JP2016190805A - 歯科用表面処理剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間にわたって安定的に保存できる歯科用表面処理剤組成物を提供する。
【解決手段】 (a1)遷移金属化合物と、(b)水と、(c1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物、および/または(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物、を含有することを特徴とする、歯科用表面処理剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、長期間にわたって安定的に保存できる歯科用表面処理剤組成物に関する。さらに詳しくは、遷移金属化合物と共に、金属酸化防止剤を含有する歯科用表面処理剤組成物に関する。歯質に用いる表面処理剤としては、ボンディング剤、プライマー、コーティング剤、セメント、裏層剤、覆罩剤、シーラー、シーラント等が挙げられる。
歯科治療の分野では、歯質、特に象牙質とこの歯質を修復するための材料(例えば高分子物質、金属、陶材など)とを強く接着する必要があり、そのための接着剤がすでに種々提案されている。
このような接着剤は、(1)重合性モノマー、(2)重合触媒あるいは重合開始剤および(3)充填剤の3成分構成であるのが一般的である。このような接着剤の代表的な例としては、(1)重合性モノマーとしての(メタ)アクリル酸エステルと、(2)重合触媒としての過酸化ベンゾイルと芳香族第3級アミン系との混合物、あるいはこの混合物にスルフィン酸塩を添加した触媒成分と、(3)ポリマー、シリカなどの充填剤とからなる接着剤組成物、あるいは(1)重合性モノマーとしての(メタ)アクリル酸エステルと、(2)光増感剤としてのカンファーキノンと、還元剤としてのN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートとからなる光重合開始剤と、(3)ポリマー、シリカなどの充填剤とからなる接着剤組成物、さらには(1)重合性モノマーとしての(メタ)アクリル酸エステルと、(2)重合触媒としてのトリブチルボラン部分酸化物(TBBO)と、(3)ポリマー、シリカなどの充填剤とからなる接着剤組成物などが提案されている。
このような接着剤の歯質への接着性を改善するために、接着促進モノマーあるいは歯質と親和性を有するモノマーを使用することが提案されている。この接着促進モノマーあるいは歯質と親和性を有するモノマーとしては、例えば4−メタクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸(4−MET)あるいはその酸無水物(4−META)および10−メタクリロイルオキシデシルマロン酸(MAC−10)のようなカルボキシル基(あるいはカルボキシル基に変換しうる基)を有するモノマー、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェートのようにリン酸基を有するモノマーなどを挙げることができる。
このような接着剤の歯質への強固な接着性能を得るには、歯質表面にエッチング剤やプライマーによる前処理が要求されている。例えば歯質のエナメル質表面をリン酸などでエッチングし前記の接着剤を用いることにより、実用上問題がない程度の接着強度および接着耐久性が得られている。
また、象牙質に対しては、塩化第二鉄を含むクエン酸溶液でエッチングし、TBBOを重合開始剤として用いる接着剤で接着する場合に高い接着力が発現する事が知られている。
また、プライマーにおいては、従来より歯牙表面に塗布し、接着剤と歯質の接着強度を高める事を目的として使用されてきた。このような組成物には歯質表面から重合反応を開始させ接着強度向上を図る事を狙いとして、酸性モノマー及び重合開始剤としてアミン化合物を含有させる事が多い。一方で、特に象牙質への高い接着性を得るために酸性モノマー及び鉄、銅等の遷移金属化合物を含んだ溶液を用いて前処理することは、特許文献1(特開平8-127509号公報)及び特許文献2(特開平9-227325号公報)に示されるごとく、広く知られたことである。しかしながら、本特許文献に記載の歯科用接着剤組成物には、遷移金属化合物の酸化抑制剤は含まれておらず、経年劣化による機能低下及び着色等の問題点が指摘される。
また、特許文献3(特開2003-12429号公報)では、象牙質へのう蝕除去後の処置として、次亜塩素酸ナトリウム-リン酸溶液を処理した後、アスコルビン酸-塩化第二鉄溶液を塗布する事が示されている。しかしながら、本特許文献によるアスコルビン酸は次亜塩素酸ナトリウムによる窩壁の酸化を中和させる事を目的としており、塩化第二鉄の酸化抑制を目的としたものではない。また、本溶液はプライマーとしての組成として成り立っておらず接着剤を塗布するまでに煩雑な工程を必要とする。
特開平8-127509号公報 特開平9-227325号公報 特開2003-12429号公報
本発明の目的は、歯牙、特に象牙質に対して簡便な接着操作で、しかも湿潤条件下においても隙間なく接着ができ、且つ保存安定性に優れる遷移金属化合物を含んだ新規な歯質表面処理剤組成物を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者等は、遷移金属化合物と水に加え、一分子中にリン酸基及び水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物を組成中に共存させる事によって、歯質への高い接着強度に影響を与える事無く、保存安定性に優れる歯科用表面処理剤の組成を見出した。さらに、本組成中に環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物を存在させる事で、保存安定性をより高め得る事を見出し、本発明を完成させた。
