JP2004224531A - エレベータのディスクブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サーマルスイッチや検出回路が無くても、ディスクの接触異常がおこった際にエレベータを停止させることができ、構造が簡素化されコストダウンを図ることができるディスクブレーキ装置を得る。
【解決手段】巻上機の電動機軸に係合するディスク6と、ディスク6と接触する第1のライニング体18を有するプレート7と、ディスク6に向かって進退動可能に支持されディスク6と接触する第2のライニング体19を有するアーマチュア4、及びアーマチュア4を吸引する固定鉄心2を有する電磁石5と、アーマチュア4をディスク6側に付勢し、第1のライニング体18と第2のライニング体19とでディスク6を挟み込んで制動する弾性部材8とを備え、ディスク6、第1のライニング体18、及び第2のライニング体19のいずれかが線膨張係数の大きな材料で作製されている。
【選択図】 図1
【解決手段】巻上機の電動機軸に係合するディスク6と、ディスク6と接触する第1のライニング体18を有するプレート7と、ディスク6に向かって進退動可能に支持されディスク6と接触する第2のライニング体19を有するアーマチュア4、及びアーマチュア4を吸引する固定鉄心2を有する電磁石5と、アーマチュア4をディスク6側に付勢し、第1のライニング体18と第2のライニング体19とでディスク6を挟み込んで制動する弾性部材8とを備え、ディスク6、第1のライニング体18、及び第2のライニング体19のいずれかが線膨張係数の大きな材料で作製されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータのディスクブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベータのディスクブレーキ装置について説明する。巻上機の電動機軸上に構成された電磁石のアーマチュアと、電動機軸上に固定されたディスクと、ディスクに対してアーマチュアと反対側に配置されたプレートと、アーマチュアをディスク側に付勢する圧縮ばねとを有し、常時は、電磁石の励磁によりアーマチュアを吸引してブレーキ用ディスクをフリーにして、エレベータかごを走行可能の状態にし、制動時には、圧縮ばねの付勢力によりアーマチュアとプレートとでディスクを挟み込んでエレベータを停止させるエレベータのディスクブレーキ装置が、従来提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような構成の従来のエレベータのディスクブレーキ装置においては、アーマチュア、或いはプレートにサーマルスイッチが埋め込まれており、万一、エレベータ走行時にブレーキ装置に何らかのトラブルが発生し、完全に開放状態とならない場合、ライニングとディスクとの摩擦熱がサーマルスイッチに伝導し、これによって異常が検出され、エレベータの運転が停止する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−106154号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成の従来のエレベータのディスクブレーキ装置においては、サーマルスイッチ、及び制御盤までの結線を含む検出回路が必要であった。一方、構造を簡単とするとともに、コストダウンを図ることができるディスクブレーキ装置が望まれていた。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、サーマルスイッチや検出回路が無くても、ディスクの接触異常がおこった際にエレベータを停止させることができ、構造が簡素化されコストダウンを図ることができるディスクブレーキ装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータのディスクブレーキ装置は、巻上機の電動機軸に軸回転方向に力を伝達可能に且つ軸方向に移動可能に係合するディスクと、ディスクの一側に巻上機に対して固定して設けられ、ディスク側の主面にディスクと接触する第1のライニング体を有するプレートと、ディスクの他側に巻上機に対して固定して設けられ、ディスクに向かって進退動可能に支持されディスク側の主面にディスクと接触する第2のライニング体を有するアーマチュア、及びアーマチュアをディスクと反対側に吸引する固定鉄心を有する電磁石と、アーマチュアと電磁石との間に縮設され、アーマチュアをディスク側に付勢し、第1のライニング体と第2のライニング体とでディスクを挟み込んで制動する弾性部材とを備え、電磁石は励磁されてアーマチュアを吸引し、ディスクをフリーすることにより、エレベータかごを走行可能の状態にするエレベータのディスクブレーキ装置において、ディスク、第1のライニング体、及び第2のライニング体のいずれかが線膨張係数の大きな材料で作製されている。