JP2012055179A - 即席調理食品用油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】トランス酸量ばかりでなく、飽和脂肪酸含量を制限したカレーやシチュウに用いるルウなどの即席調理食品に用いられる油脂として、スパイスの利き方に調和を持たせられるものとし、特に香りを引き立たせる効果を有する即席調理食品用油脂組成物とすることである。
【解決手段】水素添加油脂の配合量が50〜100%であり、かつ構成脂肪酸中の飽和脂肪酸含量が40〜65質量%である即席調理食品用油脂組成物において、前記水素添加油脂が、構成脂肪酸中にトランス酸を1〜10質量%含有するものであり、かつ水素添加される際に低下するヨウ素価1に対するトランス酸の増加量が0.10〜0.25%となるように調製され、かつ水素添加される原料油脂に対するトランス酸の増加量が0.5〜5%であるように調製された水素添加油脂を採用する。低トランス酸含有量で飽和脂肪酸含量を制限した即席調理食品にスパイスの風味付け効果を持たせることができる。
【選択図】なし

Description

この発明は、カレー、シチュウまたはスープのルウ等のように、スパイス等の調味料、小麦粉等の穀物粉および油脂を含有した即席調理食品に用いられる即席調理食品用油脂組成物に関するものである。
ルウは、当初は食品にとろみを付けるものとして小麦粉を溶かしバターで焙煎したものであったといわれるが、現在では小麦粉や香辛料、調味料等を食用の油脂で105−135℃程度の温度で焙煎したものであり、家庭用や業務用のカレー、シチュウやハッシュドミート(ハヤシ)などに用いられている。
即席調理食品としてのルウの固形状化は、容器に流し込み、冷却固化させることで得られるが、形状としてはブロック状、フレーク状や顆粒状などに加工される。
このようなルウは、牛脂やラードの動物油脂特有の風味とコクが良いとされ、固体化のために動物油脂を部分水素添加して得られる硬化油としたり、これらを混合したりされてきた。
しかし、近年その部分水素添加した硬化油中のトランス異性体が健康上の問題があるとして、ルウ用油脂中のトランス酸含量を極力低減される試みがなされた。例えば、トランス酸を含まない牛脂やラードの極度硬化油とそれらの未硬化油をエステル交換したものが知られている(特許文献1)。
また、牛脂やラードの代わりにパーム油を極度硬化油として、炭素数14以下の脂肪酸含量が10質量%未満である油脂配合物とエステル交換したものがあり(特許文献2)、ハード成分としてパームステアリンと、パーム油及びパームオレインとをエステル交換したものも知られている(特許文献3)。
これらはいずれも、ルウの保形性を担っている従来の硬化油を、エステル交換油に置換したものであり、固体脂含量(SFC)を所要量に近づけることで固形ルウとして必要な硬さを調整している。
しかし、動物油脂または植物油脂の極度硬化油を用い、または動物油脂または植物油脂に対して、飽和脂肪酸が非常に多いハード成分を混合したエステル交換を行なうと、これを用いたルウや、さらにこれを用いてカレーやシチュウを調理したときの含有するスパイスを含めた調味成分の呈味や風味の調和が得られず、満足のいくものが得られなかった。
さらに、この場合には固形ルウとしての硬さを維持するために、エステル交換油の原料として極度硬化油を多く使用しなければならず、しかもそのエステル交換油を油脂組成物中に多く使用しなければならないために、トランス酸と同様に健康上良くないといわれる飽和脂肪酸の含量が増加してしまう。
また、そのエステル交換油には極度硬化油以外に多価不飽和脂肪酸が多い未硬化油脂を用いることになり、従来の硬化油より酸化安定性が低下する。さらにエステル交換反応により一層風味や酸化安定性が低下する。
これらのエステル交換油ではコク味が満足できないので、この点を改良するために、パームの分別硬質油と、動植物油脂を部分水素添加して得られる硬化油を含有するものが知られている(特許文献4)。
