JP2012004155A - 半導体発光素子の製造方法および半導体発光素子、ランプ、電子機器、機械装置 - Google Patents
半導体発光素子の製造方法および半導体発光素子、ランプ、電子機器、機械装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】第一有機金属化学気相成長装置において、基板11上に第一n型半導体層12aと第二n型半導体層12bと、井戸層と障壁層とを交互に繰返し積層し、最上面が前記障壁層となる発光層13を形成する第一工程と、第二有機金属化学気相成長装置において、前記発光層の最上面の前記障壁層上に前記障壁層の再成長層13cとp型半導体層14とを順次積層する第二工程と、を具備してなることを特徴とする半導体発光素子の製造方法を採用する。
【選択図】図1
Description
このような問題を解決する技術として、例えば、特許文献1には、所定の基板上に、少なくとも第一導電型の半導体層と第二導電型の半導体層とを順次成膜して化合物半導体装置を製造するに際し、前記それぞれの導電型の半導体層を、導電型に対応した異なる複数の独立した成長室で成膜するようにして成る化合物半導体装置の製造方法が提案されている。
このように、n型半導体層を形成する成長室(有機金属化学気相成長装置)とp型半導体層を形成する成長室(有機金属化学気相成長装置)とを別々にすると、得られた半導体発光素子の出力が不十分となる場合があった。
また、最近、半導体発光素子の発光出力を向上させるために、半導体発光素子に大電流が印加される場合が多くなってきており、このような条件にも耐え得る発光特性の優れた半導体発光素子が求められていた。
〔1〕 第一有機金属化学気相成長装置において、基板上に第一n型半導体層と第二n型半導体層と、井戸層と障壁層とを交互に繰返し積層し、最上面が前記障壁層となる発光層を形成する第一工程と、第二有機金属化学気相成長装置において、前記発光層の最上面の前記障壁層上に前記障壁層の再成長層とp型半導体層とを順次積層する第二工程と、を具備してなることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
〔2〕 前記再成長層形成の際に、キャリアガスとしてN2ガスを用いることを特徴とする〔1〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔3〕 前記再成長層を3nm〜20nmの膜厚で形成することを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔4〕 前記再成長層を形成する際の基板温度を、600℃〜1000℃とすることを特徴とする〔1〕乃至〔3〕のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔5〕 前記再成長層を形成する際の圧力を、10kPa〜80kPaとすることを特徴とする〔1〕乃至〔4〕のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔6〕 前記再成長層を形成する前に、前記第二有機金属化学気相成長装置内において窒素とアンモニアを含む雰囲気中で、圧力40kPa〜100kPa、前記基板温度500℃〜800℃の条件下で熱処理を行うことを特徴とする〔1〕乃至〔5〕のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔7〕 前記再成長層は、不純物が意図的に添加されていない再成長層であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔8〕 基板上に第一n型半導体層と、第二n型半導体層と、井戸層と障壁層とが交互に繰返し積層してなる最上面が前記障壁層である発光層と、前記発光層の最上面の前記障壁層上に形成された前記障壁層の再成長層と、p型半導体層とが積層された半導体発光素子。
〔9〕 前記再成長層が3nm〜20nmの膜厚で形成されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体発光素子。
〔10〕 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法を用いて製造された半導体発光素子を備えることを特徴とするランプ。
〔11〕 〔10〕に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする電子機器。
〔12〕 〔11〕に記載の電子機器が組み込まれていることを特徴とする機械装置。
このように、本発明では、結晶性の高い発光層やp型半導体層を形成することができるため、半導体発光素子の発光出力向上や素子自体の信頼性を向上させることが可能となる。
