口部15の中心間距離をL2、開口部14の開口径をL3、開口部15の開口径をL4とすると、以下の数式(1)が成り立つように設計すれば、空間Bに存在するイオンは第2遮蔽電極部12との衝突により消滅する。
Figure 0004825846
なお、実際には、多段荷電粒子遮蔽電極部3によって形成される電界は、ほぼ一様なので、入射角が45度より大きい前提で設計しても、イオンは開口部15をほとんど通り抜けない。従って、開口部14および開口部15の形状は、上記数式を満足すれば、実際はどのような形状でもよい。ただし、開口部14と開口部15の中心間距離L2を大きくするほど、空間Cにおけるラジカル/イオン比は増加するが、設計上開口部14および開口部15の数が少なくなるため、空間Cに到達するラジカルの数は減少する。
以上の理由により、空間Bに存在するイオンは、ほぼすべて消滅する。また、空間Bに存在する電子は、第2遮蔽電極部12が電子に対する反射板として機能し、その反発力のため、そのまま空間Bに閉じ込められる。一方、空間Bに存在するラジカルは、電気的に中性であり第2遮蔽電極部12に印加された負バイアスの影響を受けないので、流れに従い、そのまま開口部15を通り抜け空間Cに到達する。
空間Cでは、空間Bから移動してきたラジカルに加え、プラズマ10で生成された励起アルゴン原子の持つ励起促進効果により、イオンおよびラジカルが2次的に生成される。
第3遮蔽電極部13は、開口部16の数が多いため、上述した数式が成り立つように開口部16の配置を設計することはできないが、空間Cにあるイオンの一定量を第3遮蔽電極部13との衝突により消滅させ、空間Cにある電子を第3遮蔽電極部13により空間Cに閉じ込めることができる。従って、3段目にある第3遮蔽電極部13については、イオンが入射する角度を45度より大きい角度に想定する(開口部の間隔を狭くする)ほうが、シャワー効果により成長基板保持部5に十分なラジカル量を供給することができ、現実的である。
第3遮蔽電極部13により、空間Cに存在するイオンは消滅し、空間Cに存在する電子はそのまま閉じ込められる。しかし、空間Cに存在するラジカルは、電気的に中性であり第3遮蔽電極部13に印加された負バイアスの影響を受けないので、流れに従い、そのまま開口部16を通り抜け成長基板保持部5に到達する。
ここで、開口部14、15、16は、上段から下段に向かって開口径が小さくなり、その密度も疎から密へと変化しているため、成長基板保持部5で、均一なラジカル流を得ることが可能となっている。そして、成長基板保持部5に到達したラジカルを原料として基板20の表面にカーボンナノチューブが作製される。
また、プラズマ生成部2および成長基板保持部5は、多段荷電粒子遮蔽電極部3により分離されており、成長基板保持部5の圧力はプラズマ生成部2より小さくなる。プラズマ生成部2の圧力を調整することで、成長基板保持部5において放電ガスとの衝突によるラジカル成分の減少を最小限にすることができる。
また、前述したように、多段荷電粒子遮蔽電極部3に印加されるバイアス電圧は、最大で数100V、最低で数Vの範囲で設定されているが、各遮蔽部に印加される電圧値は、第1遮蔽電極部11より第2遮蔽電極部12の方が小さく、第2遮蔽電極部12より第3遮蔽電極部13の方が小さくなっている。これは、1段目から3段目に向かって印加バイアスを段階的に減少させることで、バイアスによるイオンまたは電子へのエネルギー付与が段階的に小さくなるため、それらによるガスの分解、励起現象を最小限にすることができるからである。このように、多段荷電粒子遮蔽電極部3の遮蔽電極を多段構造に設計することで、イオンおよび電子に対する高い除去効率を実現することができる。
また、多段荷電粒子遮蔽電極部3に複数の遮蔽電極部11、12、13があること、および、開口部14と開口部15の位置が離れていることにより、ラジカルが成長基板保持部5へ到達するまでの移動距離が大きくなるため、必要とするラジカルが放電ガスとの衝突などにより減少してしまうという問題がある。しかし、プラズマ10で生成された励起アルゴン原子の持つ励起促進効果により、イオンおよびラジカルを2次的に生成し、ラジカルの減少を補うことができる。励起アルゴン原子は準安定状態にあり、きわめて寿命が長いため、多段荷電粒子遮蔽電極部3においても、イオン、ラジカル、および、電子を高効率で生成することができる。また、同時に生成されるイオンおよび電子は各遮蔽電極部11、12、13で除去または捕獲されるため、下側の空間には移動しない。従って、成長基板保持部5に十分な量のラジカルを供給することが可能となる。
このように、多段荷電粒子遮蔽電極部3の各遮蔽電極11、12、13の開口部形状および分布、各遮蔽電極11、12、13間の距離、各遮蔽電極11、12、13に印加される電圧、および、プラズマ生成部2と成長基板保持部5の圧力を調整することにより、イオン成分および電子の除去と、必要量の純粋なラジカル成分の供給との両方が実現可能であり、広い温度範囲、特に低温において高品質なカーボンナノチューブの作製が可能となる。従って、耐熱温度の低い材料にもカーボンナノチューブの作製が可能となり、広範なカーボンナノチューブの応用が期待できる。