本発明は、遷移金属化合物とともに、(c1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物、および/または(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物を使用することで、長期間にわたって安定的に保存できる表面処理剤組成物が得られる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における(a1)遷移金属化合物は公知のものを用いることができるが、具体的に例示するならば、臭化バナジウム、臭化ニッケル、臭化銅、臭化鉄、臭化コバルト等の臭化物、塩化ニッケル、塩化バナジウム、塩化パラジウム、塩化ニッケル、塩化チタン、塩化鉄、塩化コバルト等の塩化物、フッ化バナジウム、フッ化コバルト、フッ化銅、フッ化ニッケル、フッ化チタンカリウム等のフッ化物、硫酸パラジウム、硫酸ニッケル、硫酸チタン、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸コバルト等の硫酸塩、硝酸ニッケル、硝酸パラジウム、硝酸ニッケル、硝酸鉄、硝酸コバルト等の硝酸塩、二リン酸鉄、リン酸コバルト等のリン酸塩等の無機酸の塩、酢酸ニッケル、酢酸銅、酢酸コバルト、安息香酸コバルト、クエン酸銅、クエン酸鉄、シュウ酸チタンカリウム、シュウ酸鉄、シュウ酸コバルト、乳酸鉄、フマル酸鉄、アクリル酸銅、メタクリル酸銅、スルファミン酸ニッケル、ステアリン酸酸化バナジウム、ステアリン酸コバルト、ナフテン酸バナジウム、ナフテン酸コバルト、グルコン酸コバルト等の有機酸の塩、水酸化パラジウム、水酸化ニッケル、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化コバルト等水酸化物、チタノセンジクロリド等のパイ電子系有機錯体、バナジウムアセチルアセトナート、ニッケルアセチルアセトナート、銅アセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、コバルトアセチルアセトナート等のアセチルアセトンやEDTAとの有機錯体であり、これらの遷移金属化合物はいずれの価数のものであってもよい。遷移金属化合物の中でも、鉄、コバルトおよび銅の化合物が好適であり、特に鉄と銅の化合物が好適に用いられる。また、該遷移金属化合物は単独または組み合わせて用いることも可能である。
遷移金属化合物の中でも、鉄、コバルトおよび銅の化合物が好適であり、特に鉄と銅の化合物が好適に用いられる。則ち、本発明の歯科用表面処理剤組成物における(a1)遷移金属化合物としては、(a1-1)鉄および/または銅よりなる化合物であることが好ましく、上に挙げた通りの、臭化鉄、臭化銅等の臭化物、塩化鉄、塩化銅等の塩化物、フッ化鉄、フッ化銅等のフッ化物、硫酸鉄、硫酸銅等の硫酸塩、硝酸鉄、硝酸銅等の硝酸塩、リン酸鉄、リン酸銅等のリン酸塩等の無機酸の塩、酢酸鉄、酢酸銅、クエン酸鉄、クエン酸銅、シュウ酸鉄、シュウ酸銅、乳酸鉄、乳酸銅、アクリル酸鉄、アクリル酸銅、メタクリル酸鉄、メタクリル酸銅、スルファミン酸鉄、スルファミン銅、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、ナフテン酸鉄、ナフテン酸銅、グルコン酸鉄、グルコン酸銅等の有機酸の塩、水酸化鉄、水酸化銅等の水酸化物、鉄アセチルアセトナート、銅アセチルアセトナート等のアセチルアセトンやEDTAとの有機錯体であり、これらの遷移金属化合物はいずれの価数のものであってもよい。また、該遷移金属化合物は単独または組み合わせて用いることも可能である。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における上記(a1)遷移金属化合物や(a1-1)鉄および/または銅よりなる化合物の配合量は特に限定されない。なお、歯科用レジンセメントとの接着性を考慮した場合には、歯科用表面処理剤100重量%中、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%である。含有量を上記範囲内とすることにより歯科用レジンセメントに対して、特に優れた接着強度を得る事ができる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における(b)水は、歯質を脱灰する目的で使用され、貯蔵安定性、生体適合性および接着性に有害な不純物を実質的に含まないことが好ましく、例えば、脱イオン水や蒸留水等が好適に用いられる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における上記(b)水の配合量は特に限定されない。なお、歯科用レジンセメントとの接着性を考慮した場合には、歯科用表面処理剤100重量%中、1〜80重量%、好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。含有量を上記範囲内とすることにより歯科用レジンセメントに対して、特に優れた接着強度を得る事ができる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における(c1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物は、アデノシン三リン酸等のリン酸化糖化合物、エチドロン酸等のホスホン酸及びそのナトリウム塩等の塩類;グリセロリン酸、りん酸3-ヒドロキシ-2-オキソプロピル、グルコース6リン酸、フェノールフタレインリン酸、11β,17-ジヒドロキシ-21-(ホスホノオキシ)プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、及びそのナトリウム塩等の塩類;アスコルビン酸リン酸、及びそのナトリウム塩等の塩類等を挙げる事ができる。本化合物の中でも、グリセロリン酸等が好適に用いられる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における上記(c1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物の配合量は特に限定されない。なお、歯科用表面処理剤の保存安定性を考慮した場合には、歯科用表面処理剤100重量%中、0.01〜20重量%、好ましくは0.02〜15重量%、さらに好ましくは0.03〜10重量%である。含有量を上記範囲内とすることにより歯科用表面処理剤組成物の長期保存安定性を得る事ができる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における(c1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物はモル質量が120〜500g/molの範囲である化合物(c1-1)であり、かつ配合量が(a1)遷移金属化合物との重量比が遷移金属化合物1に対して40以下の範囲にあるものが望ましい。
上記(c1-1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物でモル質量が120〜500g/molとなる範囲の化合物は、エチドロン酸等のホスホン酸及びそのナトリウム塩等の塩類;グリセロリン酸、りん酸3-ヒドロキシ-2-オキソプロピル、グルコース6リン酸、フェノールフタレインリン酸、11β,17-ジヒドロキシ-21-(ホスホノオキシ)プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、及びそのナトリウム塩等の塩類;アスコルビン酸リン酸、及びそのナトリウム塩等の塩類等を挙げる事ができる。以上の本化合物の中でも、グリセロリン酸等が好適に用いられる。
