JP4427133B2 - 歯科接着性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯牙などの修復に有利に用いられる歯科接着性組成物に関する。さらに詳しくは、コンポジットレジンやレジンセメントなどの(メタ)アクリル酸またはそのエステルを含有する歯科用レジンと歯質とを接着させる硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ムシ歯、破折や摩耗などによって失った歯牙を修復するためには確実に修復物と歯質とに接着する材料が必要となる。不確実な接着は、修復物との間に隙間を生じることがあるために細菌が侵入して繁殖することによって二次カリエスを引き起こす場合がある。また、侵入した細菌が象牙質の象牙細管を経て歯髄に達すると歯髄炎を引き起こす場合がある。
【0003】
歯科修復に当たっては、ウ蝕部分を切削して除去した歯牙の表面に対して、多価カチオンを含有してもよい硝酸、リン酸、クエン酸、マレイン酸などの酸性液を接触させて歯牙表面の切削クズ(スメア)層を溶解して除去し、その表面に対して歯質に接着する硬化性組成物(以下、接着材と呼ぶことがある)を適用して、続いてコンポジットレジンなどの修復充填物を接着させる方法がとられている。該修復にあたって歯質と修復充填物との間の接着力が必要になるばかりでなく、接合部に隙間がない、いわゆる辺縁封鎖性が高いことが要求される。歯牙、特に象牙質は非常に水分が多く、また、口腔内という高湿度下での修復作業であるがために、多くの場合、湿った歯牙に接着材を適用することになる。
【0004】
歯科用接着材に関する提案として、特開平4−295408号公報、特開平5−105610号公報、特開平5−97621号公報、特開平6−9327号公報および特開平9−216924号公報を挙げることができる。しかし、前述の如く、特殊な環境下および被着体であるために、現在のところ、実使用上においては接着材に期待した接着力と辺縁封鎖性の両性能を十分に満足させるには至っていない。
また、分子内に水酸基を有するモノマーを使用する場合には、口腔粘膜や皮膚に対する感作性が高くなり、患者や施術者にアレルギーなどを発症させる恐れがあった。
特開平2−255034号公報には、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、アセトン、光重合開始剤を含有するセメント組成物が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者の目的は、湿潤した歯質に対して高接着力と優れた辺縁封鎖性を有する硬化性の歯科接着性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、分子内に水酸基を有するモノマーを配合させないことにより、口腔粘膜や皮膚に対する感作性のない歯科接着性組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、
(A)分子内に水酸基を有せず、少なくとも5個のエーテル結合を有する重合性単量体 5〜95重量部、
(B)光重合開始剤 0.01〜10重量部 および
(C)水溶性有機溶媒 4〜90重量部
からなり、(A)、(B)および(C)成分の合計が100重量部である歯科接着性組成物によって達成される。
本発明によれば、更に、(D)分子内に酸性基を有する重合性単量体、(E)水への溶解度が5重量%未満である共重合可能な重合性単量体および(F)フィラー、から選択させる少なくとも一種の成分を含有する歯科接着性組成物が同様に提供される。
【0007】
本発明の歯科接着性組成物において、重合性単量体(A)は、分子内に少なくとも1種のラジカル重合性基を有している。該重合性基としては、例えば(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基およびアリルの如き不飽和結合を挙げることができる。これらの重合性基を分子内に1個以上、好ましくは8個程度まで有することができる。これらのなかでは、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
【0008】
本発明の重合性単量体(A)は分子内に水酸基を持たず、少なくとも5個のエーテル結合を有する。該エーテル結合は、通常、5〜50個が好ましく、好ましくは7〜40個、更に好ましくは9〜30個の範囲である。かかる(A)成分としては、重合性基を分子内に1個しか有さない単官能性単量体として、例えば一方の水酸基がアルキルエーテル基、フェニルエーテル基、アシル基などの置換基で置換されているペンタエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、ノナエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エーテル結合数10以上)の如きエチレンオキシド単位を持つグリコールのモノ(メタ)アクリレート類;メトキシノナエチレングリコールモノメタクリレートおよびメトキシポリエチレングリコール(エーテル結合数10以上)のモノメタクリレート;ペンタプロピレングリコール、ヘプタプロピレングリコール、ノナプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(エーテル結合数10以上)の如きプロピレンオキシド単位を持つグリコールのモノ(メタ)アクリレート類などを好ましいものとして挙げることができる。
【0009】
