JP2012020983A - 歯科用組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】本発明の歯科用組成物は、(A)分子内に少なくとも1つの重合性基を有する化合物、(B)フィラー、(C)重合開始剤、(D)ポルトランドセメント成分からなり、上記の(A)〜(D)を混合して得られる歯科用硬化組成物の合計を100重量部としたとき、(A)成分を10〜85重量部、(B)成分を15〜90重量部、(C)成分を0.01〜40重量部、(D)成分を0.1〜300重量部の量の範囲内の量で含有されている。
【効果】本発明の歯科用組成物によれば、硬組織誘導能を有するとされる歯科用組成物が優れた操作性と物性及び、優れた歯質接着性を備えた形態で提供できる。
【選択図】なし

Description

本発明は歯科用組成物に関する。さらに詳しくは本発明は、歯科用セメント、歯科用ボンディング材などの歯科用接着性組成物及び、覆髄材あるいは根管充填材として使用可能な歯科用組成物に関する。
近年、硬組織誘導能を有するとされる歯科用組成物としてMTA(Mineral Trioxide Aggregate)と称される歯科用ポルトランドセメントが市販され、歯髄や根尖歯周組織の疾患に使用され始めている。
MTA等の材料はコンクリートなどに使用されているポルトランドセメントを歯科用に微粒子化し、酸化ビスマスなどのX線不透過性を有する無機物を加えて口腔内で使用できるように生成したものであり、水と練和することで水和反応により硬化する。この硬化体は優れた生体親和性及び硬組織誘導能を有し、歯髄や歯根歯周組織に新生硬組織形成を伴う治療を導くとの報告もなされており、覆髄材として水酸化カルシウム製剤の代替や逆根管充填や穿孔封鎖及び、Apexificationなどの多彩な臨床応用がなされて初めている。
MTAが良好な硬組織誘導能を有する理由として、非特許文献1(International Endodontic Journal,38:747−754,2006)では、骨芽細胞におけるosteocalcinあるいはosteopontinなどの骨形成・石灰化関連タンパクの発現亢進作用や、炎症反応などの組織反応が軽微に抑制されることなどが挙げられており、歯髄周辺や根尖歯周組織の再生治療において注目を集めている。
MTAの臨床術式としては、例えば露髄歯などの症例の場合、露髄部に塗布した後、更にその上に仮封材や補綴物などの上部構造を形成するというものであるが、MTAは水和反応により硬化するため反応速度が遅く、完全硬化までに数日を必要する。そのため、適用直後ではその強度が弱く、溶解度も高くなる傾向があることなどから操作性上の問題がある。
そこで、特許文献1(特表2007−528398号公報)では、MTAをポリマー湿潤構造体とすることで反応速度や適用直後の強度および、溶解度などの問題を解決する手段が提案されている。
一方、歯科ボンディング材の歯質、特に象牙質に対する接着機構としては、樹脂含浸層の形成によるものと考えられている。これは、接着促進モノマーである4−メタクリロキシエチルトリメリット酸無水物(4−META)といった重合性基を有する酸性成分により歯質表層のハイドロキシアパタイトなどの歯質無機成分を一部脱灰し、剥き出しになったコラーゲン繊維などの有機層にモノマー成分が含浸・重合し、樹脂含浸層と称されるハイブリッド層を形成することで、良好な接着性とシール性が実現可能となる。
そのため,接着促進モノマーが含まれていない特許文献1では、樹脂含浸層が形成されず、仮封材ないしは補綴物などの上部構造物と歯質との界面から漏洩、すなわち歯冠側からの微小漏洩(コロナルリーケージ)により細菌や唾液および、食物残渣などが侵入し、治療部位が再度汚染されることで硬組織誘導能が低下する虞がある。
特表2007−528398号公報
International Endodontic Journal,38:747−754,2006
本発明は、硬組織誘導能を有するとされるポルトランドセメント成分に、優れた操作性と機械的物性、更に接着促進モノマーによる接着性とシール性を付与することで、より効果的な硬組織誘導が可能な歯科用組成物を提供することを目的としている。
本発明の歯科用硬化性組成物は、
(A)分子内に少なくとも1つの重合性基を有する化合物、
(B)フィラー、
(C)重合開始剤、および、
(D)ポルトランドセメント成分を含んでなることを特徴としている。
本発明の歯科用硬化性組成物は、分子内に少なくとも1つの重合性基を有する化合物、フィラー、重合開始剤、ポルトランドセメント成分が少なくとも組み合わされた構成を有しており、これらを組み合わせによって発現する接着性およびシール性の効果により、充填後の脱落を有効に防止することができると共に、細菌あるいは唾液、さらには食物残渣などの侵入を抑制して、より効果的な硬組織誘導が可能な歯科用組成物を提供できる。
従来技術においては、MTAのような強塩基性材料に、4−META等のような酸性基を有する単量体を配合して効果が得られた例は知られていない。むしろ、両者の間に起こることが想定される酸塩基反応などによりそれぞれの機能の発現が妨げられる可能性がある。このためにMTAのような強塩基性材料と4−METAのような酸性基を有する単量体とを混合するという試みはなされていないのである。ところが、本発明者が、MTAのような強塩基性材料に、4−META等のような酸性基を有する単量体を配合したところ、上記のような酸塩基反応は進行せずに、MTAによって硬組織が形成されると共に、この硬組織を形成する際に優れた操作性を発現させることができ、さらにこの硬組織に優れた機械的物性が付与されたのである。さらに酸性基を有するモノマーを配合することにより優れた接着性とシール性が発現するのである。
本発明の歯科用組成物によれば、硬組織誘導能を有するとされる歯科用ポルトランドセメントに、優れた操作性と機械的物性が付与され、更に接着促進モノマーなどによる接着性とシール性の付与で、脱落や細菌、唾液、食物残渣などの侵入などを抑制して、より効果的な硬組織誘導が可能な歯科用組成物を提供することができる。
以下、本発明の歯科用組成物について詳述する。以下、特別の表記がない限り「部」および「%」は重量基準を示す。
本発明の歯科用組成物に配合される(A)成分は、分子内に少なくとも1つの重合性基を有する化合物である。この(A)成分中にある重合性基としては、ラジカル重合性基が好ましく用いられ、ビニル基、シアン化ビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、アクリルアミド基、メタアクリルアミド基などを挙げることができる。