なお、本実施の形態では、バイアス印加電源4は、多段荷電粒子遮蔽電極部3に負のバイアスを印加しているが、正のバイアスを印加してもイオンおよび電子を除去することができる。この場合、第1遮蔽電極部11、第2遮蔽電極部12、および、第3遮蔽電極部13は、イオンに対しては反射板として機能し、電子に対しては吸収板として機能する。しかし、イオンの方が質量が大きいため直進性が高いこと、および、イオンの方が散乱断面積が大きいことから、多段荷電粒子遮蔽電極部3に負のバイアスを印加し、イオンを各遮蔽電極部に引き込む方が好ましい。
また、本実施の形態では、放電ガスは、炭素系ガス、水素、および、希ガスを適当な割合で混合した混合ガスを使用しているが、炭素系ガスと水素のみを適当な割合で混合した混合ガスを使用してもよい。この場合、希ガスによりラジカルを再生成することができなくなるが、少量のラジカルで十分な場合は問題ない。
(変形例)
次に、本実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置の変形例について説明する。本変形例では、多段荷電粒子遮蔽電極部の第1遮蔽電極部および第3遮蔽電極部の形状のみ異なっている。図4は、第1の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置の変形例の構成を示す断面図であり、図5は、多段荷電粒子遮蔽電極部における各遮蔽電極部の上面図である。
カーボンナノチューブ作製装置1’において、多段荷電粒子遮蔽電極部3’の第1遮蔽電極部11’および第3遮蔽電極部13’は、その大きさが多段荷電粒子遮蔽電極部3’の外壁のサイズ(図5の点線で描かれた部分)より小さいことがわかる。従って、第1遮蔽電極部11’の外周と多段荷電粒子遮蔽電極部3’の外壁との間に隙間22、第3遮蔽電極部13’の外周と多段荷電粒子遮蔽電極部3’の外壁との間に隙間23が空いている構造となっている。
しかしながら、第1遮蔽電極部11’に隙間22があっても、空間Bに入射したイオンが通り抜けないように隙間22を開口部14から離しておけば、空間Bのイオンを第2遮蔽電極部12との衝突により消滅させることができる。また、空間Bの電子を、第2遮蔽電極部12により空間Bに閉じ込めることができる。
さらに、第3遮蔽電極部13’に隙間23があっても、空間Cにあるイオンの一定量を第3遮蔽電極部13’との衝突により消滅させ、空間Cにある電子を第3遮蔽電極部13’により空間Cに閉じ込めることができる。また、第3遮蔽電極部13’に隙間23があっても、成長基板保持部5で、均一なラジカル流が得ることができる。
このように、第1の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置によれば、プラズマ生成部と成長基板保持部との間に設けられた荷電粒子遮蔽電極部における3段の各遮蔽電極部が、プラズマ生成部で生成されたプラズマ中のイオン、ラジカル、および、電子のうち、イオンおよび電子の成長基板保持部への進入を防止し、ラジカルを成長基板保持部へ通すことができるので、広い温度範囲、特に低温においても、ラジカルを原料とする高品質なカーボンナノチューブを作製することが可能となる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、第1の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置の構成要素のうち、プラズマ生成部、多段荷電粒子遮蔽電極部、および、バイアス印加用電源で構成されたラジカル作製装置について説明する。第2の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかるラジカル作製装置の構成について、第1の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、同一の符号が付された箇所については、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図6は、第2の実施の形態にかかるラジカル作製装置の構成を示す断面図である。ラジカル作製装置31は、ラジカルを作製する。ラジカル作製装置31は、プラズマ生成部2、多段荷電粒子遮蔽電極部3、および、バイアス印加用電源4を備えて構成されている。すなわち、第1の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置1の構成要素のうち、成長基板保持部5を除いた、プラズマ生成部2、多段荷電粒子遮蔽電極部3、および、バイアス印加用電源4で構成されている。
プラズマ生成部2は、プラズマ10を生成し、パルス電源6、ガス導入口7、上部電極8、および、下部電極9を備えて構成されている。多段荷電粒子遮蔽電極部3は、プラズマ10を構成するイオン、ラジカル、および、電子のうち、イオンと電子とを遮蔽し、第1遮蔽電極部11、第2遮蔽電極部12、および、第3遮蔽電極部13を備えて構成されている。そして、第1遮蔽電極部11は複数の開口部14、第2遮蔽電極部12は複数の開口部15、第3遮蔽電極部13は複数の開口部16をそれぞれ備えて構成されている。バイアス印加電源4は、多段荷電粒子遮蔽電極部3にバイアスを印加し、第1バイアス印加電源17、第2バイアス印加電源18、および、第3バイアス印加電源19を備えて構成されている。
