JP4693782B2 - インクジェット用記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
インクジェット用記録媒体及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4693782B2 JP4693782B2 JP2006545215A JP2006545215A JP4693782B2 JP 4693782 B2 JP4693782 B2 JP 4693782B2 JP 2006545215 A JP2006545215 A JP 2006545215A JP 2006545215 A JP2006545215 A JP 2006545215A JP 4693782 B2 JP4693782 B2 JP 4693782B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- substituted
- receiving layer
- ink receiving
- carbon atoms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41M—PRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
- B41M5/00—Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
- B41M5/50—Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
- B41M5/52—Macromolecular coatings
- B41M5/5227—Macromolecular coatings characterised by organic non-macromolecular additives, e.g. UV-absorbers, plasticisers, surfactants
Description
(1)支持体上に微細多孔質構造のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体であって、
前記微細多孔質構造のインク受容層は、スルホニル基を有するフェノール化合物と、拡散可能なスルフィン酸塩と、を有し、
前記スルホニル基を有するフェノール化合物は、下記式(I)で表される化合物及び下記式(II)で表される化合物のうち少なくとも1種である
ことを特徴とするインクジェット用記録媒体。
前記インク受容層に所定モル数のスルフィン酸化合物を含む塗工液を塗工する工程と、
前記インク受容層に前記スルフィン酸化合物のモル数より少ないモル数のフェノール誘導体を供給する工程と、
前記インク受容層中で前記スルフィン酸化合物の一部と前記フェノール誘導体とを反応させて下記式(I)で表される化合物及び下記式(II)で表される化合物のうち少なくとも1種と、拡散可能なスルフィン酸塩とを共に存在させる工程と、
を有することを特徴とするインクジェット用記録媒体の製造方法。
1 :2,6−ジ−t−ブチルフェノール、
2 :2,4−ジ−t−ブチルフェノール、
3 :2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、
4 :2−t−ブチル−4,6−ジ−メチルフェノール、
5 :2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
6 :2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、
7 :2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、
8 :2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、
9 :2,6−ジ−t−ブチル−2−ジメチルアミノ−p−クレゾール、
11:3,9−bis〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェノール)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン
12:n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル4’−ヒドロキシフェニル)−プロピネート、
13:2,4−bis−(n−オクチノ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−チアゾリン、
14:2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアセテート
15:2,2’−メチレン−Bis−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)
16:2,2’−メチレン−Bis−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)
17:2,2’−メチレン−Bis−(6−シクロヘキシル−4−メチルフェノール)
18:1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン
19:2,2’−エチリデン−Bis−(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)
20:2,2’−ブチリデン−Bis−(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)
22:4、4’−ブチリデン−bis−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)
23:1,6−ヘキサンジオール−bis−〔3−(3、5−ジ−t−ブチル−5−メチル−(4−ヒドロキシルフェノール)
24:トリエチレングリコール−bis−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシルフェニル)−プロピネート〕