また、重合性基を分子内に2個有する二官能重合性単量体としては、例えばペンタエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、ノナエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エーテル結合数10以上)などのエチレンオキシド単位を持つグリコールのジ(メタ)アクリレート類;ペンタプロピレングリコール、ヘプタプロピレングリコール、ノナプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(エーテル結合数10以上)などのプロピレンオキシド単位を持つグリコールのジ(メタ)アクリレート類;2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、
下記式
【0010】
【化1】
ここで、nおよびmは正数である、
【0011】
で表される2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン(m+n=5以上のもの)などの2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン類、などを好ましいものとして挙げることができる。
更に、1モルの1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロライドと3モルのポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1モルの1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボキシリックジアンハイドライドとポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートの縮合物などの重合性基を分子内に3個有する重合性単量体を挙げることができる。
これらの重合性基を有する重合性単量体は単独で、または組み合わせて使用できる。
【0012】
(A)成分の重合性単量体としては、水への溶解度が5重量%以上であるものが好ましく、より好ましくは完全に水に分散あるいは溶解するものである。ここで、水への溶解度が5重量%以上であるという意味は、蒸留水中に該重合性単量体を5重量%になるように配合した混合液を37℃で10分間撹拌した後、同温度下で10分間静置して肉眼的に観察をした際に、均一に透明ないしは白濁した状態を保っていることを示している。それ以外の例えば、油滴の分離が確認されるもの、もしくは、透明な水相と白濁した相とに相分離が認められる重合性単量体については、水への溶解度が5重量%未満と定義される。このような5重量%以上の溶解度を有する化合物として、ノナエチレングリコール(エーテル結合数8)、ポリエチレングリコール(エーテル結合数10以上)、ノナプロピレングリコール(エーテル結合数8)、ポリプロピレングリコール(エーテル結合数10以上)の如きグリコールのモノ(メタ)アクリレートあるいはジ(メタ)アクリレートを挙げることができる。モノ(メタ)アクリレートの場合は、一方の水酸基がメトキシエーテル基、アルキルエーテル基、フェニルエーテル基、アシル基で置換された化合物が好ましい。
(A)成分の重合性単量体としては、高粘度ないし固体の化合物が特に好ましい。このような(A)成分を選択することにより本発明の接着性組成物の塗膜性を向上させ、ギャップの発生を抑制することができる。具体的には、例えば、本発明の組成物を垂直な歯質表面に適用する場合には(A)成分が低粘度であると塗りつけた成分が下に垂れて上部に残りにくく、そのためにギャップを発生させる場合がある。この際、塗りつけた成分が十分に必要部分に残り、厚みを得るための操作として、塗り付け操作を最低2回繰り返す必要があった。しかし、(A)成分が高粘度ないし固体である場合には被着体表面から垂れずに残るために重ね塗りの必要がなくなる利点がある。ここでいう、高粘度とは具体的には、25℃で10cP以上、好ましくは50cP以上、更に好ましくは100cP以上の粘度をいう。
【0013】
本発明の(B)成分は光重合開始剤である。かかる光重合開始剤は、一般に光増感剤を単独で、または、光増感剤と還元性化合物との共存下で光によって励起されてラジカルを発生し、本発明の接着性組成物を硬化せしめる役割をなす。例えば、光増感剤として(b1)α−ジケトン化合物、(b2)アシルホスフィンオキシド化合物などを挙げることができる。
【0014】
ここで、可視光線を用いて本発明の組成物を硬化させる場合、一般に(b1)は比較的低濃度においても接着強度を得るだけの(A)成分に挙げた重合性単量体を硬化させる利点がある反面、着色した組成物を与える欠点がある。一方、(b2)は(b1)と比べて硬化性は劣る傾向にあるが、着色の極めて少ない組成物を与えることができる利点がある。従って、(b1)、(b2)はそれぞれ単独で使用できるが、両者を適切な比率で混合することは十分な硬化性と低着色の組成物を調製するのに極めて有効である。具体的には、例えば、(b1)成分としては、ベンジル、4,4'−ジクロロベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、9,10−アントラキノン、ジアセチル、d,l−カンファーキノン(CQ);(b2)成分としては、ベンゾイルジメトキシホスフィンオキシド、ベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(TMDPO)などの可視光線増感剤が挙げられる。ここで、好ましく使用されるものとしては、CQまたはTMDPOを挙げることができる。
【0015】
