JP2012030551A - 両面意匠性を持った積層板 - Google Patents

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Abstract

【課題】両面意匠性を持った積層板を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂製の板材からなる表基材21と、この表基材21と端部21a、22a同士が溶着される熱可塑性樹脂製の板材からなる裏基材22と、これらの表基材21と裏基材22との間に介在される熱可塑性発泡体からなる嵩上げ架橋材24と、この嵩上げ架橋材24とともに前記表基材21と裏基材22との間に設けられて剛性を高める補強部材25とからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用デッキボード等として好適に用いることが可能な積層板に関し、特に表面側及び裏面側の両方に使用可能な機能が付与されたリバーシブル性を有した積層板に関する。
車両用デッキボードとして好適な積層板が特許文献1に提案されている。
この特許文献1に提案されている積層板は、熱可塑性樹脂からなる表面シートと、熱可塑性樹脂からなる裏面シートと、これらの表面シートと裏面シート間に配置された発泡樹脂からなる嵩上げ架橋材と、剛性を向上させるための補強部材としてのアルミニウム製のリインフォースとから形成されている。
このような積層板を製造するには、裏面シートを予め加熱軟化させた状態で、キャビティーを有する上下に配置した一対の金型のうちの下方の金型に真空吸引させながら下方の金型の内面形状を真空賦形させ、真空賦形させた裏面シートの所定の位置に発泡樹脂(嵩上げ架橋材)とリインフォースとを載置し、その上に予め加熱軟化させた状態で表面シートを配置し、上下の金型を型締めすることで裏面シートと表面シートの外周縁部を溶着する。これにより積層板が形成される。
この積層板では、リインフォースが熱可塑性樹脂からなる表面シートと裏面シートとの間に介在することによって強度剛性を高めることができ、成形後の歪みを抑制できる。
また、このように強度、剛性を高めることができるので、デッキボードを車両から取り外して、キャンプ等において椅子代わりに使用したり、或いは荷物等の物体を置く台にしたりすることによりデッキボードとしての機能以外に用いることができる。
特開2008−247003号公報
積層板においては、デッキボードとしての表面側を意匠面とする必要があり、このため熱可塑性樹脂製の板材の表面に不織布が積層されている。このように積層された不織布は細かな塵やごみが付着し易く使い勝手が悪い。このため、裏面側をデッキボードとしての機能以外に使用するが、デッキボードの裏面側は本来表面側として使用しないため意匠性に欠けている。
従来は、デッキボードの強度は図るために、裏面側に凹凸面を設けて強度UPを図るが、この場合は、裏面側を車両内装として使用する目的がないので、形状がフラットでなくても問題にならず、また意匠性が多少落ちても何ら問題は無かった。(表側が車室内側になり、裏面側は通常車体パネル側に設置されるもので、特に裏面側に意匠性の向上は要求されなかった。)
また、デッキボードとしての表面側を意匠面として使用する要求があり、このため熱可塑性樹脂製の板材の表面に不織布が積層されている。このように積層された不織布は細かな塵やごみが付着し易く使い勝手が悪い。このため、裏面側をデッキボードとしての機能以外に使用するが、裏面側は本来表面側として使用しないため意匠性に欠けていた。
そこで、本発明は、フロアーのデッキボードとして十分な強度を保ち、形状がほぼフラットで、表裏両面使用出来るようにする事で、ユーザの使用用途に十分応える事が出来るようにしたものであり、アウトドアのレジャー時等は、通常裏面側のTPO・PP面を表側にする事で、水滴・砂・泥がデッキボードに付着しても容易に掃除する事が出来る両面意匠性を持った積層板の提供を目的とする。
請求項1記載の発明の両面意匠性を持った積層板は、熱可塑性樹脂製の板材からなる表基材と、この表基材と端部同士が溶着される熱可塑性樹脂製の板材からなる裏基材と、これらの表基材と裏基材との間に介在される熱可塑性発泡体からなる嵩上げ架橋材と、この嵩上げ架橋材とともに前記表基材と裏基材との間に設けられて剛性を高める補強部材とからなることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の両面意匠性を持った積層板であって、少なくとも前記表基材の表面側或いは前記裏基材の表面側の少なくとも一方に不織布が積層されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の両面意匠性を持った積層板であって、少なくとも前記表基材の表面側或いは前記裏基材の表面側の少なくとも一方に表皮材が積層され、該表皮材は絞模様が形成された熱可塑性シートと不織布とを熱溶着して形成され、該表皮材は、微細な孔が複数形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の両面意匠性を持った積層板であって、前記表皮材が積層された基材と反対側の基材の表面に、不織布を積層したことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の両面意匠性を持った積層板であって、前記裏基材の熱可塑性樹脂板の内側あるいは前記表基材の熱可塑性樹脂板の内側のいずれか一方に、前記熱可塑性樹脂板と前記嵩上げ架橋部材及び補強部材との間に熱可塑性樹脂発泡シートが介在され、少なくとも裏基材の表面側或いは表基材の表面側のいずれか一方の片面には、型成型による絞模様が転写されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、表基材と裏基材との間に嵩上げ架橋材及び補強部材を設けることにより表基材と裏基材とが間隔を有して対向した積層板となる。請求項1記載の発明において、表基材及び裏基材が意匠性を持っており、表基材に代えて裏基材を使用することができ、リバーシブルの使用が可能となる。
