JP5943672B2 - 歯科用複合化無機充填材 - Google Patents

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Description

本発明は、歯科用組成物の製造に用いられる歯科用無機充填材に関する。
歯科用無機充填材とは、歯の欠損部や虫歯を充填修復するために用いられる歯科用組成物の構成成分である。
歯科用分野で近年多用されている歯科用複合材料には、天然歯と置換可能な十分な強度が供給されるとともに、自然感溢れる修復を可能とするために自然歯と同様な色調や光沢が求められるようになってきている。多彩な色調を再現するにはベースとなる組成物の透明性が高い方が望ましい。
一般的に、複合材料(修復材料ともいう)は、重合性単量体と無機充填材から構成される。高強度化を目的に2種類以上のフィラーを組み合わせて構成されていることが多く、前記フィラーは複合化されている場合もある。高強度を目的とした複合化技術として、特許文献1には、シリカ粒子と他の金属酸化物を凝集させることにより得られる歯科用無機充填材が記載されており、該歯科用無機充填材を配合することによって、機械的強度が高く、かつ、高研磨性を有する歯科用複合材料を得ることができる。無機充填材料の製造方法としては、分散溶媒液で混合し、その後、分散媒を乾燥し熱処理して製造される。
また、特許文献2では、高密度充填を目的に、異なる平均粒子径を有し、且つ両者の平均粒子径の比が4〜20倍の範囲にある少なくとも二種類の未焼成シリカ系複合酸化物を混合し、焼成することにより得られる無機充填材が記載されており、重合性単量体に該無機充填材を配合した場合に、配合率を高められ、表面滑沢性と理工学特性に優れた歯科用組成物を得ることができることが記載されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載されている無機充填材は、機械的強度を向上させる技術であり、透明性の向上を意図したものではないため、歯科用組成物の透明性を高めることにおいて十分満足のいくものではなかった。
透明性を高める手法として、モノマーとフィラーの屈折率を合致させる方法や純度の高いガラスを用いる方法がある。しかしながら、無機充填材は単一配合のみでなく、高強度化を目的に2種類以上のフィラーを組み合わせて構成されていることが多い。特に屈折率の異なるフィラーが混在することで、重合単量体の重合物との屈折率調整が難しくなり透明性を損なう問題があった。
特開平7−196428号公報 特開平6−157230号公報
本発明の課題は、歯科用組成物の透明性を向上させるため、異なる2種類のフィラーを複合化することにより、表面改質された歯科用無機充填材、及び該歯科用無機充填材を含有してなる歯科用組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、粒子径の異なる二種類の無機充填材を混合粉砕処理することによって、表面が改質された歯科用複合化無機充填材が得られることがわかった。
即ち、本発明は、平均粒子径が1μm以上である無機充填材(A)と、該無機充填材(A)とは異なる無機物を少なくとも1種含み、平均粒子径が0.04μm以下である無機充填材(B)との混合粉砕を行なう歯科用複合化無機充填材の製造方法であって、前記無機充填材(A)がバリウム、ランタン、ジルコニウム、及びストロンチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属を含む、歯科用複合化無機充填材の製造方法に関する。
本発明の歯科用無機充填材は、粒子径の異なる二種類の無機充填材を混合粉砕して複合化することにより表面が改質されたものであるため、該歯科用無機充填材を用いることで透明性を向上した歯科用組成物を得ることができる。
図1は、複合化無機充填材(製造例5)の表面状態の顕微鏡写真を示す図である。 図2は、無機充填材(A)(製造例12)の表面状態の顕微鏡写真を示す図である。 図3は、無機充填材(A)と無機充填材(B)を混合した無機充填材(製造例14)の表面状態の顕微鏡写真を示す図である。 図4は、無機充填材(B)(アルミニウムオキサイドC)の表面状態の顕微鏡写真を示す図である。
本発明の歯科用無機充填材は、平均粒子径が異なり、かつ、その組成が異なる無機充填材同士〔無機充填材(A)と無機充填材(B)〕を混合粉砕によって複合化して得られたものであることを特徴とする。
平均粒子径が異なり、かつ、その組成が異なる無機充填材同士〔無機充填材(A)と無機充填材(B)〕を混合粉砕すると、平均粒子径が大きい無機充填材(A)の表面に平均粒子径が小さい無機充填材(B)が吸着されながら、粉砕時のエネルギーによって一体化すると考えられる。無機充填材(A)の表面に無機充填材(B)がただ吸着しているのではなく、一体化していると考えられる根拠としては、充填材の比表面積の値が指標として挙げられる。無機充填材(A)に無機充填材(B)を単に混合して得られた混合物(混合充填材と記載することがある)の比表面積を測定すると、無機充填材(A)と無機充填材(B)の比表面積を加算した値となる。これに対し、無機充填材(A)と無機充填材(B)を混合粉砕処理した後に得られる処理物(複合化無機充填材と記載することがある)の比表面積を測定すると、無機充填材(A)のみを粉砕した場合の比表面積と同等の値となる。このことから、混合粉砕によって、無機充填材(A)の表面に無機充填材(B)が被覆されながら、一体化していると考えられる。なお、本明細書において、無機充填材の比表面積は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、上記混合充填材の表面成分と、上記複合化無機充填材の表面成分をESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis、X線光電子分析装置)により分析・比較すると、混合充填材に比して複合化無機充填材の表面成分は、無機充填材(B)の組成割合が多くなっている。例えば、無機充填材(A)としてLaガラス、無機充填材(B)としてアルミナを使用した場合、混合充填材の表面成分におけるアルミナの割合が14.7%であるのに対し、複合化無機充填材の表面成分における割合は31.6%である(後述の表4に記載)。これは、混合粉砕処理により無機充填材(A)の表面に無機充填材(B)が吸着されながら、粉砕のエネルギーにより一体化し、充填材表面が無機充填材(B)で置換されたためと推察される。なお、本明細書において、無機充填材の表面成分分析は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
これまで、メカノケミカル法として粉砕のエネルギーによる相転移、あるいは、複合化合物の直接合成等の効果は知られていた。しかし、粒子径の異なる2種類の無機物を混合粉砕処理することにより、平均粒子径の大きい無機物の表面がもう一方の平均粒子径の小さい無機物により被覆、置換され、表面性状が平均粒子径の小さい無機物の性質を持つようになることは、これまで知られていなかった。本発明は、無機充填材を改質することにより、重合性単量体、無機充填材等を混合して得られる歯科用組成物の透明性を高めることができることにある。
複合化処理の観点から、無機充填材(A)の平均粒子径は、1μm以上が好ましく、1〜100μmがより好ましく、1〜10μmがさらに好ましい。無機充填材(B)の平均粒子径は、0.04μm(40nm)以下が好ましく、0.005μm(5nm)〜0.02μm(20nm)がより好ましい。
また、無機充填材(B)が無機充填材(A)の表面を被覆する観点から、無機充填材(B)の平均粒子径は、無機充填材(A)の平均粒子径より小さく、1/20以下が好ましく、1/100以下がより好ましい。
本発明における無機充填材(A)としては、X線不透過性を付与する目的として周期律表第1族、第2族、第3族、及び第4族からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を含むものが挙げられる。なお、本明細書において、第1属の金属としてはランタン、第2属の金属としてはストロンチウム、バリウム、第3属の金属としてはイットリウム、第4属の金属としてはチタン、ジルコニウムが挙げられる。
