JP2012028120A - 負極合材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】負極活物質としてBiおよびSbの少なくとも一方と、バインダー又はその前駆体として、特定の酸性基を有する高分子材料とを含有してなる事を特徴とする負極合剤である。上記酸性基はカルボン酸またはスルホン酸の少なくとも一方であり、該酸性基を含有するバインダーは、ポリイミドまたはポリアクリル酸である。
【選択図】なし
Description
例えば、負極についても種々の材料が検討され、炭素材料やアルミニウム合金等が実用電池の負極材料として実用化されている。しかし、炭素材料は高容量を与え得ることから広く用いられているが、比重が小さいため電池内部での占有体積の割合が大きくなる。また、炭素材料については既にこれ以上の改善が困難なレベルにまで性能の向上が図られていることが知られている。このため、電池の性能向上には炭素材料やアルミニウム合金以外の負極材料による高容量化が不可欠である。
このような負極材料を用いた負極として、例えばリチウムイオンの脱挿入可能な負極活物質と導電助剤とバインダーなどからなる負極合材を金属箔の集電体の表面に固着させた負極が知られている。
一般的に、負極活物質としては、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、スズ(Sn)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)が知られている。
また、一般的に、導電助剤としては、炭素材料、リチウムと合金化し難い金属、導電性高分子材料等が知られており、特に炭素材料が好適であることが知られている。
さらに、一般的に、バインダーとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリレート、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等が知られている。
例えば、特許文献1には、集電体上に形成された負極活物質層を備え、負極活物質層はリチウム合金からなる負極活物質を含み、負極活物質の表面はイオン伝導が可能であるが導電度の低い架橋性モノマー、高分子支持体および有機溶媒を含む混合溶液から形成された高分子フィルムで被覆されており、且つ負極活物質の空隙に前記架橋モノマーが架橋された形で充填されている負極が記載されている。そして具体例として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)をバインダーとして用いた例が記載されている。
従って、本発明の目的は、負極活物質としてアンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)などの金属を単独で用いても充放電効率が向上し得る負極を作製することができる負極合材を提供することである。
本発明は、負極活物質としてBiおよびSbの少なくとも一方を、そしてバインダー又はその前駆体として酸性基を有する高分子を含有してなる負極合材に関する。
本願発明においては、負極合材は、負極活物質としてBiおよびSbの少なくとも一方を、そしてバインダー又はその前駆体として酸性基を有する高分子を含有してなることが必要であり、この構成によって図1に示すように、前記金属を用いバインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と組み合わせて用いた負極合材と比較して、得られる電池の充放電効率が向上している。
また、前記金属の酸化による悪影響を低減する方法として前記金属の気相法又はめっきにより層の形成を行い、表面積を減らして酸化し難くする方法が考えられるが、製造コストが大きくなってしまう。これに対して、本発明の負極合材によれば、負極活物質としてアンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)の金属を用いて電池の充放電効率が向上し得る負極を安価に作製することが可能となる。
本発明においては、負極合材が、負極活物質としてBiおよびSbの少なくとも一方を、そしてバインダー又はその前駆体として酸性基を有する高分子を含有することが必須の要件であるが、好適には一般的に用いられる導電助剤および溶剤を加え得る。
前記バインダー又はその前駆体の割合が1質量%を下回ると、結着性が低下するため集電体から負極活物質や導電助剤としての炭素材料等が脱離しやすくなる場合があり、20質量%を越えると、負極活物質および導電助剤としての炭素材料の割合が低下するため、電池性能の低下をもたらす可能性がある。
また、導電助剤の割合が0.5質量%を下回ると、十分な導電性を得ることが難しくなる場合があり、19質量%を越えると、電池性能に大きく関与する負極活物質の割合が低下するため、放電容量が低下する等の問題が発生する場合がある。
前記負極集電体は、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル又はステンレスなどの金属材料によって構成されている。
前記正極としては、正極集電体とその少なくとも一面に設けられた正極活物質層とを有している。
前記正極集電体は、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル又はステンレスなどの金属材料によって構成されている。
