JP2012055309A - きのこの液体種菌の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】きのこ子実体の大規模な商業製造における、安価でかつ効率のよい液体種菌の製造方法、当該液体種菌を用いたきのこ子実体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、きのこ子実体を製造するためのきのこの液体種菌の製造方法であって、植物油を含有する液体培地で、気泡を用いた培地のかく拌で液体深部培養を行うことを特徴とするきのこの液体種菌の製造方法に関する。また、本発明は、ビン栽培において、菌座をより高くした菌床栽培用培地を用いることを特徴とするきのこ子実体の製造方法にも関する。本発明により、種菌製造時間を大幅に短縮することが可能となり、また固体種菌を用いたきのこ子実体製造時の製造ムラのリスクを回避でき、かつ優良なきのこ子実体を安定して製造することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、きのこ子実体の製造に用いるためのきのこ液体種菌の製造方法、当該液体種菌を用いたきのこ子実体の製造方法に関する。
近年、きのこの人工的な栽培技術が開発され、種々のきのこ子実体(ホンシメジ、ハタケシメジ、ブナシメジ、エリンギ、シイタケ、エノキタケ等)が提供されるようになってきている。
通常、きのこの人工的な栽培は、ほだ木や固形培地にきのこの種菌を接種し、培養、生育等の工程を経て、子実体を収穫することにより行われる。きのこの種菌にはオガクズ等の培地を用いた固体種菌と液体培地を用いた液体種菌が存在する。近年、きのこの人工的な栽培は大型設備の工場システムで実施されるなど機械化が推進されてきている。しかしながら、商業的に大量かつ安定してきのこ子実体を製造するためには、使用する種菌を大量に培養する必要がある。従来、きのこの種菌には保存性がよく容易に輸送が可能である等の理由から固体種菌が用いられているが、固体種菌のロット差に起因するきのこ子実体製造時の製造ムラのリスクや固体種菌を接種した際のあふれた種菌によるビンやコンテナの汚れに起因する深刻な設備の害菌・害虫汚染等を回避しやすいこと、種菌の製造時間の大幅な短縮が可能であり、かつスケールアップが容易なことなどから、液体種菌が有利とされ、その使用が増加してきている。液体種菌を大量に培養するための方法として、菌糸体より有用成分を得るための大量培養方法である液体深部培養法が検討され、培養条件等を厳密にコントロールするために機械的なかく拌、通気、温度管理を行うジャーファーメンターによる通気かく拌方法が通用している(例えば、非特許文献1)。しかし、商業的規模でのきのこ子実体を製造するためには大容量のジャーファーメンターを含む高価で大規模な培養設備の設置が必須である。
醗酵協会誌、第24巻、第7号、293−304頁、1966年
上記の現状にかんがみ、本発明の目的は、きのこ子実体の大規模な商業製造における、安価でかつ効率のよい液体種菌の製造方法、当該液体種菌を用いたきのこ子実体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、大規模な商業製造に用いるためのきのこの液体種菌の大量製造方法を鋭意検討した結果、驚くべきことに、かく拌に気泡を用いる液体深部培養(無動力かく拌:エアバブリング)が、意外にもきのこの子実体を製造するための液体種菌製造に有用であることを見出した。また、当該培養において、液体培地中に低濃度の植物油を含有させることにより、きのこの子実体形成能を有した状態で菌糸体を効率よく安定的に大量製造することが可能であることを見出した。更に、これまで固体種菌において使用されてきた菌床栽培用培地の菌座をより高くし、かつ菌座表面を均一に平面化することで、より安定した菌廻りが可能となり、菌かきによる発生誘導を効率よく行え、固体種菌を用いた場合より、種菌製造時間を含め、短時間かつ均一な商品価値の高い優良なきのこ子実体を製造することが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明を概説すれば、
[1]きのこ子実体を製造するためのきのこの液体種菌の製造方法であって、植物油を含有する液体培地で、気泡を用いた培地のかく拌できのこの菌糸体の液体深部培養を行うことを特徴とするきのこの液体種菌の製造方法、
[2]実質的に気泡のみを用いて培地のかく拌を行う、[1]に記載の製造方法。