これらのなかでも、バリウム、ランタン、ジルコニウム、ストロンチウム、イットリウム、チタンが好ましく、バリウム、ランタン、ジルコニウム、及びストロンチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種がより好ましい。無機充填材(A)におけるバリウム、ランタン、ジルコニウム、及びストロンチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の含有量は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましい。なお、「バリウム、ランタン、ジルコニウム、及びストロンチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の含有量」とは、無機充填材(A)に含有される前記金属の含有量のことであり、前記金属が複数ある場合には合計含有量を意味する。
無機充填材(A)の具体例としては、「E3000」(ESSTECH社製)、「GM27884」、「8235」(いずれもショット社製)等のストロンチウム・ボロアルミノシリケートガラス、「E2000」(ESSTECH社製)のバリウムシリケートガラス、「GM31684」(ショット社製)等のランタンガラスセラミックス、「GM35429」(ショット社製)等のフルオロアルミノシリケートガラス、「G018−090」、「G018−117」(いずれもショット社製)等の歯科用ガラス粉末、各種セラミック類、ジルコニアとシリカ等の複合酸化物、フッ化イッテルビウム、フッ化イットリウム等が挙げられる。
また、本発明における無機充填材(B)としては、無機充填材(A)とは異なる無機物を少なくとも1種含むものが用いられ、周期律表第1族、第2族、第3族、及び第4族からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属、あるいは、シリカ及び/又はアルミナを含むものが挙げられる。これらのなかでも、シリカ及び/又はアルミナが好ましい。無機充填材(B)におけるシリカ及び/又はアルミナの含有量は、30重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましい。なお、「シリカ及び/又はアルミナの含有量」とは、無機充填材(B)に含有されるシリカ及びアルミナの合計含有量を意味する。
無機充填材(B)の具体例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の無機酸化物粒子、又はこれらからなる複合酸化物粒子、燐酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、フッ化イットリウム、フッ化イッテルビウム等が挙げられる。好ましくは、火炎熱分解法で作製されるシリカ、アルミナ、チタニア等の粒子であり、例えば、日本アエロジル社製、商品名:「AEROSIL(登録商標)130」、「AEROSIL(登録商標)OX50」、「AEROXIDE(登録商標)AluC」、「AEROXIDE(登録商標)TiO2P25」、「AEROXIDE(登録商標)TiO2P25S」、「VP Zirconium Oxide 3−YSZ」、「VP Zirconium Oxide PH」が好適に用いられる。
無機充填材(A)と無機充填材(B)の屈折率差としては、透明性を向上させる観点から0.01以上が好ましく、0.01〜0.10がより好ましい。なお、前記屈折率差が生じるのであれば、無機充填材(A)の屈折率が無機充填材(B)の屈折率より大きくても、その逆であっても構わない。
また、各無機充填材の屈折率としては、前記範囲内の屈折率差を生じるのであれば特に限定されないが、無機充填材(A)の屈折率は1.50〜1.65が好ましく、1.55〜1.65がより好ましい。無機充填材(B)の屈折率は1.40〜1.70が好ましく、1.60〜1.70がより好ましい。なお、本明細書において、無機充填材の屈折率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
無機充填材(A)と無機充填材(B)の混合粉砕処理方法としては、同時に混合粉砕できるのであれば特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、振動粉砕機、遊星粉砕機、回転粉砕機などを用いて、使用するポットの中に粉砕メディア(例えばボール)を入れる方法が挙げられる。無機充填材の投入順序は特に限定はない。例えば、振動粉砕機を用いて混合粉砕処理を行う場合には、振幅が5〜15mm、振動数が800〜1500rpmの条件で実施することができる。粉砕時間としては、適宜選択できるが、十分に複合化される点および操作時間の点から、5時間以上20時間以下が好ましい。
混合粉砕処理に供する無機充填材の使用量は、無機充填材(A)100重量部に対して、無機充填材(B)が0.5〜50重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。
得られた処理物(歯科用複合化無機充填材)は、得られる組成物の取り扱い性及び機械的強度の観点から、平均粒子径が0.1〜5μmが好ましく、1〜5μmがより好ましく、1〜3μmがさらに好ましい。なお、本明細書において、無機充填材の平均粒子径とは、一次粒子の平均粒子径(平均一次粒子径)のことを意味し、当業者に公知の任意の方法により測定され得る。例えば、下記実施例に記載のレーザー回折型粒度分布測定装置による測定、又は電子顕微鏡写真を撮影し、無作為に選択した100個の粒子の粒子径の平均値として測定できる。なお、粒子が非球状である場合には、粒子径は、粒子の最長と最短の長さの算術平均をもって粒子径とし、凝集粒子である場合には一次粒子の粒子径とする。
また、前記歯科用複合化無機充填材は、重合性単量体と組み合わせて歯科用組成物に用いることから、該無機充填材と重合性単量体との親和性を改善したり、該無機充填材と重合性単量体との化学結合性を高めたりして硬化物の機械的強度を向上させる観点から、表面処理剤で表面処理を施しておいてもよい。
表面処理剤としては、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、及び有機アルミニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機金属化合物が挙げられる。有機金属化合物を2種以上使用する場合は、2種以上の有機金属化合物の混合物の表面処理層としてもよいし、複数の有機金属化合物層が積層した複層構造の表面処理層としてもよい。
有機ケイ素化合物としては、R SiX4−nで表される化合物が挙げられる(式中、Rは炭素数1〜12の置換又は無置換の炭化水素基であり、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、アセトキシ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、又は水素原子を示し、nは0〜3の整数である。R及びXが複数ある場合にはそれぞれ、同一でも異なっていてもよい。
具体的には、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリメトキシシラン〔(メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12、例、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等〕、ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリエトキシシラン〔(メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12、例、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等〕等が挙げられる。
この中でも、重合性単量体と共重合し得る官能基を有するカップリング剤、例えばω−(メタ)アクリロキシアルキルトリメトキシシラン〔(メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12〕、ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリエトキシシラン〔(メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12〕、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が好ましい。
