JP3231180B2 - 被覆成形品の製造方法 - Google Patents

被覆成形品の製造方法

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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆成形品の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような被覆材料としては、表
面がシボ付加工された軟質塩化ビニル樹脂シートにポリ
オレフィン系樹脂発泡体シートが積層されたものが使用
されてきた。
【0003】しかしながら、上記軟質塩化ビニル樹脂を
使用したシートは、経時的に柔軟性が失われ易く、又、
材料中に含まれる可塑剤などの臭気も使用時の快適感を
損ない、更に、軟質塩化ビニル樹脂と他の材料の複合に
は樹脂相互の極性の違いなどから複雑な工程を要するな
どの問題がある。叙上の如き理由もあって、近時例え
ば、特公平1−14023号公報記載の表面がシボ加工
されたポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層及びポ
リエチレンまたはポリプロピレンの発泡体層が押出ラミ
ネーション法によって積層された被覆用シートが提案さ
れている。
【0004】しかし、特公平1−14023号公報記載
のポリオレフィン系樹脂エラストマーを用いたシート
は、該シート表面に感触を改善する為の接触抵抗を付与
することによって、逆に耐傷付性を損なうという欠点が
あり、又、エンボス加工などでその表面に自由にシボの
凹凸を与えるには機械的な制限があり、充分な艶消しや
スエード調の感触を付与することが難しいのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来品の
欠点を除去せんとしてなされたものであって、充分な艶
消しとスエード調の良好な感触を有しながらも、耐傷付
性に優れ、しかも曲面や複雑な凹凸部を有する形状にも
美麗に成形できる被覆成形品の製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性ウレ
タンエラストマー100重量部に対して弾性微粒子20
〜200重量部をむ表面層と熱可塑性エラストマーを
主成分とする基材層を積層したシート状積層体を加熱さ
れた状態で延伸倍率1.1〜1.5倍に延伸し、しかる
後、熱成形することを特徴とする被覆成形品の製造方法
をその要旨とするものである。
【0007】本発明における熱可塑性ウレタンエラスト
マーは、常温でゴム状弾性を有し、高温では可塑化され
るもので、一般に分子中にエントロピー弾性を有するゴ
ム成分(ソフトセグメント)として、ポリエーテルポリ
エステル、ポリカーボネートセグメント、塑性変形を防
止するための分子拘束成分(ハードセグメント)とし
て、ウレタン結合で構成されたセグメントを有するもの
である。猶、分子中に一部架橋構造を有するものであっ
てもよいが、広範囲な三次元網状構造は有していない。
【0008】又、上記熱可塑性ウレタンエラストマー
は、ガラス転移点(Tg)が−50〜20℃の範囲にあ
るものが好適に使用できる。Tgが−50℃未満では得
られるシートの耐傷付性強度が充分でなく、20℃を越
えると、硬くなりソフトな感触が得られない。
【0009】又、上記熱可塑性ウレタンエラストマーの
重量平均分子量は20,000〜3,000,000の
範囲にあるものが好適に使用できる。重量平均分子量が
20,000未満では得られるシートの剛性が低下し、
3,000,000を越えると、柔軟性が損なわれ、い
ずれも好ましい結果を与えない。上記の柔軟性の評価
は、JISK7215に規定されるA硬さによってもな
され、このA硬さが50〜98の範囲にあるものが好ま
しい性能を与える。上記熱可塑性ウレタンエラストマー
としては、例えば、旭ガラス社製、商品名ユーファイン
PN3429、日本ミラクトラン社製、商品名ミラクト
ランE990P、大日本インキ化学社製、商品名T78
90などが挙げられる。
【0010】本発明における弾性微粒子は、常温におい
て加圧変形させた後、開放すると速やかに弾性回復する
