[実施形態1]
本発明の第一の実施形態に係る冷却ローラ及び冷却装置を、熱定着手段によって記録用紙上のトナーを定着させる画像形成装置を用いて説明する。しかし、本発明の冷却ローラおよび冷却装置はそれに限定されることなく、シート媒体の冷却が必要な装置であれば適応可能である。
冷却手段としての冷却ローラは、管状構造であり、内部に冷却液を流し循環させることで冷却ローラ表面を冷やすようにしたものである。この冷却ローラを有する冷却装置を熱定着手段直後の用紙搬送経路中に配置し、冷却ローラによって用紙を搬送させると同時に、接触させることで用紙から熱を除去し冷却する。
図2は、用紙搬送の働きをも担う本発明の冷却ローラ22を備えた冷却装置18の一例の概略図である。冷却装置18には用紙Pの搬送方向(左右方向)に間隔をおいて配列されたローラ30とローラ31が設けられて、用紙搬送の搬送ベルト32を展張している。そして用紙搬送方向下流側のローラ30を駆動ローラ(図示しない駆動源と連結)として、搬送ベルト32を反時計回り方向に回転させ、用紙を図中右側から左側へ搬送する。
冷却装置18よりも用紙搬送方向上流側には熱定着手段16が配置されており、冷却装置18よりも用紙搬送方向下流側には排紙収容部17があり、ローラ31の上方には熱定着手段16から搬送されてきた用紙Pをガイドする上ガイド33が設けられている。また、ローラ30とローラ31との中間位置には、搬送ベルト32に食い込むように上から冷却ローラ22が圧接されており、冷却ローラ22は搬送ベルト32の搬送力を利用した連れ回りで回転するようになっている。図中の符号34は冷却装置18本体を構成するブラケットであり、ローラ30、ローラ31、冷却ローラ22、及び、上ガイド33などの構成部品を固定または回転自在に支持する部材である。冷却装置18はこのブラケット34によりユニット化され、画像形成装置本体に組み込まれる。
熱定着手段16で熱せられ高温となった用紙Pは、排紙収容部17に排出される前に冷却装置18を通過する。詳細には、熱定着手段16を通って高温となった用紙Pが、冷却装置18の上ガイド33とローラ31との間に入り込み、その後、冷却ローラ22と搬送ベルト32とで形成されるニップ領域部を通過して排紙収容部17に排出される。冷却ローラ22の内部は管構造になっており、外部で十分に冷却された冷却液が冷却ローラ22内に供給され冷却ローラ22内を循環した後に冷却液が冷却ローラ22内から排出される。用紙Pは、冷却ローラ22と搬送ベルト32とが接することで形成されるニップ領域で冷却ローラ22に密着し接触しながら通過されるので、その際に用紙Pの熱は冷却ローラ22に吸熱され用紙Pが十分に冷却される。例えば、熱定着手段16の通過直後の用紙Pの表面温度が100℃程度のときに用紙Pを冷却装置18に通過させることで、用紙Pを50〜60℃程度まで冷却することができる。
なお後述するが、冷却ローラ22は回転管継ぎ手手段を介してタンク26、ポンプ25、冷却ファン23を装着したラジエータ24などの冷却液循環手段と連通/連結され、封入した冷却液が循環することで冷却ローラ22が冷やされる。
[構成例1]
図1に本構成例に係る冷却ローラ22の概略断面図を示す。図3は冷却ローラ22の長手方向ロータリージョイント35側端部の拡大図であり、図4は冷却ローラ22の長手方向ロータリージョイント35とは反対側端部の拡大図である。冷却ローラ22は、外管22a内に内管22bを内包し、外管22aと内管22bとの隙間を冷却液が流れる外側流路、及び、内管22b内を冷却液が流れる内側流路を有する二重管構造であり、内管22bの冷却ローラ長手方向ロータリージョイント35側とは反対側端部近傍に前記外側流路と前記内側流路とを連通する開口が設けられている。
外管22aは、軸受40に嵌合する軸付のフランジ22cと、軸受41に嵌合圧入したフランジ22dで長手方向両端が構成されており、フランジ22cとフランジ22d両方に漏洩防止のOリング22eを入れ込んでネジ22fでフランジ22cとフランジ22dそれぞれを外管筒部22zに取り付けている。すなわち、外管22aは、外管筒部22z、フランジ22c、及び、フランジ22dなどから構成されている。このとき、フランジ22cとフランジ22dとも、外管筒部22zに嵌合関係で挿入して取り付け、フランジ22cと外管筒部22zとの間のガタツキ、及び、フランジ22dと外管筒部22zとの間のガタツキを抑えて、フランジ22cと外管筒部22zとの同軸度、及び、フランジ22dと外管筒部22zとの同軸度を出している。冷却ローラ22は、フランジ22cの軸と、フランジ22dの軸受41とを用いて冷却装置18のブラケット34に対して両端を回転自在に支持される。
また、フランジ22dには平行ネジ部22hと嵌合部22iとから成る結合部が形成されており、フランジ22dには、その結合部と相対するように形成された平行ネジ部35bと嵌合部35cとを有するロータ35aが取り付けられる。平行ネジ部22hと平行ネジ部35bとは外管22aの回転方向(用紙Pの搬送方向)に対して締まり勝手となるような方向にネジ加工されている。ロータ35aはロータリージョイント35の構成部品であり、回転自在となっている。ロータ35aとフランジ22dとの取り付けは、上述したような嵌合関係による挿入取り付けであり、ロータ35aとフランジ22dとの間のガタツキを抑えることでロータ35aとフランジ22dとの同軸度が出される。ロータ35aは、間隔をおいて設けた2箇の軸受35dとの嵌合関係で回転自在にロータリージョイント35のケーシング35eに支持されている。以上から、外管22aは、それぞれ嵌合関係で取り付けられたロータ35a及びフランジ22dを介して、ケーシング35eに対して軸が合わされた状態となっており、高精度な回転ができるようになっている。なお、ロータ35aにはフランジ22dからの漏洩を防ぐOリング35gを入れ込んでいる。
本構成例の冷却ローラ22は、外管22aが回転し、内管22bは固定(非回転)されている。この冷却ローラ22は、外管22aの中での冷却液の流れ(軸方向と回転方向の流れ)に対して積極的に乱流を起こさせたい場合に適しており、特に、冷却液の供給流量が少ない場合や狭間隔での流速が遅い場合に採用すると有効である。
図1に示すように、内管22bの一端はロータリージョイント35の嵌合部35jに圧入されロータリージョイント35に対して内管22bが回転しないように固定支持され、内管22bの他端は外管22aのフランジ22cに設けられた軸受22jに、内管22bに対してフランジ22cが回転可能なように支持される。
ロータリージョイント35に内管22bを取り付ける際には、ケーシング35eに取り付けられたフランジ35fの嵌合孔に内管22bを圧入して、これにより内管22bがフランジ35f如いてはロータリージョイント35に固定支持される。なお、フランジ35fは漏洩防止のOリング35iを入れ込んで、ネジ35hでケーシング35eに取り付けられる。
ケーシング35e、フランジ35f、及び、内管22bは互いに嵌合関係で挿入され取り付けられており各部材間のガタツキが抑えられるので、その結果、ケーシング35eに対して内管22bの同軸度は出された状態となっている。また、フランジ22c、軸受22j、及び、内管22bは互いに嵌合関係で挿入され取り付けられており各部材間のガタツキが抑えられるので、その結果、フランジ22cに対して内管22bの同軸度も出された状態となっている。
以上の構成により本構成例の冷却ローラ22は、冷却ローラ22の一端側では、ロータリージョイント35(ケーシング35e)を基準にして外管22aと内管22bとの同軸度が出されており、ロータリージョイント35(ケーシング35e)に対して外管22aが回転自在に支持され、ロータリージョイント35(ケーシング35e)に対して内管22bが回転しないよう固定支持される。また、冷却ローラ22の他端側では、フランジ22cを介して外管22aと内管22bとの同軸度が出されており、内管22bに対して外管22aが回転可能となるように内管22bが軸受22jを介してフランジ22cに支持されている。
内管22bのフランジ22c側の外周壁には開口孔22kが設けられており、内管22bのロータリージョイント35側の端面には断面孔22mが形成されている。外管22aと内管22bとの隙間に形成される外側流路内にある冷却液は、開口孔22kを通って内管22b内に流れ込み断面孔22mから外部に排出される。
冷却液の流路は矢印で示すように、先ずロータリージョイント35に設けられた供給口からロータリージョイント35内に供給された冷却液は、内管22bとロータ35aの狭小間隙を通り、外管22aと内管22bとで形成される広い間隙からなる外側流路を冷却ローラ長手方向フランジ22c側に向かって流れ、このとき冷却液によって外管22aが冷却される。なお、図1においては、ロータリージョイント35の供給口から前記外側流路の冷却ローラ長手方向フランジ22c側端部までの冷却液の流路を往流路とする。そして、前記外側流路の冷却ローラ長手方向フランジ22c側端部まで行った冷却液は、Uターンするように内管22bに設けられた開口孔22kを通って前記外側流路から内管22b内に流れ込み、内管22b内を往流路とは逆の冷却ローラ長手方向に冷却液が流れ、冷却液が断面孔22mから内管22bの外部に排出された後にロータリージョイント35のフランジ35fに設けられた排水口からロータリージョイント35の外部に排出される。なお、図1においては、開口孔22kから内管22b内を通ってロータリージョイント35の排水口までの冷却液の流路を復流路とする。