しかし、パームの分別硬質油を主原料とし、動植物油脂を部分水素添加して得られる従来の硬化油を少量含有するものでは、カレーやシチュウを調理したときのスパイスの香りたちが満足できるものではなく、それ程の改良とはいえない。
特開2006−325509号公報 特開2008−131922号公報 特開2006−288232号公報 特開2008−289404号公報
この発明の課題は、トランス酸量ばかりでなく、飽和脂肪酸含量を制限したカレーやシチュウに用いるルウなどの即席調理食品に用いられる油脂として、風味が良く酸化安定性を低下させずに、スパイスなどの調味料の利き方に調和を持たせられるものとし、特に香りを引き立たせる効果を有する即席調理食品用油脂組成物とすることである。
上記の課題を解決するためにこの発明においては、水素添加油脂の配合量が50〜100%であり、かつ構成脂肪酸中の飽和脂肪酸含量が40〜65質量%である即席調理食品用油脂組成物において、前記水素添加油脂が、構成脂肪酸中にトランス酸を1〜10質量%含有するものであり、かつ水素添加される際に低下するヨウ素価1に対するトランス酸の増加量が0.10〜0.25%となるように調製され、かつ水素添加される原料油脂に対するトランス酸の増加量が0.5〜5%であるように調製された水素添加油脂を採用した即席調理食品用油脂組成物としたのである。
この発明の即席調理食品用油脂組成物を構成する水素添加油脂は、上記したような所定の水素添加工程を経ることで、即席調理食品にスパイス等の呈味及び風味の調和を持たせることができる。
また、油脂組成物中の飽和脂肪酸含量を40〜65質量%とすることにより、即席調理食品としての風味とコク及び口溶け感と固形ルウとしての保形性をも満足できるものになる。
また、このような即席調理食品用油脂組成物が、所期した硬さの固形状の油脂となるようにし、かつ即席調理食品にしたときに風味の調和や香りを引き立たせるためには、上記水素添加油脂が、構成脂肪酸における多価不飽和脂肪酸含量が30質量%以下の原料油脂に対し、多価不飽和脂肪酸含量が3質量%以下となり、かつヨウ素価が20〜50となるように水素添加された水素添加油脂であることが好ましい。
上記作用を奏するものとして適用される上記即席調理食品は、ルウであることが好ましく、そのようなルウとして、カレー用、シチュウ用、ハッシュドミート用またはスープ用のルウであることは、この発明においてより好ましいことである。
この発明により、カレーやシチュウに用いるルウなどの即席調理食品に用いられる油脂組成物として、トランス酸および飽和脂肪酸を抑制しつつスパイスの利き方に調和を持たせられるものとなり、特に香りを引き立たせる効果を有する即席調理食品用油脂組成物となる利点がある。
この発明の実施形態の即席調理食品用油脂組成物は、ルウなどの固形または粉砕された形態の即席調理食品に専ら用いられる油脂組成物であり、水素添加油脂を50〜100%含有し、構成脂肪酸中の飽和脂肪酸含量が40〜65質量%とした即席調理食品用油脂組成物であり、前記水素添加油脂としては、構成脂肪酸におけるトランス酸含量が1〜10質量%のものを用いている。
この発明においていう「即席調理食品」とは、必要に応じて所要量の水や食材(肉類や野菜類など)を添加して加熱するなどの調理を行なうことにより、需要者が簡単に調理することのできる食品をいい、後述するように、複数のスパイス(香辛料)などの調味料を含有し、小麦粉等の穀物粉と共に調味料および油脂を含有するものであって、代表例としてルウのように、濃縮された成分を含んでいて適宜に希釈されてカレーや各種スープ等の主材料として使用され、また調理の便利のために塊状や粉粒体などの形態であるものが挙げられる。
上記の「所定の製法により調製された水素添加油脂」は、水素添加される際に低下するヨウ素価1に対するトランス酸の増加量が0.1〜0.25%となるように調製され、かつ水素添加される油脂に対するトランス酸の増加量が0.5〜5%であるように調製された水素添加油脂である。