更に(A)成分は、
分子内に少なくとも1つの重合性基と酸性基を有する化合物(A1)と、
分子内に少なくとも1つの重合性基を有し,且つ,酸性基を有しない化合物(A2)とに分けることができる。
(A1)成分中にある酸性基としては、カルボキシル基、リン酸基、チオリン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基などを例示することができる。あるいはカルボキシル基の酸無水基のように、実用条件において容易に分解して前記酸性基になるなど、実質上酸性基として機能する基も、本発明では酸性基とみなす。以下に、このような重合性単量体を示すが、これらに限定されるものではない。
本発明において、(A1)成分の具体的な例であるカルボキシル基を有する重合性化合物の例としては、
(メタ)アクリル酸(以下、アクリル酸とメタアクリル酸の総称として(メタ)アクリル酸と記載する。)、マレイン酸等のα−不飽和カルボン酸;
4-ビニル安息香酸等のビニル芳香環化合物;
11-(メタ)アクリロイルオキシ-1,1-ウンデカンジカルボン酸(以下、アクリロイルとメタアクリロイルの総称として(メタ)アクリロイルと記載する。)等の(メタ)アクリロイルオキシ基とカルボン酸基の間に直鎖炭化水素基が存在するカルボン酸化合物;
6-(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン-1,2,6-トリカルボン酸等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルナフタレン(ポリ)カルボン酸;
4-(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメリット酸、4-(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸、4-(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸等といった(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリメリット酸;
4-[2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシ]ブチルトリメリット酸等のさらに水酸基を含有する化合物;
2,3-ビス(3,4-ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピル(メタ)アクリレ−ト(以下、アクリレートとメタアクリレートの総称として(メタ)アクリレートと記載する。)等のカルボキシベンゾイルオキシを有する化合物;
N,O-ジ(メタ)アクリロイルオキシチロシン、O-(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N-(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N-(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン、O-(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン、N,O-ジ(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン等のN-および/またはO-位置換のモノまたはジ(メタ)アクリロイルオキシアミノ酸;
N-(メタ)アクリロイル-4-アミノ安息香酸、N-(メタ)アクリロイル-5-アミノ安息香酸、2-または3-または4-(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4-または5-(メタ)アクリロイルアミノサリチル酸等の官能性置換基を有する安息香酸の(メタ)アクリロイル化合物;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとピロメリット酸二無水物の付加生成物、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トと無水マレイン酸または3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物または3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の付加反応物等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと不飽和ポリカルボン酸無水物の付加反応物;
2-(3,4-ジカルボキシベンゾイルオキシ)-1,3-ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、N-フェニルグリシンまたはN-トリルグリシンとグリシジル(メタ)アクリレ−トとの付加物、4-[(2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、3-または4-[N-メチル-N-(2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸などのポリカルボキシベンゾイルオキシと(メタ)アクリロイルオキシを有する化合物などを挙げることができる。
本発明では、これらのうち、11-(メタ)アクリロイルオキシ-1,1-ウンデカンジカルボン酸および4-(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸が好ましく用いられる。
リン酸基、即ち、少なくとも1個の水酸基がリン原子に結合している基、および水中で容易に該基に変換し得る官能基として、例えばリン酸エステル基で水酸基を1個または2個を有する基を好ましく例示することができる。このような基を有する重合性単量体としては、例えば2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシドホスフェート、2-および/または3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシドホスフェート、4-(メタ)アクリロイルオキシブチルアシドホスフェート、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシルアシドホスフェート、8-(メタ)アクリロイルオキシオクチルアシドホスフェート、10-(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェート、12-(メタ)アクリロイルオキシドデシルアシドホスフェート等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルアシドホスフェート;
