JP2012041758A - 錠装置、並びに、当該錠装置を用いる現金収納庫及び現金取扱装置 - Google Patents

錠装置、並びに、当該錠装置を用いる現金収納庫及び現金取扱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】開閉部材がロック部材を乗り越えてしまう程に大きな力が与えられた場合であっても、強固に不正開錠を防止する。
【解決手段】開閉部材(上蓋21a)の内壁面22に突出して設けられている内壁部材(引っ掛け部23a)と、収納庫2aを構成する各側壁12の中の、開閉部材のスライド移動方向上の側壁に設けられ、開閉部材のスライド移動時に、内壁部材とともに、開閉部材が通過する開口部13aと、開閉部材の施錠時に、内壁部材の先端部に対向するようにロック部材(突起付き閂31a)に設けられ、かつ、開閉部材の不正開錠時に、内壁部材の先端部と係合することにより、ロック部材の移動及び開閉部材のスライド移動を規制する係合部32aとを有する。
【選択図】図2A

Description

本発明は、内部に収納物を収納する収納庫に設けられ、収納庫の内部を露出状態又は隠蔽状態にする開閉部材の施錠及び開錠を行う錠装置、並びに、当該錠装置を用いる現金収納庫及び現金取扱装置に関する。
内部に収納物を収納する収納庫は、収納庫の内部を露出状態又は隠蔽状態にする開閉部材の施錠及び開錠を行う錠装置を備えている場合が多い。
例えば、収納庫としては、金融機関や流通機関に設置された自動取引装置(ATM)やキャッシュディスペンサ等の現金取扱装置に用いられている回収カセットがある。回収カセットは、紙幣や硬貨等の現金を回収するために現金取扱装置の内部に装着される現金収納庫である。なお、回収カセットは、現金の回収だけでなく、現金の補充にも利用できるように、現金の回収機能と補充機能とを兼ね備えた補充・回収カセットとして、利用される場合もある。錠装置は、その回収カセットの上蓋の施錠及び開錠を行う装置として用いられている。
以下、図9及び図10を参照して、従来の錠装置の構成につき説明する。図9及び図10は、それぞれ、従来の錠装置の構成を示す図である。図9は、従来の錠装置3を用いる回収カセット2の外観を示しており、図10は、その断面構成を示している。
図9及び図10に示すように、回収カセット2は、通常、筐体11が箱型に形成されており、筐体11の中に収納物として現金6を収納する構造になっている。
筐体11には、開口部13とガイド溝15とが設けられており、さらに、上蓋21と閂31とが取り付けられている。
開口部13は、上蓋21のスライド移動時に、上蓋21が通過する空間である。図9及び図10に示す例では、開口部13は、回収カセット2の四方の4つの側壁12のうち、正面側の側壁12に形成されている。開口部13の縦幅及び横幅は、それぞれ、上蓋21が円滑に通過する程度に、上蓋21の正面側断面の縦幅及び横幅よりも若干大きな寸法となっている。
ガイド溝15は、上蓋21のスライド移動をガイドする溝である。ガイド溝15は、回収カセット2の左右の側壁12の内壁面に、開口部13から、上蓋21のスライド移動方向に沿って形成されている。ガイド溝15の縦幅は、上蓋21が円滑にスライド移動する程度に、上蓋21の縦幅よりも若干大きな寸法となっている。
上蓋21は、図9に示す正面方向にスライド移動することにより、回収カセット2の内部を選択的に露出状態又は隠蔽状態にする開閉部材である。上蓋21は、容易に変形しないように、頑丈な板材によって構成されている。
閂31は、上蓋21の内壁面に対して垂直方向に移動し、所定の部位(図9及び図10に示す例では、上端部33)が上蓋21の内壁面に設けられた穴(図9及び図10に示す例では、係合部29)に挿入されることにより上蓋21を施錠し、かつ、所定の部位(上端部33)が穴から外れることにより上蓋21を開錠するロック部材である。図9及び図10に示す例では、閂31は、上下方向にスライド移動する構成となっている。
上蓋21は、上蓋21の施錠時に、閂31の一部(図9及び図10に示す例では、閂31の上端部)が引っ掛かる係合部29を備えている。係合部29は、通常、穴として構成されている。なお、ここでは、底面を貫通する孔及び底面を貫通しない溝を合わせて「穴」と称する。図9及び図10に示す例では、係合部29は、底面を貫通する孔として示されているが、底面を貫通しない溝にすることもできる。
閂31は、上蓋21の施錠時に、上方向に移動して、その一部(図9及び図10に示す例では、上端部33)が上蓋21の内壁面に設けられた穴(図9及び図10に示す例では、係合部29)に挿入される。閂31は、その状態で、悪意ある人物が上蓋21を不正にこじ開けようとすると、上端部33が係合部29の側壁面に引っ掛かる。これにより、閂31は、上蓋21のスライド移動を規制するストッパとして機能する。また、閂31は、上蓋21の開錠時に、下方向に移動して、上端部33が係合部29から抜かれる。これにより、閂31は、上端部33と上蓋21の係合部29との引っ掛かりが解除される。このように、閂31は、上蓋21の係合部29とともに、上蓋21の施錠及び開錠を行う錠装置3を構成している。
以下、図11を参照して、従来の錠装置3及びその錠装置3を用いる回収カセット2の動作につき説明する。図11は、従来の錠装置及び当該錠装置を用いる回収カセットの動作を示す図である。なお、以下に説明する閂31や上蓋21等の移動動作は、図示せぬ駆動手段及び図示せぬ伝達手段が現金取扱装置(又は回収カセット2)に内蔵されていて、駆動手段が駆動力を生成し、伝達手段が生成された駆動力を閂31や上蓋21等に伝達することによって行われる。
回収カセット2は、現金取扱装置の内部に装着される。現金取扱装置は、回収カセット2が内部に装着されると、例えば、図11に示すように、錠装置3及び回収カセット2を動作させる。