そして、カーボンナノチューブを作製する際には、ラジカル作製装置31と、別途用意した成長基板保持装置32とを接続して使用する。成長基板保持装置32は、成長基板保持部5と同じ構造をしており、基板33の表面に様々な物質を気相成長させるため、加熱機構(図示せず)を備えた基板ステージ21を備えて構成されている。カーボンナノチューブを作製する際には、。基板33は、Siなど適当でよく、その上に触媒として、Ni、Fe、Coなどの微粒子(または極薄膜)が堆積されているものを使用する。なお、基板33が加熱される温度は、300〜500℃と広い範囲の低温である。そして、ラジカル作製装置31と成長基板保持装置32とを接続したものは、第1の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置1と同様に機能する。従って、ラジカル作製装置31は、イオンおよび電子の成長基板保持装置32への放出を防止し、ラジカルを成長基板保持装置32へ放出する。これにより成長基板保持装置32で、カーボンナノチューブ作製装置1と同様の高品質なカーボンナノチューブを作製することができる。
さらに、ラジカル作製装置31内に導入する放電ガスの種類を変更し、基板33の材質を変更すれば、ラジカル作製装置31は、カーボンナノチューブ以外の他の物質の原料となるラジカルを成長基板保持装置32へ放出し、成長基板保持装置32で当該他の物質を、絶縁膜や封止膜などとして基板33の表面に作製することが可能である。例えば、有機EL素子など構造的に弱いものを作成する場合、非常に有効である。
図7は、第2の実施の形態にかかるラジカル作製装置の他の使用例を説明する図である。ラジカル作製装置31は、予備室34と接続し、さらに、予備室34は、メインチャンバー35と接続している。さらに、予備室34およびチャンバー35には、それぞれ基板ステージ21が備えられており、それぞれ成長基板保持装置32として機能する。そして、場合に応じて基板33を、予備室34の基板ステージ21とチャンバー35の基板ステージ21との間で真空搬送することが可能となっている。
このように、第2の実施の形態にかかるラジカル作製装置によれば、プラズマ生成部に接続された荷電粒子遮蔽電極部における3段の各遮蔽電極部が、プラズマ生成部で生成されたプラズマ中のイオン、ラジカル、および、電子のうち、イオンおよび電子の外部への放出を防止し、ラジカルを外部へ放出することができるので、ラジカルを作製することが可能となる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置は、第1の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置に対して、多段荷電粒子遮蔽電極部を構成する各遮蔽電極部の数、各遮蔽電極部の開口部の形状、および、これらの開口部間の距離が異なっている。第3の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置の構成について、第1の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、同一の符号が付された箇所については、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図8は、第3の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置の構成を示す断面図である。カーボンナノチューブ作製装置41は、プラズマCVD法により、基板上にカーボンナノチューブを作製する。カーボンナノチューブ作製装置41は、プラズマ生成部2、多段荷電粒子遮蔽電極部42、バイアス印加用電源43、および、成長基板保持部5を備えて構成されている。
プラズマ生成部2は、プラズマ10を生成し、パルス電源6、ガス導入口7、上部電極8、および、下部電極9を備えて構成されている。
多段荷電粒子遮蔽電極部42は、プラズマ10を構成するイオン、ラジカル、および、電子のうち、イオンと電子とを遮蔽するため、プラズマ生成部2と成長基板保持部5の間に配置される。多段荷電粒子遮蔽電極部42は、4段の板状の遮蔽電極部から構成されており、具体的には、1段目に設けられた第1遮蔽電極部44、2段目に設けられた第2遮蔽電極部45、3段目に設けられた第3遮蔽電極部46、および、4段目に設けられた第4遮蔽電極部47を備えて構成されている。そして、第1遮蔽電極部44は隙間48、第2遮蔽電極部45は1つの開口部49、第3遮蔽電極部46は複数の開口部50、第4遮蔽電極部47は複数の開口部51をそれぞれ備えて構成されている。
図9は、多段荷電粒子遮蔽電極部42における各遮蔽電極部の上面図である。図をみると、第1遮蔽電極部44は、その大きさが多段荷電粒子遮蔽電極部42の外壁のサイズ(図9の点線で描かれた部分)より小さいことがわかる。従って、第1遮蔽電極部44の外周と多段荷電粒子遮蔽電極部42の外壁との間に隙間48が空いている構造となっている。さらに、図をみると、第2遮蔽電極部45がその中央に1つの開口部49、第3遮蔽電極部46が複数の開口部50、第4遮蔽電極部47が複数の開口部51をそれぞれ備えていることがわかる。そして、隙間48の幅、開口部49の開口径、および、開口部50の開口径はほぼ同じサイズで、開口部51の開口径だけ他より小さくなっている。さらに、開口部の数は、開口部49より開口部50の方が多く、開口部50より開口部51の方が多くなっている。