更に、(b1)および/または(b2)に、(b3)アミン化合物を併用することができる。アミン化合物は光増感剤と併用することによってラジカルの発生を促進する役割がある。該アミン化合物として脂肪族および/または芳香族アミンを使用することができ、その第三級および/または第二級アミンを好ましく使用することができる。例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミンなどの脂肪族アミン;トリシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアミンなどの脂環族アミン;アニリン、トルイジン、キシリジン、フェニレンジアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエタノールアミン、N,N−ジメチルトルイジン(DMPT)、N,N−ジエチルトルイジン、N,N−ジエタノールトルイジン(DEPT)、N,N−ジメチルp−tert−ブチルアニリン、N,N−ジエチルp−tert−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニシジン、N,N−ジエチルアニシジン、N,N−ジメチルp−クロロアニリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステルまたはアルコキシアルキルエステル、N,N−ジエチルアミノ安息香酸(DEABA)およびそのアルキルエステルまたはアルコキシアルキルエステル、N,N−ジプロピルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステルまたはアルコキシアルキルエステル、N−イソプロピルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステルまたはアルコキシアルキルエステル、N,−イソプロピル−N−メチルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステルまたはアルコキシアルキルエステルなどで代表される脂肪族アルキルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステルまたはアルコキシアルキルエステル類;N,N−ジメチルアミノベンツアルデヒド(DMABAd)、N,N−ジエチルアミノベンツアルデヒド、N,N−ジプロピルアミノベンツアルデヒド、N−イソプロピル−N−メチルアミノベンツアルデヒドなどで代表される脂肪族アルキルアミノベンツアルデヒド類;N,N−ジメチルアミノアセチルベンゼン、N,N−ジエチルアミノアセチルベンゼン、N,N−ジプロピルアミノアセチルベンゼン、N−イソプロピルアミノアセチルベンゼン、N−イソプロピル−N−メチルアミノアセチルベンゼンなどで代表される脂肪族アルキルアミノアセチルベンゼンおよび脂肪族アルキルアミノアシルベンゼン類;N−フェニルグリシン(NPG)、N−トリルグリシン(NTG)、N,N−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニルグリシン(NPG−GMA)などを併用することができる。これらの化合物は単独で、または組み合わせて使用することができる。
【0016】
(b1)または(b2)成分と組み合わせる場合に好ましく使用されるアミン化合物として、N,N−ジメチルアニリン、DMPT、DEPT、DEABA、DMABAd、NPGまたはその塩、NTGまたはその塩などを挙げることができる。
また、かかる光重合開始剤に加えて、有機過酸化物、無機過酸化物、アルキルボラン、アルキルボランの部分酸化物、有機スルフィン酸または/およびその塩、無機硫黄化合物およびバルビツール酸類などの熱重合性あるいは常温重合性の過酸化物、還元剤などの重合開始剤を用いることができる。
【0017】
本発明の(C)成分は水溶性有機溶媒である。かかる水溶性有機溶媒とは、好ましくは水への溶解度が50重量%以上のものであり、より好ましくは水と任意の比率で混和および/または溶解しうる溶媒である。さらに、該溶媒は25℃で液体であって、沸点が200℃以下、好ましくは150℃以下、最も好ましくは100℃以下の液体である。ここで使用できる有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;N,N-ジメチルスルホキサイド(DMSO)などのスルホキサイド類;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの高級アルコール類などを挙げることができる。生体への安全性を考慮して、エタノール、プロパノールなどのアルコール、アセトン、THFおよびDMSOなどが好ましい。上記の化合物はいずれも組み合わせて使用することができる。
【0018】
本発明における(C)成分は、水分の多い歯質表面に適用して強固な接着力を発揮させるために重要な役割を果たす。すなわち、(C)成分は、歯質表面に存在する水分と本発明に記載した(C)成分以外の成分を短時間に置換して歯質組織内に浸透させ、その後は、水をともなって揮発するので、硬化した組成物の機械的強度、すなわち接着強度を損なうほど残存しないと考えられる。また、(C)成分を配合することによって従来プライマー等を組み合わせて硬化性組成物を適用しなければ得られなかった接着強度を本発明の接着性組成物のみによって発現できる。
【0019】
本発明の接着性組成物においては、(A)〜(C)成分からなる組成物100重量部に対して、(A)成分が5〜95重量部、好ましくは15〜85重量部、更に好ましくは20〜70重量部の範囲であり、(B)成分が0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜7重量部、更に好ましくは0.1〜5重量部の範囲であり、および(C)成分が4〜90重量部、好ましくは15〜80重量部、更に好ましくは30〜70重量部の範囲である。
【0020】
本発明の接着性組成物には、更に、以下の(D)〜(F)成分から選択される少なくとも1種の成分を配合することができる。ここで、(D)成分は分子内に酸性基を有する重合性単量体である。
