JP2019026504A - 複合酸化物粒子及び該複合酸化物粒子を含む歯科用複合材料 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]ケイ素及び金属(M)を含む複合酸化物粒子であって、
a)平均一次粒子径が1〜150nmの範囲であり、
b)吸湿量が、RH90%、25℃及び24時間の条件で10%以下であり、
c)該金属(M)が周期表4〜6周期に属する金属より選ばれる少なくとも一種の金属であり、かつ
d)該金属(M)の含有量が複合酸化物粒子の質量に対して5〜75質量%である、
ことを特徴とする複合酸化物粒子。
[2]前記金属(M)が、バリウム、ランタン、セリウム、イッテルビウム、ジルコニウム、ストロンチウム、イットリウム、ハフニウム、チタン、及び亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である、前記[1]の複合酸化物粒子。
[3]前記金属(M)が、バリウム、ランタン、イッテルビウム、ジルコニウム、及びストロンチウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である、前記[1]又は[2]の複合酸化物粒子。
[4]シランカップリング剤で表面処理されたものである、前記[1]〜[3]のいずれかの複合酸化物粒子。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかの複合酸化物粒子の凝集体であり、平均粒子径が1〜1000nmである、凝集粒子。
[6]以下の〔i〕及び/又は〔ii〕を含む微粒子製造用材料を分散させて熱プラズマ炎中に供給する工程(1)、前記微粒子製造用材料を蒸発させ気相状態の混合物とし、前記気相状態の混合物を冷却する工程(2)を含む、前記[1]〜[4]のいずれかの複合酸化物粒子の製造方法。
〔i〕ケイ素及び、周期表4〜6周期に属する金属より選ばれる少なくとも1種の金属である金属(M)を含む複合酸化物。
〔ii〕ケイ素の酸化物、及び前記金属(M)の酸化物を含む混合物。
[7]さらに、工程(2)で得られた複合酸化物粒子を、アルコール及び水からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる分散媒に分散させる工程(3)及び工程(2)で得られた複合酸化物粒子100質量部に対して、シランカップリング剤を5〜75質量部加え、反応させる工程(4)を含む、前記[6]の複合酸化物粒子の製造方法。
[8][1]〜[4]のいずれかの複合酸化物粒子及び/又は[5]の凝集粒子を含む、歯科用複合材料。
[9]さらに、重合性単量体(A)、重合開始剤(B)、及び重合促進剤(C)を含む、[8]の歯科用複合材料。
[10]さらに、[1]〜[4]のいずれかの複合酸化物粒子以外の無機粒子(D)を含む、前記[9]の歯科用複合材料。
〔i〕ケイ素及び周期表4〜6周期に属する金属より選ばれる少なくとも1種の金属である金属(M)を含む複合酸化物。
〔ii〕ケイ素の酸化物、及び前記金属(M)の酸化物を含む混合物。
一官能性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、11−メタクリロイルオキシウンデシルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系重合性単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−メチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系重合性単量体;(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライドなどが挙げられる。
二官能性単量体としては、芳香族化合物系の二官能性重合性単量体、脂肪族化合物系の二官能性重合性単量体が挙げられる。
三官能性以上の単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、N,N−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキサヘプタンなどが挙げられる。
走査電子顕微鏡(日立製作所社製、SU3500)を用い電子顕微鏡写真を撮影し、無作為に選択した20個の粒子の粒子径の平均値として測定した。なお、粒子が非球状である場合には、粒子径は、粒子の最長と最短の長さの算術平均をもって粒子径とする。
