JP2012038686A - リチウムのプリドープ方法、電極の製造方法及びこれら方法を用いた蓄電デバイス - Google Patents

リチウムのプリドープ方法、電極の製造方法及びこれら方法を用いた蓄電デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】実用性が高いと考えられているプリドープ技術は、活物質(電極)とリチウムを直接接触あるいは電気的回路を介して短絡させた状態で電池を組み立て、電解液を注液することにより、プリドープを実施する電気化学的方法である。しかし、この場合、多くの時間を必要とする、30μm以下の極薄リチウム金属箔の厚み精度、取り扱いの課題等がある。
【解決手段】リチウムをドープ可能な材料とリチウム金属を溶剤の存在下、混合することを特徴とするリチウムのプリドープ方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、簡便、かつ、実用的なリチウムのプリドープ方法、電極の製造方法及びこれら方法を用いた蓄電デバイスに関する。
近年、携帯電話に代表される小型携帯機器用の電源、深夜電力貯蔵システム、太陽光発電に基づく家庭用分散型蓄電システム、電気自動車のための蓄電システムなどに関連して、各種の高エネルギー密度電池の開発が精力的に行われている。特に、リチウムイオン電池は、350Wh/lを超える体積エネルギー密度を有すること、金属リチウムを負極として用いるリチウム二次電池に比べて、安全性、サイクル特性などの信頼性が優れることなどの理由により、小型携帯機器用の電源として、その市場が飛躍的に拡大している。リチウムイオン電池は、正極としてLiCoO、LiMnなどに代表されるリチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極として黒鉛に代表される炭素系材料を用いている。現在、リチウムイオン電池のより一層の高容量化が進められているが、実用化されている正極酸化物及び負極炭素系材料の改良による高容量化は、ほぼ限界に達しており、機器側からの高エネルギー密度に対する要求を満たすことは困難である。また、高効率エンジンと蓄電システムとの組み合わせ(例えば、ハイブリッド電気自動車)、あるいは燃料電池と蓄電システムとの組み合わせ(例えば、燃料電池電気自動車)において、エンジンあるいは燃料電池が最大効率で運転するためには、一定出力での運転が必須であり、負荷側の出力変動あるいはエネルギー回生に対応するために、蓄電システム側には高出力放電特性、高率充電特性が要求されている。この要求に対応するため、蓄電システムにおいては高エネルギー密度を特徴とするリチウムイオン電池の高出力化あるいは高出力を特徴とする電気二重層キャパシタの高エネルギー密度化に向けたリチウムイオンキャパシタの研究開発が実施されている。
一方、リチウムイオン電池あるいはキャパシタなどの蓄電デバイスにおいて、活物質にあらかじめリチウムイオンを担持させること(以下、プリドープと呼ぶ)により、蓄電デバイスを高容量化、高電圧化する技術が注目されている。例えば非特許文献1、特許文献1、非特許文献2、非特許文献3などに記載されているポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体などの高容量材料に対し、このプリドープを適用することにより、非特許文献4に記載されているように、その特徴(高容量)を充分に活かした蓄電デバイス設計が可能となり、上記蓄電デバイスの高エネルギー密度化あるいは高出力化の要求に応えることが可能となる。プリドープは古くから実用化されている技術であり、例えば、非特許文献5、特許文献2には、リチウムを負極活物質であるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体にプリドープさせた、高電圧かつ高容量な蓄電デバイスが開示されている。リチウムのプリドープは、プリドープする電極を作用極とし、対極としてリチウム金属を用いる電気化学システムを組み立て、電気化学的にドーピングすることが可能であるが,この方法では、プリドープした電極を電気化学システムから取り出し、電池・キャパシタに組み替えることが必要である。そこで、実用的なプリドープ法として、活物質を含有する電極にリチウム金属箔を貼り付けることにより接触させ、電解液注液後、リチウムを活物質内にドープする方法が長く用いられてきた。この技術は電極数が少なく、比較的厚い電極を用いるコイン型電池などに有効であるが、薄い電極を複数枚積層する積層型構造電池、あるいは、巻回型構造電池においては、工程が煩雑になる、あるいは、薄型リチウム金属の取り扱いなどに課題があり、簡便かつ実用的なプリドープ法が必要であった。
