JP2012004066A - 二次電池、二次電池用電極及びその製造方法 - Google Patents

二次電池、二次電池用電極及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程の複雑化や材料のコストアップを招くことなく、合材層の厚膜化によって従来よりも高容量の電池を実現するため、合材層中のバインダ樹脂が偏在することなく、少ない樹脂量で、且つ厚い合材層厚であっても、合材層と集電体との結着力を確保することができる二次電池用電極及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】集電体の両面に、活物質及びバインダ樹脂を含む合材が層状に配置された二次電池用電極であって、合材層の表面に存在するバインダ樹脂の量が、集電体と合材層の界面に存在するバインダ樹脂の量の1.0倍以上1.5倍未満であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液を用いた二次電池に関する。特に、二次電池における電極、及びその製造方法に関する。
地球温暖化等の環境問題の顕在化により、自動車からの二酸化炭素排出量の削減が求められており、電気エネルギーを動力とする電気自動車や、自動車の減速時に生じるエネルギーを回生し、動力の一部として利用するハイブリッド自動車の開発が急ピッチで進められている。特に、電極におけるリチウムイオンの吸蔵放出反応を利用したリチウムイオン二次電池は、自動車向けの二次電池として注目されている。リチウムイオン二次電池の特性、特に車載用リチウムイオン二次電池において重要となる入出力特性は、二次電池の充放電時にリチウムイオンを吸蔵放出する電極の性能に大きく依存する。
リチウムイオン二次電池の電極には、電極の合材中の成分(活物質や導電材等)を結着するために、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やゴムバインダ等のバインダ樹脂が用いられる。バインダ樹脂は、活物質間の結着によって電極の物理的強度を高めるのに必須の成分であるが、電池容量には全く寄与しない。それゆえ、電池の大容量化のためにはバインダ樹脂成分の低減が重要となる。しかしながら同時に、バインダ樹脂成分の低減は電極の物理的強度を減少させる。すなわち、バインダ樹脂成分が不十分であると、製造工程中に合材層と集電体とが結着力不足よって剥がれ落ちたり、電池の寿命が短くなるといった問題が発生する。このため、合材層と集電体との結着力不足を補うために、バインダ樹脂の絶対量をある程度増やすことは有効である。
また、合材層と集電体との結着力が低下する原因の一つとして、合材層を形成する塗料を集電体上に塗布し乾燥させる工程中に、合材層中のバインダ樹脂成分が、合材層の表面部分、すなわち集電体から離れた部位に偏在することが挙げられる。その結果、合材層と集電体との界面においてバインダ樹脂が希薄になり、界面での結着性が乏しくなる。このようなバインダ樹脂の偏在は、塗料乾燥時の加熱により合材層中で対流が発生し、その溶剤移動に伴って、他の材料と比較して相対的に浮上し易いバインダ樹脂が容易に上層部(合材層の表面部分)に移動することにより生じると考えられる。
特に合材層の膜厚が厚くなると、乾燥時の溶剤の移動時間が長くなるため、上述のバインダ樹脂の偏在がより顕著になり、合材層と集電体との結着力が失われ易くなる。このことが合材層の厚膜化の大きな課題となっている。
そのような状況の中、合材層と集電体との結着力を向上させる技術が従来提案されている。例えば(特許文献1)には、集電体と、前記集電体の表面に形成された活物質層(合材層)とを有する電池用電極であって、前記活物質層が、比重の異なる複数のバインダを含み、前記活物質層において前記バインダが前記集電体側に多く存在することを特徴とする電池用電極が開示されている。
上記(特許文献1)記載の手法では、合材層におけるバインダ樹脂成分全体として見た場合、偏在の抑制には一定の効果が認められるが、基本的な構造と比重が異なる複数のバインダ樹脂成分を混在させていることから、集電体上に合材層を形成するための塗料の構成に関して制約が大きくなり、また、製造工程の複雑化や複数種のバインダ樹脂を使用することによる材料のコストアップを招く恐れがある。
