JP2012034496A - 高電圧発生装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高電圧の立ち上げ時にオーバーシュートやアンダーシュートが発生せずに、且つ、短時間で出力電圧を目標電圧に到達する。
【解決手段】 高圧の直流電圧の出力を開始してから目標電圧に達するまでの過渡状態の期間に、帰還制御を実行せずに、直流電圧を目標電圧に応じて予め可変設定された変化量で立ち上げる高電圧発生装置。
【選択図】 図3

Description

本発明は高電圧を出力する高電圧発生装置に関し、特に高速に目標電圧に立ち上げることが可能な高電圧発生装置、及び高電圧発生装置を備えた画像形成装置に関するものである。
従来の電子写真方式の画像形成装置においては、電子写真感光体(以下、感光ドラムという)表面を帯電装置によって一様に帯電し、帯電された感光ドラム表面を露光装置によって露光して静電潜像を形成する。そして、現像装置で静電潜像を現像剤(以下、トナーという)により現像してトナー像を形成し、現像したトナー像を転写装置によって記録材に転写する。そして、定着装置によりトナー像を記録材上に定着して出力する。転写装置としては、感光ドラムとニップ部を形成して記録材を搬送する転写ローラが用いられ、トナーとは逆極性の高電圧(以下、転写バイアスという)が印加されて、トナー像が記録材に転写される。
次に転写バイアスの印加制御について説明する。転写バイアスが印加される転写ローラの抵抗は周囲の温度や湿度に応じて変動しやすく、所望の転写電流値より印加電流値が少なくなってしまうと、転写不良が発生する可能性がある。また、所望の転写電流値より印加電流値が多くなると、記録材の余白部(トナー像が形成されてない箇所)に過度な電流が流れて、その影響が感光ドラムの一周した後も残留して感光ドラムに記録材の跡が現れてしまう。また、サイズの小さい記録材を通紙した場合に、過度な転写電流のうち、記録材に覆われていない転写ローラと感光ドラム間にその大半が流れることでゴーストと呼ばれる画像不良が発生する可能性があった。そこで、過度な転写電流を印加しないように、転写ローラに印加する転写バイアスを最適化するために、転写ローラの抵抗値を測定し、測定結果に応じて転写バイアスを適正に制御している。この制御はATVC制御(Active Transfer Voltage Control)と呼ばれる周知の制御方法である。
ATVC制御は、プリント指示後の画像形成工程に先立って、感光ドラムを所定期間回転させながら転写ローラに転写バイアスを印加し、このときの印加電流値を測定し、測定値をコントローラにフィードバックする。そして、コントローラは、印加電流値が所定値となるように転写バイアスを調整する。調整された転写バイアスを画像形成工程における転写時に転写ローラに印加する。この制御によれば、転写ローラのインピーダンスが環境の変化により変動しても、印加電流値を適正な値とするために転写バイアスを印加するように制御できる。
尚、ATVC制御について、昨今は、ハードウエアによる制御に代えて、コントローラ内のソフトウエアで実行する方法が主流となっている。これは回路構成や制御の簡素化及び安定化を図るために有効な方法である。具体的には、転写バイアスを一定電圧として転写ローラに印加し、その時にハードウエアで検知した印加電流値をコントローラでモニタし、モニタした電流値と目標の電流値とから印加する転写バイアス(電圧値)を求める処理をソフトウエアで実行する制御である。しかし、転写バイアスの出力範囲や負荷変動の範囲が広い場合には上記のソフトウエアによる制御方法を実行すると、次に説明するような課題が発生する。
例えば、負荷条件(負荷変動等)により起動時の印加バイアスの特性が大きく異なってしまうと、目標電圧に収束するまでの起動時間にばらつきが生じたり、また、オーバーシュートやアンダーシュートが生じてしまう可能性がある。これでは、画質の低下や感光ドラムの劣化の原因になる可能性がある。
そこで、一定周期毎(例えば、10ms毎)に、A/D変換して得られた出力値と目標電圧とをコントローラで比較して、比較結果に応じて昇圧トランスを駆動するPWM信号(Palse Width Modulation信号)を制御して起動時間のばらつき、オーバーシュート、アンダーシュートを低減したものが特許文献1に提案されている。
特許文献1では、記録材の先端から複数回A/D変換して得られた出力値及びフィードバックした出力電圧からインピーダンスの平均値を算出する。そして、算出された平均値の範囲(第1の条件)と、現在の出力値と目標電流値との差分の範囲(第2の条件)の2つの条件に基づきPWM信号の値(PWM信号のパルスのHとLのHの時間幅のことであり、以降、オンデューティ又はオンDUTY幅という)を演算する方法が開示されている。特許文献1によれば、ソフトウエアの制御によって所望の転写バイアスに向けて収束する時間を短くしたり、オーバーシュートやアンダーシュートを低減することができる。
また、高電圧を高速に目標電圧に立ち上げるための他の一例として、特許文献2には、電圧検出回路の検出電圧と基準電圧より若干低い第2の基準電圧とを比較して、電圧検出回路の検出電圧が第2の基準電圧を超えた時は、負荷であるコンデンサへの充電速度を緩やかにするように制御する方法が提案されている。この特許文献2は、起動時から順次、急速充電領域,緩速充電領域,維持充電領域を備えており、起動開始すると、PWM信号のオンDUTY幅を最大のオンDUTY幅にして立ち上げを急速に行う。そして、出力電圧が第2の基準電圧値(約90%として例示している)となると、緩速充電領域に切り換わる。このPWM信号のパルスを生成する回路の入力側に積分回路を設けており、積分回路によって立ち上げ時の初期は急速に充電し、その後、緩速充電領域と維持充電領域では僅かに充放電させてオーバーシュートやアンダーシュートが抑制されるものである。
特開2004−88965号公報 特開平9−93920号公報
上記のように、転写バイアスの制御の高速化及びオーバーシュート、アンダーシュートを低減するための工夫がなされている。昨今、更に、画像形成装置の生産性を向上する対策の一つとしてPC等のコンピュータからプリント指示(プリントコマンド送信)後、最初の記録材への印字が完了するまでの時間(以下、FPOT(First Print Out Time)という)を更に短縮することが求められている。FPOTをより短縮することにより、ユーザにとっては、プリント指示してから短時間でプリントが完了するというメリットが享受できる。このFPOTを更に短縮する場合は、上記で説明したATVC制御に要する時間を更に短縮する必要がある。
特許文献1に記載のソフトウエアによって目標電圧に収束させる制御方式でも、ある程度、時間の短縮効果は得られる。しかし、ソフトウエアのよる設定更新が一定のインターバルで実行されるため制御周期が長くなる。さらに、更新回数の累積分の収束時間が必要となる。そのために、更に短時間で目標電圧に収束させるには、ソフトウエアによる制御では限界がある。
また、特許文献1では、昇圧トランスをスイッチングするPWM信号のオンDUTY幅を変更して、オープンループ制御で目標電圧に収束する制御方式である。この制御方式は、ハードウエアの立ち上がり(定常領域への到達)を待ってから出力値を検出して、次の設定値を更新する。つまり、オンDUTY幅と出力電圧(帰還制御なしで定常領域で到達する値)が直線性の関係をもつ特性であれば高速化ができる。しかし、直線性の特性を持つ回路を構成することは容易でなく、回路の時定数や各素子のばらつきの影響を受けて直線性を保つことは難しい。この直線性が保たれていないと同じ時間幅の変化量であっても出力電圧の変化量に違いが生じて、出力電圧の制御の安定性及び精度が低下してしまう。なお、この直線性を改善しようとすると、逆に応答性が低下する等の他の弊害が発生する可能性が懸念される。
