JP6759894B2 - エレベータ用巻上機 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータ用巻上機に関し、とくに軸が回転しない軸固定型のエレベータ用巻上機に関する。
ブレーキと一体に構成されるエレベータ用巻上機においては、軸受の潤滑油が漏れてこの潤滑油がブレーキディスク(又はブレーキドラム)に付着すると、ブレーキトルクが低下して、最悪の場合にはかごが落下する等の重大な事故に至るおそれがある。
通常、最も漏れが発生しやすいのは、固定部と回転部の間、いわゆる軸貫通部であり、オイルシール等の接触式シールを使用して、漏れを防止する方法が一般的である。中でも軸が回転しない軸固定型のエレベータ用巻上機では潤滑油の漏れの問題が発生しやすい。
軸貫通部の漏れを極力小さくするために接触式シールが使用されるが、回転部と固定部とが接触している部分であり、にじみによる微量な漏れは避けられない。また、長期使用により接触部が摩耗して次第に漏れ量が増加する問題も避けることができない。特に軸固定型のエレベータ用巻上機では漏れた潤滑油が遠心力で外周側に広がり、ブレーキディスクに付着すると、ブレーキトルクが低減して、上述したようにかごの落下等の重大な問題が発生するおそれがある。
このような問題に関し、従来、潤滑油がブレーキディスク(又はブレーキドラム)に付着することを防止する防油構造を備えたエレベータ用巻上機が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。下記特許文献1には、ブレーキディスクが固定された綱車の一端側に、防油構造を設けたエレベータ用巻上機が開示されており、一定の効果が期待できる。
特許第5508932号公報
しかしながら、上述した従来の防油構造においては、
(1)軸貫通部から漏れ、遠心力で外周の回転側へ流出した潤滑油のすべてを回転側に流す構造であり、回転側に流れる潤滑油の量が多いので、ブレーキディスクに付着しないようにするには、安全な漏油経路や安全な油溜を、幾重にも組み合わせた複雑な構造にする必要がある、
(2)回転側では漏れた潤滑油がブレーキディスクに付着しないように堰き止め、留めておく部分の容積が小さくなりがちであり、潤滑油が回転側に漏れると漏れの点検やオイルシール交換等のメンテナンスを頻繁に行う必要がある、
という問題があり、さらなる改良が求められていた。
このようなことから本発明は、簡単な構造でより確実に、軸受から漏れた潤滑油がブレーキディスクに付着することを防止することを可能としたエレベータ用巻上機を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係るエレベータ用巻上機は、
モータと、
軸受支持部を備えて前記モータにより回転される駆動綱車と、
前記軸受支持部に格納された軸受を介して前記駆動綱車を支持する固定軸と、
前記駆動綱車の端面の外周側に固定されたブレーキディスクと、
ブレーキディスク側の前記軸受支持部の端面に固定されて前記軸受を覆う基部及び前記基部から前記軸受支持部とは反対側に突出する円筒状の突出部を有する軸受カバーと、
前記軸受カバーの突出部の内周面に固定され周方向にわたって前記固定軸に接触する第一の防油シールと、
前記軸受カバーの突出部の外周面に周方向にわたって接触する第二の防油シールと、
円筒状に形成されて前記固定軸に取り付けられ、前記軸受カバーの突出部を非接触に挿入するとともに内周面に前記第二の防油シールを固定するシール取付具と
を備えることを特徴とする。
また、上記の課題を解決するための第2の発明に係るエレベータ用巻上機は、
前記第一の防油シールがオイルシールであり、
前記第二の防油シールがフェルト又はスポンジである
ことを特徴とする。
また、上記の課題を解決するための第3の発明に係るエレベータ用巻上機は、
前記シール取付具が、内周面に前記第二の防油シールを固定する溝を備えるとともに、下部に前記溝から外周面又は前記軸受カバーとは反対側の端面までを貫通して形成される排油口を備える
ことを特徴とする。
また、上記の課題を解決するための第4の発明に係るエレベータ用巻上機は、
前記軸受カバーの基部の外周面から径方向外側に向かって突出する油切凸部と、