性質を有し、例えば、ポリウレタン、アクリル・ウレタ
ン樹脂、スチレン・イソプレン共重合体などからなるも
のが挙げられる。又、その形状は、球状の物であっても
よいが、冷凍粉砕などの手段で得られるランダムな形状
のものであってもよい。
【0011】上記弾性微粒子の大きさは、その粒度分布
の極大値(以下、平均粒径と略称する。)が1〜100
μmの範囲にあるものが望ましく、その平均粒径が1μ
m未満では得られるシート表面に生成される凹凸模様が
スエード調に明確に現れず、所謂ソフトタッチの感触が
得られない。又、100μmを越えると得られるシート
の表面が粗面となり、就中、シ−トの製造プロセスで、
その表面性質を改善するために実施される延伸工程で、
シート表面に亀裂が生じ易くなり、いずれも好ましくな
い。
【0012】又、その配合量は上記熱可塑性ウレタンエ
ラストマー100重量部に対して20〜200重量部の
範囲にあり、30〜150重量部の範囲にあることが望
ましい。配合量が20重量部未満では得られるシート表
面に生成される凹凸模様が明確に現れず、200重量部
を越えると得られるシートの表面が粗面となり、上記す
る延伸工程でシート表面に亀裂が生じ易くなる。又、上
記弾性微粒子は単一種のみで使用されてもよいが、二種
類以上を混合して使用されてもよい。更に、少し硬い感
触を与えるため、上記弾性微粒子に、例えば、架橋ポリ
メタクリル酸メチルやシルカゲルなどの硬いビーズが混
合して使用されてもよい。
【0013】本発明における表面層を構成する材料とし
て、上記二成分に加えてシリコーン樹脂が使用されても
よいが、このシリコーン樹脂は粘度が10,000〜
1,000,000cpsの範囲にあるものが好まし
い。上記粘度が10,000cps未満では、前記熱可
塑性ウレタンエラストマーと相分離し、1,000,0
00cpsを越えると混練が困難となり、いずれも均質
な組成物を与えない。又、上記シリコーン樹脂は、同樹
脂の末端や側鎖を水酸基、アミノ基、エポキシ基、フェ
ノール基、カルボキシル基、メルカプト基などの官能基
で置換した変性シリコーン樹脂を含み、分散性の改良さ
れたシリコーン樹脂として好適に使用される。
【0014】上記シリコーン樹脂の配合量は、上記熱可
塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して0.1
〜30重量部、好ましくは、1〜10重量部の範囲にあ
ることが望ましい。配合量が0.1重量部未満では得ら
れるシート表面の潤滑性が改善されず、又、30重量部
を越えると上記熱可塑性ウレタンエラストマーへの均質
な分散が得られない。
【0015】これらのシリコーン樹脂は、表面層を構成
する各成分と良好な混合状態を与えるために、予め前記
熱可塑性ウレタンエラストマーなどと混練し、ペレット
化して使用に供してもよいが、又、上記各成分と相溶性
の良好な樹脂にシリコーン樹脂を高濃度に充填し、ペレ
ット化したコンセントレートとして使用されてもよい。
【0016】本発明の被覆成形品の表面層を構成する上
記構成成分に、更に必要に応じて染顔料などの着色剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミンなどが添
加されてもよい。
【0017】本発明における熱可塑性樹脂から構成され
る基材層は、JISK7215に規定されるA硬さが5
0〜98の範囲にあるものが好ましいが、上記熱可塑性
樹脂としては、前記する熱可塑性ウレタンエラストマー
やその他のスチレン系、塩化ビニル系、ポリエステル
系、ポリオレフィン系の各熱可塑性エラストマーが好ま
しい性能を与える。就中、成形性やコスト面で優れた熱
可塑性ポリオレフィン系エラストマーは、常温でゴム状
弾性を有し、高温では可塑化されて各種の成形加工が可
能なものであり、ハードセグメントとしてポリプロピレ
ンをもち、ソフトセグメントとしてエチレン成分をもつ
もの(EPM)や、このエチレンとともにジエン成分を
もつもの(EPDM)、前記二者を混合したものや、こ
れらに例えば、有機過酸化物でもって部分架橋したもの
などが好適に使用される。
【0018】上記熱可塑性ポリオレフィン系エラストマ
ーとしては、例えば、三井石油化学社製、商品名ミラス
