JP2001310420A - 積層シート - Google Patents

積層シート

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JP2001310420A
JP2001310420A JP2000128094A JP2000128094A JP2001310420A JP 2001310420 A JP2001310420 A JP 2001310420A JP 2000128094 A JP2000128094 A JP 2000128094A JP 2000128094 A JP2000128094 A JP 2000128094A JP 2001310420 A JP2001310420 A JP 2001310420A
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laminated sheet
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JP2000128094A
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English (en)
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Akitaka Miyake
顕隆 三宅
Hiroaki Uno
拓明 宇野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性ポリオレフィン系エラストマーに含
有される油脂分のブリードによる影響が小さく、優れた
密着性と耐擦傷性を有する積層シートを提供することを
目的とする。さらに、他の材料と積層した際にも、十分
な接着強度が得られる積層シートを提供することを目的
とする。 【解決手段】 熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー
からなる基材層と接着性樹脂からなる接着層とが共押出
により積層された積層体の接着層面に、印刷層及び印刷
保護層がこの順に積層されてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の内装、オ
フィスオートメーション機器や家電製品などのハウジン
グ、家具、サニタリー、日用品、建築内装などの人が触
れる個所に表面材として使用され、優れた表面特性を有
する積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の内装材や建築内装等
には、ポリ塩化ビニル系樹脂からなり、エンボス加工さ
れた表面層を有する積層シートが使用されていた。しか
し、ポリ塩化ビニル系樹脂を用いた積層シートは製造に
おいて種々の工数を必要とし、使用後にリサイクルが困
難であるなどの理由から、近年ではエチレン−α−オレ
フィン共重合ゴムとポリプロピレン系樹脂やポリエチレ
ン系樹脂との混合物よりなり、部分的に架橋されてなる
熱可塑性ポリオレフィン系エラストマーが用いられるよ
うになってきた。
【0003】例えば、特公平1−14023号公報に
は、熱可塑性ポリオレフィン系エラストマーよりなる表
面層と、ポリエチレンまたはポリプロピレンの発泡体層
及びポリオレフィン系樹脂骨材層よりなる積層シートが
記載されている。しかしながら、上記積層シートは、表
面層として熱可塑性ポリオレフィン系エラストマーが用
いられているために表面の耐磨耗性が悪く、例えば、物
が触れたときに擦れ傷が付くという欠点があった。
【0004】上記の欠点を解決するために、例えば、熱
可塑性ポリオレフィン系エラストマーからなる表面層を
プライマー処理し、更にその上に印刷層及び印刷保護層
からなるトップコート層を形成する方法が提案されてい
る。しかしながら、熱可塑性ポリオレフィン系エラスト
マーを製造する際に、加工性向上の作用を有すると考え
られる鉱物油系の軟化剤等の油脂分が添加されるため、
その油脂分がブリードし易く、トップコート層と表面層
との接着強度が不足するといった問題があった。
【0005】トップコート層と表面層との接着強度を上
げるために、間に接着性樹脂層を形成することも行われ
ている。通常、接着性樹脂層は、表面層に押出ラミネー
ト、熱ラミネート等により積層されるが、このような積
層方法では、積層性樹脂層と表面層との充分な積層強度
が得られず、トップコート層に摩擦を受けた際、接着性
樹脂層と表面層との間に浮きが生じ易く、その結果、ト
ップコート層表面に擦れ傷が付き易くなるといった問題
があった。さらに、上記積層シートは、他の材料との積
層の際にも十分な接着強度が得られないといった問題も
