JP2012011826A - インストルメントパネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で用いられるインストルメントパネル1であって、インストルメントパネル1の裏面1aには、エアバック装置50を収容・保持するエアバックリテーナ20を振動溶着するためのリテーナ溶着面1a1が形成され、リテーナ溶着面1a1を含むインストルメントパネルの裏面1aには、複数の補強リブ11(11a、11b)が形成され、リテーナ溶着面1a1に形成された補強リブ11aは、リテーナ溶着面11aに対して傾斜して立設している。
【選択図】図1
Description
また、上記の軽量化が図られたインパネは、部品共有化により、一般的に、助手席用のエアバック装置が取り付けられる仕様の車両(助手席エアバック有り仕様車)だけでなく、助手席用のエアバック装置が取り付けられない仕様の車両(助手席エアバック無し仕様車)にも搭載されるようになっている。
そのため、従来からインパネの剛性不足を解消させるための提案がなされている。
例えば、特許文献1には、上記インパネが助手席エアバック無し仕様車に設置される場合に、剛性補強部材(連結部材)を取り付けて剛性を確保することが提案されている。
以下、図7及び図8を参照しながら、特許文献1に記載された従来技術のインパネ構造について説明する。
具体的には、前記インパネ構造は、インパネアッパ110aにエアバッグ展開用の開口部120を有するインパネ110と、開口部120を塞ぐようにインパネ110に配設されるリテーナ112とを備えている。また、前記インパネ構造は、助手席エアバック無し仕様車に設置される場合に、一端がインパネリンフォース126に連結され、且つ他端がリテーナ112の縁部に連結される連結部材114を備えている。
なお、前記インパネ110は、助手席エアバック有り仕様車に搭載される場合、連結部材114を取り付けなくても、エアバック装置により剛性が確保されるようになっている。
また、補強部材220は、脚部227の上端がインパネ210の下面に締結され、脚部227の下端がインパネ210の下部構造部材251に締結されている。
そして、上記構成の補強部材220を用いることにより、「インパネ210全体の補強」及び「インパネ210の上面の押圧に対する剛性向上」を図ることができるようになっている。
具体的には、特許文献1及び特許文献2に記載された技術は、いずれも、インパネに、別体の剛性補強部材(連結部材或いは補強部材)を取り付ける構成を採用しているため、当該剛性補強部材の「部品コスト」及び「取付け作業コスト」により、車両のコストアップを招いていた。
特に、エアバック無し仕様車が主流を占める地域(又は国)では、上述したコストアップが大きな問題となっている。
また、前記リテーナ溶着面に形成された補強リブは、該リテーナ溶着面にエアバックリテーナが振動溶着される工程において、一定方向に倒れてエアバックリテーナと、該リテーナ溶着面との間に挟持されるようになされていることが望ましい。
すなわち、本発明のインストルメントパネルは、複数の補強リブを設けることにより所定の剛性が確保されるため、助手席エアバック無し仕様車に搭載される場合であっても、上述した従来技術のように、剛性補強部材(連結部材又は補強部材)を取り付ける必要がない。
そのため、本発明のインストルメントパネルを用いることにより、車両(特に助手席エアバック無し仕様車)のコストを低減することができる。
そのため、リテーナ溶着面にエアバックリテーナを振動溶着する工程において、リテーナ溶着面に形成された補強リブを所定方向に倒し(振動溶着の際にうける加圧荷重により補強リブを倒すことができ)、リテーナとリテーナ溶着面との間に補強リブを挟持させることができる。
そして、リテーナ溶着面にエアバックリテーナが溶着されると、リテーナ溶着面に形成された補強リブは、エアバックリテーナと、前記リテーナ溶着面との間に挟まって収められた状態になる。
すなわち、本発明のインストルメントパネルは、その裏面に補強リブを形成した構成を採用しているにもかかわらず、その裏面(リテーナ溶着面)にエアバックリテーナを振動溶着で取り付けることができるようになっている。
上記の構成により、射出成形工程の際に面倒な作業をすることなく、上述した傾斜している補強リブを成形することができる。
また、第2補強リブが、リテーナ溶着面に対して傾斜しているため、リテーナ溶着面にエアバックリテーナを振動溶着する工程において、第2補強リブが、エアバックリテーナを介して受ける加圧荷重により、所定方向に折れ曲がり倒れる。これにより、リテーナ溶着面にエアバックリテーナを溶着することができる。
すなわち、本発明のインストルメントパネルは、その裏面に補強リブ(第1補強リブ、第2補強リブ)を形成した構成を採用しながら、その裏面(裏面に形成されたリテーナ溶着面)にエアバックリテーナを振動溶着で取り付けることができるようになっている。
このように、前記第1補強リブ及び前記第2補強リブを形成することにより、インストルメントパネルの剛性を確保することができる。
先ず、本発明の第1実施形態のインストルメントパネルを図1乃至図5に基づいて説明する。
また、図2は、図1(b)のA−A断面を示した模式図であり、図3は、図1(b)のB−B断面を示した模式図である。
また、図4は、本発明の第1実施形態のインストルメントパネルに、エアバック装置を収容・保持したエアバックリテーナが取り付けられた状態を示した模式図である。また、図5は、本発明の第1実施形態のインストルメントパネルのリテーナ溶着面に、エアバックリテーナを振動溶着する工程を示した模式図である。
