JP2001246709A - 積層シート及びその製造方法 - Google Patents

積層シート及びその製造方法

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JP2001246709A
JP2001246709A JP2000060744A JP2000060744A JP2001246709A JP 2001246709 A JP2001246709 A JP 2001246709A JP 2000060744 A JP2000060744 A JP 2000060744A JP 2000060744 A JP2000060744 A JP 2000060744A JP 2001246709 A JP2001246709 A JP 2001246709A
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adhesive layer
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Akitaka Miyake
顕隆 三宅
Hiroaki Uno
拓明 宇野
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた感触性があり、且つ、耐磨耗性と耐油
性を備え、ウレタン発泡体等のような極性材料との接着
性に優れた積層シート、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の積層シートは、ポリウレタン系
熱可塑性エラストマー、ポリアミド系樹脂又はポリエス
テル系樹脂からなる表面層51、接着性樹脂からなる第
1接着層52、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層5
3、接着性樹脂からなる第2接着層54がこの順に積層
されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の内装やオ
フィスオートメーション機器、家電製品などのハウジン
グ、文具、サニタリー、日用品、建築内装などの人が触
れる個所に被覆することにより良好な接触感を付与で
き、且つ、耐磨耗性、耐油性を有する積層シート、及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の内装材や建築内装等
には、ポリ塩化ビニル系樹脂からなり、表面がエンボス
加工された表面層を有する積層シートが使用されてい
た。しかし、ポリ塩化ビニル系樹脂を用いた積層シート
は製造において種々の工数を必要とし、使用後にリサイ
クルが困難であるなどの理由から、近年ではエチレン−
α−オレフィン共重合ゴムとポリプロピレン系樹脂やポ
リエチレン系樹脂との混合物よりなり、部分的に架橋さ
れてなるポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが用い
られるようになってきた。
【0003】例えば、特公平1−14023号公報に
は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーよりなる表
面層と、ポリエチレンまたはポリプロピレンの発泡体層
及びポリオレフィン系樹脂骨材層よりなる積層シートが
記載されている。また、特開平2−112934号公報
には、熱可塑性エラストマーからなる表面層と、ポリオ
レフィン系樹脂発泡シートからなるパッド層から構成さ
れる2層構造のシートのパッド層に、プライマー液を塗
布した積層シートが開示されている。
【0004】上記特公平1−14023号公報の積層シ
ートは、表面層としてポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーが用いられているために表面の耐磨耗性が悪く、
例えば、物が触れたときに擦れ傷が付くという欠点があ
った。また、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは
組成物中にオイルを含むために、使用環境の温度上昇に
伴い表面のベタツキが問題となったり、炭化水素系溶剤
や油に侵され易いという問題もあった。さらに、上記積
層シートをポリウレタン系樹脂発泡体のような、極性の
高い材料と積層しようとした場合に、接着性が悪く、従
って成形性が悪くなるといった問題もあった。
【0005】また、特開平2−112934号公報に記
載の積層シートは、極性の大きいポリウレタン系樹脂発
泡体等との接着性は良好であるが、プライマー液に溶剤
を使用するので作業環境を悪くするという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解消し、優れた触感を有し、且つ、耐磨耗性と耐
油性を備え、ポリウレタン系樹脂発泡体等のような極性
の大きい材料との接着性にも優れた積層シート及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の積層シートは、
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系樹
脂又はポリエステル系樹脂からなる表面層、接着性樹脂
からなる第1接着層、ポリオレフィン系樹脂からなる基
材層、接着性樹脂からなる第2接着層がこの順に積層さ
れてなることを特徴とする。
【0008】また、本発明の積層シートの製造方法は、