トマ8030N:ミラストマー5030Nなどが挙げら
れる。
【0019】上記熱可塑性ポリオレフィン系エラストマ
ーは、本発明の被覆成形品の製造方法において、シート
の延伸成形性を改善するため、例えば、ポリプロピレン
やLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、架橋ポリ
エチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂が添加されて
もよい。本発明における基材層の主成分である上記熱可
塑性エラストマーは構成する上記構成成分に、更に必要
に応じて染顔料などの着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、ヒンダードアミンなどが添加されてもよい。
【0020】又、本発明における上記表面層乃至基材層
を構成する熱可塑性ウレタンエラストマー乃至熱可塑性
樹脂には、更に、導電性材料、フォトクロミック化合
物、結露防止剤、防錆剤、防菌・防黴剤、艶消剤などを
配合し、必要な性質乃至機能を付与することが可能であ
る。
【0021】本発明において上記表面層は、押出成形法
やカレンダー成形法で得られた基材層上にコーティング
する方法や、上記二層を別々に成形した後、ラミネータ
ーで積層する方法で製造できるが、上記二層を共押出成
形法によって製造されることが品質管理上などから好ま
しい。猶、上記二層は直接コーティングや熱接着によっ
て積層されてもよいが、下塗層や溶剤型接着剤やホット
メルト接着剤からなる接着層が上記二層間に設けられて
もよい。
【0022】上記接着層を構成する材料としては、基材
層の種類によって最も適した接着性材料が選択使用され
るが、例えば、基材層がポリオレフィン系樹脂エラスト
マーである場合、塩素化ポリオレフィン類、エチレンメ
タクリル酸共重合体金属塩などのアイオノマー樹脂、酸
変性されたSBS(スチレン・ブタジエン・スチレン共
重合体)、酸変性されたSEBS(スチレン・エチレン
・ブタジエン・スチレン共重合体)、酸変性されたポリ
プロピレン、酸変性されたポリエチレンなどが使用され
る。
【0023】又、上記接着層を設ける代わりに、基材層
に、接着性付与剤が添加されてもよい。接着性付与剤と
しては、例えば、主鎖または側鎖に水酸基、アミド基、
エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基か
らなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する
オレフィン系ポリマーまたはオリゴマーが挙げられ、就
中、カルボキシル基を有し、その含有量は該ポリマーの
酸価が10〜60mg/gの範囲にあるものが好適に使
用される。
【0024】又、上記接着性付与剤は、耐熱性と接着力
のバランスから、その軟化温度が100〜220℃の範
囲にあるものが好ましく、密着性と基材層の物性低下の
バランスから、その使用量は基材層に使用される熱可塑
性樹脂100重量部に対して1〜30重量部好ましくは
3〜15重量部の範囲あることが望ましい。
【0025】本発明の被覆成形品は、上記基材層の表面
層が積層されている反対の面に、断熱性やクッション性
を有する発泡体層が設けられてもよい。この発泡体層を
構成する材料としては、ポリプロピレンやポリエチレン
などのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン
・無水マレイン酸共重合体などのスチレン系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他各種熱
可塑性エラストマーなどの発泡体が挙げられる。就中、
上記発泡体が熱成形性を有する場合、より広い用途に供
することができる。
【0026】又、上記発泡体の発泡倍率は、本発明の被
覆成形品の用途に応じて選択されることが望まれるが、
一般的な用途では、5〜50倍、より好ましくは10〜
30倍である。又、上記基材層と発泡体層は熱接着法に
より直接積層されてもよいが、上記する表面層と基材層
の積層の場合と同様、接着層が上記基材層と発泡体層の