このように冷却ローラ22は内部に往復循環する流路を有し、ロータリージョイント35を介して後述する冷却液循環手段と閉ループの流路を形成して冷却液を循環させる。
また、冷却ローラ22は、リユースやリサイクル、不具合が発生したときの部品交換、などの対応ができるように構成部品の取り付け取り外しを可能としている。
図5は、冷却ローラ22の構成部品である外管22a、内管22b、フランジ22c、フランジ22d、及び、ロータリージョイント35を並べたものであり、冷却ローラ22の組立て前及びロータリージョイント35の取り付け前の状態でもある。なお、図中では、フランジ22cに軸受22jとOリング22eとが組み込まれており、フランジ22dに軸受41とOリング22eとが組み込まれているが、当然これらも部品単位で各フランジに対し取り付け取り外し可能である。さらに、ロータリージョイント35も冷却ローラ22に対して取り付け取り外しが可能であり、ロータリージョイント35の交換を行うことができる。
本構成例の冷却ローラ22は、組立てや分解(構成部品の取り付け取り外し)を簡単に行うことができるような構成となっており、その組立て手順について説明する。
先ず、フランジ35fの嵌合孔に内管22bの一端側を嵌合圧入して、フランジ35fで内管22bの一端側を固定支持する(図中手順矢印(1)、作業手順1)。次に、外管筒部22zの一端側にフランジ22dを嵌合挿入しネジ22fで外管筒部22zに対しフランジ22dを固定する(図中手順矢印(2)、作業手順2)。図6に、上記手順(1)、(2)の作業後の状態を示す。
作業手順2の後、フランジ35fが取り付けられた内管22bを、開口孔22k側からケーシング35eの後端部に入れ込み、ロータ35aの内部を通す。そして、フランジ35fがケーシング35eの後端部の端面に当たるまで内管22bを通したら、ネジ35hでフランジ35fを嵌合固定する(図中手順矢印(3)、作業手順3)。次に、フランジ35fを介して内管22bが取り付けられたロータリージョイント35のロータ35aに、外管筒部22zが取り付けられたフランジ22dを嵌合挿入して、互いの平行ネジ部22hと平行ネジ部35bとで固定する(図中手順矢印(4)、作業手順4)。そして最後に、ロータリージョイント35を介して取り付けた外管筒部22zと内管22bの両管端部にフランジ22cを嵌合挿入しネジ22fで固定する(図中手順矢印(5)、作業手順5)。以上で冷却ローラ22の組立てが完了し、図1に示したようになる。冷却ローラ22の分解は上述した作業手順の逆の作業をすればよいので、冷却ローラ22の各構成部品の取り付け取り外しは簡単に行うことができる。また、ロータリージョイント35も部品単位で取り付け取り外し可能である。
[構成例2]
図7に本構成例の冷却ローラの概略断面図を示す。本構成例の冷却ローラ22では、外管22aが回転し、内管22bも外管22aと共に回転する。この冷却ローラ22は、外管22aの中での冷却液の流れ(軸方向と回転方向の流れ)をスムーズにしたい場合に適しており、特に、冷却液の供給流量が多い場合や狭間隔での流速が速い場合に有効である。
本構成例の冷却ローラ22の構成と図1などで示した構成例1の冷却ローラ22の構成とで異なるのは、図7に示すように、外管筒部22zと同軸であるフランジ22cに内管22bの一端側を圧入して固定支持し、内管22bの他端はロータリージョイント35に対して内管22bが回転可能なように軸受35kを介してフランジ35fに取り付けられている点である。つまり、本構成例の冷却ローラ22は、ロータリージョイント35(ケーシング35e)に対して外管22aと共に内管22bも回転可能に支持され、他端側は外管22aに対して内管22bが回転可能となるように支持される。なお、冷却ローラ22の冷却液往復循環する流路は図1に示したものと同様である。
また、本構成例の冷却ローラ22も構成部品の取り付け取り外しや、ロータリージョイント35の取り付け取り外しが可能である。
本構成例の冷却ローラ22の組立て手順について説明する。先ず、フランジ22cの嵌合孔に内管22bの一端側を嵌合圧入して、フランジ22cで内管22bの一端側を固定支持する(作業手順1)。次に、次に、外管筒部22zの一端側にフランジ22dを嵌合挿入しネジ22fで外管筒部22zに対しフランジ22dを固定する(作業手順2)。
そして、図8に示すように、ロータリージョイント35のロータ35aに、外管筒部22zが取り付けられたフランジ22dを嵌合挿入して、互いの平行ネジ部22hと平行ネジ部35bとで固定する(作業手順3)。その後、外管筒部22zの長手方向でロータリージョイント35が取り付けられた側とは反対側から外管筒部22z内にフランジ22cが取り付けられた内管22bを断面孔22m側から入れ込む。そしてフランジ22cが外管筒部22zの端面に当たるまで内管22bを通したら、フランジ22cを外管筒部22zにネジ22fで嵌合固定する(作業手順4)。最後に、内管22bの一端側を軸受35kに入れ込みながらフランジ35fを、ロータリージョイント35のケーシング35eの後端部に嵌合挿入しネジ35hで固定する(作業手順5)。
以上で冷却ローラ22の組立てが完了し、図7で示したようになる。冷却ローラ22の分解は上述した作業手順の逆の作業をすればよいので、冷却ローラ22構成部品の取り付け取り外しは簡単に行うことができる。なお、構成例1と同様に、フランジ22cのOリングや、フランジ22dの軸受とOリングなども部品単位で取り付け取り外し可能である。また、構成例1と同様に、ロータリージョイント35も部品単位で取り付け取り外し可能である。
ここで、構成例1や構成例2の冷却ローラ22は、図1や図7に示すように、外管22aに比べて内管22bはかなり小径で、外管22aと内管22bとで形成される間隙、つまり中空部が非常に広くなっている管構造である。このような構成にすることで、できるだけ多量の冷却液を外管22aと内管22bとで形成される隙間に入れて冷却ローラ22の表面温度上昇を抑え易くする、言い換えれば、冷却ローラ22の表面を冷やし易くすることが可能となる。
上記構成例での循環経路で冷却液を流し外管22aを回転させた状態を条件として、外管22aの表面に熱を付与したときの冷却ローラ22内の熱流体シミュレーション(流速と温度のシミュレーション)を行った。
そのシミュレーションの解析結果は、先ず流速に関しては、冷却ローラ22内での冷却液の流速を半径方向でみると、冷却ローラ22の中央の内管22bの外周周囲付近の流速は速く、外管22aの内壁方向に向かうにつれて徐々に遅くなり、外管22aの内壁周囲付近は極めて遅い流速領域となっている。
温度に関しては、その冷却液の流れ方に温度分布も同調しており、内管22bの外周付近は流速が速く、冷えた冷却液が次々に流れてくるので温度の低い状態が保たれているが、外管22aの内壁に近づくにつれて流速が遅くなり、冷えた冷却液が流れて来にくくなって徐々に温度が上がって行き、外管22aの内壁付近では冷却液が停留してしまって、冷えた冷却液が流れて来なくなり温度の高い状態となってしまっている。
つまり、外管22aの内壁周囲付近の極めて遅い流速により、外管22a表面の熱が効率よく冷却液に伝わっていない、という結果であった。
外管22aの素材はアルミやステンレス鋼など熱伝導率の良いものを用いるので、外管22a表面の熱が冷却液にうまく伝わらないのは、外管22a内壁と冷却液との熱交換がうまくいっていない、つまり外管22a内壁と冷却液との間の熱抵抗が大きく熱伝達率が低いことが原因である、と言える。それは極めて遅い流速に起因しており、その遅い流速をつくり出しているのは外管22aと内管22bとで形成される非常に広い間隙構造である。
そこで本出願人は、外管22aの内壁付近の流速を速くしてやる、または、流れの場を大きく乱すような工夫をしてやれば、熱交換がうまくいき外管22aの冷却効率を上げることができると考え、冷却ローラ22の内部構造を変更した。ただし、冷却ローラ22としての回転精度や耐久性などが低下し、漏洩を引き起こしたのでは何の意味もないので、図1、図7で述べた冷却ローラ22の構成/構造(両端支持と軸合わせ)の考え方を踏襲して内部構造を変更した。
[構成例3]
図9に本構成例の冷却ローラ22の概略断面図を示す。図10は冷却ローラ22の長手方向ロータリージョイント35側端部の拡大図であり、図11は冷却ローラ22の長手方向ロータリージョイント35とは反対側端部の拡大図である。図9は、構成例1で示した図1と同様に、外管22aが回転し、内管22bは固定(非回転)されている冷却ローラ22である。ただし、図1とは異なり本構成例では、内管22bを大径部であるシリンダ管22pと、小径部であるパイプ22q、22rとから成る部品とで構成している。
シリンダ管22pの両端にパイプ22qとパイプ22rそれぞれを嵌合関係で軸合わせをしながら圧入固定して内管22bを形成する。上述したように外管22a内壁付近の極めて遅い流速が冷却性能を低下させていることから、本構成例ではシリンダ管22pの外径を外管22aの内径よりも僅かに小さな径とし、外管22aと内管22bとで形成される間隙(つまり中空部)を非常に狭い狭ギャップとなるようにしている。これにより、その狭ギャップを流路として冷却液を流すことで流体力学で周知のように流速は速くなり、熱伝達率も良くなって外管22aの冷却性能を向上させることができる。
上記狭ギャップ構成の冷却ローラ22の熱流体シミュレーションを実施した結果、外管22aの内壁面の熱伝達率を高くすることができ、且つ、間隙を狭くすることで流体抵抗が高くなってしまうこともない、という結果が得られた。また、図1に示した広い間隙構成において流路に流す冷却液の流量を数倍にしたときと同じ程度の冷却性能が期待できることも分かった。