図1に示す本実施形態の半導体発光素子1は、基板11と、基板11上に積層された積層半導体層20と、積層半導体層20の上面に積層された透光性電極15と、透光性電極15上に積層されたp型ボンディングパッド電極16と、積層半導体層20の露出面20a上に積層されたn型電極17と、から概略構成されている。
また、p型半導体層14の上面には、透光性電極15およびp型ボンディングパッド電極16が積層されている。これら、透光性電極15およびp型ボンディングパッド電極16によって、p型電極18が構成されている。
以下、それぞれの構成について詳細に説明する。
基板11としては、例えば、サファイア、SiC、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化モリブデン等からなる基板を用いることができる。上記基板の中でも、特に、c面を主面とするサファイア基板を用いることが好ましい。
バッファ層21は、設けられていなくてもよいが、基板11と下地層22との格子定数の違いを緩和して、基板11の(0001)C面上にC軸配向した単結晶層の形成を容易にするために、設けられていることが好ましい。
バッファ層21は、例えば、単結晶のAlxGa1−xN(0≦x≦1)からなる厚さ0.01μm〜0.5μmのものとすることができる。バッファ層21の膜厚が0.01μm未満であると、バッファ層21により基板11と下地層22との格子定数の違い緩和する効果が十分に得られない場合がある。また、バッファ層21の膜厚が0.5μmを超えると、バッファ層21としての機能には変化が無いのにも関わらず、バッファ層21の成膜処理時間が長くなり、生産性が低下する問題がある。
下地層22の材料としては、AlxGa1−xN(0≦x<1)を用いると結晶性の良い下地層22を形成できるため特に好ましいが、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)を用いてもかまわない。
下地層22の膜厚は0.1μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、1μm以上が最も好ましい。この膜厚以上にした方が結晶性の良好なAlxGa1−xN層が得られやすい。また、下地層22の膜厚は10μm以下が好ましい。
下地層22の結晶性を良くするために、下地層22には不純物をドーピングしない方が望ましい。しかし、p型あるいはn型の導電性が必要な場合には、下地層22にアクセプター不純物あるいはドナー不純物を添加することができる。
(n型半導体層12)
n型半導体層12はさらに、nコンタクト層12aと、第二n型半導体層としてのnクラッド層12bから構成されている。ここで、nコンタクト層12aを第一n型半導体層、nクラッド層12bを第二n型半導体層と記述することができる。
nコンタクト層12aは、n型電極17を設けるための層であり、図1に示すように、n型電極17を設けるための露出面20aが一部に形成されている。
nコンタクト層12aの膜厚は、0.5〜5μmであることが好ましく、2μm〜4μmの範囲であることがより好ましい。nコンタクト層12aの膜厚が上記範囲内であると、半導体の結晶性が良好に維持される。
発光層13は、障壁層13aと井戸層13bとが交互に複数積層された多重量子井戸構造であり、最上面(pクラッド層14a側)の障壁層13a上には障壁層13aの再成長層13cが形成されている。障壁層13aと井戸層13bは、第一工程において形成されたものであり、再成長層13cは第二工程において形成されたものである。
多重量子井戸構造における積層数は3層から10層であることが好ましく、4層から7層であることがさらに好ましい。
井戸層13bの膜厚は、15オングストローム以上50オングストローム以下の範囲であることが好ましい。井戸層13bの膜厚が上記範囲内であることにより、より高い発光出力を得ることができる。
また、井戸層13bは、Inを含む窒化ガリウム系化合物半導体であることが好ましい。Inを含む窒化ガリウム系化合物半導体は、青色の波長領域の強い光を発光するものであるため、好ましい。また、井戸層13bには、不純物をドープすることができる。また、本実施形態におけるドーパントとしてはSiを用いることが好ましい。ドープ量は1×1016cm−3〜1×1017cm−3程度が好適である。
障壁層13aの膜厚は、20オングストローム以上100オングストローム未満の範囲であることが好ましく、20オングストローム以上70オングストローム以下であることが特に好ましい。障壁層13aの膜厚が20オングストローム未満であると、障壁層13a上面の平坦化を阻害し、発光効率の低下やエージング特性の低下を引き起こす。また、障壁層13aの膜厚が100オングストローム以上であると、駆動電圧の上昇や発光効率の低下を引き起こすため好ましくない。