この問題を解決する方法として、特許文献3には、表裏面を貫通する孔を備え、負極活物質がリチウムを可逆的に担持可能であり、負極由来のリチウムが負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムとの電気化学的接触により担持され、かつ、該リチウムの対向面積が負極面積の40%以下であることを特徴とする有機電解質電池が開示されている。この電池では貫通孔を備えた集電体上に電極層を形成し、電池内に配置されたリチウム金属と負極を短絡することにより、電解液注液後、リチウムイオンが集電体の貫通孔を通過し、すべての負極にドープされる。特許文献3の実施例には、貫通孔を備えた集電体にエキスパンドメタルを用い、正極活物質にLiCoO、負極活物質にポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を用いた有機電解質電池が開示されており、該負極活物質には、電池内に配置されたリチウム金属からリチウムイオンを簡便にプリドープすることができる。
また、電極内にリチウム金属粉末を混合する、あるいは、特許文献7に記載されているようにリチウム金属粉末を負極上に均一に分散させ、注液後、電極上で局部電池を構成し電極内に均一に吸蔵する方法が開示されている。更に、特許文献8には、負極中にポリマー被覆Li微粒子を混合し負極を製造し、キャパシタを組み立て後、電解液を含浸させることにより、ポリマー被覆Li微粒子のうちポリマー部分を電解液に溶出させ、Li金属と負極のカーボンを導通(短絡)させることにより負極のカーボン中にLiをドープさせる方法も開示されている。
上記プリドープ技術は、いずれも、電池、キャパシタを組み立て後、電解液を注液することにより、プリドープを開始させる技術である。一方、n−ブチルリチウムをヘキサンなどの有機溶剤に溶解した溶液中に電極材料を浸漬して、リチウムを電極材料に反応させ、リチウム化した電極材料で電極を作製する技術(特許文献9)、Tow−Bulb法と呼ばれる手法でリチウムを気相状態でリチウムと黒鉛を反応させ黒鉛にリチウムを含有させる方法(特許文献10)、メカニカルアロイング法でリチウムを機械的に合金化する方法(特許文献10)が知られている。
特開昭59−3806号公報 特開平3−233860号公報 WO98/33227号公報 WO00/07255号公報 WO03/003395号公報 WO04/097867号公報 特開平5−234621号公報 特開2007−324271号公報 特開平10−294104号公報 特開2002−373657号公報
T.Yamabe,M.Fujii,S.Mori,H.Kinoshita,S.Yata:Synth.Met.,145,31(2004) S.Yata,Y.Hato,K.Sakurai,T.Osaki,K.Tanaka,T.Yamabe:Synth.Met.,18,645(1987) S.Yata,H.Kinoshita,M.Komori,N.Ando,T.Kashiwamura,T.Harada,K.Tanaka,T.Yamabe:Synth.Met.,62,153(1994) S.Yata,Y.Hato,H.Kinoshita,N.Ando,A.Anekawa,T.Hashimoto,M.Yamaguchi,K.Tanaka,T.Yamabe:Synth.Met.,73,273(1995) 矢田静邦,工業材料,Vol.40,No.5,32(1992)
上記のごとく、リチウムイオン電池の高出力化あるいはキャパシタの高エネルギー密度化に向けた開発においてプリドープ技術は重要であり、様々な方法のプリドープ法が提案されている。現在、実用性が高いと考えられているプリドープ技術は、活物質(電極)とリチウムを直接接触あるいは電気的回路を介して短絡させた状態で電池を組み立て、電解液を注液することにより、プリドープを実施する電気化学的方法である。しかし、この場合、全体に均一にドープするためには、多くの時間を必要とすること、更には、電池内に組み込まれる金属リチウムが完全にプリドープされず残る、あるいは、プリドープにより消失したリチウム部分が隙間となり電池の内部抵抗等に影響を与えるという課題があった。また、貫通孔を備えた集電体を用いる場合には、孔開き集電体に電極を塗布しなければならないという課題、活物質を含有する電極にリチウム金属箔を貼り付ける方法は均一性が比較的高いが、30μm以下の極薄リチウム金属箔の厚み精度、取り扱いの課題等、製造上解決していかなければならない課題も多く含んでいる。