また、特許文献2では、目標電圧を維持する制御を実行する維持充電領域では、PWM信号のパルスを出力する回路に対して僅かな入力電圧の増減によって、出力電圧を僅かに増減させて目標電圧に維持する制御を行う。しかし、緩速充電領域から維持充電領域に遷移する時は、僅かにしか入力電圧が減少されないので、オーバーシュート電圧の低減が難しいという課題がある。このオーバーシュート電圧を低減するには、緩速充電領域での立ち上げをより緩やかにすれば良いものの、緩やかにしすぎると立ち上げ時間が長くなってしまう。また、PWMのパルスを出力する回路の入力側に積分回路を用いる回路であり、積分回路を用いた場合はPWM信号のオンDUTY幅を0から最大のオンDUTY幅まで立ち上げる際の起動時間(積分時間)がかかってしまう。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、高電圧発生装置の立ち上げ時間が大幅に短縮され、目標電圧が広範囲に設定されても、オーバーシュートやアンダーシュートが発生することなく、且つ短時間で出力電圧を目標値に到達させることを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の高電圧発生装置は、トランスと、前記トランスを駆動するスイッチング手段と、前記スイッチング手段を駆動するための駆動信号を生成する信号生成手段と、前記トランスからの出力電圧を整流して直流電圧を出力する整流手段と、前記直流電圧を検出する電圧検出手段とを備えた高圧電源装置において、前記直流電圧の目標電圧を設定する設定手段と、前記電圧検出手段で検出した電圧と前記設定手段で設定した電圧に応じて前記駆動信号を帰還制御する帰還制御手段と、前記直流電圧の出力を開始してから前記目標電圧に達するまでの過渡状態の期間において、前記帰還制御手段による前記帰還制御を行うことなく、前記直流電圧を前記目標電圧に応じた変化量で立ち上げるように制御する出力制御手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、記録材に画像を形成するための画像形成手段と、トランスと、前記トランスを駆動するスイッチング手段と、前記スイッチング手段を駆動するための駆動信号を生成する信号生成手段と、前記トランスからの出力電圧を整流して直流電圧を出力する整流手段と、前記直流電圧を検出する電圧検出手段とを備え、前記画像形成手段に高電圧を印加する高圧電源とを有し、前記高圧電源は、前記直流電圧の目標電圧を設定する設定手段と前記電圧検出手段で検出した電圧と前記設定手段で設定した電圧に応じて前記駆動信号を帰還制御する帰還制御手段と、前記直流電圧の出力を開始してから前記目標電圧に達するまでの過渡状態の期間において、前記帰還制御手段による前記帰還制御を行うことなく、前記直流電圧を前記目標電圧に応じた変化量で立ち上げるように制御する出力制御手段とを有することを特徴とする
従って本発明によれば、立ち上げ時間が大幅に短縮され、かつ、目標電圧が広範囲に設定される高電圧発生装置において、立ち上げ時にオーバーシュートやアンダーシュートが発生せずに、且つ、短時間で出力電圧を目標電圧に到達することが可能となる。
高電圧発生装置の出力値が過渡状態において目標電圧に達する際の電圧波形を示す図である。 高電圧発生装置の機能ブロック図である。 実施例1の高電圧発生装置の回路構成を示す図である。 +5KV目標における高電圧発生装置の立ち上げ電圧波形例を示す図である。 +1KV目標における高電圧発生装置の立ち上げ電圧波形例を示す図である。 高電圧発生装置が出力した電圧波形の目標値付近を拡大した図である。 実施例1の高電圧発生装置の立ち上げ電圧波形例を示す図である。 実施例1の目標電圧とタイマ時間との関係を示す図である。 実施例2の高電圧発生装置の回路構成を示す図である。 実施例3の高電圧発生装置の回路構成を示す図である。 実施例2、3の高電圧発生装置の立ち上げ電圧波形例を示す図である。 PWM信号のオンDUTY幅と高電圧出力値の関係を示す図である。 昇圧トランスに供給される電源電圧と高電圧出力値の関係を示す図である。 PWM信号のオンDUTY幅と所定時間経過後の高電圧出力値の関係を示す図である。 本発明の高電圧発生装置の適用例を示す図。
次に、上述した課題を解決するための本発明の具体的な構成について、以下に実施例に基づき説明する。尚、以下に示す実施例は一例であって、この発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明の実施例の高電圧発生装置は、ハードウエアによる立ち上がり時間を短縮して、かつ、1更新周期の時間をさらに短縮することで目標電圧への収束時間を短縮するものである。具体的には、高電圧発生装置の起動前の段階において、立ち上げの過渡状態の期間、または、少なくとも立ち上げの一部の期間において、スルーレートまたは立ち上げ期間幅を目標電圧の大きさに応じて可変設定する点が特徴である。さらに、高電圧発生装置の昇圧トランスは、出力電圧が過渡状態において急峻なスルーレートで目標電圧に達する駆動条件で駆動が開始されるようにする。そして、目標電圧の大小に関わらず、出力電圧をオーバーシュートやアンダーシュートなく、且つ、短時間で目標電圧へ収束可能としている。
急峻なスルーレートで目標電圧に達する高電圧発生装置の動作時の出力波形の模式図を図1に示す。図1の出力波形Bは、高電圧発生回路8における出力電圧が予め定められた時定数の曲線に従って目標電圧に向けて上昇する場合の波形例である。波形A’は出力電圧が目標電圧以上に到達する駆動条件で昇圧トランスを駆動した場合の出力波形であり、時定数は出力波形Bと同じである。その一方、同じ目標電圧に到達するまでの時間taは、波形A’で示す方が大幅に短くなっている。この過渡状態の急峻なスルーレートの部分THを用いて出力電圧を目標電圧または目標電圧の近傍まで立ち上げ、その後、波形Aに示すように、高速な定電圧制御回路(ハードウエア)によって目標電圧を維持するための高速な帰還制御(フィードバック制御ともいう)が行われるようにした高電圧発生装置である。ここで、スルーレートとは単位時間あたりの電圧変化量(V/s)である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適ないくつかの実施例について詳細に説明する。
本発明の実施例1の高電圧発生装置は、起動開始から目標電圧に到達するまでの過渡状態期間の領域を起動開始直後の高速立ち上げ期間と目標電圧に到達する前の定電圧制御待機期間の2つに分割し、高速立ち上げ期間と定電圧制御待機期間とでスイッチングするための駆動信号としてのPWM信号のオンデューティ幅(導通時間幅であり、以降オンDUTY幅と記載する)を夫々設定する。そして、この目標電圧に到達する前の定電圧制御待機期間では、オンDUTY幅が狭くなり、高電圧発生装置の立ち上げ能力(負荷出力部の電位を単位時間あたりに上昇させる電圧の大きさを表す能力のこととして以降記載する)が低下するように制御される。そして、目標電圧の大きさに応じてこの過渡状態期間における高速立ち上げ期間を予め可変設定することを特徴とする。
本実施例の高電圧発生装置の機能を模式的に表したブロック図を図2(b)に示す。尚、図2(a)は従来の高電圧発生装置を模式的にブロック図で例示したものである。(a)に示す従来の高電圧発生装置は、目標電圧設定部21で設定した出力となるように、定電圧制御ブロック22で昇圧回路部23の出力部をモニタするとともに入力部を帰還制御した構成である。そして、本実施例の高電圧発生装置は、高速立ち上げ期間T1を可変設定できるブロック26を有する点が特徴である。
まず、図3に基づき高電圧発生装置の構成の概要について説明する。図3の高電圧発生装置は、アナログ回路で構成された高電圧発生回路8と、高電圧発生回路8に出力するハードウエア制御信号を生成して、高電圧発生回路8からの出力を制御する出力制御部としてのASIC7とを有している。そして、ASIC7のハードウエア制御信号の出力状態を制御、及び、設定するマイクロコントローラ1を有している。さらに、アナログ回路で構成された高電圧発生回路8は、昇圧トランスT1と昇圧回路と出力電圧検出回路4とコンパレータCMP10と出力電流検出回路9とから構成される。
マイクロコントローラ1は、高電圧発生装置の目標電圧の設定、オンオフのタイミング、PWM信号のオンDUTY幅の設定、また、後述するタイマ時間の設定等を行うため、ASIC7内に設けられたレジスタ36に対して所定タイミングでデータを設定する。ASIC7は、高電圧発生回路8の目標電圧を設定する高圧制御信号HVCNTと高電圧発生回路8をスイッチング駆動するPWM信号HVPWMを外部に出力し、高電圧発生回路8の出力電圧が目標電圧に到達したことを示す目標電圧到達信号/HVATNが外部から入力される。
高圧制御信号HVCNTは、ASIC7内に設けられたD/Aコンバータからアナログ信号として外部に出力される。尚、高圧制御信号HVCNTは、PWM信号の形態で出力し、そのPWM信号の周波数における応答特性を良くした高次のローパスフィルタ等でDC電圧値に変換した出力ものでも良い。
出力電流検出回路9は、出力電圧検出回路4の一端を仮想接地してGND電位を保持させて、負荷電流の大きさに依存して出力電圧の検出精度の低下を防止するとともに、高精度な負荷電流の検出を行う。尚、上記のATVC制御のための負荷電流はこの出力電流検出回路9によって検出される。
次に、図3に示す高電圧発生装置における高電圧発生回路8の動作概要について説明する。昇圧トランスT1は、ASIC7から出力されたPWM信号に基づいてスイッチング駆動される。昇圧トランスT1から出力された高電圧は出力電圧検出回路4で分圧されて検出され、検出された分圧電圧Vdtは高圧制御信号HVCNTにより設定された目標電圧VtgtとコンパレータCMP10で比較演算される。そして比較演算結果に応じてASIC7が出力するPWM信号のオンDUTY幅が帰還制御される。
次に、ASIC7に搭載されるハードウエアロジック回路の構成について説明する。まず、レジスタ36内部の設定部を説明する。レジスタ36は、以下の設定部で構成される。
