JP2012012156A - エレベーターの巻上機 - Google Patents
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Abstract
【課題】巻上機のローターの外表面に広がる油分を効果的に吸収し、油分吸収部材が摩耗しても安定して油分を吸収することが可能な巻上機を提供する。
【解決手段】シーブ1と外周円筒面が制動面として機能するブレーキドラム2とからなるローターと、ブレーキドラム2の外周円筒面2aの対向位置に配置されたブレーキシュー3と、ブレーキシューを移動させるブレーキシュー駆動手段5と、ブレーキドラムの平滑な面を有する外周端部の対向位置に配置された油分吸収部材6と、油分吸収部材6を予め定められた所定の圧力でブレーキドラムの外周端部2bに押し付ける機能を有する油分吸収部材駆動手段7とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】シーブ1と外周円筒面が制動面として機能するブレーキドラム2とからなるローターと、ブレーキドラム2の外周円筒面2aの対向位置に配置されたブレーキシュー3と、ブレーキシューを移動させるブレーキシュー駆動手段5と、ブレーキドラムの平滑な面を有する外周端部の対向位置に配置された油分吸収部材6と、油分吸収部材6を予め定められた所定の圧力でブレーキドラムの外周端部2bに押し付ける機能を有する油分吸収部材駆動手段7とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、エレベーターの巻上機に関する。
ロープ式エレベーターの乗りかごを昇降させる巻上機として、ブレーキドラムがシーブに一体に形成された巻上機がある。ブレーキドラムとシーブは、ローターを構成する。巻上機のハウジングには軸が設けられ、軸には軸受を介してシーブが回動自在に取り付けられている。したがって、ローターも軸受を介して、自在に回動する。また、軸受内には潤滑油が封入されており、潤滑油は蓋およびオイルシール等によって封油されている。
ブレーキドラムの側面にはブレーキ制動面が形成されており、ブレーキ制動面にブレーキシューを押し付けることによって、所定の制動力を発生させる。
このような構成の巻上機では、長期間の使用によって、軸受に使用されている潤滑油が、封油部の外部に漏れ出すことがある。ローターの側面は、封油部からブレーキ制動面にかけて一続きに形成されているため、油が封油部から漏れ出すと、ローターの側面を伝ってブレーキ制動面に達する虞がある。封油部から漏れ出した油がブレーキ制動面に付着すると、ブレーキ制動力が安定せず、あるいは、所望の制動力が得られなくなるといった問題があった。
このような問題点に対して、シーブの軸受に使用されている潤滑油を封油する封油部から潤滑油の油分が漏れ出た場合に、封油部から漏れ出た油分がブレーキドラムのブレーキ制動面に付着することを防止するための油分回収装置を備える巻上機が、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された巻上機の油分回収装置は、油分吸収部材とその保持部材とを備える。油分吸収部材は、軸受に使用されている潤滑油の封油部からブレーキのブレーキ制動面まで一続きに形成されたローターの内側の側面の一部に、その先端部を常時接触させるように配置されている。
しかしながら、巻上機のシーブおよびブレーキドラムを構成するローターは、鋳造品であることが多い。この場合、機械加工が施されていないローターの内側面は凸凹がある形状であるために、油分吸収部材をローターの内側面に押し付けても、ローターの内側面に接触する油分吸収部材の部分の面積は小さく、漏れ出た油分を十分に回収しきれない。漏れ出た油分の回収率を高めるために油分吸収部材を強く押し付けると、油分吸収部材が速く磨耗するだけでなく、運転時の騒音が大きくなる原因にもなる。また、油分吸収部材が摩耗すると、ローターの側面との接触状態が安定せず、油分を吸収する機能が低下する問題点があった。
したがって、本発明は巻上機のローターの表面に広がる油分を効果的に吸収し、油分吸収部材が摩耗しても安定して油分を吸収することが可能な巻上機を提供することを目的とするものである。
本発明の実施形態によるエレベーターの巻上機は、エレベーターの乗りかごを懸架するメインロープが巻き掛けられるシーブと外周円筒面がブレーキ制動面として機能するブレーキドラムとからなるローターと、ブレーキドラムの外周円筒面に対向する位置に配置されたブレーキシューと、ブレーキシューをブレーキドラムのラジアル方向に移動させるブレーキシュー駆動手段とを備える。この巻上機は、また、ブレーキドラムの平滑な面を有する外周端部に対向する位置に配置され、対象物に押し付けたときに対象物の表面形状になじむ部材を含む1または複数の油分吸収部材と、油分吸収部材を予め定められた所定の圧力でブレーキドラムの外周端部に押し付ける機能を有する油分吸収部材駆動手段とを備える。
以下、適宜、図面を参照しながら本発明の一例としての実施形態について説明を行う。
(第1の実施形態)
図1(a)および(b)に、本発明の一実施形態による巻上機の構造を表す正面図および断面図を、それぞれ示す。巻上機は、エレベーターの乗りかごを懸架するメインロープが巻き掛けられるシーブ1を備える。シーブ1が回動することによってメインロープに懸架された乗りかごが昇降し、シーブ1が停止すると乗りかごは停止する。シーブ1には、円盤状のブレーキドラム2が同軸状に取り付けられている。図1(b)に示すように、一実施形態において、シーブ1は、ブレーキドラム2の一方の円盤面側に配置される。一実施形態において、シーブ1とブレーキドラム2は一体に形成されている。他の実施形態においては、シーブ1とブレーキドラム2は強固に固定されている。シーブ1とブレーキドラム2はローターを構成する。ローターは、軸受を介して軸に取り付けられ、滑らかに回動する。軸受には、ローターを円滑に回動させ、回動に伴うエネルギー損失および焼きつき等を防ぐために、潤滑油が封入されている。
図1(a)および(b)に、本発明の一実施形態による巻上機の構造を表す正面図および断面図を、それぞれ示す。巻上機は、エレベーターの乗りかごを懸架するメインロープが巻き掛けられるシーブ1を備える。シーブ1が回動することによってメインロープに懸架された乗りかごが昇降し、シーブ1が停止すると乗りかごは停止する。シーブ1には、円盤状のブレーキドラム2が同軸状に取り付けられている。図1(b)に示すように、一実施形態において、シーブ1は、ブレーキドラム2の一方の円盤面側に配置される。一実施形態において、シーブ1とブレーキドラム2は一体に形成されている。他の実施形態においては、シーブ1とブレーキドラム2は強固に固定されている。シーブ1とブレーキドラム2はローターを構成する。ローターは、軸受を介して軸に取り付けられ、滑らかに回動する。軸受には、ローターを円滑に回動させ、回動に伴うエネルギー損失および焼きつき等を防ぐために、潤滑油が封入されている。
一実施形態において、ブレーキドラム2の外周円筒面2aは、後ほど説明するように、ブレーキ制動面として機能する。以下、外周円筒面2aをブレーキドラムの制動面2aということがある。また、図1(b)からも分かるように、本実施形態において、ブレーキドラム2の外周端部2bは、外周端部2bの内側に隣接する円盤面部分2cに比べて回転軸方向に突起している。前述したように、巻上機では、長期間の使用によってシーブの軸受に使用されている潤滑油が、潤滑油を封油する封油部の外部に漏れ出すことがあるが、ブレーキドラム2の外周端部2bが外周端部2bの内側に隣接する円盤面部分に比べて回転軸方向に突起しているため、外周端部2bが障壁となり、漏れ出した油がブレーキドラムの制動面2aに到達しにくくなっている。尚、ブレーキドラムの制動面2aおよび外周端部2bは、通常、旋盤等の機械によって加工され、平滑な面となっている。
ブレーキドラムの制動面2aに対向する位置には、ブレーキシュー3が設けられている。ブレーキシュー3は、ローターの回動を停止させるときには、その一端が巻上機フレーム4に固定されたブレーキフレーム5によってブレーキドラムの制動面2aに押し付けられ、ブレーキシュー3とブレーキドラムの制動面2aとの摩擦によってローターの回動を停止させる。ローターを回動させるときには、ブレーキシュー3は、ブレーキフレーム5によってブレーキドラムの制動面2aから遠ざけられる。ブレーキシューを駆動するメカニズムには様々なものがあるが、例えば、ローターの回動を停止させるときには磁力によってブレーキシュー3をブレーキドラムの制動面2aに押し付け、ローターを回動させるときにはバネの力によってブレーキシュー3をブレーキドラムの制動面2aから遠ざける。ブレーキシュー3とブレーキフレーム5はブレーキを構成する。ローターの回動を停止させるべきときにブレーキが正常に動作しないと危険であるため、通常、1つのローターに対して2以上のブレーキが設けられる。
図1においては、一例として、2つのブレーキがローターの回転軸心Pを直径方向に挟む位置に設けられているが、ブレーキをローターの回転軸心Pに関して対称な位置に配置する必要は必ずしもない。
巻上機は、ブレーキドラム2の外周端部2bに対向する位置に配置された、1または複数の油分吸収部材6を備える。一実施形態において、油分吸収部材6は、シーブ1が配置されているブレーキドラム2の一方の円盤面側の外周端部2bに対向する位置に配置されている。前述したように、巻上機では、長期間の使用によって、シーブの軸受に使用されている潤滑油が、潤滑油を封油する封油部の外部に漏れ出すことがある。油分吸収部材6は、このような場合に、シーブ1が配置されているブレーキドラム2の一方の円盤面2cを伝って漏れ出した油がブレーキドラムの制動面2aに達する前に、油を吸収するために設けられている。油分吸収部材6のブレーキドラム2の外周端部2bに対向する部分には、油の吸収性に優れた、例えば、所定の厚みを有するフェルト、アブソーベント、ウエスまたはスポンジからなる。フェルトのように、油の吸収性に優れ、対象物に押し付けたときに対象物の表面形状になじむ部材を油分吸収部材に用いることによって、ローター表面に付着した油を効果的に回収することができる。
油分吸収部材6は、油分吸収部材駆動装置7の一端に取り付けられている。油分吸収部材駆動装置7としては、例えば、ソレノイドコイル内にプランジャーと呼ばれる可動鉄芯が設けられ、ソレノイドコイルに印加される電流に応じて可動鉄芯が直線的に移動するソレノイドを用いることができる。油分吸収部材駆動装置7としてソレノイドを用いる場合には、油分吸収部材6はプランジャーの一端に取り付けられる。油分吸収部材駆動装置7の他端は、例えばブラケット等の片持ち状の保持部材8の一端に固定され、保持部材8の他端は、巻上機フレーム4に固定されている。
油分吸収部材駆動装置7は、制御信号に応じて、油分吸収部材6をブレーキドラム2に近づくような回転軸方向に移動させブレーキドラム2の平滑な面を有する外周端部2bに押し付け、あるいは油分吸収部材6をブレーキドラム2から遠ざかるような回転軸方向に移動させブレーキドラム2の外周端部2bとの接触状態を解除する機能を有する。油分吸収部材駆動装置7が油分吸収部材6をブレーキドラム2の外周端部2bに押し付ける際には、予め定められた所定の圧力で油分吸収部材6を付勢する。この結果、油分吸収部材6がブレーキドラム2の外周端部2bに押し付けられることによって摩耗した状態でも、油分吸収部材6がブレーキドラム2の外周端部2bに押し付けられているときの接触状態が安定し、油分吸収部材6の油分吸収機能が安定する。
次に、図2を参照しながら、本実施形態の動作を説明する。図2は、図1(b)に示した一実施形態による巻上機の構造を表す断面図を拡大した図である。図2(a)は、ブレーキシュー3がブレーキドラムの制動面2aに押し付けられておらずローターが制動されていない状態であって、油分吸収部材6がブレーキドラム2の外周端部2bに接触していない状態を表している。この状態においては、油分吸収部材駆動装置7の一端に取り付けられている油分吸収部材6は、油分吸収部材駆動装置7によってブレーキドラム2の外周端部2bに接触しない位置にある。図2(b)は、ブレーキシュー3がブレーキドラムの制動面2aに押し付けられローターが制動されている状態であって、油分吸収部材6がブレーキドラム2の外周端部2bに接触している状態を表している。この状態においては、油分吸収部材6は、油分吸収部材駆動装置7によってブレーキドラム2の外周端部2bに予め定められた押圧で押し付けられており、シーブ1が配置されているブレーキドラム2の一方の円盤面2cを伝って漏れ出した油がブレーキドラムの制動面2aに達する前に、外周端部2bに付着している油分を吸収する。尚、図2(a)および(b)に示したブレーキシュー3および油分吸収部材6の位置関係は、例示であって、異なる位置関係にある場合もある。
本実施形態によれば、油分吸収部材6をブレーキドラム2の平滑な面を有する外周端部2bに押し付けることによって、ブレーキドラム2の外周端部2bに付着した油分を効果的に吸収し、ブレーキドラムの制動面2aに達する油分を低減することができる。
(第2の実施形態)
以降、第1の実施形態を応用した実施形態について説明を行う。したがって、以降の実施形態は、第1の実施形態の効果と同一の効果を奏する。第1の実施形態の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付す。また、説明を簡潔にするために、第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。図3に本実施形態による巻上機の構造の特徴を表す正面図を示す。本実施形態による巻上機は、ブレーキドラム2の周方向に沿った外周端部2bに対向する位置に複数の油分吸収部材6を備え、それぞれの油分吸収部材6は、対応する油分吸収部材駆動装置7(図示せず)によって駆動される。図3には、例として、6つの油分吸収部材6a乃至6fを示しているが、油分吸収部材の数は6に限定されるものではないことは明らかであろう。多数の油分吸収部材を設けることによって油分を吸収する効果を向上させることができる。
以降、第1の実施形態を応用した実施形態について説明を行う。したがって、以降の実施形態は、第1の実施形態の効果と同一の効果を奏する。第1の実施形態の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付す。また、説明を簡潔にするために、第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。図3に本実施形態による巻上機の構造の特徴を表す正面図を示す。本実施形態による巻上機は、ブレーキドラム2の周方向に沿った外周端部2bに対向する位置に複数の油分吸収部材6を備え、それぞれの油分吸収部材6は、対応する油分吸収部材駆動装置7(図示せず)によって駆動される。図3には、例として、6つの油分吸収部材6a乃至6fを示しているが、油分吸収部材の数は6に限定されるものではないことは明らかであろう。多数の油分吸収部材を設けることによって油分を吸収する効果を向上させることができる。
また、本実施形態においては、ローターが静止状態から回動を開始した後に停止するまでのサイクル(回動サイクル)ごとに、機能する油分吸収部材および対応する油分吸収部材駆動装置を順次変更することができる。例えば、油分吸収部材6aと6dおよびこれらをそれぞれ駆動する油分吸収部材駆動装置7aと7dを第1のグループ、油分吸収部材6bと6eおよびこれらをそれぞれ駆動する油分吸収部材駆動装置7bと7eを第2のグループ、油分吸収部材6cと6fおよびこれらをそれぞれ駆動する油分吸収部材駆動装置7cと7fを第3のグループとする。1回の回動サイクルにおいては1つのグループの油分吸収部材およびその油分吸収部材を駆動する油分吸収部材駆動装置のみが動作する。次の回動サイクルにおいては異なるグループの油分吸収部材およびその油分吸収部材を駆動する油分吸収部材駆動装置のみが動作し、以降の回動サイクルにおいては、同様に動作する油分吸収部材およびその油分吸収部材を駆動する油分吸収部材駆動装置のグループが巡回的に交替する。図4に、回動サイクルごとに機能する油分吸収部材の一例を示す。このような動作方法によって、油分吸収部材の使用期間を延ばすことができる。
(第3の実施形態)
図5に本実施形態による巻上機の構造の特徴を表す正面図を示す。本実施形態においては、油分吸収部材6は各ブレーキシュー3をブレーキドラム2の周方向に挟むような位置に配置され、ブレーキシュー3ごとに2つの油分吸収部材6および対応する油分吸収部材駆動装置7(図示せず)が設けられる。図5において、一方のブレーキシュー3をブレーキドラム2の周方向に挟むような位置に油分吸収部材6pおよび6qが配置されている。また、他方のブレーキシュー3をブレーキドラム2の周方向に挟むような位置に油分吸収部材6rおよび6sが配置されている。本実施形態においては、ローターの回動方向に応じて、動作する油分吸収部材および対応する油分吸収部材駆動装置が変化する。例えば、ローターが時計回りに回動するときは、油分吸収部材駆動装置7pと7r(図示せず)を動作させ、対応する油分吸収部材6pと6rとを駆動する。ローターが反時計回りに回動するときは、油分吸収部材駆動装置7qと7s(図示せず)を動作させ、対応する油分吸収部材6qと6sとを駆動する。図6に、回動方向に応じて機能する図5に示した油分吸収部材を示す。本実施形態によれば、ブレーキドラムの外周端部2bに付着した油分を効果的に除去しつつ、それぞれの油分吸収部材がブレーキドラムの外周端部2bに押し付けられる頻度が確率的に1/2となり、油分吸収部材の使用期間を延ばすことができる。
図5に本実施形態による巻上機の構造の特徴を表す正面図を示す。本実施形態においては、油分吸収部材6は各ブレーキシュー3をブレーキドラム2の周方向に挟むような位置に配置され、ブレーキシュー3ごとに2つの油分吸収部材6および対応する油分吸収部材駆動装置7(図示せず)が設けられる。図5において、一方のブレーキシュー3をブレーキドラム2の周方向に挟むような位置に油分吸収部材6pおよび6qが配置されている。また、他方のブレーキシュー3をブレーキドラム2の周方向に挟むような位置に油分吸収部材6rおよび6sが配置されている。本実施形態においては、ローターの回動方向に応じて、動作する油分吸収部材および対応する油分吸収部材駆動装置が変化する。例えば、ローターが時計回りに回動するときは、油分吸収部材駆動装置7pと7r(図示せず)を動作させ、対応する油分吸収部材6pと6rとを駆動する。ローターが反時計回りに回動するときは、油分吸収部材駆動装置7qと7s(図示せず)を動作させ、対応する油分吸収部材6qと6sとを駆動する。図6に、回動方向に応じて機能する図5に示した油分吸収部材を示す。本実施形態によれば、ブレーキドラムの外周端部2bに付着した油分を効果的に除去しつつ、それぞれの油分吸収部材がブレーキドラムの外周端部2bに押し付けられる頻度が確率的に1/2となり、油分吸収部材の使用期間を延ばすことができる。
(他の実施形態)
次に、上記以外の実施形態を説明する。以下に述べる実施形態は上記の実施形態のすべてに適用可能である。
次に、上記以外の実施形態を説明する。以下に述べる実施形態は上記の実施形態のすべてに適用可能である。
1つの実施形態によるエレベーターの巻上機は、油分吸収部材6を覆う防音装置、例えば防音用のカバーを備える。一例として、油分吸収部材6を覆う防音用のカバー9を含む断面図を図7に示す。防音装置の内部には遮音性の高い材料を用い、かつ表面を凹凸状の形態にすることによって、優れた防音効果を得ることができる。また、防音装置を、油分吸収部材6とブレーキドラムの外周端部2bの接触によって発生する音の周波数に共振しないサイズにすることに留意する。
他の実施形態によるエレベーターの巻上機における油分吸収部材駆動手段6は、油分吸収部材6をブレーキドラム2の外周端部2bに押し付ける動作の頻度を、ローターの回動頻度に応じて変化させる。例えば、ローターの回動頻度が過度の場合には、油分吸収部材6をブレーキドラム2の外周端部2bに押し付ける動作を間引く。このことによって、油分吸収部材6の使用期間を延ばすことができる。
(油分吸収部材を押し付ける動作例)
一実施形態においては、ローターが回動している間、ブレーキドラム2に押し付けられる油分吸収部材6はブレーキドラム2に押し付けられる。すなわち、ローターが静止している期間を除き、ブレーキドラム2に押し付けられる油分吸収部材6はブレーキドラム2に押し付けられる。
一実施形態においては、ローターが回動している間、ブレーキドラム2に押し付けられる油分吸収部材6はブレーキドラム2に押し付けられる。すなわち、ローターが静止している期間を除き、ブレーキドラム2に押し付けられる油分吸収部材6はブレーキドラム2に押し付けられる。
他の実施形態における、ブレーキドラム2に押し付けられる油分吸収部材6がブレーキドラム2に押し付けられる時期の一例を、図8を参照しながら説明する。この動作例は前述した実施形態に適用することができる。図の縦軸はローターの回動の速さであり、横軸は時間であり、グラフは静止状態→回動→停止の1サイクルにおけるローターの回動の速さの経時変化を示す。ローターが静止状態にあるとき、油分吸収部材6は、ブレーキドラム2の外周端部2bに接触しない位置にある。ローターが時刻t1で静止状態から回動を開始した後の予め定められた時間Ta経過時(時刻:t1+Ta)に、油分吸収部材6がブレーキドラム2の外周端部2bに予め定められた押圧で押し付けられる。その後、ローターが時刻t2で減速状態に入った後の予め定められた時間Tb経過時(時刻:t2+Tb)に、油分吸収部材6はブレーキドラム2の外周端部2bから離され、外周端部2bとの接触状態が解除される。この例においては、油分吸収部材6がブレーキドラム2の外周端部2bに押し付けられている期間は、T=(t2+Tb)−(t1+Ta)である。このように、油分吸収部材6は、ブレーキドラム2の外周端部2bに、常に押し付けられているわけではない。尚、図2(a)に示したブレーキシュー3と油分吸収部材6の状態は時刻t1から時刻t2までの状態に対応し、図2(b)に示したブレーキシュー3と油分吸収部材6の状態は時刻t2から時刻t2+Tbまでの状態に対応する。本実施形態において、時間TaおよびTbを適切に設定することにより、ブレーキドラム2の外周端部2bに付着した油分を有効に除去しつつ、油分吸収部材6がブレーキドラム2の外周端部2bに押し付けられている期間を短縮することによって、油分吸収部材6の使用可能期間を延ばすことができる。
尚、本発明は上記の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で開示した構成要素を変形して具体化できる。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示した全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 シーブ、 2 ブレーキドラム、 2a ブレーキドラムの制動面、
2b ブレーキドラムの外周端部、 2c ブレーキドラムの一方の円盤面、
3 ブレーキシュー、
4、巻上機フレーム、 5 ブレーキフレーム、
6、6a〜6f、6p〜6s 油分吸収部材、 7 油分吸収部材駆動装置、
8 保持部材、 9 防音用のカバー
2b ブレーキドラムの外周端部、 2c ブレーキドラムの一方の円盤面、
3 ブレーキシュー、
4、巻上機フレーム、 5 ブレーキフレーム、
6、6a〜6f、6p〜6s 油分吸収部材、 7 油分吸収部材駆動装置、
8 保持部材、 9 防音用のカバー
Claims (10)
- エレベーターの乗りかごを懸架するメインロープが巻き掛けられるシーブと外周円筒面がブレーキ制動面として機能するブレーキドラムとからなるローターと、
前記ブレーキドラムの外周円筒面に対向する位置に配置されたブレーキシューと、
前記ブレーキシューを前記ブレーキドラムのラジアル方向に移動させるブレーキシュー駆動手段と、
前記ブレーキドラムの平滑な面を有する外周端部に対向する位置に配置され、対象物に押し付けたときに対象物の表面形状になじむ部材を含む1または複数の油分吸収部材と、
前記油分吸収部材を予め定められた所定の圧力で前記ブレーキドラムの前記外周端部に押し付ける機能を有する油分吸収部材駆動手段と
を備えることを特徴とするエレベーターの巻上機。 - 前記油分吸収部材は、前記シーブが配置されている前記ブレーキドラムの一方の円盤面側の外周端部に対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの巻上機。
- 前記油分吸収部材は、前記ブレーキドラムの周方向に沿った外周端部に対向する位置に複数設けられ、
対応する油分吸収部材駆動手段によって駆動されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベーターの巻上機。 - 前記複数の油分吸収部材および対応する油分吸収部材駆動手段を複数のグループに分け、前記ローターが静止状態から回動を開始した後に停止するまでのサイクルごとに、動作する油分吸収部材および対応する油分吸収部材駆動手段の前記グループが巡回的に交替することを特徴とする請求項3に記載のエレベーターの巻上機。
- 前記複数の油分吸収部材は、前記ブレーキシューを前記ブレーキドラムの周方向に挟むような位置に配置され、
前記ローターが先に通過する方の油分吸収部材が対応する前記油分吸収部材駆動手段によって駆動されることを特徴とする請求項2に記載のエレベーターの巻上機。 - 前記油分吸収部材駆動手段は、ソレノイドを含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの巻上機。
- 前記油分吸収部材を覆う防音手段を、さらに、備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のエレベーターの巻上機。
- 前記油分吸収部材駆動手段は、前記ローターの回動頻度に応じて前記油分吸収部材を前記ブレーキドラムの外周端部に押し付ける動作頻度を変えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のエレベーターの巻上機。
- 前記ブレーキドラムの外周端部は、この外周端部の内側に隣接する円盤面部分に比べて回転軸方向に突起していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のエレベーターの巻上機。
- 前記油分吸収部材駆動手段は、前記ローターが静止状態から回動を開始した後の予め定められた時間経過時に前記油分吸収部材を前記ブレーキドラムの外周端部に予め定められた押圧で押し付けを開始し、前記ローターが減速状態に入った後の予め定められた時間経過時に前記油分吸収部材を前記ブレーキドラムの外周端部から遠ざける機能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のエレベーターの巻上機。
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JPS60132885A (ja) * | 1983-12-16 | 1985-07-15 | 三菱電機株式会社 | トラクシヨン式エレベ−タ装置 |
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JP2004068966A (ja) * | 2002-08-08 | 2004-03-04 | Fujitec Co Ltd | 駆動装置 |
JP2008222403A (ja) * | 2007-03-15 | 2008-09-25 | Meidensha Corp | エレベータ用巻上機 |
-
2010
- 2010-06-30 JP JP2010149460A patent/JP2012012156A/ja active Pending
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