JP2012018239A - 冷却装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却ローラによるシート状部材の冷却効率を向上させることができる冷却装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】中空状の管状部材1と管状部材1内に内包される内包部材2とから成る管構造の冷却ローラ20と、管状部材1内に冷却媒体を搬送する冷却媒体搬送手段100と、を備え、冷却ローラ20にシート状部材を接触させてシート状部材を冷却する冷却装置18において、冷却媒体に乱流を発生させる乱流発生手段21を内包部材2の外周面に設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に用いられる冷却装置、及び、その冷却装置を備えた画像形成装置に関するものである。
画像形成装置としては、電子写真技術を用いてシート状部材である用紙上にトナー画像を形成し、熱定着装置を通過させることでトナーを溶融し融着させるものが知られている。一般に熱定着装置の温度は、トナーや用紙の種類、用紙搬送スピードなどによって異なるが180[℃]〜200[℃]程度の温度に設定され制御されて、トナーを瞬時に融着させる。熱定着装置を通過した直後の用紙の表面温度は、用紙の熱容量(比熱、密度など)に左右されるが例えば100[℃]〜130[℃]程度の高い温度となっている。トナーの溶融温度はもっと低いので、熱定着装置通過直後の時点ではトナーは少し軟らかいままであり、用紙が冷えるまでは、しばらく粘着状態にある。そのため、連続的に画像出力動作が繰り返され熱定着装置通過後の用紙が排紙収容部に積載される場合、用紙上のトナーが十分に硬化できず軟化状態にあると、用紙上のトナーが別の用紙に貼り付く所謂ブロッキング現象が起こり、画像品質が著しく低下することがある。
特許文献1に記載の画像形成装置では、軸受を介して回転可能にブラケットに支持され、用紙に接触して用紙を搬送しつつ冷却する冷却ローラを備えた冷却装置が、熱定着装置よりも用紙搬送方向下流側に設けられている。熱定着装置通過後の用紙が冷却装置の冷却ローラによって冷却されることで、用紙上のトナーも冷やされ硬化し、上記ブロッキング現象が起こるのを抑えることができる。また、冷却ローラは管状構造であり、冷却ローラ軸方向一端側から他端側に向かって冷却ローラ内に冷却液が流され、用紙から熱を奪うことで温度が上昇した冷却ローラが冷却液により冷却される。
近年、電話料金の請求書や領収書等の高速プリントや、厚紙、コート紙等へのカラー光沢画像のプリントなど、軽印刷のニーズが多くなりつつある。このような軽印刷では、高速で大量プリントが行われるため、より短時間に高温のシート状部材を冷却する必要がある。また、オフィス向けとは異なり、カラープリントの頻度も多く、光沢画像も多いことから、熱定着装置によって用紙により高温で画像を定着させるため、高効率の冷却が求められるようになってきた。
しかしながら、冷却ローラ内に冷却液を単に流しただけでは、冷却ローラ内壁面近傍の冷却液の温度が高くなり過ぎて冷却液により冷却ローラを効果的に冷やすことができず、その結果、冷却ローラによって用紙の冷却を適切に行えないといった問題が生じ得る。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、冷却ローラによるシート状部材の冷却効率を向上させることができる冷却装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、中空状の管状部材からなる冷却ローラと、前記管状部材内に冷却媒体を搬送する冷却媒体搬送手段と、を備え、前記冷却ローラにシート状部材を接触させてシート状部材を冷却する冷却装置において、前記管状部材内に内包された内包部材を有し、前記管状部材の内壁面と前記内包部材の外周面との間に冷却媒体が流れる流路が形成されており、冷却媒体に乱流を発生させる乱流発生手段を前記内包部材の外周面に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の冷却装置において、上記乱流発生手段は、上記内包部材の外周面に設けた螺旋形状の突起または溝であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の冷却装置において、上記突起または上記溝の螺旋巻き方向を上記冷却媒体搬送手段より上記管状部材内に搬送された流れ方向とは逆向きの送りが発生するように設定したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の冷却装置において、上記乱流発生手段は、上記内包部材の外周面に設けた穴であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1の冷却装置において、上記乱流発生手段は、上記内包部材の外周面に設けた凹凸面または粗し面であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の冷却装置において、上記内包部材はコア部材であり、上記乱流発生手段を設けた前記コア部材の外周面と上記管状部材の内壁面とで形成される間隙に冷却媒体が流れる流路を有することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4または5の冷却装置において、上記内包部材は、上記管状部材よりも細管構造の内管であり、該管状部材と該内管との間を冷却媒体が流れる外側流路、及び、該内管内を冷却媒体が流れる内側流路を有する二重管構造であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4または5の冷却装置において、上記内包部材は内部に冷却媒体が通過可能な中空を有するシリンダであり、上記乱流発生手段を設けた前記シリンダの外周面と上記管状部材の内壁面とで形成される間隙に冷却媒体が流れる流路を有することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の冷却装置において、上記乱流発生手段は、上記内包部材とは別体の別体部材に形成されており、前記別体部材を前記内包部材の外周面に取り付けたことを特徴する冷却装置。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の冷却装置において、上記管状部材と上記内包部材とが共に回転することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の冷却装置において、上記内包部材が、上記管状部材の回転方向と同一方向に異なる回転数で回転可能、該管状部材の回転方向とは逆方向に回転可能、または、固定状態で設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の冷却装置において、上記乱流発生手段を上記管状部材が接触することで冷却するシート状部材と略同幅の領域に設けることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、シート状部材上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記シート状部材上に形成されたトナー像を少なくとも熱によってシート状部材に定着させる熱定着手段と、前記熱定着手段によってトナー像が定着されたシート状部材を冷却する冷却手段とを備えた画像形成装置において、前記冷却手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の冷却装置を用いることを特徴とするものである。
本発明においては、内包部材の外周面に設けた乱流発生手段によって、管状部材の内壁面と内包部材の外周面との間に形成された流路を流れる冷却媒体の流れは乱流となる。これにより、管状部材の内壁面近傍にある温度の高い冷却媒体と前記内壁面から離れた位置にある温度の低い冷却媒体との入れ替えが盛んに行われる。よって、乱流発生手段を内包部材の外周面に設けない場合よりも前記内壁面近傍の冷却媒体の温度を低くすることができるので、その分、冷却媒体によって管状部材を効果的に冷やすことができる。したがって、管状部材からなる冷却ローラによるシート状部材の冷却効率を向上させることができる。
以上、本発明によれば、冷却ローラによるシート状部材の冷却効率を向上させることができるという優れた効果がある。
構成例1に係る冷却ローラの拡大断面図。 実施形態に係る冷却装置の概略構成図。 構成例1に係る冷却ローラの模式図。 スリーブに内包されたコアの外周面に螺旋形状の溝が設けられた冷却ローラの拡大断面図。 構成例2に係る冷却ローラの拡大断面図。 構成例3に係る冷却ローラの拡大断面図。 構成例4に係る冷却ローラの拡大断面図。 構成例5に係る冷却ローラの拡大断面図。 薄板状の丸穴タイプの別体部材の拡大模式図。 薄板状の長穴タイプの別体部材の拡大模式図。 細線網状の矩形タイプの別体部材の拡大模式図。 細線網状のひし形タイプの別体部材の拡大模式図。 構成例6に係る冷却ローラの拡大断面図。 構成例7に係る冷却ローラの拡大断面図。 構成例8に係る冷却ローラの拡大断面図。 本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
本発明の実施形態に係る冷却ローラ及び冷却装置を、熱定着装置によってシート状部材である用紙上のトナーを定着させる画像形成装置を用いて説明する。しかし、本発明の冷却ローラおよび冷却装置は画像形成装置に用いられるものに限定されず、シート状部材の冷却が必要な装置であれば適応可能である。