(1)ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミ
ド系樹脂又はポリエステル系樹脂、(2)接着性樹脂、
(3)ポリオレフィン系樹脂及び(4)接着性樹脂をこ
の順に共押出成形することを特徴とする。
【0009】上記表面層を構成するポリウレタン系熱可
塑性エラストマーは特に限定されないが、常温でゴム弾
性を示し、高温では可塑化されて各種の成形加工が可能
なものであり、一般に、分子中に塑性変形を防止するた
めの分子拘束成分(ハードセグメント)と、エントロピ
ー弾性を有するゴム成分(ソフトセグメント)とを共有
していることが多く、成形可能な範囲において一部架橋
構造を有する場合もあるが、広範囲の三次元網目構造は
有していない。
【0010】上記ポリウレタン系熱可塑性エラストマー
としては、例えば、ハードセグメントとしてポリウレタ
ンを有し、ソフトセグメントとして、ポリエーテル;ア
ジペート系ポリエステル、カプロラクトン系ポリエステ
ルなどのポリエステル;ポリカーボネート等を有するブ
ロック共重合体が一般的である。これらの中でも、優れ
た耐油性が必要な場合は、ソフトセブメントとしてアジ
ペート系ポリエステル、カプロラクトン系ポリエステル
などのポリエステル;ポリカーボネート等を有するもの
が好ましい。
【0011】上記ポリウレタン系熱可塑性エラストマー
の硬さは、所望の触感、後述する弾性微粒子の硬さ、積
層された他の層の硬さ、厚さ等によって異なるが、硬さ
が低いと耐磨耗性に劣り、高いと触感が悪くなるので、
一般的には、JIS K 7311のタイプAデュロメ
ータによる硬さ試験により測定した硬さが50〜98の
範囲のものが好ましく、より好ましくは75〜98であ
る。
【0012】上記表面層を構成するポリアミド系樹脂と
しては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン11、ナイ
ロン12、ナイロン66、ナイロン6・10、ナイロン
6・12、ナイロン6T、ナイロンMXD6、ナイロン
6・66、ナイロン6・66・12、これらの共重合
体、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられ
る。ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、ハー
ドセグメントとしてポリアミドを有し、ソフトセグメン
トとしてポリエステル、ポリエーテルなどを有するブロ
ック共重合体が一般的であり、中でも、優れた耐油性が
必要な場合は、ソフトセブメントとしてポリエステルを
有するものが好ましい。
【0013】更に、上記表面層を構成するポリエステル
系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系熱可
塑性エラストマー等が挙げられる。ポリエステル系熱可
塑性エラストマーとしては、ハードセグメントとしてポ
リエステルを有し、ソフトセグメントとしてポリエステ
ル、ポリエーテルなどを有するブロック共重合体が一般
的であり、中でも、優れた耐油性が必要な場合は、ソフ
トセブメントとしてポリエステルを有するものが好まし
い。
【0014】上記ポリアミド系樹脂及びポリエステル系
樹脂は、本発明の積層シートを延伸加工する場合、その
加工条件に適したものが選択される。
【0015】上記ポリウレタン系熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹脂には、表
面層に艶消し感を付与するために、弾性微粒子などの艶
消し材を添加してもよい。上記弾性微粒子とは、その形
状が変形するまで加圧した後に圧力を解放すると形状が
弾性回復する性質を有するものであり、その形状は特に
は限定されず、例えば、中実又は中空のいずれでもよ
い。弾性微粒子としては、上記ポリウレタン系熱可塑性
エラストマー、ポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹
脂よりも溶融温度が高く、押出成形に際して可塑化、分
解等を生じないものが好ましい。弾性微粒子は一般には
架橋樹脂から構成され、架橋樹脂としては、例えば、ポ
リウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−イソプ
レン共重合体などのポリスチレン系樹脂、シリコーン系
樹脂等が挙げられる。これらは1種に限らず2種以上を
併用してもよい。また、表面層が柔軟な熱可塑性エラス
トマーから構成される場合や、触感を少し硬いする場合
は、例えば、架橋ポリメタクリル酸メチル、無機材料等
からなる硬い微粒子を混合してもよい。
【0016】弾性微粒子の平均粒径は1〜25μmの範
囲であるものが好ましい。平均粒径が小さいと表面層の
触感及び艶消し感が低下し、大きいと、表面層の厚みに
もよるが表面層の触感が低下し、また、積層シートの製
造過程でシート表面に亀裂が生じ易くなる。。
【0017】弾性微粒子の添加量は、少なくなると艶消
し感が得られず、多くなると積層シートの製造過程でシ
ート表面に亀裂が生じ易くなるので、上記ポリウレタン
系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系樹脂又はポリエ
ステル系樹脂100重量部に対し、20〜200重量部
が好ましく、より好ましくは50〜150重量部であ
る。
【0018】表面層は1層に限らず、複数層が積層され
たものでもよい。複数層からなる場合には、最外層に弾