まず、現金取扱装置は、回収カセット2の閂31を下方向(図11に示す矢印a1方向)に移動させる。これにより、現金取扱装置は、閂31の上端部33と上蓋21の係合部29との引っ掛かりを解除して、上蓋21に掛けられたロックを開錠する。
次に、現金取扱装置は、回収カセット2の上蓋21を正面方向(図11に示す矢印a2方向)にスライド移動させて、上蓋21を開く。これにより、現金取扱装置は、回収カセット2の内部を露出させた状態にする。その結果、現金取扱装置は、図11に示す矢印a3方向に現金6を搬送して、現金6を回収カセット2の中に収納することが可能な状態となる。
なお、回収カセット2は、現金6を回収するためだけでなく、現金6を補充するために用いられる場合がある。この場合に、現金取扱装置は、図11に示す矢印a4方向に現金6を搬送して、現金6を回収カセット2から現金取扱装置の内部に設けられた金庫に補充する。
回収カセット2は、内部が現金6で満杯になると、回収員によって別の空の回収カセット2と交換される。回収カセット2は、回収員によって図示せぬ現金管理センタに持ち運ばれ、現金管理センタで、内部の現金6が回収される。そして、回収カセット2は、内部が空になると、回収員によって現金取扱装置に持ち運ばれ、再び、現金取扱装置の内部に装着されて使用される。
この回収カセット2は、仮に、悪意ある人物が、上蓋21を不正開錠しようとした場合に、前記した通り、錠装置3の閂31が、上蓋21のスライド移動を規制するストッパとして機能する。これにより、錠装置3は、上蓋21の不正開錠を防止する。なお、「不正開錠」とは、上蓋21を不正にこじ開ける動作、すなわち、上蓋21が施錠された状態で、上蓋21を強制的にスライド移動させる動作を意味する。
このような従来の錠装置3の中には、開閉部材の不正開錠をさらに強固に防止する機構として、(1)閂に対して別の閂でロックを掛けて、閂自体の移動を規制する錠装置や、(2)不正開錠が行われた場合に、閂の変形により、閂が抜けないようにした錠装置等もある(特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2009−13580号公報 特開2009−19380号公報
しかしながら、従来の錠装置3は、以下に説明するように、悪意ある人物によって、開閉部材がロック部材を乗り越えてしまう程に大きな力が与えられた場合に、開閉部材が不正開錠される可能性がある、という課題があった。
図12は、従来の錠装置3の不正開錠時の動作を示す図である。図12は、悪意ある人物が、バール9等の工具を用いて、上蓋21を不正にこじ開けている場面を示している。
図12に示す例では、バール9によって、梃子(てこ)の原理を利用した強い力が、上蓋21に与えられている。その結果、開閉部材(上蓋21)や、ロック部材(閂31)、開口部13を形成する周囲の側壁12等が、変形している。なお、図12には、開口部13が示されていないが、開口部13は、開口部13を形成する周囲の側壁12が変形又は破断した状態となっている。
図12に示すように、従来の錠装置3は、部材が変形した場合(特に、上蓋21のスライド移動を規制するストッパとして機能している閂31が変形した場合)に、上蓋21が閂31を乗り越えてしまう。その結果、従来の錠装置3は、閂31が下方向に移動していなくても、上蓋21が不正開錠される可能性があった。
なお、特許文献1に開示された錠装置や特許文献2に開示された錠装置は、開閉部材の不正開錠を強固に防止することができる。
しかしながら、特許文献1に開示された錠装置は、閂に別の閂を掛ける構成となっているため、高度な部品精度及び高度な部品取付精度を必要とし、部品コストの高騰や製造の困難化を招く、という課題がある。また、特許文献1に開示された錠装置は、2つの部材(閂と別の閂)の移動方向が異なるため、設計がし難く、筐体の大型化を招く可能性がある、という課題がある。
また、特許文献2に開示された錠装置は、不正開錠が行われて、ロック部材(閂)が変形した場合に、仮に、収納庫が正規の人物のもとに戻されて、正規の人物が収納庫から収納物を取り出そうとしても、正規の開錠方法では開錠することができず、筐体又はロック部材(閂)を破壊しなければ収納物を取り出せないため、ユーザに非常な労力を強いる、という課題がある。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、開閉部材がロック部材を乗り越えてしまう程に大きな力が与えられた場合であっても、開閉部材の不正開錠を強固に防止する錠装置、並びに、当該錠装置を用いる現金収納庫及び現金取扱装置を提供することを主な目的とする。
前記目的を達成するため、第1発明は、内部に収納物を収納する収納庫に設けられ、スライド移動することにより当該収納庫の内部を露出状態又は隠蔽状態にする開閉部材と、当該開閉部材の内壁面に対して垂直方向に移動し、所定の部位が当該開閉部材の当該内壁面に設けられた穴に挿入されることにより当該開閉部材を施錠し、かつ、当該所定の部位が当該穴から外れることにより当該開閉部材を開錠するロック部材とを有する錠装置であって、前記開閉部材の前記内壁面に突出して設けられている内壁部材と、前記収納庫を構成する各側壁の中の、前記開閉部材のスライド移動方向上の側壁に設けられ、前記開閉部材のスライド移動時に、前記内壁部材とともに、前記開閉部材が通過する開口部と、前記開閉部材の施錠時に、前記内壁部材の先端部に対向するように前記ロック部材に設けられ、かつ、前記開閉部材の不正開錠時に、前記内壁部材の先端部と係合することにより、前記ロック部材の移動及び前記開閉部材のスライド移動を規制する係合部とを有する構成とする。
