JP2012011771A - 記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体と、該支持体上に第1の層と最表層とをこの順に有する記録媒体であって、該第1の層はアルミナ及びアルミナ水和物の少なくとも一方を含有し、該最表層は顔料を含有し、該最表層は該第1の層よりも屈折率が低く、該最表層の絶乾塗工量は0.1g/m2以上0.5g/m2以下であることを特徴とする記録媒体。
【選択図】 なし
Description
本発明の支持体としては、キャストコート紙、バライタ紙、レジンコート紙(表面がポリオレフィン等の樹脂で被覆された樹脂被覆紙)等の紙類を好ましく用いることができる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリアセテート、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等の透明な熱可塑性フィルム等を好ましく用いることができる。これ以外にも、適度なサイジングが施された紙である無サイズ紙やコート紙、無機物の充填もしくは微細な発泡により不透明化されたフィルムからなるシート状物質(合成紙等)を使用できる。また、ガラス又は金属等からなるシート等を使用しても良い。さらに、これらの支持体とその上に形成する層との接着強度を向上させるため、支持体の表面にコロナ放電処理や各種アンダーコート処理を施してもよい。上述した支持体の中でも、記録媒体の光沢感等の点から、レジンコート紙を用いることが好ましい。
本発明の第1の層は、顔料としてアルミナ及びアルミナ水和物の少なくとも一方を含有する。アルミナ及びアルミナ水和物の少なくとも一方を含有するため、インク吸収性が良好である。
一般式(1) Al2O3−n(OH)2n・mH2O
(上式中、nは0、1、2又は3のうちのいずれかを表わし、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下の数を表わす。mH2Oは、多くの場合結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表わすものであるため、mは整数でない値をとることができる。また、アルミナ水和物をか焼すると、mは0の値をとりうる。ただし、nとmは同時に0にはならない。)
本発明の最表層は、記録媒体の最表面に位置する。また、記録媒体の表面を覆うように形成される。最表層と第1の層は、隣接していても、間に別の層が存在していてもよいが、隣接している形態であることが好ましい。最表層は記録媒体の最表面に位置するものである。記録媒体の表面反射は、その表面と空気との界面で発生するものである。このため、最表面に、第1の層よりも屈折率が小さい層を設けることで表面反射を抑制し、しまりのある画像を形成することができる。即ち、最表層は第1の層よりも屈折率が低いものである。
本発明の記録媒体は、支持体と第1の層との間に、その他の層(第2の層)を有していてもよい。或いは、第1の層と最表層との間に、第1の層のインク吸収に大きな影響を与えないようなその他の層(第3の層)を有していてもよい。第2の層及び第3の層は、第1の層と同じような構成としてもよい。
第1の層及び最表層の屈折率は、光学的測定器を用いることによって計測する。光学的測定器としては、分光エリプソメーターが挙げられる。
本発明の記録媒体の製造方法として、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、顔料、バインダー、架橋剤、pH調整剤、各種添加剤、水等を必要に応じて混合した塗工液を、各層毎に調製する。これらの塗工液を、支持体上或いは層上に塗工する。塗工は、例えば、各種カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーター等を用い、オンマシンやオフマシンで塗工する。塗工時に、各塗工液の粘度調製等を目的として、塗工液を加温してもよく、コーターヘッドを加温してもよい。また、塗工後の塗工液の乾燥は、例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機を用いて行う。また、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等を用いてもよい。
下記条件にて支持体を作製した。まず、下記組成の紙料を固形分濃度が3.0%となるように水で調製した。
・パルプ 100部
(濾水度450mlCSF(Canadian Standard Freeness)の、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)(80部)、及び濾水度480mlCSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)(20部))。
・カチオン化澱粉 0.60部。
・重質炭酸カルシウム 10部。
・軽質炭酸カルシウム 15部。
・アルキルケテンダイマー 0.10部。
・カチオン性ポリアクリルアミド 0.030部。
イオン交換水333部に対して、解膠酸として、メタンスルホン酸1.65部を添加した。このメタンスルホン酸水溶液をホモミキサー(商品名:T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3000rpmの回転条件で攪拌しながらアルミナ水和物(DISPERAL HP14、サソール製)100部を少量ずつ添加した。添加終了後もそのまま30分間攪拌し、固形分濃度23%のアルミナ水和物分散液1を調製した。
イオン交換水333部に対して、解膠酸として、メタンスルホン酸1.65部を添加した。このメタンスルホン酸水溶液をホモミキサー(商品名:T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3000rpmの回転条件で攪拌しながら気相法γ―アルミナ(Aeroxide Alu C、Evonik製)100部を少量ずつ添加した。添加終了後もそのまま30分間攪拌し、固形分濃度23%のアルミナ分散液1を調製した。