請求項2記載の発明によれば、表基材の表面側又は裏基材の表面側に不織布を積層することにより表裏の基材に意匠性を持たせることができるため、表基材に代えて裏基材を用いることができる。
また、一般的な使い方(買い物・通勤)の場合は、表側(不織布面)を使用し、レジャー(アウトドア・キャンプ等の場合は、裏面(PP)にし、砂や泥が付着しても簡単に掃除することが可能であり、用途の応じて、デッキボードとして使い分けが出来る。
請求項3記載の発明によれば、絞模様が形成された熱可塑性シートと不織布とを熱溶着して表皮材が形成され、この表皮材が表基材の表面側又は裏基材の表面側に積層されるため、表基材及び裏基材の両方に意匠性を持たせることができる。
また、表皮材を使用することにより、レジャー等のウォッシャブルに対応可能となる。
請求項4記載の発明によれば、表皮材が積層された基材に対し、反対側の基材の表面に不織布を積層することにより、表皮材が積層された基材及び反対側の基材の双方の表面に意匠性を持たせることができ、表基材に代えて裏基材を使用することが可能となる。
また、一般的な使い方(買い物・通勤)の場合は、表側(不織布面)を使用し、レジャー(アウトドア・キャンプ等の場合は、裏面(PP)にし、砂や泥が付着しても簡単に掃除することが可能であり、用途の応じて、デッキボードとして使い分けが出来る。
また、フロアーのデッキボードとして十分な強度を保ち、形状がほぼフラットで、表裏両面使用出来るようにする事で、ユーザの使用用途に十分応える事が出来るようにしたものであり、アウトドアのレジャー時等は、通常裏面側のTPO・PP面を表側にする事で、水滴・砂・泥がデッキボードに付着しても容易に掃除する事が出来、両面意匠性を持った積層板とすることができる。
請求項5記載の発明によれば、表基材又は裏基材のいずれか一方の片面に絞模様が形成されるため、意匠性を持たせることができる。これに加えて、表基材又は裏基材のいずれか一方の基材と、嵩上げ架橋材及び補強部材との間に熱可塑性樹脂発泡シートが介在することにより、基材と嵩上げ架橋材及び補強部材とが直接に接触することがない。従って、嵩上げ架橋材及び補強部材の熱伝導率が異なっていても、熱伝導率の差に影響されることなく基材の全体が均一に収縮する製造が可能となる。このため、基材の表面にスジむらが発生することがなく、良好な意匠性を持った積層板とすることができる。
本発明の第1実施形態の積層板を示す断面図である。 積層板を成形するための金型を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の積層板を示す断面図である。 本発明の第3実施形態の積層板を示す断面図である。 本発明の第4実施形態の積層板を示す断面図である。 本発明の第5実施形態の積層板を示す断面図である。 本発明の第6実施形態の積層板を示す断面図である。 本発明の第7実施形態の積層板を示す断面図である。 本発明の第8実施形態の積層板を示す断面図である。 本発明の第9実施形態の積層板を示す断面図である。 本発明の第10実施形態の積層板を示す断面図である。 本発明の積層板としての車両用デッキボードが搭載された車両の後部側を示す車載搭載図である。 本発明の積層板としての車両用デッキボードを示す斜視図である。
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。なお、各実施形態において、同一の部材には同一の符号を付して対応させてある。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の積層1を示す断面図、図2は、積層板1を成形する金型を示す断面図である。
積層板1は、図13に示す車両用デッキボー45ドとして用いられる。車両用デッキボード45は、図12に示す自動車46のラゲッジルーム47を覆うように用いられるものである。
積層板1は、表基材21と、表基材21と対向するように設けられた裏基材22と、これらの表基材21及び裏基材22の間に介在した嵩上げ架橋材24及びリインフォース25とを備えている。
表基材21及び裏基材22は、共に熱可塑性樹脂製の板材によって形成されている。これらの基材21,22の熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンが用いられる。
嵩上げ架橋材24は、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂発泡成形体(EPP)によってブロック状に形成されている。嵩上げ架橋材24は表基材21及び裏基材22の間に介在することにより、これらの基材21,22を支持するものである。リインフォース25は、表基材21及び裏基材22の間に介在して積層板1の剛性を高めるものである。リインフォース25は、断面H字形に形成されたアルミニウム或いはアルミニウム合金が用いられる。嵩上げ架橋材24及びリインフォース25は、同じ高さとなるように形成されている。又、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25は、表基材21及び裏基材22の間に複数が並べられた状態で配置される。
積層板1は、表基材21と裏基材22との間に嵩上げ架橋材24及びリインフォース25を介在させた状態で表基材21の端部21a及び裏基材22の端部22aを相互に溶着させることにより形成される。