バイアス印加電源43は、多段荷電粒子遮蔽電極部42にバイアスを印加する電源である。なお、本例では、バイアス印加電源43は、多段荷電粒子遮蔽電極部42に負のバイアスを印加している。バイアス印加電源43は、第1バイアス印加電源52、第2バイアス印加電源53、第3バイアス印加電源54、および、第4バイアス印加電源55を備えて構成されている。
第1バイアス印加電源52は、第1遮蔽電極部44と接続し、第1遮蔽電極部44に電圧を印加する。第2バイアス印加電源53は、第2遮蔽電極部45と接続し、第2遮蔽電極部45に電圧を印加する。第3バイアス印加電源54は、第3遮蔽電極部46と接続し、第3遮蔽電極部46に電圧を印加する。第4バイアス印加電源55は、第4遮蔽電極部47と接続し、第4遮蔽電極部47に電圧を印加する。従って、第1遮蔽電極部44、第2遮蔽電極部45、第3遮蔽電極部46、および、第4遮蔽電極部47に対して、それぞれ異なる電圧を印加することが可能である。なお、第1バイアス印加電源52、第2バイアス印加電源53、第3バイアス印加電源54、および、第4バイアス印加電源55が印加する電圧は、最大で数100V、最低で数Vの範囲で設定することが好ましい。
成長基板保持部5は、基板20の表面にカーボンナノチューブを気相成長させることによりカーボンナノチューブを作製し、そのため、加熱機構(図示せず)を備えた基板ステージ21を備えて構成されている。なお、基板20が加熱される温度は、300〜500℃と広い範囲の低温である。
(カーボンナノチューブの作製方法)
本実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置41によるカーボンナノチューブの作製方法について説明する。なお、以後の説明のため、図8において、下部電極9と第1遮蔽電極部44の間を空間A、第1遮蔽電極部44と第2遮蔽電極部45の間を空間B、第2遮蔽電極部45と第3遮蔽電極部46の間を空間C、第3遮蔽電極部46と第4遮蔽電極部47の間を空間Dとする。
初めに、上部電極8にパルス電源7からのパルス電圧が印加され、上部電極8に設けられた多数の孔から放電ガスが放出されると、上部電極8と下部電極9との間でプラズマ10が生成される。生成されたプラズマ10は、カーボンナノチューブ作製装置41に設けられた排気部(図示せず)の排気、または、重力による流れに従い、下部電極9のメッシュの孔(開口部)から多段荷電粒子遮蔽電極部42の空間Aへ送られる。また、空間Aにおいても、プラズマ10で生成された励起アルゴン原子の持つ励起促進効果により、イオンおよびラジカルが2次的に生成される。ここで、多段荷電粒子遮蔽電極部42の各遮蔽電極部には、バイアス印加電源43により負のバイアスが印加されている。
そのため、空間Aに存在するイオンの大部分は、第1遮蔽電極部44がイオンに対する吸収板として機能するため、その引力により引き寄せられ、第1遮蔽電極部44との衝突により消滅する。ただし、少量のイオンは負バイアスによって加速され、そのまま隙間48を通り抜け、空間Bに到達する。
また、空間Aに存在する電子は、第1遮蔽電極部44が電子に対する反射板として機能し、その反発力のため、そのまま空間Aに閉じ込められる。一方、空間Aに存在するラジカルは、電気的に中性であり第1遮蔽電極部44に印加された負バイアスの影響を受けないので、流れに従い、そのまま隙間48を通り抜け空間Bに到達する。従って、ほぼ全てのラジカルおよび少量のイオンが、空間Aから空間Bへ到達することになる。
空間Bでは、空間Aから移動してきたラジカルおよび少量のイオンに加え、プラズマ10で生成された励起アルゴン原子の持つ励起促進効果により、イオンおよびラジカルが2次的に生成される。さらに、空間Bで加速されたイオンによる放電ガスの分解、励起現象によって、新たにイオンおよび電子が少量生成される。
そして、空間Bに存在する少量のイオンは、第2遮蔽電極部45がイオンに対する吸収板として機能するため、その引力により引き寄せられ、第2遮蔽電極部45との衝突によりほぼ全てが消滅する。
ここで、負バイアスによって加速されたイオンが第2遮蔽電極部45に衝突せずそのまま開口部49を通り抜けないように、開口部49は隙間48から一定の距離だけ離れている必要があるが、本例では、第1の実施の形態で説明した数式(1)の関係が成立している。さらに、第1の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置1の開口部14と開口部15の場合に比べて距離が大幅に離れているので、開口部49を通り抜け、空間Cへ到達するイオンの数は、カーボンナノチューブ作製装置1に比べて大幅に減少する。
また、空間Bに存在する電子は、第2遮蔽電極部45が電子に対する反射板として機能し、その反発力のため、そのまま空間Bに閉じ込められる。一方、空間Bに存在するラジカルは、電気的に中性であり第2遮蔽電極部45に印加された負バイアスの影響を受けないので、流れに従い、そのまま開口部49を通り抜け空間Cに到達する。