なお、第1実施形態のインストルメントパネルは、上側部の裏面に形成された補強リブの構造に特徴があり、それ以外の構造(形状や材質)は周知技術のものと同じである。そのため、以下では、第1実施形態の特徴的な構造を詳細に説明し、それ以外の構造の説明は簡略化する。
また、前記インパネ1は、合成樹脂で形成されており、軽量化(薄肉化)が図られていると共に、助手席エアバック無し仕様車に搭載される場合においても、別体の剛性補強部材を取り付けなくても、インパネ1単体で所定の剛性が得られるようになっている。
なお、リテーナ溶着面1a1は、インパネ1の裏面1aの一端側1A及び他端側1Bの間の領域に形成されている。
また、エアバックリテーナ20は、エアバック装置50(図4参照)を収容・保持可能に構成されていると共に、前記一方面がリテーナ溶着面1a1に振動溶着できるようになっていればよく、具体的な構成について特に限定されるものではない。例えば、エアバックリテーナ20は、図4に示すように構成されている。
そして、リテーナ溶着面1a1に、エアバック装置50を収容・保持したエアバックリテーナ20のフランジ部22及びフラップ23が溶着されると、「インパネ1のリテーナ溶着面1a1が形成された部位」及び「フランジ部22、フラップ部23及びヒンジ部24」が、エアバック装置50が作動したときに(エアバックが膨張したときに)、膨張したエアバックを助手席側に飛び出させるエアバックドア部として機能するようになっている。
このように、第1実施形態のインパネ1は、その裏面に複数の補強リブ11が形成されているため、軽量化(薄肉化)がなされていても、所定剛性を持たせることができる。
すなわち、第1実施形態のインパネ1は、インパネ1単体で所定剛性を有するように形成できるため、助手席エアバック無し仕様車に搭載される場合であっても、別体の剛性補強部材(連結部材や補強部材等)を取り付ける必要がなく、上述した従来技術と比べて、車両コストを低減することができる。
具体的には、補強リブ11は、図1及び図3に示すように、リテーナ溶着面1a1上に形成される部位11aが、インパネ面(インパネの意匠面(ここではリテーナ溶着面))に対して傾斜して立設している(インパネ面と直交する方向Vから「θ度」傾斜して立設している)。
また、補強リブ11は、図1及び図2に示すように、リテーナ溶着面1a1以外の領域1a2に形成される部位11bが、インパネ面に対して垂直(インパネ面と直交する方向V)に立設している。
また、リテーナ溶着面1a1に形成された補強リブ11aは、所定方向に傾斜しているため、上記の荷重Fを受けると所定方向に折れ曲がり倒れ、エアバックリテーナ20と、リテーナ溶着面1a1との間に挟持されるようになっている。
そして、インパネ1のリテーナ溶着面1a1にエアバックリテーナ20が溶着されると、リテーナ溶着面1a1に形成された補強リブ11aは、エアバックリテーナ20と、リテーナ溶着面1a1との間に挟まって収められた状態になる。
なお、インパネ1にエアバックリテーナ20(及びエアバック装置50)を取り付ける場合、上記のように補強リブ11を倒しても、インパネ1は、エアバックリテーナ20(及びエアバック装置50)に支持されるため、所定の剛性が得られるようになっている。
なお、従来技術のインパネ(助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で利用するインパネ)は、エアバックリテーナ20を振動溶着するため、その裏面に補強リブを形成する構成が採用されていなかった。すなわち、インパネの裏面に、一般的な形状の補強リブを形成した場合、振動溶着ができなくなるため、補強リブを形成する構成が採用されていなかった。
具体的には、インパネ1を樹脂射出成形する工程において、インパネ1のなかのリテーナ溶着面1a1になる部分(或いは、リテーナ溶着面1a1の周辺部まで含めた部分)の補強リブ11を「インパネ1の成形方向視(図4の矢印Sの方向視)」にて斜めに配策する。
これにより、前記樹脂射出成形により金型から取り出されて得られたインパネ1は、リテーナ溶着面1a1に形成されたリブ11だけが、インパネ面(インパネ1の意匠面)に対して斜めに傾斜した状態で立設するようになる。
また、第1実施形態のインパネ1を採用することにより、上述した従来技術のように剛性補強部材を取り付ける必要がなくなるため、車両コストを低減することができる。
ここで、図6は、本発明の第2実施形態のインストルメントパネルの裏面の構造を示した模式図であり、図6(a)は第2実施形態のインストルメントパネルを裏面側から見た模式図であり、図6(b)は第2実施形態のインストルメントパネルの裏面に形成された補強リブを拡大して示した模式図である。
なお、第2実施形態のインパネ1’は、第1実施形態のインパネ1と補強リブの構成が異なる以外は略同様の構成を備えている。そのため、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同じ構成及び相当するは同じ符号を付し、その説明を省略する。
また、インパネ1’の裏面1aには、エアバックリテーナ20が溶着される場合に倒される傾斜補強リブ(第2補強リブ)13と、倒されない垂直補強リブ12(第1補強リブ)とが各々独立に複数形成されている。