[3]植物油が、サラダ油、コメ油、菜種油、べに花油、コーン油、オリーブ油、ごま油、大豆油及び綿実油から選択される1種類以上である[1]又は[2]に記載の製造方法、
[4]培地中の植物油濃度が0.001〜0.1容量%である[1]〜[3]のいずれか1つに記載の製造方法、
[5][1]〜[4]のいずれか1つに記載の製造方法で得られたきのこの液体種菌を用いることを特徴とするきのこ子実体の製造方法、
[6]ビン栽培である[5]に記載のきのこ子実体の製造方法、
[7]菌座を高くした菌床栽培用培地を用いることを特徴とする[5]又は[6]に記載のきのこ子実体の製造方法、
[8]菌座表面を均一に平面化した菌床栽培用培地を用いることを特徴とする[7]に記載のきのこ子実体の製造方法、
に関する。
本発明により、きのこ子実体の大規模な商業製造に使用される、短時間で、かつ安価なきのこの液体種菌の大量製造方法が提供される。また当該液体種菌を用いたきのこ子実体の製造方法も提供される。
本発明の製造方法に用いる栽培ビン中の菌座を高くした菌床栽培用培地の菌座位置を示す図である。
本発明に用いることができる「きのこ」には特に限定はなく、ハタケシメジ、ホンシメジ、ブナシメジ、ヒラタケ、シイタケ、エノキタケ、ナメコ、ヒラタケ、マイタケ、エリンギ、アガリクス ブラゼイ ムリル、オオヒラタケ、クロアワビタケ等の食用きのこが挙げられる。これらきのこの菌株としては、市販の菌株でも、野生の子実体からの組織分離株でも、選抜、交配、細胞融合、遺伝子組換え等の方法により育種した株でもよいが、液体種菌として培養が可能でかつ子実体の製造が可能な菌株であればよい。本発明の好ましい一態様としてはハタケシメジ(Lyophyllum decastes)が挙げられる。ハタケシメジとしては公知の菌株、例えば、Lyophyllum decastes K−3303株(FERM BP−4347)、Lyophyllum decastes K−3304株(FERM BP−4348)、Lyophyllum decastes K−3305株(FERM BP−4349)、Lyophyllum decastes F−623株(FERM P−13165)、Lyophyllum decastes F−1154株(FERM P−13166)、Lyophyllum decastes F−1488株(FERM P−13167)及び子実体の製造に適したこれらの変異株等が例示される。
また、本発明に好適なホンシメジ(Lyophyllum shimeji)の菌株の例としては、Lyophyllum shimeji La 01−27(FERM BP−10960)、Lyophyllum shimeji La 01−20(FERM BP−10959)、Lyophyllum shimeji La 01−37(FERM P−17456)、Lyophyllum shimeji La 01−45(FERM P−17457)、Lyophyllum shimeji La 01−46(FERM P−17458)及び子実体の製造に適したこれらの変異株等が例示される。
更に、本発明に好適なブナシメジの菌株としては、リオフィラム ウルマリウム(Lyophyllum ulmarium)として表示されている菌株、Hypsizygus marmoreusとして表示されている菌株等があり、例えばLyophyllum ulmarium M−8171(FERM BP−1415)、Lyophyllum ulmarium K−0259(FERM P−12981)、Lyophyllum ulmarium Lu1−172株(FERM BP−8354)、Lyophyllum ulmarium Lu1−173株(FERM BP−8355)、Lyophyllum ulmarium Lu1−174株(FERM BP−8356)、Lyophyllum ulmarium Lu1−181株(FERM BP−8357)、Hypsizygus marmoreus K−4975(FERM BP−11321)、Hypsizygus marmoreus K−4979(FERM BP−11322)、Hypsizygus marmoreus K−4980(FERM BP−11323)、Hypsizygus marmoreus K−4981(FERM BP−11324)及び子実体の製造に適したこれら変異株等が例示される。