前記軸受カバー及び前記シール取付具の径方向外側を覆う油受カバーと
を備えることを特徴とする。
また、上記の課題を解決するための第5の発明に係るエレベータ用巻上機は、
前記油受カバーが、下部に当該油受カバーを貫通して形成される排油口を備える
ことを特徴とする。
また、上記の課題を解決するための第6の発明に係るエレベータ用巻上機は、
前記駆動綱車が、前記ブレーキディスクが固定された一端側の内周面に周方向にわたって凹状に形成された油受溝を備える
ことを特徴とする。
また、上記の課題を解決するための第7の発明に係るエレベータ用巻上機は、
一端が前記排油口に接続され他端が前記ブレーキディスクとは軸方向に離間した位置に配置される排油パイプを備える
ことを特徴とする。
本発明に係るエレベータ用巻上機によれば、簡単な構造でより確実に、軸受から漏れた潤滑油がブレーキディスクに付着することを防止することができる。
本発明の実施例1に係るエレベータ用巻上機の正面図である。 図1に示すエレベータ用巻上機の右側面図である。 図1の部分拡大図である。 図3のA-A矢視断面図である。 本発明の実施例2に係るエレベータ用巻上機の部分拡大図である。 図5のB-B矢視断面図である。 本発明の実施例3に係るエレベータ用巻上機の部分拡大図である。 図7のC-C矢視断面図である。 本発明の実施例4に係るエレベータ用巻上機の一部を示す正面図である。 図9のD-D矢視断面図である。 エレベータ用巻上機の比較例を示す正面図である。 図11に示すエレベータ用巻上機の右側面図である。 図11のE-E矢視断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るエレベータ用巻上機について説明する。
図1から図4を用いて本発明の実施例1に係るエレベータ用巻上機の詳細を説明する。
図1及び図2に示すように、ベッド1上の一端側(ブレーキ側)に固定されたブレーキスタンド2、及びベッド1上の他端側(モータ側)に固定されたモータスタンド3に、固定軸4の両端が固定されており、この固定軸4に、軸受5,6を介して円筒状の駆動綱車7が回転自在に支持されている。駆動綱車7の一端の外周側には円環状のブレーキディスク8が固定され、他端にはモータ9の回転子9Aが固定されている。回転子9Aはモータスタンド3に固定された固定子9Bに相対する位置に配置されている。
駆動綱車7の外周面は、ロープが巻き取りまたは巻き戻しされるロープ巻取面7aとなっている。また、駆動綱車7の軸方向両側にはそれぞれ軸受5,6を格納するブレーキ側軸受支持部7b,モータ側軸受支持部7cが設けられている。
軸受支持部7b,7cにはそれぞれ駆動綱車7の軸方向外側(以下、綱車外側という)から軸受5,6が挿入され、軸受5,6はそれぞれ軸受支持部7b,7cの綱車外側の端部に設けられた円環状のブレーキ側軸受カバー10,モータ側軸受カバー11によって覆われている。
軸受カバー10,11は、外径がそれぞれ軸受支持部7b,7cの綱車外側の端部の外径と概ね等しく軸受支持部7b,7cに固定される基部10a,11aと、基部10a,11aよりも外径が小さく基部10a,11aから綱車外側へ向かって突出する円筒状の突出部10b,11bとを備えている。
また、軸受5,6の軸方向両側には、それぞれ円環状に形成されて固定軸4の外周面に接触するブレーキ側第一内シール12,モータ側第一内シール13及び第一の防油シールとしてのブレーキ側第一外シール14,モータ側第一外シール15が設けられており、これらにより軸受5,6内に潤滑油が封入されている。これらシール12〜15としては、オイルシール等が適用される。
第一内シール12,13はそれぞれ軸受支持部7b,7cの駆動綱車7の軸方向内側(以下、綱車内側という)の内周面に固定軸4に周方向にわたって接触するように固定されている。また、第一外シール14,15はそれぞれ軸受カバー10,11の突出部10b,11bの綱車外側の内周面に、固定軸4に周方向にわたって接触するように固定されている。