空間Cでは、空間Cから移動してきたラジカルに加え、プラズマ10で生成された励起アルゴン原子の持つ励起促進効果により、イオンおよびラジカルが2次的に生成される。
そして、空間Cに存在する少量のイオンは、第3遮蔽電極部46がイオンに対する吸収板として機能するため、その引力により引き寄せられ、第3遮蔽電極部46との衝突によりほぼ全てが消滅する。ここで、第3遮蔽電極部46の開口部50は、第1の実施の形態で説明した数式(1)の関係が成り立つように配置してもよいが、空間Cに存在するイオンの数は少ないので、イオンが入射する角度を45度より大きい角度に想定して(開口部の間隔を狭くして)、配置してもよい。いずれにせよ、空間Cにあるイオンの一定量を第3遮蔽電極部46との衝突により消滅させ、空間Cにある電子を第3遮蔽電極部46により空間Cに閉じ込めることができる。
また、空間Cに存在する電子は、第3遮蔽電極部46が電子に対する反射板として機能し、その反発力のため、そのまま空間Cに閉じ込められる。一方、空間Cに存在するラジカルは、電気的に中性であり第3遮蔽電極部46に印加された負バイアスの影響を受けないので、流れに従い、そのまま開口部50を通り抜け空間Dに到達する。
空間Dでは、空間Cから移動してきたラジカルに加え、プラズマ10で生成された励起アルゴン原子の持つ励起促進効果により、イオンおよびラジカルが2次的に生成される。
第4遮蔽電極部47は、開口部51の数が多いため、第1の実施の形態で説明した数式が成り立つように開口部51の配置を設計することはできないが、空間Dにあるイオンの一定量を第4遮蔽電極部47との衝突により消滅させ、空間Dにある電子を第4遮蔽電極部47により空間Dに閉じ込めることができる。従って、4段目にある第4遮蔽電極部47については、イオンが入射する角度を45度より大きい角度に想定する(開口部の間隔を狭くする)ほうが、シャワー効果により成長基板保持部5に十分なラジカル量を供給することができ、現実的である。
第4遮蔽電極部47により、空間Dに存在するイオンは消滅し、空間Dに存在する電子はそのまま閉じ込められる。しかし、空間Dに存在するラジカルは、電気的に中性であり第4遮蔽電極部47に印加された負バイアスの影響を受けないので、流れに従い、そのまま開口部51を通り抜け成長基板保持部5に到達する。
ここで、開口部51は開口部50より小さく、開口部49、50、51は、上段から下段に向かって密度が疎から密へと変化しているため、成長基板保持部5で、均一なラジカル流を得ることが可能となっている。そして、成長基板保持部5に到達したラジカルを原料として基板20の表面にカーボンナノチューブが作製される。
このように、第1の実施の形態に比べて、多段荷電粒子遮蔽電極部42の遮蔽電極の段数を増やすとともに、第1遮蔽電極部44の隙間48と第2遮蔽電極部49の開口部49の距離を広げた構造に設計することで、第1の実施の形態に比べて、イオンおよび電子に対する除去効率をさらに高くすることができる。
また、プラズマ生成部2および成長基板保持部5は、多段荷電粒子遮蔽電極部42により分離されており、成長基板保持部5の圧力はプラズマ生成部2より小さくなる。プラズマ生成部2の圧力を調整することで、成長基板保持部5において放電ガスとの衝突によるラジカル成分の減少を最小限にすることができる。
また、前述したように、多段荷電粒子遮蔽電極部42に印加されるバイアス電圧は、最大で数100V、最低で数Vの範囲で設定されているが、各遮蔽部に印加される電圧値は、第1遮蔽電極部44より第2遮蔽電極部45の方が小さく、第2遮蔽電極部45より第3遮蔽電極部46の方が小さく、第3遮蔽電極部46より第4遮蔽電極部47の方が小さくなっている。これは、1段目から4段目に向かって印加バイアスを段階的に減少させることで、バイアスによるイオンまたは電子へのエネルギー付与が段階的に小さくなるため、それらによるガスの分解、励起現象を最小限にすることができるからである。このように、多段荷電粒子遮蔽電極部42の遮蔽電極を多段構造に設計することで、イオンおよび電子に対する高い除去効率を実現することができる。
また、多段荷電粒子遮蔽電極部42に複数の遮蔽電極部44、45、46、47があること、および、隙間48と開口部49の位置、および、開口部49と開口部50の位置が離れていることにより、ラジカルが成長基板保持部5へ到達するまでの移動距離が大きくなるため、必要とするラジカルが放電ガスとの衝突などにより減少してしまうという問題がある。しかし、プラズマ10で生成された励起アルゴン原子の持つ励起促進効果により、イオンおよびラジカルを2次的に生成し、ラジカルの減少を補うことができる。励起アルゴン原子は準安定状態にあり、きわめて寿命が長いため、多段荷電粒子遮蔽電極部42においても、イオン、ラジカル、および、電子を高効率で生成することができる。また、同時に生成されるイオンおよび電子は各遮蔽電極部44、45、46、47で除去または捕獲されるため、下側の空間には移動しない。従って、成長基板保持部5に十分な量のラジカルを供給することが可能となる。
このように、多段荷電粒子遮蔽電極部42の各遮蔽電極44、45、46、47の隙間形状、開口部形状および分布、各遮蔽電極44、45、46、47間の距離、各遮蔽電極44、45、46、47に印加される電圧、および、プラズマ生成部2と成長基板保持部5の圧力を調整することにより、イオン成分および電子の除去と、必要量の純粋なラジカル成分の供給との両方が実現可能であり、広い温度範囲、特に低温において高品質なカーボンナノチューブの作製が可能となる。従って、耐熱温度の低い材料にもカーボンナノチューブの作製が可能となり、広範なカーボンナノチューブの応用が期待できる。