有機チタン化合物としては、例えば、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート等が挙げられる。
有機ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムアセテート等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウム有機酸塩キレート化合物等が挙げられる。
表面処理方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。歯科用複合化無機充填材を激しく攪拌しながら有機金属化合物をスプレー添加して処理する方法、適当な溶媒へ有機金属化合物と歯科用複合化無機充填材を分散又は溶解させ攪拌混合した後、溶媒を除去する方法、適当な酸溶媒へ有機金属化合物を添加し加水分解させた後、歯科用複合化無機充填材を添加して分散させ攪拌混合した後、溶媒を除去する方法などが挙げられる。
表面処理剤の使用量(処理量)は、特に限定はされないが、ペースト性状の観点から、歯科用複合化無機充填材100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましく、0.1〜5重量部がさらに好ましい。
本発明は、また、本発明の歯科用複合化充填材を含有する歯科用組成物を提供する。歯科用組成物には、本発明の歯科用複合化充填材以外に、重合性単量体(C)、重合開始剤(D)、重合促進剤(E)を含有することができる。
歯科用複合化充填材の含有量は、重合性単量体(C)100重量部に対して、10〜2000重量部が好ましく、100〜1000重量部がより好ましく、500〜1000重量部がさらに好ましい。なお、本明細書において、重合性単量体(C)100重量部とは、組成物に含有される重合性単量体の総量が100重量部であることを意味する。なお、本明細書において、「含有量」とは、「含有量」又は「配合量」のことである。
本発明における重合性単量体(C)としては、ラジカル重合性単量体が好適に用いられる。
ラジカル重合性単量体の具体例としては、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸などのエステル類、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導体、スチレン誘導体などが挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル酸エステル系の重合性単量体が好ましい。なお、本発明において(メタ)アクリルの表記は、メタクリルとアクリルの両者を包含する意味で用いられる。
(メタ)アクリル酸エステル系の重合性単量体の例を以下に示す。
(I)一官能性(メタ)アクリレート
メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシデシルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
(II)二官能性(メタ)アクリレート
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート(2,2−ビス[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、通称BisGMA)、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン(通称D2.6E)、2,2−ビス[4−〔3−((メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート(通称UDMA)などが挙げられる。
(III)三官能性以上の(メタ)アクリレート
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタンなどが挙げられる。
前記重合性単量体は、いずれも、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、歯質、金属、セラミックスなどに対する接着性を向上させる場合、本発明の歯科用組成物には、これらの被着体に対する接着性を付与する機能性モノマーを重合性単量体として含有させることが好ましい場合がある。
機能性モノマーとしては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェートなどのリン酸基を有するモノマー、及び11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸などのカルボン酸基を有するモノマーは、歯質や非金属に対して優れた接着性を呈するので好ましい。
また、機能性モノマーとして、例えば、10−メルカプトデシル(メタ)アクリレート、6−(4−ビニルベンジル−n−プロピル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオン、特開平10−1473号公報に記載のチオウラシル誘導体や特開平11−92461号公報に記載の硫黄元素を有する化合物は、貴金属に対して優れた接着性を呈するので好ましい。
さらに、機能性モノマーとして、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤は、セラミックス、陶材、歯科用コンポジットレジンへの接着に効果的である。
本発明に用いられる重合開始剤(D)は、一般工業界で使用されている重合開始剤から選択して使用でき、歯科用途に用いられている重合開始剤が好ましく用いられる。なかでも、光重合及び化学重合の重合開始剤が、単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用される。
光重合開始剤としては、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類、チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩、ケタール類、α−ジケトン類、クマリン類、アントラキノン類、ベンゾインアルキルエーテル類、α−アミノケトン類などが挙げられる。
上記光重合開始剤として用いられる(ビス)アシルホスフィンオキサイド類のうち、アシルホスフィンオキサイド類としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート、及びこれらの塩などが挙げられる。ビスアシルホスフィンオキサイド類としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、及びこれらの塩などが挙げられる。
これら(ビス)アシルホスフィンオキサイド類の中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド及び2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイドナトリウム塩が好ましい。
上記光重合開始剤として用いられるチオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩としては、例えば、チオキサントン、2−クロルチオキサンセン−9−オン、2−ヒドロキシ−3−(9−オキシ−9H−チオキサンテン−4−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(1−メチル−9−オキシ−9H−チオキサンテン−4−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(1,3,4−トリメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライドなどが使用できる。
これらチオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩の中でも、好適なチオキサントン類は、2−クロルチオキサンセン−9−オンであり、好適なチオキサントン類の第4級アンモニウム塩は、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライドである。