ビス[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシドホスフェート、ビス[2-または3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル]アシドホスフェート等の2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を有するアシドホスフェート;
2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-p-メトキシフェニルアシドホスフェート等の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基とフェニレン基などの芳香環やさらには酸素原子などのヘテロ原子を介して有するアシドホスフェートなどを挙げることができる。
これらの化合物におけるリン酸基を、チオリン酸基に置き換えた化合物も例示することができる。これらのうち、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシドホスフェートを好ましく使用することができる。
スルホン酸基あるいはスルホン酸基に容易に水中で変換し得る官能基を有する重合性単量体として、例えば2-スルホエチル(メタ)アクリレート、2-または1-スルホ-1-または2-プロピル(メタ)アクリレート、1-または3-スルホ-2-ブチル(メタ)アクリレート等のスルホアルキル(メタ)アクリレート;
3-ブロモ-2-スルホ-2-プロピル(メタ)アクリレート、3-メトキシ-1-スルホ-2-プロピル(メタ)アクリレート等の前記のアルキル部にハロゲンや酸素などのヘテロ原子を含む原子団を有する化合物;
1,1-ジメチル-2-スルホエチル(メタ)アクリルアミド、2-メチル-2-(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸等の前記アクリレートに換えてアクリルアミドである化合物など;
さらには4-スチレンスルホン酸、4-(プロプ-1-エン-2-イル)ベンゼンスルホン酸などのビニルアリールスルホン酸などを挙げることができる。
本発明では、これらのうち、4-スチレンスルホン酸を好ましく使用することができる。また、上記に示した(A1)成分は単独であるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の歯科用組成物に含有される(A2)成分は、分子内に少なくとも1つの重合性基を有し,且つ,酸性基を有しない化合物である。このような(A2)成分としては、単官能、二官能及び、三官能以上の多官能(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、使用目的等に応じて適宜選択される。このような重合性単量体を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
(i)単官能重合性単量体としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート等の直鎖状または分枝状アルキル(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート等の酸素原子などを含む複素環(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ) アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のさらに塩素などのハロゲンを有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ) アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(ii)二官能重合性単量体としては、
メチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の直鎖状または分枝状のポリもしくはモノアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(iii)多官能重合性単量体としては、
トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のようなトリメチロールアルカントリ( メタ) アクリレートなどの三官能重合性単量体;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のようなポリメチロールアルカンやそのエーテルのテトラ(メタ)アクリレートなどの四官能重合性単量体;
ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート等のようなポリメチロールアルカンやそのエーテルのポリ(メタ)アクリレート
などの五官能以上の重合性単量体が挙げられる。
二官能以上の重合性単量体においては、たとえば、トリエチレングリコールアクリレートメタクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレートジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートジメタクリレートのように、メタクリレート基とアクリレート基を1分子中に併せ持つ化合物も含まれる。また、上記に示した(A2)成分は単独であるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
特に本発明では分子内に少なくとも1つの重合性基を有し,且つ,酸性基を有しない化合物(A2)として、人体への刺激性が比較的低いメタアクリレートが特に好ましく使用される。
また、本発明で使用する(A2)成分としては、酸性基を有する上記(A1)成分を室温で溶解可能な化合物であることが好ましい。