さらに、図3に示すように、ブレーキ側第一外シール14からブレーキディスク8までの間の潤滑油が伝わる経路を断ち切る位置(本実施例では、軸受カバー10の突出部10bの外周面)に、第二の防油シールとしての円環状のブレーキ側第二外シール16が配設されている。すなわち、本実施例では、軸受カバー10の突出部10bの内周面,外周面にそれぞれ第一外シール14,第二外シール16が配設された構造を有している。
ブレーキ側第二外シール16は、吸油性を有する材料(例えば、フェルトやスポンジ等)からなり、シール取付具17により軸受カバー10の外周面に周方向にわたって接触するように固定されている。
シール取付具17は、円筒状に形成され、中空部に軸受カバー10の突出部10bを非接触に挿入した状態で固定軸4に取り付けられている。シール取付具17は内周面に周方向に沿って形成されたフェルト溝17aを備えており、このフェルト溝17aにブレーキ側第二外シール16が固定されている。
さらに、シール取付具17は、その下部にフェルト溝17aとシール取付具17の一端側(軸受カバー10とは反対側)の端面までを貫通して形成された排油口17bを備えている。この排油口17bには排油パイプ18の一端が接続されている。排油パイプ18はブレーキスタンド2を貫通し、排油パイプ18の他端はブレーキディスク8とは軸方向に離間した位置(本実施例ではブレーキスタンド2を挟んでブレーキディスク8とは反対側)に位置している。
このように構成される本実施例に係るエレベータ用巻上機では、軸受5,6を挟んで、ベッド1、ブレーキスタンド2、モータスタンド3、固定軸4、シール取付具17、排油パイプ18及び固定子9B等が固定側となる。また、駆動綱車7、ブレーキディスク8、回転子9A、軸受カバー10,11等が回転側となる。
以下、本実施例に係るエレベータ用巻上機による作用効果を説明する。
まず、ブレーキ側第二外シール16を備えない場合、図11から図13に示すように、軸受5内に封入された潤滑油がブレーキ側第一外シール14から漏れると、漏れた潤滑油が軸受カバー10及び駆動綱車7の一端側の端面を伝ってブレーキディスク8に到達し、当該ブレーキディスク8に付着するおそれがある。
これに対し、本実施例に係るエレベータ用巻上機では、図3及び図4に示すように、軸受5内に封入された潤滑油がブレーキ側第一外シール14から漏れたとしても、漏れた潤滑油が軸受カバー10の突出部10bの端面を伝ってブレーキ側第二外シール16に吸収されるため、例えばブレーキ側第一外シール14から漏れた潤滑油が微量であれば、ブレーキ側第二外シール16が漏れた潤滑油を全て吸収することで、潤滑油がブレーキディスク8に付着することを防止することができる。
このとき、ブレーキ側第二外シール16が軸受カバー10の外周面に接触して配置されているため、ブレーキ側第一外シール14から漏れた潤滑油を、毛細管現象のほか、回転による遠心力の作用によりスムーズにブレーキ側第二外シール16へと誘導し、ブレーキ側第二外シール16に吸収させることができる。
また、ブレーキ側第一外シール14からブレーキ側第二外シール16によって吸収可能な量を超える潤滑油がブレーキ側第二外シール16へ流出したとしても、ブレーキ側第二外シール16に吸収された潤滑油が重力の作用によってブレーキ側第二外シール16内の下方から排油口17bへと移動し、排油パイプ18を通ってブレーキディスク8から離間した安全な位置に排出される。つまり、ブレーキ側第二外シール16により吸収可能な量を超える潤滑油がブレーキ側第一外シール14から漏れたとしても、その漏れた潤滑油は排油口17b及び排油パイプ18を介して安全な位置へと排出され続けるため、潤滑油がブレーキディスク8に付着するおそれが無い。
このように、本実施例に係るエレベータ用巻上機によれば、簡単な構造でより確実に、軸受5から漏れた潤滑油がブレーキディスク8に付着することを防止することができ、ブレーキディスク8に潤滑油が付着することによるブレーキトルクの低減を防止して、かごが落下する等の重大な事故を未然に防ぐことができる。
図5及び図6を用いて本発明の実施例2に係るエレベータ用巻上機の詳細を説明する。