以下のようにしてカチオン性エマルションを製造した。攪拌装置、温度計および還流冷却管を備えた反応容器に、反応溶媒としてアセトン109gを投入した。撹拌下、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール40.00gおよびメチルジエタノールアミン6.79gを溶解させ、40℃まで昇温してイソホロンジイソシアネートを62.07g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒を0.2g加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら4時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して85%蟻酸3.09gを加えて反応生成物をカチオン化した。さらに水446gを加えた後、減圧濃縮してアセトンを除去し、水で濃度調製することにより固形分20%のカチオン性エマルション1を製造した。得られたカチオン性エマルション1の平均粒子径をレーザー粒子径解析装置PARIII(大塚電子製)により測定した結果、50nmであった。
吸引型分散撹拌機Conti−TDS中にて、イオン交換水420部に対し、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(商品名:シャロールDC902P、第一工業製薬製)を5部添加した。さらに、最大回転数で気相法シリカ(商品名:AEROSIL300、日本アエロジル製)を少量ずつ100部添加し、24時間分散を行い固形分濃度20%の気相法シリカ分散液1を調製した。
吸引型分散撹拌機Conti−TDS中にて、イオン交換水420部に対し、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(商品名:シャロールDC902P、第一工業製薬製)を5部を添加した。さらに、最大回転数で気相法シリカ(商品名;AEROSIL200、日本アエロジル製)を少量ずつ100部添加し、24時間分散を行い固形分濃度20%の気相法シリカ分散液2を調製した。
下記の組成で、各塗工液を調製した。尚、塗工液組成の配合部数は、顔料の総固形分を100部とした値である。
・アルミナ水和物分散液1 435部。
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%) 112.5部。
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 23部。
・アルミナ水和物分散液1 348部。
・アルミナ分散液1 87部。
・カチオン性ポリウレタンエマルジョン 15部。
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%) 112.5部。
・界面活性剤(サーフィノール465、日信化学工業製)
0.7部。
・酢酸ジルコニル(ジルコゾールZA−30、第一希元素化学工業製、固形分30%)
0.67部。
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 23部。
・気相法シリカ分散液1 500部。
・カチオン性ポリウレタンエマルジョン 15部。
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%) 250部。
・界面活性剤(サーフィノール465、日信化学工業製)
0.7部。
・酢酸ジルコニル(ジルコゾールZA−30、第一希元素化学工業製、固形分30%)
3.33部。
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 60部。
・アルミナ水和物分散液1 435部。
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%) 112.5部。
・酢酸ジルコニル(ジルコゾールZA−30、第一希元素化学工業製、固形分30%)
1.67部。
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 40部。
・アルミナ水和物分散液1 435部。
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%) 112.5部。
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 23部。
・気相法シリカ分散液1 525部。
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%) 250部。
・酢酸ジルコニル(ジルコゾールZA−30、第一希元素化学工業製、固形分30%)
0.67部。
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 80部。
以下の組成で、最表層用塗工液1を調整した。
・気相法シリカ分散液1 525部。
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%) 250部。
・界面活性剤(サーフィノール465、日信化学工業製) 0.75部。
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 80部。
最後にイオン交換水を加え、固形分濃度を12.5%となるように調製した。
以下の組成で、最表層用塗工液2を調整した。
・気相法シリカ分散液2 525部。
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%) 250部。
・界面活性剤(サーフィノール465、日信化学工業製) 0.75部。
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 80部。
最後にイオン交換水を加え、固形分濃度を12.5%となるように調製した。
第1の層用塗工液1及び最表層用塗工液1を、下層に第1の層、上層に最表層となるよう、合計2層を多層スライドホッパー型塗工装置にて支持体の表面側に塗工した。第1の層の絶乾塗工量は35.0g/m2、最表層の絶乾塗工量は0.1g/m2とした。続いて熱風乾燥機を用いて60℃で乾燥を行い、記録媒体A−1を製造した。