・PWM信号の出力を許可または停止するEnable設定部131
・PWM信号のオンDUTY幅を徐々に広げていく時間を設定するスローオン設定部132
・PWM信号の最大のオンDUTY幅を設定するDUTY_max設定部133
・高速立ち上げ期間T1に使用されるオンDUTY幅を設定するDUTY_Tr1設定部134
・定電圧制御待機期間T2に使用されるオンDUTY幅を設定するDUTY_Tr2設定部135
・PWM信号出力の時間間隔を設定するタイマ設定部136
・高電圧発生回路8の目標電圧値を設定するHVtgt設定部140
次に、ASIC7に構成されるレジスタ36以外の回路について説明する。演算回路30は、HVtgt設定部140のレジスタ設定値に応じて一意的に決定されるタイマ時間を算出する。カウンタブロック31は、スローオン設定部132に設定された時間幅でオンDUTY幅0からDUTY_max設定部133に設定された最大オンDUTY幅まで徐々に時間幅を広げた値をPWM生成部32から出力するように機能する。この最大オンDUTY幅は、DUTY_max設定部133に対してマイクロコントローラ1により可変設定可能であり、ハードウエア(昇圧トランスの巻線数の仕様等)を変更せずに高電圧発生装置の立ち上げ能力を容易に調整可能である。
PWM生成部32は、DUTY_Tr1設定部134に設定されたオンDUTY幅のPWM信号をタイマ設定部136に設定された時間間隔で、かつ、Enable設定部131の設定に応じた切替タイミングで出力する。また、このPWM信号に引き続いてDUTY_Tr2設定部135に設定されたオンDUTY幅のPWM信号を出力し、出力値が目標電圧に到達したことを示す信号/HVATNがLになるとPWM信号のオンDUTY幅は瞬時に0とされる。その後、スローオンで徐々にオンDUTY幅が広がっていくPWM信号を出力するように制御される。出力許可部33は、Enable設定部131または目標電圧到達信号/HVATNのいずれかがLowになることによってPWM信号の出力を停止する。目標信号生成部35は、HVtgt設定部140のレジスタ値に基づいたアナログ信号を生成する。
次に、上記で説明したASIC7のハードウエアロジック回路に備えられる(a)〜(f)の6つの機能を以下に示す。
(a)マイクロコントローラ1によって設定される複数のオンDUTY幅の設定レジスタと、PWM信号の出力ENABLE用のレジスタと、目標電圧の設定レジスタと、PWM信号のオンDUTY幅を徐々に広げていくスローオンの時間幅を設定するレジスタとを構成する。複数のオンDUTY幅の設定レジスタは、高速立ち上げ期間T1のPWM信号のオンDUTY幅の設定レジスタと定電圧制御待機期間T2のPWM信号のオンDUTY幅の設定レジスタと定電圧制御領域で生成可能なPWM信号の最大の時間幅を設定するレジスタとから構成される。
(b)上記、目標電圧の設定レジスタの値(HVtgt設定部140)に従ったアナログ信号をD/Aコンバータを介してASIC外部に出力する。
(c)上記、目標電圧の設定レジスタの値(HVtgt設定部140)に基づいたタイマ時間が算出されてレジスタに書き込まれる。
(d)上記のタイマ時間に応じて、高速立ち上げ期間T1のオンDUTY幅のPWM信号と定電圧制御待機期間T2のオンDUTY幅のPWM信号が順に生成され出力される。
(e)外部から入力される目標電圧到達信号(/HVATN)によってPWM信号のオンDUTY幅を瞬時に0とする。
(f)上記、オンDUTY幅0から所定のオンDUTY幅に徐々に広げる際に、レジスタに設定された上記のスローオンの時間幅で段階的にオンDUTY幅が増加される。
次に、上記(c)と(d)で説明したPWM信号の生成、及び、タイマ時間設定の詳細について図3を用いて説明する。
演算回路30は、HVtgt設定部140のレジスタの設定値に応じて一意的に決定されるタイマ時間をタイマ設定部136に設定する。設定されるタイマ時間については、後述する。HVtgt設定部140の値とタイマ設定部136の値は直線性の相対関係としている。マイクロコントローラ1によってEnableレジスタ131を設定することによって電圧出力が開始される。そして、PWM生成部32は、上記の高速立ち上げ期間T1のオンDUTY幅の値が設定されたDUTY_Tr1設定部134の値に従ったオンDUTY幅のPWM信号をタイマ設定部136に設定されているタイマ時間に基づいた時間間隔で出力する。このPWM信号の出力はASIC7の機能によって実行されるため、オンDUTY幅0からこのオンDUTY幅へ広げるための立ち上げ時間は不要であり、PWM信号の最初のパルスから設定したオンDUTY幅を有したPWM信号を瞬時に出力することが可能である。このタイマ設定部136に設定された時間が経過すると、次に、定電圧制御待機期間T2のオンDUTY幅の値を設定するDUTY_Tr2設定部135に従ったオンDUTY幅のPWM信号を出力する。
つまり、PWM生成部32は、高電圧発生装置の起動開始直後にオンDUTY幅が広いPWM信号を最初のパルスから出力することで瞬時に急峻な高いスルーレートで出力電圧の立ち上げを行う。そして、予め設定されたタイマ時間が経過した後に、オーバーシュート、アンダーシュート、電圧振動が発生しないように、低いスルーレートのオンDUTY幅のPWM信号を出力する。このタイマ時間は、目標電圧と直線性の関係を保った値に可変に設定されるため、目標電圧に応じて可変された立ち上げ時間幅(スルーレート)で高電圧発生装置を起動することができる。そして、このタイマ時間経過後に、高速立ち上げ期間T1から定電圧制御待機期間T2へ切り替わる。従って、立ち上げ能力が高く設定された高電圧発生装置においても、最初に出力されるPWM信号のオンDUTY幅が目標電圧値の大きさに応じて補正される。これにより、目標電圧が大きいときはオンDUTY幅の広いPWM信号でスイッチングする時間を長くして、立ち上げ期間を短縮し、一方、目標電圧が小さいときは、スイッチングする時間を短くして、オーバーシュートやアンダーシュートが低減される。つまり、目標電圧の大小によらず、オーバーシュートやアンダーシュートを低減し、且つ、短時間で出力電圧を目標電圧に到達させることが可能となる。
次に、上記(e)と(f)で説明した目標電圧到達信号/HVATNによるPWM信号のオンDUTY幅の制御詳細について説明する。まず、高電圧発生回路8に構成される昇圧トランスT1の周辺回路について説明し、次に、目標電圧到達信号/HVATNを出力するコンパレータCMP10の動作について説明する。
ASIC7から出力されたPWM信号HVPWMはFET Q4のゲート端子に入力される。FET Q4と電源電圧Vcc及び抵抗器R8は、FET Q4のゲート端子に入力されたPWM信号に従ってFET Q5(本例ではパワーMOSFETである)のゲート端子を駆動する。FET Q5は昇圧トランスT1をスイッチング駆動する。スイッチング駆動された昇圧トランスT1は脈流の高電圧を出力する。昇圧トランスT1から出力された脈流の高電圧はダイオードD2とコンデンサC5と出力電圧検出回路4からなる整流回路で整流されて直流電圧化され、負荷部HVoutputに出力される。負荷部HVoutputに出力された高電圧は、出力電圧検出回路4により分圧されて検出される。検出された検出電圧値VdtはコンパレータCMP10によってモニタされ、高圧制御信号HVCNTにより設定された目標電圧値Vtgtと比較される。検出電圧値Vdtと目標電圧値Vtgtを比較したコンパレータCMP10は、検出電圧値Vdtが目標電圧値Vtgt以下の場合にはHighを出力し、目標電圧値Vtgt以上の場合にはLowを出力する。
ASIC7は、目標電圧到達信号/HVATNがLowになると、出力許可部33で出力するPWM信号を瞬時にマスクして、PWM信号のオンDUTY幅を瞬時に0にする。尚、オンDUTY幅はASIC出力部のHVPWMではLow論理となる。FET Q5のゲート端子部ではHigh論理となる。つまり、High固定の信号を出力する。PWM信号が瞬時にHigh固定の信号を出力すると、FET Q4をオフし、接続されるFET Q5を瞬時にオフさせて高電圧発生回路8を瞬時にオフする。
一方、目標電圧到達信号/HVATNがLowからHighになると、カウンタブロック31は、DUTY_max設定部133に設定されたデータに基づいたオンDUTY幅に向けて時間幅を段階的に広げていくためのデータをPWM生成部32に出力する。オンDUTY幅を段階的に広げていくための時間幅はスローオン設定部132のレジスタ値によって決定される。そして、PWM生成部32はASIC7の外部にスローオンのPWM信号を出力する。
つまり、ASIC7は、検出電圧値Vdtが目標電圧値Vtgtを超えたときには瞬時にPWM信号のオンDUTY幅を0として高電圧発生回路8を瞬時にオフする。また、検出電圧値Vdtが目標電圧値Vtgtを下回った時にはオンDUTY幅の立ち上げに時定数を持たせて高電圧生成回路8を緩やかにオンさせる。これにより、定電圧に維持する際の帰還制御によって発生する電圧振動(リップル、ハンチングともいう)を大幅に低減することが可能となる。