一方、背景技術に記載されるように、アルキルリチウムをヘキサンなどの有機溶剤に溶解した溶液中に活物質を浸漬させ活物質に直接プリドープすれば、均一なプリドープが可能となるが、リチウム源にリチウム金属を用いる場合に比べ、大量の含リチウム試薬が必要となること、反応後、活物質を取り出す、残試薬を分離するなど、非常に煩雑な工程が必要となる。また、Tow−Bulb法(気相)、メカニカルアロイング法(固相)でのドープは、その条件が煩雑であること、特殊かつ大掛かりな装置が必要であること、更には、プリドープする材料が高温に曝される、あるいは、過激な力での粉砕による材料構造の破壊等の致命的課題があり、実用に供することは困難であった。本発明の目的はこれら課題を解決する、簡便、かつ、実用的なリチウムのプリドープ方法を提供することにあり、この方法を用いることでリチウムをドープした材料を含む電極が簡便に量産可能となる。
本発明者は、上記の様な従来技術の問題点に留意しつつ研究を進めた結果、リチウムをドープ可能な材料とリチウム金属を、溶剤の存在下において混合することにより、この材料に、通常の電極作製工程において、リチウムを簡便にプリドープできることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の構成からなることを特徴とし、上記課題を解決するものである。
(1)リチウムをドープ可能な材料とリチウム金属を溶剤の存在下、混合することを特徴とするリチウムのプリドープ方法。
(2)リチウムをドープ可能な材料とリチウム金属を溶剤の存在下、混練混合することを特徴とするリチウムのプリドープ方法。
(3)前記リチウムのプリドープ方法において、溶剤に電解質塩を含まないことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のリチウムのプリドープ方法。
(4)前記リチウムのプリドープ方法において、溶剤がリチウム金属及びリチウムをドープした材料と反応せず、かつ、沸点が150℃以上であることを特徴とする前記(1)から(3)のいずれかに記載のリチウムのプリドープ方法。
(5)前記リチウムのプリドープ方法において、溶剤が環状カーボネート類、ラクトン類、スルホラン類から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載のリチウムのプリドープ方法。
(6)前記(1)から(5)のいずれかに記載のリチウムのプリドープ方法を用いるとともに、水分が30ppm以下の雰囲気で製造されることを特徴とする電極の製造方法。
(7)前記(1)から(5)のいずれかに記載のリチウムのプリドープ方法を用いるとともに、リチウムをドープ可能な材料に、溶媒を当該材料重量に対し10%以上含ませ、かつ、水分が100ppm以下の雰囲気で製造されることを特徴とする電極の製造方法。
(8)前記(6)又は(7)に記載のリチウムの電極の製造方法により得られる電極を用いた蓄電デバイス。
本発明のプリドープ方法は、リチウムをドープ可能な材料に、電気化学的手法を用いず、簡便かつ均一にリチウムをドープ可能であるという効果を奏する。また、この方法でリチウムをプリドープした材料を用い電極、蓄電デバイスを製造することにより、従来の方法で問題となっていた段落〔0008〕〜段落〔0009〕に記載の課題を解決することが可能となる。
実施例を説明する図面であり、プリドープ雰囲気と、ドープした材料の初期電位の関係を示す図である。
本発明の一実施形態について、説明すれば以下の通りである。本発明のプリドープ法はリチウムをドープ可能な材料とリチウム金属を溶剤の存在下、混合することを特徴とする。本発明におけるリチウムをドープ可能な材料とは、リチウムをドーピング(インターカレーション、挿入、吸蔵、担持、合金化等種々の言葉で表現されるが、これらを総称して、本発明ではドーピングと記載する)できる材料であれば、特に限定されるものではないが、例えば、負極活物質に用いる材料としては、リチウム系二次電池、キャパシタ等のリチウムイオンを含む電解質を用いる蓄電デバイスの負極活物質用材料として報告されている材料が挙げられ、具体的には、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体等の水素/炭素の原子比が0.05〜0.5であるような多環芳香族系炭化水素、炭素系物質、黒鉛系物質、導電性高分子、錫あるいはその酸化物、ケイ素あるいはその酸化物等を用いることができ、リチウムのドープ、脱ドープの効率が85%以下である材料に対して効果が大きい。また、正極活物質に用いる材料としては、例えば、リチウム系二次電池、キャパシタなどのリチウムイオンを含む電解質を用いる蓄電デバイスの正極活物質として報告されている材料が挙げられ、具体的には、リチウムをドーピング可能な金属酸化物、金属硫化物、導電性高分子、硫黄、炭素系材料などであり、中でも、特に、炭素系材料、五酸化バナジウム、二酸化マンガン、二硫化モリブデン、硫化鉄等のリチウムをドーピング可能であるがリチウムを含まない材料に対して、本発明の効果が大きい。