図2は、用紙搬送の働きをも担う本発明の冷却ローラ20を備えた冷却装置18の一例の概略構成図である。冷却手段としての冷却ローラ20は、管状構造であり、内部に冷却液を流し循環させることで冷却ローラ表面を冷やすようにしたものである。この冷却ローラ20を有する冷却装置18を熱定着装置直後の用紙搬送経路中に配置し、冷却ローラ20によって用紙を搬送させると同時に、接触させることで用紙から熱を除去し冷却する。
冷却装置18にはシート状部材である用紙Pの搬送方向(左右方向)に間隔をあけて配列されたローラ140とローラ141とが設けられており、用紙を搬送するための搬送ベルト142をローラ140とローラ141とにより展張している。ローラ140は、図示しない駆動源からの駆動力により搬送ベルト142を回転駆動させる駆動ローラであり、搬送ベルト142を図中反時計回り方向に回転させて、搬送ベルト142上に担持された用紙Pを図中右側から左側へ搬送する。
冷却装置18よりも用紙搬送方向上流側には熱定着装置16が配置されており、冷却装置18よりも用紙搬送方向下流側には排紙収容部17が配置されている。ローラ141の上方には熱定着装置16から搬送されてきた用紙Pをガイドする上ガイド143が設けられている。また、ローラ140とローラ141との中間位置には、搬送ベルト142に食い込むように上から冷却ローラ20が搬送ベルト142に圧接されており、冷却ローラ20は搬送ベルト142の搬送力を利用した連れ回りで回転するようになっている。図中の符号44は冷却装置18の本体を構成するブラケットであり、ローラ140、ローラ141、冷却ローラ20、及び、上ガイド143などの構成部品を固定または回転自在に支持する部材である。冷却装置18はこのブラケット144によりユニット化され、画像形成装置本体に組み込まれる。
用紙P上のトナーを熱と圧力とにより用紙Pに定着させる熱定着装置16で熱せられ高温となった用紙Pは、排紙収容部17に排出される前に冷却装置18を通過する。詳しくは、熱定着装置16を通って高温となった用紙Pが、冷却装置18の上ガイド143とローラ141との間に入り込み搬送ベルト142に担持され、その後、冷却ローラ20と搬送ベルト142とで形成されるニップ領域部を通過して排紙収容部17に排出される。冷却ローラ20の内部は管構造になっており、外部で十分に冷却された冷却液が冷却ローラ20内に供給され冷却ローラ20内を循環した後に冷却液が冷却ローラ20内から排出される。用紙Pは、冷却ローラ20と搬送ベルト142とが接することで形成されるニップ領域で冷却ローラ20に密着し接触しながら通過するので、その際に用紙Pの熱は冷却ローラ20に吸熱され用紙Pが十分に冷却される。例えば、熱定着装置16を通過した直後の用紙Pの表面温度が100[℃]程度のときに用紙Pを冷却装置18に通過させることで、用紙Pの表面温度を50[℃]〜60[℃]程度まで冷却することができる。
なお後述するが、冷却ローラ20は回転管継ぎ手手段を介してタンク101、ポンプ100、冷却ファン104を装着したラジエータ103などの冷却液循環手段と連通/連結され、封入した冷却液が循環することで冷却ローラ20が冷やされる(図16等を参照)。
ここで、電子写真方式の画像形成装置では、熱定着装置によりトナーが定着された高温のままの用紙は、カール発生を招いたり、またトナーが完全に固化されていないことから、積載すると用紙同士がトナーによって張り付いたりして画像品質を著しく損ねるため、用紙の冷却が必要であった。
従来、オフィス向けの電子写真方式の画像形成装置においては、高温の用紙を冷却するため、用紙の上面及び下面に冷却ファンにより直接風を当てて冷却する方式や、冷却ファンにより末端を冷却したヒートパイプローラに用紙を接触させて用紙を冷却する方式が数多く採用されてきた。
しかしながら、近年、電子写真方式の画像形成装置は、電話料金の請求書や領収書等の高速プリントや、厚紙・コート紙等へのカラー光沢画像のプリントなど、軽印刷のニーズが多くなりつつあった。このような電子写真方式の画像形成装置による軽印刷では、高速で大量プリントが行われるため、より短時間に高温の用紙を冷却する必要があった。また、オフィス向けとは異なりカラープリントの頻度も多く、光沢画像も多いことから、定着部ではより高温で用紙にトナーを定着するため、従来方式以上の高効率の冷却が求められるようになってきた。
そこで、上述した冷却ファンやヒートパイプローラよりも冷却効率の高い、循環する冷却液を中空の冷却ローラに通して、この冷却ローラにより高温の用紙を冷却させる液冷方式が提案され始めた。
用紙の温度を効率よく下げるには、用紙から冷却ローラの壁部を挟んで冷却液までの熱流束を増加させる必要がある。ここで、冷却ローラの壁部と冷却液との間の熱流束は、「J.P.ホールマン著 伝熱工学<上>(ブレイン図書出版)、P11−12」より、対流熱伝達による数1のように表される。
Figure 2012018239
ただし、
W[W]:熱流束
h[W/m・℃]:冷却ローラ内壁面の熱伝達率
A[m]:冷却ローラ内壁面積
Tr[℃]:冷却ローラ内壁面温度
Tw[℃]:液温(冷却ローラ内壁面より十分離れた位置)
数1より、熱流束Wを上げるためには、液温Twを下げるか、冷却ローラ内壁面積Aを増加するか、冷却ローラ内壁面の熱伝達率hを向上させる必要がある。
数1における熱流束Wを上げるため、冷却ローラ内部を流れる流体を空気から冷却液に変えて熱伝導率や比熱を高くしたり、冷却ローラに内部における流体の速度を増加したりするのは、冷却ローラ内壁面の熱伝達率hを増加させることに対応している。ただし、流体速度を上げることは、冷却ローラの内部に冷却液を送液するためのポンプに大きな負担を与えることになるため、容易には行えない。
また、数1において液温Twを下げることでも熱流束Wを上げることが可能であるが、液温Twを下げる手段として、冷却ファンとラジエータとを使った場合には、液温Twは本質的に室温以下にすることはできないため、液温Twが思ったほど下がるものではない。また、液温Twを下げる手段として冷凍機を使った場合、液温Twは室温以下には下がるものの、冷凍機の消費電力や初期投資のコストがかさみ、省エネルギー化や低コスト化の観点から実現は容易ではない。
そこで、本実施形態においては、これらの不具合が生じるのを抑えつつ、冷却ローラ20による用紙Pの冷却効率を向上させている。
次に、図3を用いて、本構成例に係る冷却ローラ20について説明する。図3に示すように本構成例の冷却ローラ20は、スリーブ1とコア2とから成る管構造とし、軸受123でスリーブ1が回転可能に軸支されていて、スリーブ1とコア2とで形成された狭い間隙である流路116を冷却液が流れる構成である。
図3において、回転管継手手段としてのロータリージョイント120の供給口118から、図16に示すような冷却液循環装置500によって冷却された冷却液が冷却ローラ20に供給される。冷却ローラ20内の流路116は、スリーブ1の内周面近傍付近を通水するように狭小構造になっている。スリーブ1内の流路116を通水した冷却液はロータリージョイント121の排出口119から排出される。
スリーブなどの外管と、外管内に内包する内包部材とから成る管構造の冷却ローラは、従来から用いられているが、その目的は、外管の内壁面と内包部材の外周面との間隙で形成される流路を狭くすることで、ポンプの送液能力に頼らずに冷却液の流速を増加させ、外管内に内包部材が内包されていない冷却ローラよりも熱伝達率を向上させることにある。
しかし、このようなローラ構成の場合、前記流路(間隙)を極めて狭くしないと、内包部材の外周面近傍と外管の内壁面近傍との流速に差が生じてしまい、流路を流れる冷却液の温度が冷却ローラ径方向で差が出るという欠点を有している。
流体シミュレーション解析により、流路間隙が広いと、内包部材の外周面近傍に比べて外管の内壁面近傍の方が流速が遅いことが確認されており、その結果、内包部材の外周面近傍よりも外管の内壁面近傍の冷却液温度が高くなり、外管の内壁面から冷却液への熱伝達の効率が悪くて外管の温度が下がり難くなるのである。そのため、内包部材の外周面近傍と外管の内壁面近傍との流速差をできるだけ無くすよう、前記流路を極狭間隔にする必要があるのだが、前記流路(間隙)を極めて狭くすると言うことは、内包部材の外径を外管内径にできる限り近づけることなので、冷却ローラが管ではなく中身の詰まった金属の棒材のようになってしまい、非常に重いものとなる。また、外管内へ内包部材を挿入する組立作業の際も、狭間隔のため互いに接触しキズ付く恐れがあるので、注意を払いながらの難しい作業となってしまい、非常に時間がかかる。
そこで本実施形態では、前記流路を極狭間隔にしなくても、熱伝達効率を上げ、かつ軽量化や組立作業性の向上も可能となるようにした。つまり、流路間隔をある程度の余裕をもたせながらも、熱伝達率が向上するようにした。
具体的には、外管であるスリーブ1と冷却ローラ軸方向に長尺でスリーブ1の内径より外径が小さい内包部材であるコア2とから成る冷却ローラ20にあって、スリーブ1の内壁面とコア2の外周面との間に形成された冷却媒体である冷却液の流路間隔に余裕をもたせると共に、コア2の外周面近傍を流れる冷却液の速い流れに乱流を発生させ、その発生した乱流により、コア2の外周面近傍とスリーブ1の内壁面近傍の冷却液をかき混ぜ合わせ、前記流路内の冷却媒体温度を略均一にすることでスリーブ1の内壁面近傍の冷却液温度を下げるのである。