25:N,N’−bis−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシルフェニル)−プロピニル〕ヒドラジン
26:N,N’−Bis−3−(3‘,5’)−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール、
27:プロピニルヘキサメチレンジアミン、
28:4,4‘−チオ−bis−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
29:4,4’−チオ−bis−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
30:2,2‘−チオ−ジエチレン−bis−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピネート〕、
32:1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン
33:1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
34:トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアネート
35:トリス〔2−(3’,5‘−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナモイルオキシエチル)イソシアネート
36:トリス(4−t−ブチル−2,6−ジーメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアネート
37:テトラkis−〔メチレン−3−〔3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル〕プロピネート〕メタン
38:プロピル−3,4,5−トリヒドロキシルベンゼンカルボネート
39:オクチル−3,4,5−トリヒドロキシルベンゼンカルボネート
40:ドデシル−3,4,5−トリヒドロキシルベンゼンカルボネート
42:4,4−メチレン−bis−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)
43:1,1−bis−(4−ヒドロキシフェニル)シクロへキサン
工程A:プレコート液(含イオウ有化合物を含有しない)を塗工する表面処理工程
工程B:アルミナ水和物、バインダー及び架橋剤を含む塗工液を塗工する工程
工程C:スルフィン酸化合物及び塩の形成が可能なカチオンを含む塗工液を塗工する工程
工程D:フェノール誘導体又はフェノール誘導体を塗工する工程
乾燥工程:塗工液を乾燥して、受容層を形成する工程。
本発明に用いる支持体としては、特に限定されないが、プラスチック等の透明材料よりなる非吸水性支持体、紙等の不透明材料からなる吸水性支持体のいずれをも使用できる。一方、黄変防止機能の持続期間は記録媒体に含有されるスルホニル基を有するフェノール化合物と、拡散可能なスルフィン酸塩(例えば、スルフィン酸化合物又はチオスルホン酸化合物塩)との総和量に依存するため、印字品位に影響を与えずスルホニル基を有するフェノール化合物と拡散可能なスルフィン酸塩(スルフィン酸化合物又はチオスルホン酸化合物)を拡散可能に保持可能である吸水性支持体が好ましい。
アルミナ水和物を含む塗工液は、少なくともアルミナ水和物、バインダーおよび必要に応じて架橋剤を含む塗工液であり、インク受容層用塗工液の調製においては、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上をアルミナ水和物分散液と混合し、得られた混合液と、バインダーであるポリビニルアルコール水溶液とを塗工の直前で混合して塗工液とするミキシング装置を使用することが好ましい。このようにすれば、製造工程中に生じる塗工液粘度の経時的上昇やゲル化を低減することができるので、生産効率の向上を図ることができる。上記で使用するアルミナ水和物分散液中のアルミナ水和物にかかる固形分濃度は、10〜30重量%であることが好ましい。上記範囲を超える場合は、アルミナ水和物分散液の粘度が高くなり、インク受容層の粘度も高くなるので、塗工性に問題が生じる場合がある。
記録媒体の製造後から商品が販売店に納品されるまでに期間(物流期間)に相当する保存環境と同等の保存条件で保存する方式とした。前記物流保存条件は日本国内で製造後、海上輸送でアムステルダムに輸送したのと同等条件に相当する。保存方法は記録媒体をPETフィルム容器に入れて、50℃、80%R.H.の環境で10日間保存する方式とした。この際に、ファイル保管時の白地部の黄変評価は、前記試験片の白地部で樹脂ファイルから出した50mm×10mmの部分を分光光度計・スペクロトリノ(グレタグマクベス社製)を用いて測定結果と保管前の白地濃度の濃度差を用いて、白地黄変レベルを評価した。
白地黄変レベル(Δb*)=保管前のb*−保管後のb*
A:Δb*≦2目視で黄変が認められず、良好なレベル
B:2<Δb*≦3目視で黄変がまったく気にならないレベル
C:3<Δb*≦6目視で黄変が判るが、実用上可能なレベル。
評価方法は25mm×200mmの未印字の試験片を、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール(BHT)を5g入れたサンプル管瓶(口径27mm、深さ120mm)に、サンプル管瓶から試験片を80mmを出した状態で保管して、50℃、360時間保存を行う方式とした。また、前記保存条件は、樹脂ファイル内での1.5年間保存に相当する加速劣化試験条件である。この際に、ファイル保管時の白地部の黄変評価は、前記試験片の白地部で樹脂ファイルから出した50mm×10mmの部分を分光光度計・スペクロトリノ(グレタグマクベス社製)を用いて測定結果と保管前の白地濃度の濃度差を用いて、白地黄変レベルを評価した。
白地黄変レベル(Δb*)=保管前のb*−保管後のb*
A:Δb*≦1 目視で黄変が認められず、良好なレベル
B:Δb*≦2 目視で黄変がまったく気にならないレベル
C:2<Δb*≦3 目視で黄変が判るが、実用出来ないレベル。
インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名:PIXUS 950iキヤノン製)を用いて、上記の各記録媒体の記録面にブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、の100%Dutyのベタバッチを印字し、25℃,50%R.H.環境で3日間保存後、分光光度計・スペクトロリノ(グレタグマクベス社製)を用いて測色を行い、OD値を評価した。
A:OD値が2.20以上であり、高濃度部の階調再現性が非常に良く、実用性が高いもの
B:OD値か2.10以上2.20未満であり、Aより高濃度部の階調再現性が落ちるが、実用上問題がないレベル
C:OD値が2.00以上2.10未満であり、高濃度部の階調再現性が低いが、実用可能なレベル
また、物流保存後黄変した試料及び前記BHT暴露時の白地部の黄変評価で黄変した試料は実用できないレベルであるため、印字濃度の評価を実施しなかった。
<反応生成物の作製>
三口フラスコに、0.1N硝酸を用いてpH7.0に調整したp−トルエンスルフィン酸ナトリウムをイオン交換水に溶解後、0.1N硝酸を用いてpH7.0に調整した0.22molのp−トルエンスルフィン酸ナトリウム溶液100gと2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノールが0.2molになるようにエタノールに溶解した溶液100gを混合して、下記のように調整した溶解液を加えて、ボールフィルターを通した空気を通気しながら80℃で20時間還流を行って、反応生成物を得た。反応生成物をHPLCで分析を行い、2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノールのピークが消えて、p−トルエンスルフィン酸と2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノールの反応が終了したことを確認した。
先ず、下記のようにして支持体を作製した。濾水度450mlCSF(Canadian Standarad Freeness)の、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)80重量部、濾水度480mlCSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)20重量部からなるパルプスラリーに、カチオン化澱粉0.60重量部、重質炭酸カルシウム10重量部、軽質炭酸カルシウム15重量部、アルキルケテンダイマー0.10重量部、カチオン性ポリアクリルアミド0.03重量部を外添して紙料を調整後、長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行って、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で、酸化澱粉水溶液を固形分で1.0g/m2となるように含浸し、乾燥後、マシンカレンダー仕上げをし、坪量155g/m2、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mNの支持体を得た。
上記で得た下塗り層に対して、下記の工程からなる表面処理を行なった。先ず、30℃に加温した下記組成のプレコート液を、エアーナイフコータでウェットの塗工量16g/m2(乾燥させた場合の塗工量は0.8g/m2である)になるよう、毎分30mで塗工した。
四硼酸ナトリウム:5g
イソプロパノール:0.15g
イオン交換水を加えて総量100gに調整。
次に、インク受容層を形成したが、上記の表面処理工程での塗工後、即ち、塗工液が下塗り層に含浸されてすぐに、そのまま下塗り層上にインク受容層を形成した。その際の、インク受容層の形成に用いた塗工液及び塗工方法等は、以下の通りである。
次に、下記オーバーコート液をダイコータで塗工をおこない塗工量で26.4g/m2になるように毎分30mで塗工して、反応生成物の作成で得た反応生成物が反応に使用されたフェノール誘導体に換算して2.64mmol/m2になるように塗工した。そして、120℃で乾燥してインク受容層を形成した。その後、0.01N硝酸及び0.01N水酸化ナトリウム溶液を用いて、インク受容層の表面pH及び内部pHを6.2に調整した。
反応生成物 5g
イオン交換水を加えて総量100gに調整。
次に、支持体のインク受容層を設けたとは反対側の面の下塗り層上に、以下のようにして裏面層を形成した。アルミナ水和物としてDisperal HP13/2(サソール社製)を水(好ましくは、アルミナに対するゴミ対策としては純水)に固形分が18重量%になるように分散させ、その後、遠心分離処理を施した。この分散液と、インク受容層の形成に用いたと同様のポリビニルアルコール水溶液とをスタティックミキサで、アルミナ水和物固形分とポリビニルアルコール固形分の比が100:9になるように混合後、すぐにダイコータで乾燥塗工量が23g/m2になるように毎分35mで塗工した。そして、170℃で乾燥し、裏面層を形成して記録媒体を得た。
実施例1の反応生成物の作製時に、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム溶液の濃度を0.24mol/lに変更した以外、実施例1と同様の方法で作製した。
実施例1の反応生成物の作製時に、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム溶液の濃度を0.8mol/lに変更した以外、実施例1と同様の方法で作製した。
実施例1の反応生成物の作製時に、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム溶液の濃度を2.0mol/lに変更した以外、実施例1と同様の方法で作製した。
実施例1の反応生成物の作製時にp−トルエンスルフィン酸ナトリウム溶液の濃度を0.88mol/lに変更し、2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール溶液の濃度を0.8mol/lに変更した以外、実施例1と同様の方法で作製した。