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1のエレベータのディスクブレーキ装置を示す構成図である。また、図2は図1のディスクブレーキ装置の拡大図である。図1及び図2に示すように、かご20とカウンタウェイト21とが主索22を介して駆動シーブ23につるべ状に吊られている。駆動シーブ23には減速機を介して巻上電動機(巻上機)1とディスクブレーキ装置10が取付けられている。
【0009】
ディスクブレーキ装置10は、主に、ブレーキ用電磁石5、ブレーキ用ディスク6、プレート7、及びプレート固定ボルト14から構成されている。巻上電動機1の側部にブレーキ用電磁石5が配設されている。ブレーキ用電磁石5は、巻上電動機1の側面に固定された短尺円柱状の固定鉄心2と、電動機軸3に沿って移動可能に支持された円板状のアーマチュア4とから構成されている。固定鉄心2のアーマチュア4と対向する面に、環状の溝2aが凹設され、この溝2aに環状に形成されたコイル2cが収納されている。
【0010】
固定鉄心2の中心部に中央穴2bが形成され、さらにアーマチュア4の中心部にも中央穴4cが形成され、両者の中央穴2b,4cを貫通して、巻上電動機1の電動機軸3が延びている。そしてさらに、電動機軸3に沿ってアーマチュア4の側部から、順に円板状のブレーキ用ディスク6、及び円板状のプレート7が配置されている。
【0011】
ブレーキ用ディスク6は、円板状をなし本実施の形態では一般的な材料で作製されている。そして、ブレーキ用ディスク6は、電動機軸3の先端外周部に形成されたスプライン3aを介して電動機軸3に接続され、電動機軸3に対して滑って軸方向に移動可能に且つ周方向に回転力伝達可能に係合されている。
【0012】
プレート7は、外周部に等間隔に穿孔された複数の穴に各々プレート固定ボルト14を貫通させてボルト15によって締着されている。プレート固定ボルト14の他端は、固定鉄心2の外周部に等間隔に穿孔された段付き穴に挿入されて巻上電動機1側に螺合するボルト16によって締着されている。つまり、プレート7は、固定鉄心2に対してプレート固定ボルト14によって固定して設けられている。ブレーキ用電磁石5のアーマチュア4は、外周部に等間隔に穿孔された複数の貫通穴4bに各々プレート固定ボルト14の軸部を貫通させて電動機軸3と平行に移動可能に案内支持されている。
【0013】
プレート7のブレーキ用ディスク6側の主面に環状の収納溝7aが凹設され、この収納溝7aに環状の第1のライニング取付板12aが収納されている。そして、このライニング取付板12a上に環状の第1のライニング9aが固定されている。第1のライニング9aと第1のライニング取付板12aが第1のライニング体18を構成している。
【0014】
アーマチュア4のブレーキ用ディスク6側の主面にも環状の収納溝4aが凹設され、この収納溝に環状の第2のライニング取付板(ライニング支持部材)12bが収納されている。そして、この第2のライニング取付板12b上に環状の第1のライニング9bが固定されている。第1のライニング9bと第1のライニング取付板12bが第2のライニング体19を構成している。つまり、ブレーキ用ディスク6は、アーマチュア4とプレート7に第1、第2のライニング取付板12a、12bによって支持された第1、第2のライニング9a、9bに挟まれている。そして、本実施の形態の第1、第2のライニング取付板12a、12bは、線膨張係数の大きな材料で作成されている。
【0015】
固定鉄心2のアーマチュア4と対向する面において、コイル2cの内側に、周方向に等間隔に収納凹部2dが形成され、この収納凹部2dとアーマチュア4との間に付勢手段及び弾性部材としての圧縮ばね8が縮設されている。そして、常時は圧縮ばね8の反発力により、アーマチュア4はディスク6側に押し付けられている。