凝集粒子の平均粒子径は、粒子5質量部をエタノール100質量部に加え、超音波洗浄器(BRANSON 2510、ヤマト科学社製)を用いて30分間超音波をかけることで分散させ、レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製、型式「SALD−2100」)を用いて測定した。
複合酸化物粒子中の金属(M)の含有量は、プレス成型した粒子を蛍光X線分析装置(ZSX Primus−μ、リガク社製)を用いて測定した。
粒子の試料約1gを予め質量を測定した秤量ビンに入れ150℃の電気恒温乾燥器で3時間乾燥後、シリカゲルを入れたデシケーター中で放冷する。次いで試料の質量x(g)を精秤し、恒温恒湿機(AGX−324、ADVANTEC社製)を用いて、RH90%、25℃の条件下で24時間静置し、試料の質量y(g)を精秤する。吸湿量(%)は(y−x)/x×100の計算式で求めた。
スライドガラス上に、カバーガラス、さらにその上に直径20mm、厚さ1mmのステンレス製金型をセットし、該金型内に各実施例、比較例で得られた歯科用複合材料を少し溢れる程度に充填した。さらにその上からカバーガラス、続いてスライドガラスをかぶせ、金型から余剰な歯科用複合材料を押し出すように上から力を加えた。これを、LED重合機(αライトV、モリタ社製)を用いて表裏各2分間ずつ照射し硬化させ、カバーガラス及びスライドガラス、金型を除去することで硬化物の試料を得た。
スライドガラス上に、カバーガラス、さらにその上に直径10mm厚み2mmのテフロン製の型をセットし、該テフロン型内に各実施例、比較例で得られた歯科用複合材料を少し溢れる程度に充填した。さらにその上からカバーガラス、続いてスライドガラスをかぶせ、テフロン型から余剰な歯科用複合材料を押し出すように上から力を加えた。カバーガラスを取り除き、歯科重合用光照射器(ペンキュアー2000、モリタ社製)を用いてノーマルモードで10秒照射し、カバーガラス及びスライドガラス、テフロン型を除去することで硬化物を得た。
各実施例、比較例で得られた歯科用複合材料を真空脱泡後、ステンレス製の金型(寸法2mm×2mm×25mm)に充填し、上下をスライドガラスで圧接し、歯科技工用可視光線照射器(ペンキュアー2000、モリタ社製)で1点10秒、片面を5点ずつ、スライドガラスの両面に光を照射して硬化させて硬化物の試料を得た。各実施例及び比較例について、硬化物を5本ずつ作製し、硬化物は、金型から取り出した後、37℃の蒸留水中に24時間保管した。精密万能試験機(島津製作所社製、商品名「AGI−100」)を用いて、支点間距離20mm、クロスヘッドスピード1mm/分の条件下で曲げ強さを測定し、各試料の測定値の平均値を算出し、曲げ強さとした。曲げ強さは100MPa以上が好ましく、110MPa以上がより好ましく、120MPa以上が最も好ましい。
各実施例、比較例で得られた歯科用複合材料を歯科技工用可視光線照射器(ペンキュアー2000、モリタ社製)を用いて硬化させ、硬化物の試料(φ1.5mm×1mm)を作製した。該試料をアルミステップウェッジと隣り合わせてX線フィルム(コダック社製、咬合型「ウルトラスピードDF−50」)の中央に位置させ、デジタルX線撮影装置(モリタ製作所社製、「マックスDC70」)を用いて、ターゲット−フィルム間距離400mm、管電圧70kVの条件でX線照射を行った。照射後の前記フィルムを現像・定着・乾燥させた後に、光学濃度計(コダック社製、DENSITOMETER、「PDA−85」、測定エリア(3mmφ))を用いて、前記試料の画像濃度を20点測定し、前記試料の画像濃度と前記アルミステップウェッジの各厚みの画像濃度とを比較することにより、アルミ板の厚みに相当するX線造影性を求めた。X線造影性は1.0mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましく、2.0mm以上がさらに好ましい。
NF180:バリウムガラス(平均一次粒子径0.180μm、ショット社製)
HIS:珪石粉(商品名:ハイシリカ、区分:HIS GRADE、ニッチツ社製)
ZrO2:酸化ジルコニウム粉末(平均一次粒子径1.0μm、添川理化学社製)
YBSO30:ケイ素−イッテルビウム複合酸化物粉末(Yb2O3−SiO2、平均一次粒子径0.04μm、SukgyungAT社製)
UDMA:2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
Bis−GMA:2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン
CQ:カンファーキノン
TMDPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド
EDB:4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチル
100質量部のUF1.0(バリウムガラス 平均一次粒子径1.0μm、ショット社製)を水200質量部に投入し、超音波洗浄器(BRANSON 2510、ヤマト科学社製)を用いて30分間超音波をかけることで分散させ、続いて酢酸0.5質量部とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4質量部を加えて室温で1時間撹拌した。低温水槽(PFR−1000、東京理化器械社製)を用いて水溶液を−40℃で凍結し、そのまま水分を減圧留去し、さらに90℃で3時間乾燥することによって表面処理を行い、S−UF1.0を得た。
(複合酸化物粒子の製造例1)
複合酸化物粒子を製造する装置としては、熱プラズマ装置(日清エンジニアリング社製)を用いた。図1に熱プラズマ装置の構成を模式的に示す。チャンバー(1)の内部を真空引きし、その後、プラズマガス供給源(2)からArガスを原料供給装置(3)に導入した。Arガスは3ml/分の流量で、原料供給装置に供給した。このとき、チャンバー(1)内の圧力は1×10-3Paとした。そして、20kWのプラズマエネルギーで熱プラズマ(4)を発生させた。
100質量部の複合酸化物粒子(P1)をエタノール130質量部に投入し、超音波洗浄器(BRANSON 2510、ヤマト科学社製)を用いて30分間超音波をかけることで分散させ、続いて酢酸0.5質量部とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン11質量部と水10質量部を加えて室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、さらに90℃で3時間乾燥することによって表面処理を行い、複合酸化物粒子(S1)の凝集粒子を得た。複合酸化物粒子(S1)の凝集粒子の平均粒子径は350nmであり、吸湿量は5.5%であった。
表1に記載の配合比(質量部)で各成分を用いて、重合性単量体(A)、重合開始剤(B)及び重合促進剤(C)を常温で混合し、均一な液状成分とした後、得られた液状成分と複合酸化物粒子(S1)、及び複合酸化物粒子以外の無機粒子(D)を混練することにより、歯科用複合材料を調製した。次いで、得られた歯科用複合材料を用い、前述の方法に従って、硬化物の透明性及び短時間研磨性、曲げ強さを測定した。表1に、この歯科用複合材料の配合比(質量部)及び試験結果を示す。
(複合酸化物粒子の製造例2)
微粒子製造用材料(HIS)をボールミルで粉砕し、得られた粉砕珪石粉の平均粒子径をレーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製、型式「SALD−2100」)を用いて測定したところ、2.2μmであった。前記粉砕した微粒子製造用材料(HIS)50質量部と微粒子製造用材料(ZrO2)50質量部を高速撹拌型混合機Hi−X(日清エンジニアリング社製)用いて十分に混合した後、熱プラズマ装置(日清エンジニアリング社製)に供給して複合酸化物粒子(P2)を得た。前記複合酸化物粒子(P2)の製造方法は、投入した微粒子製造用材料を変更した以外は、前記複合酸化物粒子(P1)の製造例1と同様である。複合酸化物粒子(P2)の平均一次粒子径は50nmであり、吸湿量は8.7%であった。複合酸化物粒子(P2)中の金属(M)に該当するジルコニウムの含有量は37.8質量%であった。
100質量部の複合酸化物粒子(P2)を水150質量部に投入し、超音波洗浄器(BRANSON 2510、ヤマト科学社製)を用いて30分間超音波をかけることで分散させ、続いて酢酸0.5質量部とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン11質量部を加えて室温で2時間撹拌した。低温水槽(PFR−1000、東京理化器械社製)を用いて水溶液を−40℃で凍結し、そのまま水分を減圧留去し、さらに90℃で3時間乾燥することによって表面処理を行い、複合酸化物粒子(S2)の凝集粒子を得た。複合酸化物粒子(S2)の凝集粒子の平均粒子径は520nmであり、吸湿量は8.5%であった。
表1に記載の配合比で各成分を用いて、重合性単量体(A)、重合開始剤(B)及び重合促進剤(C)を常温で混合し、均一な液状成分とした後、得られた液状成分と複合酸化物粒子(S2)、及び複合酸化物粒子以外の無機粒子(D)を混練することにより、歯科用複合材料を調製した。次いで、得られた歯科用複合材料を用い、前述の方法に従って、硬化物の透明性及び短時間研磨性、曲げ強さを測定した。表1に、この歯科用複合材料の配合比(質量部)及び試験結果を示す。