性微粒子を添加するのが好ましい。また、表面層には印
刷、皮シボなどのエンボス加工等の装飾が施されていて
もよい。表面層の厚さは適宜決定してよいが、薄くなる
と耐摩耗性、耐油性等が低下るので、10μm以上が好
ましく、より好ましくは25μm以上である。
【0019】上記第1接着層を構成する接着性樹脂は、
上記表面層及び後述する基材層と接着可能なものであ
り、さらに、積層シートとした後の成形が可能なもので
あれば特には限定されず、例えば、ポリエチレン系樹
脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹
脂;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレ
ン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体などのゴム
性材料;紫外線硬化性樹脂等が挙げられるが、ポリオレ
フィン系樹脂が50重量%以上配合されているのが好ま
しい。さらに、水酸基、アミド基、エポキシ基、カルボ
ン酸基、カルボン酸エステル基等を有しているのが好ま
しく、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸、アクリル酸、メタクリル酸、メチレン
コハク酸、シトラコン酸等で酸変性されているのが、ポ
リウレタン系樹脂発泡体等の極性材料との接着性に優れ
ているので特に好ましい。上記酸変性された接着性樹脂
は、水酸化カリウムにより測定した酸価が1〜30mg
/gであるのが好ましい。
【0020】第1接着層の厚さは、薄くなると表面層及
び基材層との接着性が不充分となるので、4μm以上が
好ましい。
【0021】上記基材層を構成するポリオレフィン系樹
脂としては、例えば、ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマー、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等
が挙げられ、中でもポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マーが好ましい。ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、常温でゴム弾性を示し、高温では可塑化されて各
種の成形加工が可能なものであり、一般に、分子中に塑
性変形を防止するための分子拘束成分(ハードセグメン
ト)と、エントロピー弾性を有するゴム成分(ソフトセ
グメント)とを共有していることが多く、成形可能な範
囲において一部架橋構造を有する場合もあるが、広範囲
の三次元網目構造は有していない。
【0022】上記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーとしては、例えば、ハードセグメントとしてポリプロ
ピレンを有し、ソフトセグメントとしてポリエチレン、
エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、これらが不
飽和ヒドロキシ単量体や不飽和カルボン酸の誘導体でグ
ラフト変性されたもの、ブチルゴムグラフトポリエチレ
ン、これらの混合物等を有するブロック共重合体が挙げ
られる。また、樹脂内にエラストマー成分を含有する、
多段重合で得られた熱可塑性樹脂も使用可能である。
【0023】基材層は必要に応じて発泡されたものでも
よい。発泡方法としては、例えば、押出発泡、常圧加熱
発泡等が挙げられ、その発泡倍率は適宜決定してよい
が、1.1〜5倍が好ましい。
【0024】基材層は1層に限らず、複数層が積層され
たものでもよい。基材層の厚さは、薄くなると成形性が
低下するので、一般には50〜1000μmである。
【0025】上記第2接着層を構成する接着性樹脂は、
上記基材層及びさらに積層しようとする材料と接着可能
なものであれば特には限定されず、上記第1接着層と同
様のものが使用される。
【0026】第2接着層の厚さは、薄くなると基材層及
びさらに積層しようとするとの接着性が不充分となるの
で、4μm以上が好ましい。
【0027】本発明の積層シートは、上記表面層、第1
接着層、基材層及び第2接着層からなり、各層には必要
に応じて着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダー
ドアミンなどの光安定剤、導電性材料、結露防止剤、フ
ォトクロミック化合物、防菌防カビ剤等が添加されてい
てもよい。
【0028】本発明の積層シートの製造方法は特には限
定されず、例えば、各層を構成する樹脂を共押出する方
法、各層を構成する樹脂を押出ラミネートする方法、各
層を熱ラミネートする方法等が挙げられるが、中でも、
優れた接着強度が得られるので、共押出法が好ましい。
上記共押出法は、(1)表面層を構成するポリウレタン
系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系樹脂又はポリエ
ステル系樹脂、(2)第1接着層を構成する接着性樹
脂、(3)基材層を構成するポリオレフィン系樹脂及び
(4)第2接着層を構成する接着性樹脂を、それぞれ別
の押出機により混練した後、1つの金型に導入し、ダイ
から複数層を同時に押出す方法であり、ダイに入る直前
で合流させるフィードブロック法、ダイ内に層数分のマ
ニホールドを有するマルチマニホールド法、ダイを出た
直後に積層させるマルチスロットルダイ法等が挙げら