乱流を発生させる方法としては、コア2の外周面に後述するような微小形状の乱流発生手段を設け、コア2の外周面近傍の速い流れを利用する。乱流発生手段が微小形状であってもそこを流れる流速が速いものであれば、発生する乱流は小さくても強いものとなる。さらに、その乱流発生手段を多数設けることで、小さくても強い乱流がコア2の外周面近傍のいたる所で発生するようになる。そして、乱流によってコア2の外周面近傍の低い温度の冷却液が渦を巻くように持ち上がり(砂ぼこりが巻き上がる、舞い上がるイメージ)、スリーブ1の内壁面近傍の高い温度の冷却液と混ぜ合わされる。
なお、スリーブ1の内壁面とコア2の外周面とで形成される流路間隙に関しては、上記したように狭くすればする程、流速が速くなり、かつ、コア2の外周面近傍とスリーブ1の内壁面近傍との流速差がなくなり、スリーブ1の内壁面から冷却液への熱伝達率が良くなるが、問題点(重量、組立作業性)も有している。反対にスリーブ1の内壁面とコア2の外周面とで形成される流路間隙に余裕をもたせ過ぎ(広くし過ぎ)ると、前記乱流発生手段によって大きな乱流を起こさないとコア2の外周面近傍とスリーブ1の内壁面近傍との冷却液をかき混ぜ難くなる。大きな乱流を起こすためには大きな形状の乱流発生手段が必要となるので、必然的に乱流発生手段による流体抵抗が大きくなってしまい、冷却ローラ内に冷却液を送り込むポンプに負荷をかけることになる。
そこで前記流路間隙の狭過ぎや広過ぎの問題を回避するために、重量や組立作業性が問題とならない位まで流路間隙を狭くし、そして乱流発生手段を微小形状とし、さらに乱流が前記流路内のいたる所で発生するようにその乱流発生手段を多数設け、流体抵抗を抑えつつ冷却液を混ぜ合わせるようにした。
ここで、本実施形態の冷却装置18に設けられた冷却ローラ20のような内包部材であるコア2に乱流発生手段を設ける構成とは異なるが、特開2006−003819号公報に記載の冷却装置には、螺旋形状の仕切り板であるフィンが冷却ローラのない壁面に設けられており、本実施形態の冷却装置18と特開2006−003819号公報に記載の冷却装置との違いを説明する。
特開2006−003819号公報に記載の冷却装置との違いを明確にするため、本実施形態の冷却ローラ20のスリーブ1に内包されたコア2の外周面に設けられた乱流発生手段を小さな螺旋形状の突起とした場合で説明する。また、突起の螺旋の巻き方向は流体抵抗が大きくならないよう、ポンプによって冷却ローラ20内に送り込まれた冷却液の流れ方向と同方向の送りが発生する巻き方向とする。特開2006−003819号公報では螺旋形状のフィンの巻き方向までは明記されていないが、特開2006−003819号公報の段落番号0048に記載されている内容からフィンが液体の流れと同方向の送りが発生する巻き方向であることが読取れる。
冷却ローラ内に螺旋形状の突起物を設けること自体に関しては、本実施形態の冷却装置と特開2006−003819号公報に記載の冷却装置とは類似しているが、目的やその目的を達成するために突起(仕切り板)を設ける場所、その大きさ形状と数、そして作用効果に大きな差異がある。特開2006−003819号公報に記載の冷却装置では、管状の冷却ローラの内壁面に設けたフィンによってローラ内壁面積を増加させて冷却媒体との接触面積を稼ぐと共に、冷却ローラの回転に伴うフィンの螺旋運動によって積極的に渦巻き状の送りを発生させローラ内壁面に沿って螺旋方向に速い流れを起こして、冷却ローラ内壁面から冷却媒体への熱伝達率向上を狙うものである。
しかし、それら条件を満たし両立させるには、冷却ローラ内壁面に設けるフィンが大きな突起形状である必要があるが、大きな形状のフィンは、上記したように大きな流体抵抗の発生原因となり、ポンプの送液能力に頼ってその問題を解決させなければならなくなる。
ここで、特開2006−003819号公報の冷却ローラは、本実施形態でいうところの外管であるスリーブ1に相当するので、本実施形態のスリーブ1のみに小さな螺旋形状の突起を設けた場合を考えてみると、コア2の外周面近傍よりもスリーブ1の内壁面近傍の冷却液の流れが遅いので、小さな螺旋形状の突起ではスリーブ1の内壁面近傍に発生する乱流は弱いものとしかならず、スリーブ1の内壁面とコア2の外周面との間に形成される流路内の冷却液をかき混ぜ合わせることは難しい。そこで本実施形態では、外管であるスリーブ1に内包部材であるコア2を内包し、そのコア2に乱流発生手段として小さな螺旋形状の突起を設けた。乱流発生手段が小さな突起であってもコア2の外周面近傍の速い流れを利用すれば、前記流路内の冷却液全体のかき混ぜ合わが可能となる。
繰り返しの説明になってしまうが、本実施形態の場合は、上記数1の熱流束Wを上げる方法として、上記ローラ内壁面積を稼いだり、螺旋方向に速い流れを発生させたりするのではない。先ず、外管であるスリーブ1内に内包部材であるコアを内包して冷却液が流れる流路間隙をある程度狭くし、そこを流れる流速を増加させる。これだけでも熱伝達率は向上するが、本実施形態では更にその構成に、流体抵抗の低減を考慮した小さな螺旋形状の突起をコア2の外周面に設けて、コア2の外周面近傍を流れる速い冷却液の流れと、小さな螺旋形状の突起とで乱流を起こし、その乱流による攪拌作用で、流れが悪くて停滞気味であるスリーブ1の内壁面近傍の冷却液(停滞することで温まってしまう冷却媒体)と、流れが良くて次々に新しい冷却液が送られて来るコア2の外周面近傍の冷却液(滞りなく流れる冷えた冷却液)とを混ぜ合わせるようにした。流速増加に乱流効果が加わるので、相乗的に熱伝達率がより向上し、更なる用紙Pの温度低減が見込める。
簡単に言うと本実施形態は、小さな形状の乱流発生手段をコア2の外周面に多数設けて、いたる所で小さくても強い乱流を発生させて、熱流束Wを上げると共に流体抵抗も抑えるようにしている。
特開2006−003819号公報に記載の冷却装置のように冷却ローラ内壁面に大きなフィンを設ければ当然、螺旋方向に速い流れを発生させることだけでなく、ローラ内全体の冷却液を一気に攪拌させることができる。しかし前記したように大きな流体抵抗を伴うためポンプなどによる対策を必要とし、攪拌による熱伝達率は向上する反面、大きなデメリットも有することになる。
そこで本出願人らは、熱伝達率の向上が望め、かつ流体抵抗を抑えることのできる冷却ローラの構成形状を流体シミュレーションで検討した。その結果、上記のように先ずは、内包部材による流路の狭間隔化で流速増加させ、そしてその内包部材の外周面に流体抵抗を考慮した小さな形状の乱流発生手段、例えば突起または溝などを多数設けて、内包部材外周面近傍に小さくても強い乱流を多数発生させるようにすれば、いたる所で乱流が絡み合い複雑に変化し、そして波及され、相乗されて、内包部材外周面近傍の冷却液とスリーブ内壁面近傍の冷却液が混ぜ合わされることが分かった。つまり、流速の速い領域に、小さな形状の突起や溝でも多数設ければ攪拌機能として十分効果があることが分かり、熱伝達率向上に寄与することが分かった。本実施形態のような冷却ローラ20にすれば、流体抵抗の抑制と冷却液の攪拌作用の両立が可能となり、ポンプに頼らずに熱伝達率を上げて熱流束Wを向上させることができるようになる。
なお、本実施形態の冷却ローラ20のスリーブ1に内包させるコア2の外周面に設けられる乱流発生手段として、螺旋形状の突起を例に挙げて説明したが、流体抵抗が大きくならないよう考慮すれば、乱流発生手段の大きさや形状、構成は限定されるものではない。
[構成例1]
図1は、上記で説明した内包部材をコア2とし、スリーブ1とコア2とで狭い流路間隙を形成すると共に、そのコア2の外周面に乱流発生手段としての小さな螺旋形状の突起21を設けたときの概略図である。
流路間隙を図の左側から右側に向かって冷却媒体が流れ(左側が上流、右側が下流)、下流側の軸方向から見てスリーブ1とコア2が共に右回転している。螺旋形状の突起21によってコア2の外周面近傍の流れに乱流が発生し、その乱流効果と狭流路による流速増加効果で、熱伝達率の向上が可能となる。
なお、右回転するコア2に伴い螺旋形状の突起21も右回転するのだが、その際、螺旋形状の突起21の巻き方向を冷却媒体の流れ方向と同方向の送りが発生する右巻きとしている。巻き方向を冷却媒体の流れ方向と同方向の送りが発生するようにすれば、冷却媒体が旋回しながらスムースに流れるので流体抵抗をさらに減少させることができる。
本構成例の乱流発生手段である突起21は、冷却液の積極的な螺旋運動やコア2の外周面の面積を稼ぐことを目的としていないので、図1の突起21は冷却液の積極的な螺旋運動やコア2の外周面の面積を稼ぐことを目的としている場合に比べて、その大きさ形状を格段に小さくすることができる。なお、冷却液の積極的な螺旋運動やコア2の外周面の面積を稼ぐことを目的としてコア2の外周面に設けられた突起よりも、突起60の大きさが小さくなるので、その分、冷却液の積極的な螺旋運動やコア2の外周面の面積を稼ぐことを目的で突起をコア2の外周面に設ける場合よりも、突起21をコア2の外周面に多数設ける。
図1の場合では螺旋ピッチ間隔を細かくして擬似的に多数設けることと同等としている。突起21の形状は小さいほど流体抵抗に対して非常に有利となるが、小さくする場合はその螺旋ピッチ間隔を細かくする必要がある。しかし、螺旋ピッチ間隔を小さくしすぎると発生する乱流も小さくなり乱流による冷却液の攪拌力が弱くなるので、流体抵抗とのバランスを考えて決めなければならない。つまり、突起21だけではなく乱流発生手段全般に共通して、適切な構成及び大きさ形状やその数は、一概に特定することはできないので、スリーブ1の大きさ(直径)や冷却液の流量や流速など上記数1の熱流束Wを左右する要因をパラメータとして、適時、決める必要がある。すなわち、装置構成ごとに設計者が、高い冷却性能となるようシステムバランスを考えてシミュレーションや試作実験評価で検証や確認をして、最終的に突起21などの乱流発生手段の適切な構成や形状を決めることになる。