次に、上記で説明した高電圧発生装置のアナログ回路とASIC7の機能を適用して生成される出力波形の具体例を図4、図5、図6に示す。尚、従来の高電圧発生装置を高速化した場合の出力波形と対比しながら説明を行う。
本実施例では、一例として、昇圧トランスの駆動周波数を50KHz(20μs周期)、昇圧トランス及び整流回路からなる昇圧回路の入出力応答時間(遅延時間)を20μs、1パルスのスイッチング駆動で数百Vの立ち上げ能力を有する高電圧発生装置に適用した場合を説明する。本実施例では、駆動周波数に対応した所定周期毎(20μs毎)に125V,200V,300Vの夫々の変化量で直流電圧を上昇させる例を説明する。尚、上記の遅延時間はこの昇圧回路の入出力応答時間が支配的となるため、その他の遅延時間は無いものと仮定して説明する。また、目標電圧を5KVとした場合を図4に、目標電圧を1KVとした場合を図5に示して、目標電圧が広範囲で可変設定される例を説明する。
まず、目標電圧を5KVとした場合の例を図4に基づき説明する。図4(a)と図4(b)は、立ち上げ途中で出力電圧の上昇カーブを緩やかに切り替える高電圧発生装置において、目標電圧より低い第2の基準電圧を検知することによって出力電圧の立ち上げを緩やかにする従来の高電圧発生装置の立ち上げ時の出力波形例である。尚、以後、起動後の高速立ち上げ期間T1となる過渡領域を第1過渡領域、続いて緩やかな立ち上げとなる定電圧制御待機期間T2の過渡領域を第2過渡領域という。図4(a)と図4(b)の従来の高電圧発生装置では、目標電圧より低い基準電圧で出力電圧を検知するため、その時点で制御できるのは、20μs以降に出力される電圧となる。仮に、検知した段階から瞬時に昇圧トランスの駆動を停止可能な場合であっても、1パルスで出力部を数百V昇圧する高電圧発生装置では、20μs後にはオーバーシュートが発生してしまう。この様子を以下に具体例で説明する。
図4(a)は、第2の基準電圧を90%に設定し、第1過渡領域では1パルス駆動で125Vずつ昇圧していく高電圧発生装置の出力波形の一例である。目標電圧が5KVであるので、目標の90%である4.5KVで第2の基準電圧による検知が行われて第2過渡領域となる。ただし、第2過渡領域に入る20μs前に、パルス駆動された電力が既に投入されているため、出力電圧は4.625KVまで昇圧し、4.625KVを超えてから第2過渡領域に入ることになる。4.625KVから第2過渡領域となったため、大きなオーバーシュートなく目標値の5KVまで収束していく。
一方、図4(b)は、第2の基準電圧を90%に設定し、第1過渡領域では1パルス駆動で300Vずつ昇圧していく高電圧発生装置の場合の波形の一例である。目標電圧が5KVであるので、目標の90%である4.5KVで第2の基準電圧による検知が行われて第2過渡領域となる。ただし、第2過渡領域に入る20μs前に、パルス駆動された電力が既に投入されているため、出力電圧は4.8KVまで昇圧し、4.8KVを超えてから第2過渡領域に入る。4.8KVから第2過渡領域となったため、5KV超えのオーバーシュートに対する余裕は図4(a)に比べて少ないが、大きなオーバーシュートなく目標値の5KVまで収束していく。
従って、目標電圧が5KVの場合には、高電圧発生装置が1パルス駆動で昇圧していく電圧が125Vであっても、また、さらに高速化した300Vであっても、大きなオーバーシュートなく目標値の5KVまで収束していく。
しかし、図5(b)に示すように目標電圧値が小さく、且つ、1パルスあたりの昇圧能力が高い(例えば、目標1KV、1パルス駆動で300V昇圧する)場合にはオーバーシュートが発生する。まず、目標電圧が小さく昇圧能力がやや高い場合(例えば、目標1KV、1パルス駆動で125V昇圧する)について図5(a)を用いて説明する。
図5(a)は、第2の基準電圧を90%に設定し、第1過渡領域では1パルス駆動で125Vずつ昇圧していく高電圧発生装置の場合の出力波形の一例である。目標電圧が1KVであるので、目標の90%である0.9KVで第2の基準電圧による検知が行われて第2過渡領域となる。ただし、第2過渡領域に入る20μs前に既にパルス駆動された電力が投入されているため、出力電圧は1KVまで昇圧して第2過渡領域に入る。1KVから第2過渡領域となったため、第2の基準電圧の検知時から1KVを超える際のオーバーシュートに対する余裕はないが(図のマージン電圧A)、大きなオーバーシュートなく目標値の1KVで収束される。
一方、図5(b)は、第2の基準電圧を90%に設定し、起動時には、1パルス駆動で300Vずつ昇圧していく高電圧発生装置の場合の波形の一例である。目標電圧が1KVであるので、目標の90%である0.9KVで第2の基準電圧による検知が行われて第2過渡領域となる。ただし、第2過渡領域に入る20μs前に既にパルス駆動された電力が投入されているため、出力電圧は1.2KVまで昇圧し、1.2KVを超えてから第2過渡領域に入る。従って、第2過渡領域に入った時には、既に200Vの大きなオーバーシュートが発生してしまう(図のオーバーシュート電圧B)。つまり、高電圧発生回路の立ち上げ能力がそれほど大きくない場合には問題がないが、例えば、立ち上げ時間を更に短縮するために、数パルスが入力されるだけで目標電圧まで昇圧するように高電圧発生装置の立ち上げ能力を更に高くした場合には、大きなオーバーシュートが発生することになる。
これに対し、本実施例の高電圧発生装置の出力波形の一例を図4(c)及び図5(c)に示す。本実施例の高電圧発生回路8は、起動開始直後の高速立ち上げ期間T1(第1過渡領域)と目標電圧到達前の定電圧制御待機期間T2(第2過渡領域)と、目標電圧に到達した後の定電圧制御期間T3(定常領域)の3つに制御期間(時間領域)を分割する。第1過渡領域では、レジスタ〔DUTY_Tr1設定部134〕に設定された値のオンDUTY幅となるPWM信号が出力され、第1変化量として300V/パルスの高いスルーレートで電圧が上昇していく。第2過渡領域では、レジスタ〔DUTY_Tr2設定部135〕に設定された値のオンDUTY幅となるPWM信号が出力され、第2変化量として50V/パルスの比較的低いスルーレートで電圧が上昇していく。そして、出力電圧が目標電圧に到達すると、PWM信号のオンDUTY幅は瞬時に0とされ、高電圧発生回路8の昇圧動作は急速に停止する。目標電圧に到達した時は、50V/パルスの低いスルーレートとなっているため、目標電圧到達直後のオーバーシュートの最大量は50Vと小さい値に低減される。
高速に立ち上げる期間である第1過渡領域のタイマ時間は目標電圧に応じた所定値に設定される。本例では、図8で示すように、目標電圧が+5KVの場合に0.3msに設定され、目標電圧が+1KVの場合に0.04msに夫々可変設定される。その結果、低い第2の基準電圧の検知に応じた帰還制御ではなく、予め可変設定されたタイマ時間で第1過渡領域が決定される。これにより、目標値が+5KVであっても+1KVであっても、目標電圧の大きさに関わらず目標電圧への到達直後のオーバーシュートが低減され、且つ、短時間で出力電圧を目標電圧に到達させることが可能となる。
次に、目標電圧に到達した後の定電圧制御期間T3(定常領域)の動作について、本実施例の出力波形の一例を従来の波形の一例と対比しながら図6を用いて説明する。尚、本実施例の出力波形の一例は図6(d)に示している。立ち上げ時間を速くするためには、起動開始後のPWM信号のオンDUTY幅を大きくして応答を速くする必要がある。しかし、応答を速くした場合には、定電圧制御動作時において、目標電圧を境界として出力電圧が上下してオーバーシュートを繰り返す動作になりやすい。この様子を図6(a)に示す。第2過渡領域に入って1パルスの入力で50Vずつ昇圧しており、目標電圧に到達するとスイッチングが瞬時にオフされる。スイッチングが瞬時にオフされた後は、容量性の負荷にチャージされた電荷が自然放電することにより電圧値が降下する。つまり、瞬時に高電圧発生回路8のスイッチングがオフされても電圧は自然放電以上の速さでは降下しない。電圧が目標電圧まで降下すると高電圧発生回路8は再びスイッチングを開始する。スイッチングを開始すると、パルスが入力されて再び電圧が上昇し、その後、目標電圧に到達し、スイッチングが再びオフされて電圧が降下するという制御を繰り返す。しかし、スイッチングがオフされるまでに入力されたパルスが1パルスであっても、目標電圧に達したときには既にその1パルス分は入力されているため、その分の電圧、この例では50Vの小さな電圧振動(リップル、ハンチングともいう)は発生することになる。
図6(b)では、第2過渡領域に入って、1パルスの入力で100Vずつ昇圧していく場合の出力波形の一例を示す。図6(a)と同様の現象によりオーバーシュートが発生する。但し、オーバーシュート量は2倍の100Vとなり、オーバーシュートした電圧が目標電圧まで降下する際のスルーレートは、負荷の容量と抵抗値による自然放電による時定数で決定される。従って、図6(a)の場合と比較して、2倍の周期でオーバーシュートを繰り返すことになる。