れ、適宜選択してよい。
【0029】本発明の積層シートの成形方法としては、
例えば、積層シートを成形型内に配置し、積層シートの
第2接着層側に積層材料を供給した後成形する方法、積
層シートを真空成形等により成形型と同形に予備成形し
た後成形型内に配置し、積層シートの第2接着層側に積
層材料を供給して成形する方法等が挙げられる。
【0030】上記積層材料としては、特には限定され
ず、適宜決定してよい。例えば、ポリウレタン系樹脂、
アクリロルトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(A
BS樹脂)、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
カーボネート、アクリル系樹脂、ポリエーテルイミド、
ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド系樹脂、熱可
塑性エラストマーなどの熱可塑性樹脂;該熱可塑性樹脂
からなる発泡体等が挙げられる。尚、熱可塑性樹脂には
必要に応じて無機充填材、有機充填材等が添加されてい
てもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】(実施例1) a)表面層材料 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー;ハードセグメン
トがポリウレタン、ソフトセグメントがアジペート系ポ
リエステルであるエラストマー(モートン社製,商品名
「PN3429−215」,JIS−A硬度85)10
0重量部弾性微粒子;ポリウレタン系樹脂弾性ビーズ
(大日本インキ社製、商品名「バーノックCFB101
−40(クリアー)、平均粒径10μm)90重量部 上記ポリウレタン系熱可塑性エラストマーと弾性微粒子
を2軸混練押出機で押出し、冷却後軟質用カッターでペ
レットとした。尚、押出機の各部の設定温度は、スクリ
ュー部140℃、中間部160℃、ダイ部170℃とし
た。
【0032】b)第1接着層材料 接着性樹脂;酸変性ポリオレフィン系樹脂(三井化学社
製,商品名「アドマーPF508」) c)基材層材料 ポリオレフィン系樹脂;ポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー(三井化学社製,商品名「ミラストマー803
0」)100重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(LL
DPE,三井化学社製,商品名「ウルトゼックス202
1L」)20重量部及びポリプロピレン系樹脂(三井石
油化学社製,商品名「F650」)20重量部をそれぞ
れペレットで混合したものを用いた。 d)第2接着層材料 接着性樹脂;酸変性ポリオレフィン系樹脂(三井化学社
製,商品名「アドマーPF508」)
【0033】図1に示すように、上記a)表面層材料を
押出機1a(50φ)、b)第1接着層材料を押出機1
b(40φ)、c)基材層材料を押出機1c(50φ)
及びd)第2接着層材料を押出機1d(40φ)で溶融
し、フィードブロック型の金型を備えた4層共押出装置
2から押出し、積層シート3を得た。このときの樹脂温
度は、a)表面層材料が180℃、b)第1接着層材
料、c)基材層材料及びd)第2接着層材料がそれぞれ
210℃であり、金型の温度は190℃であった。積層
シート3を押出した後、空冷しつつ、金型リップ21の
真下約15cmの位置で引取ロール4、4′間に導いて
加圧し、各層が強固に接着された本発明の積層シート5
を得た。図2は図1のA部拡大断面図であり、51が表
面層、52が第1接着層、53が基材層及び54が第2
接着層であり、各層の厚みは表1に示した通りであっ
た。
【0034】上記積層シート5を、直径300mm×深
さ120mmの円柱状の凹部を有する成形型を用い、積
層シートの表面層51を真空成形型の凹部側にして真空
成形した。図3は上記積層シート5を真空成形した状態
を示す断面図であり、真空成形型6は直径L=300m
m×深さH=120mmの円柱状の凹部を有しており、
61は脱気孔である。次に、図4に示すように、真空成
形型6と同形同大の凹部を有する金型8に真空成形した
積層シート5を配置した後、その第2接着層側の凹部内
に発泡性ポリウレタン系樹脂7を供給し、発泡させ、成
形品(図示略)を得た。図5は成形品の一部を示した断
面図であり、表面層51、第1接着層52、基材層53
及び第2接着層54がこの順に積層された積層シート5
の第2接着層54側に、ポリウレタン系樹脂発泡体71
が積層一体化されていた。
【0035】(実施例2)第2接着層の接着性樹脂とし
て、酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共
重合体(旭化成社製,商品名「タフテックM194
3」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして積層シ
ートを得、さらに、実施例1と同様にして成形品を得
た。
【0036】(実施例3)表面層としてナイロン12
(ダイセルヒュルス社製,商品名「ダイアミドL194
0」,融点178℃)を用いたこと以外は実施例1と同
様にして積層シートを得、さらに、実施例1と同様にし
て成形品を得た。
【0037】(実施例4)表面層としてハードセグメン
トがポリエステル、ソフトセグメントが脂肪族ポリエス
テルであるポリエステル系熱可塑性エラストマー(東洋