シリンダ管22pとパイプ22q、22rが一体の内管22bは回転しないので、構成例1の冷却ローラ22と同様に、一端側のパイプ22rをフランジ22cの軸受22jを介して外管22aに対して回転可能に支持し、もう一端側のパイプ22qをロータリージョイント35にフランジ35fを介して固定支持する。ここで、パイプ22qをフランジ35fに圧入固定すると、内管22bをロータリージョイント35に組付けることができないので、このような内管構成の場合は、パイプ22qとフランジ35fとを取り付け取り外しができるようにして、フランジ35fを取り外した状態でパイプ22qを先頭に内管22bをケーシング35eに入れ込み、そしてパイプ22qにフランジ35fを取り付けるようにする。本構成例では、パイプ22qとフランジ35fとの両方にネジ加工を施してネジ部22vを形成し取り付け取り外しができるようにしている。本構成例の冷却ローラ22やロータリージョイント35も、構成例1の冷却ローラ22やロータリージョイント35と同様に全ての構成部品の取り付け取り外しが可能となっている。
さらに、シリンダ管22pに圧入固定しているパイプ22qとパイプ22rとをシリンダ管22pに対して取り付け取り外しができるようにし、内管22bの構成部品の分解をすることができれば、より有益(ユースやリサイクル、不具合が発生したときの部品交換)となる。例えば、図9のシリンダ管22pとパイプ22q、及び、シリンダ管22pとパイプ22r、の各圧入部分である箇所にネジ加工を施してあげればよい。ただし、シリンダ管22pに対するパイプ22q、22rの取り付け取り外しや、フランジ35fに対するパイプ22qの取り付け取り外しなど、ネジ締結方法によって各構成部品間で取り付け取り外しを行う場合は、ネジ締結だけでは軸ずれを起こしてしまうので、必ず軸合わせのための嵌合部を合わせ待たせる。
本構成例の冷却ローラ22の組立て手順を図12を用いて説明する。先ず、ロータリージョイント35のロータ35aとケーシング35eにそれぞれフランジ22dとフランジ35fとを嵌合挿入し固定した後、ロータリージョイント35に内管22bを入れ込み、ネジ部22vを用いてフランジ35fにパイプ22qを嵌合固定し支持する(作業手順1)。次に、内管22bに被せるように外管22aの一端をフランジ22dに嵌合挿入して固定する(作業手順2)。最後に、内管22bのパイプ22rを軸受22jに入れ込みながらフランジ22cを外管22aの他端に嵌合挿入し固定する(作業手順3)。
以上で冷却ローラ22の組立てが完了し、図9に示したようになる。冷却ローラ22の分解は上述した作業手順の逆の作業をすればよいので、冷却ローラ22構成部品の取り付け取り外しは簡単に行うことができる。なお、構成例1と同様に、フランジ22cのOリングや、フランジ22dの軸受とOリングなども部品単位で取り付け取り外し可能である。また、構成例1と同様に、ロータリージョイント35も部品単位で取り付け取り外し可能である。
なお、本構成例では内管22bを固定(非回転)させるタイプの冷却ローラ22を用いて説明したが、図7に示した構成例2の冷却ローラ22と同様に外管22aと内管22bとを回転させるタイプでも適応可能である。
[構成例4]
構成例3では、内管22bを大径部であるシリンダ管22pと小径部であるパイプ22q、22rとから成る3つの部品で構成していたが、本構成例においては、図13に示すように小径部のパイプを長尺のパイプ22tだけとして内管22bをシリンダ管22pとパイプ22tとの2つの部品から成る構成とした。これにより、組立てや分解の作業性が向上し、部品管理もし易くなるが、小径部に用いるパイプを長尺のパイプ22tにしたことによる最大のメリットは、シリンダ管22pとパイプ22tとの同軸度を簡単に出すことができ、そして、シリンダ管22pとパイプ22tとを組付けて内管22bを構成したときにおける外管22aやロータリージョイント35との高い軸合わせ精度が得られることである。
本構成例の冷却ローラ22の組立て手順を簡単に説明すると、フランジ35fに嵌合圧入で固定したパイプ22tを、ロータリージョイント35に取り付け、その後、パイプ22tに嵌合関係で軸合わせをしながらシリンダ管22pを挿入し固定ネジ部22uを用いてパイプ22tに固定する。そして、外管筒部22zとフランジ22cとを嵌合関係で取り付けて固定する。
[実施形態2]
本発明の第二の実施形態について説明する。
本発明の冷却ローラおよび冷却装置を、熱定着手段によって記録用紙上のトナーを定着させる画像形成装置を用いて説明する。しかし、本発明の冷却ローラおよび冷却装置はそれに限定されることなく、シート媒体の冷却が必要な装置であれば適応可能である。実施例では、冷却媒体として液体を用いて説明するが、流体の媒体であれば気体でも構わない。
また、本実施形態の冷却手段としての冷却ローラは二重管状構造であり、内部に冷却液を流し往復循環させることで冷却ローラ表面を冷やす。冷却ローラを有する冷却装置よりも用紙搬送方向上流側には熱定着手段が配置されており、冷却装置よりも用紙搬送方向下流側には排紙収容部があり、用紙搬送経路中の熱定着手段と排紙収容部との間で熱定着手段の直後に冷却装置を配置している。冷却ローラは用紙から熱を除去する際に用紙と直接接触する必要があるので、用紙の熱を除去する機能だけでなく、用紙を精度良く搬送させる搬送ローラとしての機能も併せ持っている。
本実施形態では、その内管22bに大径のシリンダ22sを取り付けた構成として、外管22a内壁周囲付近を流れる冷却液の流路を狭くし、そのシリンダ22s(内管22bも含めて)の回転または非回転の動作と、狭間隔を流れる冷却液の流速との組合せで冷却性能の高い冷却ローラ22とした。さらには、その狭間隔内の冷却液の流れを乱し、流れに変化を持たせる撹拌部材手段を設け、より高い冷却効率の冷却ローラ22とした。
図15は、用紙搬送の働きをも担う本発明の冷却ローラ22を備えた冷却装置18の一例の概略図である。冷却装置18には用紙Pの搬送方向(左右方向)に間隔をおいて配列されたローラ30とローラ31が設けられて、用紙搬送の搬送ベルト32を展張している。そして、用紙搬送方向下流側のローラ30を駆動ローラ(図示しない駆動源と連結)として、搬送ベルト32を反時計回り方向に回転させ、用紙を図中右側から左側へ搬送する。
冷却装置18よりも用紙搬送方向上流側には熱定着手段16が配置されており、冷却装置18よりも用紙搬送方向下流側には排紙収容部17があり、ローラ31の上方には熱定着手段16から搬送されてきた用紙Pをガイドする上ガイド33が設けられている。また、ローラ30とローラ31との中間位置には、搬送ベルト32に食い込むように上から二重管構造の冷却ローラ22が圧接されており、冷却ローラ22は搬送ベルト32の搬送力を利用した連れ回りで回転するようになっている。図中の符号34は冷却装置18本体を構成するブラケットであり、ローラ30、ローラ31、冷却ローラ22、及び、上ガイド33などの構成部品を固定または回転自在に支持する部材である。冷却装置18はこのブラケット34によりユニット化され、画像形成装置本体に組み込まれる。
熱定着手段16で熱せられ高温となった用紙Pは、排紙収容部17に排出される前に冷却装置18を通過する。詳細には、熱定着手段16を通って高温となった用紙Pが、冷却装置18の上ガイド33とローラ31との間に入り込み、その後、冷却ローラ22と搬送ベルト32とで形成されるニップ領域部を通過して排紙収容部17に排出される。冷却ローラ22の内部は管構造になっており、外部で十分に冷却された冷却液が冷却ローラ22内に供給され冷却ローラ22内を循環した後に冷却液が冷却ローラ22内から排出される。用紙Pは、冷却ローラ22と搬送ベルト32とが接することで形成されるニップ領域で冷却ローラ22に密着し接触しながら通過されるので、その際に用紙Pの熱は冷却ローラ22に吸熱され用紙Pが十分に冷却される。
本出願人は実際に単管構造と二重管構造の冷却ローラを試作し、冷却効果評価実験を行って両者を比較した。熱定着手段16の通過直後の用紙Pの表面温度を100℃位にして冷却装置18を通過させたところ、用紙Pの表面温度が実測値で単管構造の冷却ローラを用いた場合は60℃であったのに対し、二重管口像の冷却ローラを用いた場合では54℃から55℃程度にまで温度が下がった。このように、冷却ローラを単管構造から二重管構造とすることで、さらに冷却性能を向上させることができるのを確認した。
なお後述するが、冷却ローラ22は回転管継ぎ手手段を介してタンク26、ポンプ25、冷却ファン23を装着したラジエータ24などの冷却液循環手段と連通/連結され、封入した冷却液が循環することで冷却ローラ22が冷やされる。
[構成例5]
図16に本構成例の冷却ローラ22の概略構成図を示す。図17は冷却ローラ22の長手方向ロータリージョイント35側端部の拡大図であり、図18は冷却ローラ22の長手方向ロータリージョイント35とは反対側端部の拡大図である。
冷却ローラ22は、外管22a内に内管22bを内包し、外管22aと内管22bとの隙間を冷却液が流れる外側流路、及び、内管22b内を冷却液が流れる内側流路を有する二重管構造であり、内管22bの冷却ローラ長手方向ロータリージョイント35側とは反対側端部近傍に前記外側流路と前記内側流路とを連通する開口が設けられている。
冷却ローラ22は、主に外管22a、内管22b及びシリンダ22sから成る中空の管構造である。本実施形態では、シリンダ22sは内管22bに取り付けられ支持されており、シリンダ22sを大径とすることで外管22aとシリンダ22sとの間に狭間隔の流路を形成し、そこを流れる冷却液の流速を速くしている。
