JP2012046721A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂99〜60重量%、(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体1〜40重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、(c)アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物を0.1〜10重量部配合してなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
1.(a)と(b)の合計を100重量%として、(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂99〜60重量%、(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体1〜40重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、(c)アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物を0.1〜10重量部配合してなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
2.前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物のモルフォロジー(相構造)において、(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂が連続相(海相)を形成し、前記(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体が数平均分散粒子径500nm以下で分散した分散相(島相)を形成した海−島構造を有することを特徴とする1に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
3.前記(c)アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物が、アルコキシシラン化合物であることを特徴とする1〜2のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
4.前記(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂が、アルカリ金属およびアルカリ土類金属分を合計して200ppm以上含有することを特徴とする1〜3のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
5.ASTM4号ダンベル成形片の引張破断伸び(テンシロンUTA2.5T引張試験機を用いてチャック間距離64mm、引張速度10mm/minで測定)が、50%以上であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
6.200℃で300時間処理した後のASTM4号ダンベル成形片の引張破断伸び(テンシロンUTA2.5T引張試験機を用いてチャック間距離64mm、引張速度10mm/minで測定)が、15%以上であることを特徴とする1〜5のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
7.1〜6のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品、
8.成形品が押出成形品であることを特徴とする7に記載の成形品、
である。
本発明で用いられる(a)PPS樹脂は、下記構造式で示される繰り返し単位を有する重合体であり、
ポリハロゲン化芳香族化合物とは、1分子中にハロゲン原子を2個以上有する化合物をいう。具体例としては、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロ-p-キシレン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼンなどのポリハロゲン化芳香族化合物が挙げられ、好ましくはp−ジクロロベンゼンが用いられる。また、異なる2種以上のポリハロゲン化芳香族化合物を組み合わせて共重合体とすることも可能であるが、p−ジハロゲン化芳香族化合物を主要成分とすることが好ましい。
スルフィド化剤としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、および硫化水素が挙げられる。
重合溶媒としては有機極性溶媒を用いるのが好ましい。具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン類、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホキシドなどに代表されるアプロチック有機溶媒、およびこれらの混合物などが挙げられ、これらはいずれも反応の安定性が高いために好ましく使用される。これらのなかでも、特にN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記することもある)が好ましく用いられる。
生成する(a)PPS樹脂の末端を形成させるか、あるいは重合反応や分子量を調節するなどのために、モノハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)を、上記ポリハロゲン化芳香族化合物と併用することができる。
比較的高重合度の(a)PPS樹脂をより短時間で得るために重合助剤を用いることも好ましい態様の一つである。ここで重合助剤とは得られる(a)PPS樹脂の粘度を増大させる作用を有する物質を意味する。このような重合助剤の具体例としては、例えば有機カルボン酸塩、水、アルカリ金属塩化物、有機スルホン酸塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩およびアルカリ土類金属リン酸塩などが挙げられる。これらは単独であっても、また2種以上を同時に用いることもできる。なかでも、有機カルボン酸塩、水、およびアルカリ金属塩化物が好ましく、さらに有機カルボン酸塩としてはアルカリ金属カルボン酸塩が、アルカリ金属塩化物としては塩化リチウムが好ましい。