二層間に設けられてもよい。
【0027】本発明の被覆成形品を製造する直前のシー
トの厚さは、その用途により異なるが、スエード調のソ
フトタッチ感の発現と、シートの成形性を考慮すれば、
表面層が5〜100μm、基材層が0.2〜3mm、発
泡体層が1〜5mm、接着層が5〜100μmの範囲に
あることが望ましい。
【0028】本発明において上記延伸方法は、ロール方
式、テンター方式、インフレーション方式などの各方式
を適宜選択使用できる。上記延伸温度は、上記各層に使
用される原材料によって定まる温度範囲内で選択される
が、表面層は熱可塑性ウレタンエラストマーの軟化温度
+20℃〜軟化温度−50℃の範囲内の温度が、表面の
艶消し感を付与する観点から好ましく、基材層は熱可塑
性樹脂の軟化温度+20℃〜軟化温度−50℃の範囲内
の温度が好ましい。
【0029】又、発泡体層は、その種類によって定まる
延伸適性温度において、〔(延伸倍率)×(熱成形時の
延伸倍率)〕以上に延伸できる温度以上であって、完全
熔融温度以下の範囲において延伸されることが望まし
い。上記延伸温度を得るための加熱手段は、加熱ロー
ル、赤外線ヒーター、熱風などが適宜使用され、各層毎
に温度管理がなされる。又、上記延伸倍率は、表面層の
艶消し感、耐傷付性に重点をおき、1.1〜1.5倍で
ある。
【0030】又、本発明における熱成形は、真空成形、
圧空成形、スタンピング成形など適宜方法で、本発明方
法によって得られるシート状積層体に各種の性状に加熱
変形を与え、所望の成形品に賦形するものである。例え
ば、上記表面層をロール温度がその構成成分である熱可
塑性ウレタンエラストマーの軟化点以下、好ましくは室
温〜100℃の範囲の温度に設定されたエンボスロール
によって、上記表面層に、10〜100μm程度の微細
な凹凸を形成して艶消し加工を行ったり、各種の皮革に
類似したエンボスを施して疑似皮革化加工を行うことも
できる。
【0031】
【作用】本発明の被覆成形品の製造方法は、叙上の如
、熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対し
て弾性微粒子20〜200重量部をむ表面層と熱可塑
性樹脂を主成分とする基材層を積層したシート状積層体
を加熱した状態で延伸倍率1.1〜1.5倍に延伸する
ことによって、表面層に含まれる弾性微粒子による微細
な凹凸模様の形成がより確実となり、柔軟性と耐傷付性
が発現され、又、層内に微細な気泡を形成することによ
って、所謂スエード調の感触を与え、天然皮革などに極
めて似た良好なスエード調のソフトタッチな感触を与え
ることができるのである。
【0032】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】以下の実施例において、外観、艶消し度、
耐傷付性及び摩擦係数は、以下に示す方法で試験、評価
された。 1.艶消し度 JIS Z 8741(鏡面光沢度測定方法)に従い、
60度鏡面光沢で2.0以下を良好とする。
【0034】2.耐傷付性 テーバースクラッチテスター(東洋精機製作所社製)に
よる引掻き強さ試験により、5ランク評価法で、5級、
4級の状態にあるときの加えられた荷重が500g以上
であるものを良好と評価した。猶、表示は4級以上の状
態にあるときの加えられた荷重を示す。
【0035】(実施例1)表面層の材料として、熱可塑
性ウレタンエラストマー(日本ミラクトラン社製、商品
名ミラクトランE990P)100重量部、弾性微粒子
(大日本インキ化学工業社製、バーノックCFB101
−40クリア;平均粒径8μm)50重量部、予めバン
バリーミキサーにて混練し、ペレット化した(軟化点1
15℃、Tg=−40℃、JIS・A硬さ=85)
【0036】基材層の材料として、熱可塑性ポリオレフ
ィン系エラストマー(三井石油化学工業社製、ミラスト
マー8030N;JIS・A硬さ85)50重量部、熱
可塑性ポリオレフィン系エラストマー(三井石油化学工
業社製、ミラストマー5030N;JIS・A硬さ5
0)30重量部、LLDPE(三井石油化学工業社製、
ウルトゼックス2921L)10重量部、ポリプロピレ
ン(三井石油化学工業社製、ハイポ−ルF650)10