実施例1の反応生成物の作製時にp−トルエンスルフィン酸ナトリウム溶液の濃度を2.2mol/lに変更し、2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール溶液の濃度を2mol/lに変更した以外、実施例1と同様の方法で作製した。
実施例1のオーバーコート工程で0.01規定硝酸を用いてインク受容層の表面及び内部pHを5.0に調整した以外、実施例1と同様の方法で作製した。
実施例1のオーバーコート工程で0.01規定NaOH溶液を用いてインク受容層の表面及び内部pHを7.5に調整した以外、実施例1と同様の方法で作製した。
実施例1のオーバーコート工程で0.01規定NaOH溶液を用いてインク受容層の表面及び内部pHを8.5に調整した以外、実施例1と同様の方法で作製した。
実施例1のp−トルエンスルフィン酸ナトリウムをベンゼンスルフィン酸ナトリウムに変更した以外、同様の方法で作製した。
実施例1の2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノールを2−t−ブチル−4,6−ジ−メチルフェノールに変更した以外同様の方法で作製した。
実施例1の2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノールを2,4−ジ−t−ブチルフェノールに変更した以外同様の方法で作製した。
実施例3の2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノールを2,2’−メチレン−bis−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)に変更した以外同様の方法で作製した。
実施例1のオーバーコート工程で作成した反応生成物を塗工せず、0.11mol/lのp−トルエンスルフィン酸ナトリウム溶液と0.1mol/lの2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノールを共に塗工量で26.4g/m2になるように毎分30mでダイコータを用いて塗工を行い、その後、室温で乾燥後、空気を通気しながらオーブンで50℃で、20hr熱処理を行い、インク受容層を形成した。その後、0.01N硝酸及び0.01N水酸化ナトリウム溶液を用いて、インク受容層の表面pH及び内部pHを6.2に調整した。それ以外は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例14の室温乾燥後の試料をPETフィルムからなる容器に密閉して、オーブンで50℃、20hr熱処理を行った以外、実施例14と同様の方法で行った。
後述する比較例1で形成したインク受容層に0.11mol/lのp−トルエンスルフィン酸ナトリウム溶液を塗工後、室温で乾燥させた以外、比較例1と同様の方法で作製したもの(試料A)と比較例1で作製した裏面に2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノールが0.35mmol/m2存在するように0.1mol/lの2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノールのエタノール溶液を塗工後、室温乾燥させたもの(試料B)を作製し、試料Aの表面と試料Bの裏面が重なるように重ね合わせた状態でPETフィルムからなる容器に密封後、空気を通気しながらオーブンで50℃、20hr熱処理を行った。前記評価には、試料Aを使用した。
後述する比較例1で形成したインク受容層に0.11mol/lのp−トルエンスルフィン酸ナトリウム溶液を塗工後、室温で乾燥させた以外、比較例1と同様の方法で作製したものを、2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノールを0.035mmol/m2含有するPETフィルムからなる容器に密封後、空気を通気しながらオーブンを使用して50℃で20hr熱処理を行った。
比較例1で形成したインク受容層に0.11mol/lのp−トルエンスルフィン酸ナトリウム溶液を塗工後、120℃で乾燥させた以外、比較例1と同様に記録媒体を作製し、A4サイズに仕立てたサンプルをキヤノン製PIXUS950iを用いて白ふちがある画像を印字させたものを、2,6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノールを0.035mmol/m2含有するPETフィルムからなる容器に密封後、空気を通気しながらオーブンを使用して50℃で20hr熱処理を行った。
本サンプルの評価には、非印字部及び白ふち部を使用した。
実施例1のオーバーコート液を塗工する工程を除いた以外、同様に作製した。
実施例1のオーバーコート液中の反応生成物の代わりに、0.0022mol/gのp−トルエンスルフィン酸ナトリウムに変更してインク受容層を形成後、0.1N塩酸溶液を渡航して紙面pHを4.0に調整した以外、同様に作製した。
実施例1のオーバーコート液中の反応生成物の代わりに、0.002mol/gの4−スルフォメチルフェノールに変更した以外、同様に作製した。
以下に、上記実施例及び比較例の結果を示す。
スルフィン酸化合物とフェノール誘導体の反応生成物を導入することによって、長期の格別な黄変防止効果を得ることができる。この点からすると、本発明の応用は多分野に展開でき、アルミナ水和物以外の微細多孔質体や各種物品にも応用できることは当事者ならば、十分理解できるものである。
Claims (8)
- 支持体上に微細多孔質構造のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体であって、
前記微細多孔質構造のインク受容層は、スルホニル基を有するフェノール化合物と、拡散可能なスルフィン酸塩と、を有し、
前記スルホニル基を有するフェノール化合物は、下記式(I)で表される化合物及び下記式(II)で表される化合物のうち少なくとも1種である
ことを特徴とするインクジェット用記録媒体。
- 前記インク受容層の表面pH及び内部pHが5.0以上8.5以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用記録媒体。