なお、本実施の形態では、バイアス印加電源43は、多段荷電粒子遮蔽電極部42に負のバイアスを印加しているが、正のバイアスを印加してもイオンおよび電子を除去することができる。この場合、第1遮蔽電極部44、第2遮蔽電極部45、第3遮蔽電極部46、および、第4遮蔽電極部47は、イオンに対しては反射板として機能し、電子に対しては吸収板として機能する。しかし、イオンの方が質量が大きいため直進性が高いこと、および、イオンの方が散乱断面積が大きいことから、多段荷電粒子遮蔽電極部42に負のバイアスを印加し、イオンを各遮蔽電極部に引き込む方が好ましい。
また、本実施の形態では、放電ガスは、炭素系ガス、水素、および、希ガスを適当な割合で混合した混合ガスを使用しているが、炭素系ガスと水素のみを適当な割合で混合した混合ガスを使用してもよい。この場合、希ガスによりラジカルを再生成することができなくなるが、少量のラジカルで十分な場合は問題ない。
このように、第3の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置によれば、プラズマ生成部と成長基板保持部との間に設けられた荷電粒子遮蔽電極部における4段の各遮蔽電極部が、プラズマ生成部で生成されたプラズマ中のイオン、ラジカル、および、電子のうち、イオンおよび電子の成長基板保持部への進入を防止し、ラジカルを成長基板保持部へ通すことができるので、広い温度範囲、特に低温においても、ラジカルを原料とする高品質なカーボンナノチューブを作製することが可能となる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置は、荷電粒子遮蔽電極部を構成する電極部の数を1つにし、その代わりに、成長基板保持部の基板ステージを覆うように箱型遮蔽電極部を配置している。第4の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置の構成について、第1の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、同一の符号が付された箇所については、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図10は、第4の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置の構成を示す断面図である。カーボンナノチューブ作製装置61は、プラズマCVD法により、基板上にカーボンナノチューブを作製する。カーボンナノチューブ作製装置61は、プラズマ生成部2、荷電粒子遮蔽電極部62、バイアス印加用電源63、および、成長基板保持部64を備えて構成されている。
プラズマ生成部2は、プラズマ10を生成し、パルス電源6、ガス導入口7、上部電極8、および、下部電極9を備えて構成されている。
荷電粒子遮蔽電極部62は、プラズマ10を構成するイオン、ラジカル、および、電子のうち、イオンと電子とを遮蔽するため、プラズマ生成部2と成長基板保持部64の間に配置される。荷電粒子遮蔽電極部62は、1段の板状の遮蔽電極部のみで構成されている。そして、荷電粒子遮蔽電極部62は隙間65を備えて構成されている。
バイアス印加電源63は、荷電粒子遮蔽電極部62および後述する箱型遮蔽電極部68にバイアスを印加する電源である。なお、本例では、バイアス印加電源63は、荷電粒子遮蔽電極部62および箱型遮蔽電極部68に負のバイアスを印加している。バイアス印加電源63は、第1バイアス印加電源66および第2バイアス印加電源67を備えて構成されている。
第1バイアス印加電源66は、荷電粒子遮蔽電極部62と接続し、荷電粒子遮蔽電極部62に電圧を印加する。第2バイアス印加電源67は、箱型遮蔽電極部68と接続し、箱型遮蔽電極部68に電圧を印加する。従って、荷電粒子遮蔽電極部62と箱型遮蔽電極部68に対して、それぞれ異なる電圧を印加することが可能である。なお、第1バイアス印加電源66および第2バイアス印加電源67が印加する電圧は、最大で数100V、最低で数Vの範囲で設定することが好ましい。
成長基板保持部64は、基板20の表面にカーボンナノチューブを気相成長させることによりカーボンナノチューブを作製する。成長基板保持部64は、加熱機構(図示せず)を備えた基板ステージ21、および、箱型遮蔽電極部68を備えて構成されている。なお、基板20が加熱される温度は、300〜500℃と広い範囲の低温である。箱型遮蔽電極部68は、プラズマ10を構成するイオン、ラジカル、および、電子のうち、イオンと電子とを遮蔽するため、基板ステージ21を覆うように配置される。箱型遮蔽電極部68は、その上面が板状で完全に塞がれ、その側面がメッシュ(グリッド)形状をしている。
図11は、荷電粒子遮蔽電極部62および箱型遮蔽電極部68の上面図である。図をみると、荷電粒子遮蔽電極部62は、その大きさが荷電粒子遮蔽電極部62の外壁のサイズ(図11の点線で描かれた部分)より小さいことがわかる。従って、荷電粒子遮蔽電極部62の外周と外壁との間に隙間65が空いている構造となっている。また、箱型遮蔽電極部68は、荷電粒子遮蔽電極部62より十分大きいことがわかる。