更に、本発明に好適なクロアワビタケの菌株としては、Pleurotus cystidiosus subsp. abalonus K−4986(FERM P−22064)、Pleurotus cystidiosus subsp. abalonus K−4987(FERM P−22065)、Pleurotus cystidiosus subsp. abalonus K−4988(FERM P−22066)及び子実体の製造に適したこれら変異株等が例示される。
人工的な栽培が可能な菌株で、本発明を適用できる菌株であれば、上記菌株に何ら制限されるものではない。
本願明細書において「菌糸体」とは、上記のきのこの菌糸体であって、液体培地で培養が可能で、かつきのこの子実体を製造するための液体種菌として用いることができれば、特に限定はない。
本願明細書において「気泡を用いる液体深部培養」とは、培養槽内に発生させた気泡により培養液の動き(流れ)を生じさせて培地のかく拌を実施する培養方法を指す。実質的に気泡のみを用いて培地のかく拌を行う培養方法が好ましく、菌糸の切断が起こらない程度であれば、スターラー、プロペラ形状のファンのような装置による機械的なかく拌を含んでもよい。特に好ましくは、機械的なかく拌を伴わず、気泡のみを用いて培地のかく拌を行う培養方法である。前記の培養方法に使用される培養槽にはかく拌や振とうのための機械的な動力を用いる装置を必要とせず、気泡を発生させる装置を備えていればよい。本発明においては、例えば日本応用きのこ学会誌、第8巻、第1号、1−11頁(2000)に記載の気泡塔型培養装置等を用いることができ、底面及び/又は側面から無菌的に気泡を発生できるような装置を付した培養槽を用いることができる。また、気泡が発生できる管等を直接培養槽に入れて行っても良い。培養槽における気泡の通気量としては、0.2〜0.8vvm(volume per volume per minute:単位体積あたりのガス通気量)が好ましく、好適には0.2〜0.6vvm、あるいは10〜50リットル/min(1分間に10〜50リットルの無菌エアを25〜83Lの液体培地中へ通気する量を示す)でもよく、好適には20〜40リットル/minである。
本発明で使用される培養槽は、所望の量の培養液を保持しうる容量を有し、かつ外部からの微生物の混入を防止しうる容器であればよい。好ましくは、保持された培地を加熱加圧殺菌しうる構造の培養槽が使用されるが、培養液を保持する培養槽そのものをオートクレーブ等で殺菌可能であれば、加圧殺菌のための機能は必要ない。また、無菌とした空気を容器内に導入する機能を有するか、そのための装置を付加できるものが好ましい。通常のジャーファーメンターを使用することもできるが、その場合、培養時に機械的なかく拌機能を使用する必要はない。本発明で使用される培養槽の大きさは、製造する液体種菌の量により適宜調整すればよい。本発明の液体種菌の製造において、連続又は単回培養のどちらで行ってもよく、好適には単回培養、すなわちきのこ子実体製造を行う単位毎に使用する液体種菌を毎回培養することが好ましい。
なお、液体種菌の製造において大量培養(本明細書において、本培養とも称する)を行う場合、寒天プレート等で生育させた菌糸体をそのまま本培養に用いてもよい。好ましい態様としては、まず初めにフラスコ等を用いた菌糸体のかく拌又は振とうによる小スケールでの前培養を行い、当該前培養物を用いて本培養を行う。この場合、本培養時に本発明の液体種菌の製造方法を用いることにより、効率よく安価で大量に液体種菌を製造することができる。
上記、フラスコ等を用いた振とうによる小スケールでの前培養においても、使用する液体培地に低濃度の植物油を含有させることにより、低濃度の植物油を含有させていない場合と比べ菌糸体を多く得られることを本発明者らは見出した。従って、前培養時及び本培養時に使用する液体培地に低濃度の植物油を含有させることで、更に効率よく安価で大量に液体種菌を製造することができる。
本願明細書において使用する液体培地は、栄養源としてきのこの液体培養の栄養源として通常使用されるもの、例えば炭素源、窒素源、無機塩などの同化できる栄養源を含有する液体培地が使用できる。例えば、ぶどう糖、麦芽糖、糖蜜、デキストリン、グリセリン、澱粉などの炭水化物などの炭素源、ならびにペプトン、肉エキス、綿実粉、大豆粉、酵母エキス、カゼイン、コーン・スチープ・リカー、NZ−アミン、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどの窒素源を使用でき、更に燐酸一カリウム、燐酸二カリウム、燐酸ナトリウム、食塩、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マンガンなどの無機塩を含有し、上述のきのこの菌糸体が培養可能な液体培地であればよい。