前記(c1-1)化合物は、モル質量が好ましくは120〜500(より好ましくは130〜400、更に好ましくは140〜300)g/molとなる範囲である。前記数値範囲の下限値を下回るかまたは、上限値を上回ると水溶性が低下する原因となり、いずれも好ましくない。また、歯科用表面処理剤の保存安定性の実現と歯科用レジンセメントとの接着性獲得のバランスを考慮した場合には、歯科用表面処理剤組成物に含有される遷移金属化合物の重量比を1とした場合、本化合物が40以下、好ましくは30以下、さらに好ましくは20以下である。含有量を上記範囲内とすることにより歯科用表面処理剤の長期保存安定性の実現と歯科用レジンセメントとの接着性獲得を両立する事ができる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物とは、共役的パイ電子系であって、その中に少なくとも環状構造を含む、かつ、前記系に属する炭素原子に水酸基が結合している化合物である。共役的パイ電子系には、直鎖状炭素鎖および/または非芳香性環状炭素鎖に二重結合と単結合が交互に配列された構造、および/または、芳香環の単環および/または縮合環構造が含まれる。環状構造を有する共役的パイ電子系の環状構造とは、芳香環(例えばビタミンE)であっても良いし、環状構造の一部が不飽和しただけの非芳香環(例えばビタミンA)であっても良い。共役的パイ電子系に属する水酸基とは、係る電子系の共役効果を受けて、還元作用を発現することを指す。そのためには、前記電子系の属する原子乃至はその近傍の原子に水酸基が結合していることが重要である。好ましくは、環状構造中の芳香性乃至は不飽和性炭素原子に水酸基が結合しているものである。但し、直鎖状炭素鎖における、水酸基の結合位置は、ビニルアルコールのケトエノール互変異性でアルデヒド形態になる得る場合は、直接不飽和炭素に結合できず、不飽和性炭素原子に隣接した飽和炭素原子(たとえば、ビタミンA)に結合する必要があるが、このような結合位置でも抗酸化作用を示すなど、共役的パイ電子系に属するものである。共役的パイ電子系には、ビタミンCのようにカルボニル基などの酸素等のヘテロ原子が含まれていても良い。また、共役的パイ電子系には、これもビタミンCのように複数の水酸基が結合していても良いし、やはりビタミンCのように共役的パイ電子系外にも水酸基が結合していても良い。(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物は還元性を有する化合物であることが好ましい。(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物は、カテキン、タンニン、ルチン、クロロゲン酸、エラグ酸、リグナン、クルクミン、オレオカンタール、オレウロペイン、レスベラトロール、トコフェロール、アスコルビン酸等及びそれら誘導体が挙げられる。なかでも(d1-1)トコフェロール誘導体と(d1-2)アスコルビン酸誘導体は、保存安定性の効果が高く好ましい。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における上記(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物の配合量は特に限定されない。なお。歯科用表面処理剤の保存安定性を考慮した場合には、歯科用表面処理剤100重量%中、0.01〜20重量%、好ましくは0.02〜15重量%、さらに好ましくは0.03〜10重量%である。含有量を上記範囲内とすることにより歯科用表面処理剤の長期保存安定性を得る事ができる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における(d1-1)トコフェロール誘導体としては、トコフェロール、トコフェロールリン酸、酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール等が挙げられる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における上記(d1-1)トコフェロール誘導体の配合量は(a1)遷移金属化合物との重量比が遷移金属化合物1に対して40以下の範囲に限定される。なお。歯科用表面処理剤の保存安定性の実現と歯科用レジンセメントとの接着性獲得のバランスを考慮した場合には、歯科用表面処理剤組成物に含有される遷移金属化合物の重量比を1とした場合、(d1-1)トコフェロール誘導体が40以下、好ましくは30以下、さらに好ましくは20以下である。含有量を上記範囲内とすることにより歯科用表面処理剤の長期保存安定性の実現と歯科用レジンセメントとの接着性獲得を両立する事ができる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における(d1-2)アスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸、3-O-エチル-L-アスコルビン酸、L-アスコルビル2,6-ジブチラート、アスコルビン酸2-硫酸エステル二ナトリウム、、5,6-O-イソプロピリデン-L-アスコルビン酸、L-アスコルビル6-パルミタート、L-アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L-アスコルビン酸二パルミチン酸エステル等が挙げられる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における上記(d1-2)アスコルビン酸誘導体の配合量は(a1)遷移金属化合物との重量比が遷移金属化合物1に対して40以下の範囲に限定される。なお。歯科用表面処理剤の保存安定性の実現と歯科用レジンセメントとの接着性獲得のバランスを考慮した場合には、歯科用表面処理剤組成物に含有される遷移金属化合物の重量比を1とした場合、(d1-2)アスコルビン酸誘導体が40以下、好ましくは30以下、さらに好ましくは20以下である。含有量を上記範囲内とすることにより歯科用表面処理剤の長期保存安定性の実現と歯科用レジンセメントとの接着性獲得を両立する事ができる。
本発明においては、(c1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物または(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物のいずれか一方を選択して用いることにより発明の効果を奏するものであるが、両者を共に用いた方がより効果が高く好ましい。あるいは、(c1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物と(d2)(d1)以外の還元剤の組み合わせや、(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物と(c2)(c1)以外のキレート剤の組み合わせでも発明の効果を奏するものである。