(複合酸化物粒子の製造例3)
微粒子製造用材料(ZrO2)50質量部、及び微粒子製造用材料(YBSO30)50質量部を高速撹拌型混合機Hi−X(日清エンジニアリング社製)を用いて十分に混合したこと以外は、前記複合酸化物粒子(P1)の製造例1と同様にして、複合酸化物粒子(P3)を得た。複合酸化物粒子(P3)の平均一次粒子径は40nmであり、吸湿量は5.8%であった。複合酸化物粒子(P3)中の金属(M)に該当するジルコニウム及びイッテルビウムの総含有量は39.8質量%であった。
100質量部の複合酸化物粒子(P3)を水50質量部とエタノール100質量部の混合溶媒に投入し、超音波洗浄器(BRANSON 2510、ヤマト科学社製)を用いて30分間超音波をかけることで分散させ、続いて酢酸0.5質量部とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン15質量部を加えて室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、さらに90℃で3時間乾燥することによって表面処理を行い、複合酸化物粒子(S3)の凝集粒子を得た。複合酸化物粒子(S3)の凝集粒子の平均粒子径は380nmであり、吸湿量は4.5%であった。
表1に記載の配合比で各成分を用いて、重合性単量体(A)、重合開始剤(B)及び重合促進剤(C)を常温で混合し、均一な液状成分とした後、得られた液状成分と複合酸化物粒子(S2)、及び複合酸化物粒子以外の無機粒子(D)を混練することにより、歯科用複合材料を調製した。次いで、得られた歯科用複合材料を用い、前述の方法に従って、硬化物の透明性及び短時間研磨性、曲げ強さを測定した。表1に、この歯科用複合材料の配合比(質量部)及び試験結果を示す。
(歯科用複合材料の製造例4)
表2に記載の配合比で各成分を用いて、重合性単量体(A)、重合開始剤(B)及び重合促進剤(C)を常温で混合し、均一な液状成分とした後、得られた液状成分と複合酸化物粒子以外の無機粒子(D)を混練することにより、比較例1の歯科用複合材料を調製した。次いで、得られた歯科用複合材料を用い、前述の方法に従って、硬化物の透明性及び短時間研磨性、曲げ強さを測定した。表2に、この歯科用複合材料の配合比(質量部)及び試験結果を示す。
(比較用無機粒子の製造例1)
ヒュームドシリカ粉末(日本アエロジル社製、商品名:アエロジルOX 50、平均粒子径:約40nm)を水200質量部に投入し、超音波洗浄器(BRANSON 2510、ヤマト科学社製)を用いて30分間超音波をかけることで分散させ、続いて酢酸0.5質量部とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4質量部を加えて室温で1時間撹拌した。低温水槽(PFR−1000、東京理化器械社製)を用いて水溶液を−40℃で凍結し、そのまま水分を減圧留去し、さらに90℃で3時間乾燥することによって表面処理を行い、表面処理ヒュームドシリカ粒子(HMS)を得た。吸湿量は3.0%であった。
表2に記載の配合比で各成分を用いて、重合性単量体(A)、重合開始剤(B)及び重合促進剤(C)を常温で混合し、均一な液状成分とした後、得られた液状成分と前記表面処理ヒュームドシリカ粒子(HMS)、複合酸化物粒子以外の無機粒子(D)を混練することにより、歯科用複合材料を調製した。次いで、得られた歯科用複合材料を用い、前述の方法に従って、硬化物の透明性及び短時間研磨性、曲げ強さを測定した。表2に、この歯科用複合材料の配合比(質量部)及び試験結果を示す。
(比較用無機粒子(ゾルゲル法粒子)の製造例2)
0.06%の硫酸水溶液5mlとテトラエトキシシラン150gをイソブタノール500mlに溶かし、この溶液を40℃で約8時間撹拌しながら加水分解した。その後、この溶液に80gテトラブチルジルコネートを添加し、溶液(a)とした。一方、テトラエトキシシラン50gとメタノール300mlの混合物を溶液(b)とした。次に撹拌機能付きの内容量3lのガラス製容器にメタノール800ml、イソブタノール200ml、28%アンモニア水300mlを入れ、この容器を40℃に保ち、撹拌しながら上記溶液(a)を6時間かけて滴下し、終了後溶液(b)を約2時間かけて滴下した。滴下終了後、析出した白色の生成物をろ過によって分取し更に乾燥して粉末を得た。得られた粉末の吸湿量は13.0%であった。