紡社製,商品名「S1001」,融点200℃)を用い
たこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得、さ
らに、実施例1と同様にして成形品を得た。
【0038】(実施例5)表面層の厚みを30μmとし
たこと以外は実施例3と同様にして積層シートを得、さ
らに、実施例1と同様にして成形品を得た。
【0039】(実施例6)第2接着層の厚みを5μmと
したこと以外は実施例3と同様にして積層シートを得、
さらに、実施例1と同様にして成形品を得た。
【0040】(比較例1)第2接着層を設けなかったこ
と以外は実施例1と同様にして積層シートを得、さら
に、実施例1と同様にして成形品を得た。
【0041】(比較例2)表面層を設けなかったこと以
外は実施例1と同様にして積層シートを得、さらに、実
施例1と同様にして成形品を得た。
【0042】(比較例3)表面層として直鎖状低密度ポ
リエチレン(三井石油化学社製,商品名「ウルトゼック
ス2021L」)を用いたこと以外は実施例1と同様に
して積層シートを得、さらに、実施例1と同様にして成
形品を得た。
【0043】(1)各層の厚み測定;光学顕微鏡で断面
観察した。 (2)耐磨耗性試験;JIS L 0823に規定され
た学振型摩擦試験機及び綿3号を使用し、積層シートの
表面層上を、前記綿に500gの荷重をかけた状態で3
0回/分で100往復させ、その後の外観の変化を目視
により観察し、次の基準で評価した。 5;変化が全く認められない 4;変化は僅かに認められるが目立たない 3;僅かであるが明らかに認められる変化が生じてい
た。 2;変化が明らかに認められた 1;変化が著しい (3)耐油性試験;JIS3号油を浸した綿を積層シー
ト上に載せ、70℃のオーブンに72時間放置した後、
上記耐磨耗性試験を行った。 (4)密着性試験;ISO 2411の剥離試験に基づ
き、積層シートとポリウレタン系樹脂発泡体との接着性
を評価した。 以上の結果を表1及び表2に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【発明の効果】本発明の積層シートは、触感、耐磨耗性
及び耐油性に優れており、ポリウレタン系樹脂発泡体等
のような極性の大きい材料との接着性にも優れている。
さらに、各層が強固に接着されているので、真空成形等
の成形性にも優れている。従って、例えば、ドアパネ
ル、インスツルメントパネル、ハンドル、ギヤーレバー
ノブ等の自動車の内装材の他、家電製品、スポーツ用品
等の各種表面材として好適使用され、特に、真空成形等
により所定形状に成形される自動車の内装材として好適
に使用される。また、本発明の積層シートの製造方法に
よると、各層の接着強度が大きい積層シートを容易に得
ることができ、溶剤の発生等による作業環境の悪化を伴
うこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層シートの製造方法を示した正面図。
【図2】図1のA部拡大断面図。
【図3】積層シートを真空成形した状態を示した断面
図。
【図4】発泡性ポリウレタン系樹脂を供給した状態を示
した断面図。
【図5】成形品の一部を示した断面図。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d;押出機 2;4層共押出装置 3、5;積層シート 4,4′;引取りロール 6;真空成形型 7;発泡性ポリウレタン系樹脂 8;金型 21;金型リップ 50;真空成形品 51;表面層 52;第1接着層 53;基材層 54;第2接着層 61;脱気孔 71;ポリウレタン系樹脂発泡体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK03B AK03C AK03D AK41A AK46A AK51A AL07C AL07D AL09A AR00C AR00D BA04 BA07 BA10A BA10C BA13 BA15 EH202 GB08 GB33 GB48 GB71 JB07 JB16A JK06 JK09 JL01 JL11C JL11D

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、
    ポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹脂からなる表面
    層、接着性樹脂からなる第1接着層、ポリオレフィン系
    樹脂からなる基材層、接着性樹脂からなる第2接着層が
    この順に積層されてなることを特徴とする積層シート。
  2. 【請求項2】 第1接着層及び第2接着層の接着性樹脂
    が酸変性ポリオレフィン系樹脂である請求項1記載の積
    層シート。
  3. 【請求項3】 (1)ポリウレタン系熱可塑性エラスト
    マー、ポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹脂、
    (2)接着性樹脂、(3)ポリオレフィン系樹脂及び
    (4)接着性樹脂をこの順に共押出成形することを特徴
    とする、請求項1又は2記載の積層シートの製造方法。
JP2000060744A 2000-03-06 2000-03-06 積層シート及びその製造方法 Pending JP2001246709A (ja)

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