外管22aは、軸付のフランジ22cと、軸受41を嵌合圧入したフランジ22dで長手方向両端が構成されており、フランジ22cとフランジ22d両方に漏洩防止のOリング22eを入れ込んでネジ22fでフランジ22cとフランジ22dそれぞれを外管筒部22zに取り付けている。このとき、フランジ22cとフランジ22dとも、外管筒部22zに嵌合関係で挿入して取り付け、フランジ22cと外管筒部22zとの間のガタツキ、及び、フランジ22dと外管筒部22zとの間のガタツキを抑えて、フランジ22cと外管筒部22zとの同軸度、及び、フランジ22dと外管筒部22zとの同軸度を出している。冷却ローラ22は、フランジ22cの軸と、フランジ22dの軸受41とを用いて冷却装置18のブラケット34に対して両端を回転自在に支持される。
また、フランジ22dの内側には平行ネジ部22hと嵌合部22iとから成る結合部が形成されており、フランジ22dには、その結合部と相対するように形成された平行ネジ部35bと嵌合部35cとを有するロータ35aが取り付けられる。平行ネジ部22hと平行ネジ部35bとは外管22aの回転方向(用紙Pの搬送方向)に対して締まり勝手となるような方向にネジ加工されている。ロータ35aはロータリージョイント35の構成部品であり、回転自在となっている。ロータ35aとフランジ22dとの取り付けは、上述したような嵌合関係による挿入取り付けであり、ロータ35aとフランジ22dとの間のガタツキを抑えることでロータ35aとフランジ22dとの同軸度が出される。ロータ35aは、間隔をおいて設けた2箇の軸受35dとの嵌合関係で回転自在にロータリージョイント35のケーシング35eに支持されている。以上から、外管22aは、それぞれ嵌合関係で取り付けられたロータ35a及びフランジ22dを介して、ケーシング35eに対して軸が合された状態となっており、高精度な回転ができるようになっている。なお、ロータ35aにはフランジ22dからの漏洩を防ぐOリング35gを入れ込んでいる。
次に、内管22bやシリンダ22sの構成を説明する。シリンダ22sは、その両端に形成した嵌合部22g(図17、図18を参照)で長尺の内管22bが軸合わせをしながら挿入され、固定ネジ部22uで図示しないネジにより固定されて内管22bに支持される。
内管22bは長尺とせず実施形態1で示したように分割して両端部のみ2ヶ所に短尺管を用いることもできる。しかし、長尺の内管22bにして単品化すれば、内管22b自身の真直度及び円筒度や、内管22bとシリンダ22sとの軸合わせを高精度にすることができ、内管22bにシリンダ22sを取り付けて一体としたときにおける外管22aやロータリージョイント35との軸合わせ精度を高いものとすることができる。
また、本実施形態ではシリンダ22sの外径を外管22aの内径よりも僅かに小さな径とし、外管22aとシリンダ22sとで形成される間隙、つまり中空部を非常に狭い間隙とした。そして、その狭間隙を流路として冷却液を流せば、流体力学から周知のように流速は速くなり、冷却液の流速が速くなることで熱伝達率も良くなり外管22aの冷却性能が向上する。
なお、確認のため図16に示した冷却ローラ22の構成で熱流体シミュレーションも試みたが、外管22aの内壁面の熱伝達率を高くすることができるという結果が得られた。冷却性能は上がっても狭間隙化することによる流体抵抗の上昇を当初、危惧していたが、それに関しても、ほとんど変わらないことも分かり、流路を狭間隙にしたからといって冷却液の流量を上げる必要がないことを確認した。
また、実施形態1で示したようなシリンダ22sのない広い間隙構成の冷却ローラ22に数倍の流量を流したときと同じ程度の冷却性能が期待できることも分かった。つまり、本実施形態の冷却ローラ22のような構成であれば、少ない供給流量、即ち、小さいエネルギーでも冷却効率を上げることができ、高い冷却性能を得ることが可能となる。
なお、狭間隔の数値は、冷却ローラ22の構成条件や流量などによって大きく左右され、一概に特定することはできなが、例えば出願人が行ったシミュレーションや試作評価結果から言えば、一般の画像形成装置に搭載可能な大きさの冷却ローラ22(例えば外管22aの外径をφ100mm程度以下、流量を1リットル以下/分)であれば、その間隔は3mm程度以下を推奨し、最も冷却効率が高かった間隔は1mm前後であった。それ以上狭く(例えば0.5mm)しても効果アップはみられなかった。
続いて、更に冷却効率を上げる方法として、狭間隔内の冷却液の流れ方に変化を持たせる構成を説明する。冷却液の流れ方に変化を持たせるため本願では、冷却液の流速が速いか遅いかで、内管22bおよびシリンダ22sを回転または非回転とした。上記した冷却ローラ22の構成までは共通だが、内管22bおよびシリンダ22sを回転、非回転とするには、その支持方法でタイプの違う冷却ローラとなる。タイプとしては下記のような四種類が挙げられる。
[構成例6]
本構成例の冷却ローラ22は、外管22aが回転し、内管22bとシリンダ22sとが固定(非回転)されている。この冷却ローラ22は、外管22aとシリンダ22sとで形成させる狭間隔流路内を流れる冷却液の流れ(軸方向と回転方向の流れ)に対して積極的に乱流を起こさせたい場合に適しており、特に、冷却液の供給流量が少ない場合や狭間隔での流速が遅い場合に採用すると有効である。
外管22aが回転し、シリンダ22sを非回転とすると、非回転のシリンダ22sの外周周辺が発生源となって流れが変化し、狭間隔でのスムーズな流れに乱れが生じる。これにより、冷却液がいろいろな挙動をみせながら流れるので、流速が遅いことによる冷却効率低下をカバーすることができる。よって、本構成例の冷却ローラ22であれば、冷却液の流速が遅くても冷却液と外管22aとの間で良好な熱交換ができ、冷却効率を上げることができる。このことから、冷却液の流速を遅くしたい場合や供給流量を少なくしたい場合などに有効な構成であると言える。
実際に、同じ狭間隔、同じ流量(同じ流速)の条件で、外管22aと共にシリンダ22sを回転または非回転させた場合のシミュレーションを行って比較してみたところ、シリンダ22sを非回転とした方が予測通り冷却効果は良かった。ただし、その効果の差は流量(流速)によって異なり、流量が少ない(流速が遅い)ほど差は大きく、流量が多い(流速が速い)ほど差は小さかった。外管22aと共にシリンダ22sを回転させた場合は、乱流が発生せず流速の速さのみで冷却性能が決まってしまうので、流速が速ければ冷却性能は上がり、流速が遅ければ当然、冷却性能は低いものとなる。また、シリンダ22sを非回転とした場合は、シリンダ22sの外周周辺で乱流が発生し、流速が遅ければ上述したように冷却性能は上がることになるが、流速が速ければ乱流の影響(乱流による冷却効果)よりも高流速による冷却効果の方が上回るので、シリンダ22sを回転させた時と同等の冷却性能となり、シリンダ22sの回転させた場合と非回転の場合とで冷却効果の差はなくなる。
なお、外管22aが回転しシリンダ22sを非回転とした場合、そのときに内管22bが回転していても回転していなくても、狭間隔流路内の冷却液の流れに影響はなく、冷却性能には無関係である。しかし、シリンダ22sは内管22bに両端支持で取り付けられるからこそ、ロータリージョイント35や外管22aとの高い軸合わせ精度や振動などを抑制することができる。したがって、内管22bにシリンダ22sを固定し一体とすれば(当然、シリンダ22sが非回転であれば、内管22bも非回転)、冷却ローラ22の回転精度を向上させることができ、また、狭間隔流路の高い間隔精度や乱流によるシリンダ22sの振れを防ぐことができる。
本構成例では、図16、図17、図18に示すように、内管22bとシリンダ22sとを非回転とするため、シリンダ22sを取り付けた内管22bの一端側を回転しないようにロータリージョイント35で固定支持し、他端を外管22aのフランジ22cに内管22bに対してフランジ22c如いては外管22aが回転可能に支持している。
シリンダ22sの内管22bへの取り付けは上述したように、シリンダ22sの両端に形成した嵌合部22gで内管22bに軸合わせをしながら挿入し、固定ネジ部22uで図示しないネジにより内管22bに固定されて支持される。内管22bのロータリージョイント35への取り付けは、ケーシング35eに取り付けられるフランジ35fに圧入することで固定支持される。
ケーシング35e、フランジ35f、内管22bは互いに嵌合関係で挿入され取り付けられるので、ケーシング35eに対して内管22b及びシリンダ22sの同軸度は出された状態となる。なお、フランジ35fは漏洩防止のOリング35iを入れ込んで、ネジ35hでケーシング35eに取り付けられる。また、フランジ22cには、軸受22jを介して取り付けられ、回転可能に支持される。フランジ22c、軸受22j、内管22bは互いに嵌合関係で挿入され取り付けられるので、フランジ22cに対して内管22bおよびシリンダ22sの同軸度も出された状態となる。
しかし、本構成例の冷却ローラ22の場合、フランジ35fに圧入固定した内管22bに、シリンダ22sを取り付けてしまってからでは、ロータリージョイント35への組付けや、外管筒部22zの取り付けを行うことができない。このような場合は、組付け手順や組付け方法を工夫し、例えば内管22bへのシリンダ22sの取り付けを、内管22bをロータリージョイント35に組付けた後にする、などで対処できる。シリンダ22sと内管22bとを初めから一体とせず(例えば一体成形や接着固定など)、別体構成とした理由の一つは上述したような組付けのし易さや柔軟な組付け手順の対応が可能だからである。
以上の構成により、冷却ローラ22の一端側では、ロータリージョイント35(ケーシング35e)を基準にして外管22aと内管22b及びシリンダ22sとの同軸度が出され、そしてロータリージョイント35(ケーシング35e)に対して外管22aは回転可能に支持され、シリンダ22sを取り付けた内管22bは回転しないよう固定支持されるようになっている。冷却ローラ22の他端側では、フランジ22cを介して外管22aと内管22b及びシリンダ22sとの同軸度が出され、そして外管22aに対してシリンダ22sを取り付けた内管22bが回転可能となるように支持されている。
内管22bの両端は、冷却液の出入り口である開口孔22kと断面孔22mとが設けられていて、狭間隙内の冷却液が開口孔22kを通って内管22b内に流れ込み、そして断面孔22mから外部に排出される。
冷却液の流路は矢印で示すように、先ずロータリージョイント35に設けられた供給口からロータリージョイント35内に供給された冷却液は、内管22bとロータ35aの狭小間隙を通り、外管22aとシリンダ22sとで形成される狭間隙からなる外側流路を冷却ローラ長手方向フランジ22c側に向かって流れ、このとき冷却液によって外管22aが冷却され、熱交換した冷却液の温度が上がる。なお、図16においては、ロータリージョイント35の供給口から前記外側流路の冷却ローラ長手方向フランジ22c側端部までの冷却液の流路を往流路とする。そして、前記外側流路の冷却ローラ長手方向フランジ22c側端部まで行った冷却液は、Uターンするように内管22bに設けられた開口孔22kを通って前記外側流路から内管22b内に流れ込み、内管22b内を往流路とは逆の冷却ローラ長手方向に冷却液が流れ、冷却液が断面孔22mから内管22bの外部に排出された後にロータリージョイント35のフランジ35fに設けられた排水口からロータリージョイント35の外部に排出される。なお、図16においては、開口孔22kから内管22b内を通ってロータリージョイント35の排水口までの冷却液の流路を復流路とする。
このように冷却ローラ22は内部に往復循環する流路を有し、ロータリージョイント35を介して冷却液循環手段と閉ループの流路を形成して冷却液を循環させる。
また、冷却ローラ22は、リユースやリサイクル、不具合が発生したときの部品交換、などの対応ができるように構成部品の取り付け取り外しを可能としている。
図19は、冷却ローラ22の構成部品である外管22a(外管筒部22z、フランジ22c及びフランジ22d)、内管22b、シリンダ22s、及び、ロータリージョイント35を並べたものであり、冷却ローラ22の組立て前及びロータリージョイント35の取り付け前の状態でもある。なお、図中では、フランジ22cに軸受22jとOリング22eとが組み込まれており、フランジ22dに軸受41とOリング22eとが組み込まれているが、当然これらも部品単位で各フランジに対し取り付け取り外し可能である。さらに、ロータリージョイント35も冷却ローラ22に対して取り付け取り外しが可能であり、ロータリージョイント35の交換を行うことができる。
本構成例の冷却ローラ22は、組立てや分解(構成部品の取り付け取り外し)を簡単に行うことができるような構成となっており、その組立て手順について説明する。
先ず、ロータリージョイント35のロータ35aにフランジ22dを嵌合挿入し互いの平行ネジ部22h、35bで固定する(作業手順1)。次に、ロータリージョイント35のケーシング35eから外したフランジ35fに、内管22bの一端側を嵌合圧入して固定支持する(作業手順2)。なお、作業手順1と作業手順2とは順不同であり、先に上記作業手順2を行った後で上記作業手順1を行っても良い。そして、フランジ35fが取り付けられた内管22bを、開口孔22k側からケーシング35eの後端部に入れ込み、ロータ35aの内部を通す。フランジ35fがケーシング35eの後端部に当たるまで内管22bを通したら、ネジ35hでフランジ35fをケーシング35eに嵌合固定する(作業手順3)。これで内管22bはケーシング35eに固定支持されて非回転状態となる。その後、シリンダ22sを開口孔22k側から内管22bに嵌合関係で軸合わせをしながら挿入し、両端を支持された状態で固定ネジ部22uを用いて図示しないネジによって内管22bに固定する(作業手順4)。そして内管22bとシリンダ22sとを覆うように外管筒部22zを一端側から被せ込み、その外管筒部22zの一端をロータ35aに固定したフランジ22dに嵌合挿入しネジ22fで固定する(作業手順5)。最後に、ロータリージョイント35に一端側が取り付けられた内管22bと外管筒部22zとのそれぞれ反対側の自由端に、フランジ22cを嵌合挿入しネジ22fで固定する(作業手順6)。これで内管22bに対してフランジ22c如いては外管22aが回転可能になる。
以上で冷却ローラ22の組立て及びロータリージョイント35の取り付けが完了し、図16で示したようになる。冷却ローラ22などの分解は上述した作業手順の逆の作業をすればよいので、冷却ローラ22構成部品やロータリージョイント35の取り付け取り外しは簡単に行うことができる。
[構成例7]
図20に本構成例に係る冷却ローラ22の概略断面図を示す。図21は冷却ローラ22の長手方向ロータリージョイント35側端部の拡大図であり、図22は冷却ローラ22の長手方向ロータリージョイント35とは反対側端部の拡大図である。
本構成例の冷却ローラ22では、外管22aが回転し、内管22b及びシリンダ22sも外管22aと共に同方向に回転する。この冷却ローラ22は、外管22aの中での冷却液の流れ(軸方向と回転方向の流れ)をスムーズにしたい場合に適しており、特に、冷却液の供給流量が多い場合や狭間隔での流速が速い場合に有効である。
外管22aの回転と同期してシリンダ22sも同方向に回転とすると、狭間隔流路も回転するので狭間隔内の冷却液は抵抗なく非常にスムーズに軸方向と回転方向に通流する。その上で、流量を多く(流速を速く)すると冷却効率をより高めることができる。このように、シリンダ22sを回転させれば、流量が少ない(流速が遅い)ときと比べれば、流量が多い(流速が速い)方が冷却効率を上げることはできる。ここで、構成例6でも記したが、流速が速くなればなるほど高流速による効果の方が勝るためシリンダ22sの回転と非回転とでの冷却効果の差はなくなっていくが、その差がなくなるほどの高流速は大きなエネルギーを必要とするので、実際には現実的でない。そのため、消費エネルギーを考慮しながらもできる限りの速い流速(流速は流路の間隔と、そこを流れる流量で決まる)で冷却液の通流が可能ならば、本構成例の冷却ローラ22を用いるのが好ましい。
なお、外管22aと共にシリンダ22sを回転させた場合、そのときに内管22bが回転していても回転していなくても、狭間隔流路内の冷却液の流れに影響はなく、冷却性能には無関係である。しかしながら、シリンダ22sは内管22bに両端支持で取り付けられるからこそ、ロータリージョイント35や外管22aとの高い軸合わせ精度や振動などを抑制することができる。したがって、内管22bにシリンダ22sを固定し一体とすれば(当然、シリンダ22sが回転するのであれば、内管22bも回転する)、冷却ローラ22の回転精度を向上させることができ、また、狭間隔流路の高い間隔精度や冷却液の流れによるシリンダ22sの振れを防ぐことができる。
本構成例の冷却ローラ22の構成と図16などで示した構成例6の冷却ローラ22の構成とで異なるのは、図20に示すように、外管筒部22zと同軸であるフランジ22cに内管22bの一端側を圧入して固定支持し、内管22bの他端はロータリージョイント35に対して内管22bが回転可能なように軸受35kを介してフランジ35fに取り付けられている点である。つまり、本構成例の冷却ローラ22は、ロータリージョイント35(ケーシング35e)に対して外管22aと共に内管22bも回転可能に支持され、他端側は外管22aと同期回転するように外管22aに内管22bが固定支持される。なお、冷却ローラ22の冷却液往復循環する流路は図16に示したものと同様である。
また、本構成例の冷却ローラ22も構成部品の取り付け取り外しや、ロータリージョイント35の取り付け取り外しが可能である。
本構成例の冷却ローラ22の組立て手順を図23を用いて説明する。先ず、フランジ22cに、内管22bの一端側(開口孔22k側)を嵌合圧入して固定支持する(作業手順1)。そして、フランジ22cが取り付けられた内管22bに、シリンダ22sを固定ネジ部22u側から嵌合関係で軸合わせをしながら挿入し、両端を支持された状態で固定ネジ部22uで図示しないネジにより内管22bに固定する(作業手順2)。次に、外管筒部22zの一端側にフランジ22dを嵌合挿入し固定する(作業手順3)。そして、ロータリージョイント35のロータ35aに、外管筒部22zを取り付けたフランジ22dを嵌合挿入して固定する(作業手順4)。なお、作業手順1、作業手順2、作業手順3及び作業手順4の行う順序は順不同である。その後、ロータリージョイント35に取り付けられた外管筒部22zの中に入れ込むように、フランジ22cとシリンダ22sとが取り付けられた内管22bを外管筒部22zに挿入する。このとき外管筒部22zの内壁とシリンダ22sの外壁とが接触して傷付けないように注意を要する。そしてフランジ22cが外管筒部22zの端面に当たるまで内管22bを入れ込み、フランジ22cを外管筒部22zに嵌合固定する(作業手順5)。最後に、内管22bの一端側をフランジ35fの軸受35kに入れ込みながら、ロータリージョイント35のケーシング35eの後端部にフランジ35fを嵌合挿入し固定する(作業手順6)。以上で、ロータリージョイント35に対して内管22bとシリンダ22s及び外管22aとは回転可能となる。
これで冷却ローラ22の組立てが完了し、図20で示したようになる。冷却ローラ22などの分解は上述した作業手順の逆の作業をすればよいので、冷却ローラ22構成部品の取り付け取り外しは簡単に行うことができる。なお、構成例6と同様に、フランジ22cのOリングや、フランジ22dの軸受とOリングなども部品単位で取り付け取り外し可能である。また、構成例6と同様に、ロータリージョイント35も部品単位で取り付け取り外し可能である。
[構成例8]
図24に本構成例に係る冷却ローラ22の概略断面図を示す。図25は冷却ローラ22の長手方向ロータリージョイント35側端部の拡大図であり、図26は冷却ローラ22の長手方向ロータリージョイント35とは反対側端部の拡大図である。
本構成例の冷却ローラ22では、外管22aが回転し、シリンダ22sが外管22aと共に同方向に回転し、内管22bが非回転である。本構成例の冷却ローラ22は、構成例7の冷却ローラ22と同様に、外管22aの回転と同期してシリンダ22sも回転させて、外管22aとシリンダ22sとで形成する狭間隔流路内を流れる冷却液の流れ(軸方向と回転方向の流れ)をスムーズにしたい場合に適しており、特に、冷却液の供給流量が多く狭間隔での流速が速い場合に有効である。
本構成例の冷却ローラ22は、外管22aの回転に同期してシリンダ22sも回転するので、冷却のメカニズム、特徴及び性能は、本構成例の冷却ローラ22と同じように外管22aの回転に同期してシリンダ22sも回転する構成例7の冷却ローラ22と同様であるため、その説明は省略する。構成例7の冷却ローラ22と異なる点は、構成例7の冷却ローラ22では内管22bも外管22aの回転に同期させて回転させるのに対し、本構成例の冷却ローラ22では内管22bを非回転としている点である。
外管22aとシリンダ22sを回転させた場合、そのときに内管22bが回転していても回転していなくても、狭間隔流路内の冷却液の流れに影響はなく、冷却性能には無関係である。しかしながら構成例7の冷却ローラ22のように外管22a及びシリンダ22sと共に内管22bも回転させる場合、内管22bの一端側を軸受35kを用いてロータリージョイント35に対し回転可能に支持させる必要があり、ガタなく円滑に回転させるためには、軸受35kと内管22bとの嵌め合精度を高精度にする必要がある。
構成例7の冷却ローラ22では、図20などに示すように軸受35kにスベリ軸受を用いているが、液中使用の条件から軸受35kは樹脂系やセラミック系の軸受(スベリ軸受、転がり軸受)が用いられることが一般的である。しかしながら、それらの軸受は寸法精度や経時劣化(磨耗)などに多少問題があることから、内管22bとの高い嵌め合精度を確保し難く、内管22bの回転振動の発生原因となる。スベリ軸受部での内管22bの回転振動は、ロータリージョイント35側に大きな影響を与え、ロータリージョイント35全体を振るえさせて破損や漏洩の要因となる。
そこで、その危惧を回避するために本構成例の冷却ローラ22では、内管22bの回転振動が発生しないように内管22bを非回転とし、構成例7の冷却ローラ22と同程度の冷却性能は有しながらも、ロータリージョイント35の振るえが抑えられるようにしている。
本構成例の冷却ローラ22の構成と図20などで示した構成例7の冷却ローラ22の構成とで異なるのは、図24に示すように、先ず内管22bに関しては、内管22bの一端側を外管筒部22zと同軸上にあるフランジ22cに軸受22jを介して回転自在に支持させ、内管22bの他端側を内管22bが非回転となるように、ロータリージョイント35のフランジ35fに嵌合圧入して固定支持させている。これにより本構成例の冷却ローラ22では、ロータリージョイント35(ケーシング35e)に対して内管22bが非回転となり、内管22bに対して外管22aが回転可能となる。
シリンダ22sに関しては、外管22aと同期回転させ、且つ、内管22bに対して回転可能とする。そのため、外管22aとは、例えば係合手段などにより外管22aの回転力をシリンダ22sに伝えてシリンダ22sが連れ回りできるようにし、内管22bとは、軸受22xを介してシリンダ22sが自在に回転できるようにする。
シリンダ22sの連れ回りの方法は、図27に示す図25のY−Y断面図のように、例えばシリンダ22sに設けた係合ピン22wと、外管筒部22zに設けた係合溝22nとからなる係合手段を用い、係合溝22nに係合ピン22wが引っ掛かることで、外管22aの回転がシリンダ22sに伝わり、シリンダ22sが連れ回り回転する。なおシリンダ22sは、内管22bに設けたストッパー22yと、係合ピン22wとによって、軸方向(図面の左右方向)の動きが規制される。
本構成例の冷却ローラ22内を冷却液が往復循環する流路は図20などで示した構成例7の冷却ローラ22と同様である。本構成例の冷却ローラ22も構成部品の取り付け取り外しや、ロータリージョイント35の取り付け取り外しが可能である。
本構成例の冷却ローラ22の組立て手順を図28を用いて説明する。先ず、ロータリージョイント35のロータ35aにフランジ22dを嵌合挿入し固定する(作業手順1)。次に、ロータリージョイント35のフランジ35fに、内管22bの一端側を嵌合圧入して固定支持する(作業手順2)。なお、なお、作業手順1と作業手順2とは順不同であり、先に上記作業手順2を行った後で上記作業手順1を行っても良い。そして、その内管22bをロータリージョイント35に通し、フランジ35fをケーシング35eに嵌合固定する(作業手順3)。これにより、内管22bはロータリージョイント35に固定支持されて非回転状態となる。シリンダ22sには、軸受22xが両端に設けられ、係合ピン22wが片端に取り付けられている。そのシリンダ22sを、開口孔22k側から内管22bに嵌合関係で軸合わせされた状態で挿入し、ストッパー22yに当たるまで入れ込む(作業手順4)。これでシリンダ22sは内管22bに回転自在に支持される。そして、内管22bとシリンダ22sとに外管筒部22zを一端側から被せ込み、その外管筒部22zの一端をロータ35aに固定したフランジ22dに嵌合挿入し固定する。なお、シリンダ22sが外管22aに連れ回る係合手段として係合ピン22wと係合溝22nを設けているので、外管筒部22zをシリンダ22sに被せるように組付ける際は、上述した連れ回り関係が成り立つよう、係合溝22nに係合ピン22wを嵌り込ませる(作業手順5)。最後に、内管22bと外管筒部22zとのそれぞれの自由端に、内管22bとは回転自在な関係でフランジ22cを嵌合挿入し固定する(作業手順6)。これにより、内管22bに対して外管22aとシリンダ22sとが回転可能となる。
以上で冷却ローラ22の組立て及びロータリージョイント35の取り付けが完了し、図24で示したようになる。冷却ローラ22などの分解は上述した作業手順の逆の作業をすればよいので、冷却ローラ22構成部品の取り付け取り外しやロータリージョイント35の取り付け取り外しは簡単に行うことができる。
[構成例9]
図29に本構成例に係る冷却ローラ22の概略断面図を示す。本構成例では、図29に示すように図24のような係合手段を用いてシリンダ22sを外管22aの回転に連れ回り回転させるのではなく、外管22aとシリンダ22sとの駆動伝達系の剛性を高める構成(係合手段なし)とし、外管22aの回転力がダイレクトにシリンダ22sに伝わるようにしている。つまり、外管22aとシリンダ22sとが一体的となるようにしている。また、このような構成にすることで、係合ピン22wなどの係合手段による流体抵抗アップの危惧も解消される。
具体的には、図30に示すような構成例8の冷却ローラ22で外管22aとシリンダ22sとを係合する係合ピン22wのような係合手段をなくし、その代わりとして、構成例8の冷却ローラ22では図24に示すように外管筒部22zに嵌合固定していたフランジ22cを、本構成例では図30に示すようにフランジ22cとシリンダ22sとを一体で形成し、フランジ付きシリンダ22sとした。そのフランジ付きシリンダ22sを外管筒部22zに嵌合固定することで、内管22bに対して外管22aとフランジ付きシリンダ22sとは回転可能となる。
なお、本構成例では、軸22caをフランジ付きシリンダ22sと別部品として分割しているが、その理由はシリンダ22sの加工をし易くするためと、軸受22xの取り付け性とを考慮したためである。
[構成例10]
本構成例の冷却ローラ22では、外管22aが回転し、内管22bが外管22aと共に同方向に回転し、シリンダ22sが非回転である。本構成例の冷却ローラ22は、外管22aが回転してもシリンダ22sを非回転とすることで、外管22aとシリンダ22sとで形成させる狭間隔流路内を流れる冷却液の流れ(軸方向と回転方向の流れ)に対して積極的に乱流を起こさせたい場合に適しており、特に、冷却液の供給流量が少ない場合や狭間隔での流速が遅い場合に採用すると有効である。
本構成例の冷却ローラ22は、外管22aが回転してもシリンダ22sを非回転としているので、冷却のメカニズム、特徴及び性能は、本構成例の冷却ローラ22と同じように外管22aが回転してもシリンダ22sを非回転としている構成例6の冷却ローラ22と同様であるため、その説明は省略する。構成例6の冷却ローラ22と異なる点は、構成例6の冷却ローラ22ではシリンダ22sと共に内管22bも非回転としているのに対し、本構成例の冷却ローラ22では内管22bを外管22aの回転に同期させて回転させる点である。