【0021】
本発明における(D)成分は、分子内に酸性基を有するラジカル重合性単量体である。かかる酸性基とは、カルボキシル基およびその酸無水物基、リン酸基、チオリン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基などを例示することができる。
【0022】
1分子中にカルボキシル基またはその酸無水物基を有する単官能重合性単量体としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸およびポリカルボン酸またはその無水物を挙げることができる。ここで、使用できる化合物としては、特公平6−62688号公報に記載されているカルボン酸または/およびその無水物(a2)を挙げることができる。特に、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、p−ビニル安息香酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸(MAC−10)、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルピロメリット酸、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸およびその無水物、4−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ]ブチルトリメリット酸およびその無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2または3または4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、N,O−ジ(メタ)アクリロイルオキシチロシン、O−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン、N−(メタ)アクリロイルp−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイルO−アミノ安息香酸、N−フェニルグリシンまたはN−トリルグリシンとグリシジル(メタ)アクリレートとの付加物、4−[(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、3または4−[N−メチルN−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、(メタ)アクリロイルアミノサリチル酸、(メタ)アクリロイルオキシサリチル酸を挙げることができる。このうち、11−メタクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸(MAC−10)および4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸(4−MET)またはその無水物(4−META)が好ましく用いられる。(D)成分として使用できる多官能重合性単量体で、1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する重合性単量体としては、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびテトラカルボン酸またはこれらの誘導体を挙げることができる。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとピロメリット酸二無水物の付加生成物(PMDM)、2モルの2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと1モルの無水マレイン酸または3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)または3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などを反応させた付加反応物、2−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパンなどを挙げることができる。
【0023】
1分子中に少なくとも1個のリン酸基を有する重合性単量体としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシドホスフェート、2−または3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシドホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルアシドホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルアシドホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルアシドホスフェート、ビス{2−(メタ)アクリロイルオキシエチル}アシドホスフェート、ビス{2または3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル}アシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルp−メトキシフェニルアシドホスフェートなどを挙げることができる。これらの化合物におけるリン酸基をチオリン酸基に置き換えた化合物も同様に使用することができる。具体的には、特開平1−90276公報および特開平1−138282公報および1−268612公報に例示された化合物を挙げることができる。リン酸基を有するラジカル重合性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェートが好ましく用いられる。これらのリン酸基を有する重合性単量体は単独または組み合わせて使用できる