積層板1は、第1の工程、第2の工程、第3の工程及び第4の工程を経ることにより製造される。図2は積層板1の製造に用いられる金型を示し、金型はキャビティを有する上下に配置された一対の金型31、32を有している。ここで金型31は下型であり、金型32は上型である。この実施形態において、これらの金型31,32のそれぞれの内面31a、32aには、絞模様が形成されている。
第1の工程においては、その準備工程として、表基材21及び裏基材22を加熱軟化させる。第1の工程では、加熱軟化させた一方の基材(表基材21)を下型31に真空吸引しながら下型31の内面形状に真空賦形する。この真空賦形により、表基材21の表面側には下型31の内面の絞模様が転写される。これにより表基材21の表面側に意匠性が付与される。
第2の工程では、真空賦形された表基材21の所定位置に対して、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25を配置する。
第3の工程においては、予め加熱軟化させた裏基材22を嵩上げ架橋材24及びリインフォース25の上面に配置する。
第4の工程においては、下型31及び上型32をそれぞれ真空吸引しながら型締めする。これにより、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25の上面に配置された裏基材22を上型32の内面形状に真空賦形させる。上型32の内面には、絞模様が形成されているから、この真空賦形により裏基材22の表面側にも絞模様が施される。これにより、表基材21の表面側だけでなく裏基材22の表面側にも絞模様が付与され、表基材21だけでなく裏基材22にも意匠性が付与される。
第4の工程においては、上述した真空賦形と同時に表基材21及び裏基材22の内部に圧縮空気を注入してブロー成形する。このブロー成形により、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25を表基材21及び裏基材22に溶着して固定する。これと同時に、表基材21及び裏基材22の端部21a,22aを溶着すると共に溶着した端部の周辺部を切り離す。
以上により、車両用デッキボードに用いられる積層板1が製造される。
このような第1実施形態によれば、表基材21の表面側及び裏基材22の表面側に絞模様が形成されるため、表基材21だけでなく裏基材22にも意匠性が付与された両面意匠を持った積層板1とすることができる。従って、裏基材22を表基材21に代えて用いることができ、リバーシブルな積層板1とすることができる。
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態の積層板2を示す。第2実施形態の積層板2は、第1実施形態の積層板1に対し不織布35が加えられている。
不織布35は、表基材21の表面側(露出面側)の略全体に積層されることにより表基材21の表面側に意匠性を付与している。不織布35としては、ポリプロピレンとポリエチレンテレフタレート(PET)と低密度PETとを一種類以上混合した材料が用いられ、この材料が150g/mの目付け量のものが用いられる。不織布35は積層板2の製造の際、不織布35が有するアンカー効果によって表基材21の表面側に貼り合わせられるものである。このように表基材21の表面側に不織布35が積層されることにより、この実施形態の表基材21の表面側には絞模様を形成する必要がない。
なお、この実施形態の積層板2において、裏基材22の表面側には、第1実施形態の積層板1と同様に絞模様が施されるものである。
この実施形態の積層板2の製造は、第1実施形態と同様に、第1の工程、第2の工程、第3の工程及び第4の工程によって行われる。
第1の工程においては、加熱軟化された表基材21を不織布35上に載置した状態でこれらを下型31に載置して真空賦形する。この真空賦形の際に、不織布35のアンカー効果によって表基材21の表面側に不織布35が貼り合わせられる。
第2の工程においては、真空賦形された表基材21の所定位置に嵩上げ架橋材24及びリインフォース25を配置する。第3の工程においては、加熱軟化させた裏基材22を嵩上げ架橋材24及びリインフォース25の上面に配置する。
第4の工程においては、金型31、32のそれぞれ真空吸引しながら型締めし、裏基材22を上型32の内面形状に真空賦形させる。この真空賦形により、上型32の内面形状32aに形成されている絞模様が裏基材22の表面側に転写される。この絞模様の転写により、裏基材22の表面側に意匠性が付与される。
第4の工程においては、裏基材22の真空賦形と同時に、表基材21及び裏基材22の内部に圧縮空気を注入しながら、これらの基材21、22と嵩上げ架橋材24及びリインフォース25とを溶着し、かつ、表基材21の端部21a及び裏基材22の端部22aを溶着した端部の周辺部を切り離す。この切り離しの際においては、不織布35の周辺部も同時に切り離される。
以上により、車両用デッキボードに用いられる積層板2が製造される。
このような第2実施形態によれば、表基材21の表面側に不織布35を積層することにより表基材21に意匠性を付与することができる一方、裏基材22の表面側に絞模様を形成することにより裏基材22に意匠性を付与することができる。このため、表基材21及び裏基材22の両方が意匠性を持った状態となり、表基材21に代えて裏基材22を用いることが可能となる。
なお、この実施形態においては、裏基材22の表面側に不織布を積層する一方、表基材21の表面側に絞模様を形成しても良い。
[第3実施形態]
図4は、本発明の第3実施形態の積層板3を示す。