リチウムをドープ可能な材料の形態は、特に限定されるものではないが、球状粒子、不定形粒子、繊維状等から適宜選択されるものであり、リチウムをプリドープ後、粉砕等の工程を経ることなく電極製造に用いることが可能な形態が好ましく、電極の厚み、密度(気孔率)あるいは目的とする蓄電デバイスの入出力特性、信頼性、安全性などを考慮して決定される。例えば、球状粒子、不定形粒子の場合の平均粒径、あるいは、繊維状材料の平均繊維長さは、通常50μm以下であり、より好ましくは30μm以下、0.1μm以上である。
本発明のプリドープ法はリチウムをドープ可能な材料とリチウム金属を溶剤の存在下、混合することを特徴とする。すなわち、本発明のプリドープ法は、上述のリチウムをドープ可能な材料、塊状、箔状、粒状、粉状、繊維状等の形態のリチウム金属を溶剤の存在下にて混合するだけであり、非常に簡便で、かつ、従来にない新しい方法である。また、このプリドープ方法はリチウム金属だけでなく、例えば、リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金も同様にプリドープ可能であるが、リチウムアルミニウム合金を用いる場合を例にとると、プリドープ後、アルミニウムが残るという課題が発生する。
本発明に用いるリチウム金属の形態は、特に、限定されるものではなく、塊状、箔状、粒状、粉状、繊維状などの種々の形態が適用できるが、プリドープ速度を考慮した場合には、薄い、あるいは、細かい等の表面積が大きい形状が好ましく、リチウム金属の取扱、生産性、プリドープ雰囲気の影響を考慮すると表面積が小さい形状が好ましい。結果として、1mm以下、0.005mm以上、好ましくは、0.5mm以下0.01mm以上の厚みを有する箔状、あるいは、箔を細かく切断したリチウム金属箔や、粒径が1mm以下、0.005mm以上、好ましくは、0.5mm以下0.01mm以上、特に好ましくは、0.5mm以下0.05mm以上のリチウム金属粒あるいは粉末を用いることが望ましい。また、ポリマーなどで被覆したリチウム金属等も、以下で説明する溶剤と混合時にリチウム金属の全部あるいは一部がリチウムをドープ可能な材料と接触する状態になれば使用することが可能となる。
本発明に用いる溶剤は、当然のことながら、リチウム金属及びリチウムをプリドープした材料と反応しないものから選択することが好ましい。リチウム金属及びリチウムをプリドープした材料は強い還元能を有し、溶剤と反応あるいは溶剤の重合の触媒等となりうる場合があるが、ここでいう反応は継続的に進行する反応であり、例えば、リチウムをドープした材料と溶剤が反応し、材料の表面に反応生成物が安定被膜を作り、その後リチウムをドープした材料との反応を阻害し、反応が継続的に進行しない場合、その溶剤は使用することが可能である。また、溶剤に微量の反応成分が含まれている場合、その反応成分がすべて反応し、反応が停止する場合も、その溶剤は使用することが可能である。更には、リチウム金属及びリチウムをプリドープした材料との反応が遅く、溶剤が除去されるまでの時間における反応が、蓄電デバイスの特性にほとんど影響を与えない場合、その溶剤は使用することが可能である。
また、本発明に用いる溶剤は、リチウムをプリドープした材料を用いて製造する電池、キャパシタの蓄電デバイスの充放電に致命的な分解等の影響を与えない溶剤が好ましい。このような溶剤としては、電池、キャパシタの蓄電デバイスの電解液に用いることが可能な溶媒であり、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、ジメトキシエタン等のエーテル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、スルホラン類、酢酸メチル、蟻酸メチル等のエステル類等の1種又は2種以上からなる有機溶媒を用いることができる。理由は後述するが、好ましくは、沸点が150℃以上、更に好ましくは200℃以上の環状カーボネート類、ラクトン類、スルホラン類から選ばれる、1 種又は2種以上の混合物を含むことが好ましい。当然のことながら、溶剤は水分含量が低いことが好ましく、具体的には水分含量が1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、特に、好ましくは200ppm以下のものを用いれば、リチウム金属及びリチウムをドープした材料との反応を最小限に抑えることが可能である。
以下、本発明のプリドープ方法について説明する。従来の実用的とされるプリドープ方法はリチウム塩を含む電解液中で、リチウムをドープ可能な材料を含む電極とリチウム金属を直接接触させる、あるいは、電気的に短絡させてプリドープするものである。本発明はこれらとは異なり、電極を形成する前に、リチウムをドープ可能な材料とリチウム金属を溶剤の存在下、混合することによりプリドープすることを特徴とするものであり、電極はこの方法でプリドープした材料を用いて製造することを特徴とする。ここで、プリドープ時に使用する溶剤にリチウム塩等の電解質を含ませることも可能であるが、製造した電極に残る電解質の扱いを考慮する必要があり、その後の工程に影響を与えることもある。
