JP2012011826A - インストルメントパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で利用可能であると共に、所定剛性が確保された軽量なインストルメントパネルを低コストで提供する。
【解決手段】助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で用いられるインストルメントパネル1であって、インストルメントパネル1の裏面1aには、エアバック装置50を収容・保持するエアバックリテーナ20を振動溶着するためのリテーナ溶着面1a1が形成され、リテーナ溶着面1a1を含むインストルメントパネルの裏面1aには、複数の補強リブ11(11a、11b)が形成され、リテーナ溶着面1a1に形成された補強リブ11aは、リテーナ溶着面11aに対して傾斜して立設している。
【選択図】図1

Description

本発明は、インストルメントパネルに関し、例えば、助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で用いられるインストルメントパネルに関する。
車両の運転席の前方に設置されるインストルメントパネル(以下、単に「インパネ」ということもある)は、エアバック装置(助手席用のエアバック装置)が取り付けられることを前提に軽量化(薄肉化)が図られている。
また、上記の軽量化が図られたインパネは、部品共有化により、一般的に、助手席用のエアバック装置が取り付けられる仕様の車両(助手席エアバック有り仕様車)だけでなく、助手席用のエアバック装置が取り付けられない仕様の車両(助手席エアバック無し仕様車)にも搭載されるようになっている。
しかし、上記のように軽量化(薄肉化)が図られたインパネは、助手席エアバック無し仕様車に搭載される場合に剛性が不足するという課題を有していた。
そのため、従来からインパネの剛性不足を解消させるための提案がなされている。
例えば、特許文献1には、上記インパネが助手席エアバック無し仕様車に設置される場合に、剛性補強部材(連結部材)を取り付けて剛性を確保することが提案されている。
以下、図7及び図8を参照しながら、特許文献1に記載された従来技術のインパネ構造について説明する。
図7及び図8に示すように、特許文献1に記載されたインパネ構造は、インパネ110の上側部(インパネアッパ)110aの裏面に配置されたリテーナ112と、インパネ110を支持する車体側補強部材(インパネリンフォース)126との間に、連結部材114を架け渡して固定する構成が採用されている。
具体的には、前記インパネ構造は、インパネアッパ110aにエアバッグ展開用の開口部120を有するインパネ110と、開口部120を塞ぐようにインパネ110に配設されるリテーナ112とを備えている。また、前記インパネ構造は、助手席エアバック無し仕様車に設置される場合に、一端がインパネリンフォース126に連結され、且つ他端がリテーナ112の縁部に連結される連結部材114を備えている。
上記構成により、助手席エアバック無し仕様車に、軽量化(薄肉化)されたインパネ110が搭載された場合であっても、インパネ110の剛性不足を補うことができるようになっている。
なお、前記インパネ110は、助手席エアバック有り仕様車に搭載される場合、連結部材114を取り付けなくても、エアバック装置により剛性が確保されるようになっている。
また、例えば、特許文献2には、インパネ210の下面に取り付けられる剛性補強部材(補強部材)220の構造が提案されている。
具体的には、図9に示すように、補強部材220は、インパネ210の下面に沿って車両幅方向に延びる所要長さの上壁221と、当該上壁221とは離間してその四周端のフランジ部232で上壁221に接合する下壁231とにより形成された中空体225と、中空体225の左右後端から上壁221と下壁231とを下方に延在させ、上壁221と下壁231とで中空に形成した脚部227とを備えている。
また、補強部材220は、脚部227の上端がインパネ210の下面に締結され、脚部227の下端がインパネ210の下部構造部材251に締結されている。
そして、上記構成の補強部材220を用いることにより、「インパネ210全体の補強」及び「インパネ210の上面の押圧に対する剛性向上」を図ることができるようになっている。
特開2008−80835号公報 特開2005−186840号公報
しかしながら、上述した従来技術(特許文献1及び特許文献2に記載された技術)に記載されたインパネの剛性を高める方法は、車両のコストアップを招くという技術的課題を有している。
具体的には、特許文献1及び特許文献2に記載された技術は、いずれも、インパネに、別体の剛性補強部材(連結部材或いは補強部材)を取り付ける構成を採用しているため、当該剛性補強部材の「部品コスト」及び「取付け作業コスト」により、車両のコストアップを招いていた。