【0016】
このような構成のディスクブレーキ装置10は次のように作動する。常時は、電動機軸3に固定されたディスク6をアーマチュア4とプレート7が圧縮ばね8により挟み込み、両者の主面に各々設けられた第1、第2のライニング9a、9bがディスク6を抑え込んで、ディスク6を介して電動機軸3を回転しないように制動している。
【0017】
このようなディスクブレーキ装置10に、エレベータかごの運転制御回路が運転指令を出力すると、ブレーキ用電磁石5が励磁され、その磁力が圧縮ばね8の反発力に打ち勝って、アーマチュア4を吸引し、固定鉄心2側に移動させる。このとき、アーマチュア4とプレート7との間にある電動機軸3上のディスク6は、アーマチュア4の移動によりフリーとなりブレーキが解放状態となってエレベータかごは走行可能となる。
【0018】
エレベータの制御回路がかごの停止指令を出力すると、ディスクブレーキ装置10の電磁石は消磁され、アーマチュア4は解放され、圧縮ばね8の力によって、アーマチュア4はプレート7側に移動する。その結果、ディスク6の両面がアーマチュア4とプレート7の主面に設けられた第1、第2のライニング9a、9bに押し付けられ、その摩擦で制動され、エレベータかごは停止保持される。
【0019】
このように構成されたディスクブレーキ装置10においては、例えば、運転指令が出力されても、ブレーキが完全解放されず第1、第2のライニング9a、9bがディスク6に対して押し付けられたままの場合、接触した状態で回転するので摩擦熱が発生し、第1、第2のライニング9a、9bから第1、第2のライニング取付板12a、12bへ熱が伝播する。そして、第1、第2のライニング取付板12a、12bが熱膨張することによりブレーキギャップが小さくなり第1、第2のライニング9a、9bの押付力、制動力が増加し、さらに多量の摩擦熱が発生する。温度が高くなればなるほど第1、第2のライニング取付板12a、12bは膨張し、エレベータが停止するまで膨張し続けることになる。そのため、サーマルスイッチや検出回路が無くても、第1、第2のライニング9a、9bとディスク6の接触異常の際にエレベータを停止させることが出来る。
【0020】
実施の形態2.
図3は実施の形態2のエレベータのディスクブレーキ装置を示す拡大図である。本実施の形態のディスクブレーキ装置11においては、ブレーキ用ディスク13が線膨張係数の大きな材料で作成されている。第1、第2のライニング(第1、第2のライニング体)9a、9bはプレート7に直接固定されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0021】
このように構成されたディスクブレーキ装置においては、ブレーキが完全解放されず第1、第2のライニング9a、9bがディスク13に対して押し付けられていると、摩擦熱が発生し、ディスク13が熱膨張する。ディスク13が膨張すれば、第1、第2のライニング9a、9bの押付力、制動力はさらに増加し、エレベータが停止するまで膨張し続けることになる。そのため、サーマルスイッチや検出回路が無くても、第1、第2のライニング9a、9bとディスク13の接触異常の際にエレベータを停止させることが出来る。
【0022】
上述の実施の形態においては、第1、第2のライニング取付板12a、12b或いは、ディスク13が線膨張係数の大きな材料で作成されているが、これに限らず第1、第2のライニング9a、9bが線膨張係数の大きな材料で作成されても同様の効果を得ることができる。
このように、本発明においては、ライニングとアーマチュアおよびプレートの間に線膨張係数の大きな部材を挟み込んだり、ディスク自体を線膨張係数の大きな材質にすることにより、ブレーキが完全解放しない異常が発生した場合に、サーマルスイッチとその検出回路が無くても、エレベータを停止させることができる。
【0023】
【発明の効果】