【0024】
(D)成分の他の例は、1分子中にスルホン酸基を有する重合性単量体である。かかる重合性単量体しては、例えば2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−または1−スルホ−1または2−プロピル(メタ)アクリレート、1−または3−スルホ−2−ブチル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシ−1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2−スルホエチル(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができる。このうち、2−メチル−2−(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸が好ましく用いられる。
【0025】
(D)成分は酸性基の一部または全部が1価または多価の金属塩やアンモニウム塩などの塩となったものとして使用することができる。この場合、通常、他の酸性化合物と併用して接触した際に(D)成分が酸として働くようにすることが好ましい。
上記の(D)成分はすべて単独で、または組み合わせて使用することができる。
【0026】
本発明の(E)成分は、水への溶解度が5重量%未満である共重合可能な重合性単量体である。ここで示す水への溶解度が5重量%未満の重合性単量体とは既に記載した定義に従って分類したものである。かかる(E)成分としては、具体的には、例えばスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物類:酢酸ビニルなどのビニルエステル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の脂肪族エステル類;(メタ)アクリル酸フェニルなどの芳香族エステル類;2−ヒドロキシ−3−フェノキプロピル(メタ)アクリレート(HPPM)、1モルのビスフェノールAと2モルのグリシジルメタクリレートの付加物(Bis−GMA)、1モルのビスフェノールAグリシジルエーテルの付加重合物と2モルの(メタ)アクリル酸の縮合物(VR90)などの芳香族系(メタ)アクリレート類;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1モルの2,2,4−(または2,4,4−)トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートと2モルの2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加物(UDMA)で代表されるウレタン結合含有(メタ)アクリレート;1,6−ヘキサメチレンジメタクリレート(1,6−HX)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の脂肪族エステル類などの重合性単量体を挙げることができる。該重合性単量体は単独で、または、組み合わせて用いることができる。これらの中では、高粘度または固体であるHPPM、Bis−GMA、VR90およびUDMAが好ましく用いられる。
【0027】
本発明の接着性組成物において、(F)成分としては有機質フィラー、無機質フィラーおよび有機質複合フィラーを使用することができる。このフィラー(F)の配合によって、主として組成物の硬化層の機械的強度を向上させることができる。
ここで有機質フィラーとしては、例えば前述した種々の重合性単量体を予め重合硬化させた後に粉砕した粉末、あるいは分散重合によって得られた粉末重合体を使用できる。
【0028】
ここで、使用できるフィラーの原料となる重合性単量体の種類に特に制限はないが、(A)、(D)および(E)成分の説明に例示した重合性単量体あるいはこれらの組合せたものを挙げることができる。こうした重合性単量体から形成されたフィラーを構成する樹脂の例として、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル(PBMA)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピレングリコール(PPG)、ポリビニルアルコール(PVA)などを架橋剤によって不溶化させた粉末状重合体を挙げることができる。また、MMA−ブタジエン−スチレン3元共重合体などを挙げることができる。無機フィラーの例としては、例えばシリカ、シリカアルミナ、アルミナ、アルミナ石英、ガラス(バリウムガラスを含む)、チタニア、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、雲母、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、リン酸カルシウムなどを挙げることができる。これらの無機フィラーはあらかじめシランカップリング剤やチタネートカップリング剤などで表面処理し、親水化または疎水化されていてもよい。
【0029】
有機質複合フィラーとしては、前述した無機質フィラー表面を重合性単量体で重合して被覆した後に粉砕して得られるフィラー、または無機質フィラーと重合性単量体とを懸濁重合してえられるフィラーを挙げることができる。具体的には、無機質フィラーのうち、微粉末シリカをトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPT)や分子内にウレタン結合を有し、かつ、重合性基を通常2〜8個有する多官能重合性単量体を主成分とする重合性単量体で重合被覆し、得られた重合体を粉砕したフィラー(TMPT・f)を挙げることができる。また、PMMAを溶解したアセトンなどの溶液にシリカや酸化ジルコニウムなどの無機フィラーを加えて分散し、溶媒を留去して乾燥した後に粉砕することによって得られるフィラーを挙げることができる。
