JP4499496B2 - エレベータ用巻上機 - Google Patents
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また、基体の円筒部の外側からブレーキパットの摩耗状態やブレーキパットとブレーキディスクの制動面との接触状態を確認することができるため、保守作業に要する時間を大幅に削減することが可能となる。
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用巻上機の背面図、図2は図1におけるA−A断面図である。図において、エレベータ用巻上機の基体1は、エレベータ用巻上機全体を昇降路上方の機械室や昇降路内の支持梁等に固定する固定部1aと、この固定部1aに立設され、エレベータ用巻上機の背面を構成する板状の支持部1bと、この支持部1bの一側面に設けられ、水平な中心軸を有して反支持部1b側に開口する円筒部1cとが備えられている。この円筒部1cと同じ中心軸を有する主軸2は、一端部が基体1の円筒部1cよりも反支持部1b側となる一側に突出するように配置されており、その他端部側は、円筒部1cの中心部と基体1の支持部1bに形成された貫通孔1dとを通過して、基体1の支持部1bの他側面にボルトによって締結固定され、片持支持されている。なお、基体1の支持部1bには、円筒部1cの中心となる部分に凹部1eが形成されており、この凹部1eに主軸2の他端部が固定されることにより、主軸2及び主軸2の固定の際に使用されるボルトの頭部の平面視が、支持部1bから突出しないように配置されている。また、主軸2には、内周面がテーパ状を呈する2つの複列円筒コロ軸受3a及び3bを介して、後述する回動体4が回動可能に設けられている。ここで、主軸2と回動体4を支持する支持部4aとの間には、主軸2の半径方向に作用する荷重を支持するために支持部4aの一側に配置された複列円筒コロ軸受3aとその他側に配置された複列円筒コロ軸受3bとの他に、主軸2の回動軸方向に作用する荷重を支持するスラスト荷重用組合せアンギュラ玉軸受5と、複列円筒コロ軸受3aの軸受内部隙間を調整する軸受用ナット6aと、複列円筒コロ軸受3b及びスラスト荷重用組合せアンギュラ玉軸受5の軸受内部隙間を調整する軸受用ナット6bと、複列円筒コロ軸受3aの内輪及び外輪に軸受用ナット6aからの与圧を伝達するカラー7a及び7bと、複列円筒コロ軸受3b及びスラスト荷重用組合せアンギュラ玉軸受5の内輪及び外輪に軸受用ナット6bからの与圧を伝達するカラー7c及び7dとが備えられている。なお、複列円筒コロ軸受3a及び3bの内周面と主軸2との嵌合面はそれぞれテーパ状を呈しているため、この複列円筒コロ軸受3a及び3bの組込後にラジアル内部隙間を調整することが容易に可能となる。また、回動体4を支持する支持部4aは、その一端部に各種軸受3a、3b及び5の潤滑油の防漏並びに外部からの防塵及び防滴のための軸受カバー8aが、他端部には、同様の目的により、各種軸受3a、3b及び5の潤滑油の防漏のためのオイルシール8cを介して軸受カバー8bが設けられている。
なお、この発明の実施の形態1では、第一の円筒部が基体1の円筒部1cから構成され、第一の軸受と第二の軸受とは、それぞれ複列円筒コロ軸受3a及び3bとスラスト荷重用組合せアンギュラ玉軸受5とから構成されている。
図3は、この発明の実施の形態2におけるエレベータ用巻上機の要部詳細図であり、図2のB部相当図である。図において、回動体4は、内周面がテーパ状を呈する複列円筒コロ軸受3a及び3bを介して主軸2に回動可能に固定されている。また、主軸2と回動体4の支持部4aとの間には、回動体4に作用する回動軸方向の荷重を支持する軸受として、実施の形態1におけるスラスト荷重用組合せアンギュラ玉軸受5の代わりに、より剛性の高い複列スラストアンギュラ玉軸受16が設けられている。なお、その他は実施の形態1と同様の構成を有している。