この発明に係るエレベータのディスクブレーキ装置は、巻上機の電動機軸に軸回転方向に力を伝達可能に且つ軸方向に移動可能に係合するディスクと、ディスクの一側に巻上機に対して固定して設けられ、ディスク側の主面にディスクと接触する第1のライニング体を有するプレートと、ディスクの他側に巻上機に対して固定して設けられ、ディスクに向かって進退動可能に支持されディスク側の主面にディスクと接触する第2のライニング体を有するアーマチュア、及びアーマチュアをディスクと反対側に吸引する固定鉄心を有する電磁石と、アーマチュアと電磁石との間に縮設され、アーマチュアをディスク側に付勢し、第1のライニング体と第2のライニング体とでディスクを挟み込んで制動する弾性部材とを備え、電磁石は励磁されてアーマチュアを吸着し、ディスクをフリーすることにより、エレベータかごを走行可能の状態にするエレベータのディスクブレーキ装置において、ディスク、第1のライニング体、及び第2のライニング体のいずれかが線膨張係数の大きな材料で作製されている。そのため、サーマルスイッチや検出回路が無くても、ディスクの接触異常がおこった際にエレベータを停止させることができ、構造が簡素化されコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1のエレベータのディスクブレーキ装置を示す構成図である。
【図2】図1のディスクブレーキ装置の拡大図である。
【図3】この発明の実施の形態2のエレベータのディスクブレーキ装置を示す拡大図である。
【符号の説明】
1 巻上電動機(巻上機)、2 固定鉄心、3 電動機軸、4 アーマチュア、5 ブレーキ用電磁石(電磁石)、6 ディスク(ブレーキ用ディスク)、7プレート、8 圧縮ばね(付勢手段/弾性部材)、9a 第1のライニング、9b 第2のライニング、10,11 ディスクブレーキ装置、12a ライニング取付板(ライニング支持部材)、12b ライニング取付板(ライニング支持部材)、13 高線膨張係数のディスク、18 第1のライニング体、19 第2のライニング体、20 かご、21 カウンタウェイト、22 主索、23シーブ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータのディスクブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベータのディスクブレーキ装置について説明する。巻上機の電動機軸上に構成された電磁石のアーマチュアと、電動機軸上に固定されたディスクと、ディスクに対してアーマチュアと反対側に配置されたプレートと、アーマチュアをディスク側に付勢する圧縮ばねとを有し、常時は、電磁石の励磁によりアーマチュアを吸引してブレーキ用ディスクをフリーにして、エレベータかごを走行可能の状態にし、制動時には、圧縮ばねの付勢力によりアーマチュアとプレートとでディスクを挟み込んでエレベータを停止させるエレベータのディスクブレーキ装置が、従来提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような構成の従来のエレベータのディスクブレーキ装置においては、アーマチュア、或いはプレートにサーマルスイッチが埋め込まれており、万一、エレベータ走行時にブレーキ装置に何らかのトラブルが発生し、完全に開放状態とならない場合、ライニングとディスクとの摩擦熱がサーマルスイッチに伝導し、これによって異常が検出され、エレベータの運転が停止する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−106154号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成の従来のエレベータのディスクブレーキ装置においては、サーマルスイッチ、及び制御盤までの結線を含む検出回路が必要であった。一方、構造を簡単とするとともに、コストダウンを図ることができるディスクブレーキ装置が望まれていた。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、サーマルスイッチや検出回路が無くても、ディスクの接触異常がおこった際にエレベータを停止させることができ、構造が簡素化されコストダウンを図ることができるディスクブレーキ装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータのディスクブレーキ装置は、巻上機の電動機軸に軸回転方向に力を伝達可能に且つ軸方向に移動可能に係合するディスクと、ディスクの一側に巻上機に対して固定して設けられ、ディスク側の主面にディスクと接触する第1のライニング