特に、エアバック無し仕様車が主流を占める地域(又は国)では、上述したコストアップが大きな問題となっている。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で利用可能であると共に、所定剛性が確保された軽量なインストルメントパネルを低コストで提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明は、助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で用いられるインストルメントパネルであって、前記インストルメントパネルの裏面には、エアバック装置を収容・保持するエアバックリテーナを振動溶着するためのリテーナ溶着面が形成され、前記リテーナ溶着面を含むインストルメントパネルの裏面には、複数の補強リブが形成され、前記リテーナ溶着面に形成された補強リブは、該リテーナ溶着面に対して傾斜して立設していることを特徴としている。
また、前記リテーナ溶着面に形成された補強リブは、該リテーナ溶着面にエアバックリテーナが振動溶着される工程において、一定方向に倒れてエアバックリテーナと、該リテーナ溶着面との間に挟持されるようになされていることが望ましい。
このように、本発明のインストルメントパネルは、裏面側に複数の補強リブが形成されているため、軽量化(薄肉化)がなされていても、所定の剛性を持たせることができる。
すなわち、本発明のインストルメントパネルは、複数の補強リブを設けることにより所定の剛性が確保されるため、助手席エアバック無し仕様車に搭載される場合であっても、上述した従来技術のように、剛性補強部材(連結部材又は補強部材)を取り付ける必要がない。
そのため、本発明のインストルメントパネルを用いることにより、車両(特に助手席エアバック無し仕様車)のコストを低減することができる。
また、本発明では、前記リテーナ溶着面に形成された補強リブがリテーナ溶着面に対して傾斜している。
そのため、リテーナ溶着面にエアバックリテーナを振動溶着する工程において、リテーナ溶着面に形成された補強リブを所定方向に倒し(振動溶着の際にうける加圧荷重により補強リブを倒すことができ)、リテーナとリテーナ溶着面との間に補強リブを挟持させることができる。
そして、リテーナ溶着面にエアバックリテーナが溶着されると、リテーナ溶着面に形成された補強リブは、エアバックリテーナと、前記リテーナ溶着面との間に挟まって収められた状態になる。
すなわち、本発明のインストルメントパネルは、その裏面に補強リブを形成した構成を採用しているにもかかわらず、その裏面(リテーナ溶着面)にエアバックリテーナを振動溶着で取り付けることができるようになっている。
また、前記リテーナ溶着面に形成される補強リブは、射出成形工程において、インストルメントパネルの成形方向視に斜めに配策されることにより形成されていることが望ましい。
上記の構成により、射出成形工程の際に面倒な作業をすることなく、上述した傾斜している補強リブを成形することができる。
また、上記課題を解決するための本発明は、助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で用いられるインストルメントパネルであって、前記インストルメントパネルの裏面には、エアバック装置を収容・保持するエアバックリテーナが振動溶着されるリテーナ溶着面が形成され、前記インストルメントパネルの裏面には、複数の第1補強リブ及び複数の第2補強リブが形成され、前記第1補強リブは、前記インストルメントパネルの裏面の前記リテーナ溶着面以外の領域に形成され、前記第2補強リブは、少なくとも、前記リテーナ溶着面に形成されていると共に、該リテーナ溶着面に対して傾斜して立設していることを特徴としている。
このように、本発明のインストルメントパネルは、その裏面に形成された複数の補強リブ(第1補強リブ及び第2補強リブ)により所定剛性を確保できるため、上述した従来技術のように、剛性補強部材(連結部材又は補強部材)を取り付ける必要がなく、車両のコストを低減できる。
また、第2補強リブが、リテーナ溶着面に対して傾斜しているため、リテーナ溶着面にエアバックリテーナを振動溶着する工程において、第2補強リブが、エアバックリテーナを介して受ける加圧荷重により、所定方向に折れ曲がり倒れる。これにより、リテーナ溶着面にエアバックリテーナを溶着することができる。
すなわち、本発明のインストルメントパネルは、その裏面に補強リブ(第1補強リブ、第2補強リブ)を形成した構成を採用しながら、その裏面(裏面に形成されたリテーナ溶着面)にエアバックリテーナを振動溶着で取り付けることができるようになっている。
また、前記第1補強リブ及び前記第2補強リブは、前記インストルメントパネルが搭載される車両の車幅方向に沿って交互に形成され、前記第2補強リブは、前記リテーナ溶着面上を横切って、その両端部が該リテーナ溶着面の外側の領域まで延設していると共に、その両端部がいずれも、隣接して形成された第1補強リブと相対向していることが望ましい。