上記の水素添加油脂の原料としては、植物油脂または動物油脂またはそれらの2種類以上の混合物であるものを用いることができる。具体的には、多価不飽和脂肪酸含量が30質量%以下である植物油脂または動物油脂であればよく、混合油にあっては混合後の多価不飽和脂肪酸含量が30質量%以下であればよい。例えば、牛脂、ラード(豚脂)、パーム油、分別パーム油、菜種油、ヒマワリ油、および綿実油のうち1種類若しくは2種類以上を混合するか、あるいはエステル交換するかした後、多価不飽和脂肪酸含量が30質量%以下となればよい。また、動物油脂、植物油脂とそれらの極度硬化油とのエステル交換油を原料として用いることもできる。
このような水素添加油脂は、多価不飽和脂肪酸含量が30質量%以下である油脂を原料とし、多価不飽和脂肪酸含量が3質量%以下となるように水素添加を行うことによって酸化安定性を向上させており、ヨウ素価が20〜50である水素添加を行うことで所期される硬さの油脂となるようにし、さらに使用する即席調理食品の風味の調和と香りを引き立たせることができる。
原料油脂に対して水素添加反応を行なうには、ニッケル触媒を0.05〜1.0質量%用いて、水素圧0.05〜0.5MPaの条件で行なうことができ、その際にトランス酸の増加量を0.5〜5%にするために、水素添加反応の反応温度を60℃〜90℃に制御し、より好ましくは60℃〜80℃に制御し、更に好ましくは60℃〜75℃に反応温度を制御する。このようにすれば、水添反応中に異性化に必要な過剰な熱量を供給しない状態となるので、脂肪酸の異性化を極力抑えることができる。
また、上記水素添加反応では、低下するヨウ素価の1単位当りの油脂温度上昇率が0.1〜0.5であるように、また単位ヨウ素価の低下に対するトランス酸の増加量を0.1〜0.25%、好ましくは0.1〜0.20%となるように、水素添加反応系に対する冷却熱量もしくは水素供給量または両方を調整し、水素添加によるトランス酸の増加量を0.5〜5%としてトランス異性体の生成を低く抑えて調製された水素添加油脂を製造することが好ましい。
このようにトランス酸の生成を抑えながら水素添加工程を行なうことによって、エステル交換反応では得られない油脂の改善効果が生まれ、得られた水素添加油脂には、調理時に長時間加熱されてもまろやかな風味が持続するという特徴あるものが得られる。
そして、水素添加される油脂がエステル交換油であっても、この発明に採用される水素添加工程を行うことによって上記同様に改質され、即席調理食品に用いた時にスパイスの調和が得られ、油脂の酸化安定性も向上する。
水素添加反応の反応温度範囲については、前記したとおりであるが、反応温度範囲が60℃未満の低温では、トランス酸の生成量は少ないが水素添加反応が極端に遅くなり実用性が低下して好ましくない。また、反応温度範囲が90℃を超える高温では、トランス異性体の増加する反応速度が速くなり、所期した低トランス酸の水素添加油脂の調製が困難になって好ましくない。
得られた水素添加油脂は、そのまま用いてもよく、または2種類以上の水素添加油脂を混合して使用してもよいのは勿論である。
また、水素添加油脂は、即席調理食品用油脂組成物中に50〜100質量%含有するように調製するのが望ましい。
上記した所定の数値範囲で水素添加油脂を配合する理由は、水素添加油脂を50%未満の配合量とすれば、製造したルウ状食品などの即席調理食品が、カレー等に加工されたときにスパイスの利き方や風味の調和が所期される程度に得られないからである。
また、即席調理食品用油脂組成物中に水素添加油脂以外にその他の油脂を配合してもよいが、そのような油脂としては、食用に適する油脂であればよく、牛脂、ラード(豚脂)、パーム油、菜種油、ヒマワリ油、および綿実油等の油脂を用いることが出来、更にこれらの油脂を極度まで水素添加した油脂、分別、各種のエステル交換を行なった油脂が挙げられる。なお、よりコク味を有する即席調理食品用油脂組成物とするために、牛脂、ラード及びこれらの極度硬化油、分別油、エステル交換油を用いることも好ましい。
この発明における即席調理食品用油脂組成物中の構成脂肪酸における飽和脂肪酸含量は40〜65質量%であり、即席調理食品としての風味とコク及び口溶け感とルウの保形性を満足させることができる。この発明における即席調理食品用油脂組成物は、トランス酸だけでなく、近年健康への影響のため飽和脂肪酸の摂取量にも視点を置くものであり、飽和脂肪酸量は可及的に少量に制限することが望ましい。