この錠装置は、開閉部材がロック部材を乗り越えてしまう程に大きな力が与えられた場合であっても、内壁部材の先端部とロック部材の係合部とが係合するため、これによって、ロック部材の移動及び開閉部材のスライド移動が規制される。すなわち、この錠装置は、内壁部材とロック部材の係合部とが錠装置のロックを補強する補強部材として機能する。したがって、この錠装置は、開閉部材の不正開錠を強固に防止することができる。
しかも、この錠装置は、構造が単純なため、特許文献1に開示された錠装置と異なり、高度な部品精度及び高度な部品取付精度を必要とせず、部品コストの高騰や製造の困難化を回避することができる。また、この錠装置は、内壁部材がロック部材の係合部に向けて移動する構造となっているため、特許文献1に開示された錠装置と異なり、2つの部材の移動方向が異なるようなことがなく、設計が容易で、かつ、筐体の大型化を回避することができる。
さらに、この錠装置は、不正開錠が行われて、開閉部材が閂の上に乗り上げた場合であっても、特許文献2に開示された錠装置と異なり、開閉部材を元の位置に戻せば、正規の開錠方法で開錠すること(すなわち、正規の方法でロック部材(閂)を下方向に移動させること)ができるため、筐体又はロック部材(閂)を破壊しなくても収納物を取り出すことができ、ユーザの労力を軽減することができる。
また、第2発明は、内部に収納物として現金を収納する現金収納庫であって、第1発明に係る錠装置を、当該現金収納庫の蓋を施錠又は開錠する錠装置として有する構成とする。
また、第3発明は、現金を取り扱う現金取扱装置であって、第2発明の現金収納庫を有する構成とする。
第1発明によれば、開閉部材がロック部材を乗り越えてしまう程に大きな力が与えられた場合であっても、開閉部材の不正開錠を強固に防止する錠装置を提供することができる。
第2発明によれば、第1発明に係る錠装置を利用する現金収納庫を提供することができる。
第3発明によれば、第1発明に係る錠装置を利用する現金取扱装置を提供することができる。
実施形態1に係る錠装置を用いる回収カセットの構成を示す図である。 実施形態1に係る錠装置の構成を示す図(1)である。 実施形態1に係る錠装置の構成を示す図(2)である。 実施形態1に係る錠装置及び当該錠装置を用いる回収カセットの動作を示す図(1)である。 実施形態1に係る錠装置及び当該錠装置を用いる回収カセットの動作を示す図(2)である。 実施形態1に係る錠装置の不正開錠時の動作を示す図(1)である。 実施形態1に係る錠装置の不正開錠時の動作を示す図(2)である。 実施形態1に係る錠装置の変形例の構成を示す図である。 実施形態2に係る錠装置の構成を示す図(1)である。 実施形態2に係る錠装置の構成を示す図(2)である。 実施形態2に係る錠装置の不正開錠時の動作を示す図である。 従来の錠装置の構成を示す図(1)である。 従来の錠装置の構成を示す図(2)である。 従来の錠装置及び当該錠装置を用いる回収カセットの動作を示す図である。 従来の錠装置の不正開錠時の動作を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。また、各図において、従来例と同様の構成要素(図9及び図10参照)については、同一の符号を付し(又は、末尾に英文字記号が付加された符号を付し)、それらの詳細な説明を省略する。
[実施形態1]
<錠装置の構成>
以下、図1、並びに、図2A及び図2Bを参照して、本実施形態1に係る錠装置の構成につき説明する。なお、図1は、実施形態1に係る錠装置を用いる回収カセットの構成を示す図である。また、図2A及び図2Bは、それぞれ、実施形態1に係る錠装置の構成を示す図である。ここでは、本実施形態1に係る錠装置を、現金取扱装置の回収カセットに用いた場合を想定して説明する。
図1、並びに、図2A及び図2Bに示すように、回収カセット2aは、筐体11aが箱型に形成されており、筐体11aの中に収納物として現金6を収納する構造になっている。
筐体11aには、開口部13aとガイド溝15とが設けられており、さらに、上蓋21aと突起付き閂31aとが取り付けられている。
開口部13aは、上蓋21aのスライド移動時に、上蓋21aが通過する空間である。図1、並びに、図2A及び図2Bに示す例では、開口部13aは、回収カセット2aの四方の4つの側壁12のうち、正面側の側壁12に形成されている。開口部13aの縦幅及び横幅は、それぞれ、上蓋21aが円滑に通過する程度に、上蓋21aの正面側断面の縦幅及び横幅よりも若干大きな寸法となっている。
開口部13aは、切り欠け14が設けられている。切り欠け14は、上蓋21aのスライド移動時に、上蓋21aの内壁面22に設けられた引っ掛け部23a(図2A及び図2B参照)を通過させるための空間である。
ガイド溝15は、上蓋21aのスライド移動をガイドする溝である。ガイド溝15は、回収カセット2aの左右の側壁12の内壁面に、開口部13aから、上蓋21aのスライド移動方向に沿って形成されている。ガイド溝15の縦幅は、上蓋21aが円滑にスライド移動する程度に、上蓋21aの縦幅よりも若干大きな寸法となっている。
上蓋21aは、図1に示す正面方向にスライド移動することにより、回収カセット2aの内部を選択的に露出状態又は隠蔽状態にする開閉部材である。上蓋21aは、容易に変形しないように、頑丈な板材によって構成されている。
上蓋21aは、上蓋21aの内壁面22に、引っ掛け部23aが設けられている。引っ掛け部23aは、上蓋21aの不正開錠時に、先端部24が突起付き閂31aの突起32a(図2A及び図2B参照)に引っ掛かる(係合する)ことにより、突起付き閂31aの移動及び上蓋21aのスライド移動を規制する部材である。引っ掛け部23aは、先端部24が上蓋21aのスライド移動方向に向かって開放端となるように、上蓋21aの内壁面22に突出して設けられている。引っ掛け部23aは、特許請求の範囲に記載された「内壁部材」に相当する。なお、「不正開錠」とは、図4及び図5に示すように、上蓋21aを不正にこじ開ける動作、すなわち、上蓋21aが施錠された状態で、上蓋21aを強制的にスライド移動させる動作を意味する。
引っ掛け部23aは、上蓋21aの不正開錠を防止するために想定される強度を備えていれば、例えば、鉄等の金属材や、プラスチック材、木材、石材、その他の様々な素材を用いることができる。ここでは、引っ掛け部23aは、金属によって構成されているものとして説明する。
図2A及び図2Bに示す例では、引っ掛け部23aは、上蓋21aの内壁面22に、上蓋21aのスライド移動方向に沿って設けられた板材によって、構成されている。引っ掛け部23aの先端部24は、開放端として上蓋21aの内壁面22から離間するように、内壁面22に対して斜め方向に屈曲された形状となっている。引っ掛け部23aの先端部24は、突起付き閂31aの突起32aに対し、上蓋21aの不正開錠時(図4及び図5参照)に、上蓋21aの内壁面22との間の傾斜面25で、突起付き閂31aの突起32aと引っ掛かる位置関係になっている。これにより、錠装置3aは、悪意ある人物が上蓋21aを不正開錠しようとすると、引っ掛け部23aの先端部24と突起付き閂31aの突起32aとが斜め方向に交差して接触するため、引っ掛け部23aの先端部24の撓(しな)る力を利用して、上蓋21aを閉方向に戻すように作用させることができる。
なお、引っ掛け部23aは、内壁面22に対して先端部24を垂直方向に屈曲させた形状にすることもできる。ただし、引っ掛け部23aは、先端部24を斜め方向に屈曲させた形状の方が、先端部24を垂直方向に屈曲させた形状よりも、外力に対する耐性が高い。
引っ掛け部23aは、図2Bに示すように、引っ掛け部23aの先端部24と突起32aの先端部との引っ掛かり量L2が、突起付き閂31aの上端部33と上蓋21aの施錠時の上蓋21aの係合部(穴)29との引っ掛かり量L1よりも大きくなるように(すなわち、「L2>L1」となるように)、設定されている。これにより、錠装置3aは、上蓋21aの不正開錠時に、たとえ、突起付き閂31aの上端部33が変形して、突起付き閂31aの上端部33が上蓋21aの係合部(穴)29から外れても、引っ掛け部23aの先端部24と突起32aの先端部とが引っ掛かる構成となっている。
突起付き閂31aは、上蓋21aの内壁面22に対して垂直方向に移動し、所定の部位(図1、並びに、図2A及び図2Bに示す例では、上端部33)が上蓋21aの内壁面22に設けられた穴(図1、並びに、図2A及び図2Bに示す例では、係合部29)に挿入されることにより上蓋21aを施錠し、かつ、所定の部位(上端部33)が穴(係合部29)から外れることにより上蓋21aを開錠するロック部材である。図1、並びに、図2A及び図2Bに示す例では、突起付き閂31aは、上下方向にスライド移動する構成となっている。
突起付き閂31aは、上蓋21aの施錠時に、上方向に移動して、その一部(図1、並びに、図2A及び図2Bに示す例では、上端部33)が上蓋21aの内壁面22に設けられた穴(係合部29)に挿入される。突起付き閂31aは、その状態で、悪意ある人物が上蓋21aを不正にこじ開けようとすると、上端部33が係合部29の側壁面に引っ掛かる。これにより、突起付き閂31aは、上蓋21aのスライド移動を規制するストッパとして機能する。また、突起付き閂31aは、上蓋21aの開錠時に、下方向に移動して、上端部33が係合部29から抜かれる。これにより、突起付き閂31aは、上端部33と上蓋21aの係合部29との引っ掛かりが解除される。
突起付き閂31aには、上蓋21aの引っ掛け部23aの先端部24に対向するように、突起32aが設けられている。突起32aは、上蓋21aの不正開錠時に、その先端部が引っ掛け部23aの先端部24と引っ掛かる(係合する)係合部として機能する。突起32aは、引っ掛け部23aの先端部24に引っ掛かり易いように、角ばった形状となっている。
なお、前記した通り、引っ掛け部23aは、上蓋21aの不正開錠時の引っ掛け部23aの先端部24と突起32aの先端部との引っ掛かり量L2が、突起付き閂31aの上端部33と上蓋21aの施錠時の上蓋21aの係合部(穴)29との引っ掛かり量L1よりも大きくなるように(すなわち、「L2>L1」となるように)、設定されている。
引っ掛け部23aは、このように設定されることにより、例えば、上蓋21aが不正開錠時に、上蓋21aが閂31aを乗り越えるように変形しても(すなわち、引っ掛かり量L1が「0」になるように変形しても)、引っ掛かり量L2が「L2>0」となり、引っ掛け部23aの先端部24が突起32aの先端部と引っ掛かる。そのため、本実施形態1に係る錠装置3aは、従来の錠装置3よりも、上蓋21aの不正開錠を強固に防止することができる。
<錠装置の動作>
以下、図3A及び図3Bを参照して、錠装置3aの動作につき説明する。図3A及び図3Bは、それぞれ、実施形態1に係る錠装置及び当該錠装置を用いる回収カセットの動作を示す図である。図3A及び図3Bは、それぞれ、回収カセット2aを現金処理装置1aに装着した状態を示している。なお、以下に説明する閂31aや上蓋21a等の移動動作は、図示せぬ駆動手段及び図示せぬ伝達手段が現金取扱装置(又は回収カセット2a)に内蔵されていて、駆動手段が駆動力を生成し、伝達手段が生成された駆動力を閂31aや上蓋21a等に伝達することによって行われる。
回収カセット2aは、現金取扱装置1aの内部に装着される。現金取扱装置1aは、回収カセット2aが内部に装着されると、例えば、図3A及び図3Bに示すように、錠装置3a及び回収カセット2aを動作させる。
まず、現金取扱装置1aは、図示せぬ駆動機構によって回収カセット2aの突起付き閂31aを下方向(図3Bに示す矢印a1方向)に移動させる。このとき、現金取扱装置1aは、突起付き閂31aの上端部33が引っ掛け部23aの先端部24の最下端部分よりも下になるように、突起付き閂31aを移動させる。これにより、現金取扱装置1aは、回収カセット2aの突起付き閂31aの上端部33と上蓋21aの係合部(穴)29との引っ掛かりを解除して、上蓋21aに掛けられたロックを開錠する。
次に、現金取扱装置1aは、図示せぬ駆動機構によって回収カセット2aの上蓋21aを正面方向(図3Bに示す矢印a2方向)にスライド移動させて、上蓋21aを開く。これにより、現金取扱装置1aは、回収カセット2aの内部を露出させた状態にする。その結果、現金取扱装置1aは、現金処理部4(図3A参照)によって図3Bに示す矢印a3方向に現金6を搬送して、現金6を回収カセット2aの中に収納することが可能な状態となる。
なお、回収カセット2aは、現金6を回収するためだけでなく、現金6を補充するために用いられる場合がある。この場合に、現金取扱装置1aは、現金処理部4によって図3Bに示す矢印a4方向に現金6を搬送して、現金6を回収カセット2aから現金取扱装置1aの内部に設けられた図示せぬ金庫に補充する。
回収カセット2aは、内部が現金6で満杯になると、回収員によって別の空の回収カセット2aと交換される。このとき、現金取扱装置1aは、回収カセット2aの装着時とは逆の手順で、回収カセット2aの上蓋21aをスライド移動させて、上蓋21aを閉じ、さらに、回収カセット2aの突起付き閂31aを上方向に移動させて、突起付き閂31aの上端部33を上蓋21aの係合部(穴)29に挿入させ、上蓋21aを施錠する。回収カセット2aは、回収員によって図示せぬ現金管理センタに持ち運ばれ、現金管理センタで、内部の現金6が回収される。そして、回収カセット2aは、内部が空になると、回収員によって現金取扱装置1aに持ち運ばれ、再び、現金取扱装置1aの内部に装着されて使用される。
この回収カセット2aは、仮に、悪意ある人物が、上蓋21aを不正開錠しようとした場合に、錠装置3aの突起付き閂31aが、上蓋21aのスライド移動を規制するストッパとして機能する。
<錠装置の動作>
以下、図2A及び図2B、並びに、図4及び図5を参照して、錠装置3aの動作につき説明する。なお、図4及び図5は、それぞれ、実施形態1に係る錠装置の不正開錠時の動作を示す図である。図4及び図5は、それぞれ、悪意ある人物が、バール9等の工具を用いて、上蓋21aを不正にこじ開けている場面を示している。
図2A及び図2Bに示すように、錠装置3aは、上蓋21aの施錠時に、突起付き閂31aの上端部33が上蓋21aの係合部(穴)29に挿入される。突起付き閂31aは、その状態で、悪意ある人物が上蓋21aを不正にこじ開けようとすると、上端部33が係合部29の側壁面に引っ掛かる。これにより、錠装置3aは、上蓋21aが開かないようにしている。
ここで、図4に示すように、突起付き閂31aの上端部33と上蓋21aの係合部(穴)29とが引っ掛かった状態で、悪意ある人物が上蓋21aと筐体11aとの間にバール9等の工具を差し込み、上蓋21aを不正にこじ開けようとすると、錠装置3aは、上蓋21aがスライド移動する。
そして、錠装置3aは、悪意ある人物がさらに上蓋21aを不正にこじ開けようとすると、図4に示すように、上蓋21aが変形するとともに、突起付き閂31aの上端部33が変形する。その結果、突起付き閂31aの上端部33が上蓋21aの係合部(穴)29から外れて、上蓋21aが上端部33の上を乗り越えた状態になる。以下、変形した状態の上端部33を「閂変形部33」と称する場合もある。
しかしながら、錠装置3aは、たとえ上蓋21aが上端部33の上を乗り越えた状態になったとしても、図4に示すように、引っ掛け部23aの先端部24と突起付き閂31aの突起32aとが引っ掛かるため、上蓋21aが開状態になるのを防止する。
この後、錠装置3aは、引っ掛け部23aの先端部24と突起付き閂31aの突起32aとが引っ掛かった状態で、悪意ある人物がさらに上蓋21aを不正にこじ開けようとすると、図5に示すように、上蓋21aの引っ掛け部23aが矢印a5方向に変形する。しかしながら、このとき、錠装置3aは、上蓋21aの引っ掛け部23aと突起付き閂31aの突起32aとの引っ掛かり量T1が図4に示す状態から図5に示す状態に増加するだけであるため、上蓋21aをさらに開状態にし難くすることができる。その結果、錠装置3aは、従来の錠装置3よりも、上蓋21aの不正開錠を強固に防止することができる。
このように、従来の錠装置3(図9及び図10参照)は、閂31の上端部33と上蓋21の係合部(穴)29との引っ掛かりだけで、上蓋21の不正開錠を防止する構成になっている。
これに対し、本実施形態1に係る錠装置3aは、突起付き閂31aの上端部33と上蓋21の係合部(穴)29との引っ掛かりに加え、たとえ、突起付き閂31aの上端部33が変形して、上蓋21aが上端部33の上を乗り越えた状態になったとしても、引っ掛け部23aの先端部24と突起付き閂31aの突起32aとの引っ掛かりで、上蓋21aの不正開錠を防止する構成になっている。この錠装置3aは、引っ掛け部23aと突起付き閂31aの係合部32aとが錠装置3aのロックを補強する補強部材として機能する。したがって、この錠装置3aは、従来の錠装置3よりも、上蓋21aの不正開錠を強固に防止することができる。
以上の通り、実施形態1に係る錠装置3aによれば、悪意ある人物がバール9等の工具を用いて、上蓋21aを不正にこじ開けようとした場合に、突起付き閂31aの上端部33と上蓋21aの係合部(穴)29との引っ掛かりに加え、たとえ、突起付き閂31aの上端部33が変形して、上蓋21aが上端部33の上を乗り越えた状態になったとしても、引っ掛け部23aの先端部24と突起付き閂31aの突起32aとの引っ掛かりで、上蓋21aの不正開錠を防止するため、従来の錠装置3よりも、上蓋21aの不正開錠を強固に防止することができる。