このように、前記第1補強リブ及び前記第2補強リブを形成することにより、インストルメントパネルの剛性を確保することができる。
本発明によれば、助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で利用可能であると共に、所定剛性が確保された軽量なインストルメントパネルを低コストで提供することができる。
本発明の第1実施形態のインストルメントパネルの裏面の構造を示した模式図であり、(a)は第1実施形態のインストルメントパネルを裏面側から見た模式図であり、(b)は第1実施形態のインストルメントパネルの裏面に形成された補強リブを拡大して示した模式図である。 図1(b)のA−A断面を示した模式図である。 図1(b)のB−B断面を示した模式図である。 本発明の第1実施形態のインストルメントパネルに、エアバック装置を収容・保持したエアバックリテーナが取り付けられた状態を示した模式図である。 本発明の第1実施形態のインストルメントパネルのリテーナ溶着面に、エアバックリテーナを振動溶着する工程を示した模式図である。 本発明の第2実施形態のインストルメントパネルの裏面の構造を示した模式図であり、(a)は第2実施形態のインストルメントパネルを裏面側から見た模式図であり、(b)は第2実施形態のインストルメントパネルの裏面に形成された補強リブを拡大して示した模式図である。 従来技術のインストルメントパネルの斜視図である。 従来技術のインストルメントパネル及び連結部材の断面を示した模式図である。 従来技術のインストルメントパネル及び補強部材の断面を示した模式図である。
以下、本発明の実施形態のインストルメントパネルを図面に基づいて説明する。
先ず、本発明の第1実施形態のインストルメントパネルを図1乃至図5に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の第1実施形態のインストルメントパネルの裏面の構造を示した模式図であり、図1(a)は、第1実施形態のインストルメントパネルを裏面側から見た模式図であり、図1(b)は、第1実施形態のインストルメントパネルの裏面に形成された補強リブを拡大して示した模式図である。
また、図2は、図1(b)のA−A断面を示した模式図であり、図3は、図1(b)のB−B断面を示した模式図である。
また、図4は、本発明の第1実施形態のインストルメントパネルに、エアバック装置を収容・保持したエアバックリテーナが取り付けられた状態を示した模式図である。また、図5は、本発明の第1実施形態のインストルメントパネルのリテーナ溶着面に、エアバックリテーナを振動溶着する工程を示した模式図である。
なお、第1実施形態のインストルメントパネルは、上側部の裏面に形成された補強リブの構造に特徴があり、それ以外の構造(形状や材質)は周知技術のものと同じである。そのため、以下では、第1実施形態の特徴的な構造を詳細に説明し、それ以外の構造の説明は簡略化する。
本発明の第1実施形態のインストルメントパネル(インパネ)1は、助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で利用できるように構成されている。
また、前記インパネ1は、合成樹脂で形成されており、軽量化(薄肉化)が図られていると共に、助手席エアバック無し仕様車に搭載される場合においても、別体の剛性補強部材を取り付けなくても、インパネ1単体で所定の剛性が得られるようになっている。
具体的には、図1(a)に示すように、インパネ1は、上側部の裏面1aに、エアバック装置50(図4参照)を収容・保持したエアバックリテーナ20(図4参照)の一方面(フランジ部22及びフラップ23)が振動溶着されるリテーナ溶着面1a1(図中の破線で囲んだ領域)が形成されている。
なお、リテーナ溶着面1a1は、インパネ1の裏面1aの一端側1A及び他端側1Bの間の領域に形成されている。
また、エアバックリテーナ20は、エアバック装置50(図4参照)を収容・保持可能に構成されていると共に、前記一方面がリテーナ溶着面1a1に振動溶着できるようになっていればよく、具体的な構成について特に限定されるものではない。例えば、エアバックリテーナ20は、図4に示すように構成されている。
図4に示すように、エアバッグリテーナ20は、エアバッグ装置50を収容・保持する枠体21と、枠体21の一端部(図中では上端)から当該枠体21の外側に延設されたフランジ部22と、枠体21の一端部内側に配置されたフラップ部23と、枠体21の一端部とフラップ部23の基端部とを連結するヒンジ部24とを備えている。
また、エアバックリテーナ20の一方面(フランジ部22及びフラップ部23)には、複数の溶着リブ25(図5参照)が形成されており、当該一方面がインパネ1の振動溶着面1a1に振動溶着されて取り付けられるようになっている。