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解消し、熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー
に含有される油脂分のブリードによる影響が小さく、優
れた密着性と耐擦傷性を有する積層シートを提供するこ
とを目的とする。さらに、他の材料と積層した際にも、
十分な接着強度が得られる積層シートを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の積層シー
トは、熱可塑性ポリオレフィン系エラストマーからなる
基材層と接着性樹脂からなる接着層とが共押出により積
層された積層体の接着層面に、印刷層及び印刷保護層が
この順に積層されてなることを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の積層シートは、上記請求
項1に記載の積層シートの基材層側に、さらに接着性樹
脂からなる接着層が積層されてなることを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の積層シートは、上記請求
項1又は2に記載の積層シートの基材層側又は接着層側
に、さらにポリオレフィン系樹脂発泡体が積層されてな
ることを特徴とする。
【0010】本発明で使用される基材層を構成する熱可
塑性ポリオレフィン系エラストマーは、常温でゴム弾性
を示し、高温では可塑化されて各種の成形加工が可能な
ものであり、一般に、分子中に塑性変形を防止するため
の分子拘束成分(ハードセグメント)と、エントロピー
弾性を有するゴム成分(ソフトセグメント)とを共有し
ていることが多く、成形可能な範囲において一部架橋構
造を有する場合もあるが、広範囲の三次元網目構造は有
していない。
【0011】上記熱可塑性ポリオレフィン系エラストマ
ーとしては、例えば、ハードセグメントとしてポリプロ
ピレンを有し、ソフトセグメントとしてポリエチレン、
エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、これらが不
飽和ヒドロキシ単量体や不飽和カルボン酸の誘導体でグ
ラフト変性されたもの、ブチルゴムグラフトポリエチレ
ン、これらの混合物等を有するブロック共重合体が挙げ
られる。また、樹脂内にエラストマー成分を含有する、
多段重合で得られた熱可塑性樹脂も使用可能である。
【0012】上記基材層は単層のものに限らず、複数層
からなる積層体でもよい。また、基材層にはリサイクル
された材料が用いられてもよい。この場合は、基材層を
複数層とし、リサイクル材料を印刷層が積層される接着
層とは反対側の層に用いるのが、外観への影響が少ない
ので好ましい。上記基材層の厚みは、一般には50〜1
000μmである。
【0013】本発明で使用される接着層を構成する接着
性樹脂としては、上記基材層及び後述する印刷層と接着
可能な樹脂であれば特には限定されない。例えば、ポリ
エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレ
フィン系樹脂や、スチレン−ブタジエン−スチレン共重
合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合
体などのゴム性材料等が挙げられる。さらに、これらの
樹脂を変性した、水酸基、アミド基、エポキシ基、カル
ボン酸基、カルボン酸エステル基等の官能基を有するも
のが好ましく、中でも、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、アクリル酸、メタク
リル酸、メチレンコハク酸、シトラコン酸等で酸変性さ
れているものがより好ましい。
【0014】上記酸変性された接着性樹脂はカルボン酸
基を有しており、水酸化カリウムにより測定した酸価が
1〜30mg/gであるのが好ましい。
【0015】上記接着層の厚みは、一般には4μm以上
であることが好ましい。この厚みが4μm未満である
と、上記基材層及び後述する印刷層との接着性が不充分
となり易い。
【0016】基材層と接着層との積層は従来より行われ
てきた共押出装置を使用して共押出成形により行われ
る。共押出成形により優れた積層強度が得られるととも
に、能率的に製造することができる。
【0017】本発明で使用される印刷層には、アクリル
系、ウレタン系のインキが主として用いられる。また、
得られる積層シートが成形の際に延伸作用を受ける場合
には、熱可塑性樹脂をバインダーとするインキを用いる
のが好ましい。上記印刷層の設け方は特に限定されず、
例えば、後述する印刷保護層面にグラビア印刷、シルク
スクリーン印刷等により印刷し、印刷層を形成した後、
該印刷層を上記基材層に設けられた接着層に積層する方
法が挙げられる。
【0018】本発明で使用される印刷保護層を構成する