体を有するプレートと、ディスクの他側に巻上機に対して固定して設けられ、ディスクに向かって進退動可能に支持されディスク側の主面にディスクと接触する第2のライニング体を有するアーマチュア、及びアーマチュアをディスクと反対側に吸引する固定鉄心を有する電磁石と、アーマチュアと電磁石との間に縮設され、アーマチュアをディスク側に付勢し、第1のライニング体と第2のライニング体とでディスクを挟み込んで制動する弾性部材とを備え、電磁石は励磁されてアーマチュアを吸引し、ディスクをフリーすることにより、エレベータかごを走行可能の状態にするエレベータのディスクブレーキ装置において、ディスク、第1のライニング体、及び第2のライニング体のいずれかが線膨張係数の大きな材料で作製されている。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1のエレベータのディスクブレーキ装置を示す構成図である。また、図2は図1のディスクブレーキ装置の拡大図である。図1及び図2に示すように、かご20とカウンタウェイト21とが主索22を介して駆動シーブ23につるべ状に吊られている。駆動シーブ23には減速機を介して巻上電動機(巻上機)1とディスクブレーキ装置10が取付けられている。
【0009】
ディスクブレーキ装置10は、主に、ブレーキ用電磁石5、ブレーキ用ディスク6、プレート7、及びプレート固定ボルト14から構成されている。巻上電動機1の側部にブレーキ用電磁石5が配設されている。ブレーキ用電磁石5は、巻上電動機1の側面に固定された短尺円柱状の固定鉄心2と、電動機軸3に沿って移動可能に支持された円板状のアーマチュア4とから構成されている。固定鉄心2のアーマチュア4と対向する面に、環状の溝2aが凹設され、この溝2aに環状に形成されたコイル2cが収納されている。
【0010】
固定鉄心2の中心部に中央穴2bが形成され、さらにアーマチュア4の中心部にも中央穴4cが形成され、両者の中央穴2b,4cを貫通して、巻上電動機1の電動機軸3が延びている。そしてさらに、電動機軸3に沿ってアーマチュア4の側部から、順に円板状のブレーキ用ディスク6、及び円板状のプレート7が配置されている。
【0011】
ブレーキ用ディスク6は、円板状をなし本実施の形態では一般的な材料で作製されている。そして、ブレーキ用ディスク6は、電動機軸3の先端外周部に形成されたスプライン3aを介して電動機軸3に接続され、電動機軸3に対して滑って軸方向に移動可能に且つ周方向に回転力伝達可能に係合されている。
【0012】
プレート7は、外周部に等間隔に穿孔された複数の穴に各々プレート固定ボルト14を貫通させてボルト15によって締着されている。プレート固定ボルト14の他端は、固定鉄心2の外周部に等間隔に穿孔された段付き穴に挿入されて巻上電動機1側に螺合するボルト16によって締着されている。つまり、プレート7は、固定鉄心2に対してプレート固定ボルト14によって固定して設けられている。ブレーキ用電磁石5のアーマチュア4は、外周部に等間隔に穿孔された複数の貫通穴4bに各々プレート固定ボルト14の軸部を貫通させて電動機軸3と平行に移動可能に案内支持されている。
【0013】
プレート7のブレーキ用ディスク6側の主面に環状の収納溝7aが凹設され、この収納溝7aに環状の第1のライニング取付板12aが収納されている。そして、このライニング取付板12a上に環状の第1のライニング9aが固定されている。第1のライニング9aと第1のライニング取付板12aが第1のライニング体18を構成している。
【0014】
アーマチュア4のブレーキ用ディスク6側の主面にも環状の収納溝4aが凹設され、この収納溝に環状の第2のライニング取付板(ライニング支持部材)12bが収納されている。そして、この第2のライニング取付板12b上に環状の第1のライニング9bが固定されている。第1のライニング9bと第1のライニング取付板12bが第2のライニング体19を構成している。つまり、ブレーキ用ディスク6は、アーマチュア4とプレート7に第1、第2のライニング取付板12a、12bによって支持された第1、第2のライニング9a、9bに挟まれている。そして、本実施の形態の第1、第2のライニング取付板12a、12bは、線膨張係数の大きな材料で作成されている。
【0015】