本願明細書において「植物油」とは、植物由来の油であれば特に限定はなく、安全性及び入手のしやすさから食用油が好適である。食用油としては、例えばコメ油、菜種油、べに花油、コーン油、オリーブ油、ごま油、大豆油、綿実油等が挙げられる。また、これらの油を原料とするサラダ油等の加工油も本発明に使用することができる。これら植物油は、公知の方法で調製してもよく、市販品を用いてもよい。本発明においては、これら植物油の1種類又は2種類以上を培地に混合して使用してもよい。
本発明における培地中の植物油の含有量は、液体培地全量に対して低濃度でよく、好適には0.001〜0.1容量%(v/v)、好ましくは0.005〜0.1容量%(v/v)未満、更に好ましくは0.01〜0.05容量%(v/v)未満である。当該低濃度の植物油により、液体培養中、液体培地表面を覆うことなく使用できる。
本発明による液体種菌の培養は、公知の方法によって行うことができ、培養温度や培養時間は、きのこ菌糸体が増殖可能な範囲で適宜決めることができる。特に本発明を限定するものではないが、一例として、例えば下記の工程で行うことができる。PGY液体培地〔組成:グルコース1.49%(w/v)、ペプトン0.15%(w/v)、酵母エキス0.15%(w/v)、KHPO0.0373%(w/v)、及びMgSO・7HO0.0373%(w/v)、pH6.0〕200mLにハタケシメジの菌糸体を接種し、25℃で14日間培養し、前培養物を調製する。次に、別途調製したPGY液体培地430Lに植物油、例えばサラダ油(日清サラダ油、日清オイリオグループ社製)を培地に対して0.001〜0.04容量%になるように加え、本培養用の液体培地を調製する。この液体培地を培養槽に充てんし、118℃で90分間高圧蒸気殺菌を行う。放冷開始直後に無菌エアによる通気を行い、培養槽内を陽圧とする。当該培地を冷却後、上記の前培養物の全量を接種し、培養温度25℃、通気量0.26vvm、内圧0.075MPa、無動力かく拌(エアバブリング)の培養条件で、6〜7日間培養を行い、液体種菌を製造する。
上記のように製造した液体種菌は適当な容器、例えばポリプロピレン製の丸型ビンなどへ無菌的に移し、菌床培地へ摂取するまでの間、3〜−1℃の範囲で制御された環境で保持し保管してもよい。
次に、上記の液体種菌を用いて、例えば菌床栽培方法である、ビン栽培、袋栽培、箱栽培などできのこ子実体を製造することが可能である。一例としてビン栽培による本発明の液体種菌を用いたきのこ子実体の製造方法について述べると、その方法とは菌床培地調製、ビン詰め、殺菌、液体種菌の接種、菌床培養、(必要に応じて菌掻き)、芽出し、(必要に応じてさし芽の単離、さし芽の移植)、生育、収穫等の各工程からなる。例えば、ハタケシメジであれば特開平04−211308号公報、シイタケであれば特開平04−075538号公報、ブナシメジであれば特開平05−268942号公報又はホンシメジであれば特開2000−106752号公報記載の菌床栽培を行う際の種菌として、本発明の方法で製造した液体種菌を用いることができる。また、さし芽の単離及びさし芽の移植を行う菌床栽培の場合であれば特開2009−017872号公報記載の菌床栽培を行う際の種菌としても、本発明の方法で製造した液体種菌を用いることが可能である。
但し、本発明のきのこ子実体の製造方法に用いる菌床栽培用培地は、固体種菌を用いる場合の菌床栽培用培地や通常用いられている菌床栽培用培地よりも菌座を高くすることが好ましく、好適には菌座がビン口より2〜10mm下になるようにすることがよい。また、菌座表面は均一に平面化することが好ましい。更に、ビン中央部の穴(孔又は接種孔ともいう)は特に必要ではなく、ビン淵付近、すなわちビン中央部の周辺に口径3〜10mm程度、好ましくは5mm程度、深さ100〜200mm程度、好ましくは110〜150mm程度の小さい穴(孔又は接種孔ともいう)を1ビンあたり2〜6箇所、好ましくは4箇所あけた菌床栽培用培地を用いてもよい。
ここで本願明細書において「菌座」とは、栽培用培地上部の表面の菌接種部位をいう。例えばビン栽培用培地では、ビン開口部の露出した培地表面を菌座という。本発明においては、固体種菌を用いる場合の菌床栽培用培地(菌床栽培用固形培地、菌床栽培用培養基ともいう)よりも菌座を高くすること(すなわちビン口により近くすること)が好ましく、例えば、ビン栽培の場合、図1に示すように固体種菌を用いる場合、通常のビン栽培に使用されている市販の850mLビン又は1100mLのビン口(ビン淵)より15mm下を菌座とすることが推奨されているが、本発明においては、固体種菌を用いる場合の菌床栽培用培地の菌座より高くすることが好ましく、好適にはビン口より2〜10mm、更に好ましくは5〜9mm下を菌座とすることが好ましい。