重合反応系を安定化し、副反応を防止するために、重合安定剤を用いることもできる。重合安定剤は、重合反応系の安定化に寄与し、望ましくない副反応を抑制する。副反応の一つの目安としては、チオフェノールの生成が挙げられ、重合安定剤の添加によりチオフェノールの生成を抑えることができる。重合安定剤の具体例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、およびアルカリ土類金属炭酸塩などの化合物が挙げられる。そのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物が好ましい。上述のアルカリ金属カルボン酸塩も重合安定剤として作用するので、重合安定剤の一つに入る。また、スルフィド化剤としてアルカリ金属水硫化物を用いる場合には、アルカリ金属水酸化物を同時に使用することが特に好ましいことを前述したが、ここでスルフィド化剤に対して過剰となるアルカリ金属水酸化物も重合安定剤となり得る。
(a)PPS樹脂の製造方法において、スルフィド化剤は通常水和物の形で使用されるが、ポリハロゲン化芳香族化合物を添加する前に、有機極性溶媒とスルフィド化剤を含む混合物を昇温し、過剰量の水を系外に除去することが好ましい。
有機極性溶媒中でスルフィド化剤とポリハロゲン化芳香族化合物とを200℃以上290℃未満の温度範囲内で反応させることにより(a)PPS樹脂を製造する。
(A)ポリハロゲン化芳香族化合物をアルカリ金属硫化物に対しモル比で過剰に添加した場合
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)−PHA過剰量(モル)〕
(B)上記(A)以外の場合
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)〕
(a)PPS樹脂の製造方法においては、重合終了後に、重合体、溶媒などを含む重合反応物から固形物を回収する。回収方法については、公知の如何なる方法を採用しても良い。
(a)PPS樹脂は、上記重合、回収工程を経て生成した後、酸処理、熱水処理、有機溶媒による洗浄、アルカリ金属やアルカリ土類金属処理を施されたものであってもよい。
本発明で使用するポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体は、ポリエーテルイミドの繰り返し単位と、ポリシロキサンの繰り返し単位とからなる通常公知の共重合体が挙げられる。好ましくは、以下構造式(化3)で示される繰り返し単位および以下構造式(化4)で示される繰り返し単位からなる。
本発明では、柔軟で引張破断伸度が飛躍的に向上したポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得るべく、(c)アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物を、相溶化剤として添加することが必要である。
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の製造方法としては、単軸、二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、及びミキシングロールなど通常公知の溶融混練機に原料を供給して、(a)PPS樹脂の融解ピーク温度+5〜100℃の加工温度で溶融混練する方法などを代表例として挙げることができる。この際、二軸の押出機を使用し、せん断力を比較的強くすることが好ましい。具体的には、L/D(L:スクリュー長さ、D:スクリュー直径)が20以上、好ましくは30以上であり、ニーディング部を2箇所以上、好ましくは3箇所以上有する二軸押出機を使用し、スクリュー回転数を150〜1000回転/分、好ましくは300〜1000回転/分として、混合時の樹脂温度が(a)PPS樹脂の融解ピーク温度+10〜70℃となるように混練する方法などを好ましく用いることができる。L/Dの上限については特に制限しないが、60以下が経済性の観点から好ましい。また、ニーディング部箇所の上限についても特に制限しないが、生産性の観点から10箇所以下であることが好ましい。
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物には、必須成分ではないが、本発明の効果を損なわない範囲で無機フィラーを配合して使用することも可能である。かかる無機フィラーの具体例としてはガラス繊維、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、炭酸カルシウムウィスカー、ワラステナイトウィスカー、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填材、あるいはフラーレン、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、シリカ、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス粉、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、カーボンブラックおよびシリカ、黒鉛などの非繊維状充填材が用いられ、なかでもガラス繊維、シリカ、炭酸カルシウムが好ましく、さらに炭酸カルシウムやシリカが、防食材、滑材の効果の点から特に好ましい。またこれらの無機フィラーは中空であってもよく、さらに2種類以上併用することも可能である。また、これらの無機フィラーをイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用してもよい。中でも炭酸カルシウムやシリカ、カーボンブラックが、防食材、滑材、導電性付与の効果の点から好ましい。
さらに、本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範囲において、(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体以外の樹脂を添加配合しても良い。その具体例としては、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリルサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、エチレン・1−ブテン共重合体などのエポキシ基を含有しないオレフィン系重合体、共重合体などが挙げられる。
住友−ネスタール射出成形機SG75を用い、樹脂温度310℃、金型温度150℃でASTM4号ダンベル試験片を成形した。
樹脂温度320℃にて、フォーミング・ダイを空冷しながら、単軸押出機を用い、2500mm/hrの速度で直径50mmの丸棒を押出成形した。得られた丸棒の中心部を切削加工し、引張試験用のASTM4号ダンベル試験片を得た。
前記押出成形により得られた丸棒を300mmの長さに切断し、丸棒表面に生じた突起および黒色異物を目視観察により数えた。突起および黒色異物の合計数が1個以下を○、2〜5個を△、6個以上を×として評価した。
前記、射出成形したASTM4号ダンベル試験片の中央部を樹脂の流れ方向に対して直角方向に切断し、その断面の中心部から、−20℃で0.1μm以下の薄片を切削し、日立製作所製H−7100型透過型電子顕微鏡(分解能(粒子像)0.38nm、倍率50〜60万倍)にて、1万倍に拡大して観察した際の任意の100個の、(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体の分散部分について、まずそれぞれの最大径と最小径を測定して平均値をその分散粒子径とし、その後それらの平均値である数平均分散粒子径を求めた。