また、障壁層13aは、GaNやAlGaNのほか、井戸層を構成するInGaNよりもIn比率の小さいInGaNで形成することができる。中でも特に、GaNを好適に用いることができる。また、障壁層13aには、不純物をドープすることができる。本実施形態におけるドーパントとしてはSiを用いることが好ましい。ドープ量は1×1017cm−3〜1×1018cm−3程度が好適である。
再成長層13cは、障壁層13aの再成長層であり、発光層13の最上面(障壁層13a)上に形成されている。また、障壁層13aと再成長層13cは、同一の材料からなることが好ましい。
また、再成長層13cの膜厚は、3nm〜20nmであることが好ましい。再成長層13cがこの範囲内の膜厚で形成されていることにより、障壁層13aの成長後第一有機金属化学気相成長装置の成長室内から取り出して、その後第二有機金属化学気相成長装置の成長室内で障壁層13aの成長を再開することによる、障壁層13aの結晶性への影響を少なくすることができる。そのため、半導体発光素子の出力を向上させる効果がより顕著となる。また、再成長層13cには不純物をドープしなくても構わない。再成長層13cの機能は不純物ドープの有無に影響しないためである。
p型半導体層14は、通常、pクラッド層14aおよびpコンタクト層14bから構成される。また、pコンタクト層14bがpクラッド層14aを兼ねることも可能である。
本実施形態におけるpクラッド層14aは、再成長層13cの上に形成されている。pクラッド層14aは、発光層13へのキャリアの閉じ込めとキャリアの注入を行なう層である。pクラッド層14aとしては、発光層13のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層13へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、AlxGa1−xN(0≦x≦0.4)からなるものであることが好ましい。pクラッド層14aが、このようなAlGaNからなるものである場合、発光層13へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。
pコンタクト層14bは、正極を設けるための層である。pコンタクト層14bは、AlxGa1−xN(0≦x≦0.4)からなるものであることが、良好な結晶性の維持およびpオーミック電極との良好なオーミック接触の点で好ましい。また、pコンタクト層14bがp型不純物(ドーパント)を1×1018〜1×1021/cm3を5×1019〜5×1020/cm3の濃度で含有しているものである場合、良好なオーミック接触の維持、クラック発生の防止、良好な結晶性の維持の点で好ましい。p型不純物としては、特に限定されないが、例えばMgを用いることが特に好ましい。
本実施形態の発光層13とpコンタクト層14bは、異なる成長室で形成されたものであるため、pコンタクト層14bには、発光層13形成で用いたSiなどのドーパントが混入していない。そのため、キャリア濃度の高いpコンタクト層14bが形成されている。
n型電極17は、ボンディングパットを兼ねており、積層半導体層20のn型半導体層12に接するように形成されている。このため、n型電極17を形成する際には、少なくともp半導体層14および発光層13の一部を除去してn型半導体層12を露出させ、n型半導体層12の露出面20a上にボンディングパッドを兼ねるn型電極17を形成する。n型電極17としては、各種組成や構造が周知であり、これら周知の組成や構造を何ら制限無く用いることができ、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
透光性電極15は、p型半導体層14の上に積層されるものであり、p型半導体層14との接触抵抗が小さいものであることが好ましい。また、透光性電極15は、発光層13からの光を効率良く半導体発光素子1の外部に取り出すために、光透過性に優れたものであることが好ましい。また、透光性電極15は、p型半導体層14の全面に渡って均一に電流を拡散させるために、優れた導電性を有していることが好ましい。
p型ボンディングパッド電極16はボンディングパットを兼ねており、透光性電極15の上に積層されている。p型ボンディングパッド電極16としては、各種組成や構造が周知であり、これら周知の組成や構造を何ら制限無く用いることができ、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
p型ボンディングパッド電極16は、透光性電極15上であれば、どこへでも形成することができる。しかし、あまりにもn型電極17に近接した位置に形成すると、ボンディングした際にワイヤ間、ボール間のショートを生じてしまうため好ましくない。
図示しない保護膜層は、必要に応じて透光性電極15の上面および側面と、n型半導体層12の露出面20a、発光層13およびp型半導体層14の側面、n型電極17およびp型ボンディングパッド電極16の側面や周辺部を覆うよう形成される。保護膜層を形成することにより、半導体発光素子1の内部への水分等の浸入を防止でき、半導体発光素子1の劣化を抑制することができる。