そして、リテーナ溶着面1a1に、エアバック装置50を収容・保持したエアバックリテーナ20のフランジ部22及びフラップ23が溶着されると、「インパネ1のリテーナ溶着面1a1が形成された部位」及び「フランジ部22、フラップ部23及びヒンジ部24」が、エアバック装置50が作動したときに(エアバックが膨張したときに)、膨張したエアバックを助手席側に飛び出させるエアバックドア部として機能するようになっている。
また、図1に示すように、インパネ1の上側部の裏面1a(リテーナ溶着面1a1を含むインパネ1の裏面1a)には、複数の補強リブ11が立設している。また、補強リブ11は、その長手方向が「インパネ1の短手方向(インパネ1が車両に搭載された場合における当該車両の前後方向)」と略平行になるように配置されている。
このように、第1実施形態のインパネ1は、その裏面に複数の補強リブ11が形成されているため、軽量化(薄肉化)がなされていても、所定剛性を持たせることができる。
すなわち、第1実施形態のインパネ1は、インパネ1単体で所定剛性を有するように形成できるため、助手席エアバック無し仕様車に搭載される場合であっても、別体の剛性補強部材(連結部材や補強部材等)を取り付ける必要がなく、上述した従来技術と比べて、車両コストを低減することができる。
また、補強リブ11は、図1(a)に示すように、インパネ1の裏面1aにおいて、インパネ1の一端部1Aから他端部1Bにかけて延設され(インパネ1の短手方向に延設され)、さらに、リテーナ溶着面1a1上に形成された部位11aがインパネ面から傾斜した状態で立設している。
具体的には、補強リブ11は、図1及び図3に示すように、リテーナ溶着面1a1上に形成される部位11aが、インパネ面(インパネの意匠面(ここではリテーナ溶着面))に対して傾斜して立設している(インパネ面と直交する方向Vから「θ度」傾斜して立設している)。
また、補強リブ11は、図1及び図2に示すように、リテーナ溶着面1a1以外の領域1a2に形成される部位11bが、インパネ面に対して垂直(インパネ面と直交する方向V)に立設している。
このように、第1実施形態において、リテーナ溶着面1a1に形成された補強リブ11aを傾斜させた構造にしているのは、補強リブ11aが形成されたリテーナ溶着面1a1にエアバックリテーナ20を振動溶着できるようにするためである。
具体的には、図5に示すように、リテーナ溶着面1a1にエアバックリテーナ20を振動溶着する工程において、リテーナ溶着面1a1に形成された傾斜した補強リブ11aは、エアバックリテーナ20を介して振動溶着装置(図示せず)からの荷重Fを受ける。
また、リテーナ溶着面1a1に形成された補強リブ11aは、所定方向に傾斜しているため、上記の荷重Fを受けると所定方向に折れ曲がり倒れ、エアバックリテーナ20と、リテーナ溶着面1a1との間に挟持されるようになっている。
そして、インパネ1のリテーナ溶着面1a1にエアバックリテーナ20が溶着されると、リテーナ溶着面1a1に形成された補強リブ11aは、エアバックリテーナ20と、リテーナ溶着面1a1との間に挟まって収められた状態になる。
なお、インパネ1にエアバックリテーナ20(及びエアバック装置50)を取り付ける場合、上記のように補強リブ11を倒しても、インパネ1は、エアバックリテーナ20(及びエアバック装置50)に支持されるため、所定の剛性が得られるようになっている。
このように、第1実施形態のインパネ1は、その裏面1a1に補強リブ11を形成しているにもかかわらず、エアバックリテーナ20(及びエアバック装置50)を振動溶着で取り付けられるようになっている。
なお、従来技術のインパネ(助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で利用するインパネ)は、エアバックリテーナ20を振動溶着するため、その裏面に補強リブを形成する構成が採用されていなかった。すなわち、インパネの裏面に、一般的な形状の補強リブを形成した場合、振動溶着ができなくなるため、補強リブを形成する構成が採用されていなかった。
また、第1実施形態では、補強リブ11の成形方法について、具体的に限定するものではないが、例えば、以下の方法により、補強リブ11を形成するようにしてもよい。
具体的には、インパネ1を樹脂射出成形する工程において、インパネ1のなかのリテーナ溶着面1a1になる部分(或いは、リテーナ溶着面1a1の周辺部まで含めた部分)の補強リブ11を「インパネ1の成形方向視(図4の矢印Sの方向視)」にて斜めに配策する。
これにより、前記樹脂射出成形により金型から取り出されて得られたインパネ1は、リテーナ溶着面1a1に形成されたリブ11だけが、インパネ面(インパネ1の意匠面)に対して斜めに傾斜した状態で立設するようになる。