本発明では、従来、当業者は、リチウムのプリドープにはリチウム塩等の電解質が必須と考えていたが、本発明者らはリチウム塩等の電解質を含まない状態でも、溶剤中で、リチウムをドープ可能な材料とリチウム金属を混合することによりプリドープが進行することを見出した。
以下、本発明のプリドープ法を説明するが、リチウムをドープ可能な材料とリチウム金属を溶剤の存在下、混合するという基本工程を含んでいれば、以下の説明により何ら限定されるものではない。まず、球状粒子、不定形粒子、繊維状等から適宜選択された形状のリチウムをドープ可能な材料は、乾燥により水分を可能な限り除去しておくことが好ましく、これら材料の水分量は、好ましくは1000ppm以下、更に好ましくは、200ppm以下である。得られたリチウムをドープ可能な材料は溶剤と混合され、そこに、塊状、箔状、粒状、粉状、繊維状等の適宜選択された形状のリチウム金属を加え混合を続ける。この時、リチウム金属は一度に所定量を加えるのではなく、複数回数で、徐々に加えていく方が、短時間で効率的にプリドープすることが可能となる。
リチウムをドープ可能な材料と溶剤の比率は、形状、比表面積等の材料物性により異なるが、リチウムをドープ可能な材料と溶剤の混合物が、粘土状、高粘度状となるよう調整し、所謂固練りにより、リチウム金属と混練混合することが望ましい。この状態に至るまでの具体的溶剤量は、ドープ可能な材料の真密度、比表面積、形状等、材料の物性、溶剤の種類により適宜決定されるが、通常、ドープ可能な材料の重量に対し、10%〜300%程度である。混練混合は高粘度物質を混合可能な汎用機で実施することが可能であり、実験的には乳鉢等、製造ではロール混練、プラネタリーミキサー、自公転ミキサーなどを用いて行うことができる。このようにリチウム金属とリチウムをドープ可能な材料を溶剤の存在下、混練混合することにより、リチウム金属とリチウムをドープ可能な材料をよりよく接触、分散することができ、簡便に、かつ、短時間で効率的にプリドープすることが可能となる。
段落〔0022〕〜段落〔0023〕で説明した混合時、リチウムをドープ可能な材料とリチウム金属以外に導電材、バインダーなどを加えて混合しておくことも可能である。
上記プリドープ工程は、リチウム金属が安定に扱える、水分量250ppm以下、好ましくは、水分量100ppm以下のドライエアー、アルゴンなどの不活性ガス、あるいは、真空中で実施する。また、混合時、溶剤の蒸発により、リチウム金属を均一に混合し難くなることやプリドープした材料が水分等と反応しやすくなることから、用いる溶剤の沸点が150℃以上、好ましくは200℃以上であることが望ましい。
かくして得られたリチウムをプリドープした材料は、溶剤を含んだ状態で扱うことが可能であることから、雰囲気中の水分等に対しても比較的安定であり、本発明では、上記方法でプリドープした材料を用いて電極を量産することが可能である。電極の製造は溶剤を含むプリドープした材料を用いる以外は公知の塗布法、シート成形法、プレス法等公知の方法で製造できる。例えば、溶剤を含むプリドープした材料の溶剤量を調整し、得られたペーストをメッシュ、発砲体等の多孔体に塗布する方法、あるいは、プリドープした材料に、導電材、バインダー、溶剤を加えスラリー状にし、金属箔等の集電体上に塗布する方法等が具体的に挙げられる。用いる導電材、バインダーは、リチウムをプリドープした材料と同じように、乾燥により水分を可能な限り除去しておくことが好ましい。また、電極製造時に粘度調整等で加える溶剤は、プリドープに用いた同じ溶剤、あるいは、乾燥しやすい他の溶剤を用いることが可能であり、好ましくは、段落〔0018〕で説明するリチウムをプリドープした材料と反応しないものから選択する。
電極製造工程においては、溶剤を乾燥する工程を含む。ここでの乾燥は、蓄電デバイスを組み立てることが可能なレベルまで溶剤を乾燥すればよく、例えば、溶剤を電極重量に対し、35%以下程度まで乾燥すれば、完全に溶剤を除去する必要はない。この時の乾燥温度が高すぎると、加熱によりプリドープしたリチウムが失活する場合があるので、具体的温度はプリドープした材料によるが、好ましくは、160℃以下、更に好ましくは120℃以下である。
上記電極の製造工程は、プリドープする工程以降、水分量30ppm以下、特には25ppm以下で実施することが好ましいが、プリドープした材料に溶剤をプリドープした材料の重量に対して10%以上残した場合、例えば、水分が100ppm以下の雰囲気で製造することの可能である。
本発明のリチウムのプリドープ方法、電極の製造方法を用いることにより、プリドープ手法を適用するリチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイスが、簡便かつ短時間に、製造可能となる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをさらに明確化するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(多環芳香族系炭化水素:PAHsの合成)
石炭系等方性ピッチ(軟化点280℃)を、コーヒーミルで粉砕し、粒度1mm以下のピッチ原料を得た。該ピッチ粉末1000gをステンレス鋼製の皿に入れ、電気炉(炉内有効寸法300mm×300mm×300mm)内に設置して、熱反応を行った。熱反応は、窒素雰囲気下で行い、窒素流量を10リットル/分とした。熱反応に際しては、室温から100℃/時間の速度で680℃(炉内温)まで昇温した後、この温度で4時間保持し、続いて自然冷却により、60℃まで冷却し、反応生成物を電気炉から取り出した。得られた生成物は、原料の形状を留めず、不定形な不溶不融性固体であった。収量は790gであり、収率は79重量%であった。
得られた生成物をジェットミルにより粉砕し、平均粒度4μmに分級して、多環芳香族系炭化水素(以下、PAHsと記載する)を得た。該負極材料を用いて、元素分析(測定使用機:パーキンエルマー製、元素分析装置“PE3400シリーズII、CHNS/O”)及びBET法による比表面積測定(測定使用機:ユアサアイオニクス社(現、シスメックス社)製、“NOVA1200”)を行ったところ、水素炭素の原子比はH/C=0.195であり、比表面積は11m/gであった。
得られたPAHsを導電材にアセチレンブラック、バインダーにPVDFを用いて電極を試作し、対極にリチウム金属を用い、電解液にエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートを3:7の重量比で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用い、電気化学的にリチウムをドープ/脱ドープしたところ、そのドープ量は1134mAh/g、脱ドープ量は855mAh/gであり、得られたPAHsはリチウムをドープ可能な材料である。
(プリドープの実施)
上記PAHs、アセチレンブラックを170℃で10時間真空乾燥した後、水分1ppm以下のアルゴンドライボックス中で、PAHs0.5g、アセチレンブラック0.05gを混合し、水分30ppm以下のプロピレンカーボネート(沸点242℃)0.572gを加え、乳鉢を用いて混合した。得られた粘土状の混合物に30μmのリチウム金属箔をカットしたものを約0.006gずつ加え、練り込みながら混練混合した。リチウム金属が完全になくなってから、次のリチウム金属箔を加え、総計0.05gのリチウム金属(PAHsの重量に対し380mAh/gに相当)を混練混合した。混練混合終了後、加えたリチウム金属箔は完全に消失していた。混練混合時間は40分であり、380mAh/gという実用的プリドープ量を短時間でプリドープ可能であった。
段落〔0034〕で得られた、プリドープしたPAHs、アセチレンブラック、プロピレンカーボネートの混合物を17mmφに打ち抜いたステンレスメッシュ上に塗りつけ評価用電極とした。電極作製は水分1ppm以下のアルゴンドライボックス中で行った。評価用電極は2枚作製し、1枚はそのまま電気化学的測定(段落〔0036〕)に用い、1枚は電極に含まれる溶剤量を測定した。本発明における電極に含まれる溶剤量の測定は120℃のホットプレート上で重量を測定しながら乾燥し、重量減少がなくなった時の重量と乾燥前の重量との差分から算出した。この場合10分以上の乾燥で重量減少が見られなくなった。結果本実施例ではPAHsの重量に対し99%の溶剤(プロピレンカーボネート)が含まれていた。
電気化学的測定は次の様にして実施した。評価用電極(12.8mgのPAHsを含む)を作用極、リチウム金属を対極とする2極セルを作製し、作用極、180μmのガラスマット、リチウム金属を積層し、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートを3:7の重量比で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を電解液として注液し、その直後のリチウム金属に対する作用極(プリドープした材料よりなる電極)の電位を測定した。本実施例ではリチウム金属に対し129mVであった。リチウムをドープしないPAHsの電位はリチウム金属に対し約3Vであり、組み立て直後に129mVを示したことから、上記プリドープ方法によりPAHsにリチウムがドープされていたことが確認された。
(実施例2〜4)