この実施形態の積層板3は、第2実施形態の積層板2に加え、裏基材22の表面側の略全体に不織布36が積層されている。すなわち、表基材21の表面側に不織布35が積層されると共に、裏基材22の表面側に不織布36が積層されるものである。不織布36としては、不織布35と同様に、ポリプロピレンとポリエチレンテレフタレート(PET)と低密度PETとを一種類以上混合した材料を150g/mの目付け量で用いることができる。
不織布36を裏基材22の表面側に積層することにより、裏基材22の表面側に意匠性が付与される。このように表基材21の表面側に不織布35が積層され、裏基材22の表面側に不織布36が積層されることにより、表基材21の表面側及び裏基材22の表面側に対して絞模様を形成する必要がない。従って、成形を行う上下の金型31、32の内面に絞模様を形成する必要がなくなる。
この実施形態の積層板3の製造は、第2実施形態の積層板2の製造と同様の工程により行うことができるが、第3の工程においては、予め加熱軟化された裏基材22に不織布36を重ね合わせた状態でこれらを嵩上げ架橋材24及びリインフォース25の上面に配置する。
第4の工程においては、一対の金型31、32をそれぞれ真空吸引しながら型締めすることにより裏基材22を上型32の内面形状に真空賦形させる。この真空賦形の際には、不織布36のアンカー効果により裏基材22の表面側に不織布36が貼り合わせられ、裏基材22の表面側に意匠性が付与される。
このような第3実施形態によれば、表基材21の表面側に不織布35を積層することにより表基材21に意匠性を付与することができ、裏基材22の表面側に不織布36を積層することにより裏基材22の表面側に意匠性を付与することができる。これにより、表基材21及び裏基材22の両方が意匠性を持った状態となり、表基材21に代えて裏基材22を用いることが可能となる。
[第4実施形態]
図5は、本発明の第4実施形態の積層板4を示す。
この実施形態の積層板4は、表基材21の表面側の略全体に表皮材37が積層されている。これに対し、裏基材22には、表皮材37が積層されることなく、第1実施形態と同様に絞模様が表面側に形成されるものである。
表皮材37は、表基材21側に設けられた不織布38と、不織布38を被覆する熱可塑性シート39とによって形成されている。
不織布38は、第2実施形態及び第3実施形態の不織布35、36と同様の不織布が用いられる。
熱可塑性シート39は、表面側に絞模様が形成された熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)又は熱可塑性ポリ塩化ビニル(PVC)が用いられる。この熱可塑性シート39は、表面側に微細な孔が形成されることにより、真空賦形するとき、表皮材37と表基材21との間にできるエア溜まりを抑えて熱可塑性シート39の絞形状を保持しながら溶着することができる。このような絞模様が形成された熱可塑性シート39を表基材21の表面側に設けることにより、表基材21の表面側には絞模様が形成された状態となり、表基材21の表面側に意匠性を付与することができる。
この実施形態の積層板4の製造は、第1実施形態における第1の工程〜第4の工程に準じて行われる。
第1の工程においては、加熱軟化させた表基材21を下型31に吸引させながら下型31の内面形状に真空賦形する。この場合、表基材21の表面側(下型31側)には、不織布38及び熱可塑性シート39からなる表皮材37が積層されており、この積層状態で表基材21が下型31に載置されて真空賦形される。この真空賦形においては、不織布38のアンカー効果により表基材21と熱可塑性シート39とが相互に貼り合わせられる。
第2の工程においては、表基材21の上面の所定位置に嵩上げ架橋材24及びリインフォース25を載置し、第3の工程においては、表基材21に載置された嵩上げ架橋材24とリインフォース25に対し、裏基材22をこれらの上面に配置する。第4の工程においては、金型31、32をそれぞれ真空吸引しながら型締めし、裏基材22を上型32の内面形状に真空賦形させる。この真空賦形においては、上型32の内面32aに形成された絞模様が裏基材22の表面側に転写される。これにより、裏基材22の表面側に意匠性が付与される。
このような第4実施形態によれば、表基材21に積層された表皮材37の熱可塑性シート39の絞模様により、表基材21の表面側に意匠性が付与される一方、裏基材22には上型32の絞模様が転写されて裏基材22の表面側に意匠性が付与される。従って、表基材21及び裏基材22の両方が意匠性を持った状態となり、表基材21に代えて裏基材22を用いることが可能となる。
なお、この実施形態においては、裏基材22の表面側に対して不織布38及び熱可塑性シート39からなる表皮材38を積層する一方、表基材21の表面側に絞模様を形成しても良い。
[第5実施形態]
図6は、本発明の第5実施形態の積層板5を示す。
この実施形態の積層板5においては、第4実施形態の積層板4と同様に表基材21の表面側の略全体に不織布38及び熱可塑性シート39からなる表皮材37が積層される。これに加えて、裏基材22の表面側にも表皮材37が略全体に積層されるものである。
裏基材22の表面側の表皮材37は、第4実施形態の表皮材37と同様に、裏基材22側の不織布38と、不織布38を被覆する絞模様付きの熱可塑性シート39とによって形成されており、熱可塑性シート39には表面側に微細な孔が形成されている。
この実施形態の積層板5の製造においては、その第3の工程において、不織布38及び熱可塑性シート39からなる表皮材37を裏基材22に積層した状態で嵩上げ架橋材24及びリインフォース25の上面に配置する。そして、第4工程においては、下型31及び上型32をそれぞれ真空吸引しながら型締めする。この型締めにより、裏基材22を上型32の内面形状に真空賦形させ、この真空賦形の際に、不織布38のアンカー効果により裏基材22と熱可塑性シート39とが貼り合わせられる。これにより、裏基材22の表面側に熱可塑性シート39の絞模様が設けられ、裏基材22に意匠性が付与される。