このように、インパネ1のうちリテーナ溶着面1a1の補強リブ11を「インパネ1の成形方向視」にて斜めに配策することにより、射出成形工程の際に面倒な作業をすることなく(すなわち、製造コストを抑えて)、インパネ面に対して斜めに立設するリブ11aを形成することができる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で利用可能であると共に、所定剛性が確保された軽量なインパネ1を提供することができる。
また、第1実施形態のインパネ1を採用することにより、上述した従来技術のように剛性補強部材を取り付ける必要がなくなるため、車両コストを低減することができる。
次に、本発明の第2実施形態のインストルメントパネル(インパネ)を図6に基づいて説明する。
ここで、図6は、本発明の第2実施形態のインストルメントパネルの裏面の構造を示した模式図であり、図6(a)は第2実施形態のインストルメントパネルを裏面側から見た模式図であり、図6(b)は第2実施形態のインストルメントパネルの裏面に形成された補強リブを拡大して示した模式図である。
なお、第2実施形態のインパネ1’は、第1実施形態のインパネ1と補強リブの構成が異なる以外は略同様の構成を備えている。そのため、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同じ構成及び相当するは同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように、第2実施形態のインパネ1’は、第1実施形態と同様、その裏面1aの一端側1A及び他端側1Bの間の領域に、リテーナ溶着面1a1が形成されている。
また、インパネ1’の裏面1aには、エアバックリテーナ20が溶着される場合に倒される傾斜補強リブ(第2補強リブ)13と、倒されない垂直補強リブ12(第1補強リブ)とが各々独立に複数形成されている。
具体的には、複数の垂直補強リブ12は、インパネ1’の裏面1aのうちのリテーナ溶着面1a1以外の領域1a2に形成されていると共に、その長手方向が「インパネ1’の短手方向(インパネ1’が車両に搭載された場合における当該車両の前後方向)」と略平行に配置されている。
また、複数の傾斜補強リブ13は、インパネ1’の裏面1aのリテーナ溶着面1a1上を横切って、その両端部がリテーナ溶着面1a1の外側の領域まで延設されている。なお、傾斜補強リブ13は、その長手方向が「インパネ1’の短手方向(車両の前後方向)」と略平行に配置されている。
このように、第2実施形態では、インパネ1’の裏面1a1に、「複数の垂直補強リブ12」及び「複数の傾斜補強リブ13」が形成されているため、第1実施形態のインパネ1と同様、軽量化(薄肉化)がなされても、所定の剛性を持たせることができる。
また、垂直補強リブ12は、第1実施形態の補強リブ11b(図2参照)と同様、インパネ面に対して垂直(インパネ面と直交する方向V)に立設している。
また、前記傾斜補強リブ13は、第1実施形態の補強リブ11a(図3参照)と同様、インパネ面に対して傾斜して立設している(インパネ面と直交する方向Vから「θ度」傾斜して立設している)。
そして、傾斜補強リブ13は、第1実施形態と同様、振動溶着の際に受ける荷重F(図5参照)により、所定方向に折れ曲がり倒れ、エアバックリテーナ20の上面と、リテーナ溶着面1a1との間に収容されるようになっている。
このように、第2実施形態のインパネ1’においても、第1実施形態のインパネ1と同様、裏面1a1に補強リブ(垂直補強リブ12、傾斜補強リブ13)を形成した構成を採用しているにもかかわらず、リテーナ溶着面1a1にエアバックリテーナ20を取り付けることができるようになっている。
また、図6に示すように、インパネ1’のリテーナ溶着面1a1が形成された領域では、垂直補強リブ12及び傾斜補強リブ13が、インパネ1’の長手方向(インパネ1’が搭載される車両の車幅方向)に沿って交互に配置されている。
具体的には、垂直補強リブ12は、インパネ1’のリテーナ溶着面1a1以外の領域1a2であって且つリテーナ溶着面1a1の両側(インパネ1’の一端側1A及び他端側1B)に、それぞれ、複数配置されている。
また、傾斜補強リブ13は、その一端部の側面が「インパネ1’の一端側1Aに形成された隣接する垂直補強リブ12の側面」と相対向するように配置され、その他端部の側面が「インパネ1’の他端側1Bに形成された隣接する垂直補強リブ12の側面」と相対向するように配置されている。
上記のように垂直補強リブ12及び傾斜補強リブ13を構成することにより、隣接する垂直補強リブ12と傾斜補強リブ13とが、インパネ1’の短手方向(車両の前後方向)に沿って重なるラップt(図6(b)参照)が形成されるようになる。
このように、ラップtを形成することにより、垂直補強リブ12と傾斜補強リブ13とが、インパネ1’の短手方向に沿って分かれていても、インパネ1’の剛性を確保することができる。