(カーボンナノチューブの作製方法)
本実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置61によるカーボンナノチューブの作製方法について説明する。なお、以後の説明のため、図10において、下部電極9と荷電粒子遮蔽電極部62の間を空間A、荷電粒子遮蔽電極部62と箱型遮蔽電極部68の間を空間B、箱型遮蔽電極部68の内部を空間Cとする。
初めに、上部電極8にパルス電源7からのパルス電圧が印加され、上部電極8に設けられた多数の孔から放電ガスが放出されると、上部電極8と下部電極9との間でプラズマ10が生成される。生成されたプラズマ10は、カーボンナノチューブ作製装置61に設けられた排気部(図示せず)の排気、または、重力による流れに従い、下部電極9のメッシュの孔(開口部)から荷電粒子遮蔽電極部62の空間Aへ送られる。また、空間Aにおいても、プラズマ10で生成された励起アルゴン原子の持つ励起促進効果により、イオンおよびラジカルが2次的に生成される。ここで、荷電粒子遮蔽電極部62には、第1バイアス印加電源66により負のバイアスが印加されている。
そのため、空間Aに存在するイオンの大部分は、荷電粒子遮蔽電極部62がイオンに対する吸収板として機能するため、その引力により引き寄せられ、荷電粒子遮蔽電極部62との衝突により消滅する。ただし、少量のイオンは負バイアスによって加速され、そのまま隙間65を通り抜け、空間Bに到達する。
また、空間Aに存在する電子は、荷電粒子遮蔽電極部62が電子に対する反射板として機能し、その反発力のため、そのまま空間Aに閉じ込められる。一方、空間Aに存在するラジカルは、電気的に中性であり荷電粒子遮蔽電極部62に印加された負バイアスの影響を受けないので、流れに従い、そのまま隙間65を通り抜け空間Bに到達する。従って、ほぼ全てのラジカルおよび少量のイオンが、空間Aから空間Bへ到達することになる。
そして、空間Bに到達した少量のイオンは、箱型遮蔽電極部68がイオンに対する吸収板として機能するため、その引力により引き寄せられ、箱型遮蔽電極部68の上面に衝突し、ほぼ全てが消滅する。また、何らかの要因で空間Bに電子が存在しても、箱型遮蔽電極部68が電子に対する反射板として機能し、その反発力のため、そのまま空間Bに閉じ込められ、空間Cには進入しない。
一方、空間Bに存在するラジカルは、電気的に中性であり箱型遮蔽電極部68に印加された負バイアスの影響を受けないので、流れに従い、そのままメッシュ(グリッド)形状である箱型遮蔽電極部68の側面を通り抜け空間Cに到達する。そして、ラジカルを原料として基板20の表面にカーボンナノチューブが作製される。
このように、荷電粒子遮蔽電極部62が1段の遮蔽電極部のみで構成されているため、ラジカルが成長基板保持部64へ到達するまでの移動距離が短くなり、その減少量が小さいので、希ガスによる励起促進効果を用いなくても十分な量のラジカルを供給可能である。また、箱型遮蔽電極部68の上面の形状が荷電粒子遮蔽電極部62より十分大きい形状をしているので、荷電粒子遮蔽電極部62から進入して基板20へ向かうイオンを、箱型遮蔽電極部68の上面に衝突させて除去することができる。
また、プラズマ生成部2および成長基板保持部64は、荷電粒子遮蔽電極部62により分離されており、成長基板保持部64の圧力はプラズマ生成部2より小さくなる。プラズマ生成部2の圧力を調整することで、成長基板保持部64において放電ガスとの衝突によるラジカル成分の減少を最小限にすることができる。
また、前述したように、荷電粒子遮蔽電極部62および箱型遮蔽電極部68に印加されるバイアス電圧は、最大で数100V、最低で数Vの範囲で設定されているが、箱型遮蔽電極部68に印加される電圧は、荷電粒子遮蔽電極部62に印加される電圧より低くなっている。これは、印加バイアスを減少させることで、バイアスによるイオンまたは電子へのエネルギー付与が小さくなるため、それらによるガスの分解、励起現象を最小限にすることができるからである。このため、イオンおよび電子に対する高い除去効率を実現することができる。
このように、荷電粒子遮蔽電極部62の隙間形状、荷電粒子遮蔽電極部62の形状、荷電粒子遮蔽電極部62と箱型遮蔽電極部68の距離、荷電粒子遮蔽電極部62および箱型遮蔽電極部68に印加される電圧、および、プラズマ生成部2と成長基板保持部64の圧力を調整することにより、イオン成分および電子の除去と、必要量の純粋なラジカル成分の供給との両方が実現可能であり、広い温度範囲、特に低温において高品質なカーボンナノチューブの作製が可能となる。従って、耐熱温度の低い材料にもカーボンナノチューブの作製が可能となり、広範なカーボンナノチューブの応用が期待できる。
なお、本実施の形態では、バイアス印加電源63は、荷電粒子遮蔽電極部62および箱型遮蔽電極部68に負のバイアスを印加しているが、正のバイアスを印加してもイオンおよび電子を除去することができる。この場合、荷電粒子遮蔽電極部62および後述する箱型遮蔽電極部68は、イオンに対しては反射板として機能し、電子に対しては吸収板として機能する。しかし、イオンの方が質量が大きいため直進性が高いこと、および、イオンの方が散乱断面積が大きいことから、荷電粒子遮蔽電極部62および箱型遮蔽電極部68に負のバイアスを印加し、イオンを荷電粒子遮蔽電極部62および箱型遮蔽電極部68に引き込む方が好ましい。