このような第5実施形態によれば、表基材21に積層された表皮材37の熱可塑性シート39の絞模様により、表基材21の表面側に意匠性が付与されると共に、裏基材22に積層された表皮材37の熱可塑性シート39の絞模様により、裏基材22の表面側に意匠性が付与される。従って、表基材21及び裏基材22の両方が意匠性を持った状態となり、表基材21に代えて裏基材22を用いることが可能となる。
[第6実施形態]
図7は、本発明の第6実施形態の積層板6を示す。
積層板6においては、第4実施形態の積層板4と同様に、不織布38及び熱可塑性シート39からなる表皮材37が表基材21の表面側の略全体に積層されている。これにより、表基材21の表面側に熱可塑性シート39の絞模様が形成され、表基材21に意匠性が付与されている。又、第3実施形態の積層板3と同様に裏基材22の表面側に不織布36が積層されている。不織布36を積層することにより、裏基材22に意匠性が付与されている。
このような第6実施形態によれば、表基材21に積層された表皮材37の熱可塑性シート39の絞模様により、表基材21の表面側に意匠性が付与されると共に、裏基材22に積層された不織布36により、裏基材22に意匠性が付与される。これにより表基材21及び裏基材22の両方が意匠性を持った状態となり、表基材21に代えて裏基材22を用いることが可能となる。
なお、この実施形態においては、表基材21に不織布を積層する一方、裏基材22に対して不織布38及び熱可塑性シート39からなる表皮材37を積層しても良い。
[第7実施形態]
図8は、本発明の第7実施形態の積層板7を示す。
この実施形態の積層板7においては、裏基材22の裏面側に熱可塑性樹脂発泡シート41が設けられる。その他の構成は第1実施形態と同様であり、表基材21の表面側には、絞模様が形成される。
熱可塑性樹脂発泡シート41は、ポリプロピレン発泡シート(PPF)からなり、端部22aを除く裏基材22の裏面側の略全体に積層されており、その下に嵩上げ架橋材24及びリインフォース25が配置される。すなわち、熱可塑性樹脂発泡シート41は、裏基材22と、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25との間に設けられるものである。このように熱可塑性樹脂発泡シート22を裏基材22と、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25との間に設けることにより、裏基材22と、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25とが直接に接触することを阻止するようになっている。熱可塑性樹脂発泡シート41は、予め片側に粘着加工が施されており、この加工面側に嵩上げ架橋材24及びリインフォース25が接着される。
この実施形態の積層板7の製造は、第1実施形態における第1の工程〜第4の工程に準じて行われる。又、下型31及び上型32としては、その内面に絞模様が形成された金型が使用される。
第1の工程では、加熱軟化させた表基材21を下型31に真空吸引しながら下型31の内面形状に真空賦形する。この真空賦形により、表基材21の表面側に下型31の内面の絞模様が転写され、表基材21の表面側に意匠性が付与される。
第2の工程では、真空賦形された表基材21に対して、嵩上げ架橋材24、リインフォース25及び熱可塑性樹脂発泡シート41を配置する。すなわち、熱可塑性樹脂発泡シート41と嵩上げ架橋材24とリインフォース25とが接着された状態で熱可塑性樹脂発泡シート41を上面にして所定の位置に配置する。熱可塑性樹脂発泡シート41は裏基材22に臨んでおり、裏基材22の裏面側に熱溶着されるようになっている。
第3の工程においては、予め加熱軟化させた裏基材22を熱可塑性樹脂発泡シート41の上面に配置する。
第4の工程においては、下型31及び上型32をそれぞれ真空吸引しながら型締めする。これにより、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25の上面に配置された裏基材22を上型32の内面形状に真空賦形させる。上型32の内面には、絞模様が形成されているから、この真空賦形により裏基材22の表面側にも絞模様が施される。これにより、表基材21の表面側だけでなく裏基材22の表面側にも絞模様が付与され、表基材21だけでなく裏基材22にも意匠性が付与される。
第4の工程においては、上述した真空賦形と同時に表基材21及び裏基材22の内部に圧縮空気を注入してブロー成形する。このブロー成形により、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25を表基材21及び裏基材22下面の熱可塑性樹脂発泡シート41に溶着して固定する。これと同時に、表基材21及び裏基材22の端部21a,22aを溶着すると共に溶着した端部の周辺部を切り離す。
以上により、車両用デッキボードに用いられる積層板7が製造される。
このような第7実施形態によれば、表基材21の表面側及び裏基材22の表面側に絞模様が形成されるため、表基材21だけでなく裏基材22にも意匠性が付与された両面意匠を持った積層板1とすることができる。
又、裏基材22と嵩上げ架橋材4及びリインフォース5との間に熱可塑性樹脂発泡シート41が介在しているため、裏基材22と嵩上げ架橋材4及びリインフォース5とが直接に接触することがない。このため、嵩上げ架橋材4及びリインフォース5の熱伝導率が異なっていても熱伝導率の差に影響されることなく、裏基材22の全体が均一に収縮する。裏基材22の全体が均一に収縮することにより、裏基材22にスジむらが発生することを抑制できる。これにより裏基材22に良好な意匠性を付与することができ、積層板7の商品価値を向上させることができる。