本発明における(A)成分は、(A)〜(D)を混合して得られる組成物の合計100重量部中に、8〜85重量部の範囲内の量、好ましくは15〜80重量部の範囲内の量、特に好ましくは20〜75重量部の範囲内の量で含有される。前記数値範囲の下限を下回ると操作性が著しく低下し、前期数値範囲の上限を上回ると所望の接着性能を発揮することができにくくなる。
また、(A1)成分と(A2)成分の合計100重量部中に、(A1)成分は1〜60重量部の範囲内の量、好ましくは3〜55重量部の範囲内の量、特に好ましくは5〜50重量部の範囲内の量で含有され、(A2)成分は10〜99重量部の範囲内の量、好ましくは15〜95重量部の範囲内の量、特に好ましくは20〜90重量部の範囲内の量で含有される。このような量で(A1)成分を使用することにより、本発明の歯科用組成物は、被着体である歯質に代表される硬組織に対して良好な接着性を示すようになる。
本発明の歯科用組成物に配合される(B)成分は、フィラーである。この(B)成分としては、無機フィラー(B1)、有機フィラー(B2)あるいは有機無機複合化フィラー(B3)を添加することができる。
無機フィラー(B1)としては、チタン、亜鉛、ジルコニウム、ストロンチウム、錫、バリウム、タングステン、ビスマス等のX線不透過性である重原子を有する成分などを加えることができる。これらの重原子を有する成分は、通常のポルトランドセメントに含まれることもあるが、微量成分なので、本発明ではポルトランドセメント成分(D)とは看做さず、成分(B1)と看做すこととする。当該成分は、為害性、溶出性、着色性等が低いものならば、酸化物、ハロゲン化物、硼化物、炭化物、窒化物、燐化物、硫化物、塩、錯塩、複塩、金属間化合物、固溶体、ガラス体等特に限定されるものではないが、その具体例としては、ジルコニウム酸化物、ビスマス酸化物、チタン酸化物、酸化亜鉛などの金属酸化物粉末、炭酸ビスマス、リン酸ジルコニウムおよび硫酸バリウムなどの金属塩粉末、バリウム含有ガラス、ストロンチウム含有ガラスおよびジルコニウムシリケートガラスなどのガラスフィラー、酸化ビスマスや酸化ジルコニウムなどのX線不透過性を有する無機物を含むフィラーである。
また、銀徐放性を有するフィラー、フッ素徐放性を有するフィラーなども挙げることができる。これら無機フィラーは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
また、無機フィラーと樹脂間に強固な結合を得るには、シラン処理、ポリマーコートなどの表面処理を施した無機フィラーを使用することが好ましい。
有機フィラー(B2)としては、ポリ((メタ)アクリレート)粒子からなる充填材を添加してもよい。このポリマー粒子を形成するモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなど芳香族(メタ)アクリレートなどのような(メタ)アクリレート系モノマーを挙げることができる。このポリマー粒子は、実質上、単官能モノマーの重合体からなるものである。また、本発明の(メタ)アクリレート重合体は、必要に応じて少量の架橋性モノマーを共重合させることができる。架橋性モノマーとして、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタジエンなどの多官能モノマーを挙げることができる。このポリマー粒子を形成する全モノマーを100重量部とした場合、前記多官能モノマーの配合率は、好ましくは30〜0.1重量部、より好ましくは25〜1重量部、更に好ましくは20〜3重量部である。
(B2)成分として好適に使用されるポリ((メタ)アクリレート)粒子の重量平均分子量は、5万〜30万の範囲内にあることが好ましい。
前記ポリマー粒子の多官能モノマーの配合率や重量平均分子量の数値範囲外では、いずれも、当該ポリマー粒子による組成物の粘度調整や重合調整等の効果を充分発揮し難くなるので好ましくない。
(B3)成分としては、有機成分であるポリマーが、(A)成分により実質上膨潤・溶解しない方が好ましい。その為、前記ポリマーは、多官能モノマーを主体として形成されることが良く、このポリマーを形成する全モノマーを100重量部とした場合、前記多官能モノマーの配合率は、好ましくは100〜50重量部、より好ましくは100〜60重量部、更に好ましくは100〜70重量部である。
特に本発明ではTMPTフィラー(トリメチロールプロパントリメタアクリレートとシリカフィラーを混和、重合させた後に粉砕したもの)などを使用することが好ましい。また、上記に示した(B)成分は、単独であるいは2種以上組み合わせて、あるいは上記の(A)成分との共重合体という形式などでも使用することができる。
本発明において、歯科用硬化性組成物の皮膜厚さを低減しおよび修復効果を向上させるためには、上記(B)の粒子の平均粒子径は、0.001〜100μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは0.005〜50μm、さらに好ましくは0.01〜30μmの範囲内にある。
本発明における(B)成分は、(A)〜(D)を混合して得られる組成物の合計100重量部中に、12〜90重量部の範囲内の量、好ましくは20〜85重量部の範囲内の量、特に好ましくは25〜80重量部の範囲内の量で含有される。前記数値範囲の下限を下回るもしくは、上限を上回ると操作性が著しく低下し性能を発揮することができにくくなる。
また、(D)成分と(B1)成分を100重量部として、各元素の酸化物にて換算して、好ましくは、
CaO 47〜57重量%、
SiO2 21〜28重量%、
Bi23 17〜21重量%、
Al23 2〜2.4重量%、
MgO 1.4〜1.8重量%、
SO3 0.57〜0.69重量%、
FeO 0.42〜0.52重量%
である。好適な具体例((D)成分と(B1)成分とを併せた組成物)としては、三酸化ミネラルアグリゲイトであってもよい。
本発明の歯科用硬化性組成物における(C)成分は重合開始剤である。重合開始剤(C)としては、有機過酸化物、無機過酸化物、ジアゾ系化合物、光重合開始剤、有機ホウ素化合物などを挙げることができる。
有機過酸化物としては、たとえば、イソブチルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド等のようなアルキルパーオキサイド;
アセチルパーオキサイド等のような過酸化カルボン酸無水物;
ベンゾイルパーオキサイド等のような芳香族系過酸化カルボン酸無水物;