保護膜層としては、絶縁性を有し、300〜550nmの範囲の波長において80%以上の透過率を有する材料を用いることが好ましく、例えば、酸化シリコン(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化タンタル(Ta2O5)、窒化シリコン(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)等を用いることができる。このうちSiO2、Al2O3は、CVD成膜で緻密な膜が容易に作製でき、より好ましい。
なお、以下の説明において参照する図面は、本発明を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の半導体発光素子1の寸法関係とは異なっている。
はじめに、サファイア等からなる基板11を用意する。
次に、基板11を第一MOCVD装置(第一有機金属化学気相成長装置)の成長室内に設置し、MOCVD法によって、基板11上に、バッファ層21と、下地層22を順次積層する。なお、本発明では、サファイア等からなる基板11上に、RFスパッタリング法を用いてAlNからなるバッファ層21を形成し、さらに第一MOCVD装置の成長室内で当該基板上に下地層22を順次積層してもよい。
次いで前記下地層22を有する基板上に、nコンタクト層12aを積層する。
nコンタクト層12aを成長させる際には、水素雰囲気で、基板11の温度を1000℃〜1100℃の範囲とすることが好ましい。
また、nコンタクト層12aを成長させる原料としては、トリメチルガリウム(TMG)などのIII族金属の有機金属原料とアンモニア(NH3)などの窒素原料とを用い、熱分解によりバッファ層上にIII族窒化物半導体層を堆積させる。MOCVD装置の成長室内の圧力は15〜80kPaとすることが好ましい。
次いで、nコンタクト層12a上にnクラッド層12bを形成する。超格子構造のnクラッド層12bを形成する工程は、膜厚100オングストローム以下のIII族窒化物半導体からなるn側第一層と、n側第一層と組成が異なる膜厚100オングストローム以下のIII族窒化物半導体からなるn側第二層とを交互に20層〜80層繰返し積層する工程とすることができる。n側第一層および/またはn側第二層は、Inを含む窒化ガリウム系化合物半導体からなるものであることが好ましい。
次いで、多重量子井戸構造の発光層13を形成する。まず、障壁層13aの上に井戸層13bと障壁層13aとを交互に繰返し積層する。このとき、n型半導体層12側及びp型半導体層14側に障壁層13aが配されるように積層する。
井戸層13bおよび障壁層13aの組成や膜厚は、所定の発光波長になるように適宜設定することができる。また、発光層13を成長させる際の基板温度は600〜900℃とし、キャリアガスとしては窒素ガスを用いる。
この後、第一MOCVD装置の成長室内から、発光層13までの各層の形成された基板11を取り出す。
第二工程はさらに、第二MOCVD装置(第二有機金属化学気相成長装置)において、障壁層13a上に障壁層13aの再成長層13cを形成する工程と、p型半導体層14を形成する工程と、から構成されている。以下それぞれについて詳細を説明する。
まず、発光層13までの各層の形成された基板11を第二MOCVD装置の成長室内に設置する。次いで、MOCVD法によって発光層13の最上面(pクラッド層14a側)の障壁層13a上に、障壁層13aの再成長層13cを形成する。
なお、最上面の障壁層13aの表面が汚染されたままである場合、逆方向電流(IR)が十分に低くならず、また、静電気放電(ESD)耐圧が不足する恐れがある。そのため、半導体発光素子1の信頼性が低下してしまう。
次いで、p型半導体層14を形成する。p型半導体層14の形成は、再成長層13c上にpクラッド層14aと、pコンタクト層14bとを順次積層すればよい。なお、pクラッド層14aを、超格子構造を含む層とする場合には、膜厚100オングストローム以下のIII族窒化物半導体からなるp側第一層と、p側第一層と組成が異なる膜厚100オングストローム以下III族窒化物半導体からなるp側第二層とを交互に繰返し積層すればよい。
続いて、例えばフォトリソグラフィーの手法によりパターニングして、所定の領域の積層半導体層20の一部をエッチングしてnコンタクト層12aの第一n型半導体層12cの一部を露出させ、nコンタクト層12aの露出面20aにn型電極17を形成する。
その後、透光性電極15の上にp型ボンディングパッド電極16を形成する。
以上のようにして、図1に示す半導体発光素子1が製造される。
また、発光層13まで形成された基板11を成長室から取り出すことにより、発光層13の最上面の結晶性を評価することができる。そのため、半導体発光素子の信頼性をさらに向上させることが可能となる。