特開2009−245925号公報
そこで本発明は、上記従来の状況に鑑み、製造工程の複雑化や材料のコストアップを招くことなく、合材層の厚膜化によって従来よりも高容量の電池を実現するため、合材層中のバインダ樹脂が偏在することなく、少ない樹脂量で、且つ厚い合材層厚であっても、合材層と集電体との結着力を確保することができる二次電池用電極及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは、合材層の膜厚方向におけるバインダ樹脂量の分布に着目した。すなわち、上述のように結着力の不足はバインダ樹脂の偏在が主な原因と考えられ、結着力を確保するには、合材層表面に存在するバインダ樹脂の量が、集電体と合材層の界面に存在するバインダ樹脂の量と比較して1.0倍以上1.5倍未満となるような偏在状態に抑えることが重要であることを見出した。また、バインダ樹脂の分布を上記の範囲内に抑えるには、合材を塗布した後に、昇温レート30〜50℃/分で昇温乾燥することが有効であることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。なお、本発明において、「合材層の表面に存在するバインダ樹脂の量」とは、合材層の表面から深さ5μmの間に存在するバインダ樹脂の量を意味し、同様に「集電体と合材層の界面に存在するバインダ樹脂の量」とは、界面から合材層側へ5μmまでの間に存在するバインダ樹脂の量を意味する。このバインダ樹脂の量は、例えば、合材層の断面をエネルギー分散型X線分析(EDX)等により分析し、フッ素等のバインダ樹脂由来の成分の分布を調べることにより求めることができる。電極合材層の全体に混合されるバインダ樹脂は、少な過ぎると剥離強度の確保が困難となり、多過ぎると電極特性が低下するため、3〜8重量%の範囲で添加することが好ましい。
(1)集電体の両面に、活物質及びバインダ樹脂を含む合材が層状に配置された二次電池用電極であって、合材層の表面に存在するバインダ樹脂の量が、集電体と合材層の界面に存在するバインダ樹脂の量の1.0倍以上1.5倍未満である前記二次電池用電極。
(2)集電体の片面における合材層の厚さが、35μm〜70μmである前記(1)に記載の二次電池用電極。
(3)合材層に含まれるバインダ樹脂の量が、3〜8重量%である前記(1)又は(2)に記載の二次電池用電極。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の二次電池用電極を備えた非水電解液二次電池。
(5)集電体上に、活物質及びバインダ樹脂を含む合材を塗布し、昇温レート30〜50℃/分で昇温乾燥する工程を含む二次電池用電極の製造方法。
本発明によれば、製造工程の複雑化や材料のコストアップを招くことなく、少ないバインダ樹脂量で且つ厚い合材層厚であっても、合材層と集電体との間の高い結着性が確保された二次電池用電極を得ることができる。この電極を用いた二次電池は、大容量であり、車載用の二次電池として好適である。
本発明の二次電池用電極を用いた円筒型電池の分解斜視図である。 本発明の二次電池用電極の製造工程を示すフロー図である。 本発明の二次電池用電極を製造する際に使用する乾燥炉の概略図である。 乾燥時にバインダ樹脂が偏在する状態を示す概念図である。 実施例及び比較例で採用した乾燥プロファイルを示すグラフである。 昇温レートと剥離強度の関係を示すグラフである。 昇温レートと(合材層表面の樹脂量)/(合材層・集電体界面の樹脂量)の関係を示すグラフである。 (合材層表面の樹脂量)/(合材層・集電体界面の樹脂量)と剥離強度の関係を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の二次電池用電極を用いた車載用リチウムイオン二次電池の一例として、円筒型電池の分解斜視図を図1に示す。なお、本発明の二次電池用電極の利用は円筒型電池に限定されず、角型電池等の各種電池も包含される。なお、この非水電解液二次電池を車載用途に使用する場合には、電池容量は3.5Ah以上であることが好ましい。