上記光重合開始剤として用いられるケタール類の例としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等が挙げられる。
上記光重合開始剤として用いられるα−ジケトン類としては、例えば、ジアセチル、ジベンジル、カンファーキノン、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、9,10−フェナンスレンキノン、4,4’−オキシベンジル、アセナフテンキノン等が挙げられる。この中でも、可視光域に極大吸収波長を有している観点から、カンファーキノンが好ましい。
上記光重合開始剤として用いられるクマリン類の例としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−チェノイルクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−6−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−8−メトキシクマリン、3−ベンゾイルクマリン、7−メトキシ−3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−8−メトキシクマリン、3,5−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、3−ベンゾイル−6−ブロモクマリン、3,3’−カルボニルビスクマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、3−カルボキシクマリン、3−カルボキシ−7−メトキシクマリン、3−エトキシカルボニル−6−メトキシクマリン、3−エトキシカルボニル−8−メトキシクマリン、3−アセチルベンゾ[f]クマリン、7−メトキシ−3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−8−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−6−ニトロクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、7−ジメチルアミノ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノ)クマリン、7−メトキシ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−(4−ニトロベンゾイル)ベンゾ[f]クマリン、3−(4−エトキシシンナモイル)−7−メトキシクマリン、3−(4−ジメチルアミノシンナモイル)クマリン、3−(4−ジフェニルアミノシンナモイル)クマリン、3−[(3−ジメチルベンゾチアゾール−2−イリデン)アセチル]クマリン、3−[(1−メチルナフト[1,2−d]チアゾール−2−イリデン)アセチル]クマリン、3,3’−カルボニルビス(6−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジメチルアミノクマリン)、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジブチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾイミダゾイル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジオクチルアミノ)クマリン、3−アセチル−7−(ジメチルアミノ)クマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジブチルアミノクマリン)、3,3’−カルボニル−7−ジエチルアミノクマリン−7’−ビス(ブトキシエチル)アミノクマリン、10−[3−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1−オキソ−2−プロペニル]−2,3,6,7−1,1,7,7−テトラメチル1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン、10−(2−ベンゾチアゾイル)−2,3,6、7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン等の特開平9−3109号公報、特開平10−245525号公報に記載されている化合物が挙げられる。
上述のクマリン化合物の中でも、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)及び3,3’−カルボニルビス(7−ジブチルアミノクマリン)が好適である。
上記光重合開始剤として用いられるアントラキノン類の例としては、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、1−ブロモアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノンなどが挙げられる。
上記光重合開始剤として用いられるベンゾインアルキルエーテル類の例としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
上記光重合開始剤として用いられるα−アミノケトン類の例としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤の中でも、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類、α−ジケトン類、及びクマリン類からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これにより、可視及び近紫外領域での光硬化性に優れ、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、キセノンランプのいずれの光源を用いても十分な光硬化性を示す組成物が得られる。
本発明に用いられる重合開始剤(D)のうち化学重合開始剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。上記の化学重合開始剤に使用される有機過酸化物は特に限定されず、公知のものを使用することができる。代表的な有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるケトンパーオキサイドとしては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド及びシクロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるハイドロパーオキサイドとしては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及び1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるジアシルパーオキサイドとしては、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド及びラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるジアルキルパーオキサイドとしては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるパーオキシケタールとしては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン及び4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレリックアシッド−n−ブチルエステル等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるパーオキシエステルとしては、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,2,4−トリメチルペンチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート及びt−ブチルパーオキシマレリックアシッド等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるパーオキシジカーボネートとしては、ジ−3−メトキシパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート及びジアリルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