本発明の方法で製造した液体種菌を菌床栽培用培地に接種する際、850mLの広口培養ビン1ビン当り、例えば約10〜20mLを無菌的に植え付ければよい。前記液体種菌を接種する方法としては、特殊な機械を用いてスプレー状に菌座及び接種孔にまんべんなく接種する必要はなく、液体種菌をそのまま菌座上に必要量を無菌的に添加するだけでよい。液体種菌を添加する菌座上の位置は菌座の中央部付近が好ましい。
本発明により、大規模なきのこ子実体の商業製造用の固体種菌と比較し、飛躍的に短時間できのこ子実体の商業製造用の液体種菌を製造することができる。例えば、前記固体種菌を製造する場合、前培養後の液体菌糸もしくは固体菌糸を固形培地に接種する。その後、約30〜60日間、固形培地に菌糸を蔓延させる。得られた菌糸が蔓延した固形培地を固体種菌としてきのこ子実体の商業製造に使用する。これに対して、本発明の方法で得られる液体種菌の場合、前培養後の液体菌糸を本発明の液体培地に接種する。その後、約3〜7日間、好適には6〜7日間培養を行うことにより液体種菌を製造することができ、かつきのこ子実体の商業製造に使用することができる。
また、本発明の方法で製造した液体種菌を大規模なきのこ子実体の商業製造に用いることで、固体種菌のロット差に起因するきのこ子実体製造時の製造ムラを回避することができ、かつ優良なきのこ子実体を安定して製造することが可能である。
以上、ビン栽培方法について例を挙げて説明したが、本発明の方法で製造した液体種菌は、上記ビン栽培による菌床栽培での使用に限定されるものではない。
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の範囲のみに限定されるものではない。
実施例1
PGY液体培地〔組成:グルコース1.49%(w/v)、ペプトン0.15%(w/v)、酵母エキス0.15%(w/v)、KHPO0.0373%(w/v)、及びMgSO・7HO0.0373%(w/v)、pH6.0〕200mLにLyophyllum decastes K−3304(FERM BP−4348)の菌糸体を接種し、25℃で14日間振とう培養(100rpm)を行い、前培養物を調製した。
次に、別途調製したPGY液体培地430Lに植物油であるサラダ油(日清サラダ油、日清オイリオグループ社製)を培地に対して約0.02%(v/v)となるように加え、本培養用の液体培地を調製した。培養槽はかく拌能力の無い、非第一種圧力容器を用いた。本培養用の液体培地を入れた培養槽を、118℃で90分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷開始直後に無菌エアによる通気を行い、培養槽内を陽圧とした。当該培地を冷却後、上記の前培養物の全量を接種し、培養温度25℃、通気量0.26vvm、内圧0.075MPa、無動力かく拌(エアバブリング)の培養条件で、6〜7日間培養を行い、液体種菌を調製した。
同時に、PGY液体培地のみによる、無動力かく拌(エアバブリング)培養を行い比較対照とした。その他培養条件は上記と同様とし、菌体の収量比較を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2012055309
表1からも明らかなように、本発明のサラダ油を添加した培地を用いた機械的なかく拌を伴わない気泡を用いる培養では、添加しない場合と比較して約1.36倍多くの菌体が得られることが明らかとなった。
実施例2
本発明の方法で製造した液体種菌の子実体形成能の確認を行うため、以下のように子実体の製造を行った。
液体種菌は実施例1と同様の方法で調製した。比較対象として、固体種菌は次のように調製した。まず、ポリプロピレン製の広口培養ビン(850mL、信越農材社製)に、鋸屑(スギ材)100g、米糠86g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業社製、商品名ノイシリンFH)2g、炭酸カルシウム(ナカライテスク社製、試薬一級)5g、クエン酸一水塩(ナカライテスク社製、試薬一級)3g、水分含量63〜65重量%に設定し、良く混合し湿潤状態にしたものを圧詰した。圧詰物表面の中央に直径1cm程度の接種孔部を開け、打栓後、118℃で90分間高圧蒸気殺菌を行い、20℃まで放冷した。こうして得られた固形培地に対して、実施例1に記載の前培養物を約10〜20mL接種した。その後、暗所にて温度25℃、湿度55%の条件下で約60日間菌糸体を培養し、固形培地全体に菌糸を蔓延させ、固体種菌を調製した。