本出願人らの行ったシミュレーションでは、例えばスリーブ1の内径φ30[mm]、コア2の外径φ24[mm]、即ち流路間隙3[mm]のときにコア2の外周面に設ける乱流発生手段を螺旋状の突起21とした場合、冷却液の流量や流速にもよるが突起21の高さを1.2[mm]程度、螺旋ピッチ間隔を5[mm]程度としたときが流体抵抗と冷却性能のバランスが良かった。また、コア2の外周面に螺旋状の大きな突起(コア2の外周面からの高さ2.5[mm]、螺旋ピッチ間隔10[mm])を設けた場合でもシミュレーションを試みたが、流体抵抗が非常に大きくなり、前述の構成よりも数倍の送液能力を有するポンプを用いないと冷却ローラ20(スリーブ1)内を流れる冷却液が所望の流量とならず、冷却性能を悪くする結果となった。
図4は、図1の螺旋形状の突起21を螺旋形状の溝23としたときの概略図である。螺旋形状の溝23でのシミュレーションを試みた結果、流体抵抗は非常に小さくなったが、発生する乱流の大きさや強さとしては図1の突起21には及ばなかった。しかし、図1のような突起形状ではないため、図1の場合よりも流路間隙を狭くすることができるので、乱流が小さく弱くなる分を流速増加で補うことが可能となる。また、流体抵抗が小さいのでパワーの小さなポンプを用いなければならない場合や、冷却液の流量や流速を増したい場合などに適した構成といえる。
また、本構成例のスリーブ1とコア2とで構成される冷却ローラ20の場合、上述したようにスリーブ1とコア2とを同方向に同期させて回転させることで、乱流の発生と共に流体抵抗の抑制を可能としている。
一方、スリーブ1とコア2との回転数や回転方向を異なるようにしても良い。これにより、冷却液の旋回速度成分はスリーブ1の内壁面近傍とコア2の外周面近傍とで大きく異なり、乱流発生を助長してスリーブ1の内壁面から冷却液への熱伝達率がより向上する。コア2の回転が、例えばスリーブ1よりも何倍もの回転数であったり、逆に静止して非回転であったりなど、スリーブ1の回転数と異なれば異なる程、効果を得ることができる。なお、最大限の効果を望む場合はコア2をスリーブ1の回転方向とは逆方向に回転させれば良い。さらに、本構成例では、コア2の外周面に設けた乱流発生手段である螺旋形状の突起21により乱流が増幅されるので、格段の乱流効果が期待できるとともに、スリーブ1とコア2とで形成される狭い間隙の流路による高流速効果が加わるので、さらに熱伝達率が向上する。
[構成例2]
図5は、コア2の外周面に乱流発生手段として螺旋状の微小突起である突起21が設けられ、突起21の螺旋巻き方向がスリーブ1内を流れる冷却液の流れ方向に対して逆向きの方向に送りが発生する巻き方向とした場合の冷却ローラ20の拡大断面図である。
構成例1の図1では、スリーブ1内を流れる冷却液の流れ方向と螺旋形状の突起21による冷却液の送り方向とが同方向になるようにしている。この場合、スリーブ1と共にコア2が右回転すると冷却液は乱流を発生させながら渦を巻くように螺旋運動しながら送り方向(図1では図中左から右方向)に流れるので、スリーブ1内を流れる冷却液の流体抵抗抑制重視の構成といえる。
これに対し、本構成例の乱流発生手段である突起21は、スリーブ1内を流れる冷却液の流体抵抗を抑えつつも、より熱伝達率が向上するよう構成例1よりも大きく強い乱流を発生させる乱流発生重視(熱伝達向上重視)の構成とした。
乱流を大きくし過ぎたり強くし過ぎたりするのは流体抵抗が大きくなり過ぎるので良くないが、大きく強い乱流が発生すれば攪拌力は増加し、冷却液がより混ぜ合わされるようになる。その方法としては、コア2の外周面に設ける螺旋形状の突起21の大きさ形状は小さくて良く、その螺旋巻き方向だけを、冷却液の流れ方向に対して、逆向きの方向に送りが発生する巻き方向とすれば良い。例えば、図5のようなコア2が右回転し冷却液が図中左から右方向に流れる場合において、螺旋形状の巻き方向を図1とは逆の左巻きとする。こうすることでコア2が右回転すると、コア2の外周面近傍において、スリーブ1内で冷却液流れ方向上流側から下流方向に向かう本来の冷却液の流れに対して、逆向き(上流方向)に送ろうとする力(流れ)がぶつかることになるので、より大きく強い、そしてより複雑でランダムな乱流が発生することになる。よって、逆送りによる乱流効果と、狭流路による流速増加効果で、熱伝達効率が格段に向上する。
ただし、突起21の形状の大きさによっては、冷却液を上手く攪拌することができなかったり、流体抵抗が大きくなり過ぎてしまったりするので注意が必要である。例えば、非常に小さな突起21であれば送り方向がスリーブ1内を流れる冷却液の流れ方向とは逆向きであっても流体抵抗としては小さく問題にならないレベルとなるが、その分、有効な乱流効果を見込むことは難しくなる。反対に、大きな突起21にすれば大きな乱流効果を見込みことができるが、当然、スリーブ1内を流れる冷却液の流れ方向とは逆向きの送り力が大きく強くなるので流体抵抗が増大してしまう。
突起21の大きさ形状は、スリーブ1の大きさ(直径)や冷却媒体の流速及び流量や、冷却性能目標などの仕様条件などによって、各々の場合毎に対応して変わるので、一概に決めることはできない。本出願人らは、最小限の流体抵抗で最大限の乱流効果が得られるよう、突起21の螺旋の最適な形状や大きさを、シミュレーションや実験評価で比較や確認しながら決めた。また螺旋形状の場合、その螺旋ピッチ間隔が乱流の発生頻度や発生する位置間隔を決めるファクターとなるので、螺旋ピッチ間隔も同様に考慮しなければならない。例えば、スリーブ1の内径φ30[mm]、コア2の外径φ24[mm]、即ち流路間隙3[mm]のとき、螺旋形状の突起62のコア2の外周面からの高さを0.8[mm]程度、螺旋ピッチ間隔を5[mm]程度とした。
なお、図4に示した螺旋形状の溝23の螺旋巻き方向も、冷却液の流れ方向と逆方向の送りが発生する左巻きとすれば、右巻きの図4よりも熱伝達率は向上する。
また、本構成例のスリーブ1とコア2とで構成される冷却ローラ20の場合、上述したようにスリーブ1とコア2とを同方向に同期させて回転させることで、乱流の発生と共に流体抵抗の抑制を可能としている。
一方、スリーブ1とコア2との回転数や回転方向を異なるようにしても良い。これにより、冷却液の旋回速度成分はスリーブ1の内壁面近傍とコア2の外周面近傍とで大きく異なり、乱流発生を助長してスリーブ1の内壁面から冷却液への熱伝達率がより向上する。コア2の回転が、例えばスリーブ1よりも何倍もの回転数であったり、逆に静止して非回転であったりなど、スリーブ1の回転数と異なれば異なる程、効果を得ることができる。なお、最大限の効果を望む場合はコア2をスリーブ1の回転方向とは逆方向に回転させれば良い。さらに、本構成例では、コア2の外周面に設けた乱流発生手段である螺旋形状の突起21により乱流が増幅されるので、格段の乱流効果が期待できるとともに、スリーブ1とコア2とで形成される狭い間隙の流路による高流速効果が加わるので、さらに熱伝達率が向上する。また、その乱流発生手段を図5に示すように逆送りタイプの螺旋形状の突起21とすることで、その効果はより向上する。
[構成例3]
図6は、コア2の外周面の全面に乱流発生手段として微小な穴24を多数設けた場合の冷却ローラ20の拡大断面図である。
図4に示した螺旋形状の溝23と同様に、螺旋形状の突起21の場合ほどの乱流効果は望めないが流体抵抗を非常に小さくすることができ、流路間隙を狭くすることが可能で流速を増加することができる。さらに小さな穴ならば数多くの穴24をコア2の外周面全体にすき間なく形成することができるので、図4に示した螺旋形状の溝23の場合よりもコア2の外周面に設ける数を格段に増やすことができ、乱流を一様にコア2の外周面の全面で発生させることが可能となる。
したがって、コア2の外周面の全域(コア2の円周方向および軸方向)に亘って略均等に同じ大きさ及び強さの乱流が発生するので、流路間隙内の冷却液温度を均一にすることができ、流体抵抗を抑えると共に、熱流束Wを上げ且つその均一性を確保することができる。穴24の形状としては、丸穴、長穴、多角形穴などに限定されるものではなく、乱流の発生具合を流体抵抗と併せてシミュレーション等で確認し検討しながら最適な形状や大きさを決めれば良い。
なお、コア2の外周面への乱流発生手段である突起21、溝23、穴24などの形成方法は、切削加工、または、鋳造や押し出しなどの型成形によって行えばよい。
[構成例4]
図7は、乱流発生手段としてコア2の外周面の全面に微小な凹凸を多数設け、コア2の外周面の全面が凹凸面65となるようにした場合の冷却ローラ20の拡大断面図である。
図4に示した螺旋形状の溝23や図6に示した穴24と同様に、螺旋形状の突起21の場合ほどの乱流効果は望めないが流体抵抗を非常に小さくすることができ、流路間隙を狭くすることが可能で流速を増加することができる。さらには、凹凸面65ならば穴24以上に凹凸面65を微細に形成することが可能となるので、コア2の外周面の全域(コア2の円周方向および軸方向)に亘って均一の乱流発生、すなわち流路間隙内の冷却液温度の均一化をより図ることができる。よって、流体抵抗を抑えると共に、熱流束Wを上げ且つその均一性を確保することができる。
なお、更に微小な凹凸形状で、その形状がランダムで、形成工程の手間もあまりかからない粗し面でも構わない。ただし、凹凸を微細にし過ぎると有効な乱流が発生し難くなり、効果的に冷却液を混ぜ合わせることがし難くなる。コア2の外周面に設ける凹凸の大きさ形状は、乱流の発生具合を流体抵抗と併せてシミュレーション等で確認し検討しながら最適な形状や大きさを決めれば良い。
コア2の外周面に設ける乱流発生手段としての凹凸が微小ないし微細形状の場合、その加工方法は、切削加工だけでなく、形状に多少のバラツキを伴うがペーパーやグラインダなどのやすり加工や、サンドブラストなどの粗し加工でも良い。また微細な凹凸面の場合、意図的に凹凸を加工形成するのではなく、鋳造や押し出しなどによるローラ製作の際の粗れた素地をそのまま用いても、場合によっては良い。
[構成例5]
上述した構成例1から構成例4まででは、乱流発生手段(突起、溝、穴、凹凸面及び粗し面など)をスリーブ1内に内包した内包部材であるコア2の外周面に直接形成して、コア2と乱流発生手段とを一体的とした場合について説明したが、必ずしもコア2に乱流発生手段を一体的に形成にする必要はない。
コア2に乱流発生手段を一体的に形成した場合の利点は、部品点数の低減や組立て工程の削減などが挙げられる。しかしながら、部品コスト、形成加工の手間や時間、重量などに問題が生じる虞がある。特に重量に関しては、狭い流路間隙を形成するためにコア2の外径寸法をスリーブ1の内径寸法に近づける必要があるので、スリーブ1内におけるコア2の占める割合が大きくなり、結果としてコア2の重さが冷却ローラ20全体の重量に大きく影響する。
また、コア2の外周面に乱流発生手段を形成するには、その形成工程(切削加工や型成形など)に耐えうるだけの強度や剛性がコア2に用いる材料に必要であり、コア2の軸芯の真直度も必要なので、必然的にコア2に使用する材料は鉄やステンレス鋼などとなり、重量の非常に重いものとなってしまう。軽量化を考慮してもアルミニウム材であり、樹脂材料ほどまでは軽くすることはできない。樹脂材料の場合、コア2の形状が円柱状など単純形状ならば成形や加工時の負荷があまりかからないので軸芯精度を出すことができる。しかしながら、その表面に複雑な突起や溝などの形状を形成しようとすると、形成の際の大きな負荷により真直度が狂う恐れがある。また、樹脂材料では微細形状の形成も難しく、形状の維持や耐久性(突起が変形や欠落が生じたり、溝や穴が埋まってしまったり、凹凸面や粗し面が滑らかな面になってしまったり、しないようにすること)にも問題がある。
そのため、本構成例では、コスト低減、形成加工の手間や時間の削減、さらに乱流発生手段の形状の自由度を増し、内包部材であるコア2の軽量化も可能なようにするため、乱流発生手段をコア2とは別体の部材に形成し、その別体部材をコア2の外周面に装着するようにした。
図8は、円柱状のコア2aの外周面に、螺旋形状の突起21が外周面に設けられた円筒状の別体部材26が装着され、別体部材26に設けた突起21の螺旋巻き方向がスリーブ1内を流れる冷却液の流れ方向に対して逆向きの方向に送りが発生する巻き方向とした場合の冷却ローラ20の拡大断面図である。
コア2aを例えば軽量で相応の剛性を有したエンジニアリングプラスチック等の樹脂材料を用いて成形負荷や加工負荷のかからない円柱状に成形し、別体部材26を例えば弾性体で薄い板厚のSUS301−CSP等の板バネ用ステンレス鋼帯で円筒状に成形する。
本構成例においては、別体部材26に形成する突起21は、板状の別体部材26を円筒状に湾曲させたときに図5に示した突起21のような螺旋形状となるよう形成する。そして、その別体部材26を樹脂材料で成形した円柱状のコア2aの外周面に巻きつけ固定する。このとき別体部材26を予め、コア2aの外径よりも内径寸法の小さい円筒形状(湾曲形状)に成形しておくと、別体部材26自身のバネ性(弾性)力を利用することができるのでコア2aへの装着がし易くなる。
コア2aが円柱状であれば高い強度や剛性を有する材料でなくとも成形精度や真直度精度は確保できるので、コア2aの樹脂化が可能となり、コストや形成の手間、重量などの問題が解決される。
ただし、図1に示したコア2や図8に示したコア2aを含めて内包部材の材料の選定基準として、先ずその第一条件は、冷却液により腐食性や溶解性、浸透性などの影響が及ぼされないことであり、軽量化やコスト、形成加工のし易さなどは、その次の選定条件となる。したがって、前記影響が及ぶのを抑えるために、場合によってはコア2やコア2aなどの内包部材として敢えてステンレス鋼材やアルミニウム材などを使うこともある。
また、乱流発生手段に関しては、乱流発生手段を薄い板金等の別体部材26に形成するようにすれば、安価で量産可能なプレス加工、レーザ加工、エッチング加工など様々な成形方法や加工方法を採ることができ、図5などに示したような一体成型で加工したコア2では実現することのできなかった乱流発生手段の微細形状や所望形状を自由に形作ることができる。
別体部材26の材料としてはステンレス鋼材でも構わないが、先ずは冷却液との相性を考慮して、低コストで加工のし易い鉄、アルミニウム、銅、場合によっては樹脂系でも良い。
ただし、内包部材であるコア2への装着のし易さも考慮すると、別体部材26の材料としては弾性を有した材料を推奨する。また、別体部材26の形態も板状だけでなく線状(コイル状)、網状、繊維状、さらには管状、湾曲状でも構わない。図9は薄板状の丸穴タイプ、図10は薄板状の長穴タイプ、図11は細線網状の矩形タイプ、図12は細線網状のひし形タイプである。
なお、組立て性、部品交換性、部品のリサイクル性やリユース性などを考慮する場合は、別体部材26を内包部材であるコア2aに対して着脱可能な構成とした方が良い。
[構成例6]
本構成例においては、図13に示すように冷却ローラ20を、外管であるスリーブ1と、乱流発生手段として冷却液の流れと逆方向の送りを発生させる螺旋形状の微小な突起31が外周面に設けられスリーブ1内に内包される内包部材である内管3とから成る管構造としている。そして、図13に示すようなスリーブ1と内管3とで形成される狭い間隙と内管3の中空内部それぞれを流路として冷却液を流す構成であり、前記間隙と内管3の中空内部とを冷却液が流れて冷却ローラ20内で冷却液が往復するようにしている。
本構成例においては、図13に示した冷却ローラ20の軸方向右側から見てスリーブ1と内管3とを共に右回転し、スリーブ1と内管3とで形成した間隙を往流路として冷却液を図中左側から流入させ図中右側に向けて流し、スリーブ1の図中右端でUターンさせて冷却液を内管3の中空内部に流入させ、内管3の中空内部を復流路として図中左側に向けて流出させるのである。このように冷却液を流すと、往流路の流路間隙を狭くしている分、スリーブ1の内壁面近傍の冷却液の流速が増加し、さらに螺旋形状の突起31による内管3の外周面近傍の乱流効果が加わるので、相乗効果でスリーブ1の内壁面から冷却液への熱伝達率が向上する。
なお、内管3の外径寸法をスリーブ1の内径寸法に近づけて、より前記間隙を狭くすれば、図5に示したコア2と同じ程度にスリーブ1の内壁面近傍の冷却液の流速が増加して、さらにスリーブ1の内壁面から冷却液への熱伝達率が向上し、ひいては冷却ローラ20による用紙Pの冷却効果が向上する。
言うまでもないが、本構成例では乱流発生手段を逆送りタイプの螺旋形状の突起31としているので、乱流発生手段を図1に示したような順送りタイプの螺旋形状の突起21とするよりも冷却性能は向上するが、流体抵抗が増加するので注意が必要である。
ここで、内管3の外周面に設ける乱流発生手段が螺旋形状の場合、装置の仕様毎で順送りタイプか逆送りのタイプかの選定や使い分けが必要となる。つまり、所望の冷却性能やポンプのパワーなどを鑑みて順送りタイプの乱流発生手段と逆送りタイプの乱流発生手段とのどちらを用いるかを選択しなければならない。なお、内管3の外周面に設ける乱流発生手段としては、図13に示したような螺旋形状の突起31に限らず溝、穴、凹凸面または粗し面などでも適応可能であり、装置毎の使い分けができる。
また、冷却ローラ20内に冷却液を流入させたり冷却ローラ20内から冷却液を流出させたりするために、冷却ローラ20の軸方向端部に取り付けられメカニカルシールが施された回転管継ぎ手であるロータリージョイントなどを介してポンプなどに連結されたチューブや配管に繋げる。
図3に示すような冷却ローラ20の一端側から他端側に向けて一方向に冷却液を流すローラ構成の場合は、流入用の継ぎ手を冷却ローラ20の一端側に、流出用の継ぎ手を冷却ローラ20の他端側に、すなわち冷却ローラ20の両端部に継ぎ手を設ける必要がある。これに対して、本構成例の図13に示すような往復流路の冷却ローラ20の場合は、流入流出の両方の役目を併せ持つ複式の継ぎ手を冷却ローラ20の片方の端部だけに設ければ良いので、冷却ローラ20の他方の端部側に空スペースが生まれる。この空スペースは、画像形成装置などの装置の小型化に寄与し、また冷却ローラ20を装置へ組み付ける際に冷却液のチューブや配管が邪魔にならず、作業性が向上する。
なお、冷却ローラ20内における冷却液の往復流路の経路は図13に示した方向と逆方向でも構わない。つまり図13の流れ方向とは逆に、内管3の中空内部を往流路として冷却液を流入させ、スリーブ1と内管3とで形成される間隙を復流路として冷却液を流出させても良い。ただし、前記間隙を流れる冷却液の流れ方向が図13に示した方向と逆向き(図13では右から左方向)となるので、乱流発生手段を螺旋形状の突起とした場合は螺旋の巻き方向に注意が必要である。
また、本構成例のスリーブ1と内管3とで構成される冷却ローラ20の場合、上述したようにスリーブ1と内管3とを同方向に同期させて回転させることで、乱流の発生と共に流体抵抗の抑制を可能としている。
一方、スリーブ1と内管3との回転数や回転方向を異なるようにしても良い。これにより、冷却液の旋回速度成分はスリーブ1の内壁面近傍と内管3の外周面近傍とで大きく異なり、乱流発生を助長してスリーブ1の内壁面から冷却液への熱伝達率がより向上する。内管3の回転が、例えばスリーブ1よりも何倍もの回転数であったり、逆に静止して非回転であったりなど、スリーブ1の回転数と異なれば異なる程、効果を得ることができる。なお、最大限の効果を望む場合は内管3をスリーブ1の回転方向とは逆方向に回転させれば良い。さらに、本構成例では、内管3の外周面に設けた乱流発生手段である螺旋形状の突起31により乱流が増幅されるので、格段の乱流効果が期待できる。また、その乱流発生手段を図13に示すように逆送りタイプの螺旋形状の突起31とすることで、その効果はより向上する。
[構成例7]
本構成例においては、図14に示すように冷却ローラ20を、外管であるスリーブ1と、そのスリーブ1内に内包され乱流発生手段として図5を用いて説明したような冷却液の流れと逆方向の送りが発生する螺旋形状の突起41を外周面に有する中空のシリンダ4と、そのシリンダ4の中空内部に挿入された内管3とからなる管構造となっている。そして、図14に示すようなスリーブ1とシリンダ4とで形成された間隙と内管3の中空内部それぞれを流路として冷却液を流す構成であり、前記間隙と内管3の中空内部とを冷却液が流れて冷却ローラ20内で冷却液が往復するようにしている。なお、本構成例においては図14に示すようにシリンダ4の内部に内管3を具備しているが、シリンダ4の内部に内管3を具備せず内管3の代わりに通し穴をシリンダ4に開けても良いし、内管3と前記通し穴とを組み合わせて構成しても良い。
シリンダ4内には内管3が挿入固定されており、例えば、大径のシリンダ4を樹脂材で成形し、小径の内管3をアルミニウム等の金属材で製作すると、軽量化が可能となる。さらに図8に示したコア2aようにシリンダ4の外周面にシリンダ4とは別体部材の乱流発生手段を設ければ、構成例5で記載した利点や効果を得ることができる。
本構成例においては、図14に示した冷却ローラ20の軸方向右側から見てスリーブ1、内管3及びシリンダ4が共に右回転し、スリーブ1とシリンダ4とで形成した間隙を往流路として冷却液を図14中左側から流入させ、スリーブ1の右端でUターンさせて、内管3の中空内部を復流路として図14中左側に向けて冷却液を流出させる。このように冷却液を流すと、図13に比べて往流路の流路間隙が狭くなる分、スリーブ1の内壁面近傍の流速が増加し、さらに逆送りの螺旋形状の突起41によるシリンダ4の外周面近傍の乱流効果が加わるので、相乗効果でスリーブ1の内壁面から冷却液への熱伝達率が向上し、更なる用紙Pの温度低減が見込める。
言うまでもないが、本構成例ではシリンダ4の外周面に設けた乱流発生手段を逆送りタイプの螺旋形状の突起41としているので、乱流発生手段を順送りタイプの螺旋形状の突起とするよりも冷却性能は向上するが、順送りタイプの乱流発生手段よりも流体抵抗が増加するので注意が必要である。なお、シリンダ4の外周面に設ける乱流発生手段としては螺旋形状の突起に限らず溝、穴、凹凸面または粗し面などでも適応可能であり、装置毎に使い分ける。
また、本構成例の冷却ローラ20も、構成例6で説明したスリーブ1内に内管3を内包する冷却ローラ20と同様に、冷却ローラ20内における冷却液の経路が往復流路を形成しているので、冷却ローラ20の片方の端部のみにロータリージョイントなどの継ぎ手を設ければ良い。これにより、冷却ローラ20の他方の端部側に空スペースが生まれ、画像形成装置などの装置の小型化に寄与し、また冷却ローラ20を装置へ組み付ける際に冷却液のチューブや配管が邪魔にならず、作業性が向上する。
すなわち、本構成例の冷却ローラ20は、構成例5のコア2を内包する構成と構成例6の内管3をスリーブ1内に内包する構成とを組み合わせたものと略同等の構成と言え、双方の利点や効果を有している。
なお、冷却液の流入出経路は図14で示した方向と逆方向でも構わない。つまり図14の流れ方向とは逆に、内管3の中空内部を往流路として冷却液を流入させ、スリーブ1とシリンダ4とで形成される間隙を復流路として冷却液を流出させても良い。ただし、前記間隙を流れる冷却液の流れ方向が図14に示した方向と逆向き(図14では右から左方向)となるので、乱流発生手段を螺旋形状の突起とした場合は螺旋の巻き方向に注意が必要である。
また、本構成例のスリーブ1、内管3及びシリンダ4とで構成される冷却ローラ20の場合、上述したようにスリーブ1とシリンダ4とを同方向に同期させて回転させることで、乱流の発生と共に流体抵抗の抑制を可能としている。
一方、スリーブ1とシリンダ4との回転数や回転方向を異なるようにしても良い。これにより、冷却液の旋回速度成分はスリーブ1の内壁面近傍とシリンダ4の外周面近傍とで大きく異なり、その差で乱流発生を助長して熱伝達率がより向上する。シリンダ4の回転が、例えばスリーブ1よりも何倍もの回転数であったり、逆に静止して非回転であったりなど、スリーブ1の回転数と異なれば異なる程、効果を得ることができる。なお、最大限の効果を望む場合はシリンダ4をスリーブ1の回転方向とは逆方向に回転させれば良い。さらに、本構成例では、シリンダ4の外周面に設けた乱流発生手段である螺旋形状の突起41により乱流が増幅されるので、格段の乱流効果が期待できるとともに、スリーブ1とシリンダ4とで形成される狭い間隙の流路による高流速効果が加わるので、さらに熱伝達率が向上する。また、図14に示すように、シリンダ4の外周面に設けた乱流発生手段を逆送りタイプの螺旋形状の突起41とすることで、その効果はより向上する。
[構成例8]
本構成例においては、図15に示すように冷却ローラ20の外管であるスリーブ1内に内管3を内包し、その内管3の外側に中空のシリンダ4が挿入された管構造となっている。そして、スリーブ1とシリンダ4とで形成される間隙と内管3の中空内部それぞれを流路として冷却液を流す構成であり、前記間隙と内管3の中空内部とを冷却液が流れて冷却ローラ20内で冷却液が往復するようにしている。
また、図15に示すような冷却液の流れと逆方向の送りが発生する螺旋形状の突起41を、シリンダ4の外周面に設けている。また、本構成例では図15に示すように、冷却ローラ20のスリーブ1に接触することで冷却される用紙Pの幅(冷却ローラ軸方向の幅)と略同幅のシリンダ4の外周面の領域に螺旋形状の突起41を設けている。つまり、用紙Pの領域外には螺旋形状の突起41をシリンダ4の外周面に設けないようにした。
本構成例のように用紙Pが接するスリーブ1の領域と略同幅域のみに螺旋形状の突起41を設けることで、シリンダ4の外周面の螺旋形状の突起41が設けられていない部分の流路では、スリーブ1内を流れる冷却液に対して突起41による流体抵抗が発生せず、その流路領域の冷却液はスムースに流れることになる。これにより、不必要な領域での流体抵抗が抑えられ、冷却液を冷却ローラ20内に送り込むポンプの負荷は小さく消費電力を下げられ且つ耐久性も向上する。また、シリンダ4の外周面全域にわたって螺旋形状の突起41を設ける場合よりも一ランク下の送液性能のポンプで済み、低コスト化を図ることができる。また、必要な領域にのみ乱流発生手段を設けることで、無駄を無くし(螺旋形状の突起の形成領域の削減に起因するコスト低減や、冷却の必要のない領域での乱流発生を防ぐなど)、効率良く効果的に熱伝達率を向上させることができる。
[構成例9]
次に、構成例1から構成例8で示したいずれかの本発明の冷却ローラ20を有する冷却装置18を搭載したタンデム型中間転写ベルト方式のカラー画像形成装置の構成概略図を図16に示す。
なお、構成例1から構成例8で示した本発明の冷却ローラ20を有する冷却装置18は、画像形成装置に設けられるものに限定されることなく、シート状部材の冷却が必要な装置であれば適応可能である。また、本構成例では、冷却媒体として液体を用いて説明するが、流体の媒体であれば気体でも構わない。
複数のローラによって中間転写媒体としての中間転写ベルト51を展張し、中間転写ベルト51はこれらのローラにより回転するように構成すると共に、中間転写ベルト51のまわりに画像形成用のプロセス手段を配置している。
中間転写ベルト51の回転方向を図中矢印aとするとき、中間転写ベルト51の上方であってローラ52とローラ53との間には、中間転写ベルト51の回転方向の上流側から順に画像形成用のプロセス手段として、画像ステーション54Y、画像ステーション54C、画像ステーション54M、画像ステーション54Bkが配置されている。例えば画像ステーション54Yは、ドラム状の感光体11Yの周囲に帯電手段10Y、光書き込み手段12Y、現像装置13Y、クリーニング手段14Yが配置され、さらに中間転写ベルト51を挟んで感光体11Yの対向位置に中間転写ベルト51への転写手段としての一次転写ローラ15Yが設けられている。また、他の3つの画像ステーション54C,54M,54Bkも同一構成となっている。そして、それら4つの画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkが互いに所定のピッチ間隔となるように左右並列に配置されている。
本実施形態では光書き込み手段12をLEDを光源とする光学系としているが、半導体レーザーを光源とするレーザー光学系で構成することもでき、感光体11に対して画像情報に応じた露光を行う。
中間転写ベルト51の下方には、シート状部材である用紙Pの用紙収納部19および給紙コロ223、レジストローラ対221、中間転写ベルト51を張架するローラ55に中間転写ベルト51を介して対向するように設けられ中間転写ベルト51から用紙Pへのトナー像の転写手段としての二次転写ローラ56、中間転写ベルト51の裏面に接するローラ58の対向位置で中間転写ベルト51のおもて面に接するように設けられ中間転写ベルト51のおもて面をクリーニングするクリーニング手段59、熱定着装置16、用紙Pを冷却する冷却ローラ20を有する冷却装置18、トナー定着後の用紙Pの排出部である排紙収容部17などが配置されている。そして、用紙収納部19から排紙収容部17へ至る用紙搬送路28が延びている。また、両面画像形成時に用紙Pの裏面への画像形成を行う際に、冷却装置18を一度通過した用紙Pの表裏を反転させ、再度、レジストローラ対221へ搬送する両面画像形成用の用紙搬送路29も備えている。