スクシン酸パーオキサイド等のようなポリカルボン酸の過酸化無水物;
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート等のような直鎖状または分枝状脂肪族系及び/または芳香族系パーオキシジカーボネート;
tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシネオデカネート、クメンパーオキシネオデカネート等のような直鎖状または分枝状脂肪族系及び/または芳香族系過酸化エステル;
アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド等のようなカルボン酸とスルホン酸の過酸化無水物などが挙げられる。
無機過酸化物としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、塩素酸カリウム、臭素酸カリウムおよび過リン酸カリウムなどを挙げることができる。酸化還元性金属化合物としては、例えば銅、鉄、コバルトなど遷移金属の硝酸塩、塩化塩、アセチルアセト塩などを挙げることができる。
ジアゾ系化合物としては、たとえば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)などが挙げられる。
光重合開始剤としては、たとえば、α−ジケトン化合物、カンファーキノン等のようなカンファーキノン系化合物;
α−ナフチル等のようなナフチル系化合物;
ベンジル、p,p’−ジメトキシベンジル等のようなベンジル系化合物;
ペンタジオン等のようなβ−ジケトン化合物;
1,4−フェナントレンキノン、ナフトキノン等のようなキノン化合物;
ジフェニルトリメチルベンゾイルフォスフィンオキシド等のようなベンゾイルフォスフィンオキシド系化合物などが挙げられる。これらは、可視光または紫外光照射によって励起されて重合を開始する公知の化合物類であり、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中では、カンファーキノンが好ましく使用される。
また、有機過酸化物もしくは光重合開始剤を使用する場合、有機還元剤や無機還元剤などの還元性化合物を併用することができるが、これら自体レドックス系などで重合開始剤(C)として用いることも可能である。
有機還元剤としては、たとえば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン(DMPT)、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジエタノール−p−トルイジン(SEPT)、N,N−ジメチル−p−tert−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニシジン、N,N−ジメチル−p−クロルアニリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタアクリレート)、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステル、N,N−ジエチルアミノ安息香酸(DEABA)およびそのアルキルエステル、N,N−ジメチルアミノベンツアルデヒド(DMABAd)などの芳香族アミン類;
N−フェニルグリシン(NPG)およびその塩、N−トリルグリシン(NTG)、N,N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニルグリシン(NPG−GMA)などのアミン類を併用することができる。これらの中では、DMPT、DEPT、DEABA,DMABAd、NPG、NTGが好ましく使用できる。
また、ベンゼンスルフィン酸、o-トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチルベンゼンスルフィン酸、デシルベンゼンスルフィン酸、ドデシルベンゼンスルフィン酸、クロルベンゼンスルフィン酸、ナフタリンスルフィン酸などの芳香族スルフィン酸またはその塩を併用することもできる。さらに、バルツール酸誘導体を併用することができる。
無機還元剤としては、水または水系溶媒などの媒体中でラジカル重合性単量体を重合させる際に使用できるレドックス重合開始剤として使用できる無機還元剤が好ましく、たとえば、亜硫酸、重亜硫酸、メタ亜硫酸、メタ重亜硫酸、ピロ亜硫酸、チオ硫酸、1亜2チオン酸、1,2チオン酸、次亜硫酸、ヒドロ亜硫酸およびこれらの塩が挙げられる。このうち亜硫酸塩が好ましく用いられ、特に亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウムが好ましい。
またこれらの還元性化合物は単独で、もしくは組み合わせて使用できる。
硬化を速やかに終了させるための、有機過酸化物と還元性化合物との組み合わせとしては、ベンゾイルパーオキサイドと、N−フェニルグリシンおよび/またはN−トリルグリシン(NTG)との組み合わせなどが好ましく用いられる。当該組合せの重量比率としては、好ましくは5:1〜1:5、より好ましくは3:1〜1:3、更に好ましくは1:1.5〜1.5:1である。
また、硬化を速やかに終了させるための、光重合開始剤と還元性化合物との組み合わせとしては、カンファーキノンと、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸−2−n−ブトキシエチル等の芳香族に直接窒素原子が結合した第三級芳香族アミンのエステル化合物との組み合わせ、またはアシルホスフィンオキシドとの組み合わせなどが好ましく用いられる。
有機ホウ素化合物としては、トリエチルホウ素、トリ(n−プロピル)ホウ素、トリイソプロピルホウ素、トリ(n−ブチル)ホウ素、トリ(s−ブチル)ホウ素、トリイソブチルホウ素、トリペンチルホウ素、トリヘキシルホウ素、トリオクチルホウ素、トリデシルホウ素、トリドデシルホウ素、トリシクロペンチルホウ素、トリシクロヘキシルホウ素、ブチルジシクロヘキシルボランなどのトリアルキルホウ素;
ブトキシジブチルホウ素などのアルコキシアルキルホウ素;
ジイソアミルボラン、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンなどのジアルキルボラン;
テトラフェニルホウ素ナトリウム、テトラフェニルホウ素トリエタノールアミン塩、テトラフェニルホウ素ジメチル-p-トルイジン塩、テトラフェニルホウ素ジメチルアミノ安息香酸エチルなどのアリールボレート化合物;