材料としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、フッ
素系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらの
材料は、一部架橋構造を有する場合もあるが、広範囲の
3次元架橋構造を持たないのが好ましい。広範囲の3次
元架橋構造を有すると、積層シートとした後、スタンピ
ング成形、真空成形等により成形する場合に、成形時の
伸びが不足し、成形性が低下し易い。
【0019】上記ポリウレタン系樹脂としては、熱可塑
性ポリウレタン系エラストマーが好適に使用される。上
記熱可塑性ポリウレタン系エラストマーは、常温でゴム
弾性を示し、高温では可塑化されて各種の成形加工が可
能なものであり、一般に、分子中に塑性変形を防止する
ための分子拘束成分(ハードセグメント)と、エントロ
ピー弾性を有するゴム成分(ソフトセグメント)とを共
有していることが多く、成形可能な範囲において一部架
橋構造を有する場合もあるが、広範囲の三次元網目構造
は有していない。例えば、ハードセグメントとしてポリ
ウレタン結合部分、ソフトセグメントとしてポリエーテ
ル結合部分、ポリエステル結合部分、ポリカーボネート
結合部分等を有するブロック共重合体が挙げられる。特
に、耐油性に優れているので、ソフトセグメントとし
て、ポリエステル結合部分、ポリカーボネート結合部分
等を有するものが好ましい。
【0020】上記ポリエステル系樹脂としては、熱可塑
性ポリエステル系エラストマーが好適に使用される。上
記熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、常温でゴム
弾性を示し、高温では可塑化されて各種の成形加工が可
能なものであり、一般に、分子中に塑性変形を防止する
ための分子拘束成分(ハードセグメント)と、エントロ
ピー弾性を有するゴム成分(ソフトセグメント)とを共
有していることが多く、成形可能な範囲において一部架
橋構造を有する場合もあるが、広範囲の三次元網目構造
は有していない。例えば、ハードセグメントとしてポリ
エステル結合部分、ソフトセグメントとしてポリエーテ
ル結合部分、ポリエステル結合部分、ポリカーボネート
結合部分等を有するブロック共重合体が挙げられる。特
に、耐油性に優れているので、ソフトセグメントとし
て、ポリエステル結合部分等を有するものが好ましい。
【0021】上記ポリアミド系樹脂としては、例えば、
ナイロン4、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン1
2、ナイロン66、ナイロン6・12、ナイロン6T、
ナイロンMXD6、ナイロン6・66、ナイロン6・6
6・12、これらの共重合体、熱可塑性ポリアミド系エ
ラストマー等が挙げられる。上記熱可塑性ポリアミド系
エラストマーは、常温でゴム弾性を示し、高温では可塑
化されて各種の成形加工が可能なものであり、一般に、
分子中に塑性変形を防止するための分子拘束成分(ハー
ドセグメント)と、エントロピー弾性を有するゴム成分
(ソフトセグメント)とを共有していることが多く、成
形可能な範囲において一部架橋構造を有する場合もある
が、広範囲の三次元網目構造は有していない。例えば、
ハードセグメントとしてポリアミド結合部分、ソフトセ
グメントとしてポリエステル結合部分、ポリエーテル結
合部分等を有するブロック共重合体が挙げられる。特
に、耐油性に優れているので、ソフトセグメントとして
ポリエステル結合部分等を有するものが好ましい
【0022】上記アクリル系樹脂としては、例えば、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートエステ
ルモノマーや、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン等のスチレン系誘導体モノマーを過酸化物の存在下、
溶液中で重合したものが挙げられる。
【0023】また、上記アクリル系樹脂は架橋されてい
てもよい。上記アクリル系樹脂を架橋する方法として
は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−アミノエチル(メタ)アクリレートのように水
酸基、アミノ基などの反応性基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステルを共重合したアクリル系樹脂を用い、ヘキ
サメチレンジイソシアネートなどの多官能のイソシアヌ
レート;トリメチロールプロパン付加体;メラミン樹脂
等を前記アクリル系樹脂に予め添加しておき、印刷保護
層の形成時(塗布時等)に加熱して架橋させる方法が挙
げられる。得られる積層シートが後の成形において延伸
される場合は、曲面に対する積層シートの追従性(展延