【0030】
(F)成分やポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの増粘材の使用は、塗布の容易さ、被膜の厚みおよび液の垂れを調製するために有効である。
【0031】
本発明において、上記の(D)〜(F)成分は、(A)、(B)および(C)成分の合計100重量部に対して更に添加される。それらの添加量は(D)成分が1〜100重量部、好ましくは2〜95重量部、更に好ましくは3〜90重量部である。(E)成分は1〜200重量部、好ましくは5〜150重量部、更に好ましくは10〜100重量部である。(F)成分は1〜100重量部、好ましくは3〜90重量部、更に好ましくは5〜80重量部である。
【0032】
本発明の組成物を歯質表面に塗布する場合には、通常、歯質表面上に1〜500μmの厚みで適用することができる。好ましくは5〜300μm、更に好ましくは10〜100μmの範囲である。皮膜の厚みは、使用目的や用途によって選択でき、組成物中の成分の比率を変化させて組成物の粘度を調製することによって、或いは、歯質表面への塗布量やエアブローなどによる吹き飛ばし方によっても調製することができる。歯質表面上に形成する本発明の組成物の厚みは、光照射後の硬化性およびその強度に影響を与える。即ち、塗布後(光硬化前)の膜厚が小さい場合には、空気中の酸素による重合阻害の影響が大きく反映して硬化性を著しく低下させる場合があり、一方、膜厚が大きいと組成物中の有機溶媒が蒸発せずに被膜中に取り残されて硬化物の強度を低下させる場合がある。これらの悪条件が生じた場合には、歯質への接着強さおよび接着耐久性の低下を招く場合がある。
【0033】
本発明の接着性組成物は水分が多く存在する歯質表面に対して、濡れ性、歯質反応性、歯質拡散性および歯質浸透性等の接着するための必要な条件を同時に持ち合わせ、生体硬組織、特に歯質に隙間なく強固に接着することができる。本発明の接着性組成物を歯質、なかでも象牙質に適用するにあたっては、研削歯質表面に湿潤状態でそのまま接触させることができるが、高い接着強度を得るため、より好ましくは金属塩を含んでもよいリン酸、硝酸、塩酸、硫酸、クエン酸、マレイン酸、エチレンジアミン四酢酸などを含む溶液またはゲル状態のエッチング材ないしはコンディショナーによって予め前処理することが好ましい。該前処理材を適用して水洗した歯質は、一度軽く乾燥してもよいが、好ましくは湿潤状態で、そのまま本発明の接着性組成物を適用することができる。従って、その後にプライマー組成物や下塗り材を適用して更に接着性組成物を介してコンポジットレンジなどの修復材料を接着させる従来の技術と比較して、接着操作のステップを減らし、治療時間が短縮できる利点がある。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明の歯科用接着性組成物を具体的に説明するが、本発明はその実施例によって何ら限定されるものではない。
【0035】
実施例1〜20および比較例1〜4
接着性組成物として、下記表1〜表4に示した重量比で調製した1液状の組成物を使用した。
【0036】
(歯質と歯科用レジンとの接着試験方法)
新鮮なウシ下顎前歯を抜去し、水中で凍結して保存したものを歯質サンプルとして使用した。解凍した牛歯を新鮮なエナメル質または象牙質が露出するように回転式研磨機ECOMET−III(BUEHLER製)で注水、指圧下で耐水エメリー紙#80まで研磨して平滑な面を得た。研削した牛歯を一度気銃にて水分を除去して直径4.8mmの円孔のあいたセロハンテープを張り付けた。続いて、エッチング材として、表面処理材グリーン(スーパーボンドC&B、サンメディカル製)または、表面処理材、高粘度レッド(サンメディカル(株)製)を用いてスポンジSにて十分量塗布してエナメル質30秒および象牙質に10秒間塗布して水洗した。その後、水洗した表面を歯科用綿球にて余剰な水分を除去するのみで乾燥させないまま、表1〜表4に記載の本発明の組成物または表3に記載の比較組成物を適用した。適用に際しては、スポンジにて十分に含ませた組成物をスポンジに液を供給しながら2度連続的に塗布した。10秒間静置後に、軽くエアブローしながら液が動かなくなるまで続けた。このときの硬化物の被膜厚さは約30μmであった。直ちに可視光照射器(Translux CL, Kulzer)にて20秒間光照射して接着性組成物を硬化させた。片面に粘着材のついた内径5.1mm厚さ1mmの厚紙を置いて固定し、この穴にコンポジットレジン(Epic−TMPT,サンメディカル)を充填して、厚さ50μmのポリエステルフィルムで覆った。このフィルムの上から可視光照射器(Translux CL, Kulzer)にて40秒間光照射してコンポジットレジンを硬化させた後、フィルムを剥がし、メタファースト(サンメディカル)にてアクリル棒を植立して15分間静置した。
接着操作を実施した後、37℃水中に24時間浸漬して取り出し、室温で30分以内に引張試験を島津オートグラフを用いてクロスヘッドスピード2mm/minで行った。
【0037】
(ギャップ)
