JP5730061B2 - 重合収縮力を低減した接着性の歯科用修復材料 - Google Patents
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重合性単量体100重量部に対してフィラー(D)を100〜900重量部と、重合開始剤(E)とを含む自己接着性歯科用コンポジットレジンである。
酸性基を有する重合性単量体(A)は、歯質への接着作用及び硬化作用を有しており、歯科用コンポジットレジンに、歯質に対する高い接着性及び接着耐久性を付与する成分である。歯科用コンポジットレジンが酸性基を有する重合性単量体(A)を含有することにより、自己接着性歯科用コンポジットレジンとして機能することができる。
長鎖多官能重合性単量体(B)は、重合収縮力を低減させる効果を有する。本発明の自己接着性コンポジットレジンに長鎖多官能重合性単量体(B)を含有させることによって、歯質との接着界面に生じる応力を低減させることができ、硬化したコンポジットレジンの歯の修復部からの脱落や辺縁漏洩を防止することができる。
酸性基を有さず且つ一般式(I)以外の構造を有する重合性単量体(C)は、自己接着性コンポジットレジンのマトリックスとしての強度あるいは操作性を向上させるための成分である。
(イ)一官能性(メタ)アクリレート及び(メタ)一官能性アクリルアミド
メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシデシルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート(2,2−ビス[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、通称Bis−GMA)、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート等が挙げられる。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタン等が挙げられる。
フィラー(D)は、自己接着性コンポジットレジンのマトリックスとしての強度あるいはペースト操作性を向上させるための成分である。
重合開始剤(E)は、自己接着性コンポジットレジンの重合硬化を促進する成分である。重合開始剤(E)は、一般工業界で使用されている重合開始剤から選択して使用でき、中でも歯科用途に用いられている重合開始剤が好ましく用いられる。特に、光重合及び化学重合の重合開始剤が、単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用される。
好ましい実施態様では、重合促進剤(F)が用いられる。本発明に用いられる重合促進剤(F)としては、アミン類、スルフィン酸及びその塩、ボレート化合物、バルビツール酸誘導体、トリアジン化合物、銅化合物、スズ化合物、バナジウム化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド類、チオール化合物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ尿素化合物などが挙げられる。
本発明の自己接着性コンポジットレジンは、さらにフッ素イオン放出性物質(G)を含んでいてもよい。フッ素イオン放出性物質(G)を配合することによって、歯質に耐酸性を付与することができる自己接着性コンポジットレジンが得られる。かかるフッ素イオン放出性物質としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化イッテルビウム等の金属フッ化物類等を挙げることができる。
D30E:
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
Bis−GMA:2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン
TMDPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
UIS−24:2.2μm粒径シリケートガラス
表1に記載の各成分を常温下で混合して自己接着性コンポジットレジンを作製した。これらの自己接着性コンポジットレジンを用い、後述の方法に従って、接着性試験、収縮力試験及び曲げ強さ試験を行った。その組成及び評価結果を表1に示す。
ウシ下顎前歯の唇面を流水下にて#80シリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)で研磨して、象牙質の平坦面を露出させたサンプルを得た。得られたサンプルを流水下にて#1000のシリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)でさらに研磨した。研磨終了後、表面の水をエアブローすることで乾燥した。乾燥後の平滑面に、直径3mmの丸穴を有する厚さ約150μmの粘着テープを貼着し、接着面積を規定した。
50μmアルミナパウダーでサンドブラスト処理を施した5.0mm厚ガラス板に離型剤を塗布したステンレス製ワッシャー(内径5.3mm×0.8mm厚)を設置し、ワッシャー内に自己接着性コンポジットレジンを充填した。次いで、余剰な自己接着性コンポジットレジンペーストを除去し、別途サンドブラスト処理を施したステンレス製治具(φ5mm)とガラス板で自己接着性コンポジットレジンを挟み込んだ。
前記自己接着性コンポジットレジンを、ポリエステル製フィルムを載置したスライドガラス上に置いたテフロン(登録商標)型(寸法2mm×2mm×32mm)に入れ、上からポリエステル製フィルムを置いて、さらにガラス板を用いて軽く押し当てた。歯科技工用光照射器(モリタ製、「アルファーライトII」)で両面から各2分間ずつ光を照射して硬化させた。硬化物を5本ずつ作製し、テフロン(登録商標)型から取り出した後、蒸留水に浸漬し、37℃に保持した恒温器内に24時間静置した。万能試験機(島津製作所製)を用いて、スパン:20mm、クロスヘッドスピード:1mm/minの条件下で曲げ強さを測定した。測定サンプルは計5個作成し、各試験片の測定値の平均値を算出し、曲げ強さとした。
Claims (6)
- 重合性単量体の全量100重量部の内、酸性基を有する重合性単量体(A)を5〜30重量部と、下記一般式(I)で表される構造を有する長鎖多官能重合性単量体(B)を1〜30重量部と、酸性基を有さず且つ下記一般式(I)以外の構造を有する重合性単量体(C)を40〜94重量部含み、
重合性単量体100重量部に対してフィラー(D)を100〜900重量部と、重合開始剤(E)とを含む自己接着性歯科用コンポジットレジン。
- 重合性単量体の全量100重量部の内、前記酸性基を有する重合性単量体(A)を5〜30重量部と、前記長鎖多官能重合性単量体(B)を5〜20重量部と、前記重合性単量体(C)を50〜90重量部含み、重合性単量体100重量部に対してフィラー(D)を150〜600重量部と、重合開始剤(E)とを含む請求項1に記載の自己接着性歯科用コンポジットレジン。
- フィラー(D)が、シリカを主成分とし、必要に応じ、重金属、ホウ素、アルミニウム等の酸化物を含有するガラス類である請求項1に記載の自己接着性歯科用コンポジットレジン。
- フィラー(D)が、シリカを25重量%以上含むものである請求項4に記載の自己接着性歯科用コンポジットレジン。
- フィラー(D)が、溶融シリカ、石英、ソーダライムシリカガラス、Eガラス、Cガラス、ボロシリケートガラス、バリウムガラス、ストロンチウム・ボロシリケートガラス、ランタンガラスセラミックス、フルオロアルミノシリケートガラス、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、珪藻土、カオリン、粘土鉱物、活性白土、合成ゼオライト、マイカ、フッ化カルシウム、フッ化イッテルビウム、フッ化イットリウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム及び二酸化チタンからなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載の自己接着性歯科用コンポジットレジン。
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