(c2)(c1)以外のキレート剤として、EDTA、EDTA2Na、EDTA3Na、EDTA4Na等のエデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸塩);HEDTA3Na等のヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩;ペンテト酸塩(ジエチレントリアミン五酢酸塩);フィチン酸;シュウ酸ナトリウム;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸等のポリポリアミノ酸類;ポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ヘキサメタリン酸、リン酸及びそのナトリウム塩等の塩類;クエン酸、アラニン、ジヒドロキシエチルグリシン、グルコン酸、サリチル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸及びそのナトリウム塩等の塩類等が挙げられる。
(d2)(d1)以外の還元剤として、パイ電子共役系に一級炭素と三級炭素を有し、当該パイ電子共役系と構造を一部共有する環構造構成原子に水酸基を有する、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD群(これは(d1)に準じた効果を有する)、硫黄原子を含むグルタチオンや亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物に用いる(e)重合性単量体は、酸性基含有重合性単量体と酸性基非含有重合性単量体が含まれる。
酸性基含有重合性単量体は、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基及びホスホン酸基等の酸性基を1分子中に少なくとも1個含有する単量体を示す。また重合性基として、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニル基、アリル基等のラジカル重合可能な不飽和基を1分子中に少なくとも1個含有するのが好ましい。
上記酸性基含有重合性単量体のうち、カルボン酸基を含有するものとしてはモノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびテトラカルボン酸をあげることができ、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、P−ビニル安息香酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、2−メタクリロイルオキシエチル3’−メタクリロイルオキシ2’(3,4ージカルボキシベンゾイルオキシ)プロピルサクシネート(MTS)、2−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレート、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシメチルピロメリット酸、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸およびその無水物、4ー[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ]ブチルトリメリット酸およびその無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、N,O−ジ(メタ)アクリロイルチロシン、O−(メタ)アクリロイルチロシン、N−(メタ)アクリロイルチロシン、N−(メタ)アクリロイルp−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイルO−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル5ーアミノサリチル酸、N−(メタ)アクリロイル4ーアミノサリチル酸、2または3または4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとピロメリット酸2無水物の付加生成物、2−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、4−[(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、3または4−[N−メチルN−(2ーヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸等を挙げることができる。このうち、ジカルボン酸が好ましく用いられ、11−メタクリロイルオキシ−1,1ーウンデカンジカルボン酸(MAC−10)、2ーメタクリロイルオキシエチル3’−メタクリロイルオキシ2’(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピルサクシネート(MTS)、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物(4−META)、4−アクリロイルオキシエチルトリメリット酸(4−AET)等がさらに好ましく用いられる。
また、リン酸基を含有する重合性単量体としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシドホスフェート、2および3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシドホスフェート、4−(メタ)アクリロイルブチルアシドホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシブチルアシドホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルアシドホスフェート、ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシドホスフェート、ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート(Phenyl−P)、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルp−エトキシフェニルアシドホスフェート等を挙げることができる。これらの化合物におけるリン酸基はチオリン酸基に置き換えることができる。これらの化合物の中でも、2ーメタクリロキシエチルジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート等が好ましく用いられる。