性)が得られる可能な範囲で架橋するのが好ましい。こ
のように一部架橋されたアクリル系樹脂を用いることに
より、印刷保護層の耐擦傷性や耐溶剤性を向上させるこ
とも可能である。
【0024】上記アクリル系樹脂の重量平均分子量は、
積層シートに要求される展延性に応じて適宜決定してよ
いが、小さくなると印刷保護層の展延性が低下し、得ら
れる積層シートを延伸して成形した場合、破れ易くなる
ので、2万以上が好ましい。
【0025】上記フッ素系樹脂としては、ジフロロヒド
ロキシエチレン、ジフロロジヒドロキシエチレン、アミ
ノトリフロロエチレン、ヒドロキシトリフロロエチレ
ン、カルボキシトリフロロエチレン、クロロトリフロロ
エチレンなどのフッ化エチレンと、エチレン、プロピレ
ンなどのα−オレフィンとの交互共重合体等が挙げら
れ、溶剤に可溶なものが好適に使用される。
【0026】上記フッ素系樹脂は架橋されていてもよ
い。上記フッ素系樹脂を架橋する方法としては、水酸
基、アミノ酸基等の反応性基を有するモノマーを共重合
したフッ素系樹脂に、多官能のイソシアネート、メラミ
ン樹脂等をフッ素系樹脂に予め添加しておき、印刷保護
層の形成時(塗布時等)に加熱して架橋させる方法が挙
げられる。この場合、得られる積層シートが後の成形で
延伸される場合は、積層シートの展延性が得られる可能
な範囲で架橋するのが好ましい。このように一部架橋さ
れたフッ素系樹脂を用いることにより、印刷保護層の耐
擦傷性、耐溶剤性を向上させることも可能である。
【0027】上記フッ素系樹脂の重量平均分子量は、積
層シートに要求される展延性に応じて適宜決定してよい
が、小さくなると印刷保護層の展延性が低下し、得られ
る積層シートを延伸して成形した場合、破れ易くなるの
で、2万以上が好ましい。
【0028】上記シリコーン系樹脂としては、例えば、
低いガラス転移点を有するジメチルポリシロキサン、ジ
エチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン
等と、高いガラス転移点を有するポリジメチルシロキサ
ンオキシ1,4−フェニレン等の混合物や、これらの材
料の両末端に水酸基等の反応性基を有するもの等を重合
して得ることができる。
【0029】上記シリコーン系樹脂は架橋されていても
よい。上記シリコーン系樹脂を架橋する方法としては、
例えば、水酸基等の反応性基を有するシリコーン系樹脂
を用い、酸などの触媒、多官能のイソシアネート、メラ
ミン樹脂等をシリコーン系樹脂に予め添加しておき、印
刷保護層の形成時(塗布時等)に加熱して架橋させる方
法が挙げられる。
【0030】この場合、得られる積層シートが後の成形
で延伸される場合は、積層シートの展延性が得られる可
能な範囲で架橋するのが好ましい。このように一部架橋
されたシリコーン系樹脂を用いることにより、印刷保護
層の耐擦傷性、耐溶剤性を向上させることも可能であ
る。上記シリコーン系樹脂の重量平均分子量は、積層シ
ートに要求される展延性に応じて適宜決定してよいが、
小さくなると印刷保護層の展延性が低下し、得られる積
層シートを延伸して成形した場合、破れ易くなるので、
2万以上が好ましい。
【0031】特に、得られる積層シート表面に柔軟性が
要求される場合は、上記印刷保護層を構成する材料の硬
度は、得ようとする感触や、後述する弾性微粒子の硬さ
によっても異なるが、低いと耐擦傷性が低下し、高いと
感触が悪くなるので、一般的にはJIS K 6301
のA硬度が50〜98の範囲のものが好ましく、より好
ましくは75〜98のものである。
【0032】上記印刷保護層の厚みは10μm以上であ
ることが好ましく、より好ましくは25μm以上であ
る。この厚みが10μmよりも薄いと、印刷保護層によ
る耐擦傷性及び耐油性の向上が不充分となる。
【0033】上記印刷保護層には表面の艶を消し、感触
をよくするために弾性微粒子や無機充填材等の艶消し材
を添加してもよい。上記弾性微粒子とは、その形状が変
形するまで加圧して圧力を開放した後、形状が弾性回復
する性質を有するもので、例えば、ポリウレタン系樹
脂、アクリル−ウレタン共重合体、アクリル系樹脂、ポ
リスチレン系樹脂、スチレン−イソプレン共重合体、シ
リコーン系樹脂等からなるものが挙げられる。これらは
1種に限らず2種以上を併用してもよい。また、柔軟な
熱可塑性エラストマーを用いる場合や、少し硬い感触で
もよい場合は、例えば、架橋ポリメタクリル酸メチルや
無機材料の硬い微粒子を混合してもよい。
【0034】弾性微粒子の平均粒径は印刷保護層の厚み
により適宜決定してよいが、1〜25μmの範囲である
ものが好ましい。平均粒径が1μmよりも小さいと、表
面層に充分なソフトタッチ感や艶消し感が得られず、平
均粒径が25μmを超えると、印刷保護層の厚みにもよ
るが表面の感触が劣る場合がある。