- 前記インク受容層は無機顔料を有し、前記無機顔料に対して、前記スルホニル基を有するフェノール化合物と、前記拡散可能なスルフィン酸塩との総和が1.5質量%以上13.0質量%以下である請求項1または2に記載のインクジェット用記録媒体。
- 前記インク受容層は無機顔料を有し、前記無機顔料に対して、前記スルホニル基を有するフェノール化合物と、前記拡散可能なスルフィン酸塩との総和が1.5質量%以上7.0質量%以下である請求項1または2に記載のインクジェット用記録媒体。
- 支持体上に微細多孔質体であるインク受容層を形成する工程と、
前記インク受容層に所定モル数のスルフィン酸化合物を含む塗工液を塗工する工程と、
前記インク受容層に前記スルフィン酸化合物のモル数より少ないモル数のフェノール誘導体を供給する工程と、
前記インク受容層中で前記スルフィン酸化合物の一部と前記フェノール誘導体とを反応させて下記式(I)で表される化合物及び下記式(II)で表される化合物のうち少なくとも1種と、拡散可能なスルフィン酸塩とを共に存在させる工程と、
を有することを特徴とするインクジェット用記録媒体の製造方法。
- 前記フェノール誘導体を供給する工程が、フェノール誘導体を塗工後、前記インク受容層内でフェノール誘導体を酸化してキノメタン型酸化体とする酸化工程を含む請求項5に記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
- 前記フェノール誘導体を供給する工程が、フェノール誘導体を含む高分子材料からなる密閉可能なフィルム容器に、インク受容層にスルフィン酸化合物を含むインクジェット用記録媒体を密封し、前記フェノール誘導体を該容器内の気相を介してインク受容層に供給後、該インク受容層内に供給されたフェノール誘導体を酸化して前記キノメタン型酸化体を形成することにより行う請求項5に記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
- 前記インク受容層は、アルミナ水和物とバインダーを含む塗工液を塗工して形成された擬べーマイト層である請求項5〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006545215A JP4693782B2 (ja) | 2004-11-19 | 2005-11-18 | インクジェット用記録媒体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004336606 | 2004-11-19 | ||
JP2004336606 | 2004-11-19 | ||
PCT/JP2005/021625 WO2006054789A1 (ja) | 2004-11-19 | 2005-11-18 | 物品、インク記録媒体、インクジェット用記録媒体及びその製造方法 |
JP2006545215A JP4693782B2 (ja) | 2004-11-19 | 2005-11-18 | インクジェット用記録媒体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2006054789A1 JPWO2006054789A1 (ja) | 2008-06-05 |
JP4693782B2 true JP4693782B2 (ja) | 2011-06-01 |
Family
ID=36407317
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006545215A Expired - Fee Related JP4693782B2 (ja) | 2004-11-19 | 2005-11-18 | インクジェット用記録媒体及びその製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7625614B2 (ja) |
EP (1) | EP1816001B1 (ja) |
JP (1) | JP4693782B2 (ja) |
WO (1) | WO2006054789A1 (ja) |
Families Citing this family (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE602005025513D1 (de) * | 2004-10-15 | 2011-02-03 | Canon Kk | Tintenstrahlaufzeichnungsmedium und verfahren zur herstellung |
ATE521483T1 (de) * | 2007-04-18 | 2011-09-15 | Canon Kk | Tintenstrahlaufzeichnungsmedium und herstellungsverfahren dafür |
WO2009113702A1 (en) * | 2008-03-14 | 2009-09-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink jet recording medium and production process thereof, and fine particle dispersion |
JP5031681B2 (ja) * | 2008-06-23 | 2012-09-19 | キヤノン株式会社 | インクジェット用記録媒体 |
US8252392B2 (en) * | 2009-11-05 | 2012-08-28 | Canon Kabushiki Kaisha | Recording medium |
JP5634227B2 (ja) * | 2009-12-08 | 2014-12-03 | キヤノン株式会社 | 記録媒体の製造方法、記録媒体 |
US8524336B2 (en) | 2010-05-31 | 2013-09-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Recording medium |
EP2431189B1 (en) * | 2010-09-21 | 2015-11-25 | Canon Kabushiki Kaisha | Recording medium |