内管22bが回転していても回転していなくても、狭間隔流路内の冷却液の流れに影響はなく冷却性能には無関係であるが、内管22bを外管22aと同期回転させるということは、内管22bと外管22aとの一体化が可能となるので、内管22bと外管22aとの軸合わせを高精度化することができる。したがって、内管22bと外管22aとを一体化し、その内管22bとシリンダ22sとを回転自在な関係(ただしシリンダ22sは不動部に固定)とすれば、冷却ローラ22の回転精度を向上させることができ、また狭間隔流路の高い間隔精度や冷却液の流れによるシリンダ22sの振れを防ぐことができる。
[実施形態3]
図14は、本発明の冷却ローラ22を有する冷却装置18を搭載したタンデム型中間転写ベルト方式のカラー画像形成装置の構成概略図である。なお、これらのカラー画像形成装置としては、画像形成を高速で、例えば、一分間あたりA4用紙100枚〜120枚の画像形成を行うことが可能なものを用いることができるが、このような高速機以外の画像形成装置(例えば、通常のオフィス等で用いられる複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置)においても、同様の本発明を適用することができる。
複数のローラによって中間転写媒体としての中間転写ベルト1を展張し、中間転写ベルト1はこれらのローラにより回転するように構成すると共に、中間転写ベルト1のまわりに画像形成用のプロセス手段を配置している。
中間転写ベルト1の回転方向を図中矢印aとするとき、中間転写ベルト1の上方であってローラ2とローラ3との間には、中間転写ベルト1の回転方向の上流側から順に画像形成用のプロセス手段として、第一画像ステーション4Y、第二画像ステーション4C、第三画像ステーション4M、第5画像ステーション4Bkが配置されている。例えば第一画像ステーション4Yは、ドラム状の感光体11Yの周囲に帯電手段10Y、光書き込み手段12Y、現像装置13Y、クリーニング手段14Yが配置され、さらに中間転写ベルト1を挟んで感光体11Yの対向位置に中間転写ベルト1への転写手段としての一次転写ローラ15Yが設けられており、他の3つの画像ステーションも同一構成となっている。そしてそれら4つの画像ステーションが互いに所定のピッチ間隔となるように左右並列に配置されている。
本実施形態では光書き込み手段12をLEDを光源とする光学系としているが、半導体レーザーを光源とするレーザー光学系で構成することもでき、感光体11に対して画像情報に応じた露光を行う。
中間転写ベルト1の下方には、シート状部材である用紙Pの用紙収納部19および給紙コロ20、レジストローラ対21、中間転写ベルト1を張架するローラ5に中間転写ベルト1を介して対向するように設けられた中間転写ベルト1から用紙Pへの転写手段としての二次転写ローラ6、中間転写ベルト1の裏面に接するローラ8の対向位置に中間転写ベルト1のおもて面に接するように設けられたクリーニング手段9、熱定着手段16、用紙Pを冷却する冷却ローラ22を有する冷却装置18、トナー定着後の用紙Pの排出部である排紙収容部17などが配置されている。そして、用紙収納部19から排紙収容部17へ至る用紙搬送路28が延びている。両面画像形成時に裏面の画像形成を行わせるため、冷却装置18を一度通過した用紙Pを反転させ、再度、レジストローラ対21へ搬送する両面画像形成用の用紙搬送路29も備えている。
なお、冷却装置18の冷却ローラ22は用紙Pの熱を受熱する受熱部であり、冷却ファン23を装着したラジエータ24、ポンプ25、タンク26と共に送液チューブ27で連通/連結され、冷却液が封入されている。冷却液の循環経路は送液チューブ27の矢印で示すように、ラジエータ24で冷やされた冷却液を、冷却ローラ22へ供給し、そして冷却ローラ22内を廻ってから排出し、その後にタンク26、ポンプ25へ送り、再び、ラジエータ24に戻す順序であり、ポンプ25の回転圧力により冷却液を循環させ、ラジエータ24で放熱することで冷却液、如いては冷却ローラ22を冷やす。ポンプ25のパワーやラジエータ24の大きさなどは、熱設計条件(冷却ローラ22が冷却すべき熱量と温度の条件)によって決定される流量、圧力、冷却効率などを元に選定される。
画像の形成プロセスは、第一画像ステーション4Yに着目すれば、一般の静電記録方式に準じていて、暗中にて帯電手段10Yにより一様に帯電された感光体11Y上に光書き込み手段12Yにより露光して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置13Yによりトナー像として可視像化する。そのトナー像は一次転写ローラ15Yにより感光体11Y上から中間転写ベルト1に転写される。転写後の感光体11Yの表面はクリーニング手段14によりクリーニングされる。他の画像ステーション4も第一画像ステーション4Yと同構成であり、同様の画像形成プロセスが行われる。
画像ステーション4Y,4C,4M,4Bkにおける各現像装置13は、それぞれ異なる4色のトナーによる可視像化機能を有しており、各画像ステーション4Y,4C,4M,4Bkでイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを分担すれば、フルカラー画像を形成することができる。よって、中間転写ベルト1の同一画像形成領域が4つの画像ステーション4Y,4C,4M,4Bkを順次通過する間に、中間転写ベルト1を挟むようにして各感光体11とそれぞれ対向して設けられた一次転写ローラ15により与えられる転写バイアスによって、それぞれ1色ずつトナー像を中間転写ベルト1上に重ね転写されるようにすれば、上記同一画像形成領域が各画像ステーション4Y,4C,4M,4Bkを1回通過した時点で、この同一画像領域に、重ね転写によってフルカラートナー画像を得ることができる。
そして、中間転写ベルト1上に形成されてフルカラートナー画像は、用紙Pに転写される。転写後の中間転写ベルト1はクリーニング手段9によりクリーニングされる。用紙Pへの転写は転写時においてローラ5上で中間転写ベルト1を介して二次転写ローラ6に転写バイアスを印加して、二次転写ローラ6と中間転写ベルト1とのニップ部に用紙Pを通過させることにより行なわれる。用紙Pへの転写後、用紙P上に担持されたフルカラートナー像を熱定着手段16で定着することにより、用紙P上にフルカラーの最終画像が形成され、排紙収容部17に積載される。
本実施形態の画像形成装置においては、排紙収容部17に用紙Pが積載される前に、熱定着手段16の直後に配置した冷却装置18を用紙Pが通過する。通過する際、熱定着手段16で熱せられた用紙Pが受熱部である冷却ローラ22に接触しながら通過することになるので、冷却ローラ22の表面で用紙Pから熱を吸熱し、この熱を冷却ローラ22内部の冷却液へ伝達する。熱が伝達され高温となった冷却液は、この後、冷却ローラ22から排出され、冷却液はタンク26、ポンプ25を経て、冷却ファン23を装着したラジエータ24に送られ、そこで熱が画像形成装置外に排熱される。ラジエータ24で熱が除去され室温近くにまで下げられた冷却液は、その後、再び冷却ローラ22へと送られる。このような冷却液による高い冷却性能の排熱サイクルによって、熱定着手段16で熱せられて高温となった用紙Pが効率良く冷やされる。従って、用紙Pが排紙収容部17に積載される時点では、用紙P上のトナーを確実に硬化状態とさせることができる。特に両面画像形成出力の際に大きな問題となっていたブロッキング現象を回避することができる。
しかも冷却液による冷却は、従来のように大きなスペースを必要とすることなしに高効率で局所冷却が可能であり、画像形成装置の小型化に貢献することができる。さらに、本発明の冷却ローラ22には、冷却液の供給と排出とを共通(1個)のロータリージョイントで行うことができる複式のロータリージョイントを用いているので、ロータリージョイントを冷却ローラ22の長手方向一方側だけに設置すれば良く、冷却ローラ22の長手方向両側それぞれにロータリージョイントを取りける構成よりも画像形成装置内の省スペース化を図ることができる。
また、本発明の冷却ローラ22の外管22a、内管22b及びロータリージョイント35は、互いに嵌合関係で固定または回転自在に支持され、且つ、内管22bを両端支持としているので、それら3者の軸合わせが確実に行われ、高い精度の同軸度を実現している。これにより、従来問題となっていた、外管、内管及びロータリージョイントの3者間の軸ずれによるガタツキや回転時の振動などがなくなり、冷却ローラ22としての回転精度や耐久性が向上し、振動や破損による漏洩の危惧の回避や、メンテナンスや部品交換頻度も低減することができる。冷却ローラ22の回転精度が向上すれば、用紙Pの良好な搬送が可能となるので、高品質の画像を得ることができ、冷却ローラ22の回転不良を起因とするジャムやスキューも低減することができる。よって、A4用紙で100枚以上の高速画像形成処理を長時間(例えば、数日間)連続して行う場合に、冷却ローラ22からの冷却液の漏洩の危惧を回避することができるので、画像形成処理を中断することなく継続することができる。
ここで、冷却性能は高ければ高いほど望ましいが、しかしながら一概にそうとは言い難く、画像形成装置の要求仕様によっては、例えば低速プリントスピードの画像形成装置などの場合、冷却性能が高過ぎてオーバースペックとなってしまう可能性があり、さらにはコスト高にもなってしまう。そこで、冷却性能の要求仕様が低い画像形成装置などの場合は実施形態1のような冷却性能があまり高くなく、部品点数の少ない(低コスト)冷却ローラを用い、高い冷却性能が必要な画像形成装置などの場合は実施形態2のような高効率の冷却ローラを用いる、など要求仕様に適合する冷却ローラ構成を選択するのが好ましい。