しかも、錠装置3aによれば、構造が単純なため、特許文献1に開示された錠装置と異なり、高度な部品精度及び高度な部品取付精度を必要とせず、部品コストの高騰や製造の困難化を回避することができる。また、錠装置3aによれば、上蓋21aの引っ掛け部23aが閂31aの係合部32aに向けて移動する構造となっているため、特許文献1に開示された錠装置と異なり、2つの部材(閂と別の閂)の移動方向が異なるようなことがなく、設計が容易で、かつ、筐体11aの大型化を回避することができる。
さらに、錠装置3aによれば、不正開錠が行われて、上蓋21aが閂31aの上に乗り上げた場合であっても、特許文献2に開示された錠装置と異なり、上蓋21aを元の位置(隠蔽状態の位置)に戻せば、正規の開錠方法で開錠することができる(現金取扱装置1a又は回収カセット2aに内蔵された前記した図示せぬ駆動手段及び図示せぬ伝達手段によって閂31aを下方向に移動させて、開錠することができる)ため、筐体11a又は閂31aを破壊しなくても収納物(現金6)を取り出すことができ、ユーザの労力を軽減することができる。
<変形例>
なお、引っ掛け部23aは、例えば、図6に示すように、形状を変更することができる。図6は、実施形態1に係る錠装置の変形例の構成を示す図である。図6に示す例では、回収カセット2bは、上蓋21aを施錠及び開錠するための機構として錠装置3bを搭載している。その錠装置3bは、引っ掛け部23aが、台形ブロック状に形成されている。以下、この台形ブロックによって形成された引っ掛け部23aを「引っ掛け部23b」と称する。
引っ掛け部23bは、先端部24が、上蓋21aの内壁面22から離間するように切り欠けられている。これによって、引っ掛け部23bは、先端部24が、開放端として形成されている。引っ掛け部23bの先端部24は、突起付き閂31aの突起32aに対し、上蓋21aの不正開錠時に、切り欠けによって形成された傾斜面25で、突起付き閂31aの突起32aと引っ掛かる位置関係になっている。引っ掛け部23bは、図1〜図5に示す引っ掛け部23aと同様に機能する。
引っ掛け部23bは、上蓋21aの不正開錠を防止するために想定される強度を備えていれば、例えば、鉄等の金属材や、プラスチック材、木材、石材、その他の様々な素材を用いることができる。
[実施形態2]
<錠装置の構成>
図7A及び図7Bに示すように、本実施形態2では、回収カセット2cは、上蓋21aを施錠及び開錠するための機構として錠装置3cを搭載している。なお、図7A及び図7Bは、それぞれ、実施形態2に係る錠装置の構成を示す図である。
その錠装置3cは、実施形態1に係る錠装置3aと比較すると、実施形態1の突起付き閂31a(図2A参照)が穴あき閂31cに代わっており、また、実施形態1の引っ掛け部23a(図2A参照)が差込型引っ掛け部23cに代わっている点で相違している。
穴あき閂31cは、実施形態1の突起32a(図2A参照)の代わりに、穴32cが設けられた閂である。穴32cは、上蓋21aの施錠時に、差込型引っ掛け部23cの先端部24cに対向する位置に設けられている。穴32cは、上蓋21aの不正開錠時に、差込型引っ掛け部23cの先端部24cが差し込まれる。これにより、穴32cは、穴あき閂31cの移動及び上蓋21aのスライド移動を規制する係合部として機能する。穴32cは、特許請求の範囲に記載された「当接部」に相当する。なお、ここでは、底面を貫通する孔及び底面を貫通しない溝を合わせて「穴」と称する。
差込型引っ掛け部23cは、上蓋21aの不正開錠時に、先端部24cが穴あき閂31cの穴32cに差し込まれる部材である。差込型引っ掛け部23cは、先端部24cが上蓋21aのスライド移動方向に向かって開放端となるように、上蓋21aの内壁面22に突出して設けられている。以下、差込型引っ掛け部23cの先端部24cを「差込部24c」と称する場合もある。
差込型引っ掛け部23cは、図7Bに示すように、上蓋21aの施錠時に、差込部24cの周囲部分で、穴あき閂31cと接触する。以下、差込型引っ掛け部23cの穴あき閂31cと接触する部分を「接触部分28」と称する。また、穴あき閂31cの差込型引っ掛け部23cと接触する部分を「接触部分38」と称する。
接触部分28と接触部分38との距離L3は、上蓋21aの不正開錠時に、回収カセット2cの内部に収納された現金6を隠蔽することが可能な、上蓋21aのスライド移動の許容距離L4以下の値(すなわち、「L3≦L4」)に設定されている。なお、図7B中、点線は、人物の視線を表している。
差込型引っ掛け部23cは、上蓋21aの不正開錠を防止するために想定される強度を備えていれば、例えば、鉄等の金属材や、プラスチック材、木材、石材、その他の様々な素材を用いることができる。ここでは、差込型引っ掛け部23cは、金属によって構成されているものとして説明する。
<錠装置の動作>
錠装置3cの動作は、回収カセット2cの装着時の動作及び交換時の動作とも、実施形態1と同様である。そこで、ここでは、図8を参照して、悪意ある人物が、上蓋21aを不正開錠しようとした場合の錠装置3cの動作についてのみ説明する。なお、図8は、実施形態2に係る錠装置の不正開錠時の動作を示す図である。図8は、悪意ある人物が、バール9等の工具を用いて、上蓋21aを不正にこじ開けている場面を示している。
図7A及び図7Bに示すように、錠装置3cは、上蓋21aの施錠時に、穴あき閂31cの上端部33が上蓋21aの係合部(穴)29に挿入される。穴あき閂31cは、その状態で、悪意ある人物が上蓋21aを不正にこじ開けようとすると、上端部33が係合部29の側壁面に引っ掛かる。これにより、錠装置3cは、上蓋21aが開かないようにしている。
ここで、図8に示すように、穴あき閂31cの上端部33と上蓋21aの係合部(穴)29とが引っ掛かった状態で、悪意ある人物が上蓋21aと筐体11aとの間にバール9等の工具を差し込み、上蓋21aを不正にこじ開けようとすると、錠装置3cは、上蓋21aが矢印a2方向に少しスライド移動する。