なお、冷却装置18の冷却ローラ20は用紙Pの熱を受熱する受熱部であり、冷却ファン104を装着したラジエータ103、ポンプ100、タンク101と共に配管105で連通/連結され、冷却液が封入されている。冷却液の循環経路は配管105の矢印で示すように、ラジエータ103で冷やされた冷却液を、冷却ローラ20へ供給し、そして冷却ローラ20内を廻ってから排出し、その後にタンク101、ポンプ100へ送り、再び、ラジエータ103に戻す順序であり、ポンプ100の回転圧力により冷却液を循環させ、ラジエータ103で放熱することで冷却液、如いては冷却ローラ20を冷やす。ポンプ100の送液能力やラジエータ103の大きさなどは、熱設計条件(冷却ローラ20が冷却すべき熱量と温度の条件)によって決定される流量、圧力、冷却効率などを元に選定される。
画像の形成プロセスは、画像ステーション54Yに着目すれば、一般の静電記録方式に準じていて、暗中にて帯電手段10Yにより一様に帯電された感光体11Y上に光書き込み手段12Yにより露光して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置13Yによりトナー像として可視像化する。そのトナー像は一次転写ローラ15Yにより感光体11Y上から中間転写ベルト51に転写される。転写後の感光体11Yの表面はクリーニング手段14Yによりクリーニングされる。他の画像ステーション54も画像ステーション54Yと同構成であり、同様の画像形成プロセスが行われる。
画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkにおける各現像装置13Y,13C,13M,13Bkは、それぞれ異なる4色のトナーによる可視像化機能を有しており、各画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkでイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを分担すれば、フルカラー画像を形成することができる。よって、中間転写ベルト51の同一画像形成領域が4つの画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkを順次通過する間に、中間転写ベルト51を挟むようにして各感光体11とそれぞれ対向して設けられた一次転写ローラ15により与えられる転写バイアスによって、それぞれ1色ずつトナー像を中間転写ベルト51上に重ね転写されるようにすれば、上記同一画像形成領域が各画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkを1回通過した時点で、この同一画像領域に、重ね転写によってフルカラートナー画像を得ることができる。
そして、中間転写ベルト51上に形成されてフルカラートナー画像は、用紙Pに転写される。転写後の中間転写ベルト51はクリーニング手段59によりクリーニングされる。用紙Pへの転写は転写時において二次転写ローラ56に転写バイアスを印加して、中間転写ベルト51を介して二次転写ローラ56とローラ55との間に転写電界を形成し、二次転写ローラ56と中間転写ベルト51とのニップ部に用紙Pを通過させることにより行なわれる。中間転写ベルト51から用紙Pへのフルカラートナー像の転写後、用紙P上に担持されたフルカラートナー像を熱定着装置16で用紙P上に定着することにより、用紙P上にフルカラーの最終画像が形成され、その後、用紙Pは排紙収容部17に積載される。
本実施形態の画像形成装置においては、排紙収容部17に用紙Pが積載される前に、用紙Pが熱定着装置16の直後に配置された冷却装置18を通過する。通過する際、熱定着装置16で熱せられた用紙Pが受熱部である冷却ローラ20に接触しながら通過することになるので、冷却ローラ20の表面で用紙Pから熱を吸熱し、この熱を冷却ローラ20内部の冷却液へ伝達する。熱が伝達され高温となった冷却液は、この後、冷却ローラ20から排出されタンク101やポンプ100を経て、冷却ファン104を装着したラジエータ103に送られ、そこで熱が画像形成装置外に排熱される。ラジエータ103で熱が除去され室温近くにまで下げられた冷却液は、その後、再び冷却ローラ20へと送られる。このような冷却液による高い冷却性能の排熱サイクルによって、熱定着装置16で熱せられて高温となった用紙Pが効率良く冷やされる。
また、構成例1乃至構成例8で説明したように、本実施形態の冷却ローラ20はコア2、内管3及びシリンダ4などの内包部材を用いて外管であるスリーブ1の内壁面周囲付近を流れる冷却液の流路を狭くし、また、その内包部材に螺旋形状の突起などの乱流発生手段を設けているので、上述した理由により、さらに冷却性能が向上させることができる。
したがって、本実施形態の画像形成装置では、用紙Pが排紙収容部17に積載される時点で、用紙P上のトナーを確実に硬化状態とさせることができる。特に、熱定着装置16により用紙Pに対して2度の定着動作がなされる両面画像形成出力の際に大きな問題となっていたブロッキング現象を回避することができる
以上、本実施形態によれば、中空状の管状部材であるスリーブ1からなる冷却ローラ20と、スリーブ1内に冷却媒体である冷却液を搬送する冷却媒体搬送手段であるポンプ100と、を備え、冷却ローラ20にシート状部材である用紙Pを接触させて用紙Pを冷却する冷却装置18において、スリーブ1内に内包されたコア2などの内包部材を有し、スリーブ1の内壁面と内包部材の外周面との間に冷却液が流れる流路が形成されており、冷却液に乱流を発生させる螺旋形状の突起21などの乱流発生手段を内包部材の外周面に設けた。本実施形態においては、コア2などの内包部材の外周面に設けた乱流発生手段により、前記流路を流れる冷却液の流れは乱流となる。これにより、スリーブ1の内壁面近傍にある温度の高い冷却液と前記内壁面から離れた位置にある温度の低い冷却液との入れ替えが盛んに行われる。よって、乱流発生手段を内包部材の外周面に設けない場合よりも前記内壁面近傍の冷却液の温度を低くすることができるので、その分、冷却液によってスリーブ1を効果的に冷やすことができる。したがって、スリーブ1からなる冷却ローラ20による用紙Pの冷却効率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、前記乱流発生手段が、コア2などの内包部材の外周面に設けた螺旋形状の突起21または溝23などであることで、螺旋形状の突起21または溝23などによって内包部材の外周面壁近傍の流れに乱流が発生し、その乱流効果で、スリーブ1の内壁面から前記流路を流れる冷却液への熱伝達率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、コア2などの内包部材の外周面に設けられた突起22または溝などの螺旋巻き方向をポンプ100よりスリーブ1内に搬送された冷却液の流れ方向とは逆向きの送りが発生するように設定した。これにより、前記流路において、冷却液流れ方向上流側から下流側に向かう冷却液の流れに対して内包部材に設けた突起22または溝などによる冷却液を逆向きに送ろうとする流れ(力)がぶつかることになるので、より大きな、そしてより複雑でランダムな乱流が発生する。このような大きくて複雑な乱流が発生すれば前記流路内を流れる冷却液を撹拌する攪拌力は増加し、スリーブ1の内壁面近傍を流れる冷却液と、前記内壁面から離れた箇所を流れる冷却液とがより混ぜ合わされるようになり、その結果、スリーブ1の内壁面から冷却液への熱伝達効率が格段に向上する。
また、本実施形態によれば、前記乱流発生手段が、コア2などの内包部材の外周面に設けた穴24などであることで、内包部材の外周面の全域にわたって略均等に同じ大きさの乱流を発生させることができるので、流路間隙内の冷却液温度を均一にすることができ、流体抵抗を抑えると共に、熱流束Wを上げ且つその均一性を確保することができる。
また、本実施形態によれば、前記乱流発生手段が、コア2などの内包部材の外周面に設けた凹凸面25または粗し面などであることで、乱流発生手段として内包部材の外周面に穴24などを設ける場合よりも微細に形成することができる。よって、乱流発生手段として内包部材の外周面に穴24を設ける場合よりも、内包部材の外周面の全域にわたって略均等に同じ大きさの乱流を発生させることができ、流路間隙内の冷却液温度の均一化をより図れ、流体抵抗を抑えると共に熱流束Wを上げかつ均一性を確保することができる。
また、本実施形態によれば、前記内包部材はコア部材であるコア2であり、乱流発生手段である螺旋形状の突起21を設けたコア2の外周面とスリーブ1の内壁面とで形成される間隙に冷却液が流れる流路を有する。これにより、スリーブ1とコア2とで形成される狭い間隙の流路による高流速効果と乱流発生手段による乱流効果とで、スリーブ1内にコア2を内包しない場合に比べて、スリーブ1の内壁から冷却液への熱伝達率がより向上し、冷却ローラ20による用紙Pの冷却性能を格段に向上させることができる。