固定鉄心2のアーマチュア4と対向する面において、コイル2cの内側に、周方向に等間隔に収納凹部2dが形成され、この収納凹部2dとアーマチュア4との間に付勢手段及び弾性部材としての圧縮ばね8が縮設されている。そして、常時は圧縮ばね8の反発力により、アーマチュア4はディスク6側に押し付けられている。
【0016】
このような構成のディスクブレーキ装置10は次のように作動する。常時は、電動機軸3に固定されたディスク6をアーマチュア4とプレート7が圧縮ばね8により挟み込み、両者の主面に各々設けられた第1、第2のライニング9a、9bがディスク6を抑え込んで、ディスク6を介して電動機軸3を回転しないように制動している。
【0017】
このようなディスクブレーキ装置10に、エレベータかごの運転制御回路が運転指令を出力すると、ブレーキ用電磁石5が励磁され、その磁力が圧縮ばね8の反発力に打ち勝って、アーマチュア4を吸引し、固定鉄心2側に移動させる。このとき、アーマチュア4とプレート7との間にある電動機軸3上のディスク6は、アーマチュア4の移動によりフリーとなりブレーキが解放状態となってエレベータかごは走行可能となる。
【0018】
エレベータの制御回路がかごの停止指令を出力すると、ディスクブレーキ装置10の電磁石は消磁され、アーマチュア4は解放され、圧縮ばね8の力によって、アーマチュア4はプレート7側に移動する。その結果、ディスク6の両面がアーマチュア4とプレート7の主面に設けられた第1、第2のライニング9a、9bに押し付けられ、その摩擦で制動され、エレベータかごは停止保持される。
【0019】
このように構成されたディスクブレーキ装置10においては、例えば、運転指令が出力されても、ブレーキが完全解放されず第1、第2のライニング9a、9bがディスク6に対して押し付けられたままの場合、接触した状態で回転するので摩擦熱が発生し、第1、第2のライニング9a、9bから第1、第2のライニング取付板12a、12bへ熱が伝播する。そして、第1、第2のライニング取付板12a、12bが熱膨張することによりブレーキギャップが小さくなり第1、第2のライニング9a、9bの押付力、制動力が増加し、さらに多量の摩擦熱が発生する。温度が高くなればなるほど第1、第2のライニング取付板12a、12bは膨張し、エレベータが停止するまで膨張し続けることになる。そのため、サーマルスイッチや検出回路が無くても、第1、第2のライニング9a、9bとディスク6の接触異常の際にエレベータを停止させることが出来る。
【0020】
実施の形態2.
図3は実施の形態2のエレベータのディスクブレーキ装置を示す拡大図である。本実施の形態のディスクブレーキ装置11においては、ブレーキ用ディスク13が線膨張係数の大きな材料で作成されている。第1、第2のライニング(第1、第2のライニング体)9a、9bはプレート7に直接固定されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0021】
このように構成されたディスクブレーキ装置においては、ブレーキが完全解放されず第1、第2のライニング9a、9bがディスク13に対して押し付けられていると、摩擦熱が発生し、ディスク13が熱膨張する。ディスク13が膨張すれば、第1、第2のライニング9a、9bの押付力、制動力はさらに増加し、エレベータが停止するまで膨張し続けることになる。そのため、サーマルスイッチや検出回路が無くても、第1、第2のライニング9a、9bとディスク13の接触異常の際にエレベータを停止させることが出来る。
【0022】
上述の実施の形態においては、第1、第2のライニング取付板12a、12b或いは、ディスク13が線膨張係数の大きな材料で作成されているが、これに限らず第1、第2のライニング9a、9bが線膨張係数の大きな材料で作成されても同様の効果を得ることができる。
このように、本発明においては、ライニングとアーマチュアおよびプレートの間に線膨張係数の大きな部材を挟み込んだり、ディスク自体を線膨張係数の大きな材質にすることにより、ブレーキが完全解放しない異常が発生した場合に、サーマルスイッチとその検出回路が無くても、エレベータを停止させることができる。
【0023】
【発明の効果】