さらに、スルホン基を含有する重合性単量体としては、例えば2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、2または1ースルホー1または2ープロピル(メタ)アクリレート、1または3−スルホ−2−ブチル(メタ)アクリレート、3−ブロモー2−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシ−1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2−スルホエチル(メタ)アクリルアミド、3−メトキシ−1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。このうち、2−メチル−2−(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸が好ましく用いられる。
代表的なホスホン酸の例としては、ビニルホスホン酸を挙げることができる。
これらの酸性基含有重合性単量体は必要に応じて複数を混合して用いることもできる。
上記酸性基含有重合性単量体の中でも、カルボン酸基を含有する重合性単量体及びリン酸基を含有する重合性単量体が歯質に対する接着性に優れることから好ましく、さらに双方を組み合わせることがより好ましい。
また、酸性基非含有重合性単量体は、好ましくは、少なくとも2個、好ましくは2個〜4個の、ラジカル重合性基(好ましくは、アクリロイル基およびメタクリロイル基)を有する、いわゆる架橋モノマーである。適切な例としては、1,6−ビス[2−メタクリロイルオキシエトキシカルボニルアミノ]−2,4,4−トリメチルヘキサン(UDMA)、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール(TEGDMA)、ジメタクリル酸ポリエチレングリコール(例えば、PEG−400−ジメタクリレート)、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−フェニル]プロパン(ビス−GMA)、1,6−ビス[2−アクリロイル−オキシエトキシカルボニル−アミノ]−2,4,4−トリメチルヘキサン、ジアクリル酸ジエチレングリコール、ジアクリル酸トリエチレングリコール、ジアクリル酸ポリエチレングリコール(例えば、PEG−400−ジアクリレート)、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、テトラメタクリル酸ペンタエリトリトール、テトラアクリル酸ペンタエリトリトール、プロポキシ化ビスフェノール−A−ジメタクリレートおよびジメタクリル酸ブタンジオール、ジアクリル酸ブタンジオール、ジメタクリル酸1,10−デカンジオール(D3MA)、ジアクリル酸1,10−デカンジオール、ジメタクリル酸1,12−ドデカンジオールおよびジアクリル酸1,12−ドデカンジオール(これらは、(メタ)アクリル酸と、対応するジオールまたはポリオールとのエステル交換により得られる)が挙げられる。酸性基含有重合性単量体としては、加水分解耐性架橋モノマーもまた適切であり、これらは例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとジイソシアネートとのウレタン(例えば、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネート);架橋性ピロリドン(例えば、1,6−ビス(3−ビニル−2−ピロリドニル)ヘキサン);市販で入手可能なビスアクリルアミドまたはビス(メタ)アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、N,N’−ジエチル−1,3−ビス(アクリルアミド)プロパン、1,3−ビス(メタクリルアミド)プロパン、1,4−ビス(アクリルアミド)ブタンおよび1,4−ビス(アクリロイル)ピペラジンであり、これらは、対応するジアミンと(メタ)アクリル酸クロリドとの反応により合成され得る)である。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における上記(e)重合性単量体の配合量は特に限定されない。なお、歯科用レジンセメントとの接着性を考慮した場合には、歯科用表面処理剤100重量%中、1〜70重量%、好ましくは3〜60重量%、さらに好ましくは5〜50重量%である。含有量を上記範囲内とすることにより歯科用レジンセメントに対して、特に優れた接着強度を得る事ができる。
又、(e)重合性単量体100重量%中、酸性基含有重合性単量体を含む場合その含有比率は、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは7〜25重量%、さらに好ましくは10〜20重量%である。なお、歯科用レジンセメントとの接着性を考慮した場合には、前記数値範囲の下限値を下回ると歯質表面の脱灰が不足し、上限値を上回ると歯質表面が過脱灰となり、何れも接着性低下の原因となり好ましくない。
(e)重合性単量体100重量%中、酸性基非含有多官能重合性単量体を含む場合その含有比率は、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは7〜25重量%、さらに好ましくは10〜20重量%である。前記数値範囲の下限値を下回ると重合性が不十分となり、上限値を上回ると単量体の過剰添加により十分な溶解性が得られず各成分が析出するため、何れも接着性低下の原因となり好ましくない。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における(f)水溶性有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(THF)およびジオキサンなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;N,N-ジメチルスルホキサイド(DMSO)などのスルホキサイド類;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド類などを挙げることができる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における上記(f)水溶性有機溶媒の配合量は特に限定されない。なお。表面処理剤含有成分の溶解性と歯科用レジンセメントとの接着性を考慮した場合には、歯科用表面処理剤100重量%中、1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である。含有量を上記範囲内とすることにより表面処理剤含有成分の溶解性の実現と歯科用レジンセメントに対する優れた接着性獲得を両立する事ができる。