なお、この実施形態においては、熱可塑性樹脂発泡シート41を表基材21の裏面側と、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25との間に配置しても良い。
[第8実施形態]
図9は、本発明の第8実施形態の積層板8を示す。
この実施形態の積層板8においては、熱可塑性樹脂発泡シート41、42が裏基材21の裏面側及び表基材22の裏面側の両方に設けられる。すなわち、裏基材21においては、その裏面側の略全体と、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25との間に熱可塑性樹脂発泡シート41が配置され、表基材22においては、その裏面側の略全体と、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25との間に熱可塑性樹脂発泡シート42が配置されるものである。表基材22側の熱可塑性樹脂発泡シート42は、裏基材21側の熱可塑性樹脂発泡シート41と同様のポリプロピレン発泡シート(PPF)が使用される。
この実施形態の積層板8の製造は、第7実施形態における第1の工程〜第4の工程に準じて行われ、下型31及び上型32としては、その内面に絞模様が形成された金型が使用される。
第1の工程では、加熱軟化させた表基材21を下型31に真空吸引しながら下型31の内面形状に真空賦形する。この真空賦形により、表基材21の表面側に下型31の内面の絞模様が転写され、表基材21の表面側に意匠性が付与される。
第2の工程では、真空賦形された表基材21に対して、嵩上げ架橋材24、リインフォース25及び熱可塑性樹脂発泡シート41,42を配置する。すなわち、熱可塑性樹脂発泡シート41及び42の間に挟まれるように嵩上げ架橋材24とリインフォース25とがこれらの発泡シート41,42に接着され、この状態で熱可塑性樹脂発泡シート41を上面、熱可塑性樹脂発泡シート42を下面にして所定の位置に配置する。ここで、熱可塑性樹脂発泡シート41は裏基材22の裏面側に熱溶着され、熱可塑性樹脂発泡シート42は表基材21の裏面側に熱溶着されるものである。
第3の工程においては、予め加熱軟化させた裏基材22を熱可塑性樹脂発泡シート41の上面に配置する。
第4の工程においては、下型31及び上型32をそれぞれ真空吸引しながら型締めする。これにより、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25の上面に配置された裏基材22を上型32の内面形状に真空賦形させる。上型32の内面には、絞模様が形成されているから、この真空賦形により裏基材22の表面側にも絞模様が施される。これにより、表基材21の表面側だけでなく裏基材22の表面側にも絞模様が付与され、表基材21だけでなく裏基材22にも意匠性が付与される。
第4の工程においては、上述した真空賦形と同時に表基材21及び裏基材22の内部に圧縮空気を注入してブロー成形する。このブロー成形により、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25を表基材21側の熱可塑性樹脂発泡シート42及び裏基材22側の熱可塑性樹脂発泡シート41に溶着して固定する。これと同時に、表基材21及び裏基材22の端部21a,22aを溶着すると共に溶着した端部の周辺部を切り離す。
以上により、車両用デッキボードに用いられる積層板8が製造される。
このような第8実施形態によれば、第7実施形態と同様に、表基材21の表面側及び裏基材22の表面側に絞模様が形成されるため、表基材21だけでなく裏基材22にも意匠性が付与された両面意匠を持った積層板1とすることができる。
又、裏基材22と嵩上げ架橋材4及びリインフォース5との間に熱可塑性発泡シート41が介在する一方、表基材22と嵩上げ架橋材24及びリインフォース25との間に熱可塑性樹脂発泡シート42が介在しているため、裏基材22及び表基材21の両方が嵩上げ架橋材4及びリインフォース5に直接に接触することがない。このため、嵩上げ架橋材4及びリインフォース5の熱伝導率が異なっていても熱伝導率の差に影響されることなく、裏基材22及び表基材21の両方全体が均一に収縮する。そして、このように裏基材22及び表基材21の全体が均一に収縮することにより、裏基材22及び表基材21の両方にスジむらが発生することを抑制できる。これにより裏基材22及び表基材21の両方に良好な意匠性を付与することができ、積層板8の商品価値を向上させることができる。
[第9実施形態]
図10は、本発明の第9実施形態の積層板9を示す。
この実施形態の積層板9においては、裏基材21の裏面側に第7実施形態と同様に、熱可塑性樹脂発泡シート41が配置されている。熱可塑性樹脂発泡シート41は、端部22aを除く裏基材22の裏面側の略全体に積層されており、その下に嵩上げ架橋材24及びリインフォース25が配置される。これにより熱可塑性樹脂発泡シート41は、裏基材22と、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25との間に設けられる。このように熱可塑性樹脂発泡シート22を裏基材22と、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25との間に設けることにより、裏基材22と、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25とが直接に接触することを阻止するようになっている。なお、この実施形態においても、裏基材22の表面側には、絞模様が施されるものである。