次に、ポリプロピレン製の広口培養ビン(1100mL、ヤマダ産業社製)に、鋸屑(スギ材)134g、米糠130g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔富士化学工業(株)製、商品名ノイシリンFH〕2.6g、炭酸カルシウム(ナカライテスク社製、試薬一級)6.5g、クエン酸一水塩(ナカライテスク社製、試薬一級)3.9g、水分含量63〜65重量%に設定し、良く混合し湿潤状態にしたものを、菌座がビン口より約15mm下に設定し、圧詰した。圧詰物表面のビン中央に直径2cm程度の接種孔部を開け、打栓後、118℃で90分間高圧蒸気殺菌を行い、20℃まで放冷したものを菌床栽培用培養基とした。この菌床栽培用培養基に上記で調製した液体種菌を約20mL接種した。比較対象として、上記で調製した固体種菌を約35g接種したものも用意した。液体種菌及び固体種菌をそれぞれ接種した菌床栽培用培養基は各16本ずつ作製した。これらを暗所にて温度25℃、湿度55%の条件下で約60日間菌糸体を培養し、菌床栽培用培養基全体に菌糸を蔓延させた。その後、キャップを外し、菌床面上部の菌掻きを行い、次に水道水をビン口まで加えた後、ただちに排水し、芽出し工程に供した。
芽出し工程は、照度50ルクス、温度16℃、加湿はヒューミアイ100(鷺宮製作所製)の表示値として115〜120%の範囲に制御し、炭酸ガス濃度は1000〜1500ppmの範囲に制御した芽出室で行った。また、結露水を避けるため、ビンは倒置し、11日間培養を続け、子実体原基を形成させた。その後、ビンを反転・正置し、前期生育工程へ移行させた。前期生育工程では、照度500ルクス、温度16℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲に制御し、炭酸ガス濃度は1000〜2000ppmの範囲に制御した生育室で、6日間培養を行った。次に後期生育工程へ移行させた。後期生育工程では、照度500ルクス、温度16℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として95〜105%の範囲に制御し、炭酸ガス濃度は1000〜2000ppmの範囲に制御した生育室で、7日間培養を続けた。こうして得られた成熟子実体を収穫後、子実体の平均収量(g/ボトル)の比較を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2012055309
表2から明らかなように、本発明の方法で製造した液体種菌は、ハタケシメジの子実体製造に通常種菌として用いられている固体種菌を使用した場合の子実体の収量とほぼ同様の収量が得られたことから、本発明の方法で製造した液体種菌は子実体形成能を有しており、また、好適なきのこの子実体が製造できることが明らかとなった。
実施例3
本発明の方法で製造した液体種菌を用いたきのこ子実体の製造における、菌床栽培用培養基の検討を行った。
まず、実施例1と同様の方法で液体種菌を調製した。実施例2に記載の菌床栽培用培養基(通常菌座菌床栽培用培養基)と、実施例2に記載の菌床栽培用培養基の菌座より高く、菌座がビン口より約5〜9mm程度下になるように設定し、圧詰し、更に菌床面を平らにした菌床栽培用培養基(高菌座菌床栽培用培養基)を各16本調製した。各菌床栽培用培養基を用いる以外は、実施例2と同様の方法できのこ子実体を製造した。得られた子実体の発生率(%、子実体が発生したビンの数から算出)及び平均収量(g/ボトル)の比較を行った。また同時に得られた子実体の発生状況についても観察を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2012055309
表3から明らかなように、本発明の方法で製造された液体種菌を用いたきのこ子実体の製造は、高菌座菌床栽培用培養基を用いることにより、通常菌座菌床栽培用培養基を用いる場合より、効率よく、更に優良なきのこ子実体を製造することが可能であることが明らかとなった。
実施例4
固体種菌及び本発明の方法で製造した液体種菌を用いたきのこ子実体の製造における、製造ムラの比較を行った。