前記、射出成形または押出成形により得られたASTM4号ダンベル試験片につき、テンシロンUTA2.5T引張試験機を用い、23℃下、チャック間距離64mm、引張速度10mm/minの条件で引張破断伸度を測定した。
前記、射出成形または押出成形により得られたASTM4号ダンベル試験片を200℃に設定したギヤオーブンに入れ、300時間処理してから室温で放冷した後、テンシロンUTA2.5T引張試験機を用い、23℃下、チャック間距離64mm、引張速度10mm/minの条件で引張破断伸度を測定した。
前記、射出成形により得られたASTM4号ダンベル試験片を、冷却恒温槽を具備したインストロンジャパンカンパニィリミテッド社製5581型万能材料試験機を用い、−20℃下、チャック間距離64mm、引張速度10mm/minの条件で引張破断伸度を測定した。
(a)PPS樹脂5gを500℃の電気炉で灰化した後、0.1規定塩酸水溶液、0.1%塩化ランタン水溶液で希釈した水溶液を試料とし、島津製作所社製原子吸光分光光度計AA−6300を用いた原子吸光法により測定した。
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8267.37g(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2957.21g(70.97モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11434.50g(115.50モル)、酢酸ナトリウム2583.00g(31.50モル)、及びイオン交換水10500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14780.1gおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
PPS洗浄時における0.05重量%酢酸水溶液をイオン交換水とした以外は、参考例1と同様にして脱水、重合、洗浄、乾燥を行った。得られたa−2は、溶融粘度が250Pa・s(310℃、剪断速度1000/s)、アルカリ金属とアルカリ土類金属の合計含有量が706ppmであった。
PPS洗浄時における0.05重量%酢酸水溶液を0.05重量%酢酸カルシウム一水和物水溶液とした以外は、参考例1と同様にして脱水、重合、洗浄、乾燥を行った。得られたa−3は、溶融粘度が280Pa・s(310℃、剪断速度1000/s)、アルカリ金属とアルカリ土類金属の合計含有量が276ppmであった。
b−1:ガラス転移温度が170℃のポリ(エーテルイミド−シロキサン)ブロック共重合体(SABICイノベーティブプラスチックス社製“SILTEM1500”)
b−2:ガラス転移温度が200℃のポリ(エーテルイミド−シロキサン)ブロック共重合体(SABICイノベーティブプラスチックス社製“SILTEM1700”)
b’−1:ガラス転移温度が217℃のポリエーテルイミド単独重合体(SABICイノベーティブプラスチックス社製“ULTEM1010”)
b’−2:エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学社製“ボンドファースト”BF−E)
b’−3:エチレン・1−ブテン共重合体(三井化学社製“タフマー”TX610)
c−1:エポキシクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製“EPICLON”N−695)
c−2:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(関東化学株式会社製試薬)
c−3:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製KBE903)
c−4:3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製KBE−9007)
c−5:2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−303)
表1、表2に示す(a)PPS樹脂と(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体と(c)アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物を、表1、表2に示す割合でドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定し溶融混練した。ダイスから吐出するストランドは水浴中で急冷してから、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは、不透明であった。次いで、130℃で一晩乾燥したペレットを射出成形に供し、成形片における(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体の数平均分散粒子径、未処理成形品の23℃引張破断伸度、200℃×300時間処理成形品の23℃引張破断伸度、未処理成形品の−20℃引張破断伸度を測定した。結果は表1、表2に示すとおりであった。
スクリュー回転数を200rpmとした以外は、実施例8と同様に溶融混練、射出成形した後、成形片における(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体の数平均分散粒子径、未処理成形品の23℃引張破断伸度、200℃×300時間処理成形品の23℃引張破断伸度、未処理成形品の−20℃引張破断伸度を測定した。結果は表2に示すとおりであった。
(a)PPS樹脂としてa−1を70重量%、(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体としてb−1を30重量%、(c)アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物としてc−4を3重量部、からなる原料をドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定し溶融混練した。ダイスから吐出するストランドは水浴中で急冷してから、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは、不透明であった。