以上に加えて、この実施形態においては、表基材21の表面側の略全体に不織布35が積層されている。不織布35は、第2実施形態と同様の不織布が用いられるものであり、ポリプロピレンとポリエチレンテレフタレート(PET)と低密度PETとを一種類以上混合した材料が用いられ、この材料が150g/mの目付け量で用いられる。不織布35は積層板2の製造の際、不織布35が有するアンカー効果によって表基材21の表面側に貼り合わせられるものである。このように不織布35が表基材21の表面側に積層されることにより表基材21の表面側に意匠性が付与される。そして、このように表基材21の表面側に不織布35が積層されることにより、この実施形態の表基材21の表面側には絞模様を形成する必要がない。
この実施形態の積層板9の製造における第1の工程では、加熱軟化された表基材21を不織布35上に載置した状態でこれらを下型31に載置して真空賦形する。この真空賦形の際に、不織布35のアンカー効果によって表基材21の表面側に不織布35が貼り合わせられる。不織布35が貼り合わせられることにより、表基材21の表面側に意匠性が付与される。
第2の工程では、真空賦形された表基材21に対して、嵩上げ架橋材24、リインフォース25及び熱可塑性樹脂発泡シート41を配置する。すなわち、熱可塑性樹脂発泡シート41と嵩上げ架橋材24とリインフォース25とが接着された状態で熱可塑性樹脂発泡シート41を上面にして所定の位置に配置する。
第3の工程においては、予め加熱軟化させた裏基材22を熱可塑性樹脂発泡シート41の上面に配置する。
第4の工程においては、下型31及び上型32をそれぞれ真空吸引しながら型締めする。これにより、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25の上面に配置された裏基材22を上型32の内面形状に真空賦形させる。上型32の内面には絞模様が形成されており、真空賦形により裏基材22の表面側に絞模様が転写され、裏基材22に意匠性が付与される。
第4の工程においては、上述した真空賦形と同時に表基材21及び裏基材22の内部に圧縮空気を注入してブロー成形する。このブロー成形により、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25を表基材21及び裏基材22下面の熱可塑性樹脂発泡シート41に溶着して固定する。これと同時に、表基材21及び裏基材22の端部21a,22aを溶着すると共に溶着した端部の周辺部を切り離す。
以上により、車両用デッキボードに用いられる積層板9が製造される。
このような第9実施形態によれば、表基材21の表面側に不織布35が積層されることにより表基材21に意匠性が付与される一方、裏基材22の表面側に絞模様が形成されることにより裏基材22にも意匠性が付与された両面意匠を持った積層板とすることができる。
又、裏基材22と嵩上げ架橋材4及びリインフォース5との間に熱可塑性樹脂発泡シート41が介在しているため、裏基材22と嵩上げ架橋材4及びリインフォース5とが直接に接触することがない。このため、嵩上げ架橋材4及びリインフォース5の熱伝導率が異なっていても熱伝導率の差に影響されることなく、裏基材22の全体が均一に収縮する。このように裏基材22の全体が均一に収縮することにより、裏基材22にスジむらが発生することを抑制できる。これにより裏基材22に良好な意匠性を付与することができ、積層板9の商品価値を向上させることができる。
[第10実施形態]
図11は、本発明の第10実施形態の積層板10を示す。
この実施形態の積層板10においては、裏基材21の裏面側に第7実施形態及び第9実施形態と同様に、熱可塑性樹脂発泡シート41が配置されている。熱可塑性樹脂発泡シート41は、端部22aを除く裏基材22の裏面側の略全体に積層されており、その下に嵩上げ架橋材24及びリインフォース25が配置される。これにより熱可塑性樹脂発泡シート41は、裏基材22と、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25との間に設けられる。このように熱可塑性樹脂発泡シート22を裏基材22と、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25との間に設けることにより、裏基材22と、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25とが直接に接触することを阻止するようになっている。なお、この実施形態においても、裏基材22の表面側には、絞模様が施されるものである。
以上に加えて、この実施形態の積層板10においては、表基材21の表面側の略全体に表皮材37が積層されている。表皮材37は第4実施形態と同様に、表基材21側に設けられた不織布38と、不織布38を被覆する熱可塑性シート39とによって形成されている。
不織布38は、第2実施形態と同様に、ポリプロピレンとポリエチレンテレフタレート(PET)と低密度PETとを一種類以上混合した材料が用いられ、この材料が150g/mの目付け量で用いられる。
熱可塑性シート39は、表面側に絞模様が形成された熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)又は熱可塑性ポリ塩化ビニル(PVC)が用いられる。熱可塑性シート39は、表面側に微細な孔が形成されることにより、真空賦形するとき、表皮材37と表基材21との間にできるエア溜まりを抑えて熱可塑性シート39の絞形状を保持しながら溶着することができる。このような絞模様が形成された熱可塑性シート39を表基材21の表面側に設けることにより、表基材21の表面側には絞模様が形成された状態となり、表基材21の表面側に意匠性を付与することができる。