部分酸化トリブチルホウ素などの部分酸化トリアルキルホウ素などを挙げることができる。
これらは単独であるいは2種以上組み合わせで使用することができる。
本発明における(C)成分は、(A)〜(D)を混合して得られる組成物の合計100重量部中に、0.01〜40重量部の範囲内の量、好ましくは0.05〜35重量部の範囲内の量、特に好ましくは0.1〜30重量部の範囲内の量で含有される。前記数値範囲の下限を下回ると重合不足により物性が低下するまた、上限を上回ると重合硬化速度が速すぎるため、操作性が著しく低下し性能を発揮することができにくくなる。
本発明の歯科用硬化性組成物における(D)成分はポルトランドセメント成分(生セメント成分)である。ポルトランドセメント成分(D)としては、一般的に土木建築用途に用いられているポルトランドセメントを適宜リファインして、歯科用途に適用したものである。このようにポルトランドセメント成分と重合性基を有する化合物、重合開始剤及び充填材を混合することで、重合開始剤及び重合性基を有する化合物による重合反応とポルトランドセメント成分及び適用部位に残存する水分による水和反応が同時に生じ、歯の根管などに充填後に直ちに硬化することが可能となる。また、重合性基を有する化合物や充填材と混合することで、通常のMTAより高粘度となり、使用時の操作性を向上させることができる。加えて、酸性基と重合性基を有する化合物などの働きにより、歯科用組成物と歯質との界面に歯質成分に樹脂成分が含浸した樹脂含浸層が形成され、高い接着性とシール性を付与することも可能となる。
(D)成分は、カルシウムの酸化物とケイ素の酸化物を主体として、少量の硫酸カルシウムやアルミニウムの酸化物と、必要に応じて鉄等の遷移金属やその他のアルカリ金属元素やアルカリ土類元素の酸化物や塩を少量含有してなるものであり、好適には固溶体などの形態を有する。特に限定されるものではないが、通常よく知られているポルトランドセメントの一般的組成としては、各元素の酸化物にて換算して、
CaOは、好ましく4〜85重量%、より好ましく40〜85重量%、更に好ましくは55〜75重量%、特に好ましくは60〜70重量%、
SiO2は、好ましく10〜95重量%、より好ましく10〜50重量%、更に好ましくは15〜40重量%、更に好ましくは18〜32重量%、
Al23は、好ましく0〜17重量%、より好ましく0〜15重量%、更に好ましくは1.5〜8重量%、特に好ましくは2.5〜6重量%、
SO3は、好ましく0.02〜6重量%、より好ましく0.2〜6重量%、更に好ましくは0.5〜3重量%、特に好ましくは0.6〜2重量%、
Fe23は、好ましく0〜4.7重量%、より好ましく0〜4.5重量%、更に好ましくは0.2〜2重量%、特に好ましくは0.5〜1重量%、
MgOは、好ましく0.02〜5重量%、より好ましく0.2〜5重量%、更に好ましくは0.7〜3重量%、特に好ましくは0.8〜2重量%、
上記の残余が、上記以外の遷移金属(原子番号順にバナジウムから銅)やその他のアルカリ金属元素等である。
但し、酸化物にて換算するとは、対象となる全体の実測重量Woを100重量%として、そこに含まれる分析対象の元素のモル数nを分析測定し、当該モル数nの当該元素を酸化して、指定した形態の酸化物乃至は常温常圧下で最安定の酸化物にした場合の酸化物重量Wxを割り出して、その重量%(100*Wx/Wo)を求めたものである。従って、当該元素が当該酸化物形態にて含有されると限定されるものではないし、実際に含有されている当該元素の化合物形態が当該酸化物形態と相違すれば、その化合物の重量%が前記酸化物換算値と一致しないことも当然あり得る。
なお、上記の数値範囲は(C)成分であるポルトランドセメントを100重量%とした際の値である。従って、(C)成分が(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対し0.2〜300重量部の範囲内の量で含有されていることを考慮すると、両者(成分(A)と(B)に対する(C)の重量部、成分(C)中の各化合物重量部)の数値範囲を掛け合わせることにより、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対する上記各化合物の酸化物換算(CaO等)の各好適含有重量部を求めることができる。
また、ケイ素成分として、ヒュームドシリカのような、アモルファス形態、ナノサイズ、乃至は球状の二酸化ケイ素がポルトランドセメント成分として含まれていてもよい。
但し、ポルトランドセメントでは、これらの成分がそれぞれ単独で粉末乃至は粒子として存在していることは殆ど無く、複数の成分が混合された固溶体で存在している。
ポルトランドセメント(生セメント)は、石灰石、粘土、珪石、酸化鉄等を微粉砕混合し、例えばロータリーキルン等を用いて、最高1450℃に焼成し、1200℃までは徐冷、それ以降は急冷してクリンカーを作成し、これに石膏3〜4重量%を加えて微粉砕して得ることができる。クリンカーは、酸化カルシウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化鉄などを主成分とする固溶体の粉末を主としてなり、例えば、
エーライト相としてケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO2)系固溶体、
ビーライト相としてケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO2)系固溶体、
アルミネート相としてカルシウムアルミネート(3CaO・Al23)系固溶体及び、
フェライト相としてカルシウムアルミノフェライト(3CaO・Al23・Fe23)系固溶体を有しており、
それぞれ、20〜65重量%、10〜55重量%、5〜10重量%、9〜15重量%含まれるものであり、その他、ガラス質の混合相を有することもある。
歯科用途としては、審美性の観点から、着色を抑えるために鉄等の含有を適宜削減することが好ましい。また、粘度調整などの為にヒュームドシリカ等が添加される場合があり、必ずしも上記の通りの組成にて各固溶体が含まれるものではない。本発明の組成物では、
エーライト相としてケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO2)系固溶体:
ビーライト相としてケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO2)系固溶体:
アルミネート相としてカルシウムアルミネート(3CaO・Al23)系固溶体=20〜65:10〜55:5〜10の重量比にて含まれていることが好ましい。
前記の酸化カルシウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化鉄などの金属酸化物粉末を主成分とする粉末と硫酸カルシウムの他に、その他の粉末成分として、例えば、炭酸カルシウムなどの金属塩粉末、シリカガラス、アルミニウム含有ガラスなどのガラスフィラーなどを有する無機物を含むことができる。
(D)成分の形態としては、特に限定されるものではないが、例えば、充填材のような粒子形状であることが好ましく、この場合に粒径は好ましくは0.001〜100μm、より好ましくは0.01〜50μm、さらに好ましくは0.5〜30μmの範囲内にある。前記数値範囲の下限を下回るもしくは、上限を上回ると操作困難となりやすい。
本発明における(D)成分は、(A)〜(D)を混合して得られる組成物の合計100重量部中に、0.1〜79重量部の範囲内の量、好ましくは0.5〜75重量部の範囲内の量、特に好ましくは1〜70重量部の範囲内の量で含有される。前記数値範囲の下限を下回ると硬組織誘導能が低下する。また、上限を上回ると硬化時の物性が低下し、発揮することができにくくなる。
本発明の歯科用組成物には所望により(E)色素および/または顔料を添加してもよい。かかる色素および/または顔料としては、フロキシンBK、アシッドレッド、ファストアシッドマゼンダ、フロキシンB、ファストグリーンFCF、ローダミンB、塩基性フクシン、酸性フクシン、エオシン、エチスロシン、サフラニン、ローズベンガル、ベーメル、ゲンチアナ紫、銅クロロフィルソーダ、ラッカイン酸、フルオレセインナトリウム、コチニールおよびシソシン、タルク、チタンホワイトなどを挙げることができる。これらの色素および/または顔料は単独であるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の歯科用組成物には所望により(F)水中においてフッ化物イオンを放出する化合物を添加してもよい。(F)成分としては、可溶性の有効フッ素イオンを組成物中に放出するものであれば、いずれのものも使用しうるものであり、例えば、フルオロリン酸二ナトリウム、フッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ケイ素ナトリウム、フルオロアルミノシリケ−トガラス、フッ化アンモニウム等を使用することができるが、中でもフッ化ナトリウム、フッ化カルシウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズの使用が好ましい。その配合量は、本発明の歯科用組成物の使用量と適用頻度、ならびに耐酸性や再石灰化の有効性と人体への影響を考慮して適宜設定される。
(F)成分を配合することにより、硬組織の耐酸性の向上効果を期待できる。本発明において、このような(F)成分は、組成物中のフッ素イオン濃度として好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜2重量%、特に0.01〜1重量%の範囲が好ましい。この範囲以下である0.0001重量%未満では、所望の歯質の耐酸性効果や再石灰化効果が充分に表れず、5重量%を超えると、生体への為害性が懸念される。
本発明の歯科用組成物には所望により安定剤(G)が添加してもよい。(G)成分としては、ハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン等のハイドロキノン化合物類や、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等のフェノール類を重合禁止剤として一種以上配合することが好ましい。特に、ハイドロキノンモノメチルエーテルおよび2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールの組み合わせが好ましく用いられる。
これら成分(G)を添加することにより、保存安定性を付与することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳述するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
(略号の説明)
以下の実施例などで表記に略号の意味は次の通りである。
MMA:メチルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
4−MET:4−メタアクリロキシエチルトリメリット酸
2.6E:ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物とメタクリル酸の縮合体
VR90:下記の式で示されるビスフェノールA型エポキシアクリレート
Figure 2012020983
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
UDMA:2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとHEMAの付加物
ZrO2:酸化ジルコニウム
TMPT・f:SiO2含有トリメチロールプロパントリメタクリレート(T
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
UDMA:2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとHEMAの付加物
ZrO2:酸化ジルコニウム
TMPT・f:SiO2含有トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)硬化物の微粉末
PMMA:ポリメチルメタアクリレート
BPO:ベンゾイルパーオキサイド
NPG・Na:N−フェニルグリシンナトリウム塩
DMPT:N,N−ジメチル−p−トルイジン
TBBO:部分酸化トリブチルホウ素(トリブチルホウ素1モルに対して酸素原子0.4モルを付加)
HQME:ハイドロキノンモノメチルエーテル
BHT:2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(ブチルヒドロキシトルエン)
MTA:三酸化アグリゲイト(ProRootMTA/DENTSPLY International Inc.製)