得られた粉末100質量部をエタノール130質量部に投入し、超音波洗浄器(BRANSON 2510、ヤマト科学社製)を用いて30分間超音波をかけることで分散させ、続いて酢酸0.5質量部とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン11質量部と水10質量部を加えて室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、さらに90℃で3時間乾燥することによって表面処理を行い、ゾルゲル法によるシリカ−ジルコニア粒子(SG−SZ)の粉末を得た。表面に多くの細孔を含むシリカ−ジルコニア粒子(SG−SZ)の凝集粒子の平均粒子径は250nmであり、吸湿量は12.3%であった。
表2に記載の配合比で各成分を用いて、重合性単量体(A)、重合開始剤(B)及び重合促進剤(C)を常温で混合し、均一な液状成分とした後、得られた液状成分と前記シリカ−ジルコニア粒子(SG−SZ)、及び複合酸化物粒子以外の無機粒子(D)を混練することにより、歯科用複合材料を調製した。次いで、得られた歯科用複合材料を用い、前述の方法に従って、硬化物の透明性及び短時間研磨性、曲げ強さを測定した。表2に、この歯科用複合材料の配合比(質量部)及び試験結果を示す。
(2) プラズマガス供給源
(3) 原料供給装置
(4) 熱プラズマ
(5) 高周波発信用コイル
(6) 回収チャンバー
(7) フィルター
Claims (10)
- ケイ素及び金属(M)を含む複合酸化物粒子であって、
a)平均一次粒子径が1〜150nmの範囲であり、
b)吸湿量が、RH90%、25℃及び24時間の条件で10%以下であり、
c)該金属(M)が周期表4〜6周期に属する金属より選ばれる少なくとも1種の金属であり、かつ
d)該金属(M)の含有量が複合酸化物粒子の質量に対して5〜75質量%である、
ことを特徴とする複合酸化物粒子。 - 前記金属(M)が、バリウム、ランタン、セリウム、イッテルビウム、ジルコニウム、ストロンチウム、イットリウム、ハフニウム、チタン、及び亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である、請求項1に記載の複合酸化物粒子。
- 前記金属(M)が、バリウム、ランタン、イッテルビウム、ジルコニウム、及びストロンチウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である、請求項1又は2に記載の複合酸化物粒子。
- シランカップリング剤で表面処理されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合酸化物粒子。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合酸化物粒子の凝集体であり、平均粒子径が10〜1000nmである、凝集粒子。
- 以下の〔i〕及び/又は〔ii〕を含む微粒子製造用材料を分散させて熱プラズマ炎中に供給する工程(1)、前記微粒子製造用材料を蒸発させ気相状態の混合物とし、前記気相状態の混合物を冷却する工程(2)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合酸化物粒子の製造方法。
〔i〕ケイ素及び、周期表4〜6周期に属する金属より選ばれる少なくとも1種の金属である金属(M)を含む複合酸化物。
〔ii〕ケイ素の酸化物、及び前記金属(M)の酸化物を含む混合物。 - さらに、工程(2)で得られた複合酸化物粒子を、アルコール及び水からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる分散媒に分散させる工程(3)及び工程(2)で得られた複合酸化物粒子100質量部に対して、シランカップリング剤を5〜75質量部加え、反応させる工程(4)を含む、請求項6に記載の複合酸化物粒子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合酸化物粒子及び/又は請求項5の凝集粒子を含む、歯科用複合材料。
- さらに、重合性単量体(A)、重合開始剤(B)、及び重合促進剤(C)を含む、請求項8に記載の歯科用複合材料。
- さらに、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合酸化物粒子以外の無機粒子(D)を含む、請求項9に記載の歯科用複合材料。
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