まず、固体種菌は実施例2と同様の方法で調製し、液体種菌は実施例1と同様の方法で調製した。次に、固体種菌接種用として実施例2に記載の菌床栽培用培養基と、液体種菌接種用として実施例3に記載の高菌座菌床栽培用培養基を各1万本調製した。その後、固体種菌又は液体種菌をそれぞれの菌床栽培用培養基に接種し、実施例2と同様の方法できのこ子実体の製造を行った。当該製造工程中の菌掻き、芽出し及び生育時における不良品をビン単位でカウントし、不良率(%)を算出した。その結果を表4に示す。なお、菌掻き時の不良品は菌廻りが完全でないものとした。芽出し時の不良品は、芽が出ていないもの、芽が不均一に出ているもの、又は芽数がまばらで少ないものとした。生育時の不良品は、前期生育工程後、すなわち芽出し・生育工程17日目に確認を行い、きのこ子実体の生育が止まっているもの、形状不良のもの、又は均一な株状に生育していないものとした。また、各工程で不良となったものについては破棄し、その次の工程には、ビン単位で全て良品を用いて行った。
Figure 2012055309
表4から明らかなように、本発明の方法で製造された液体種菌を用いたきのこ子実体の製造は、固体種菌を用いた製造と比較して、製造ムラが少なく、大規模な商業栽培において有用であることが明らかとなった。
実施例5
PGY液体培地〔組成:グルコース2.0%(w/v)、ペプトン0.2%(w/v)、酵母エキス0.2%(w/v)、KHPO0.05%(w/v)、MgSO・7HO0.05%(w/v)〕200mLにPleurotus cystidiosus. abalonus K−4988(FERM P−22066)の菌糸体を接種し、25℃で14日間振とう培養(90rpm)して前培養物を調製した。
次に、別途調製したPGY液体培地60Lにコメ油(商品名:銀シャリ本舗こめ油、ジャパンライス社製)を培地に対して約0.1%(v/v)となるように加え、本培養用の液体培地を調製した。培養槽はかく拌能力の無い、非第一種圧力容器を用いた。本培養用の液体培地を入れた培養槽を、118℃で30分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷開始直後に無菌エアによる通気を行い、培養槽内を陽圧とした。当該培地を冷却後、上記の前培養物の全量を接種し、培養温度27℃、通気量0.35vvm、無動力撹拌(エアバブリング)の培養条件で、8日間培養を行い、液体種菌を調製した。
同時に、PGY液体培地のみによる、無動力かく拌(エアバブリング)培養を行い比較対照とした。培養5日目から毎日サンプリングを行い、菌体の収量比較を行った。その結果を表5に示す。
Figure 2012055309
表5から明らかなように、コメ油を添加した液体培地を用いた機械的なかく拌を伴わない気泡を用いる培養では、コメ油を添加しない場合と比較して多くの菌体が得られることが明らかとなった。特に、培養8日目では、コメ油を添加しない場合と比較して約2.28倍の菌体が得られることが明らかとなった。
実施例6
実施例5と同様のPGY液体培地4Lにコーン油(AJINOMOTO胚芽の恵みコーン油、J−オイルミルズ社製)を培地に対して約0.1%(v/v)となるように加え、本培養用の液体培地を調製した。培養槽は微生物培養装置(BMS−05PI、エイブル社製)を用いた。本培養用の液体培地を入れた培養槽を、121℃で15分間高圧蒸気殺菌を行い、室温にて冷却後、Pleurotus cystidiosus. abalonus K−4988(FERM P−22066)の菌糸体を接種し、培養温度27℃、通気量0.35vvm、無動力撹拌(エアバブリング)の培養条件で、8日間培養を行い、液体種菌を調製した。
同時に、PGY液体培地のみによる、無動力撹拌(エアバブリング)培養を行い、比較対照とした。培養5日目から毎日サンプリングを行い、菌体の収量比較を行った。その結果を表6に示す。
Figure 2012055309
表6から明らかなように、コーン油を添加した液体培地を用いた機械的なかく拌を伴わない気泡を用いる培養では、コーン油を添加しない場合と比較して多くの菌体が得られることが明らかとなった。特に、培養8日目では、コーン油を添加しない場合と比較して約15.4倍の菌体が得られることが明らかとなった。
実施例7