【0035】弾性微粒子の添加量は少なすぎると充分な
凹凸が得られず、艶消し感が低下する。逆に多すぎると
積層シートの製造過程でシート表面に亀裂が生じ易くな
るので、添加量は熱可塑性ポリウレタン系エラストマー
100重量部に対して20〜200重量部が好ましく、
より好ましくは50〜150重量部である。
【0036】基材層の印刷層及び印刷保護層が積層され
る面とは反対面にポリオレフィン系樹脂よりなる発泡体
層が積層されてもよく、発泡体層が積層されることによ
り、積層シートにクッション性が付与される。基材層と
発泡体層にポリオレフィン系樹脂を用いると、積層シー
トを押出成形する際に発泡体層を熱融着で積層すること
が可能となる。
【0037】発泡体層の発泡倍率は、低くなると得られ
る積層シートのクッション性が少なくなり、発泡倍率が
高すぎると得られる積層シートの強度が低下し、真空成
形等のような延伸作用を受けると発泡体層が破断した
り、発泡構造が潰れ易くなるので、発泡倍率は5〜50
倍が好ましく、より好ましくは10〜40倍である。
又、発泡体を構成する樹脂は発泡性向上のために部分的
に架橋されたものが好ましい。
【0038】本発明の積層シートには必要に応じて顔
料、染料等の着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安
定剤(例えば、ヒンダードアミン)などを添加してもよ
い。また、種々の機能を付与するために、導電性材料、
結露防止剤、フォトクロミック化合物、防菌防カビ剤な
どが添加されてもよい。更に、積層シートの意匠性を高
めるために、革シボ加工する場合もある。
【0039】本発明の積層シートは以下のようにして製
造される。尚、下記の例は接着層と印刷保護層の積層は
熱融着によるものを示すが、接着層と印刷層との間にさ
らに接着剤層を設けてもよい。
【0040】印刷保護層の製造 熱可塑性樹脂を押出成形法、インフレーション法、流延
成形等により印刷保護層となるシートを作製する。得ら
れた印刷保護層にグラビア印刷、シルクスクリーン印刷
等により印刷層を設ける。
【0041】印刷保護層/印刷層/接着層/基材層より
なる積層シートの製造 1)接着層と基材層を構成する組成物を共押出成形し、
溶融状態にある接着層面に、印刷保護層の印刷層が接す
るようにラミネートする。ラミネートと同時に印刷保護
層表面にエンボス加工を施してもよい。
【0042】2)接着層と基材層を構成する組成物を共
押出成形して一旦積層体を作製し、その後、該積層体を
加熱溶融して接着層表面に印刷保護層の印刷層が接する
ようにラミネートする。ラミネートと同時に印刷保護層
表面にエンボス加工を施してもよい。 上記1)、2)のうち、1)の方法がより簡易且つ確実
に実施できるので好ましい。
【0043】印刷保護層/印刷層/接着層/基材層/発
泡体層よりなる積層シートの製造 1)接着層と基材層を構成する組成物を共押出成形し、
溶融状態にある接着層面に、印刷保護層の印刷層が接す
るように、又、溶融状態にある基材層表面に発泡体を熱
融着によりラミネートする。このとき、表面にエンボス
加工したラミネート用ロールを用いてラミネートと同時
に印刷保護層面にエンボス加工を施してもよい。
【0044】2)接着層と基材層を構成する組成物を共
押出成形し、溶融状態にある基材層側に発泡体をラミネ
ートする。その後、該積層体を加熱溶融して接着層表面
に印刷保護層の印刷層が接するようにラミネートする。
このとき、ラミネートと同時に印刷保護層表面にエンボ
ス加工を施してもよい。
【0045】3)接着層と基材層を構成する組成物を共
押出成形し、溶融状態にある接着層面に印刷保護層の印
刷層が接するようにラミネートする。ラミネートと同時
に印刷保護層表面にエンボス加工を施してもよい。その
後、積層体を加熱溶融し、基材層面に発泡体をラミネー
トする。 上記1)〜3)のうち、1)の方法がより簡易且つ確実
に実施できるので好ましい。
【0046】本発明の積層シートは、自動車の内装材、
例えば、ドアパネル、インスツルメントパネル、ハンド
ル、ギヤーレバーノブ、ドアノブ、各種スイッチ等の被
覆、携帯用製品である電話、カセットテープレコーダ
ー、コンパクトディスクプレーヤー、テレビ等の被覆、
冷蔵庫、テレビ等の家電製品やパーソナルコンピュータ
ープリンタ、キーボード等のオフィスオートメーション
機器類のハウジング、便座、風呂桶、椅子、棚のサニタ
リー用品や浴室用品、バット、ラケット、クラブ等のス
ポーツ用品のグリップ、日用品や文具等のハウジング、
その他、ベンチ、ソファー等の表面材として用いること
ができる。
【0047】
【発明の実施の形態】(実施例1)印刷保護層の製造 熱可塑性エラストマー樹脂(ポリカーボネート系ウレタ
ン,日本ミラクトン社製,商品名「E990P」)を4
0mmφの押出機で押出成形して厚み30μmの印刷保