前記正極活物質層としては、リチウム、リチウム酸化物、特にリチウムと遷移金属とを含む複合酸化物、リチウム硫化物、リチウムを含む層間化合物、リチウムリン酸化合物などの正極材料が含まれている。正極活物質層には高分子材料、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェンや、導電助剤、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック又はケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、フラーレン等を単独で又は2種以上を組み合わせた炭素材料が含まれていてもよい。
前記電解質としては電解液又はゲル状の電解質が挙げられる。電解液は溶剤と電解質塩とを含んでいて、溶剤としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルが好適に挙げられる。その中でも、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの高粘度溶剤と炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル又は炭酸ジエチルなどの低粘度溶剤とを混合した混合溶剤が好適である。この溶剤には炭酸ビニレンや炭酸ビニルエチレンなどの不飽和結合を有する環状炭酸エステルや、炭酸ビス(フルオロメチル)などのハロゲンを有する環状炭酸エステルを含有してもよい。
または、前記正極活物質を用いて正極を得る方法として、前記正極活物質を含むペーストを正極集電体上に塗布した後、乾燥させて正極集電体上に正極活物質層を形成する塗布法が挙げられる。前記正極活物質を含むペースト又はこのペーストにさらに溶剤、例えば前記の負極作製用の溶剤を加えて正極集電体上に塗布した後、乾燥し、プレスすることによって得ることができる。
また、本発明の負極合材を用いて得られる負極、正極、セパレータおよび電解質を用いることによって、負極の充放電効率が高い二次電池を得ることが可能となる。
前記二次電池としては任意の形状を有するものが挙げられる。
以下の実施例は単に説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
[負極合材作製]
バインダーの前駆体であるポリアミック酸(東洋紡社製、バイロマックス)を10g溶解した溶剤:N−メチルピロリドン溶液66.7g中に、ビスマス(Bi)粉末85g、導電助剤の炭素粉末5gを導入し、均一に混合するまで混練しペーストを作製した。
[負極作製]
このペーストにN−メチルピロリドンを加えて混練した後、厚さ15μmの集電体上に片面塗布し、乾燥させた。得られた部材をプレスし、窒素雰囲気下、350℃で2時間保持して、負極を得た。この加熱によりポリアミック酸はポリアミドイミドを生成した。
対極にLiを用い、セパレータとしてポリエチレン(PE)製多孔質セパレータを用い、電解液としてエチレン−カーボネート(EC)およびジエチレルカーボネート(DEC)を体積比率3:7で混合した混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を濃度1mol/Lとなるように溶解させたものを用いて、コインセルを作製した。
[電気化学特性評価]
得られたコインセルを用いて、理論容量の0.1Cの電流値で0.2Vまで定電流で負極にLiを挿入させた後、0.1Cの電流値で1.5Vまで定電流で負極からを脱離させて、Li挿入容量(mAh/g)とLi脱離容量(mAh/g)とを求めた。
初回充放電容量(mAh/g)と効率の結果を他の例の結果とまとめて表1および図1に示す。
バインダーとしてPVdFを用い、PVdFを10g溶解したN−メチル−2−ピロリドン溶液85g中に、ビスマス(Bi)粉末85g、導電助剤の炭素粉末5gを導入し、均一に混合するまで混練しペーストを作製した。
次に、このペーストにN−メチル−2−ピロリドンを加えて混練した後、厚さ15μmの集電体上に片面塗布し、乾燥させた。得られた部材をプレスして、負極を得た。
この負極を用いた他は実施例1と同様にして、コインセルを作製し、電気化学特性評価を行った。
初回充放電容量(mAh/g)と効率の結果を他の例の結果とまとめて表1および図1に示す。
ビスマス(Bi)粉末に代えてアンチモン(Sb)粉末を用いた他は実施例1と同様にして、負極合材、負極電極、コインセルを作製し、電気化学特性評価を行った。
初回充放電容量(mAh/g)と効率の結果を他の例の結果とまとめて表1および図1に示す。
ビスマス(Bi)粉末に代えてアンチモン(Sb)粉末を用いた他は比較例1と同様にして、負極合材、負極電極、コインセルを作製し、電気化学特性評価を行った。
初回充放電容量(mAh/g)と効率の結果を他の例の結果とまとめて表1および図1に示す。
ポリアクリル酸10gを水と混合し、続いて、導電助剤の炭素粉末を導入し、均一に混合した。続いて、ビスマス(Bi)粉末85gを加えて混練した。得られたペーストに水を加えて混練した後、厚さ15μmの粗化した電解集電体上に片面塗布し、乾燥させ、得られた部材をプレスし、窒素雰囲気下で350℃で2時間保持して負極、次いでコインセルを作製し、電気化学特性評価を行った。
初回充放電容量(mAh/g)と効率の結果を他の例の結果とまとめて表1および図1に示す。
Claims (5)
- 負極活物質としてBiおよびSbの少なくとも一方を、そしてバインダー又はその前駆体として酸性基を有する高分子を含有してなる負極合材。
- 前記酸性基が、カルボン酸およびスルホン酸の少なくとも一方である請求項1に記載の負極合材。
- 前記酸性基を含有する高分子が、ポリアミック酸又はポリアクリル酸である請求項1又は2に記載の負極合材。
- 前記負極活物質が、Biである請求項1〜3のいずれか1項に記載の負極合材。
- 前記バインダーが、ポリイミド又はポリアクリル酸である請求項1〜4のいずれか1項に記載の負極合材。
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