最表層の絶乾塗工量を0.2g/m2とした以外は記録媒体A−1と同様にして記録媒体A−2を製造した。
最表層の絶乾塗工量を0.3g/m2とした以外は記録媒体A−1と同様にして記録媒体A−3を製造した。
最表層の絶乾塗工量を0.5g/m2とした以外は記録媒体A−1と同様にして記録媒体A−4を製造した。
最表層用塗工液1のポリビニルアルコール水溶液の添加部数を325部とした以外は記録媒体A−2と同様にして記録媒体A−5を製造した。
最表層用塗工液1のポリビニルアルコール水溶液の添加部数を388部とした以外は記録媒体A−2と同様にして記録媒体A−6を製造した。
最表層用塗工液1のポリビニルアルコール水溶液の添加部数を188部とした以外は記録媒体A−2と同様にして記録媒体A−7を製造した。
最表層用塗工液1のポリビニルアルコール水溶液の添加部数を125部とした以外は記録媒体A−2と同様にして記録媒体A−8を製造した。
最表層用塗工液1を最表層用塗工液2とした以外は記録媒体A−2と同様にして記録媒体A−9を製造した。
第2の層用塗工液1、第1の層用塗工液2、最表層用塗工液1を、支持体の表面側に、第2の層、第1の層、最表層の順になるように多層スライドホッパー型塗工装置にて塗工した。第2の層の絶乾塗工量は25.0g/m2、第1の層の絶乾塗工量は10.0g/m2、最表層の絶乾塗工量は0.2g/m2とした。続いて熱風乾燥機を用いて60℃で乾燥を行い、記録媒体A−10を製造した。
記録媒体A−10の第1の層用塗工液2の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を0.17部に変更した以外は記録媒体A−10と同様にして記録媒体A−11を製造した。
記録媒体A−10の第2の層用塗工液1を第2の層用塗工液2に、第1の層用塗工液2を第1の層用塗工液1に変更した以外は記録媒体A−10と同様にして記録媒体A−12を製造した。
最表層を設けなかった以外は記録媒体A−1と同様にして記録媒体A−13を製造した。
最表層の絶乾塗工量を0.7g/m2とした以外は記録媒体A−1と同様にして記録媒体A−14を製造した。
最表層用塗工液1の気相法シリカ分散液1の代わりに、球状コロイダルシリカゾル(商品名:スノーテックス O、日産化学製)を用いたこと以外は記録媒体A−2と同様にして記録媒体A−15を製造した。
最表層用塗工液1の気相法シリカ分散液1の代わりに、非球状コロイダルシリカゾル(商品名:スノーテックス OUP、日産化学製)を用いたこと以外は記録媒体A−2と同様にして記録媒体A−16を製造した。
第1の層用塗工液2を第1の層用塗工液3に、第2の層用塗工液1を第2の層用塗工液3に変更した以外は記録媒体A−10と同様にして記録媒体B−17を製造した。
以上の製造した各記録媒体について、以下の評価を行った。
各記録媒体に対して、インクジェットプリンタ(商品名;PIXUS MP980、キヤノン製)のプラチナモード(デフォルト設定)により、黒のベタ画像の印字を行なった。1日乾燥後に、画像について、分光光度計(CMS−35SP、村上色彩技術研究所製)を用いてSCI方式による反射測定を行い、Y値を測定した。測定したY値について、下記の基準に基づきランクを決定した。
AA:1.6未満
A:1.6以上1.8未満
B:1.8以上、2.0未満
C:2.0以上、2.2未満
D:2.2以上
上述の各記録媒体のインク吸収性をそれぞれ評価した。印字はiP4600(商品名、キヤノン製)の印字処理方法を改造した装置を用いた。印字パターンは、Green色の64階調のベタ(6.25%Duty刻みで64階調、0〜400%Duty)を用いた。具体的には、0%Dutyから400%Dutyまで、6.25%ずつDutyを変更した、Dutyの異なる64種類の1平方インチのベタ画像を形成した。各ベタ画像は、キャリッジ速度が25インチ/秒で、往復2回のパスで印字が完了する双方向印字で形成した。尚、400%Dutyとは、解像度が600dpiのインクジェットヘッドを用いて、1/600平方インチあたりに44ngのインクを付与することを意味する。インク吸収性とビーディングはほぼ相関性があるため、ビーディングを評価することによって、記録媒体のインク吸収性を評価した。ビ―ディングとは、表面に付与されたインク滴がインク受容層に吸収される前に、隣接するインク滴と接触して色ムラのある画像ができる現象をいう。評価は目視で行い、下記の評価基準に基づきランクを決定した。
AA:300%Dutyでもビーディングが観察されなかった。
A:250%Duty以上300%Duty以下の範囲ではビーディングがやや観察されたが、250%Duty未満ではビーディングが観察されなかった。
B:200%Duty以上250%Duty以下の範囲ではビーディングがやや観察されたが、200%Duty未満ではビーディングが観察されなかった。
C:200%Duty未満でもビーディングが観察された。
実施例1〜12の記録媒体を温度30℃、相対湿度80%の高湿環境下に6時間保存した。その後、同環境下で、インクジェット記録装置(商品名;PIXUS MP980、キヤノン製)のプラチナモード(デフォルト設定)により、黒のベタ画像の印字を行なった。印字物表面の搬送ローラー通過部の傷を、以下の基準に基づいて目視で評価し、ランクを決定した。
AA:ローラーマークは観察されなかった。
A:ローラーマークが一本が観察された。
B:ローラーマークが複数本観察された。
Claims (4)
- 支持体と、該支持体上に第1の層と最表層とをこの順に有する記録媒体であって、
該第1の層はアルミナ及びアルミナ水和物の少なくとも一方を含有し、該最表層は顔料を含有し、該最表層は該第1の層よりも屈折率が低く、該最表層の絶乾塗工量は0.1g/m2以上0.5g/m2以下であることを特徴とする記録媒体。 - 該最表層が含有する顔料は気相法シリカである請求項1に記載の記録媒体。
- 該最表層は顔料に対してバインダーを30.0質量%以下含有する請求項1または2に記載の記録媒体。
- 該最表層が含有する顔料の平均一次粒子径は7.0nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の記録媒体。
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