また、この発明に係る即席調理食品用油脂組成物は、ルウなどの即席調理食品の風味を調和し、しかも香りを引き立たせるために油脂組成物中のトランス酸含量を1〜7質量%とすることが好ましい。
このような即席調理食品用油脂組成物を用いて製造される即席調理食品の代表例であるルウは、カレー、シチュウ、ハヤシ、各種スープ等に使用することができるものであり、その形態として、使用の便利のために適当な大きさの固形(塊状、ブロック)状または粉状や顆粒状などの粉粒体であることが望ましく、または薄片状のものであっても良い。
このようにしてこの発明の即席調理食品用油脂組成物を用いたルウは、即席調理食品としてカレー等に加工されたときのスパイスの利き方が程よくなり、風味の調和が良好で、香りを引き立たせる。
そして、即席調理食品用油脂組成物の脂肪酸組成中の飽和脂肪酸含量及びトランス酸含量を抑制しつつ、ルウの原料となる油脂の酸化安定性にも優れたものになる。また、動物脂肪を原料としたものでも、そのコク味は優れており、植物油脂原料のものでも、コク味が良好なものであった。
以下の実施例において採用する測定値は、ヨウ素価については、基準油脂分析試験法2.3.4.1−1996ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)により、脂肪酸組成については、基準油脂分析試験法暫15−2003であり、トランス酸含量については基準油脂分析試験法暫17−2007に準じて行ない、CDM試験については、基準油脂分析試験法2.5.1.2で分析を行なった。
まず、この発明の実施例に用いた水素添加油脂の調製について、及び比較例に用いたエステル交換油の調製について各製造例は以下の通りである。
[製造例1]
牛脂(ヨウ素価:50.9、天然のトランス酸を含む原料の天然のトランス酸量:4.0質量%、多価不飽和脂肪酸量:3.1質量%)に対油0.5重量%のニッケル触媒(堺化学工業社製 SO−750)を添加し、水素圧力0.4MPa下で攪拌しながら60〜65℃で水素添加反応を行なった。ヨウ素価38で水素添加反応を停止し、触媒を除去後、脱色、脱臭して油脂Aを得た。得られた水素添加油脂のヨウ素価、トランス酸増加量、トランス酸増加率、及び多価不飽和脂肪酸量(%)を表1中に示した。
表1中のトランス酸増加率は、水素添加反応で低下するヨウ素価の1単位当りに増加するトランス酸の量を、以下の計算式により算出したものである。
Figure 2012055179
[製造例2]
ラード(ヨウ素価:59.4、天然のトランス酸を含む原料のトランス酸量:1.9質量%、多価不飽和脂肪酸量:8.4質量%)を用い、ヨウ素価39で水素添加反応を停止した以外は、製造例1と同様の方法にて水素添加を行ない、表1に示した油脂Bを得た。
[製造例3]
パーム分別油(ヨウ素価:56.0、原料のトランス酸量:0.4質量%、多価不飽和脂肪酸量:10.3質量%)を用い、ヨウ素価34で水素添加反応を停止した以外は、製造例1と同様の方法にて水素添加を行ない、表1に示した油脂Cを得た。
[製造例4]
牛脂(ヨウ素価:50.9、天然のトランス酸を含む原料のトランス酸量:4.0質量%、多価不飽和脂肪酸量:3.1質量%)60重量部と常法により作成した牛脂極度硬化油(ヨウ素価:0.3)40重量部を混合した油に、0.3重量部のナトリウムメトキシドを加え、70℃で30分混合攪拌してランダムエステル交換反応を行ない、反応後水洗して触媒を除去し、脱色、脱臭して表1に示した油脂Dを得た。
[製造例5]
ラード(ヨウ素価:59.4、天然のトランス酸を含むトランス酸量:1.9質量%、多価不飽和脂肪酸量:8.4質量%) 50重量部と常法により作成したラード極度硬化油(ヨウ素価:0.8)50重量部を混合した油について、製造例4と同様にランダムエステル交換を行ない、表1に示した油脂Eを得た。
[製造例6]