本実施形態のランプ3は、本発明の半導体発光素子1を備えるものであり、上記の半導体発光素子1と蛍光体とを組み合わせてなるものである。本実施形態のランプ3は、当業者周知の手段によって当業者周知の構成とすることができる。例えば、本実施形態のランプ3においては、半導体発光素子1と蛍光体と組み合わせることによって発光色を変える技術を何ら制限されることなく採用できる。
(実施例1)
以下に示す方法により、図1に示す半導体発光素子1を製造した。
実施例1の半導体発光素子1では、第一MOCVD炉の成長室内において、サファイアからなる基板11上に、AlNからなるバッファ層21、厚さ6μmのアンドープGaNからなる下地層22、厚さ2μmのSiドープn型GaNからなるnコンタクト層12aを形成した。nコンタクト層12aのSiドーパント濃度は、5×1018/cm3程度とした。また、nコンタクト層12a形成の際の基板温度は1080℃、成長室内の圧力は40kPaとした。
nコンタクト層12a上に形成した。なお、超格子構造からなるnクラッド層12bは、Ga0.99In0.01Nからなる厚さ2nmのn側第1層と、GaNからなる厚さ2nmのn側第2層とからなる薄膜層とを交互に19ペア繰り返し成長させ、最後にGa0.99In0.01Nからなる厚さ2nmのn側第1層を形成した。
さらに、nクラッド層12b上に障壁層13aおよび井戸層13bを5回積層し、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層13を形成した。このときの発光層13形成の際の基板温度は750℃、成長室内の圧力は40kPaとした。また、障壁層13aには、不純物として所定のドープ量のSiを添加した。
次に、フォトリソグラフィの手法を用いてエッチングを施し、所望の領域にnコンタクト層12aの露出面20aを形成し、その上にTi/Auの二層構造のn型電極17を形成した。
また、透光性電極15の上に、200nmのAlからなる金属反射層と80nmのTiからなるバリア層と1100nmのAuからなるボンディング層とからなる3層構造のp型ボンディングパッド構造16を、フォトリソグラフィの手法を用いて形成した。
以上のようにして、図1に示す実施例1の半導体発光素子1を得た。
再成長層13cの膜厚を10nmとした以外は、実施例1と同様の手順により半導体発光素子1を製造した。その結果、順方向電圧Vf=3.0V、発光出力Po=22mW、逆方向電流IR(@20V)=0.3μAであった。
再成長層13c形成の際の基板温度を600℃とし、再成長層13cの膜厚を5nmとした以外は、実施例1と同様の手順により半導体発光素子1を製造した。その結果、順方向電圧Vf=3.1V、発光出力Po=20mW、逆方向電流IR(@20V)=0.5μAであった。
再成長層13c形成の際の基板温度を900℃とし、再成長層13cの膜厚を20nmとした以外は、実施例1と同様の手順により半導体発光素子1を製造した。その結果、順方向電圧Vf=3.0V、発光出力Po=22mW、逆方向電流IR(@20V)=0.1μAであった。
再成長層13c形成の際の基板温度を1000℃とし、再成長層13cの膜厚を3nmとした以外は、実施例1と同様の手順により半導体発光素子1を製造した。その結果、順方向電圧Vf=3.0V、発光出力Po=22mW、逆方向電流IR(@20V)=0.5μAであった。
再成長層13c形成の際のキャリアガスとして水素を用いた以外は、実施例1と同様の手順により半導体発光素子1を製造した。その結果、順方向電圧Vf=3.5V、発光出力Po=15mW、逆方向電流IR(@20V)=10μAであった。
再成長層13cを形成しなかった以外は、実施例1と同様の手順により半導体発光素子1を製造した。その結果、順方向電圧Vf=3.9V、発光出力Po=10mW、逆方向電流IR(@20V)=5μAであった。
なお、実施例及び比較例の半導体発光素子1についての順方向電圧Vfは、プローブ針による通電で電流印加値20mAにおける電圧を測定したものである。同じく、実施例及び比較例の半導体発光素子1についての発光出力(Po)は、それぞれTO−18缶パッケージに実装し、テスターによって印加電流20mAにおける発光出力を測定したものである。また、逆方向電流(IR)は、発光素子に対して電圧を逆方向に20V印加した時の漏れ電流を測定した時の値である。
一方、比較例1および比較例2では、実施例1〜実施例5と比較して発光出力(Po)が低く、順方向電圧が比較的高く、漏れ電流(逆方向電流(IR)が大きかった。
このように、実施例1〜実施例5の半導体発光素子1は、比較例1、比較例2の半導体発光素子1と比較して、漏れ電流が小さく高い発光出力が得られ、信頼性が向上した半導体発光素子1であることが確認できた。
Claims (12)