JP5501315B2 (ja) | 2010-10-18 | 2014-05-21 | キヤノン株式会社 | インクジェット記録媒体 |
JP5875374B2 (ja) | 2011-02-10 | 2016-03-02 | キヤノン株式会社 | インクジェット記録媒体 |
US8846166B2 (en) | 2012-10-09 | 2014-09-30 | Canon Kabushiki Kaisha | Recording medium |
JP6415134B2 (ja) | 2014-06-27 | 2018-10-31 | キヤノン株式会社 | 記録媒体及びその製造方法 |
DE102016002462B4 (de) | 2015-03-02 | 2022-04-07 | Canon Kabushiki Kaisha | Aufzeichnungsmedium |
US10125284B2 (en) | 2016-05-20 | 2018-11-13 | Canon Kabushiki Kaisha | Aqueous ink, ink cartridge, and ink jet recording method |
DE102019114277A1 (de) * | 2019-05-28 | 2020-12-03 | Schmid Rhyner Ag | Verfahren zur Lackierung von Substraten sowie lackierte Substrate |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10193779A (ja) * | 1997-01-16 | 1998-07-28 | Sony Corp | プリンタ用記録媒体 |
JP2003001931A (ja) * | 2001-06-27 | 2003-01-08 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | インクジェット記録材料及びその製造方法 |
JP2004001354A (ja) * | 2002-04-12 | 2004-01-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット記録用シート |
JP2004299373A (ja) * | 2003-03-19 | 2004-10-28 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット記録方法 |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0459950B1 (de) * | 1990-05-31 | 1997-03-12 | Ciba SC Holding AG | Stabilisierung von Färbungen auf Polyamidfasern |
JP2714352B2 (ja) | 1993-04-28 | 1998-02-16 | キヤノン株式会社 | 被記録媒体、被記録媒体の製造方法、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物及びアルミナ水和物の分散物 |
US5635291A (en) | 1993-04-28 | 1997-06-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink-jet recording medium |
JP2714350B2 (ja) | 1993-04-28 | 1998-02-16 | キヤノン株式会社 | 被記録媒体、被記録媒体の製造方法、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物及びアルミナ水和物の分散物 |
JP2883299B2 (ja) | 1994-09-16 | 1999-04-19 | キヤノン株式会社 | 被記録媒体、その製造方法、被記録媒体を用いたインクジェット記録方法 |
JP2921786B2 (ja) | 1995-05-01 | 1999-07-19 | キヤノン株式会社 | 被記録媒体、該媒体の製造方法、該媒体を用いた画像形成方法 |
JP2921787B2 (ja) | 1995-06-23 | 1999-07-19 | キヤノン株式会社 | 被記録媒体及びこれを用いた画像形成方法 |
US6551695B2 (en) * | 2000-01-14 | 2003-04-22 | Mitsubishi Paper Mills, Limited | Ink-jet recording material |
US6461417B1 (en) * | 2000-08-24 | 2002-10-08 | Xerox Corporation | Ink compositions |
JP3611791B2 (ja) | 2001-01-25 | 2005-01-19 | 三菱製紙株式会社 | インクジェット記録材料 |
US6919109B2 (en) * | 2002-04-01 | 2005-07-19 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Fine particle dispersion, coating solution for accepting layer for coloring agent for ink-jet recording sheet, ink-jet recording sheet using the dispersion, and method for producing fine particle dispersion |
US6848781B2 (en) | 2002-09-30 | 2005-02-01 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming process, image-recorded article, liquid composition and ink-jet recording apparatus |