実施例1で得られたプリドープしたPAHs、アセチレンブラック、プロピレンカーボネートの混合物を17mmφに打ち抜いたステンレスメッシュ上に塗りつけ評価用電極とし、プロピレンカーボネートを表1に示す所定の量まで乾燥すること以外は、実施例1と同様の測定(段落〔0035〕〜段落〔0036〕)を行った。この時の乾燥温度は120℃以下で設定し、時間を変化させ、電極に含まれる溶剤量を調整した。このテストは、本発明の方法でプリドープした材料を電極化する上で重要となる乾燥に対する耐性(電極に含まれる溶剤の必要性)を検討するものである。乾燥は水分1ppm以下のアルゴンドライボックス中で行った。結果を表1に示す。水分1ppm以下のアルゴンドライボックス中では溶剤を0%まで乾燥しても電気化学的に活性な状態でリチウムがドープされたことが確認された。
(実施例5)
実施例1で得られたPAHs、アセチレンブラックを170℃で10時間真空乾燥した後、水分1ppm以下のアルゴンドライボックス中で、PAHs0.5g、アセチレンブラック0.05gを混合し、水分30ppm以下のγ−ブチロラクトン(沸点202℃)0.508gを加え、乳鉢を用いて混合した。得られた粘土状の混合物に30μmのリチウム金属箔をカットしたものを約0.006gずつ加え、練り込みながら混練混合した。リチウム金属が完全になくなってから、次のリチウム金属箔を加え、総計0.05gのリチウム金属(PAHsの重量に対し380mAh/gに相当)を混練混合した。混練混合終了後、加えたリチウム金属箔は完全に消失していた。混練混合時間は40分であり、やはり、短時間でプリドープ可能であった。
段落〔0038〕で得られた、プリドープしたPAHs、アセチレンブラック、γ−ブチロラクトンの混合物を17mmφに打ち抜いたステンレスメッシュ上に塗りつけ評価用電極とし、電極を120℃で乾燥し、電極に含まれるγ−ブチロラクトンの量を8%とし、その後、実施例1と同様の測定(段落〔0035〕〜段落〔0036〕)を行った。結果を表1に示す。γ−ブチロラクトンを用いた場合でも、プロピレンカーボネート同様、電気化学的に活性な状態でリチウムがドープできることが確認された。
(実施例6)
溶剤に水分200ppm以下のN−メチルピロリドン(使用量0.587g)を用いる以外は実施例1と同様の測定(段落〔0035〕〜段落〔0036〕)を実施した。この場合、初期電位はリチウム金属に対し530mVであった。結果を表1に示す。リチウムはドープされているものの、電気化学的に活性な状態であるリチウムは実施例1に対し少ない。これは、N−メチルピロリドンがリチウムと反応することが原因であり、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンを用いた場合に対し、リチウムはドープされているものの、ドープされたPAHsはリチウム金属に対する電位は高い値を示した。
(実施例7)
溶剤に水分30ppm以下のジエチルカーボネート(沸点127℃)を用いる以外は実施例1と同様の測定を実施した。この場合、PAHs、アセチレンブラックを混合し、ジエチルカーボネートを加え、乳鉢で混合し、リチウム金属を加えていく段階で溶剤の蒸発が早く、本実験では充分な溶剤の存在下でリチウム金属を混合することが難しかった。従って、初期電位はリチウム金属に対し896mVであり、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンを用いた場合に対し、リチウムはドープされているものの、ドープされたPAHsのリチウム金属に対する電位は高い値を示した。
Figure 2012038686
(実施例8〜12)
実施例1で得られたPAHs、アセチレンブラックを170℃で10時間真空乾燥した後、水分100ppmのドライルーム(ドライエアー雰囲気)中で、PAHs0.5g、アセチレンブラック0.05gを混合し、水分30ppm以下のプロピレンカーボネート(沸点242℃)0.580gを加え、実施例1と同様に乳鉢を用いて混合した。得られた粘土状の混合物に30μmのリチウム金属箔をカットしたものを約0.006gずつ加え、練り込みながら混練混合した。リチウム金属が完全になくなってから、次のリチウム金属箔を加え、総計0.05gのリチウム金属(PAHsの重量に対し380mAh/gに相当)を混練混合した。混練混合終了後、加えたリチウム金属箔は完全に消失していた。混練混合時間は40分であり、短時間でプリドープ可能であった。実施例1と同様にして、PAHs、アセチレンブラック、プロピレンカーボネートの混合物を17mmφに打ち抜いたステンレスメッシュ上に塗りつけ評価用電極とし、プロピレンカーボネートを所定の量まで乾燥すること以外は、実施例1と同様の測定(段落〔0035〕〜段落〔0036〕)を行った。このテストは、水分100ppmのドライルーム中(ドライエアー)で実施し、本発明のプリドープ方法実施時、及び、電極製造時の雰囲気を検討するものである。結果を表2に示す。水分100ppmのドライルーム(ドライエアー雰囲気)で実施する場合でも、プリドープ可能であるが、乾燥工程において、電極に含まれる溶剤量がドープした材料に対し10%未満の場合、電気化学的に活性な状態であるリチウムが減少することがわかる。