重量部を、いずれもペレット状のものをブレンダーで混
合した(軟化点130℃)。
【0037】上記二層を接着する接着層の材料として、
変性ポリオレフィン(三井石油化学工業社製、アドマー
QF551軟化点115℃)を準備した。更に、基材層
の表面層が積層される反対の面に積層される発泡体層と
して、発泡ポリプロピレンシート(積水化学工業社製、
ソフトロンSP−V2502;厚さ2mm、発泡倍率2
5倍)を準備した。
【0038】上記各材料を五種五層を共押出できるフィ
ードロックタイプのTダイ(クローレン社製、500m
m幅エポック3201;クリアランス0.8mm)及び
口径40mmφ2台、50mmφ1台の3台の押出機
(いずれもプラスチック工学研究所社製、L/D=2
6、圧縮比=3)を有する三層共押出装置を用い、表面
層を形成する押出機の加熱温度を215℃、接着層を形
成する押出機の加熱温度を190℃、基材層を形成する
押出機の加熱温度を230℃、金型温度を200℃に設
定して、引取速度5m/分で、上記積層体をシート状に
押出し、該シートを赤外線ヒーターで上記成形温度と同
温度に加熱し、1.1倍に固定幅延伸を行い、直ちに真
空成形を行った。猶、金型面に発泡体層が、従って表面
層が中空部にあるように成形され、該積層体の表面層は
該真空成形において最大2倍に延伸された。得られた被
覆成形品の艶消し度(光沢)及び耐傷付性を表1に示し
た。
【0039】(実施例2)実施例1と同じ原材料を使用
し、成形条件も延伸倍率を1.5倍に固定幅延伸した以
外は実施例1と同様な方法で被覆成形品を得た。得られ
た被覆成形品の艶消し度及び耐傷付性を表1に示した。
【0040】(比較例1)実施例1と同じ原材料を使用
し、成形条件は延伸工程を省いた以外は実施例1と同様
な方法で被覆成形品を得た。得られた被覆成形品の艶消
し度及び耐傷付性を表1に示した。
【0041】(比較例2)実施例1の表面層を省いた以
外は、成形条件も実施例1と同様な方法で被覆成形品を
得た。得られた被覆成形品の艶消し度及び耐傷付性を表
1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、被覆成形品を構成す
熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して弾
性微粒子20〜200重量部をむ表面層と熱可塑性樹
脂を主成分とする基材層を積層したシート状積層体を加
熱した状態で延伸倍率1.1〜1.5倍に延伸すること
によって、表面層に含まれる弾性微粒子による微細な凹
凸模様の形成がより確実となり、柔軟性と耐傷付性が発
現され、天然皮革などに極めて似た良好なスエード調の
ソフトタッチな感触を与えることができるのである。
【0044】更に、本発明によれば、基材層に熱可塑性
樹脂を主成分とする層が上記表面層と一体に積層され、
必要に応じて、上記基材層の表面層が積層されている反
対の面に、断熱性やクッション性を有する発泡体層を容
易に設けることができるので、本発明の被覆成形品は上
記表面層の有する接触感を更に良好なものとすることが
できるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 31/16 B32B 31/16 // B29K 75:00 B29K 75:00 101:12 101:12 105:16 105:16 B29L 9:00 B29L 9:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 69/02 B29C 51/14 B32B 25/02 B32B 27/40 B32B 31/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ウレタンエラストマー100重
    量部に対して弾性微粒子20〜200重量部をむ表
    層と熱可塑性樹脂を主成分とする基材層を積層したシー
    ト状積層体を加熱された状態で延伸倍率1.1〜1.5
    倍に延伸し、しかる後、熱成形することを特徴とする被
    覆成形品の製造方法。
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