本発明で使用する歯科用表面処理剤組成物における(g)重合開始剤としては、ラジカル重合性単量体を重合させるために重合開始剤が配合される。重合開始剤としては、光重合開始剤、化学重合開始剤のいずれもが使用できる。また、これらの内の2種類以上の重合開始剤を組み合わせて利用することもできる。このうち、光重合開始剤としては、公知のものが何ら制限なく使用できる。代表的な光重合開始剤としては、α―ジケトン類および第二級アミン類の組み合わせ,アシルホスフインオキサイド、アシルホスフィンオキサイドおよび第二級アミン類の組み合わせ、チオキサントン類および第二級アミン類の組み合わせ,α一アミノアセトフェノン類および第二級アミン類の組み合わせ,アリールボレート類および光酸発生剤類の組み合わせなどが挙げられる。他方、化学重合開始剤としては、2成分以上からなり、使用直前に全成分が混合されることにより室温近辺で重合活性種を生じる公知のものが制限なく使用できる。例えば、有機過酸化物/アミン類、有機過酸化物/アミン類/有機スルフィン酸類、有機過酸化物/アミン類/アリールボレート類、アリールボレート類/酸性化合物、及びバルビツール酸誘導体/銅化合物/ハロゲン化合物等の各種組み合わせからなるものが挙げられる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における上記(g)重合開始剤の配合量は特に限定されない。なお。歯科用レジンセメントとの接着性を考慮した場合には、歯科用表面処理剤100重量%中、0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%、さらに好ましくは0.05〜3重量%である。含有量を上記範囲内とすることにより歯科用レジンセメントに対して、特に優れた接着強度を得る事ができる。
本発明に用いられる増粘剤(h)としては、従来公知の増粘剤を使用する事ができる。例えば、本発明の歯科用表面処理剤に可溶な高分子化合物を溶解して増粘する事もできるし、フィラーを分散して増粘する事ができる。
上述した高分子化合物としては、本発明の歯科用前処理剤に溶解可能な従来公知の高分子化合物をその増粘効果や保存安定性を考慮して適宜選択して使用する事ができる。このような高分子化合物としては、本発明の歯科用前処理剤にさらに有機溶媒を添加し、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル等のポリアルキルメタクリレート類やポリ酢酸ビニル等の非水溶性高分子を溶解させる事で増粘する事もできるが、水溶性高分子を溶解し、増粘する方法が高い増粘効果が得られ、より好ましい。
このような水溶性高分子としては、水溶性のものであれば従来公知の高分子が制限なく使用できる。カチオン性水溶性高分子としては、ポリエチレンイミンやポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジメチルアミノエチルデキストラン、イミダゾール基などを含有した水溶性の高分子などが挙げられる。アニオン性水溶性高分子としては、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、ペクチン、カルボキシビニルポリマー等のほか、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸等の多糖類およびこれらの塩等を挙げることができる。非イオン性水溶性高分子を例示すると、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース低級アルキルエーテル化合物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のビニル化合物、プルラン、でんぷん等の多糖類およびその誘導体、ポリグルコシルオキシエチルメタクリレート等のポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、またはポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコールとポリオキシプロピレングリコールのブロックコポリマー等のポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
上述した高分子化合物の重量平均分子量や分子量分布は特に限定されない。なお、増粘剤として使用する高分子は、一種類を使用するだけでなく、二種類以上を混合して使用しても良い。
また、フィラーを本発明の歯科用表面処理剤に分散する事によって、増粘剤として使用する事ができる。歯科用途に用いられるフィラーは、通常、有機フィラー、無機フィラー及び有機−無機複合フィラーに大別される。有機フィラーの素材としては、例えばポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エチル共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。有機フィラーの形状は特に限定されず、フィラーの粒子径を適宜選択して使用することができる。
無機フィラーの素材としては、石英、シリカ、アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−チタニア−酸化バリウム、シリカ−ジルコニア、シリカ−アルミナ、ランタンガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ガラスセラミック、アルミノシリケートガラス、バリウムボロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、カルシウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムフルオロアルミノシリケートガラス、バリウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムカルシウムフルオロアルミノシリケートガラス等が挙げられる。これらもまた、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。無機フィラーの形状は特に限定されず、フィラーの粒子径を適宜選択して使用することができる。
有機−無機複合フィラーとは、上述の無機フィラーにモノマー化合物を予め添加し、ペースト状にした後に重合させ、粉砕することにより得られるものである。前記有機−無機複合フィラーとしては、例えば、TMPTフィラー(トリメチロールプロパンメタクリレートとシリカフィラーを混和、重合させた後に粉砕したもの)などを用いることができる。前記有機−無機複合フィラーの形状は特に限定されず、フィラーの粒子径を適宜選択して使用することができる。
本発明の歯科用表面処理剤組成物における上記(h)増粘剤の配合量は特に限定されない。なお。レジンセメントとの接着性を考慮した場合には、歯科用表面処理剤100重量%中、0.01〜30重量%、好ましくは0.03〜20重量%、さらに好ましくは0.05〜10重量%である。含有量を上記範囲内とすることによりレジンセメントに対して、特に優れた接着強度を得る事ができる。