- 第一有機金属化学気相成長装置において、基板上に第一n型半導体層と第二n型半導体層と、井戸層と障壁層とを交互に繰返し積層し、最上面が前記障壁層となる発光層を形成する第一工程と、
第二有機金属化学気相成長装置において、前記発光層の最上面の前記障壁層上に前記障壁層の再成長層とp型半導体層とを順次積層する第二工程と、を具備してなることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。 - 前記再成長層形成の際に、キャリアガスとしてN2ガスを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記再成長層を3nm〜20nmの膜厚で形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記再成長層を形成する際の基板温度を、600℃〜1000℃とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記再成長層を形成する際の圧力を、10kPa〜80kPaとすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記再成長層を形成する前に、前記第二有機金属化学気相成長装置内において窒素とアンモニアを含む雰囲気中で、圧力40kPa〜100kPa、前記基板温度500℃〜800℃の条件下で熱処理を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記再成長層は、不純物が意図的に添加されていない再成長層であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 基板上に第一n型半導体層と、第二n型半導体層と、井戸層と障壁層とが交互に繰返し積層してなる最上面が前記障壁層である発光層と、前記発光層の最上面の前記障壁層上に形成された前記障壁層の再成長層と、p型半導体層とが積層された半導体発光素子。
- 前記再成長層が3nm〜20nmの膜厚で形成されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体発光素子。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法を用いて製造された半導体発光素子を備えることを特徴とするランプ。
- 請求項10に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする電子機器。
- 請求項11に記載の電子機器が組み込まれていることを特徴とする機械装置。
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---|---|---|---|---|
CN114597293A (zh) * | 2022-05-06 | 2022-06-07 | 江西兆驰半导体有限公司 | 发光二极管外延片及其制备方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004096077A (ja) * | 2002-07-08 | 2004-03-25 | Sumitomo Chem Co Ltd | 化合物半導体発光素子用エピタキシャル基板及びその製造方法並びに発光素子 |
JP2009123718A (ja) * | 2007-01-16 | 2009-06-04 | Showa Denko Kk | Iii族窒化物化合物半導体素子及びその製造方法、iii族窒化物化合物半導体発光素子及びその製造方法、並びにランプ |
-
2010
- 2010-06-14 JP JP2010134920A patent/JP5353827B2/ja active Active
Patent Citations (2)
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JP2004096077A (ja) * | 2002-07-08 | 2004-03-25 | Sumitomo Chem Co Ltd | 化合物半導体発光素子用エピタキシャル基板及びその製造方法並びに発光素子 |
JP2009123718A (ja) * | 2007-01-16 | 2009-06-04 | Showa Denko Kk | Iii族窒化物化合物半導体素子及びその製造方法、iii族窒化物化合物半導体発光素子及びその製造方法、並びにランプ |
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CN114597293A (zh) * | 2022-05-06 | 2022-06-07 | 江西兆驰半导体有限公司 | 发光二极管外延片及其制备方法 |
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