また、本実施形態によれば、前記内包部材は、スリーブ1よりも細管構造の内管3であり、スリーブ1と内管3との間を冷却液が流れる外側流路、及び、内管3内を冷却液が流れる内側流路を有する二重管構造である。これにより、スリーブ1と内管3とで形成される狭い間隙の流路による高流速効果と乱流発生手段である螺旋形状の突起31による乱流効果とで、スリーブ1内に内管3を内包しない場合に比べて、スリーブ1の内壁から冷却液への熱伝達率がより向上し、冷却ローラ20による用紙Pの冷却性能を格段に向上させることができる。さらに、冷却ローラ20の片方の端部のみに複式のロータリージョイントなどの継ぎ手を設ければ良いので、冷却ローラ20の他方の端部側に空スペースが生まれ、画像形成装置などの装置の小型化に寄与し、また冷却ローラ20を冷却装置18へ組み付ける際に冷却液のチューブや配管が邪魔にならず、作業性が向上する。
また、本実施形態によれば、前記内包部材は内部に冷却液が通過可能な中空を有するシリンダ4であり、乱流発生手段である螺旋形状の突起41を設けたシリンダ4の外周面とスリーブ1の内壁面とで形成される間隙に冷却液が流れる流路を有する。これにより、スリーブ1とシリンダ4とで形成される狭い間隙の流路による高流速効果と突起41による乱流効果とで、スリーブ1内にシリンダ4を内包しない場合に比べて、スリーブ1の内壁面から冷却液への熱伝達率がより向上し、冷却ローラ20による用紙Pの冷却性能を格段に向上させることができる。また、スリーブ1の中空内部で、内管3よりも外径の大きいシリンダ4を内管3を内包するように取り付けることで、冷却ローラ20の片方の端部のみに複式のロータリージョイントなどの継ぎ手を設ければ良いので、冷却ローラ20の他方の端部側に空スペースが生まれ、画像形成装置などの装置の小型化に寄与し、また冷却ローラ20を冷却装置18へ組み付ける際に冷却液のチューブや配管が邪魔にならず、作業性が向上する。
また、本実施形態によれば、乱流発生手段は、内包部材であるコア2などとは別体の別体部材26などに形成されており、別体部材26などをコア2などの外周面に取り付けたことで、コスト低減、形成加工の手間や時間の削減、さらに乱流発生手段の形状の自由度を増し、コア2などの内包部材の軽量化ひいては冷却ローラ20の軽量化も可能となる。
また、本実施形態によれば、スリーブ1と、コア2、内管3及びシリンダ4などの内包部材とが共に回転することで、乱流の発生と共に流体抵抗の抑制が可能となる。
また、本実施形態によれば、コア2、内管3及びシリンダ4などの内包部材が、スリーブ1の回転方向と同一方向に異なる回転数で回転可能、スリーブ1の回転方向とは逆方向に回転可能、または、固定状態で設けられている。これにより、冷却液の旋回速度成分はスリーブ1の内壁面近傍と内包部材の外周面近傍とで大きく異なり、乱流発生を助長して熱伝達率がより向上する。さらに、内包部材の外周面に設けた螺旋形状の突起21,31,41などの乱流発生手段により乱流が増幅されるので、格段の乱流効果が期待できる。
また、本実施形態によれば、螺旋形状の突起41をスリーブ1が接触することで冷却する用紙Pと略同幅の領域に設けることで、シリンダ4の外周面の螺旋形状の突起41が設けられていない部分の流路では、スリーブ1内を流れる冷却液に対して突起41による流体抵抗が発生せず、その流路領域の冷却液はスムースに流れることになる。これにより、不必要な領域での流体抵抗が抑えられ、冷却液を冷却ローラ20内に送り込むポンプ100の負荷は小さく消費電力を下げられ且つ耐久性も向上する。また、シリンダ4の外周面全域にわたって螺旋形状の突起41を設ける場合よりも一ランク下の送液性能のポンプで済み、低コスト化を図ることができる。また、必要な領域にのみ乱流発生手段を設けることで、無駄を無くし(螺旋形状の突起の形成領域の削減に起因するコスト低減や、冷却の必要のない領域での乱流発生を防ぐなど)、効率良く効果的に熱伝達率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、シート状部材である用紙P上にトナー像を形成する画像ステーション54などのトナー像形成手段と、用紙P上に形成されたトナー像を少なくとも熱によって用紙Pに定着させる熱定着手段である熱定着装置16と、熱定着装置16によってトナー像が定着された用紙Pを冷却する冷却手段とを備えた画像形成装置において、前記冷却手段として、本発明の冷却ローラ20を有する冷却装置18を用いることにより、熱定着装置16による熱定着後の用紙Pの冷却効率を向上させることができる。
1 スリーブ
2 コア
3 内管
4 シリンダ
10 帯電手段
11 感光体
12 光書き込み手段
13 現像装置
14 クリーニング手段
15 一次転写ローラ
16 熱定着装置
17 排紙収容部
18 冷却装置
19 用紙収納部
20 冷却ローラ
21 突起
22 突起
23 溝
24 穴
25 凹凸面
26 別体部材
28 用紙搬送路
29 用紙搬送路
31 突起
41 突起
51 中間転写ベルト
52 ローラ
53 ローラ
54 画像ステーション
55 ローラ
56 二次転写ローラ
58 ローラ
59 クリーニング手段
60 突起
62 突起
65 凹凸面
100 ポンプ
101 タンク
103 ラジエータ
104 冷却ファン
105 配管
116 流路
118 供給口
119 排出口
120 ロータリージョイント
121 ロータリージョイント
123 軸受
140 ローラ
141 ローラ
142 搬送ベルト
143 上ガイド
144 ブラケット
221 レジストローラ対
223 給紙コロ
500 冷却液循環装置
特開2006−003819号公報

Claims (13)

  1. 中空状の管状部材からなる冷却ローラと、
    前記管状部材内に冷却媒体を搬送する冷却媒体搬送手段と、を備え、
    前記冷却ローラにシート状部材を接触させてシート状部材を冷却する冷却装置において、
    前記管状部材内に内包された内包部材を有し、前記管状部材の内壁面と前記内包部材の外周面との間に冷却媒体が流れる流路が形成されており、
    冷却媒体に乱流を発生させる乱流発生手段を前記内包部材の外周面に設けたことを特徴とする冷却装置。
  2. 請求項1の冷却装置において、
    上記乱流発生手段は、上記内包部材の外周面に設けた螺旋形状の突起または溝であることを特徴とする冷却装置。
  3. 請求項2の冷却装置において、
    上記突起または上記溝の螺旋巻き方向を上記冷却媒体搬送手段より上記管状部材内に搬送された流れ方向とは逆向きの送りが発生するように設定したことを特徴とする冷却装置。
  4. 請求項1の冷却装置において、
    上記乱流発生手段は、上記内包部材の外周面に設けた穴であることを特徴とする冷却装置。
  5. 請求項1の冷却装置において、
    上記乱流発生手段は、上記内包部材の外周面に設けた凹凸面または粗し面であることを特徴とする冷却装置。
  6. 請求項1、2、3、4または5の冷却装置において、
    上記内包部材はコア部材であり、上記乱流発生手段を設けた前記コア部材の外周面と上記管状部材の内壁面とで形成される間隙に冷却媒体が流れる流路を有することを特徴とする冷却装置。
  7. 請求項1、2、3、4または5の冷却装置において、
    上記内包部材は、上記管状部材よりも細管構造の内管であり、該管状部材と該内管との間を冷却媒体が流れる外側流路、及び、該内管内を冷却媒体が流れる内側流路を有する二重管構造であることを特徴とする冷却装置。
  8. 請求項1、2、3、4または5の冷却装置において、
    上記内包部材は内部に冷却媒体が通過可能な中空を有するシリンダであり、上記乱流発生手段を設けた前記シリンダの外周面と上記管状部材の内壁面とで形成される間隙に冷却媒体が流れる流路を有することを特徴とする冷却装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7または8の冷却装置において、
    上記乱流発生手段は、上記内包部材とは別体の別体部材に形成されており、前記別体部材を前記内包部材の外周面に取り付けたことを特徴する冷却装置。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の冷却装置において、
    上記管状部材と上記内包部材とが共に回転することを特徴とする冷却装置。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の冷却装置において、
    上記内包部材が、上記管状部材の回転方向と同一方向に異なる回転数で回転可能、該管状部材の回転方向とは逆方向に回転可能、または、固定状態で設けられていることを特徴とする冷却装置。
  12. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の冷却装置において、
    上記乱流発生手段を上記管状部材が接触することで冷却するシート状部材と略同幅の領域に設けることを特徴とする冷却装置。
  13. シート状部材上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記シート状部材上に形成されたトナー像を少なくとも熱によってシート状部材に定着させる熱定着手段と、
    前記熱定着手段によってトナー像が定着されたシート状部材を冷却する冷却手段とを備えた画像形成装置において、
    前記冷却手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の冷却装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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