そして、錠装置3cは、悪意ある人物がさらに上蓋21aを不正にこじ開けようとすると、図8に示すように、上蓋21aが変形するとともに、穴あき閂31cの上端部33が変形する。その結果、穴あき閂31cの上端部33が上蓋21aの係合部(穴)29から外れて、上蓋21aが上端部33の上を乗り越えた状態になる。
しかしながら、錠装置3cは、たとえ上蓋21aが上端部33の上を乗り越えた状態になったとしても、図8に示すように、すぐに、差込型引っ掛け部23cの差込部24cが穴あき閂31cの穴32cに差し込まれ、さらに、差込型引っ掛け部23cの接触部分28と穴あき閂31cの接触部分38とが接触した状態になる。そのため、錠装置3cは、たとえ上蓋21aが上端部33の上を乗り越えた状態になったとしても、穴あき閂31c及び上蓋21aがそれ以上移動できないように、差込型引っ掛け部23cと穴あき閂31cとが、穴あき閂31cの移動及び上蓋21aのスライド移動を規制する。
なお、本実施形態2では、差込型引っ掛け部23cは、金属によって構成されている。金属は、通常、変形させる力と千切れさせる力とでは、千切れさせる力の方がより大きな力を必要とする。錠装置3cは、差込型引っ掛け部23cの差込部24cを穴あき閂31cの穴32cに差し込んで引っ掛けているので、差込部24cが千切れない限り、穴あき閂31cと上蓋21aとが変形しただけでは、上蓋21aが開状態にされない。そのため、錠装置3cは、従来の錠装置3や実施形態1に係る錠装置3a,3bよりも、上蓋21aの不正開錠をさらに強固に防止することができる。
よって、錠装置3cは、穴あき閂31cの上端部33が閂変形部として変形し、上蓋21aが上端部33を乗り越えた状態になったとしても、差込型引っ掛け部23cと穴あき閂31cとが、穴あき閂31cの移動及び上蓋21aのスライド移動を規制するため、上蓋23aが開状態になるのを防止することができる。したがって、錠装置3cは、従来の錠装置3や実施形態1に係る錠装置3a,3bよりも、上蓋21aの不正開錠をさらに強固に防止することができる。
また、錠装置3cは、たとえ上蓋21aが上端部33の上を乗り越えた状態になったとしても、すぐに、差込型引っ掛け部23cの差込部24cが穴あき閂31cの穴32cに差し込まれるため、実施形態1に係る錠装置3a,3bよりも、早期に上蓋21aを動作させない状態にすることができる。その結果、錠装置3cは、回収カセット2cの内部に収納された現金6の隠蔽状態を保つことができる。
さらに、錠装置3cは、実施形態1の錠装置3aの引っ掛け部23a(図2参照)が線に近い状態で突起付き閂31a(図2参照)に接触しているのに対して、差込型引っ掛け部23cが面に近い状態で穴あき閂31cに接触しているため、穴あき閂31cが変形し難くなっており、上蓋21aのセキュリティ性を向上させることができる。
以上の通り、本実施形態2に係る錠装置3cによれば、悪意ある人物がバール9等の工具を用いて、上蓋21aを不正にこじ開けようとした場合に、穴あき閂31cの上端部33と上蓋21aの係合部(穴)29との引っ掛かりに加え、たとえ上蓋21aが上端部33の上を乗り越えた状態になったとしても、上蓋21aの差込型引っ掛け部23cの差込部24cと穴あき閂31cの穴32cとの引っ掛かりで、上蓋21aの不正開錠を防止するため、従来の錠装置3よりも、上蓋21aの不正開錠を強固に防止することができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、実施形態1では、引っ掛け部23a(図2A参照)は、内壁面22に対して先端部24を斜め方向に屈曲させた形状となっている。しかしながら、引っ掛け部23aは、引っ掛け部23aに高い強度を持たせることができれば、内壁面22に対して先端部24を垂直方向に屈曲させた形状にすることもできる。
この場合に、錠装置3aは、上蓋21aの施錠時に、突起付き閂31aが上下方向に移動可能なように、引っ掛け部23aの先端部24と突起付き閂31aの突起32aとを当接させた構成にすることができる。これにより、引っ掛け部23aは、上蓋21aの施錠時に、突起付き閂31aの突起32aと当接する当接部材となり、上蓋21aの不正開錠を防止するように機能する。
その結果、錠装置3aは、突起付き閂31aの上端部33と上蓋21aの係合部(穴)29との引っ掛かり部分、及び、引っ掛け部23aの先端部24と突起付き閂31aの突起32aとの接触部分の2箇所で、同時に、上蓋21aの不正開錠を防止するように機能するため、上蓋21aの不正開錠をさらに強固に防止することができる。また、錠装置3aは、引っ掛け部23aの先端部24と突起付き閂31aの突起32aとが上蓋21aのスライド移動を規制するため、バール9等の工具を上蓋21aと筐体11aとの間に差し込み難くすることができ、この点でも、上蓋21aの不正開錠をさらに強固に防止することができる。
なお、実施形態1の変形例に係る錠装置3bも、内壁面22に対して引っ掛け部23bの先端部24を垂直方向に切り欠けられた形状にすることにより、同様に、引っ掛け部23bを当接部材として機能させることができる。
また、実施形態1及び実施形態2では、本発明を現金取扱装置に用いられる回収カセット2a,2b,2cに適応する場合について説明した。しかしながら、本発明は、金庫扉や重要物を保管する保管庫等のように、上蓋をスライド移動させる収納庫で、かつ、セキュリティ性が求められる収納庫であれば、回収カセットに限らず、適応することができる。さらに、本発明は、スライド方式の金庫扉や、保管庫、賽銭箱等の扉のように、収納庫の上蓋に限らず、収納庫の扉に適応することができる。
1a 現金取扱装置(自動取引装置)
2a,2b,2c 回収カセット(現金収納庫)
3a,3b,3c 錠装置
4 現金処理部
6 収納物(現金)
9 工具(バール)
11,11a 筐体