新鮮なウシ下顎前歯を抜去し、水中で凍結して保存したものを歯質サンプルとして使用した。解凍した牛歯を新鮮な象牙質が露出するように回転式研磨機ECOMET−III(BUEHLER製)で注水、指圧下で耐水エメリー紙#80まで研磨して平滑な面を得た。研削した牛歯を一度気銃にて水分を除去して直径約3mm深さ約2mmの窩洞をカーバイドバーを用いてエアタービンにて形成した。続いて、エッチング材として、表面処理材グリーン(スーパーボンドC&B、サンメディカル製)または、表面処理材、高粘度レッド(サンメディカル製)を用いてスポンジSにて十分量塗布してエナメル質30秒および象牙質に10秒間塗布して水洗した。その後、水洗した表面を歯科用綿球にて余剰な水分を除去するのみで乾燥させないまま、表1〜表4に記載の組成物を適用した。適用に際しては、スポンジにて十分に含ませた組成物をスポンジに液を供給しながら2度連続的に塗布した。10秒間静置後に、軽くエアブローしながら液が動かなくなるまで続けた。このときの硬化物の被膜厚さは約30μmであった。直ちに可視光照射器(Translux CL, Kulzer)にて20秒間光照射して接着性組成物を硬化させた。この穴にコンポジットレジン(Epic−TMPT,サンメディカル)を充填して、厚さ50μmのポリエステルフィルムで覆った。このフィルムの上から可視光照射器(Translux CL, Kulzer)にて40秒間光照射してコンポジットレジンを硬化させた後、フィルムを剥がした。更に、耐水エメリー紙#1000にて窩洞の辺縁部が現れるまで研磨し、塩基性フクシンに10秒間浸漬してギャップの発生部位を着色させ、水洗・乾燥した。光学顕微鏡による観察と辺縁部の着色からギャップの有無を確認した。ギャップの有無の判定は、塩基性フクシンによる着色部位が光学顕微鏡(400倍)にて観察した場合に明らかな亀裂を認められない場合に「なし」、亀裂が認められる場合には「あり」とした。上記試験の結果も表1〜表4に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
表1〜表4中における略号の意味は次のとおりである。
4-META:4−メタクリロキシエチルトリメリット酸無水物
4-MET:4−メタクリロキシエチルトリメリット酸
MMA:メタクリル酸メチル
2.6E:2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン(m+n=2.6のもの:エーテル結合数2);920cP
UDMA:1モルの2,2,4−(又は2,4,4−)トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートと2モルの2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加物
Bis-GMA:1モルのビスフェノールAと2モルのグリシジルメタクリレートの付加物
VR90:リポキシエステル(昭和高分子)
3G:トリエチレングリコールジメタクリレート(エーテル結合数2);9cP(25℃)
9G:ノナエチレングリコールジメタクリレート(エーテル結合数8);35cP(25℃)
14G:ポリエチレングリコールジメタクリレート(エーテル結合数13);64cP(25℃)
23G:ポリエチレングリコールジメタクリレート(エーテル結合数22);固体(25℃)
CQ:d,l−カンファキノン
TMDPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド
DMABABE:N,N−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチル
DEABA:N,N−ジエチルアミノ安息香酸
TMPT・f:トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)56重量部、平均粒径0.08μmのアモルファスシリカ43重量部及び1重量部のBPOの混合物を120℃で硬化させ、得られた重合体を粉砕して平均粒径約30μmとしたフィラー
M90G:メトキシノナエチレングリコールモノメタクリレート(エーテル結合数9);23cP(25℃)
M230G:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エーテル結合数23);固体(25℃)
また、使用した重合性単量体の粘度(cP,25℃)と水への溶解度(37℃)とを表5に示した。水への溶解度は蒸留水中に重合性単量体を5重量%になるように配合した液を37℃で10分間攪拌後、37℃で10分間静置して肉眼で観察した。判定基準は次のとおりである。
×:溶解しない(溶解度<5%)
△:白濁(溶解度≧5%)
○:溶解(溶解度≧5%)
【0043】
【表5】
Claims (9)
- (A)分子内に水酸基を有せず、少なくとも5個のエーテル結合を有する重合性単量体 5〜95重量部、
(B)光重合開始剤 0.01〜10重量部 および
(C)水溶性有機溶媒 4〜90重量部
からなる(ここで、(A)、(B)および(C)成分の合計が100重量部である)歯科接着性組成物。 - (A)成分が水への溶解度が5重量%以上である請求項1に記載の歯科接着性組成物。
- (A)成分の粘度が10cP(25℃)である請求項1または2に記載の歯科接着性組成物。
- (B)成分が(b1)α−ジケトン化合物および/または(b2)アシルホスフィンオキシドである請求項1〜3のいずれかに記載の歯科接着性組成物。
- (b3)アミン化合物を更に含有する請求項4に記載の歯科接着性組成物。
- (C)成分がアセトン、エタノール、プロパノールおよびテトラヒドロフランよりなる群から選択される少なくとも1種の水溶性有機溶媒である請求項1〜5のいずれかに記載の歯科接着性組成物。
- (D)分子内に酸性基を有する重合性単量体1〜100重量部をさらに含有する請求項1に記載の歯科接着性組成物。
- (E)水への溶解度が5重量%未満である共重合可能な重合性単量体1〜200重量部をさらに含有する請求項1または7に記載の歯科接着性組成物。
- (F)フィラー1〜100重量部をさらに含有する請求項1、7または8に記載の歯科接着性組成物。
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