(a)PPS樹脂としてa−1を70重量%、(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体としてb−1を30重量%、(c)アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物としてc−4を3重量部、からなる原料をドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定し溶融混練した。ダイスから吐出するストランドは水浴中で急冷してから、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは、不透明であった。
(a)PPS樹脂としてa−1のみを、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。
(c)アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物を添加しない以外は、実施例1〜5と同様に溶融混練、射出成形した後、成形片における(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体の数平均分散粒子径、未処理成形品の23℃引張破断伸度、200℃×300時間処理成形品の23℃引張破断伸度、未処理成形品の−20℃引張破断伸度を測定した。結果は表3に示すとおりであった。
表3に示す(a)PPS樹脂と(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体と(c)アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物を、表3に示す割合でドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。
(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体の替わりに、ポリエーテルイミド単独重合体b’−1を使用した以外は、実施例11と同様に溶融混練、射出成形した後、成形片におけるポリエーテルイミド単独重合体b’−1の数平均分散粒子径、未処理成形品の23℃引張破断伸度、200℃×300時間処理成形品の23℃引張破断伸度、未処理成形品の−20℃引張破断伸度を測定した。結果は表3に示すとおりであった。
(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体の替わりに、ポリエーテルイミド単独重合体b’−1を使用した以外は、実施例14と同様に溶融混練、射出成形した後、成形片におけるポリエーテルイミド単独重合体b’−1の数平均分散粒子径、未処理成形品の23℃引張破断伸度、200℃×300時間処理成形品の23℃引張破断伸度、未処理成形品の−20℃引張破断伸度を測定した。結果は表3に示すとおりであった。
(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体の替わりに、オレフィン系樹脂b’−2およびb’−3を表3に示した割合で使用した以外は、実施例11と同様に溶融混練、射出成形した後、成形片におけるオレフィン系樹脂b’−2およびb’−3の数平均分散粒子径、未処理成形品の23℃引張破断伸度、200℃×300時間処理成形品の23℃引張破断伸度、未処理成形品の−20℃引張破断伸度を測定した。結果は表3に示すとおりであった。
実施例11にて得られたペレットを130℃で一晩乾燥した後、押出成形に供して丸棒の成形を行うとともに、押出成形性を評価した。次いで、得られた丸棒の中心部を切削加工し、引張試験用のASTM4号ダンベル試験片を採取した後、未処理成形品および200℃×300時間処理成形品の23℃引張試験を行った。結果は表4に示すとおりであった。
比較例4にて得られたペレットを130℃で一晩乾燥した後、押出成形に供して丸棒の成形を行うとともに、押出成形性を評価した。次いで、得られた丸棒の中心部を切削加工し、引張試験用のASTM4号ダンベル試験片を採取した後、未処理成形品および200℃×300時間処理成形品の23℃引張試験を行った。結果は表4に示すとおりであった。
比較例6にて得られたペレットを130℃で一晩乾燥した後、押出成形に供して丸棒の成形を行うとともに、押出成形性を評価した。次いで、得られた丸棒の中心部を切削加工し、引張試験用のASTM4号ダンベル試験片を採取した後、未処理成形品および200℃×300時間処理成形品の23℃引張試験を行った。結果は表4に示すとおりであった。
Claims (8)
- (a)と(b)の合計を100重量%として、(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂99〜60重量%、(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体1〜40重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、(c)アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物を0.1〜10重量部配合してなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物のモルフォロジー(相構造)において、(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂が連続相(海相)を形成し、前記(b)ポリ(エーテルイミド−シロキサン)共重合体が数平均分散粒子径500nm以下で分散した分散相(島相)を形成した海−島構造を有することを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記(c)アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物が、アルコキシシラン化合物であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂が、アルカリ金属およびアルカリ土類金属分を合計して200ppm以上含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- ASTM4号ダンベル成形片の引張破断伸び(テンシロンUTA2.5T引張試験機を用いてチャック間距離64mm、引張速度10mm/minで測定)が、50%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 200℃で300時間処理した後のASTM4号ダンベル成形片の引張破断伸び(テンシロンUTA2.5T引張試験機を用いてチャック間距離64mm、引張速度10mm/minで測定)が、15%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品。
- 成形品が押出成形品であることを特徴とする請求項7に記載の成形品。
Priority Applications (1)
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