護層を作製し、その一面にウレタン系の印刷インキを用
いてグラビア印刷した。
【0048】印刷保護層/印刷層/接着層/基材層より
なる積層体の製造 a)接着層:酸変性ポリオレフィン樹脂(三井石油化学
社製,商品名「アドマーQF500」) b)基材層:熱可塑性オレフィンエラストマー(三井石
油化学社製,商品名「ミラストマー8030」)100
重量部とLLDPE(三井化学社製,商品名「ウルトゼ
ックス2021L」)20重量部をペレットとしてブレ
ンドしたもの
【0049】図1に示すように、上記a)を押出機1a
(40φ)で、b)を押出機1b(50φ)で溶融し、
フィードブロック型の金型を備えた2層共押出装置2a
から下向きに押出しながら積層した。このときの樹脂温
度は、a)が210℃、b)が190℃であり、金型の
温度は190℃であった。空冷されつつ金型リップ21
の真下約15cmの位置で成形されたシート3を冷却引
取ロール6で引き取る一方、ラミネートロール7から発
泡ポリプロピレンシート(発泡倍率25倍、厚み2m
m)5を供給し、印刷保護層4を印刷面41がシート3
に接するように供給してこれらを一体化し、印刷保護層
/印刷層/接着層/基材層/発泡体の順に積層された積
層シート8を得た。各層の厚みは表1に示す通りであっ
た。
【0050】(実施例2)発泡ポリプロピレンシートを
ラミネートしなかったこと以外は実施例1と同様にして
積層シートを得た。
【0051】(実施例3)印刷保護層として熱可塑性ウ
レタンエラストマー樹脂(ポリカーボネート系ウレタ
ン,日本ミラクトン社製,商品名「E990P」)10
0重量部と、弾性ビーズ(平均粒径10μmのウレタン
樹脂製,大日本インキ社製,商品名「バーノックCFB
101−40(クリアー))90重量部よりなる材料を
用いたこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得
た。
【0052】(実施例4)印刷保護層としてナイロン1
2(ダイセルヒュルス社製,商品名「ダイアミドL19
40W」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして積
層シートを得た。
【0053】(実施例5)印刷保護層としてポリエステ
ル系熱可塑性エラストマー(ソフトセグメントとして脂
肪族ポリエステルを有するもの,東洋紡社製,商品名
「S1001−04」)を用いたこと以外は実施例1と
同様にして積層シートを得た。
【0054】(実施例6)印刷保護層の厚みを15μm
としたこと以外は実施例4と同様にして積層シートを得
た。
【0055】(実施例7)印刷保護層の厚みを5μmと
したこと以外は実施例4と同様にして積層シートを得
た。上記各実施例における各層の厚みは表1に示す通り
であった。
【0056】(比較例1)接着層を設けなかったこと以
外は実施例1と同様にして積層シートを得た。各層の厚
みは表2に示す通りであった。
【0057】(比較例2)実施例1で用いたa)、b)
を図1に示したものと同じ2層共押出装置から下向きに
押出しながら積層した。このときの樹脂温度は、a)が
210℃、b)が190℃であり、金型の温度は190
℃であった。空冷されつつ金型リップ21の真下約15
cmの位置で成形されたシート3を冷却引取ロール6で
引き取る一方、発泡ポリプロピレンシート(発泡倍率2
5倍、厚み2mm)5を冷却引取ロール6及びラミネー
トロール7間で加圧することにより成形されたシート3
と積層一体化して、接着層/基材層/発泡体の順に積層
された積層体(図示略)を得た。さらに、接着層上にウ
レタン系印刷インキでグラビア印刷を行い、印刷層/接
着層/基材層/発泡体という印刷保護層のない積層シー
トを得た。各層の厚みは表2に示す通りであった。
【0058】(比較例3) a)接着層:塩素化ポリオレフィン系樹脂(日本製紙社
製,商品名「スーパークロン822」) b)基材層:熱可塑性オレフィン系エラストマー(三井
石油化学社製,商品名「ミラストマー」)100重量部
とLLDPE(三井化学社製,商品名「ウルトゼックス
2021L」)20重量部をペレットとしてブレンドし
たもの 上記b)を図2に示す押出機(50mmφ)11及び金
型を備えた押出装置2bにより下向きに押出した。樹脂
温度は210℃、金型の温度は190℃であった。空冷
されつつ金型リップ22の真下約15cmの位置で成形
されたシート31を冷却引取ロール61で引き取る一
方、発泡ポリプロピレンシート(発泡倍率25倍、厚み
2mm)51を冷却引取ロール61及びラミネートロー
ル71間で加圧することによりシート3と発泡ポリプロ
ピレンシート41を積層一体化して、基材層/発泡体の
順に積層された積層体9を得た。得られた積層体9の基
材層面に上記a)よりなる接着性樹脂をコーティングし