本実施例に係るエレベータ用巻上機は、実施例1に係るエレベータ用巻上機のブレーキ側軸受カバー10,シール取付具17及び排油パイプ18に代えて、図5に示すブレーキ側軸受カバー19,シール取付具20及び排油パイプ21を設け、さらに油受カバー22を追加したものである。その他の構造は図1から図4に示し上述した実施例1の構造と概ね同様であり、以下、同様の作用を奏する部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図5に示すように、本実施例において駆動綱車7の軸受支持部7bに格納された軸受5は軸受支持部7bの綱車外側の端部に設けられた円環状のブレーキ側軸受カバー19によって覆われている。軸受カバー19は、外径が軸受支持部7bの綱車外側の端部の外径と概ね等しく軸受支持部7bに固定される基部19aと、基部19aよりも外径が小さく基部19aから綱車外側へ向かって突出する円筒状の突出部19bとを備えている。そして、第一外シール14は、軸受カバー19の突出部19bの綱車外側の内周面に、固定軸4に周方向にわたって接触するように固定されている。
また、軸受カバー19のブレーキ側第一外シール14からブレーキディスク8までの間の潤滑油が伝わる経路を断ち切る位置(本実施例では、軸受カバー19の突出部19bの外周面)には、円環状のブレーキ側第二外シール16が配設されている。すなわち、本実施例では、軸受カバー19の突出部19bの内周面,外周面にそれぞれ第一外シール14,第二外シール16が配設された構造を有している。
ブレーキ側第二外シール16は、シール取付具としてのシール取付具20により軸受カバー19の突出部19bの外周面に周方向にわたって接触するように固定されている。
シール取付具20は、円筒状に形成され、中空部に軸受カバー19の突出部19bを非接触に挿入した状態で固定軸4に取り付けられている。シール取付具20は内周面に周方向に沿って形成されたフェルト溝20aを備えており、このフェルト溝20aにブレーキ側第二外シール16が固定されている。
また、このシール取付具20は、下端部にブレーキディスク8とは反対側へ向かって下降する傾斜面20bを備えているとともに、フェルト溝20aと傾斜面20bとの間にフェルト溝20aから傾斜面20bまでを貫通して形成された排油口20cを備えている。
さらに、本実施例において軸受カバー19は、ブレーキ側第一外シール14からブレーキディスク8までの潤滑油が伝わる経路を断ち切るように、基部19aの外周面から径方向外側に突出した油切凸部19cを軸方向に沿って二つ備えている。油切凸部19cは、軸受支持部7bの軸受カバー19と接している部分の外径よりも径方向外側に突出している。
また、本実施例において軸受カバー19及びシール取付具20は、概ね円筒状の油受カバー22によって径方向外側を非接触に覆われている。油受カバー22の一端側は断面視L字状に形成されてシール取付具20の一端面に固定されている。油受カバー22の他端側は軸受支持部7b側まで延び、さらに断面視L字状に形成されて、径方向内側の端部が径方向でみて油切凸部19cと軸受支持部7bとの間に位置するように配置されている。
さらに、油受カバー22の下部の一端側には、当該油受カバー22を軸方向に貫通する排油口22aが設けられている。そしてこの排油口22aに排油パイプ21の一端側が接続されている。排油パイプ21はブレーキスタンド2を貫通し、排油パイプ21の他端はブレーキスタンド2を挟んでブレーキディスク8とは反対側に位置している。
以下、本実施例に係るエレベータ用巻上機による作用効果を説明する。
本実施例に係るエレベータ用巻上機では、図5及び図6に示すように、実施例1と同様に、軸受5内に封入された潤滑油がブレーキ側第一外シール14から漏れたとしても、漏れた潤滑油が軸受カバー19の端面を伝ってブレーキ側第二外シール16に吸収されるため、例えばブレーキ側第一外シール14から漏れた潤滑油が微量であれば、ブレーキ側第二外シール16が漏れた潤滑油を全て吸収することで、潤滑油がブレーキディスク8に付着することを防止することができる。
このとき、ブレーキ側第二外シール16が軸受カバー19の外周面に接触して配置されているため、ブレーキ側第一外シール14から漏れた潤滑油を、毛細管現象のほか、回転による遠心力の作用によりスムーズにブレーキ側第二外シール16へと誘導し、ブレーキ側第二外シール16に吸収させることができる。
また、ブレーキ側第一外シール14からブレーキ側第二外シール16によって吸収可能な量を超える潤滑油がブレーキ側第二外シール16へ流出したとしても、ブレーキ側第二外シール16に吸収された潤滑油が重力の作用によってブレーキ側第二外シール16内の下方から排油口20cへと移動し、排油パイプ21を通ってブレーキディスク8から離間した安全な位置に排出される。
さらに、ブレーキ側第一外シール14から漏れブレーキ側第二外シール16に吸収された潤滑油がブレーキ側第二外シール16よりも他端側に流出したとしても、ブレーキ側第二外シール16から漏れた潤滑油は、油切凸部19cにおいて回転による遠心力で振り切られ油受カバー22側によって受け止められて、排油口22a及び排油パイプ21を介してブレーキディスク8とは離間した安全な位置に排出される。
つまり、ブレーキ側第一外シール14から漏れた潤滑油を排油口17b及び排油パイプ21を介して安全な位置へ排出させ続けることができるため、潤滑油がブレーキディスク8に付着するおそれが無い。
このように、本実施例に係るエレベータ用巻上機によれば、実施例1に係るエレベータ用巻上機による作用効果に加え、ブレーキ側第一外シール14の摩耗促進等により潤滑油の漏れ量が多くなり、全てを排油口20cから排出することが難しい状況になった場合であっても、排油口20cから排出しきれなかった潤滑油がブレーキディスク8に付着することを防止することができ、ブレーキディスク8に潤滑油が付着することによる、ブレーキトルクの低減を防止して、かごが落下する等の重大な事故を未然に防ぐことができる。
なお、本実施例では油切凸部19cを二つ設ける例を示したが、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、油切凸部19cは一つ又は三つ以上であってもよい。油受突出部19bを二つ、三つ、…と増加させれば、油切凸部19cで振り切ることのできる量が増え、より確実に潤滑油がブレーキディスク8に付着することを防ぐことができる。
また、油切凸部19cの形状は、図5および図6に示す形状に限定されるものではなく、軸受支持部7よりも径方向外側に突出して潤滑油を油受カバー22側へ振り切ることができれば他の形状であっても構わない。
図7及び図8を用いて本発明の実施例3に係るエレベータ用巻上機の詳細を説明する。
本実施例に係るエレベータ用巻上機は、実施例1に係るエレベータ用巻上機の駆動綱車7に代えて、図7に示す駆動綱車23を採用したものである。その他の構造は図1から図4に示し上述した実施例1の構造と概ね同様であり、以下、同様の作用を奏する部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図7に示すように、本実施例において駆動綱車23は、図1に示し上述した駆動綱車7に比較して、ブレーキ側第一外シール14からブレーキディスク8までの間の潤滑油が伝わる経路を断ち切る位置(本実施例では、駆動綱車23の一端側の内周面)に周方向に沿って凹状に形成された油受溝23aを備えている。その他の構造は上述した駆動綱車7と同様であり、詳しい説明は省略する。
以下、本実施例に係るエレベータ用巻上機による作用効果を説明する。
本実施例に係るエレベータ用巻上機では、図7及び図8に示すように、実施例1と同様に、軸受5内に封入された潤滑油がブレーキ側第一外シール14から漏れたとしても、漏れた潤滑油が軸受カバー10の端面を伝ってブレーキ側第二外シール16に吸収されるため、例えばブレーキ側第一外シール14から漏れた潤滑油が微量であれば、ブレーキ側第二外シール16が漏れた潤滑油を全て吸収することで、潤滑油がブレーキディスク8に付着することを防止することができる。
このとき、ブレーキ側第二外シール16が軸受カバー10の外周面に接触して配置されているため、ブレーキ側第一外シール14から漏れた潤滑油を、毛細管現象のほか、回転による遠心力の作用によりスムーズにブレーキ側第二外シール16へと誘導し、ブレーキ側第二外シール16に吸収させることができる。
また、ブレーキ側第一外シール14からブレーキ側第二外シール16によって吸収可能な量を超える潤滑油がブレーキ側第二外シール16へ流出したとしても、ブレーキ側第二外シール16に吸収された潤滑油が重力の作用によってブレーキ側第二外シール16内の下方から排油口17bへと移動し、排油パイプ18を通ってブレーキディスク8から離間した安全な位置に排出される。
さらに、ブレーキ側第一外シール14から漏れブレーキ側第二外シール16に吸収された潤滑油がブレーキ側第二外シール16よりも他端側へ流出したとしても、ブレーキ側第二外シール16から漏れた潤滑油を油受溝23aに溜めることができるため、潤滑油がブレーキディスク8に付着することがない。
このように、本実施例に係るエレベータ用巻上機によれば、実施例1に係るエレベータ用巻上機による作用効果に加え、ブレーキ側第一外シール14の摩耗促進等により潤滑油の漏れ量が多くなり、全てを排油口17bから排出することが難しい状況になった場合であっても、排油口17bから排出しきれなかった潤滑油がブレーキディスク8に付着することを防止することができ、ブレーキディスク8に潤滑油が付着することによる、ブレーキトルクの低減を防止して、かごが落下する等の重大な事故を未然に防ぐことができる。
さらに、油受溝23aに潤滑油が到達した時点でブレーキ側第一外シール14の異常を認識することができるため、油受溝23aから潤滑油が溢れる前にブレーキ側第一外シール14を交換する等、問題が発生する前に修復を行い、ブレーキトルクが低減する問題を防止することができる。
なお、油受溝23aの大きさ(深さや幅)を大きくすることにより、溜めることのできる潤滑油の量を増やすことができる。
図9及び図10を用いて本発明の実施例4に係るエレベータ用巻上機の詳細を説明する。
図9に示すように、本実施例に係るエレベータ用巻上機は、実施例2に係るエレベータ用巻上機において、駆動綱車7に代えて、図7に示し上述した実施例3の駆動綱車23を採用したものである。その他の構造は図5から図8に示し上述した実施例2,3の構造と概ね同様であるので、詳しい説明は省略する。
以下、本実施例に係るエレベータ用巻上機による作用効果を説明する。
本実施例に係るエレベータ用巻上機では、図9及び図10に示すように、実施例2と同様に、軸受5内に封入された潤滑油がブレーキ側第一外シール14から漏れたとしても、漏れた潤滑油が軸受カバー19の綱車外側の端面を伝ってブレーキ側第二外シール16に吸収されるため、例えばブレーキ側第一外シール14から漏れた潤滑油が微量であれば、ブレーキ側第二外シール16が漏れた潤滑油を全て吸収することで、潤滑油がブレーキディスク8に付着することを防止することができる。
このとき、ブレーキ側第二外シール16が軸受カバー19の外周面に接触して配置されているため、ブレーキ側第一外シール14から漏れた潤滑油を、毛細管現象のほか、回転による遠心力の作用によりスムーズにブレーキ側第二外シール16へと誘導し、ブレーキ側第二外シール16に吸収させることができる。
また、ブレーキ側第一外シール14からブレーキ側第二外シール16によって吸収可能な量を超える潤滑油がブレーキ側第二外シール16へ流出したとしても、ブレーキ側第二外シール16に吸収された潤滑油が重力の作用によってブレーキ側第二外シール16内の下方から排油口20cへと移動し、排油パイプ21を通ってブレーキディスク8から離間した安全な位置に排出される。
また、ブレーキ側第一外シール14から漏れブレーキ側第二外シール16に吸収された潤滑油がブレーキ側第二外シール16よりも他端側へ流出したとしても、ブレーキ側第二外シール16から漏れた潤滑油は、油切凸部19cにおいて重力加速度や回転による遠心力で振り切られ、油受カバー22側によって受け止められて、排油口22a及び排油パイプ21を介してブレーキディスク8とは離間した安全な位置に排出される。
さらに、ブレーキ側第一外シール14から漏れブレーキ側第二外シール16に吸収された潤滑油が油切凸部19cを通過したとしても、その潤滑油を油受溝23aに溜めることができるため、潤滑油がブレーキディスク8に付着することがない。
このように、本実施例に係るエレベータ用巻上機によれば、実施例2に係るエレベータ用巻上機による作用効果に加え、ブレーキ側第一外シール14の摩耗促進等により潤滑油の漏れ量が多くなり、全てを排油口20c及び22aから排出することが難しい状況になった場合であっても、排油口20c及び22aから排出しきれなかった潤滑油がブレーキディスク8に付着することを防止することができ、ブレーキディスク8に潤滑油が付着することによる、ブレーキトルクの低減を防止して、かごが落下する等の重大な事故を未然に防ぐことができる。