さらに、本発明の歯科用表面処理剤組成物に配合しても良い、他の成分を具体的に例示すると、重合禁止剤、顔料、染料等が挙げられる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、4-tert-ブチルフェノール等を添加する事ができる。
顔料、染料としては、歯科用硬化性組成物または歯科用表面処理剤組成物に公知の染料、顔料を配合する事ができる。
このような組成にて配合された歯科用表面処理剤組成物は、その保存安定性に優れており、45℃で50日間保存した後に本組成物を滴下した際に、遷移金属成分の酸化が原因とした着色またはゲル化が実質的に無い性質を呈している。具体的には、リン酸基を含有する化合物のリン酸基、またはアルコール性水酸基を含有する化合物のアルコール性水酸基と遷移金属が配位結合する事により、錯体を形成し、遷移金属を安定化する事で酸化を防ぐ事が考えられる。この際、本発明の歯科用表面処理剤は水を含んだ組成物である事から、錯体形成後に水溶性を維持するため、分子内に水酸基を含有している化合物((c1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物)を用いる事が好適であると考えられる。また、(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物を添加する事で、本化合物が遷移金属成分の酸化防止剤として機能する事が期待できる。
一方で、(a1)遷移金属化合物、(b)水を含む混合液からなる歯科用表面処理剤組成物において、前記本発明以外の組成((c1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物および/または(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物を含まない)で製造されたものは、既に着色またはゲル化しているか、或は着色及びゲル化し易い状態にあるため、上記45℃50日間保存すると遷移金属成分の酸化が原因とした着色が顕著に見られ、或はゲル化により滴下できない結果となる。従って、このように遷移金属成分の酸化が実質的に無い、上記組成の歯科用表面処理剤組成物は、本発明により初めて創出されたものであり、本発明は、このような歯科用表面処理剤組成物も提供する。
ここで、遷移金属成分の酸化が原因とした着色が実質的に無い状態とは、目視による観察で当該組成物に色調の変化が全く無い状態が最も好ましい。歯科用表面処理剤としての使用に影響せず、審美上問題無い程度の極僅かの色調変化が生じているようなものは、実質的に色調が変化していない状態として、本発明では許容される。
上記歯科用表面処理剤の着色し難い性状の確認試験(保存安定性評価試験)において、45℃で50日間実施される保存期間は、歯科用表面処理剤組成物の25℃における室温保管で約2年間の保存に相当するものであり、この長期に渡って、安定に保存できるという事は、この歯科用表面処理剤組成物の実用性を証するものである。
本発明の組成によって製造された歯科用表面処理剤組成物の使用目的は特に制限されないが、レジン、セラミック、金属等の各種歯科用補綴物と、歯質を(メタ)アクリレート系の接着剤を用いて接着するに先立って、歯質、特に象牙質へ前処理するために用いるプライマー組成物が特に好適である。
上記、(メタ)アクリレート系の接着剤としては、(メタ)アクリレート系単量体などのラジカル重合性単量体を主成分とし、重合開始剤を含む組成物であれば、歯科用として公知の如何なる接着剤でもよい。このような歯科用接着剤としては、代表的には、歯科用レジンセメント等がある。
具体的には、ラジカル重合性単量体としては、前記、本発明の歯科用表面処理剤組成物において説明した(e)重合性単量体が主に用いられる。また重合開始剤としては、前記、本発明の歯科用表面処理剤組成物において説明した(g)重合開始剤が硬化させるために有効な量の、光重合開始剤、化学重合開始剤あるいは熱重合開始剤が配合されている。例えば、特開1996−73816号公報や特開WO2008/140103号公報等に記載の歯科用接着剤が挙げられる。
このような歯科用接着剤は、通常、未硬化のペーストの状態であり、光重合、化学重合などを経て硬化させられて、歯科用の補綴物と歯質との接着に使用される。
本発明の歯科用表面処理剤組成物を用いて、歯質を前処理し、各種補綴物と歯質を上記のような(メタ)アクリレート系歯科用レジンセメントを用いて接着するのが好ましい。
具体的には、前記本発明の表面処理剤組成物の配合成分として説明した、酸性基含有重合性単量体、酸性基を有しない多官能の重合性単量体あるいは酸性基を有しない単官能の重合性単量体などの(メタ)アクリレート系単量体を主成分とし、光重合開始剤、化学重合開始剤が含まれる硬化性組成物である。また、機械的強度が必要とされる場合も多く、そのような場合には、歯科用複合材料の配合成分として説明したのと同様の無機フィラーが、25〜75質量%程度含まれたものを用いるのが好適である。
上記重合開始剤を具体的に例示すると、光重合開始剤としては、カンファーキノン等のα−ジケトンと、ジメチルアミノ安息香酸エチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等の第3級アミンからなるα−ジケトン/第3級アミン系重合開始剤、クマリン等の色素、トリクロロメチル基置換−s−トリアジン等の光酸発生剤及びテトラフェニルボレート・アミン塩等のアリールボレート化合物からなる色素/光酸発生剤/アリールボレート化合物系光重合開始剤を挙げることができる。また、化学重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物と、N,N−ジエタノール−p−トルイジン等の第3級アミンからなる過酸化物/アミン系の重合開始剤のほか、酸性化合物/アリールボレート化合物からなる重合開始剤;酸性化合物/アリールボレート化合物/金属錯体からなる重合開始剤;酸性化合物/アリールボレート化合物/金属錯体/有機過酸化物からなる重合開始剤;トリブチルボランの部分酸化物等のアルキル金属化合物;n−ブチルバルビツール酸/塩化銅のようなバルビツール酸系開始剤が例示される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
以下に示される組成を有する実施例1〜4の歯科用表面処理剤組成物を、以下のように調整した。他に記載されない限り、全ての値は、重量(重量部)による。
[(a1)遷移金属化合物]
塩化第一鉄四水和物
[(b)水]
蒸留水
[(c1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物]
グリセロリン酸2ナトリウム四水和物
[(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物]
±-α-トコフェロール
アスコルビン酸
[(e)重合性単量体]
4-META