た。さらに、接着層上にウレタン系印刷インキでグラビ
ア印刷を行い、印刷層/接着層/基材層/発泡体という
印刷保護層のない積層シートを得た。各層の厚みは表2
に示す通りであった。
【0059】(比較例4)比較例3で得た積層シートの
印刷層上に、印刷保護層となるポリカーボネートウレタ
ン系樹脂よりなるコーティング剤をスプレー塗布し、乾
燥して、印刷保護層/印刷層/接着層/基材層/発泡体
という積層シートを得た。
【0060】性能評価 (1)各層の厚み測定:光学顕微鏡で断面観察した。 (2)耐擦傷性試験:JIS L 0823に規定され
る学振型摩擦試験機使用 JIS L 0803の綿3号使用、荷重500g、3
0回/分で100往復後の外観の変化を観察し、次の基
準で評価した。 5;変化が全く認められない 4;変化は僅かに認められるが目立たない 3;僅かであるが変化が明らかに認められる 2;変化がやや著しい 1;変化がかなり著しい (3)耐油性試験:JIS3号油を浸した綿を積層シー
ト上に載せた状態で、70℃のオーブンに72時間放置
した後、上記耐磨耗性試験を行い、同様の基準で評価し
た。 (4)密着性試験:上記耐磨耗性試験と同様の方法で基
材層と印刷層との密着性を調べ、上記と同じ基準で評価
した。 以上の結果を表1及び表2に示した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本発明の積層シートは、基材層上の接着
層面に印刷保護層が積層されたことにより、耐擦傷性と
耐油性が向上され、基材層と接着層とは共押出により積
層されたものであるから、両者の接着性は非常に優れ、
従来から用いられている装置で容易に積層することがで
き、溶剤の発生等による作業環境の悪化を伴うことがな
い。また、基材層と印刷層、基材層と発泡体層の接着強
度も向上されたものである。従って、自動車の内装やオ
フィスオートメーション機器、家電製品などのハウジン
グや文具、サニタリー、日用品、建築内装などの人が触
れる個所に被覆する用途に好適に使用でき、更に、優れ
た感触性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層シートを製造する実施例を示す正面図。
【図2】積層シートを製造する他の実施例を示す正面
図。
【符号の説明】
1a,1b,11:押出機 2a:2層共押出装置 2b:押出装置 3,31:成形されたシート 4:印刷保護層 5,51:発泡ポリプロピレンシート 6,61:冷却引取ロール 7,71:ラミネートロール 8:積層シート 9:積層体 21,22:金型リップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01B AK03A AK03C AK41D AK48D AK51D AL09A AL09D AT00D BA02 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10B BA10C BA10D BA13 DJ01C EH20 GB08 GB33 HB31B JB01 JB16A JK06 JK14 JL11B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー
    からなる基材層と接着性樹脂からなる接着層とが共押出
    により積層された積層体の接着層面に、印刷層及び印刷
    保護層がこの順に積層されてなることを特徴とする積層
    シート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の積層シートの基材層側
    に、さらに接着性樹脂からなる接着層が積層されてなる
    ことを特徴とする積層シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の積層シートの基
    材層側又は接着層側に、さらにポリオレフィン系樹脂発
    泡体が積層されてなることを特徴とする積層シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007038623A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Hiroshima Kasei Ltd 床材の製造方法および床材
JP2011051230A (ja) * 2009-09-02 2011-03-17 Toppan Cosmo Inc テーブルトップ用化粧シート
JP2012030551A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Meiwa Ind Co Ltd 両面意匠性を持った積層板

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