さらに、油受溝23aに潤滑油が到達した時点でブレーキ側第一外シール14の異常を認識することができるため、油受溝23aから潤滑油が溢れる前にブレーキ側第一外シール14を交換する等、問題が発生する前に修復を行い、ブレーキトルクが低減する問題を防止することができる。
本発明は、エレベータ用巻上機に適用することができる。
1…ベッド、2…ブレーキスタンド、3…モータスタンド、4…固定軸、5…ブレーキ側軸受、6…モータ側軸受、7,23…駆動綱車、7a…ロープ巻き取り面、7b…ブレーキ側軸受支持部、7c…モータ側軸受支持部、8…ブレーキディスク、9…モータ、9A…回転子、9B…固定子、10,19…ブレーキ側軸受カバー、11…モータ側軸受カバー、10a,11a,19a…基部、10b,11b,19b…突出部、12…ブレーキ側第一内シール、13…モータ側第一内シール、14…ブレーキ側第一外シール、15…モータ側第一外シール、16…ブレーキ側第二外シール、17,20…シール取付具、17a,20a…フェルト溝、17b,20c…排油口、18,21…排油パイプ、19c…油切凸部、20b…傾斜面、22…油受カバー、22a…排油口、23a…油受溝

Claims (7)

  1. モータと、
    軸受支持部を備えて前記モータにより回転される駆動綱車と、
    前記軸受支持部に格納された軸受を介して前記駆動綱車を支持する固定軸と、
    前記駆動綱車の端面の外周側に固定されたブレーキディスクと、
    ブレーキディスク側の前記軸受支持部の端面に固定されて前記軸受を覆う基部及び前記基部から前記軸受支持部とは反対側に突出する円筒状の突出部を有する軸受カバーと、
    前記軸受カバーの突出部の内周面に固定され周方向にわたって前記固定軸に接触する第一の防油シールと、
    前記軸受カバーの突出部の外周面に周方向にわたって接触する第二の防油シールと、
    円筒状に形成されて前記固定軸に取り付けられ、前記軸受カバーの突出部を非接触に挿入するとともに内周面に前記第二の防油シールを固定するシール取付具と
    を備えることを特徴とするエレベータ用巻上機。
  2. 前記第一の防油シールがオイルシールであり、
    前記第二の防油シールがフェルト又はスポンジである
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用巻上機。
  3. 前記シール取付具が、内周面に前記第二の防油シールを固定する溝を備えるとともに、下部に前記溝から外周面又は前記軸受カバーとは反対側の端面までを貫通して形成される排油口を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載のエレベータ用巻上機。
  4. 前記軸受カバーの基部の外周面から径方向外側に向かって突出する油切凸部と、
    前記軸受カバー及び前記シール取付具の径方向外側を覆う油受カバーと
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエレベータ用巻上機。
  5. 前記油受カバーが、下部に当該油受カバーを貫通して形成される排油口を備える
    ことを特徴とする請求項4に記載のエレベータ用巻上機。
  6. 前記駆動綱車が、前記ブレーキディスクが固定された一端側の内周面に周方向にわたって凹状に形成された油受溝を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のエレベータ用巻上機。
  7. 一端が前記排油口に接続され他端が前記ブレーキディスクとは軸方向に離間した位置に配置される排油パイプを備える
    ことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のエレベータ用巻上機。
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