これらの有機過酸化物の中でも、安全性、保存安定性及びラジカル生成能力の総合的なバランスから、ジアシルパーオキサイドが好ましく用いられ、その中でもベンゾイルパーオキサイドがより好ましく用いられる。
本発明に用いられる重合開始剤(D)の含有量は特に限定されないが、得られる組成物の硬化性等の観点からは、重合性単量体(C)100重量部に対して、重合開始剤(D)が0.001〜30重量部含有されることが好ましい。重合開始剤(D)の含有量が0.001重量部以上の場合、重合が十分に進行して、機械的強度及び/又は接着力の低下を招くおそれがなく、より好適には0.05重量部以上、さらに好適には0.10重量部以上である。一方、重合開始剤(D)の含有量が30重量部以下であると、重合開始剤自体の重合性能が低い場合でも十分な機械的強度及び/又は接着強さが得られ、さらには組成物からの析出を招くおそれがないため、より好適には20重量部以下、さらに好適には15重量部以下、さらに好適には10重量部以下である。
本発明に用いられる重合促進剤(E)としては、アミン類、スルフィン酸及びその塩、バルビツール酸誘導体、トリアジン化合物、銅化合物、スズ化合物、バナジウム化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド類、チオール化合物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ尿素化合物などが挙げられる。
重合促進剤として用いられるアミン類は、脂肪族アミン及び芳香族アミンに分けられる。脂肪族アミンとしては、例えば、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン等の第1級脂肪族アミン;ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチルエタノールアミン等の第2級脂肪族アミン;N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の第3級脂肪族アミンなどが挙げられる。これらの中でも、組成物の硬化性及び保存安定性の観点から、第3級脂肪族アミンが好ましく、その中でもN−メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンがより好ましく用いられる。
また、芳香族アミンとしては、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル等が挙げられる。これらの中でも、組成物に優れた硬化性を付与できる観点から、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチルエステル及び4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく用いられる。
重合促進剤として用いられるスルフィン酸及びその塩としては、例えば、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸カリウム、p−トルエンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウム等が挙げられ、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウムが好ましい。
重合促進剤として用いられるバルビツール酸誘導体としては、バルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸、1,3−ジフェニルバルビツール酸、1,5−ジメチルバルビツール酸、5−ブチルバルビツール酸、5−エチルバルビツール酸、5−イソプロピルバルビツール酸、5−シクロヘキシルバルビツール酸、1,3,5−トリメチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−エチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−n−ブチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−イソブチルバルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−シクロペンチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−シクロヘキシルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−フェニルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−1−エチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸、5−メチルバルビツール酸、5−プロピルバルビツール酸、1,5−ジエチルバルビツール酸、1−エチル−5−メチルバルビツール酸、1−エチル−5−イソブチルバルビツール酸、1,3−ジエチル−5−ブチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−メチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−オクチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−ヘキシルバルビツール酸、5−ブチル−1−シクロヘキシルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸及びチオバルビツール酸類、ならびにこれらの塩(アルカリ金属又はアルカリ土類金属類が好ましい)が挙げられ、これらバルビツール酸類の塩としては、例えば、5−ブチルバルビツール酸ナトリウム、1,3,5−トリメチルバルビツール酸ナトリウム及び1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸ナトリウム等が例示される。
好適なバルビツール酸誘導体としては、5−ブチルバルビツール酸、1,3,5−トリメチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸、及びこれらバルビツール酸類のナトリウム塩が挙げられる。
重合促進剤として用いられるトリアジン化合物としては、例えば、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2,4−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(o−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(p−ブトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−{N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ}エトキシ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−{N−ヒドロキシエチル−N−エチルアミノ}エトキシ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−{N−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ}エトキシ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−{N,N−ジアリルアミノ}エトキシ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が例示される。