また、上記した特許文献2で例示したような高電圧発生装置では、目標電圧を維持するように制御する維持充電領域では、僅かなPWM回路への入力電圧の増減によって出力電圧を僅かに増減させて目標電圧の電圧振動を小さくするものである。しかし、緩速充電領域から維持充電領域への遷移時において、僅かにしか入力電圧が減少されないため、図6(c)に示すように目標電圧到達時点のオーバーシュートは大きくなりやすい。
一方、図6(d)に示す本実施例の高電圧発生装置の出力波形では、検出電圧が目標電圧を超えたときには瞬時にPWM信号のオンDUTY幅を0とし、その後、出力電圧が降下し、再び目標電圧以下となるとオンDUTY幅0からのスローオンの時間幅でスイッチングが再開される。そのため、図6(c)と比較して目標電圧への到達直後のオーバーシュートが低減され、定電圧制御期間T3における電圧の立ち上げ能力は小さくなる。従って、図6(d)に示す本実施例では、図6(a)や図6(b)と比較して定常領域で発生する電圧振動(リップル、ハンチング)も大幅に低減することが可能になる。
尚、上述した本実施例では、第1過渡領域のタイマ時間を目標電圧の大きさに応じて可変する方法として、第1過渡領域中でのPWM信号のオンDUTY幅が一定である例で説明した。これに対して、以下に示すように、PWM信号のオンDUTY幅を可変制御する方式でもよい。第1過渡領域中でのPWM信号のオンDUTY幅を可変制御する方式は、容易にタイマ時間の可変制御を実現することができる方式であり上記の方式と略同様の効果を得ることができる。以下に、第1過渡領域中でのPWM信号のオンDUTY幅を可変制御する方式の動作例を説明する。
<PWM信号のオンDUTY幅の可変制御の動作例>
(1)第1期間である第1過渡領域の初期のPWM信号のオンDUTY幅と、第1期間に続く第2期間である第2過渡領域に移行する時のPWM信号のオンDUTY幅を夫々設定し、第1過渡領域内において徐々にオンDUTY幅を変化させていく。第1過渡領域の初期のオンDUTY幅と第2過渡領域に移行する時のオンDUTY幅は目標電圧によらず所定値に設定する。目標電圧の大きさに応じて第1過渡領域のタイマ時間を可変するために、第1過渡領域内でオンDUTY幅を所定のステップ量、変化させていくように制御する。
例えば、第1過渡領域の初期のPWM信号のオンDUTY幅を50%として、第2過渡領域に移行する時のPWM信号のオンDUTY幅を10%とした時の波形の一例を図7(a)に示す。尚、図7では、目標電圧は+5KVと+2.5KVの場合を例示している。目標電圧が+5KVの時は1パルスで−2%ずつオンDUTY幅を減少させていき、目標電圧が+2.5KVの時は1パルスで−4%ずつオンDUTY幅を減少させていく。つまり、目標値の大きさに応じて第1過渡領域が可変設定される。
(2)第1過渡領域の初期のPWM信号のオンDUTY幅と、第2過渡領域に移行する時のPWM信号のオンDUTY幅を夫々設定し、第1過渡領域内において、徐々にオンDUTY幅を変化させていく。第2過渡領域に移行する時のオンDUTY幅と徐々にオンDUTY幅を変化させていく際のステップ量(変化量)は、目標電圧値によらず所定値に設定する。ただし、目標電圧の大きさに応じて第1過渡領域のタイマ時間を可変する。つまり、第1過渡領域における起動開始時の初期のオンDUTY幅を可変に設定する。
例えば、第2過渡領域に移行する時のオンDUTY幅を10%とし、徐々にオンDUTY幅を変化させていくステップ量を−2%とした時の波形の一例を図7(b)に例示する。尚、図7では、目標電圧は+5KVと+2.5KVの場合を例示した。目標電圧が+5KVの時は起動開始時のオンDUTY幅が50%で設定され、目標電圧が+1KVの時は起動開始時のオンDUTY幅が30%で設定される。つまり、目標値の大きさに応じて第1過渡領域が可変設定される。
以上、説明したように、本実施例によれば、目標電圧に応じて第1過渡領域におけるPWM信号のオンDUTY幅を予め可変設定し、高速立ち上げ期間においてPWM信号が瞬時に出力されるようにした。すなわち、立ち上げ時の時間幅が目標電圧に応じて高い分解能で可変された状態の立ち上げ時間幅で、且つ、瞬時に高電圧発生回路8を起動させることが可能になる。
さらに、検出電圧が目標電圧を超えたときには瞬時にPWM信号のオンDUTY幅を0として、検出電圧が目標電圧に維持されるように制御する。その結果、高電圧発生装置の立ち上げ能力が更に高くされ、且つ、目標電圧が広範囲の値に設定された高電圧発生装置においても、オーバーシュートなく、且つ、短時間で出力電圧を目標電圧に到達させることが可能となる。
また、立ち上げの過渡領域では、最大値となるオンDUTY幅のPWM信号によって高いスルーレートで電圧の出力を開始し、その後、目標電圧を維持する定常領域では低いスルーレートで電圧を出力するようにした。これにより、立ち上げ能力が更に高くされ、且つ、短時間で目標電圧に到達する高電圧発生装置であっても、定常領域での電圧振動(リップル、ハンチング)を低減することが可能となる。
実施例2の高電圧発生装置は、立ち上げの過渡状態におけるスルーレートを目標電圧の大きさに応じて予め可変設定することを特徴とする。実施例2では、目標電圧と直線性の関係を保って可変設定される電圧を予め生成し、生成された電圧を昇圧トランスに印加して起動を待機する。そして、この可変設定された昇圧トランス用の電圧と最大のオンDUTY幅となるPWM信号を用いてスイッチング駆動を開始させ、出力が過渡状態の急峻な高いスルーレート状態のまま目標電圧に達するように制御するものである。
次に、本実施例の高電圧発生装置の機能を模式的に表したブロック図を図2(c)に示す。図2(a)に示す従来の高電圧発生装置に対し、高速立ち上げ期間T1において立ち上げの過渡状態のスルーレートを可変設定できるブロック27をさらに備えている。このブロック27はトランス供給電圧を可変する機能を備える。
まず、図9に基づき本実施例の高電圧発生装置を説明する。尚、先に実施例1で説明したものと同様の構成要素や信号には同じ参照番号、記号を付して説明は省略する。図9に示す高電圧発生装置は、アナログ回路で構成された高電圧発生回路8と、高電圧発生回路8に出力するハードウエア制御信号を生成して、高電圧発生回路8からの出力を制御する出力制御部として機能するASIC2とを有する。更に、ASIC2からのハードウエア制御信号の出力状態を制御及び設定するマイクロコントローラ1を有している。さらに、高電圧発生回路8は、昇圧トランスT1と昇圧回路と、出力電圧検出回路4と、昇圧トランスT1を駆動するPWM信号を生成するPWM制御回路15と、昇圧トランスT1に接続される電源電圧を生成するトランス電圧生成回路11と、コンパレータCMP10と、出力電流検出回路9とから構成されている。
マイクロコントローラ1は、ASIC2内に設けられた不図示のレジスタに対して、所定のタイミングでデータを設定して高電圧発生装置の目標電圧の変更やオンオフのタイミング等を制御することができる。ASIC2は、高電圧発生回路8の目標電圧を設定する高圧制御信号HVCNTと、高電圧発生回路8のオンオフを設定するオンオフ制御信号/HVONと、高電圧発生回路8で使用される所定周期のクロック信号CLKとを外部に出力する。
高圧制御信号HVCNTは、ASIC2内に構成されたD/Aコンバータからアナログ信号として外部に出力される。尚、高圧制御信号HVCNTは、PWM信号で出力して、出力したPWM信号の周波数における応答特性を良くした高次のローパスフィルタ等でDC電圧値に変換した信号でも同様の機能を実行可能である
次に、図9に示す高電圧発生装置における高電圧発生回路8の動作概要について説明する。トランス電圧生成回路11は、ASIC2から出力された高圧制御信号HVCNTに応じた電圧を予め生成し、起動時および定常時に昇圧トランスT1に供給する。昇圧トランスT1は、PWM生成回路15から出力されたPWM信号でスイッチング駆動される。昇圧トランスT1から出力された高電圧は出力電圧検出回路4で分圧されて検出され、検出された分圧電圧Vdtは高圧制御信号HVCNTにより設定された目標電圧VtgtとコンパレータCMP10で比較演算される。そして、この比較演算結果に応じてPWM生成回路が出力するPWM信号のオンDUTY幅が帰還制御される。この帰還制御されたオンDUTY幅で昇圧トランスT1がスイッチング駆動される。
尚、起動開始前のコンデンサC4には、高圧制御信号HVCNTの値に応じてトランス電圧生成回路11で生成された電圧に応じた電力が予めチャージされた状態で起動待機されている。この予めチャージされた電力値及び電圧値によって起動時のスルーレートが可変設定される。そして、昇圧トランスT1に供給された電圧値に応じたスルーレートで負荷部HVoutputに出力される電圧値が上昇していく。