12 側壁
13,13a 開口部
14 切り欠け
15 ガイド溝
21,21a 上蓋(開閉部材)
22 内壁面
23a,23b 引っ掛け部
23c 差込型引っ掛け部
24 先端部
24c 先端部(差込部)
25 傾斜面
26 切り欠け
28,38 接触部分
29 係合部(穴(孔又は溝))
31a 突起付き閂(ロック部材)
31c 穴あき閂(ロック部材)
32a 係合部(突起)
32c 係合部(穴(孔又は溝))
33 上端部
L1,L2,T1 引っ掛かり量
L3 接触部分間の距離
L4 スライド移動の許容距離

Claims (11)

  1. 内部に収納物を収納する収納庫に設けられ、スライド移動することにより当該収納庫の内部を露出状態又は隠蔽状態にする開閉部材と、当該開閉部材の内壁面に対して垂直方向に移動し、所定の部位が当該開閉部材の当該内壁面に設けられた穴に挿入されることにより当該開閉部材を施錠し、かつ、当該所定の部位が当該穴から外れることにより当該開閉部材を開錠するロック部材とを有する錠装置において、
    前記開閉部材の前記内壁面に突出して設けられている内壁部材と、
    前記収納庫を構成する各側壁の中の、前記開閉部材のスライド移動方向上の側壁に設けられ、前記開閉部材のスライド移動時に、前記内壁部材とともに、前記開閉部材が通過する開口部と、
    前記開閉部材の施錠時に、前記内壁部材の先端部に対向するように前記ロック部材に設けられ、かつ、前記開閉部材の不正開錠時に、前記内壁部材の先端部と係合することにより、前記ロック部材の移動及び前記開閉部材のスライド移動を規制する係合部とを有する
    ことを特徴とする錠装置。
  2. 請求項1に記載の錠装置において、
    前記内壁部材は、先端部が前記開閉部材の内壁面から離間するように屈曲された板材によって構成されており、
    前記係合部は、前記開閉部材の不正開錠時に、先端部が、前記内壁部材の先端部の前記開閉部材の内壁面との間の傾斜面で、前記内壁部材の先端部と斜め方向に交差することにより、前記内壁部材の先端部に引っ掛かる突起として構成されている
    ことを特徴とする錠装置。
  3. 請求項1に記載の錠装置において、
    前記内壁部材は、先端部が前記開閉部材の内壁面から離間するように切り欠けられたブロック材によって構成されており、
    前記係合部は、前記開閉部材の不正開錠時に、先端部が、前記内壁部材の先端部の前記開閉部材の内壁面との間の傾斜面で、前記内壁部材の先端部と斜め方向に交差することにより、前記内壁部材の先端部に引っ掛かる突起として構成されている
    ことを特徴とする錠装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の錠装置において、
    前記内壁部材の先端部と前記突起の先端部とは、前記開閉部材の不正開錠時に、互いに引っ掛かる位置関係になっている
    ことを特徴とする錠装置。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の錠装置において、
    前記開閉部材の不正開錠時の前記内壁部材の先端部と当該突起の先端部との引っ掛かり量は、前記開閉部材の施錠時の前記開閉部材と前記ロック部材との引っ掛かり量よりも大きい
    ことを特徴とする錠装置。
  6. 内部に収納物を収納する収納庫に設けられ、スライド移動することにより当該収納庫の内部を露出状態又は隠蔽状態にする開閉部材と、当該開閉部材の内壁面に対して垂直方向に移動し、所定の部位が当該開閉部材の当該内壁面に設けられた穴に挿入されることにより当該開閉部材を施錠し、かつ、当該所定の部位が当該穴から外れることにより当該開閉部材を開錠するロック部材とを有する錠装置において、
    前記開閉部材の前記内壁面に突出して設けられている内壁部材と、
    前記収納庫を構成する各側壁の中の、前記開閉部材のスライド移動方向上の側壁に設けられ、前記開閉部材のスライド移動時に、前記内壁部材とともに、前記開閉部材が通過する開口部と、
    前記開閉部材の施錠時に、前記内壁部材の先端部に対向するように前記ロック部材に設けられ、かつ、前記開閉部材の不正開錠時に、前記内壁部材の先端部と当接することにより、前記ロック部材の移動及び前記開閉部材のスライド移動を規制する当接部とを有する
    ことを特徴とする錠装置。
  7. 請求項6に記載の錠装置において、
    前記当接部は、前記開放端として形成された前記内壁部材の先端部が刺さる穴として構成されている
    ことを特徴とする錠装置。
  8. 請求項7に記載の錠装置において、
    前記内壁部材の先端部と前記穴とは、前記開閉部材の不正開錠時に、互いに引っ掛かる位置関係になっている
    ことを特徴とする錠装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の錠装置において、
    前記開閉部材の施錠時に互いに接触する、前記引っ掛かり部の接触部分から前記穴の接触部分までの距離は、前記開閉部材の不正開錠時に、前記収納庫の内部に収納された前記収納物を隠蔽することが可能な、前記開閉部材のスライド移動の許容距離以下である
    ことを特徴とする錠装置。
  10. 内部に収納物として現金を収納する現金収納庫において、
    請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の錠装置を、当該現金収納庫の蓋を施錠又は開錠する錠装置として有する
    ことを特徴とする現金収納庫。
  11. 現金を取り扱う現金取扱装置において、
    請求項10に記載の現金収納庫を有する
    ことを特徴とする現金取扱装置。
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