以上、実施形態1によれば、外管筒部22z、フランジ22c及びフランジ22dなどからなる外管22a内に内管22bを内包し、外管22aと内管22bとの間を冷却液が流れる外側流路、及び、内管22b内を冷却液が流れる内側流路を有する二重管構造であり、内管22bに前記外側流路と前記内側流路とを連通する開口である開口孔22kが設けられ、軸受41を介して装置本体の筐体であるブラケット34に回転可能に支持された冷却ローラ22と、冷却液を搬送する冷却媒体搬送手段であるポンプ25と、冷却ローラ22が回転可能な状態で冷却ローラ22の一端側に取り付けられ、冷却ローラ22とポンプ25とを配管を介してつなぐ回転管継ぎ手手段であるロータリージョイント35と、を備え、冷却ローラ22にシート状部材である用紙Pを接触させて用紙Pを冷却する冷却装置18において、外管22aは、一端側がロータリージョイント35の第一の嵌合部である嵌合部35cに同軸で回転可能に嵌合させて取り付けられており、内管22bは、一端側がロータリージョイント35の第二の嵌合部である嵌合部に同軸で嵌合して回転可能または固定状態で支持され、他端側が外管22aの他端側に設けられた嵌合部22iに同軸で嵌合して回転可能または固定状態で支持されている。これにより、本実施形態においては、内管22bをロータリージョイント35と外管22aとによって両端支持しているので、内管22bを片側支持する場合よりも冷却液の流れなどによって内管22bが振動するのを抑制することができる。よって、内管22bからロータリージョイント35に伝わる振動を低減させることができる。また、外管22aとロータリージョイント35とはネジ締結よりもガタツキを抑えることが可能な嵌合関係で取り付けられているので、外管22aとロータリージョイント35との軸ずれが抑えられ、ロータリージョイント35に生じる振動を低減させることができる。また、内管22bの一端側とロータリージョイント35とが嵌合関係で取り付けられ、内管22bの他端側と外管22aとが嵌合関係で取り付けられているため、内管22b、外管22a及びロータリージョイント35の3者間の軸ずれを抑えることができる。よって、外管22aの回転時に偏心によって生じるロータリージョイント35の振動を低減することができる。
また、実施形態1によれば、内管22bの両端の一端側はロータリージョイント35に固定支持され、他端側は外管22aに回転可能に支持されることで、内管22bが両端支持されることになり内管22bを片側支持する場合よりも高精度での軸合わせが可能となり、回転精度の高い冷却ローラを提供することができる。また、外管22aが回転し内管22bは固定され非回転であることにより、外管22aと内管22bとで形成される隙間を流れる冷却液の流れ(軸方向と回転方向の流れ)に対して積極的に乱流を起こさせたい場合に適しており、特に、冷却液の供給流量が少ない場合や外管22aと内管22bとで形成される隙間での流速が遅い場合に有効であり、冷却液の流れに乱流を起こすことで冷却効率を向上させることが可能となる。
また、実施形態1によれば、内管22bの両端の一端側はロータリージョイント35に回転可能に支持され、他端側は外管22aに固定支持されることで、内管22bが両端支持されることになり内管22bを片側支持する場合よりも高精度での軸合わせが可能となり、回転精度の高い冷却ローラを提供することができる。また、外管22aと内管22bとで形成される隙間を流れる冷却液の流れ(軸方向と回転方向の流れ)をスムーズにしたい場合に適しており、特に、冷却液の供給流量が多く外管22aと内管22bとで形成される隙間での流速が速い場合に有効であり、冷却液の流れをスムーズにすることで冷却効率を向上させることが可能となる。
また、実施形態1によれば、冷却ローラ22の内管22bと外管22aとは、ロータリージョイント35を基準に組付けられ、それぞれ取り付け取り外しが可能であり、内管22bと外管22aとは共に、両端の一端側はロータリージョイント35に設けられた嵌合い部を基準にロータリージョイント35に組付けられ、内管22bの他端側は嵌合関係で外管22aに組付けられる。これにより、冷却ローラ22の組立てや分解を行えるように構成部品の取り付け取り外しを簡単にできるようにしたので、リユースやリサイクル、不具合が発生したときの部品交換などに対応することができる。
また、実施形態1によれば、内管22bは、大径部と小径部とから成ることをで、外管22aの内壁付近の流速が速くなり冷却性能を向上させることができる。
また、実施形態1によれば、内管22bの上記大径部と上小径部とは取り付け取り外しが可能であることで、冷却ローラ22の組立てや分解を行えるように構成部品の取り付け取り外しを簡単にできるようにしたので、リユースやリサイクル、不具合が発生したときの部品交換などに対応することができる。
また、実施形態2によれば、外管22aの内壁と自身の外壁との間に隙間が形成されるように外管22aと内管22bとの間に設けられたシリンダ22sを有し、シリンダ22sは、内管22bの嵌合部に同軸で嵌合して内管22bに対し回転可能または固定状態で内管22bに支持される。これにより、外管22aの内壁付近の流速が速くなり冷却性能を向上させることができる。また、外管22a、内管22b、シリンダ22s、及び、ロータリージョイント35の4要素の軸ずれによる振動を低減できる。
また、実施形態2によれば、シリンダ22sは、内管22bに嵌合関係で固定支持され、内管22bの一端側はロータリージョイント35に固定支持され、他端側は外管22aに回転可能に支持されることで、内管22bとシリンダ22sとが両端支持されることになり内管22bやシリンダ22sを片側支持する場合よりも高精度での軸合わせが可能となり、回転精度の高い冷却ローラを提供することができる。また、外管22aが回転しシリンダ22sは固定され非回転であることにより、外管22aとシリンダ22sとで形成される隙間を流れる冷却液の流れ(軸方向と回転方向の流れ)に対して積極的に乱流を起こさせたい場合に適しており、特に、冷却液の供給流量が少ない場合や外管22aとシリンダ22sとで形成される隙間での流速が遅い場合に有効であり、冷却液の流れに乱流を起こすことで冷却効率を向上させることが可能となる。
また、実施形態2によれば、シリンダ22sは、内管22bに嵌合関係で係合または固定支持され、内管22bの一端側はロータリージョイント35に回転可能に支持され、他端側は外管22aに固定支持されることで、内管22bとシリンダ22sとが両端支持されることになり内管22bやシリンダ22sを片側支持する場合よりも高精度での軸合わせが可能となり、回転精度の高い冷却ローラを提供することができる。また、外管22aとシリンダ22sとで形成される隙間を流れる冷却液の流れ(軸方向と回転方向の流れ)をスムーズにしたい場合に適しており、特に、冷却液の供給流量が多く外管22aとシリンダ22sとで形成される隙間での流速が速い場合に有効であり、冷却液の流れをスムーズにすることで冷却効率を向上させることが可能となる。
また、実施形態2によれば、シリンダ22sは、外管22aに嵌合関係で係合または固定支持され、内管22bの一端側はロータリージョイント35に固定支持され、他端側は外管22aまたはシリンダ22sに回転可能に支持されることで、内管22bとシリンダ22sとが両端支持されることになり内管22bやシリンダ22sを片側支持する場合よりも高精度での軸合わせが可能となり、さらに、内管22bを固定し非回転とすることで内管22bを起因とする振動が抑えられ、回転精度の高い冷却ローラを提供することができる。
また、実施形態2によれば、内管22bと外管22aとは、ロータリージョイント35に対して取り付け取り外しが可能である。これにより、冷却ローラ22やロータリージョイント35の組立てや分解を行えるように構成部品の取り付け取り外しを簡単にできるようにしたので、リユースやリサイクル、不具合が発生したときの部品交換などに対応することができる。
また、実施形態2によれば、シリンダ22sは、内管22bまたは外管22aに対して取り付け取り外しが可能である。これにより、冷却ローラ22の組立てや分解を行えるように構成部品の取り付け取り外しを簡単にできるようにしたので、リユースやリサイクル、不具合が発生したときの部品交換などに対応することができる。
また、実施形態2によれば、外管22aとシリンダ22sとで形成される間隙内に冷却液を撹拌する撹拌手段を設けたことで、外管22aとシリンダ22sとで形成される間隙内を流れる冷却液の流れを積極的に大きく乱して冷却効率を向上させることが可能となる。
また、各実施形態によれば、シート状部材である用紙P上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、用紙P上に形成されたトナー像を少なくとも熱によって用紙Pに定着させる熱定着手段と、熱定着手段によってトナー像が定着された用紙Pを冷却する冷却手段とを備えた画像形成装置において、前記冷却手段として、本発明の冷却装置を用いることにより、従来のよりも格段に高い冷却性能と高い回転精度を併せ持つ冷却ローラ22を有する冷却装置18を画像形成装置に搭載したので、用紙の冷却効果と、用紙搬送精度を向上させることができ、さらには省スペース化も可能な画像形成装置を提供することができる。