製造例5で得た油脂E〈ヨウ素価30.7、天然のトランス酸を含むトランス酸量:0.9質量%、多価不飽和脂肪酸量:3.4質量%)を原料とし、ヨウ素価23で水素添加反応を停止した以外は、製造例1と同様の方法にて水素添加を行ない、表1に示した油脂Fを得た。
Figure 2012055179
[実施例1〜8]
表2に示す配合割合(質量%)で油脂組成物を調製し、油脂組成物のトランス酸量と飽和脂肪酸量を併記した。また、油脂組成物100重量部に対し、市販のトコフェロール製剤(エーザイフード・ケミカル社製 イーミックス50L)0.05重量部添加後、CDM試験を行ない、表2中に示した。
Figure 2012055179
[比較例1〜6]
表3に示す配合割合で油脂組成物を調製し、実施例1と同様に油脂組成物のトランス酸量、飽和脂肪酸量、およびCDM値を表3に示した。
Figure 2012055179
[実施例1〜8または比較例1〜6を用いた即席調理食品(ルウ)とその評価]
(カレールウの作成)
各油脂組成物300gを撹拌しながら90℃まで加熱した。次に小麦粉300gを入れ撹拌しながら110℃まで加熱後、カレー粉270g、食塩30gを添加し撹拌しながら115℃まで加熱した。その後、容器に移し常温で固化させることで固形カレールウを調製した。
(カレーソースの作成)
上記固形カレールウ40gをお湯200gに溶かすことでカレーソースを調製した。
このカレーソースの風味とコクを、下記の詳細基準により評価し、各パネルの評価の平均値を算出した。得られた結果を表4、表5に示した。
(評価基準:スパイスの調和について)
スパイスの利きにバランスがとれ、香りを引きたてている 4点
スパイスが利き、香りたちが良好 3点
スパイスの利きが弱く、香りたちが不十分 2点
スパイスの利きのバランスが悪く、香りたちが感じられない 1点
(評価基準:コク味について)
極めて良好 4点
良好 3点
弱い 2点
無い 1点
Figure 2012055179
Figure 2012055179
表4の結果からも明らかなように、実施例の油脂組成物は、本願の特許請求の範囲に係る発明の水素添加工程を行なった水素添加油脂を所定量含有することにより、トランス酸を制限しながら複数のスパイスを含有するカレールウ中でスパイスの利き方に調和を持たせ、コク味を併せ持つ物になることが明らかになった。
また、動物油脂に比べコク味が低減する植物油脂を原料にした水素添加油脂を用いた実施例8でも、スパイスの利き方に調和があり、コク味も感じられた。更に、油脂組成物の酸化安定性も充分高いものであった。
一方、表5の結果からも明らかなように、比較例1〜6のように、水素添加油脂を用いず、エステル交換油を用いた油脂組成物は、カレールウに用いた場合のスパイスの利き方に調和が不十分であり、カレーの風味自体に満足できるものではなかった。また、油脂組成物の酸化安定性についても充分なものではなかった。

Claims (4)

  1. 水素添加油脂の配合量が50〜100%であり、かつ構成脂肪酸中の飽和脂肪酸含量が40〜65質量%である即席調理食品用油脂組成物において、
    前記水素添加油脂が、構成脂肪酸中にトランス酸を1〜10質量%含有するものであり、かつ水素添加される際に低下するヨウ素価1に対するトランス酸の増加量が0.10〜0.25%となるように調製され、かつ水素添加される原料油脂に対するトランス酸の増加量が0.5〜5%であるように調製された水素添加油脂であることを特徴とする即席調理食品用油脂組成物。
  2. 水素添加油脂が、構成脂肪酸における多価不飽和脂肪酸含量が30質量%以下の原料油脂に対し、多価不飽和脂肪酸含量が3質量%以下に水素添加され、かつヨウ素価が20〜50の水素添加油脂である請求項1に記載の即席調理食品用油脂組成物。
  3. 即席調理食品用油脂組成物の構成脂肪酸中のトランス酸含量が1〜7質量%である請求項1または2に記載の即席調理食品用油脂組成物。
  4. 即席調理食品が、カレー用、シチュウ用、ハッシュドミート用またはスープ用のルウである請求項1〜3のいずれかに記載の即席調理食品用油脂組成物。
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