次に、図9に示す高電圧発生装置における高電圧発生回路8の動作詳細について説明する。まず、PWM信号を可変に出力するPWM制御回路15とコンパレータCMP10の動作について説明する。PWM制御回路15には、コンパレータCMP10の出力と、クロック信号CLKを抵抗器R6とコンデンサC3により擬似三角波とした三角波信号が接続されている。PWM制御回路15内には、コンパレータCMP15とFET Q3と抵抗器R2、R3、R4とコンデンサC2が構成されている。コンパレータCMP15は、非反転入力部に接続された三角波信号と反転入力部の電圧を比較演算してPWM信号のオンDUTY幅を可変に設定する。反転入力部の電圧値が低いほど、Low側のオンDUTY幅が狭いPWM信号を出力する。
コンパレータCMP10は検出電圧値Vdtと目標電圧値Vtgtとを比較演算し、検出電圧値Vdtが目標電圧値Vtgt以下の場合には、Lowを出力してFET Q3をオフさせる。検出電圧値Vdtが目標電圧値Vtgt以上の場合には、Highを出力してFET Q3をオンさせる。FET Q3がオンすると、コンパレータCMP15の反転入力部が瞬時に0V電位に降下するため、コンパレータCMP15の出力は瞬時にHighとなって高電圧発生回路8は急速にオフ状態とされる。
一方、FET Q3がオフすると、コンデンサC2には、電源電圧Vregから抵抗器R2〜R4を介して電荷がチャージされる。この充電の時定数は電源電圧Vregと抵抗器R2〜R4とコンデンサC2の値によって決定される。この時定数によって、オンDUTY幅が0から緩やかに広げられる回路が構成される。また、コンデンサC2の電圧値は電源電圧Vregを抵抗器R2とR3で分圧した電圧値が最大値とされ、このコンデンサC2の最大電圧値によってコンパレータCMP15が出力するPWM信号の最大オンDUTY幅が設定される。
つまり、PWM制御回路15は、検出電圧値Vdtが目標電圧値Vtgtを超えたときには瞬時にオンDUTY幅を0として高電圧発生回路8を急速にオフする。そして、検出電圧値Vdtが目標電圧値Vtgtを下回った時には立ち上げに時定数を持たせて高電圧発生回路8を緩やかにオンする。その結果、一定電圧を維持するための帰還制御において発生する電圧振動(リップル、ハンチング)を大幅に低減することが可能となる。尚、この本実施例の高電圧発生装置における定常領域の出力波形は、実施例1の図6(d)で示したものと同様の波形となる。
次に、高電圧発生回路8の昇圧トランスT1の周辺回路について説明する。上述のPWM制御回路15から出力されたPWM信号はFET Q4のゲート端子に入力される。FET Q4と電源電圧Vcc及び抵抗器R8は、FET Q4のゲート端子に入力されたPWM信号に従ってパワーMOSFET Q5のゲート端子を駆動する。パワーMOSFET Q5は昇圧トランスT1をスイッチング駆動する。スイッチング駆動された昇圧トランスT1は脈流の高電圧を出力する。昇圧トランスT1によって出力された脈流の高電圧は高圧ダイオードD2と高圧コンデンサC5からなる整流器で整流されて直流電圧化され、負荷部HVoutputに出力される。負荷部HVoutputに出力された高電圧は、出力電圧検出回路4により分圧されて検出される。検出された分圧電圧VdtはコンパレータCMP10によってモニタされており、高圧制御信号HVCNTにより設定された目標電圧値Vtgtと比較されて目標電圧を維持する帰還制御が行われる。
尚、オンオフ制御信号/HVONはパワーMOSFET Q5のゲート端子をFET Q2で直接制御するため、オンオフ時の応答遅延時間を低減することが可能となる。尚、応答遅延時間が若干遅くなっても問題ない場合には、オンオフ制御信号/HVON及びFET Q2の代わりに、ASIC2から出力されるクロック信号CLKをHigh出力に固定することによって高電圧発生回路8をオンオフする構成としても良い。
次に昇圧トランスT1に接続される電源電圧を生成するトランス電圧生成回路11について説明する。トランス電圧生成回路11は、オペアンプOP1と抵抗器R1、R10〜R13とダイオードD1とトランジスタQ1とから構成される。オペアンプOP1はASIC2から入力された高圧制御信号HVCNTとVcc電圧値の分圧値を非反転増幅して可変された電圧とに応じて高圧制御信号HVCNTに対応した出力を維持するように、トランジスタQ1を電流駆動して帰還制御を行う。そして、トランジスタQ1によって増幅された電流によって昇圧トランスT1に接続されているコンデンサC4に電荷がチャージされる。なお、ダイオードD1は、オペアンプOP1がコンデンサC4から電流を放電する場合の電流経路を構成するものである。トランス電圧生成回路11は、高圧制御信号HVCNTの電圧値に比例して直線性の関係をもつトランス駆動用の電圧を生成する。尚、高電圧発生回路8は、スイッチング駆動するPWM信号のオンDUTY幅が固定の場合は、昇圧トランスT1に接続される電源電圧の値に比例した出力電圧(帰還制御なしで定常域で到達する値)を出力する特性となる。この特性を図13(a)に示す。本実施例では、このPWM信号のオンDUTY幅を減ずるように帰還制御することによって目標電圧に維持する制御が行われる。
尚、起動待機時において、PWM制御回路15は最大オンDUTY幅のPWM信号を出力し、昇圧トランスT1には高圧制御信号HVCNTの値に応じて可変生成された電圧が印加されている状態であるが、下流に配置されるFET Q2によって強制的にオフ状態にされている。従って、FET Q2をオフすれば、瞬時に最大オンDUTY幅のPWM信号でスイッチングを開始することが可能となる。
次に、本実施例で可変設定する立ち上げ過渡状態のスルーレートを可変設定する動作例について説明する。トランス電圧生成回路11によってコンデンサC4にチャージされた電力量(電圧値)は、高電圧発生回路8の起動時に投入されるものであり、出力電圧の立ち上げのスルーレートを決定する1つの要素(入力駆動条件の1つ)となる。また、出力電圧の立ち上げのスルーレートを決定する他の要素(入力駆動条件の1つ)として、スイッチング開始時の最大オンDUTY幅も影響する。本実施例では、起動時における最大オンDUTY幅は目標電圧に依らず固定値とする。従って、起動開始時のスルーレートはトランス電圧生成回路11の出力値にのみ応じて可変される特性の高電圧発生回路8である。ここで、PWM信号のオンDUTY幅と所定時間経過後の高電圧出力値(過渡状態の電圧上昇の曲線、スルーレートに相当)の関係を測定した特性を図13(b)に示す。この図によれば、同じ時間経過後に到達する過渡状態の出力電圧値は、昇圧トランスT1に接続される電源電圧の値に正比例することがわかる。
本実施例の高電圧発生装置は、この正比例の特性を用いて出力の過渡状態におけるスルーレートを昇圧トランスT1に接続される電源電圧の値で可変設定するようにした点が特徴である。そして、昇圧トランスT1に接続される電源電圧を目標電圧の大きさに応じて可変設定したので、高電圧発生回路8の起動時において、立ち上げ時のスルーレートを高精度、かつ、高分解能に可変設定することが可能になる。例えば、目標電圧が小さいときにはスルーレートが小さくなるように可変設定されてオーバーシュートが低減される。一方、目標電圧が大きいときはスルーレートが大きくなるように可変設定されて立ち上げ期間が短縮する。さらに、ハードウエアの立ち上がりが急峻な出力状態(時定数が緩い傾斜カーブに至る前の状態)の時に目標電圧に到達するようなオンDUTY幅で直線的に立ち上げ、目標電圧への到達がハードウエアにより検知されると、オンDUTY幅を瞬時に0として昇圧回路をオフするようにした。これにより、立ち上げ時のオーバーシュートをより低減することが可能となる。
次に、本実施例の高電圧発生装置における出力波形の具体例を図11を用いて説明する。図11(a)に本実施例の方法を適用しない場合の出力波形例を、図11(b)に本実施の方法を適用した場合の出力波形の一例を示す。図11(a)は、立ち上げの過渡状態のスルーレートが目標電圧の大きさに依らず一定な場合の出力波形の一例である。出力電圧は1パルス駆動(20μs)で200Vずつ昇圧していき、目標電圧が+5KVの時は0.5msで目標電圧に到達する。実施例1でも説明したように、昇圧回路の入出力には応答遅延時間が発生するため、目標電圧への到達を検知した時点では既に20μs前に駆動された電力が投入されている。つまり、最大200Vのオーバーシュートが発生することになる。但し、+5KV時の200Vは、目標値に対して4%程度に小さく低減されたオーバーシュートの量となる。しかし、このオーバーシュートの量は、高電圧発生回路8の立ち上げ能力、つまり立ち上げの過渡時のスルーレートに依存しているため、目標値が+1KVであっても最大200Vのオーバーシュートが発生してしまう。+1KV時の200Vは、目標値に対して20%という大きなオーバーシュート量となる。