上記で例示したトリアジン化合物の中で好ましいものは、重合活性の点で2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンであり、また保存安定性の点で、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、及び2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンである。上記トリアジン化合物は1種又は2種以上を混合して用いても構わない。
重合促進剤として用いられる銅化合物としては、例えば、アセチルアセトン銅、酢酸第2銅、オレイン酸銅、塩化第2銅、臭化第2銅等が好適に用いられる。
重合促進剤として用いられるスズ化合物としては、例えば、ジ−n−ブチル錫ジマレート、ジ−n−オクチル錫ジマレート、ジ−n−オクチル錫ジラウレート、ジ−n−ブチル錫ジラウレートなどが挙げられる。特に好適なスズ化合物は、ジ−n−オクチル錫ジラウレート及びジ−n−ブチル錫ジラウレートである。
重合促進剤として用いられるバナジウム化合物は、好ましくはIV価及び/又はV価のバナジウム化合物類である。IV価及び/又はV価のバナジウム化合物類としては、例えば、四酸化二バナジウム(IV)、酸化バナジウムアセチルアセトナート(IV)、シュウ酸バナジル(IV)、硫酸バナジル(IV)、オキソビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオネート)バナジウム(IV)、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)、五酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸ナトリウム(V)、メタバナジン酸アンモン(V)等の特開2003−96122号公報に記載されている化合物が挙げられる。
重合促進剤として用いられるハロゲン化合物としては、例えば、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロマイド等が好適に用いられる。
重合促進剤として用いられるアルデヒド類としては、例えば、テレフタルアルデヒドやベンズアルデヒド誘導体などが挙げられる。ベンズアルデヒド誘導体としては、ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−メチルオキシベンズアルデヒド、p−エチルオキシベンズアルデヒド、p−n−オクチルオキシベンズアルデヒドなどが挙げられる。これらの中でも、硬化性の観点から、p−n−オクチルオキシベンズアルデヒドが好ましく用いられる。
重合促進剤として用いられるチオール化合物としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、チオ安息香酸等が挙げられる。
重合促進剤として用いられる亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸アンモニウム等が挙げられる。
重合促進剤として用いられる亜硫酸水素塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等が挙げられる。
重合促進剤として用いられるチオ尿素化合物としては、1−(2−ピリジル)−2−チオ尿素、チオ尿素、メチルチオ尿素、エチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジ−n−プロピルチオ尿素、N,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、トリ−n−プロピルチオ尿素、トリシクロヘキシルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、テトラエチルチオ尿素、テトラ−n−プロピルチオ尿素、テトラシクロヘキシルチオ尿素等が挙げられる。
本発明に用いられる重合促進剤(E)の含有量は特に限定されないが、得られる組成物の硬化性等の観点からは、重合性単量体(C)100重量部に対して、重合促進剤を0.001〜30重量部含有することが好ましい。重合促進剤の含有量が0.001重量部以上の場合、重合が十分に進行して、機械的強度及び/又は接着力の低下を招くおそれがなく、より好適には0.05重量部以上、さらに好適には0.1重量部以上である。一方、重合促進剤の含有量が30重量部以下であると、重合開始剤自体の重合性能が低い場合にでも十分な機械的強度、及び、又は、接着強さが得られ、さらには組成物からの析出を招くおそれがないため、より好適には20重量部以下、さらに好適には10重量部以下である。
また、本発明の歯科用組成物は、本発明の歯科用複合化無機充填材以外に、他の充填材(F)を含有することができる。
他の充填材(F)としては、公知の充填材が何ら制限無く用いられるが、なかでも、本発明の歯科用複合化無機充填材の製造に際して用いられた、無機充填材(A)及び無機充填材(B)を単独で用いることが好ましい。なお、無機充填材(B)は平均粒子径が小さいことから、無機超微粒子として用いることができる。
無機充填材(A)及び無機充填材(B)は、それぞれ、重合性単量体との親和性を改善したり、重合性単量体との化学結合性を高めたりして硬化物の機械的強度を向上させる観点から、表面処理剤で表面処理を施しておいてもよい。
表面処理剤としては、本発明の歯科用複合化無機充填材の表面処理に用いるのと同様の処理剤が挙げられ、その処理量や方法も特に限定はない。
充填材(F)の含有量は、特に限定されないが、重合性単量体(C)100重量部に対して、1〜500重量部が好ましく、1〜300重量部がより好ましく、10〜300重量部がさらに好ましい。なお、本明細書において、充填材(F)の含有量とは、組成物に配合される、本発明の歯科用複合化無機充填材以外の充填材の総量のことを意味する。
本発明の歯科用組成物には、目的に応じて、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤、着色剤、抗菌剤、X線造影剤、増粘剤、蛍光剤などをさらに添加することも可能である。
例えば、硬化後の表面からフッ素イオン徐放性を期待する場合、フルオロアルミノシリケートガラス、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなどのフッ素イオン徐放性フィラーを添加することもできる。
抗菌性を期待する場合は、例えば、セチルピリジニウムクロライド、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイドなどの抗菌活性を有する界面活性剤や光触媒性酸化チタンを添加することができる。
本発明の歯科用組成物は、本発明の歯科用複合化無機充填材を含有していれば特に限定はなく、当業者に公知の方法により容易に製造することができる。
また、本発明の歯科用組成物は、プライマー、ボンディング材、コンポジットレジン、セメント(レジンセメント、レジン強化型グラスアイオノマーセメント)、小窩裂溝填塞材、義歯床用レジン等として用いることができるが、本発明の歯科用組成物は高い審美性を提供することができることから、コンポジットレジンとして好適に用いられる。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において用いられる試験方法、材料等を以下にまとめて示す。
〔充填材の屈折率〕
25℃における屈折率nD25をアッベの屈折率計(アタゴ社製 MM-700型)を用いて、ナトリウムランプD線を光源として、液浸法で測定する。すなわち、無機充填材をエタノール中に分散させ、このスラリーに対し1−ブロモナフタリンを徐々に滴下し、無機充填材と液体の境界が目視で確認できなくなったところの分散液の屈折率を無機充填材の屈折率とする。
〔充填材の平均粒子径〕
平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、型式「SALD−2100」)を用いて測定、又はSEM顕微鏡(日立製作所社製、S−4000)による直接観察により測定する。なお、直接観察による粒子径は、粒子の最長の長さと最短の長さの算術平均値として求められ、粒子の数とその粒子径より、平均粒子径(一次平均粒子径)が算出される。
〔充填材の比表面積〕