このように、第4の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置によれば、プラズマ生成部と成長基板保持部との間に設けられた荷電粒子遮蔽電極部における1段の各遮蔽電極部、および、成長基板保持部内に設けられた箱型遮蔽電極部が、プラズマ生成部で生成されたプラズマ中のイオン、ラジカル、および、電子のうち、イオンおよび電子の箱型遮蔽電極部内への進入を防止し、ラジカルを箱型遮蔽電極部内へ通すことができるので、広い温度範囲、特に低温においても、ラジカルを原料とする高品質なカーボンナノチューブを作製することが可能となる。
本発明は、低温で作製されたカーボンナノチューブを配線として使用する半導体装置に有用である。
第1の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置の構成を示す断面図である。 多段荷電粒子遮蔽電極部における各遮蔽電極部の上面図である。 遮蔽電極部の各開口部と遮蔽電極部間の関係を示す図である。 第1の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置の変形例の構成を示す断面図である。 多段荷電粒子遮蔽電極部における各遮蔽電極部の上面図である。 第2の実施の形態にかかるラジカル作製装置の構成を示す断面図である。 第2の実施の形態にかかるラジカル作製装置の他の使用例を説明する図である。 第3の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置の構成を示す断面図である。 多段荷電粒子遮蔽電極部における各遮蔽電極部の上面図である。 第4の実施の形態にかかるカーボンナノチューブ作製装置の構成を示す断面図である。 荷電粒子遮蔽電極部および箱型遮蔽電極部の上面図である。
符号の説明
1、41、61 カーボンナノチューブ作製装置
2 プラズマ生成部
3、3’、42 多段荷電粒子遮蔽電極部
4、43、63 バイアス印加用電源
5、64 成長基板保持部
6 パルス電源
7 ガス導入口
8 上部電極
9 下部電極
10 プラズマ
11、11’、44 第1遮蔽電極部
12、45 第2遮蔽電極部
13、13’、46 第3遮蔽電極部
14、15、16、49、50、51 開口部
17、52、66 第1バイアス印加電源
18、53、67 第2バイアス印加電源
19、54 第3バイアス印加電源
20、33 基板
21 基板ステージ
22、23、48、65 隙間
31、 ラジカル作製装置
32 成長基板保持装置
34 予備室
35 メインチャンバー
47 第4遮蔽電極部
55 第4バイアス印加電源
62 荷電粒子遮蔽電極部
68 箱型遮蔽電極部

Claims (6)

  1. ガスからイオン、ラジカル、および、電子からなるプラズマを生成するプラズマ生成手段と、
    前記ラジカルからカーボンナノチューブを作製するカーボンナノチューブ作製手段と、
    前記プラズマ生成手段と前記カーボンナノチューブ作製手段との間に設けられ、前記イオンおよび前記電子の前記カーボンナノチューブ作製手段への進入を防止する遮蔽電極手段と、
    前記遮蔽電極手段に電圧を印加するバイアス印加手段と、を備え、
    前記遮蔽電極手段は、少なくとも1つの開口部を備える第1の遮蔽電極を2段以上備え、隣り合う前記第1の遮蔽電極において、互いの前記開口部間の距離は、前記イオンまたは前記電子が両方の前記開口部を通過不能なだけ離れていること、
    を特徴とするカーボンナノチューブ作製装置。
  2. 前記カーボンナノチューブ作製手段は、上面が板状で側面がメッシュ状に形成され、前記イオンおよび前記電子の内部への進入を防止する第2の遮蔽電極を備え、
    前記バイアス印加手段は、前記第2の遮蔽電極に電圧を印加すること、
    を特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ作製装置。
  3. 前記ガスは、希ガスで希釈された炭素系ガスであること、を特徴とする請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ作製装置。
  4. 前記プラズマ生成手段が生成する前記プラズマの密度は、1010cm−3以下であること、を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ作製装置。
  5. 前記プラズマ生成手段の圧力は、前記カーボンナノチューブ作製手段の圧力より大きいこと、を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ作製装置。
  6. 前記バイアス印加手段は、負の電圧を印加すること、を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ作製装置。
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