生セメント(家庭化学工業株式会社製のポルトランドセメント)
(実施例)
以下に各実施例組成物および、比較例を示す。
〔実施例1〕
HEMA/4−MET/2.6E/VR90/TEGDMA/BPO/TMPT・f/ZrO2/NPG・Na/生セメント=19.5/9.5/7.5/7.5/5.0/0.5/20.0/20.0/7.5/3
〔実施例2〕
HEMA/4−MET/2.6E/VR90/TEGDMA/BPO/TMPT・f/ZrO2/NPG・Na/MTA=19.5/9.5/7.5/7.5/5.0/0.5/20.0/20.0/7.5/3
〔実施例3〕
HEMA/4−MET/2.6E/VR90/TEGDMA/BPO/TMPT・f/ZrO2/NPG・Na/生セメント=19.5/9.5/7.5/7.5/5.0/0.5/20.0/20.0/7.5/10
〔実施例4〕
MMA/4−MET/PMMA/TBB/MTA=46.0/2.5/46.5/1.5/3.5
〔比較例1〕
生セメント/精製水=74.1/25.9
〔比較例2〕
MTA/精製水=74.1/25.9
(混合したペーストの作成)
上記の実施例・比較例に示した各組成物は、いずれも、各成分を室温(23℃)にて、10分間混合して作成した混和泥であり、混合完了直後、直ちにそれぞれの試験に適用した。
(硬化時間の測定)
実施例・比較例の各組成物を混合したペーストをアルミパン内に約0.1g充填し、予め37℃に一定にした示差走査熱量計DSC−60(島津製作所)にセットして、最大発熱時のピーク時間を測定した。この最大発熱ピーク時間を硬化時間と定義して評価した。
(引張り接着試験)
ウシ下顎前歯を注水下#180エメリーペーパーで研磨し平坦な接着用象牙質面を削りだし、水洗、乾燥した後、前記の面を粘着テープでマスキングして直径4.8mmの円形の接着面積を規定した。次に、10%クエン酸と3%塩化第二鉄とを含有する水溶液(以下10−3溶液)を10秒間塗布し、水洗・乾燥した後に、実施例・比較例の各組成物を混合したペーストを接着歯面に塗布、更に上部にPPフィルムを乗せて圧接した状態で10分間保持し硬化させた。続いて、スーパーボンドC&B(サンメディカル(株)社製のメタクリレート系接着材)を用いてアクリルロッドを圧接して植立した。1時間経過し硬化したサンプルを5℃と55℃の水槽に交互に20秒ずつ、5000回の浸漬を繰り返した(ヒートサイクル)後、オートグラフAGS−2000G(島津製作所)を用いて、クロスヘッドスピード2mm/minで引張接着強さを評価した。
(圧縮強度の測定)
直径3mm、厚さ3mmの円筒形の孔の空いたテフロンモールドに、実施例・比較例の各組成物を混合したペーストを充填し、室温(23℃)で24時間放置した後、モールドから硬化物を取り出して、37℃の恒温水槽に24時間浸漬した。この硬化体をオートグラフAGS−2000G(島津製作所)により、クロスヘッドスピード2mm/minで圧縮強度を評価した。
硬化時間、引張り接着強さ、微小引張り接着強さおよび、圧縮強度の評価結果を下記の表1に示す。
Figure 2012020983
硬化時間に関して、測定不能は顕著な発熱ピークが観察されなかったものである。また、引張り接着強さに関して、測定不能はヒートサイクル後に脱落したものである。
各評価結果から、分子内に少なくとも1つの重合性基を有する化合物、フィラー、重合開始剤とポルトランドセメント成分を混合することで、硬化時間が短縮され、象牙質接着強さおよび、圧縮強さが増している。この結果から、接着性およびそれに伴うシール性の向上により、細菌や唾液および食物残渣の侵入を抑制することが可能となり、また操作性や物性の向上を図ることで術者のミスなども低減され、より効率的に硬組織誘導能を有するとされるポルトランドセメント成分が使用可能となる。

Claims (10)

  1. (A)分子内に少なくとも1つの重合性基を有する化合物、
    (B)フィラー、
    (C)重合開始剤、および、
    (D)ポルトランドセメント成分を含んでなることを特徴とする歯科用硬化性組成物。
  2. 上記(A)〜(D)からなる歯科用硬化組成物の合計を100重量部としたときに、(A)成分が8〜85重量部、(B)成分が12〜90重量部、(C)成分が0.01〜40重量部、(D)成分が0.1〜79重量部の範囲内の量で含有されていることを特徴とする請求項第1項記載の歯科用硬化性組成物。
  3. 上記(A)成分が,
    分子内に少なくとも1つの重合性基と酸性基を有する化合物(A1)と、
    分子内に少なくとも1つの重合性基を有し,且つ,酸性基を有しない化合物(A2)のいずれか一方もしくは両者であることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の歯科用硬化性組成物。
  4. 上記(A1)成分が、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基、チオリン酸基およびその他の酸性基よりなる群から選ばれる少なくとも1つの酸性基を有することを特徴とする請求項第3項記載の歯科用硬化性組成物。
  5. 上記(A1)成分が、4-(メタ)アクリロキシエチルトリメリット酸および/またはその酸無水物であることを特徴とする請求項3項記載の歯科用硬化性組成物。
  6. 上記(B)成分が、無機フィラー、有機フィラーあるいは無機有機複合化フィラーのいずれかもしくはこれらの混合物であることを特徴とする請求項第1項乃至第5項のいずれかの項記載の歯科用硬化性組成物。
  7. 上記(D)成分が、酸化カルシウム、二酸化ケイ素及び硫酸カルシウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種類の無機成分を含有することを特徴とする請求項第1項乃至第6項のいずれかの項記載の歯科用硬化性組成物。
  8. 上記(D)成分が更に三酸化ミネラルアグリゲイトを含有することを特徴とする請求項第1項または第7項記載の歯科用硬化性組成物。
  9. 上記の歯科用組硬化性成物が、更に(E)色素および/または顔料を含むことを特徴とする請求項第1項乃至第8項のいずれかの項記載の歯科用硬化性組成物。
  10. 上記の歯科用硬化性組成物が、更に(F)水中においてフッ化物イオンを放出する化合物を含むことを特徴とする請求項第1項乃至第9項のいずれかの項記載の歯科用硬化性組成物。
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