また、複数の傾斜補強リブ13は、インパネ1’の裏面1aのリテーナ溶着面1a1上を横切って、その両端部がリテーナ溶着面1a1の外側の領域まで延設されている。なお、傾斜補強リブ13は、その長手方向が「インパネ1’の短手方向(車両の前後方向)」と略平行に配置されている。
このように、第2実施形態では、インパネ1’の裏面1a1に、「複数の垂直補強リブ12」及び「複数の傾斜補強リブ13」が形成されているため、第1実施形態のインパネ1と同様、軽量化(薄肉化)がなされても、所定の剛性を持たせることができる。
また、前記傾斜補強リブ13は、第1実施形態の補強リブ11a(図3参照)と同様、インパネ面に対して傾斜して立設している(インパネ面と直交する方向Vから「θ度」傾斜して立設している)。
このように、第2実施形態のインパネ1’においても、第1実施形態のインパネ1と同様、裏面1a1に補強リブ(垂直補強リブ12、傾斜補強リブ13)を形成した構成を採用しているにもかかわらず、リテーナ溶着面1a1にエアバックリテーナ20を取り付けることができるようになっている。
具体的には、垂直補強リブ12は、インパネ1’のリテーナ溶着面1a1以外の領域1a2であって且つリテーナ溶着面1a1の両側(インパネ1’の一端側1A及び他端側1B)に、それぞれ、複数配置されている。
また、傾斜補強リブ13は、その一端部の側面が「インパネ1’の一端側1Aに形成された隣接する垂直補強リブ12の側面」と相対向するように配置され、その他端部の側面が「インパネ1’の他端側1Bに形成された隣接する垂直補強リブ12の側面」と相対向するように配置されている。
このように、ラップtを形成することにより、垂直補強リブ12と傾斜補強リブ13とが、インパネ1’の短手方向に沿って分かれていても、インパネ1’の剛性を確保することができる。
なお、ラップtの大きさ寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、「10mm〜50mm」程度になされていることが望ましい。
また、第2実施形態のインパネ1’を採用することにより、上述した従来技術のように剛性補強部材を取り付ける必要がなくなるため、車両コストを低減することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態(第1実施形態、第2実施形態)に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
1’ インストルメントパネル
1a 裏面(インストルメントパネル)
1a1 リテーナ溶着面(インストルメントパネル)
1a2 リテーナ溶着面以外の領域(インストルメントパネル)
11、11a、11b 補強リブ(インストルメントパネル)
12 垂直補強リブ(インストルメントパネル)
13 傾斜補強リブ(インストルメントパネル)
20 エアバックリテーナ
21 枠体(エアバックリテーナ)
22 フランジ部(エアバックリテーナ)
23 フラップ部(エアバックリテーナ)
24 ヒンジ部(エアバックリテーナ)
25 溶着リブ(エアバックリテーナ)
50 エアバッグ装置
Claims (5)
- 助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で用いられるインストルメントパネルであって、
前記インストルメントパネルの裏面には、エアバック装置を収容・保持するエアバックリテーナを振動溶着するためのリテーナ溶着面が形成され、
前記リテーナ溶着面を含むインストルメントパネルの裏面には、複数の補強リブが形成され、
前記リテーナ溶着面に形成された補強リブは、該リテーナ溶着面に対して傾斜して立設していることを特徴とするインストルメントパネル。 - 前記リテーナ溶着面に形成された補強リブは、該リテーナ溶着面にエアバックリテーナが振動溶着される工程において、一定方向に倒れてエアバックリテーナと、該リテーナ溶着面との間に挟持されるようになされていることを特徴とする請求項1に記載のインストルメントパネル。
- 前記リテーナ溶着面に形成される補強リブは、射出成形工程において、インストルメントパネルの成形方向視に斜めに配策されることにより形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインストルメントパネル。
- 助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で用いられるインストルメントパネルであって、
前記インストルメントパネルの裏面には、エアバック装置を収容・保持するエアバックリテーナが振動溶着されるリテーナ溶着面が形成され、
前記インストルメントパネルの裏面には、複数の第1補強リブ及び複数の第2補強リブが形成され、
前記第1補強リブは、前記インストルメントパネルの裏面の前記リテーナ溶着面以外の領域に形成され、
前記第2補強リブは、少なくとも、前記リテーナ溶着面に形成されていると共に、該リテーナ溶着面に対して傾斜して立設していることを特徴とするインストルメントパネル。 - 前記第1補強リブ及び前記第2補強リブは、前記インストルメントパネルが搭載される車両の車幅方向に沿って交互に形成され、
前記第2補強リブは、前記リテーナ溶着面上を横切って、その両端部が該リテーナ溶着面の外側の領域まで延設していると共に、その両端部がいずれも、隣接して形成された第1補強リブと相対向していることを特徴とする請求項4に記載のインストルメントパネル。
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