なお、ラップtの大きさ寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、「10mm〜50mm」程度になされていることが望ましい。
以上説明したように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様、助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で利用可能であると共に、所定剛性が確保された軽量なインパネ1’を提供することができる。
また、第2実施形態のインパネ1’を採用することにより、上述した従来技術のように剛性補強部材を取り付ける必要がなくなるため、車両コストを低減することができる。
また、第2実施形態のインパネ1’は、傾斜補強リブ13と垂直補強リブ12とが各々独立に形成されているため、リテーナ溶着面1a1にエアバックリテーナ20を振動溶着する工程において、第1実施形態のインパネ1の補強リブ11と比べて、傾斜補強リブ13を容易に倒すことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態(第1実施形態、第2実施形態)に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上述した実施形態(第1実施形態、第2実施形態)で示した、補強リブ(補強リブ11、垂直補強リブ12及び傾斜補強リブ13)の向き、数量は、あくまでも一例である。補強リブ(補強リブ11、垂直補強リブ12及び傾斜補強リブ13)の向き、数量は、インパネ1(又はインパネ1’)の大きさや形状により、適宜設計される。
1 インストルメントパネル
1’ インストルメントパネル
1a 裏面(インストルメントパネル)
1a1 リテーナ溶着面(インストルメントパネル)
1a2 リテーナ溶着面以外の領域(インストルメントパネル)
11、11a、11b 補強リブ(インストルメントパネル)
12 垂直補強リブ(インストルメントパネル)
13 傾斜補強リブ(インストルメントパネル)
20 エアバックリテーナ
21 枠体(エアバックリテーナ)
22 フランジ部(エアバックリテーナ)
23 フラップ部(エアバックリテーナ)
24 ヒンジ部(エアバックリテーナ)
25 溶着リブ(エアバックリテーナ)
50 エアバッグ装置

Claims (5)

  1. 助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で用いられるインストルメントパネルであって、
    前記インストルメントパネルの裏面には、エアバック装置を収容・保持するエアバックリテーナを振動溶着するためのリテーナ溶着面が形成され、
    前記リテーナ溶着面を含むインストルメントパネルの裏面には、複数の補強リブが形成され、
    前記リテーナ溶着面に形成された補強リブは、該リテーナ溶着面に対して傾斜して立設していることを特徴とするインストルメントパネル。
  2. 前記リテーナ溶着面に形成された補強リブは、該リテーナ溶着面にエアバックリテーナが振動溶着される工程において、一定方向に倒れてエアバックリテーナと、該リテーナ溶着面との間に挟持されるようになされていることを特徴とする請求項1に記載のインストルメントパネル。
  3. 前記リテーナ溶着面に形成される補強リブは、射出成形工程において、インストルメントパネルの成形方向視に斜めに配策されることにより形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインストルメントパネル。
  4. 助手席エアバック有り仕様車及び助手席エアバック無し仕様車に共用で用いられるインストルメントパネルであって、
    前記インストルメントパネルの裏面には、エアバック装置を収容・保持するエアバックリテーナが振動溶着されるリテーナ溶着面が形成され、
    前記インストルメントパネルの裏面には、複数の第1補強リブ及び複数の第2補強リブが形成され、
    前記第1補強リブは、前記インストルメントパネルの裏面の前記リテーナ溶着面以外の領域に形成され、
    前記第2補強リブは、少なくとも、前記リテーナ溶着面に形成されていると共に、該リテーナ溶着面に対して傾斜して立設していることを特徴とするインストルメントパネル。
  5. 前記第1補強リブ及び前記第2補強リブは、前記インストルメントパネルが搭載される車両の車幅方向に沿って交互に形成され、
    前記第2補強リブは、前記リテーナ溶着面上を横切って、その両端部が該リテーナ溶着面の外側の領域まで延設していると共に、その両端部がいずれも、隣接して形成された第1補強リブと相対向していることを特徴とする請求項4に記載のインストルメントパネル。
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