比表面積は、比表面積BET法により、通法に従って測定する(測定機器:湯浅アイオニクス製、カンタソーブQS−13。吸着ガス:窒素。キャリアガス:窒素/ヘリウム=3/7)。
〔充填材の表面成分分析〕
無機充填材の表面成分分析は、X線光電子分析装置(ESCA:アルバック・ファイ社製 走査型X線光電子分析装置「PHI Quantera SXM(登録商標)」)を用いて測定する。
無機超微粒子の表面処理例1
日本アエロジル社製アルミナ微粉(アルミニウムオキサイドC、平均粒子径13nm、屈折率1.65、比表面積100m/g)100重量部に対して20重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503、信越化学工業社製)を用いて通法に従って表面処理を行い、表面処理無機超微粒子(F1)を得た。
無機超微粒子の表面処理例2
日本アエロジル社製ヒュームドシリカ(Ar130、平均粒子径16nm、屈折率1.45、比表面積130m/g)100重量部に対して20重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503)を用いて通法に従って表面処理を行い、表面処理超微無機粒子(F2)を得た。
重合性単量体混合物の製造例1
2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン(D2.6E)100重量部、重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(TMDPO)1.0重量部を溶解させて、重合性単量体混合物(C1)を調製した。
重合性単量体混合物の製造例2
2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン(D2.6E)80重量部、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HD)20重量部、重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(TMDPO)1.0重量部を溶解させて、重合性単量体混合物(C2)を調製した。
歯科用無機充填材の製造例1〜6
ショット社製ランタンガラスセラミックス(GM31684 SM3.5、平均粒子径3.5μm、屈折率1.58、比表面積2.5m/g)550gと、日本アエロジル社製アルミナ微粉(アルミニウムオキサイドC、平均粒子径13nm、屈折率1.65、比表面積100m/g)を表1に示す量とを、予め混合して混合粉体とした。この混合粉体と水3.5mLを同時にφ20mmのアルミナボールが350個入った3.6Lのアルミナ製粉砕ポットに入れ、振動粉砕機(MEIDEN 中央化工機社製)で、振幅:8mm、振動数:1120rpmにて12時間粉砕し、歯科用複合化無機充填材を得た。得られた複合化無機充填材100重量部に対し、2重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503)を用いて通法に従って表面処理を行い、表1に示す歯科用表面処理複合化無機充填材を得た。なお、製造例1〜4で得られた複合化無機充填材の一部については表面処理を行わずに、未処理複合化無機充填材として、比表面積測定用、並びに表面分析用試料とした。また、比表面積の測定を行なわなかった無機充填材は、「n.t.」と示す。
歯科用無機充填材の製造例7〜9
ショット社製バリウムガラス(8235 K4、平均粒子径7μm、屈折率1.55、比表面積0.4m/g)550gと、日本アエロジル社製アルミナ微粉(アルミニウムオキサイドC、平均粒子径13nm、屈折率1.65、比表面積100m/g)、日本アエロジル社製ヒュームドシリカ(Ar130、平均粒子径16nm、屈折率1.45、比表面積130m/g)、又は日本アエロジル社製ヒュームドシリカ(OX50、平均粒子径40nm、屈折率1.45、比表面積50m/g)を表1に示す量とを、予め混合して混合粉体とした。この混合粉体と水3.5mLを同時にφ20mmのアルミナボールが350個入った3.6Lのアルミナ製粉砕ポットに入れ、振動粉砕機(MEIDEN 中央化工機社製)で、振幅:8mm、振動数:1120rpmにて12時間粉砕し、歯科用複合化無機充填材を得た。得られた複合化無機充填材100重量部に対し、2重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503)を用いて通法に従って表面処理を行い、表1に示す歯科用表面処理複合化無機充填材を得た。
歯科用無機充填材の製造例10〜11
ショット社製バリウムガラス(8235 UF1.5、平均粒子径1.5μm、屈折率1.55、比表面積5m/g)又はショット社製バリウムガラス(8235 UF0.7、平均粒子径0.7μm、屈折率1.55、比表面積13m/g)550gと、日本アエロジル社製ヒュームドシリカ(Ar130、平均粒子径16nm、屈折率1.45、比表面積130m/g)を表1に示す量とを、予め混合して混合粉体とした。この混合粉体と水3.5mLを同時にφ20mmのアルミナボールが350個入った3.6Lのアルミナ製粉砕ポットに入れ、振動粉砕機(MEIDEN 中央化工機社製)で、振幅:8mm、振動数:1120rpmにて12時間粉砕し、歯科用複合化無機充填材を得た。得られた複合化無機充填材100重量部に対し、2重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503)を用いて通法に従って表面処理を行い、表1に示す歯科用表面処理複合化無機充填材を得た。
歯科用無機充填材の製造例12
ショット社製ランタンガラスセラミックス(GM31684 SM3.5、平均粒子径3.5μm、屈折率1.58、比表面積2.5m/g)550gと水3.5mLを同時にφ20mmのアルミナボールが350個入った3.6Lのアルミナ製粉砕ポットに入れ、振動粉砕機(MEIDEN 中央化工機社製)で、振幅:8mm、振動数:1120rpmにて12時間粉砕し、歯科用無機充填材を得た。得られた歯科用無機充填材100重量部に対し、2重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503)を用いて通法に従って表面処理を行い、表2に示す歯科用表面処理無機充填材を得た。なお、歯科用無機充填材の一部については表面処理を行わずに、未処理無機充填材として、比表面積測定用、並びに表面分析用試料とした。
歯科用無機充填材の製造例13〜14
ショット社製ランタンガラスセラミックス(GM31684 SM3.5、平均粒子径3.5μm、屈折率1.58、比表面積2.5m/g)550gと水3.5mLを同時にφ20mmのアルミナボールが350個入った3.6Lのアルミナ製粉砕ポットに入れ、振動粉砕機(MEIDEN 中央化工機社製)で、振幅:8mm、振動数:1120rpmにて12時間粉砕し、歯科用無機充填材を得た。得られた歯科用無機充填材に日本アエロジル社製アルミナ微粉(アルミニウムオキサイドC、平均粒子径13nm、屈折率1.65、比表面積100m/g)を表2に示す量を加えて、混合粉体とした。この混合粉体100重量部に対し、2重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503)を用いて通法に従って表面処理を行い、表2に示す歯科用表面処理無機充填材を得た。
歯科用無機充填材の製造例15〜17
ショット社製バリウムガラス(8235 K4、平均粒子径7μm、屈折率1.55、比表面積0.4m/g)550gと水3.5mLを同時にφ20mmのアルミナボールが350個入った3.6Lのアルミナ製粉砕ポットに入れ、振動粉砕機(MEIDEN 中央化工機社製)で、振幅:8mm、振動数:1120rpmにて12時間粉砕し、歯科用無機充填材を得た。得られた歯科用無機充填材に日本アエロジル社製アルミナ微粉(アルミニウムオキサイドC、平均粒子径13nm、屈折率1.65、比表面積100m/g)、日本アエロジル社製ヒュームドシリカ(Ar130、平均粒子径16nm、屈折率1.45、比表面積130m/g)又は日本アエロジル社製ヒュームドシリカ(OX50、平均粒子径40nm、屈折率1.45、比表面積50m/g)を表2に示す量を加えて、混合粉体とした。この混合粉体100重量部に対し、2重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503)を用いて通法に従って表面処理を行い、表2に示す歯科用表面処理無機充填材を得た。