DE602005025513D1 (de) | 2004-10-15 | 2011-02-03 | Canon Kk | Tintenstrahlaufzeichnungsmedium und verfahren zur herstellung |
-
2005
- 2005-11-18 JP JP2006545215A patent/JP4693782B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2005-11-18 EP EP05809107A patent/EP1816001B1/en not_active Expired - Fee Related
- 2005-11-18 WO PCT/JP2005/021625 patent/WO2006054789A1/ja active Application Filing
-
2006
- 2006-04-28 US US11/413,205 patent/US7625614B2/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10193779A (ja) * | 1997-01-16 | 1998-07-28 | Sony Corp | プリンタ用記録媒体 |
JP2003001931A (ja) * | 2001-06-27 | 2003-01-08 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | インクジェット記録材料及びその製造方法 |
JP2004001354A (ja) * | 2002-04-12 | 2004-01-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット記録用シート |
JP2004299373A (ja) * | 2003-03-19 | 2004-10-28 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット記録方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20060188671A1 (en) | 2006-08-24 |
EP1816001B1 (en) | 2012-06-13 |
WO2006054789A1 (ja) | 2006-05-26 |
JPWO2006054789A1 (ja) | 2008-06-05 |
EP1816001A1 (en) | 2007-08-08 |
US7625614B2 (en) | 2009-12-01 |
EP1816001A4 (en) | 2008-12-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4693782B2 (ja) | インクジェット用記録媒体及びその製造方法 | |
JP4693779B2 (ja) | インクジェット用記録媒体及びその製造方法 | |
US20100098866A1 (en) | Ink recording medium and production method therefor | |
JP5031681B2 (ja) | インクジェット用記録媒体 | |
JP2007054956A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP3883315B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JP3377464B2 (ja) | インクジェット記録用紙 | |
JP2000141875A (ja) | インクジェット記録用シート | |
JP4592105B2 (ja) | インク用被記録媒体及びその製造方法 | |
JPH03218885A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP2006123316A (ja) | 画像退色防止剤及びインクジェット用被記録媒体 | |
JP2006205446A (ja) | 被記録媒体、画像堅牢性向上方法、記録物 | |
EP2431189B1 (en) | Recording medium | |
JP4298426B2 (ja) | 画像堅牢性向上方法 | |
JP3198173B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JP2004114599A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP2002234249A (ja) | 被記録媒体 | |
JP2010111067A (ja) | 記録媒体の製造方法 | |
JP2006289864A (ja) | インクジェット被記録媒体 | |
JP2011104805A (ja) | 記録媒体 | |
JP2006205447A (ja) | 被記録媒体、画像堅牢性向上方法、記録物 | |
JP2006001080A (ja) | インクジェット記録媒体及びその製造方法 | |
JP2006035825A (ja) | インクジェット用被記録媒体 | |
JP2009051019A (ja) | 被記録媒体の製造方法 | |
JP2000280612A (ja) | インクジェット記録用紙 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081118 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081118 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110216 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110222 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140304 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4693782 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |