JP2016175269A - 樹脂成形品及び樹脂成形品の装着構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構造で端末部を封止できるとともに、外観品質及び強度を確保できる樹脂成形品を提供し、そのような樹脂成形品を被装着部材に優れた外観で装着するための樹脂成形品の装着構造を提供する。
【解決手段】樹脂成形品10は、発泡樹脂層11の表裏両面側に樹脂シート層13a,13bが配置された積層体からなり、本体部15と、本体部15の周縁に沿って設けられ裏面から裏側へ突出した端末部17と、を備え、端末部17では、本体部15の表裏両面側から連続した樹脂シート層13a,13b間が面状に溶着されている。樹脂成形品10の端末部17を被装着部材20に対向させるとともに、端末部17に囲まれる内側に取付手段27を配置して装着する。
【選択図】図2
【解決手段】樹脂成形品10は、発泡樹脂層11の表裏両面側に樹脂シート層13a,13bが配置された積層体からなり、本体部15と、本体部15の周縁に沿って設けられ裏面から裏側へ突出した端末部17と、を備え、端末部17では、本体部15の表裏両面側から連続した樹脂シート層13a,13b間が面状に溶着されている。樹脂成形品10の端末部17を被装着部材20に対向させるとともに、端末部17に囲まれる内側に取付手段27を配置して装着する。
【選択図】図2
Description
本発明は、発泡樹脂層の表面側と裏面側とに樹脂シート層が積層された積層体からなる樹脂成形品と、そのような樹脂成形品を被装着部材に装着した樹脂成形品の装着構造と、に関する。
従来、発泡樹脂層の両面に樹脂基材層が積層された積層体を用いた樹脂成形品として、例えば特許文献1に記載された車両の外板部材などが知られている。このような積層体では外周の端末部分の防水が必要であり、例えば特許文献2では端末部分をウレタン樹脂等で封止して防水性能を高めている。なお特許文献3には、発泡樹脂層の積層体ではないが、樹脂ルーフを外周の端末部分で車体の開口に装着するための構造が提案されている。
しかしながら、従来の発泡樹脂層を用いた樹脂成形品では、端末部分を利用して被装着部材に装着するには、種々の問題点があった。例えば引用文献1では、端末部分の防水及び外観品質を確保するために端末部分の封止が必要である上、端末部分で支持可能な程度の強度や剛性を確保する必要があった。また引用文献2では、端末部分の形成に手間を要していた。
さらに特許文献3では、樹脂ルーフを外周の端末部分で装着するために、端末部分と車体とに係止するモール、樹脂ルーフとモールとを接着する接着剤、モールと車体とを接着する接着剤が必要であり、モールにも、樹脂ルーフとの離間距離を確保するダム部、樹脂ルーフの端末を覆う意匠用ヒレ部や車体との隙間を覆う意匠用ヒレ部などが必要であり、複雑な構造となっていた。
そこで本発明の樹脂成形品は、発泡樹脂層を有する積層体の樹脂成形品において、簡素な構造で端末部を封止できるとともに、外観品質及び強度を確保できる樹脂成形品を提供することを第1の目的とし、そのような樹脂成形品を被装着部材に優れた外観で装着するための樹脂成形品の装着構造を提供することを第2の目的とする。
上記第1の目的を達成する本発明の樹脂成形品は、発泡樹脂層の表裏両面側に樹脂シート層が配置された積層体からなり、本体部と、本体部の周縁に沿って設けられ裏面から裏側へ突出した端末部と、を備え、端末部では、本体部の表裏両面側から連続した樹脂シート層間が面状に溶着されたものである。
端末部における樹脂シート層間の溶着部位と本体部との間には、溶着部位より厚肉の補強部が設けられているのが好適である。
端末部における樹脂シート層間の溶着部位と本体部との間には、溶着部位より厚肉の補強部が設けられているのが好適である。
上記第2の目的を達成する本発明の樹脂成形品の装着構造は、上記のような樹脂成形品を取付手段により被装着部材へ装着した樹脂成形品の装着構造であって、樹脂成形品の端末部を被装着部材に対向させるとともに、端末部に囲まれる内側に取付手段を配置した構造である。
被装着部材は、外部から視認される外表面部と、樹脂成形品に応じた形状で外表面部から凹ませた被装着面部と、を備え、樹脂成形品は、端末部が被装着面部と隙間を設けて取り付けられているのが好適である。
被装着部材は、外部から視認される外表面部と、樹脂成形品に応じた形状で外表面部から凹ませた被装着面部と、を備え、樹脂成形品は、端末部が被装着面部と隙間を設けて取り付けられているのが好適である。
本発明の樹脂成形品によれば、端末部が本体部の表裏両面側から連続した樹脂シート層間を面状に溶着したものであるため、簡素な構成で端末部を封止でき、また樹脂成形品の表面、側面及び端末部が本体部の表面から連続した樹脂シート層により構成できるため、優れた外観品質を確保できる。さらに端末部が本体部の周縁に沿って裏面から裏側へ突出して設けられているため、端末部により樹脂成形品の周縁を補強でき強度を向上できる。従って樹脂成形品において、簡素な構造で端末部を封止できるとともに、外観品質及び強度を確保できる樹脂成形品を提供することが可能である。
本発明の樹脂成形品の装着構造によれば、表面、側面及び端末部が連続した樹脂シート層により構成された樹脂成形品の端末部を被装着部材に対向させるとともに、端末部に囲まれる内側に取付手段を配置したので、外部からは取付手段は視認されず、被装着部材の外表面部と、樹脂成形品の表面、側面及び端末部に連続した樹脂シート層とが視認されるだけであり、優れた外観品質を確保できる。従って、樹脂成形品を被装着部材に優れた外観で装着するための樹脂成形品の装着構造を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図を用いて詳細に説明する。
本実施形態では、樹脂成形品の例として、車体のルーフパネルとして使用される樹脂成形品を用いて説明するが、本発明では樹脂成形品の用途、形状、大きさなどは何ら限定されない。
本実施形態では、樹脂成形品の例として、車体のルーフパネルとして使用される樹脂成形品を用いて説明するが、本発明では樹脂成形品の用途、形状、大きさなどは何ら限定されない。
本実施形態の樹脂成形品10は、図1に示すように、発泡樹脂層11の表裏両面側に第1及び第2樹脂シート層13a,13bが積層配置された積層体からなる。第1及び第2樹脂シート層13a,13bは発泡樹脂層11に付着した膜、フィルム、板などを含むものである。
発泡樹脂層11を構成する材料、及びこの発泡樹脂層11の表裏面側に配置される第1及び第2樹脂シート層13a,13bを構成する材料としては、第1及び第2樹脂シート層13a,13bの外側から局部的に加熱して加圧することで、樹脂シート層13a,13b間を溶着できる材料であればよい。
樹脂シート層13a,13b間を溶着できる材料とは、加熱された発泡樹脂層11が加圧されて移動することで第1樹脂シート層13aと第2樹脂シート層13bとが直接溶着されてもよく、加熱された発泡樹脂層11が加圧圧縮されて、第1樹脂シート層13aと発泡樹脂層11との間が溶着されるとともに、発泡樹脂層11と第2樹脂シート層13bとの間が溶着されてもよい。
この実施形態では、発泡樹脂層11並びに第1及び第2樹脂シート層13a,13bとして、積層体の周囲を支持した状態で、使用時に負荷される応力に対して変形が生じない程度の剛性を有する熱可塑性樹脂を使用している。
樹脂成形品10は、本体部15と、本体部15の外周周縁に沿って設けられた端末部17と、を備えており、この実施形態の場合、端末部17と本体部15との間に補強部19が設けられている。本体部15は、用途や使用位置に応じた適宜な形状に成形されたもので、本実施形態では装着される車体のルーフに適した板形状に成形されている。本体部15の表面及び裏面は、発泡樹脂層11が圧縮されていない状態で、第1及び第2樹脂シート層13a,13bが接合されて形成されている。本体部15の側面は、本体部15の表面から連続する第1樹脂シート層13aにより発泡樹脂層11の側面が被覆されて構成されている。
端末部17は、本体部15の裏面の第2樹脂シート層13bから裏側へ向けて突出して所定形状に成形されている。端末部17が本体部15の外周周縁に沿って形成されることで、本体部15の裏面側に端末部17で囲まれた内側空間が設けられている。
この端末部17では、本体部15の表面側と裏面側とから連続した第1及び第2樹脂シート層13a,13b間が面状に溶着されて溶着部位17aが形成されている。この端末部17では、第1及び第2樹脂シート層13a,13bが発泡樹脂層11とともに本体部15から連続しており、後述するように、発泡樹脂層11を介在させた状態のままで加熱及び加圧することで溶着されている。
溶着部位17aの厚みは、本体部15における第1及び第2樹脂シート層13a,13bの厚みの和程度、或いはそれ以下程度となっていてもよい。溶着部位17aでは、溶着された第1樹脂シート層13aと第2樹脂シート層13bの対向方向を、本体部15における第1樹脂シート層13aと第2樹脂シート層13bの対向方向に対して交差する方向としている。これにより本体部15における第1及び第2樹脂シート層13a、13b間に負荷される力に対して、溶着部位17aが剥離され難くしている。
端末部17における溶着部位17aと本体部15との間には、溶着部位17aより厚肉に形成された補強部19が設けられている。補強部19は端末部17で囲まれた内側空間に突出するように設けられており、第2樹脂シート層13bが本体部15から段差状に内側に突出して第1樹脂シート層13aとの間隙に発泡樹脂層11の樹脂が収容されている。補強部19に収容された発泡樹脂層11の樹脂は、本体部15の樹脂と同じ物性の状態でもよいが、溶着部位17aを形成する際、発泡樹脂層11が加熱圧縮されて移動して物性が変化した状態の樹脂であってもよい。
このような樹脂成形品10を成形する方法は、特に限定されないが、例えば図3に示すように、発泡樹脂層11の表裏両面側に第1及び第2樹脂シート層13a,13bが配置された積層体からなる基材Wを、樹脂成形品10に対応した形状の刃部35を備えた刃型31と受型2とで加圧して成形してもよい。その際、刃部35を加熱することで、刃先35aで切断するとともに刃先35aに隣接した押圧面35bで、切断端縁17eに隣接する部位を加熱及び加圧する。これにより端縁17eに隣接した溶着部位17aを形成することができる。
次に、このような樹脂成形品10を被装着部材に装着した装着構造について説明する。
この装着構造では、図2に示すように、上述のような樹脂成形品10を取付手段27により被装着部材20へ装着している。被装着部材20は、樹脂成形品10が装着される部材であり、本実施形態では車体のルーフ開口を構成する部材である。ここでは外部から視認されるサイドアウタからなる外表面部21と、レールリインフォース22と、サイドインナ23とが積層されて、溶接部24にて溶接されることで、外表面部21から凹ませた形状の内側フランジからなる被装着面部25が形成されている。この被装着面部25の形状、大きさ、深さに応じて、樹脂成形品10の形状、大きさ、厚みが設定されている。
この装着構造では、図2に示すように、上述のような樹脂成形品10を取付手段27により被装着部材20へ装着している。被装着部材20は、樹脂成形品10が装着される部材であり、本実施形態では車体のルーフ開口を構成する部材である。ここでは外部から視認されるサイドアウタからなる外表面部21と、レールリインフォース22と、サイドインナ23とが積層されて、溶接部24にて溶接されることで、外表面部21から凹ませた形状の内側フランジからなる被装着面部25が形成されている。この被装着面部25の形状、大きさ、深さに応じて、樹脂成形品10の形状、大きさ、厚みが設定されている。
樹脂成形品10は、このような被装着部材20に端末部17を対向させて装着されている。この実施形態では、端末部17が被装着部材20と隙間を設けるように取り付けられており、被装着面部25に対して樹脂成形品10の本体部15が所定距離に配置されている。また溶接部24のような外観品質を低下させる部位よりも外側で、端末部17が被装着面部25と隙間を設けるように取り付けられることで、その部位を被覆している。さらに樹脂成形品10の端末部17で囲まれた内側空間に接着剤からなる取付手段を配置して、本体部15の裏面側の第2樹脂シート層13bと被装着面部25との間を接着することで、取付手段27を被覆している。
以上のような樹脂成形品10によれば、端末部17が本体部15の表裏両面側から連続した第1及び第2樹脂シート層13a,13b間を面状に溶着したものであるため、簡素な構成で端末部17を封止でき、また樹脂成形品10の表面、側面及び端末部が本体部15の表面から連続した第1樹脂シート層13aにより構成できるため、優れた外観品質を確保できる。さらに端末部17が本体部15の周縁に沿って裏面から裏側へ突出して設けられているため、端末部17により樹脂成形品10の周縁を補強でき強度を向上できる。従って簡素な構造で端末部17を封止できるとともに、外観品質及び強度を確保できる樹脂成形品10が得られる。
端末部17における第1樹脂シート層13aと第2樹脂シート層13bとの間の溶着部位17aと本体部15との間には、溶着部位17aより厚肉の補強部19が設けられているので、本体部15と端末部17との間の強度や剛性を向上でき、本体部15から突出して設けられた端末部17の形状を維持し易くできる。
この樹脂成形品10の装着構造によれば、表面、側面及び端末部が連続した第1樹脂シート層13aを利用して構成された樹脂成形品10の端末部17を、被装着部材20に対向させるとともに、端末部17に囲まれる内側に取付手段27を配置したので、外部からは取付手段27は視認されず、被装着部材20の外表面部21と、樹脂成形品10の表面、側面及び端末部に連続した第1樹脂シート層13aとが視認されるだけであり、優れた外観品質を確保できる。従って、樹脂成形品10を被装着部材20に優れた外観で装着することができ、樹脂成形品10と被装着部材20との間をモールディングなどで被覆する必要がなく、構造を一層簡素化できる。
本実施形態の樹脂成形品10の装着構造によれば、被装着部材20が外表面部21と、この外表面部21から凹ませた被装着面部25と、を備えていて、樹脂成形品10は端末部17が被装着面部25と隙間を設けて取り付けられている。被装着部材20の外表面部21から凹ませた被装着面部25と樹脂成形品10の本体部15との間の距離を、樹脂成形品10の端末部17の幅により設定でき、被装着部材20の外表面部21と樹脂成形品10の本体部15との位置関係を良好にできる。しかも被装着部材20の外表面部21と樹脂成形品10との間の間隙から内部を視認しても、表面から連続した第1樹脂シート層13aだけが視認される。そのため、より優れた外観品質が得られる。
上記実施形態は本発明の範囲内において適宜変更可能である。
例えば上記実施形態では、端末部17が本体部15の外周周縁の全周に連続して設けられた例について説明したが、端末部17が本体部15の周縁における一部に設けられたものであってもよい。また本体部15に設けられた開口等の内周の周縁に端末部を設けたものであっても、本発明を適用することは可能である。
例えば上記実施形態では、端末部17が本体部15の外周周縁の全周に連続して設けられた例について説明したが、端末部17が本体部15の周縁における一部に設けられたものであってもよい。また本体部15に設けられた開口等の内周の周縁に端末部を設けたものであっても、本発明を適用することは可能である。
上記実施形態では、表面を構成する第1樹脂シート層13aと、裏面を構成する第2樹脂シート層13bと、両樹脂シート層13a,13b間に配置された発泡樹脂層11と、からなる三層構造の積層体について説明したが、特に限定されない。例えば他の層が両樹脂シート層13a,13b間或いは外側に積層されて四層以上の積層体であってもよい。
上記実施形態では、樹脂成形品10を被装着部材30へ取り付けるための取付手段として接着剤を用いたが、他の取付手段を用いることもできる。
上記実施形態の装着構造では、被装着部材20に外表面部21から凹ませて被装着面部25を設けたが、限定されるものではなく、外表面部と平坦に連続した被装着面部や突出した被装着面部に樹脂成形品10を取り付けてもよい。
W:基材
10:樹脂成形品
11:発泡樹脂層
13a:第1樹脂シート層
13b:第2樹脂シート層
15:本体部
17:端末部
17a:溶着部位
17e:端縁
19:補強部
20:被装着部材
21:外表面部
22:レールリインフォース
23:サイドインナ
24:溶接部
25:被装着面部
27:取付手段
30:成形装置
31:刃型
32:受型
35:刃部
35a:刃先
35b:押圧面
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Claims (4)
- 発泡樹脂層の表裏両面側に樹脂シート層が配置された積層体からなり、
本体部と、該本体部の周縁に沿って設けられ裏面から裏側へ突出した端末部と、を備え、
前記端末部では、前記本体部の表裏両面側から連続した前記樹脂シート層間が面状に溶着されている、樹脂成形品。 - 前記端末部における前記樹脂シート層間の溶着部位と前記本体部との間には、前記溶着部位より厚肉の補強部が設けられている、請求項1に記載の樹脂成形品。
- 請求項1又は2に記載の樹脂成形品を取付手段により被装着部材へ装着した樹脂成形品の装着構造であって、
前記樹脂成形品の前記端末部を前記被装着部材に対向させるとともに、前記端末部に囲まれる内側に前記取付手段を配置した、樹脂成形品の装着構造。 - 前記被装着部材は、外部から視認される外表面部と、前記樹脂成形品に応じた形状で前記外表面部から凹ませた被装着面部と、を備え、前記樹脂成形品は、前記端末部が前記被装着面部と隙間を設けて取付けられている、請求項3に記載の樹脂成形品の装着構造。
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