一方、図11(b)は、立ち上げの過渡状態のスルーレートを目標電圧の大きさに応じて可変設定した本実施例の出力波形の一例である。目標電圧が+5KVの時は、図11(a)同様に、目標電圧に対して4%程度に小さく低減されたオーバーシュート量となる。目標電圧が+1KVの時は、昇圧トランスに供給される電圧が低減された値に予め可変設定されるため、1パルスで40Vずつ昇圧する低いスルーレートに低減される。その結果、0.5msで目標電圧に到達し、オーバーシュートは最大40Vに低減される。つまり、目標値+1KV時の40Vであるので、4%程度のオーバーシュート量となり図11(a)に比べて大幅に低減することが可能となる。
以上、説明したように本実施例によれば、出力電圧に応じて可変設定される電圧を予め生成し、この生成した電圧が印加された状態で起動を待機するようにした。これにより、立ち上げのスルーレートが出力電圧に応じて高分解能で可変された状態のスルーレートで且つ瞬時に高電圧発生回路を起動させることが可能になる。さらに、検出電圧値が目標電圧値を超えたときには瞬時にオンDUTY幅を0として目標に維持する制御を行うようにしたので、高電圧発生装置の立ち上げ能力が高くされ、目標電圧が広範囲な値に設定された場合であっても、オーバーシュートを低減し、且つ、短時間で出力電圧を目標電圧に到達させることが可能となる。
また、立ち上げの過渡領域では、最大値となるオンDUTY幅のPWM信号で高いスルーレートで電圧の出力を開始し、その後、目標電圧を維持する定常領域では低いスルーレートで電圧を出力するようにした。これにより、立ち上げ能力が更に高くされ、且つ、短時間で目標電圧に到達する高電圧発生装置であっても、定常領域での電圧振動(リップル、ハンチング)を低減することが可能となる。
実施例3の高電圧発生装置は、立ち上げの過渡状態のスルーレートを目標電圧の大きさに応じて予め可変設定することを特徴とする。実施例3では、目標電圧と直線性の関係を保って可変設定されるオンDUTY幅のPWM信号を生成する。そして、起動開始とともにこの可変設定されたオンDUTY幅のPWM信号を用いてスイッチングを開始させて、出力電圧が過渡状態において急峻なスルーレートのまま目標電圧に達するようにしたものである。本実施例の高電圧発生装置の主要となる機能を模式的に表すブロック図は図2(c)であり実施例2と同様である。なお、図2(a)に示す従来の高電圧発生装置に対し、立ち上げの過渡状態のスルーレートを可変設定できるブロック27をさらに備えている。そして、ブロック27においてPWM信号のオンDUTY幅を可変するようにしたものである。
実施例3の高電圧発生装置を図10に示す。本実施例では、実施例2におけるPWM制御回路15内に接続される電源電圧Vregの代わりに、最大DUTY設定回路41の出力が接続され、実施例1で昇圧トランスT1に接続されていたトランス電圧生成回路11の代わりに、固定値の電源電圧Vccが接続されている。最大DUTY設定回路41は、実施例2で説明したトランス電圧生成回路11から電流増幅回路の部分を削除したものであり、低コストで構成されている。尚、既に実施例1、2において説明したものと同様の構成要素や信号には同じ参照番号や記号を付して説明は省略する。
まず、図10に示す高電圧発生装置における高電圧発生回路8の動作概要について説明する。最大DUTY設定回路41は、ASIC2から出力された高圧制御信号(HVCNT)に応じて、後述する可変電圧Vdutyを生成し、生成した可変電圧Vdutyを起動時および定常時にPWM生成回路45に供給する。PWM生成回路45は供給された可変電圧Vdutyに応じたオンDUTY幅のPWM信号を生成し、このPWM信号に基づいて昇圧トランスT1がスイッチング駆動される。昇圧トランスT1から出力された高電圧は出力電圧検出回路4で分圧されて検出され、検出された分圧電圧Vdtは高圧制御信号HVCNTにより設定された目標電圧VtgtとコンパレータCMP10で比較演算される。そして、この比較演算結果に応じてPWM生成回路が出力するオンDUTY幅が帰還制御される。帰還制御されたオンDUTY幅で昇圧トランスT1がスイッチング駆動される。つまり、最大DUTY設定回路41でオンDUTY幅について最大幅が可変設定され、そのオンDUTY幅の範囲内で出力電圧が目標電圧となるように帰還制御される。
次に、図10に示す高電圧発生装置における高電圧発生回路8の動作詳細について説明する。高電圧発生回路8の昇圧トランスT1の周辺回路については、実施例2と同様であるため説明を省略し、最大DUTY設定回路41及びPWM制御回路45について説明する。
最大DUTY設定回路41には、オペアンプOP1と抵抗器R10〜R13とが構成され、高圧制御信号HVCNTとVcc電圧値の分圧値を非反転増幅して、PWM制御回路15に出力する。最大DUTY設定回路41は、高圧制御信号HVCNTの出力電圧値に比例して直線性の関係を保って最大オンDUTY幅を設定する基準電圧Vdutyを生成してPWM制御回路45に出力する。
PWM制御回路45は、実施例2で説明したPWM制御回路15内の電源電圧Vregの代わりに上述した最大DUTY設定回路で生成した直流電圧Vdutyが接続されている。FET のQ3がオフした状態のときには、最大DUTY設定回路41で生成された直流電圧Vdutyから抵抗器R2〜R4を介して電荷がコンデンサC2にチャージされる。この充電の時定数は電圧Vdutyと抵抗器R2〜R4とコンデンサC2の値によって決定される。この時定数によってオンDUTY幅を0から緩やかに広げていく回路が構成される。
つまり、PWM制御回路45は、入力される電圧Vdutyの大きさに応じて可変される最大オンDUTY幅のPWM信号を生成するとともに、実施例1及び実施例2と同様に、検出電圧値Vdtが目標電圧値Vtgtを超えたときには瞬時にオンDUTY幅を0として高電圧発生回路8を瞬時にオフする。また、検出電圧値Vdtが目標電圧値Vtgtを下回った時には立ち上げに時定数を持たせることで高電圧発生回路8を緩やかにオンさせる。その結果、電圧振動(リップル、ハンチングともいう)を大幅に抑制することが可能となる。尚、この本実施例の高電圧発生装置における定常領域の出力波形は、実施例1の図6(d)で示したものと同様の出力波形となる。
また、コンデンサC2の電圧は定常時には直流電圧Vdutyを抵抗器R2とR3で分圧した電圧値に保持され、この定常時の電圧値によってコンパレータCMP15が出力するPWM信号の最大オンDUTY幅が設定される。また、最大DUTY設定回路41で生成した直流電圧Vdutyは、高圧制御信号HVCNTに比例した電圧で可変設定される。つまり、PWM信号の最大オンDUTY幅は、高圧制御信号HVCNTに比例して可変設定される。
また、PWM制御回路45は、起動待機時においてこの最大オンDUTY幅のPWM信号を出力しているが、下流に配置されるFET Q2によって強制的にオフ状態にされている。従って、FET Q2がオフされると、瞬時に最大オンDUTY幅のPWM信号でスイッチングを開始することが可能となる。
次に、本実施例で可変設定する立ち上げの過渡状態のスルーレートとDUTYの関係について図12、図13、図14を用いて説明する。
図12(a)は、高電圧発生回路8をスイッチング駆動するPWM信号のオンDUTY幅と出力電圧値(帰還制御なしで定常状態で到達する値)との関係について、出力部の電圧を急峻に立ち上げる昇圧回路を用いてその特性を測定して例示したものである。実施例2の図13(a)で説明したように、トランスの供給電圧と出力の電圧値には比例関係があるので、6V入力と12V入力の場合とで出力値が半分になる関係の特性曲線となっている。しかし、スイッチング駆動するPWM信号のオンDUTY幅と出力電圧は比例関係ではなく大きく変動している。
入力電圧12Vの場合の特性曲線において、オンDUTY幅27%付近のポイントDaとオンDUTY幅43%付近のポイントDbは、スイッチング駆動されるDUTY幅が異なっていても、その出力電圧値〔帰還制御なしで定常域で到達する値〕は同じ約2500Vとなっている。しかし、その立ち上がりのスルーレート特性は図12(b)に示すように大きく異なることがわかる。帰還制御なしで出力電圧が飽和する到達値は同じ2500Vであっても、オンDUTY幅が大きいDbの方がより速く立ち上がっている。そこで、出力の過渡状態におけるこのオンDUTY幅と所定時間経過後の高電圧出力値(過渡状態の電圧上昇曲線、スルーレートに相当)の特性曲線を測定したものを図14に示す。同じ時間経過後に到達する過渡状態の出力電圧値は、DUTY幅にほぼ正比例する特性となることがわかった。
そこで、本実施例の高電圧発生装置は、このオンDUTY幅と過渡状態の出力電圧値が比例する特性を用いて、出力の過渡状態のスルーレートを可変設定するようにしたものである。起動開始時の最大オンDUTY幅を目標電圧に応じた値に予め設定しておき、高電圧発生回路8を起動する。つまり、スルーレートが目標電圧に応じて可変設定された状態で負荷電圧を上昇させていく。例えば、目標電圧が小さいときはスルーレートが小さくなるように可変設定されてオーバーシュートが低減される。一方、目標電圧が大きいときは、スルーレートが大きくなるように可変設定されて立ち上げ期間が短縮される。その際に、ハードウエアの立ち上がりが急峻なスルーレート(時定数が緩い傾斜カーブに至る前の状態)の時に目標電圧に到達するような時間幅で直線的に立ち上げる。続いて目標電圧への到達がハードウエアにより検知されると、オンDUTY幅を瞬時に0とし急速に高電圧発生回路8をオフする。