この発明に係るエレベータのディスクブレーキ装置は、巻上機の電動機軸に軸回転方向に力を伝達可能に且つ軸方向に移動可能に係合するディスクと、ディスクの一側に巻上機に対して固定して設けられ、ディスク側の主面にディスクと接触する第1のライニング体を有するプレートと、ディスクの他側に巻上機に対して固定して設けられ、ディスクに向かって進退動可能に支持されディスク側の主面にディスクと接触する第2のライニング体を有するアーマチュア、及びアーマチュアをディスクと反対側に吸引する固定鉄心を有する電磁石と、アーマチュアと電磁石との間に縮設され、アーマチュアをディスク側に付勢し、第1のライニング体と第2のライニング体とでディスクを挟み込んで制動する弾性部材とを備え、電磁石は励磁されてアーマチュアを吸着し、ディスクをフリーすることにより、エレベータかごを走行可能の状態にするエレベータのディスクブレーキ装置において、ディスク、第1のライニング体、及び第2のライニング体のいずれかが線膨張係数の大きな材料で作製されている。そのため、サーマルスイッチや検出回路が無くても、ディスクの接触異常がおこった際にエレベータを停止させることができ、構造が簡素化されコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1のエレベータのディスクブレーキ装置を示す構成図である。
【図2】図1のディスクブレーキ装置の拡大図である。
【図3】この発明の実施の形態2のエレベータのディスクブレーキ装置を示す拡大図である。
【符号の説明】
1 巻上電動機(巻上機)、2 固定鉄心、3 電動機軸、4 アーマチュア、5 ブレーキ用電磁石(電磁石)、6 ディスク(ブレーキ用ディスク)、7プレート、8 圧縮ばね(付勢手段/弾性部材)、9a 第1のライニング、9b 第2のライニング、10,11 ディスクブレーキ装置、12a ライニング取付板(ライニング支持部材)、12b ライニング取付板(ライニング支持部材)、13 高線膨張係数のディスク、18 第1のライニング体、19 第2のライニング体、20 かご、21 カウンタウェイト、22 主索、23シーブ。
Claims (2)
- 巻上機の電動機軸に軸回転方向に力を伝達可能に且つ軸方向に移動可能に係合するディスクと、
上記ディスクの一側に上記巻上機に対して固定して設けられ、該ディスク側の主面に該ディスクと接触する第1のライニング体を有するプレートと、
上記ディスクの他側に上記巻上機に対して固定して設けられ、該ディスクに向かって進退動可能に支持され該ディスク側の主面に該ディスクと接触する第2のライニング体を有するアーマチュア、及び該アーマチュアを該ディスクと反対側に吸引する固定鉄心を有する電磁石と、
上記アーマチュアと上記電磁石との間に縮設され、該アーマチュアを上記ディスク側に付勢し、上記第1のライニング体と該第2のライニング体とで上記ディスクを挟み込んで制動する弾性部材とを備え、
上記電磁石は励磁されて上記アーマチュアを吸引し、上記ディスクをフリーすることにより、エレベータかごを走行可能の状態にするエレベータのディスクブレーキ装置において、
上記ディスク、上記第1のライニング体、及び上記第2のライニング体のいずれかが線膨張係数の大きな材料で作製されている
ことを特徴とするエレベータのディスクブレーキ装置。 - 上記第1のライニング体、及び上記第2のライニング体は、上記ディスクと接触するライニングと、該ライニングを上記プレート及び上記アーマチュアから支持するライニング支持部材とを有し、
上記ライニングと上記ライニング支持部材のいずれかが線膨張係数の大きな材料で作製されている
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータのディスクブレーキ装置。
Priority Applications (1)
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JP2003016161A JP2004224531A (ja) | 2003-01-24 | 2003-01-24 | エレベータのディスクブレーキ装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-01-24 JP JP2003016161A patent/JP2004224531A/ja active Pending
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