歯科用無機充填材の製造例18〜19
ショット社製バリウムガラス(8235 UF1.5、平均粒子径1.5μm、屈折率1.55、比表面積5m/g)又はショット社製バリウムガラス(8235 UF0.7、平均粒子径0.7μm、屈折率1.55、比表面積13m/g)550gと水3.5mLを同時にφ20mmのアルミナボールが350個入った3.6Lのアルミナ製粉砕ポットに入れ、振動粉砕機(MEIDEN 中央化工機社製)で、振幅:8mm、振動数:1120rpmにて12時間粉砕し、歯科用無機充填材を得た。得られた歯科用無機充填材に日本アエロジル社製ヒュームドシリカ(Ar130、平均粒子径16nm、屈折率1.45、比表面積130m/g)を表2に示す量を加えて、混合粉体とした。この混合粉体100重量部に対し、2重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503)を用いて通法に従って表面処理を行い、表2に示す歯科用表面処理無機充填材を得た。
歯科用無機充填材の製造例20〜23
製造例12で得られた未処理無機充填材20gに、表3に示す割合で日本アエロジル社製アルミナ微粉(アルミニウムオキサイドC、平均粒子径13nm、屈折率1.65、比表面積100m/g)を添加し、高速回転ミル(アズワン株式会社「SM−1」)中に加え、22000rpmの回転速度で3分間混合することで、均質な粉体を得た後、比表面積の測定を行った。結果を表3に示す。
製造例20〜23は、製造例12の平均粒子径1.73μm、比表面積4.4m/gのランタンガラスセラミックスに無機充填材(B)であるアルミに微粉を0.5〜5重量%混合しただけの無機充填材の比表面積を測定したものである。この混合により得られた無機充填材の比表面積は、無機充填剤(B)の配合量の増加と比例することが確認された。これは、混合しただけでは無機充填剤(A)と無機充填材(B)が一体化することはなく、比表面積は、両無機充填剤の値を加算したものとなることが示されている。製造例1〜4の複合化無機充填材の比表面積は、無機充填材(B)を増加させてもほとんど一定であり、無機充填剤(A)と無機充填材(B)が一体化していることを示している。
歯科用無機充填材の表面成分分析
製造例3及び12で得られた歯科用表面処理無機充填材の表面成分分析を行なった。結果を表4に示す。
ランタンガラスセラミックスのみで粉砕処理を行った製造例12と比較し、ランタンガラスセラミックスとアルミナ微粉を混合粉砕して得た製造例3は、充填材表面のSiOが約10%、Laが約2%減少し、Alが約17%増加した。これは、製造例3の複合化無機充填材は、ランタンガラスセラミックスの表面にアルミナ微粉が吸着されながら、粉砕のエネルギーにより一体化し、ランタンガラスセラミックス表面がアルミナ微粉で置換されたためと考えられる。
歯科用組成物の製造例(実施例1〜9及び比較例1〜8)
重合性単量体混合物(C1)又は(C2)と表面処理無機超微粒子(F1)又は(F2)と表1又は2に示す歯科用無機充填材を混合練和して均一にしたものを真空脱泡して、歯科用組成物を得た。なお、表5には、無機充填材(A)にランタンガラスセラミックス、無機充填材(B)にアルミナ微粉を用いた組成(歯科用無機充填材の含有量は重合性単量体混合物100重量部に対して385重量部)、表6には、無機充填材(A)にバリウムガラス、無機充填材(B)にアルミナ微粉を用いた組成(歯科用無機充填材の含有量は重合性単量体混合物100重量部に対して183重量部)、表7には、無機充填材(A)にバリウムガラス、無機充填材(B)にヒュームドシリカを用いた組成(歯科用無機充填材の含有量は重合性単量体混合物100重量部に対して183重量部)を記した。それぞれの組成において、組成物が高透明性になるように重合性単量体混合物と表面処理無機超微粒子の配合比率を調整した。
得られた歯科用組成物の透明性を以下の方法に従って調べた。結果を表5〜7に示す。
[透明性]
ペーストを20mmφ×0.85mmの円盤状に成形し、αライト(モリタ製作所社製)で3分間光照射を行い重合硬化させ、これを試験片とした。評価方法は、色差計(日本電色社製、SE6000)を用い、光源をC/2光源とした。試験片の背後に標準白色板を置いて色度を測定した場合の明度(L1)と、同じ試験片の背後に標準黒色板を置いて色度を測定した場合の明度(L2)との差ΔL=L1−L2を測定して透明性の指標とした。この評価方法ではΔLの値が大きいほど透明性が高いことを意味する。
以上の結果より、混合粉砕により複合化した歯科用複合化無機充填材を用いることで、透明性の高い組成物が得られることがわかる。より詳しくは、表5に示す実施例1〜5と比較例1〜3は、無機充填材(A)にランタンガラスセラミックス、無機充填材(B)にアルミナ微粉を用いた組成物であるが、組成物中のアルミナ量を同量とした実施例1と比較例2、実施例4と比較例3を比較した場合、混合粉砕を行って複合化することで透明性が向上していることがわかる。
また、表6に示す無機充填材(A)にバリウムガラス、無機充填材(B)にアルミナ微粉を用いた組成物、及び表7に示す無機充填材(A)にバリウムガラス、無機充填材(B)にヒュームドシリカを用いた組成物とも、混合粉砕によって複合化することで透明性が若干ではあるが向上した。このように本発明の歯科用複合化無機充填材を用いることで、透明性の高い組成物を得ることができる。
但し、表7の比較例5から分かるように、核となる無機充填材(A)の粒子径が1μm以下となると、混合粉砕処理を行って複合化されたとしても透明性は向上しない。
また、本発明の歯科用複合化無機充填材(製造例5)の表面状態を図1、無機充填材(A)(製造例12)の表面状態を図2、無機充填材(A)と無機充填材(B)を混合しただけの無機充填材(製造例14)の表面状態を図3、無機充填材(B)として用いたアルミニウムオキサイドCの表面状態を図4に示す。なお、何れの表面状態も白金・パラジウムコーティング処理後観察した。
図1に示す複合化無機充填材と図3に示す混合しただけの無機充填材の表面状態は明らかに異なる。すなわち、図3では、図4で示したアルミニウムオキサイドCの凝集物が解砕した状態で無機充填材(A)の表面に付着しており、無機充填材(A)の表面において図4に示す無機充填材(B)の様相をそのまま留めている。それに対し、図1に示す複合化無機充填材は、図4に示す無機充填材(B)の様相は留めず、表面は図2に示す無機充填材(A)の様相となり、無機充填材(A)の表面状態が改質(複合化)されていることがわかる。
歯科医療において、多種多様な歯質に対して色調を一致させることは、審美修復において重要なものである。歯科用組成物の透明性を向上させることは、調色範囲が広くなる。つまり、色調のバリエーションが豊富となり、多種多様な歯質への色調適合性が向上することを意味している。歯科医療の分野において、天然歯の一部分又は全体を代替し得るものとして好適に用いられるものである。例えば、これに該当するものとして成形用組成物(ミルブランク)、歯科用コンポジットレジン(歯牙充填修復材料、インレー、クラウン等歯冠補綴材料、支台歯築盛材料等)、歯科用接着材等が挙げられる。

Claims (4)

  1. 平均粒子径が1μm以上である無機充填材(A)と、該無機充填材(A)とは異なる無機物を少なくとも1種含み、平均粒子径が0.04μm以下である無機充填材(B)との混合粉砕を行なう歯科用複合化無機充填材の製造方法であって、前記無機充填材(A)がバリウム、ランタン、ジルコニウム、及びストロンチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属を含む、歯科用複合化無機充填材の製造方法
  2. 無機充填材(B)がシリカ及び/又はアルミナを含む請求項1記載の歯科用複合化無機充填材の製造方法。
  3. 無機充填材(A)100重量部に対して、無機充填材(B)0.5〜50重量部を混合粉砕する請求項1又は2記載の歯科用複合化無機充填材の製造方法。
  4. 得られた複合化無機充填材の平均粒子径が1〜5μmであることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の歯科用複合化無機充填材の製造方法。
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