Figure 2012038686
(実施例13〜16)
実施例1で得られたプリドープしたPAHs、アセチレンブラック、プロピレンカーボネートの混合物を17mmφに打ち抜いたステンレスメッシュ上に塗りつけ評価用電極とし、プロピレンカーボネートを120℃以下の温度で時間を調整することにより所定の量まで乾燥し、表3の雰囲気で30分放置した。このテストは、水分30ppm以下の雰囲気に暴露した場合の、ドープしたリチウムの耐性を調べるものである。結果を表3に示す。アルゴン、ドライエアーいずれの雰囲気でも水分30ppm以下であれば、電気化学的に活性な状態でリチウムをドープした材料、電極を取り扱うことが可能である。
Figure 2012038686
(実施例17〜20)
実施例1で得られたプリドープしたPAHs、アセチレンブラック、プロピレンカーボネートの混合物を17mmφに打ち抜いたステンレスメッシュ上に塗りつけ評価用電極とし、プロピレンカーボネートを所定の温度で残存溶媒量0%まで乾燥すること以外は、実施例1と同様の測定(段落〔0035〕〜段落〔0036〕)を行った。乾燥温度は実施例17、18、19、20でそれぞれ140℃、150℃、160℃、170℃である。このテストは、本発明の方法でプリドープした材料を電極化する上で重要となる乾燥工程における乾燥温度を検討するものである。乾燥は水分1ppm以下のアルゴンドライボックス中で、所定温度のホットプレート上で行った。結果を表4に示す。170℃までの乾燥では、電気化学的に活性な状態でリチウムがドープされることが確認された。
Figure 2012038686
上記、結果を図1にまとめる。図1において、四角で表わされる点はアルゴン雰囲気で溶剤を含む場合、丸で表わされる点はアルゴン雰囲気で溶剤を含まない場合、ひし形で表わされる点はドライエアー雰囲気で溶剤を含む場合、三角で表わされる点はドライエアー雰囲気で溶剤を含まない場合の実施結果である。また、図1中の数字は実施例番号である。本発明においてプリドープ方法及び電極の製造雰囲気は、溶剤を含ませる場合においては水分100ppm以下、溶剤を完全に乾燥する場合においては30ppm以下が好ましいことがわかる。
本発明は、リチウムイオン電池の高エネルギー密度化、高出力化あるいはリチウムイオンキャパシタの開発に重要であるリチウムの新規なプリドープ方法を提案するものであり、従来のプリドープ方法に対し、リチウムをドープ可能な材料とリチウム金属を溶剤の存在下、混合するという、簡便な方法かつ短時間に均一なプリドープを可能とするものであり、通常の電池・キャパシタの製造工程で使用される設備で実施可能であり、次世代蓄電デバイス開発に有用な技術である。

Claims (8)

  1. リチウムをドープ可能な材料とリチウム金属を溶剤の存在下、混合することを特徴とするリチウムのプリドープ方法。
  2. リチウムをドープ可能な材料とリチウム金属を溶剤の存在下、混練混合することを特徴とするリチウムのプリドープ方法。
  3. 前記リチウムのプリドープ方法において、溶剤に電解質塩を含まないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリチウムのプリドープ方法。
  4. 前記リチウムのプリドープ方法において、溶剤がリチウム金属及びリチウムをドープした材料と反応せず、かつ、沸点が150℃以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のリチウムのプリドープ方法。
  5. 前記リチウムのプリドープ方法において、溶剤が環状カーボネート類、ラクトン類、スルホラン類から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のリチウムのプリドープ方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のリチウムのプリドープ方法を用いるとともに、水分が30ppm以下の雰囲気で製造されることを特徴とする電極の製造方法。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のリチウムのプリドープ方法を用いるとともに、リチウムをドープ可能な材料に、溶媒を当該材料重量に対し10%以上含ませ、かつ、水分が100ppm以下の雰囲気で製造されることを特徴とする電極の製造方法。
  8. 請求項6又は請求項7に記載のリチウムの電極の製造方法により得られる電極を用いた蓄電デバイス。

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