この実施形態の積層板10の製造における第1の工程では、加熱軟化させた表基材21を下型31に吸引させながら下型31の内面形状に真空賦形する。この場合、表基材21の表面側(下型31側)には、不織布38及び熱可塑性シート39からなる表皮材37が積層されており、この積層状態で表基材21が下型31に載置されて真空賦形される。この真空賦形においては、不織布38のアンカー効果により表基材21と熱可塑性シート39とが相互に貼り合わせられる。
第2の工程では、真空賦形された表基材21に対して、嵩上げ架橋材24、リインフォース25及び熱可塑性樹脂発泡シート41を配置する。すなわち、熱可塑性樹脂発泡シート41と嵩上げ架橋材24とリインフォース25とが接着された状態で熱可塑性樹脂発泡シート41を上面にして所定の位置に配置する。
第3の工程においては、予め加熱軟化させた裏基材22を熱可塑性樹脂発泡シート41の上面に配置する。
第4の工程においては、下型31及び上型32をそれぞれ真空吸引しながら型締めする。これにより、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25の上面に配置された裏基材22を上型32の内面形状に真空賦形させる。上型32の内面には絞模様が形成されており、真空賦形により裏基材22の表面側に絞模様が転写され、裏基材22に意匠性が付与される。
第4の工程においては、上述した真空賦形と同時に表基材21及び裏基材22の内部に圧縮空気を注入してブロー成形する。このブロー成形により、嵩上げ架橋材24及びリインフォース25を表基材21の裏面側及び裏基材22下面の熱可塑性樹脂発泡シート41に溶着して固定する。これと同時に、表基材21及び裏基材22の端部21a,22aを溶着すると共に溶着した端部の周辺部を切り離す。
以上により、車両用デッキボードに用いられる積層板10が製造される。
このような第10実施形態によれば、表基材21の表面側に表皮材37が積層されることにより表基材21に意匠性が付与される一方、裏基材22の表面側に絞模様が形成されることにより裏基材22にも意匠性が付与された両面意匠を持った積層板とすることができる。
又、裏基材22と嵩上げ架橋材4及びリインフォース5との間に熱可塑性樹脂発泡シート41が介在しているため、裏基材22と嵩上げ架橋材4及びリインフォース5とが直接に接触することがない。このため、嵩上げ架橋材4及びリインフォース5の熱伝導率が異なっていても熱伝導率の差に影響されることなく、裏基材22の全体が均一に収縮する。このように裏基材22の全体が均一に収縮することにより、裏基材22にスジむらが発生することを抑制できる。これにより裏基材22に良好な意匠性を付与することができ、積層板10の商品価値を向上させることができる。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10 積層板
21 表基材
21a 端部
22 裏基材
22a 端部
24 嵩上げ架橋材
25 リインフォース(補強材)
35 不織布
36 不織布
37 表皮材
38 不織布
39 熱可塑性シート
41,42 熱可塑性樹脂発泡シート

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂製の板材からなる表基材(21)と、この表基材(21)と端部(21a、22a)同士が溶着される熱可塑性樹脂製の板材からなる裏基材(22)と、これらの表基材(21)と裏基材(22)との間に介在される熱可塑性発泡体からなる嵩上げ架橋材(24)と、この嵩上げ架橋材(24)とともに前記表基材(21)と裏基材(22)との間に設けられて剛性を高める補強部材(25)とからなることを特徴とする両面意匠性を持った積層板(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10)。
  2. 請求項1記載の両面意匠性を持った積層板(2,3,9)であって、
    少なくとも前記表基材(21)の表面側或いは前記裏基材(22)の表面側の少なくとも一方に不織布(35,36)が積層されていることを特徴とする両面意匠性を持った積層板(2,3,9)。
  3. 請求項1記載の両面意匠性を持った積層板(4,5,6,10)であって、
    少なくとも前記表基材(21)の表面側或いは前記裏基材(22)の表面側の少なくとも一方に表皮材(37)が積層され、該表皮材(37)は絞模様が形成された熱可塑性シート(39)と不織布(38)とを熱溶着して形成され、該表皮材(37)は、微細な孔が複数形成されていることを特徴とする両面意匠性を持った積層板(4,5,6,10)。
  4. 請求項3記載の両面意匠性を持った積層板(6)であって、
    前記表皮材(37)が積層された基材と反対側の基材の表面に、不織布(36)を積層したことを特徴とする両面意匠性を持った積層板(6)。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の両面意匠性を持った積層板(7,8,9,10)であって、
    前記裏基材(22)の熱可塑性樹脂板の内側あるいは前記表基材(21)の熱可塑性樹脂板の内側のいずれか一方に、前記熱可塑性樹脂板(21,22)と前記嵩上げ架橋部材(24)及び補強部材(25)との間に熱可塑性樹脂発泡シート(41,42)が介在され、少なくとも裏基材(22)の表面側或いは表基材(21)の表面側のいずれか一方の片面には、型成型による絞模様が転写されていることを特徴とする両面意匠性を持った積層板(7,8,9,10)。
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