その結果、出力電圧の上昇時のスルーレートが高くDUTY幅に対する出力電圧値(帰還制御なしで定常域で到達する値)の特性が比例関係にない高電圧発生回路の場合であっても、本実施の高電圧発生装置における制御ではこのオンDUTY幅−出力電圧(帰還制御なしで定常域で到達する値)の特性に依存した制御を行わないため、従来の高電圧発生回路で生じていた制御の精度や安定性の問題を回避することが可能となる。尚、本実施例の高電圧発生装置における出力波形は、実施例2の図11(b)で示したものと同様の波形となる。
以上、説明したように本実施例によれば、出力電圧値に応じて可変設定されるオンDUTY幅のPWM信号を生成し、この可変設定されたオンDUTY幅のPWM信号で瞬時に起動するようにした。これにより、立ち上げ時のスルーレートが出力電圧に応じて高分解能で可変された状態のスルーレートで且つ瞬時に高電圧発生回路を起動させることが可能になる。さらに、検出電圧が目標電圧を超えたときには瞬時にPWM信号のオンDUTY幅を0として目標電圧の維持の制御を行うようにしたので、高電圧発生装置の立ち上げ能力が高くされ、目標電圧が広範囲な値に設定された場合でも、オーバーシュートが低減でき、且つ短時間で出力電圧を目標電圧に到達させることができる。そして、PWM信号のオンDUTY幅と出力電圧(定常域の到達電圧)とに比例関係がない昇圧回路であっても、精度良く、かつ、安定性が高い、電圧制御が可能となる。
また、立ち上げの過渡領域では、最大値となるオンDUTY幅のPWM信号で出力を開始する一方、その後の目標電圧を維持する定常領域ではオンDUTY幅を広くする立ち上げ側に対して緩やかな時定数を持たせて出力するようにした。これにより、立ち上げ能力が高く、且つ、短時間で目標電圧に到達する高電圧発生装置であっても、定常領域での電圧振動(リップル、ハンチングともいう)を全域に渡って低減することが可能となる。
(高電圧発生装置の適用例)
なお、上記で説明した実施例1乃至実施例3の高電圧発生装置を例えば、電子写真方式の画像形成装置に適用することができる。電子写真方式の画像形成装置としてレーザビームプリンタを例にあげて高電圧発生装置の適用例を説明する。
上記の実施例で説明した高電圧発生装置は、電子写真方式のプリンタの画像形成部に対して高電圧を印加するための高圧電源として適用可能である。図15(a)に電子写真方式のプリンタの一例であるレーザビームプリンタの概略構成を示す。レーザビームプリンタ200は、潜像が形成される像担持体としての感光ドラム211、感光ドラム211を一様に帯電する帯電部217、感光ドラム211に形成された潜像をトナーで現像する現像部212を備えている。そして、感光ドラム211に現像されたトナー像をカセット216から供給された記録材としてのシート(不図示)に転写部218によって転写して、シートに転写したトナー像を定着器214で定着してトレイ215に排出する。この感光ドラム211、帯電部217、現像部212、転写部218が画像形成部である。
図8(b)はレーザビームプリンタ200に設けられる複数の高圧電源(上記実施例1乃至3に記載の高電圧発生装置)から出力された高電圧を帯電部、現像部、転写部の夫々に出力する構成を示している。高圧電源1(図の501)は帯電部217に高電圧を出力し、高圧電源2(図の502)は現像部212に高電圧を出力し、高圧電源3(図の503)は転写部218に高電圧を出力する。夫々の高圧電源1乃至3から出力される高電圧の値は、制御部としてのコントローラへ500から出力される制御信号に応じて必要な電圧値に制御される。そして、例えば、帯電部217に高電圧を出力した際に、帯電部217に流れる電流を上記の電流検出回路で検出して、検出した電流値が所定値になるように出力を調整する。また、転写部218に高電圧を出力した際に、転写部218に流れる電流を上記の電流検出回路で検出して、検出した電流値が所定値になるように出力を調整する。また、現像部212に高電圧を出力した際に、上記の電圧検出回路で電圧を検出して、検出した電圧が所定値になるように出力を調整する。このように、画像形成のための高電圧の印加のために適用可能である。より具体的には、連続的に複数枚の記録材に画像形成を実行している際の記録材と記録材の間(紙間ともいう)で前述のATVC制御を実行する際に、上記の実施例1乃至4で説明した転写部218による高圧立ち上げ動作を適用することができる。これによりATVC制御のような高電圧の印加動作を高速に実行可能となる。
以上説明したように、上記実施例1乃至4で説明した高圧電源を電子写真方式のプリンタの高圧電源として適用すれば、画像形成装置の高速化やFPOTの短縮化が可能となる。
1 マイクロコンピュータ
4 出力電圧検出回路
7 ASIC
8 高電圧発生回路8
9 出力電流検出回路
36 レジスタ

Claims (10)

  1. トランスと、前記トランスを駆動するスイッチング手段と、前記スイッチング手段を駆動するための駆動信号を生成する信号生成手段と、前記トランスからの出力電圧を整流して直流電圧を出力する整流手段と、前記直流電圧を検出する電圧検出手段とを備えた高圧電源装置において、
    前記直流電圧の目標電圧を設定する設定手段と、
    前記電圧検出手段で検出した電圧と前記設定手段で設定した電圧に応じて前記駆動信号を帰還制御する帰還制御手段と、
    前記直流電圧の出力を開始してから前記目標電圧に達するまでの過渡状態の期間において、前記帰還制御手段による前記帰還制御を行うことなく、前記直流電圧を前記目標電圧に応じた変化量で立ち上げるように制御する出力制御手段と
    を有することを特徴とする高電圧発生装置。
  2. 前記出力制御手段は、前記直流電圧の出力を開始してから前記目標電圧に達するまでの過渡状態の期間において、前記変化量を可変に制御することを特徴とする請求項1に記載の高電圧発生装置。
  3. 前記トランスに供給する電源電圧を切り換えることにより、前記変化量を切り換えることを特徴とする請求項2に記載の高電圧発生装置。
  4. 前記直流電圧の出力を開始してから前記目標電圧に達するまでの過渡状態の期間において、第1変化量で前記直流電圧を立ち上げる第1期間と、前記第1期間に続いて、前記第1変化量よりも小さい第2変化量で前記直流電圧を立ち上げる第2期間を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の高電圧発生装置。
  5. 前記第1期間において、前記第1変化量が所定周期毎に可変設定されることを特徴とする請求項4に記載の高電圧発生装置
  6. 前記駆動信号はPWM信号であって、
    前記PWM信号のオンデューティ幅を可変することによって、前記変化量を可変に設定することを特徴とする請求項4乃至5のいずれかの項に記載の高電圧発生装置。
  7. 前記PWM信号のオンデューティ幅は、前記電圧検出手段で検出した電圧が目標電圧を超えた時に瞬時に0とされて、その後、前記目標電圧より小さくなった時は、徐々にオンデューティ幅が増加されることを特徴とする請求項6に記載の高電圧発生装置。
  8. 前記PWM信号のオンデューティ幅は、前記直流電圧の出力の開始時には、最大の時間幅に設定されることを特徴とする請求項6に記載の高電圧発生装置。
  9. 記録材に画像を形成するための画像形成手段と、
    トランスと、前記トランスを駆動するスイッチング手段と、前記スイッチング手段を駆動するための駆動信号を生成する信号生成手段と、前記トランスからの出力電圧を整流して直流電圧を出力する整流手段と、前記直流電圧を検出する電圧検出手段とを備え、前記画像形成手段に高電圧を印加する高圧電源とを有し、
    前記高圧電源は、
    前記直流電圧の目標電圧を設定する設定手段と
    前記電圧検出手段で検出した電圧と前記設定手段で設定した電圧に応じて前記駆動信号を帰還制御する帰還制御手段と、
    前記直流電圧の出力を開始してから前記目標電圧に達するまでの過渡状態の期間において、前記帰還制御手段による前記帰還制御を行うことなく、前記直流電圧を前記目標電圧に応じた変化量で立ち上げるように制御する出力制御手段と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記画像形成手段は、像担持体を帯電する帯電手段、又は、前記像担持体に形成されたトナー像を転写する転写手段を含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
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