図4は、この発明の実施の形態3におけるエレベータ用巻上機の断面図であり、図1のA−A断面相当図である。図において、内周面がテーパ状を呈する複列円筒コロ軸受3a及び3bを介して主軸2に回動可能に固定された回動体4は、主軸2の一端部側に設けられた駆動綱車9の径が実施の形態1及び2の場合よりも小さく、この駆動綱車9と、駆動綱車9よりも大きな径を有する円筒部11との間に主軸2に直交する連結部4bが設けられている。回動体4の円筒部11の内側に配置された連結部4bの基体1側側面には、リング状を呈する制動面が形成されている。また、基体1の支持部1bに設けられた電磁ブレーキ14は、ブレーキパット14aがこの制動面に対向するように配置されている。
図5は、この発明の実施の形態4におけるエレベータ用巻上機の背面図である。図において、基体1の支持部1bには、複数(図5では3つ)の電磁ブレーキ14が設けられており、それぞれのブレーキパット14aが回動体4の円筒部11の内側に形成された制動面に対向するように配置されている。また、基体1の円筒部1cと回動体4の円筒部11とには、それぞれの電磁ブレーキ14に対応する貫通孔15a及び15bが形成されており、回動体4を所定の位置に停止させた際に、貫通孔15a及び15bが一直線状となるように配置されている。なお、その他は実施の形態1から3と同様の構成を有している。
1a 固定部
1b 支持部
1c 円筒部
1d 貫通孔
1e 凹部
2 主軸
3a、3b 複列円筒コロ軸受
4 回動体
4a 支持部
4b 連結部
5 スラスト荷重用組合せアンギュラ玉軸受
6a、6b 軸受用ナット
7a、7b、7c、7d カラー
8a、8b 軸受カバー
8c オイルシール
9 駆動綱車
9a 綱溝
10 主索
11 円筒部
12a 電機子
12b 固定子巻線
13 ブレーキディスク
14 電磁ブレーキ
14a ブレーキパット
15a、15b 貫通孔
16 複列スラストアンギュラ玉軸受
Claims (6)
- 一側に開口する第一の円筒部を有する基体と、
前記第一の円筒部と同じ中心軸を有し、一端部が前記第一の円筒部の開口側に突出し、他端部が前記基体に設けられた主軸と、
主索が巻き掛けられるとともに、前記第一の円筒部よりもその開口側に配置された駆動綱車と、
この駆動綱車を前記主軸に回動可能に支持する軸受と、
前記駆動綱車に設けられ、その外周面が前記第一の円筒部の内周面に対向する第二の円筒部と、
この第二の円筒部の外周面に設けられ、前記第一の円筒部の内周面に設けられた固定子巻線に対向する電機子と、
前記第二の円筒部の内側に設けられ、前記主軸の回動軸に直交する制動面と、
前記基体に設けられ、前記制動面に対向するブレーキパットにより前記制動面を前記主軸の回動軸方向に押圧する電磁ブレーキと
を備え、
前記第一の円筒部及び前記第二の円筒部は、それぞれ貫通孔が形成され、
前記第二の円筒部が所定の位置に停止されて前記2つの貫通孔が一直線状に配置されることにより、前記第一の円筒部の外側から、前記2つの貫通孔を介して前記ブレーキパットと前記制動面との接触状態を確認することができることを特徴とするエレベータ用巻上機。 - 前記制動面は、前記駆動綱車の一側面に設けられたブレーキディスクに形成されたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用巻上機。
- 前記駆動綱車と前記第二の円筒部とが一体的に設けられ、前記制動面は、前記駆動綱車と前記第二の円筒部との間に設けられた連結部に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用巻上機。
- 前記軸受は、
前記主軸の半径方向に作用する荷重を支持する第一の軸受と、
前記主軸の軸方向に作用する荷重を支持する第二の軸受と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用巻上機。 - 前記第二の軸受は、アンギュラ玉軸受であることを特徴とする請求項4に記載のエレベータ用巻上機。
- 前記電磁ブレーキは、複数設けられたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のエレベータ用巻上機。
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