実施例5と同様のPGY液体培地200mLに、コメ油(商品名:銀シャリ本舗こめ油、ジャパンライス社製)又はコーン油(AJINOMOTO胚芽の恵みコーン油、J−オイルミルズ社製)を培地に対して約0.01%(v/v)、約0.025%(v/v)、約0.05%(v/v)、約0.075%(v/v)、約0.1%(v/v)となるようにそれぞれ加えた液体培地を作製した。当該培地に、Pleurotus cystidiosus. abalonus K−4988(FERM P−22066)の菌糸体を接種し、25℃で14日間振とう培養(90rpm)を行い、液体種菌を調製した。液体培地に対するコメ油又はコーン油の含有量別の菌体収量の結果を表7に示す。
Figure 2012055309
表7から明らかなように、コメ油又はコーン油を添加した少量の液体培地を用いた振とう培養においても、コメ油又はコーン油を添加しない場合と比較して多くの菌体が得られることが明らかとなった。
実施例8
実施例5と同様のPGY液体培地200mLに、コメ油(商品名:銀シャリ本舗こめ油、ジャパンライス社製)を培地に対して約0.01%(v/v)、約0.025%(v/v)、約0.05%(v/v)、約0.075%(v/v)となるようにそれぞれ加えた液体培地を作製した。当該培地に、市販のマイタケ(Grifola frondosa (Fr.) S. F. Gray、雪国まいたけ社製)から公知の方法で得た菌糸体を接種し、25℃で14日間振とう培養(90rpm)を行い、液体種菌を調製した。液体培地に対するコメ油の含有量別の菌体収量の結果を表8に示す。
Figure 2012055309
表8から明らかなように、コメ油を添加した少量の液体培地を用いた振とう培養においても、コメ油を添加しない場合と比較して多くの菌体が得られることが明らかとなった。
実施例9
SGY液体培地〔組成:グルコース2.0%(w/v)、大豆ペプトン0.2%(w/v)、酵母エキス0.2%(w/v)、KHPO0.05%(w/v)、MgSO・7HO0.05%(w/v)〕200mLに、サラダ油(日清サラダ油、日清オイリオグループ社製)を培地に対して約0.01%(v/v)、約0.025%(v/v)、約0.05%(v/v)となるようにそれぞれ加えた液体培地、コメ油(商品名:銀シャリ本舗こめ油、ジャパンライス社製)を培地に対して約0.01%(v/v)、約0.025%(v/v)、約0.05%(v/v)、約0.075%(v/v)、約0.1%(v/v)となるようにそれぞれ加えた液体培地を作製した。当該培地に、Lyophyllum ulmarium Lu1−181(FERM BP−8357)の菌糸体を接種し、25℃で10日間振とう培養(90rpm)を行い、液体種菌を調製した。液体培地に対するサラダ油の含有量別の菌体収量の結果を表9に示す。
Figure 2012055309
表9から明らかなように、サラダ油又はコメ油を添加した少量の液体培地を用いた振とう培養においても、サラダ油又はコメ油を添加しない場合と比較して多くの菌体が得られることが明らかとなった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本発明により、安価で効率のよいきのこ子実体形成能を有する液体種菌の製造方法が提供される。更に当該液体種菌を用いることにより、通常、固体種菌の場合、30〜60日間要していた種菌製造時間を大幅に短縮することが可能となり、また固体種菌を用いたきのこ子実体製造時の製造ムラのリスクを回避でき、かつ優良なきのこ子実体を安定して製造できることから、きのこ子実体の大規模な商業栽培において有用である。

Claims (7)

  1. きのこ子実体を製造するためのきのこの液体種菌の製造方法であって、植物油を含有する液体培地で、気泡を用いた培地のかく拌できのこの菌糸体の液体深部培養を行うことを特徴とするきのこの液体種菌の製造方法。
  2. 実質的に気泡のみを用いて培地のかく拌を行う、請求項1に記載の製造方法。
  3. 植物油が、サラダ油、コメ油、菜種油、べに花油、コーン油、オリーブ油、ごま油、大豆油及び綿実油から選択される1種類以上である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 培地中の植物油濃度が0.001〜0.1容量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で得られたきのこの液体種菌を用いることを特徴とするきのこ子実体の製造方法。
  6. ビン栽培である請求項5に記載のきのこ子実体の製造方法。
  7. 菌座を高くした菌床栽培用培地を用いることを特徴とする請求項5又は6に記載のきのこ子実体の製造方法。
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