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)
UDMA
[(f)水溶性有機溶媒]
アセトン
[重合禁止剤]
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)
(実施例1〜4及び比較例1の調整)
表1に示す原料を常温下(25℃)で混合して均一溶液を調整した。なお、本溶液は容量100 mlのガラスサンプル瓶中で作製した。次いで、遮光性の樹脂製密閉容器に充填し、接着性能の評価と熱安定性能の評価に使用した。
(接着性能の評価)
本発明において、接着性能の評価は、特に限定しない限り次のようにして行ったものである。
接着試験方法の一例として牛歯象牙質を、注水、指圧下で耐水エメリー紙180番まで研削し、平滑な面を得た後、圧縮空気を吹き付けて水分を除去する。こうして形成した研削面に、接着面積を直径4.8mmとなるように規定した。
この規定面に表1に記載の各実施例及び比較例の歯科用表面処理剤組成物をそれぞれスポンジで塗布し、20秒間放置した後、圧縮空気を約5秒間吹き付けた。その後、歯科用レジンセメントを盛り付けてアクリル製円柱を5秒間指圧下にて圧着した。
各種異なる重合開始剤を含んだ歯科用レジンセメントと本発明による歯科用表面処理剤組成物との適合性を確認する目的から、化学重合(TBB、BPO)と光重合(カンファーキノン)による硬化後の接着性能の評価を行った。具体的には、接着性能評価に用いる歯科用レジンセメントの一例として、重合開始剤にTBBを含有するスーパーボンド(サンメディカル製)とBPOとカンファーキノンを含有するSEcure(サンメディカル製)を使用した。
スーパーボンドとSEcureは、構成材料を練和後、規定面に盛り付けてアクリル製円柱を5秒間指圧下にて圧着した後、室温で1時間静置した(化学重合)。また、同様の手法でSEcureの構成材料を練和し、規定面に盛り付けてアクリル製円柱を5秒間指圧下にて圧着した後、歯科用重合ランプ(モリタ)での放射(20秒間)により重合させた(光重合)。
各試験体に5℃と55℃の温冷刺激を5,000回与えた後、引張試験をクロスヘッドスピード2 mm/minで行い、接着強度を算出した。本試験方法において象牙質引張接着強さが5.0MPa以上であると歯科用レジンセメントに用いる歯科用前処理剤として成立すると判断することができる。
(熱安定性能の評価)
本発明において、熱安定性能の評価は、特に限定しない限り次のようにして行ったものである。
各実施例及び比較例で製造したプライマー組成物のそれぞれを45℃にて50日で保存した。次いで、色差計(コニカミノルタ製)を用いて上記プライマー組成物の色差を測定する事で、各溶液の着色の程度を調べた。
実施例1〜4及び比較例1の接着性能評価と熱安定性評価の結果について表1に示す。
Figure 2016190805
表1の結果より、各実施例及び比較例の組成物は歯科用レジンセメントを使った歯質への接着に関して、歯科用表面処理剤としての性能を十分に保持していると考えられる。また、各実施例と比較例の組成物間において歯質接着性能に差異は見られなかった事から、一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物及び環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物による接着阻害等の影響が無い事が示された。
上記で調整したプライマー組成物の保存安定性評価試験を実施したところ、45℃50日間保存後において、色差計による評価は実施例1で「a*:-0.55、b*:0.85」、実施例2で「a*:-0.35、b*:0.74」、実施例3で「a*:-0.37、b*:0.73」、実施例4で「a*:-0.31、b*:-0.19」、比較例1で「a*:1.53、b*:4.25」であった。
実施例1〜3及び比較例1の結果を比較すれば明らかなように、グリセロリン酸2ナトリウムと(±)-α-トコフェロールまたはアスコルビン酸をそれぞれ含有させた実施例1〜3は、鉄の酸化を起因とした赤色(a*)及び黄色(b*)を示す値が、比較例1よりも低い事から、着色性が抑えられた。さらに、グリセロリン酸2ナトリウムと(±)-α-トコフェロールの両方を含有させた実施例4については、それぞれを単独で含有させた実施例1、実施例2、及びアスコルビン酸を単独で含有させた実施例3よりも耐着色性が高い結果が得られた。
本発明は、長期間にわたって安定的に保存できる表面処理剤組成物を提供する。本発明の歯科用表面処理剤組成物は、ボンディング剤、プライマー、コーティング剤、セメント、裏層剤、覆罩剤、シーラー、シーラント等、各種歯科用表面処理剤への応用性を考慮すると歯科の分野において極めて有用性が高い。

Claims (9)

  1. (a1)遷移金属化合物と、(b)水と、(c1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物、および/または(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物、を含有することを特徴とする、歯科用表面処理剤組成物。
  2. 前記(a1)遷移金属化合物が(a1-1)鉄および/または銅よりなる化合物である請求項1記載の歯科用表面処理剤組成物。
  3. 前記(c1)一分子中にリン酸基及びアルコール性水酸基をそれぞれ一つ以上含有する化合物が(c1-1)モル質量が120〜500g/molとなる範囲の化合物であって、かつ、重量比において前記(a1)遷移金属化合物1に対して40以下の範囲にある請求項1または2に記載の歯科用表面処理剤組成物。
  4. 前記(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物が(d1-1)トコフェロール誘導体であって、かつ、重量比において前記(a1)遷移金属化合物1に対して40以下の範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載の歯科用表面処理剤組成物。
  5. 前記(d1)環状構造を有する共役的パイ電子系に属する水酸基を有する化合物が(d1-2)アスコルビン酸誘導体であって、かつ、重量比において前記(a1)遷移金属化合物1に対して40以下の範囲にある請求項1〜4のいずれかに記載の歯科用表面処理剤組成物。
  6. さらに(e)重合性単量体を含む請求項1〜5のいずれかに記載の歯科用表面処理剤組成物。
  7. さらに(f)水溶性有機溶媒を含む請求項1〜6のいずれかに記載の歯科用表面処理剤組成物。
  8. さらに(g)重合開始剤を含む請求項1〜7のいずれかに記載の歯科用表面処理剤組成物。
  9. さらに(h)増粘剤を含む請求項1〜8のいずれかに記載の歯科用表面処理剤組成物。
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