図1において、正極集電体14はアルミニウム等の金属薄膜であり、その両面に正極合材16が塗布されている。正極集電体14の、図の上方の長辺部には正極タブ12が複数設けられている。負極集電体15は銅等の金属薄膜であり、その両面に負極合材17が塗布されている。負極集電体15の、図の下方の長辺部には負極タブ13が複数設けられている。これら正極集電体14及び負極集電体15を、多孔質で絶縁性を有するセパレータ18を介して樹脂製の軸芯7の周囲に捲回し、最外周のセパレータ18をテープで止めて、電極群8を構成する。この際、軸芯7に接する最内周はセパレータ18であり、最外周は負極集電体15及び負極合材17を覆うセパレータ18である。管状の軸芯7の両端には、正極集電板5及び負極集電板6が嵌め合いによって固定されている。正極集電板5には正極タブ12が、例えば、超音波溶接法により溶接されている。同様に負極集電板6には負極タブ13が、例えば、超音波溶接法により溶接されている。負極の端子を兼ねる電池容器1の内部には、樹脂製の軸芯7を軸として捲回された電極群8に、正極集電板5及び負極集電板6が取り付けられて収納されている。この際、電解液も電池容器1内に注入される。また、電池容器1と上蓋ケース4との間にはガスケット2が設けられ、このガスケット2により電池容器1の開口部を封口するとともに電気的に絶縁する。正極集電板5の上には電池容器1の開口部を封口するように設けられた電導性を有する上蓋部があり、上蓋部は上蓋3と上蓋ケース4からなる。上蓋ケース4に正極リード9の一方が溶接され、他方が正極集電板5に溶接されることによって上蓋部と電極群8の正極とが電気的に接続される。
正極合材16は、正極活物質と、正極導電材と、正極バインダ樹脂とを有する。前記正極活物質としては、リチウム酸化物が好ましい。具体的には、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リン酸鉄リチウム、リチウム複合酸化物(コバルト、ニッケル、マンガンから選ばれる2種類以上を含むリチウム酸化物)等が挙げられる。また、前記正極導電材は、正極合材中におけるリチウムイオンの吸蔵放出反応で生じた電子の正極への伝達を補助できる物質であれば特に限定されることなく用いることができる。正極導電材の例として、黒鉛やアセチレンブラック等が挙げられる。さらに、前記正極バインダ樹脂は、正極活物質と正極導電材と正極集電体とを結着させることが可能であり、電解液との接触によって大幅に劣化しない樹脂であれば特に限定されない。正極バインダ樹脂の例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やフッ素ゴム等が挙げられる。
負極合材17は、通常、負極活物質と、負極バインダ樹脂と、増粘剤とを有する。なお、負極合材17は、場合によりアセチレンブラック等の負極導電材を有していても良い。負極活物質の例としては、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料が挙げられる。前記負極バインダ樹脂としては、正極と同様にPVDF等を用いることができ、あるいはスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)等も適用可能である。負極活物質と負極バインダ樹脂の混合割合は、物質の種類等によって異なり特に限定されるものではないが、一例として、負極活物質としてグラファイト、バインダ樹脂としてPVDFを含む場合、重量比はグラファイト:PVDF=90:10程度とすることが好ましい。
正極合材16の形成方法としては、正極集電体14上に正極合材16が層状に配置される方法であれば特に限定されない。正極合材の形成方法として、例えば、正極合材を構成する物質の分散溶液を調製し、その分散溶液を正極集電体上に塗布・乾燥する方法が挙げられる。塗布方法の例としては、ロール塗工法、スリットダイ塗工法等を挙げることができる。また、分散溶液の溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)や水等を用いることができる。さらに、乾燥方法としては、熱風循環、赤外加熱、それらの混合方法等を挙げることができる。このような正極合材16の形成方法は、負極合材17を形成する際にも同様に適用することができる。
合材層(正極合材16及び負極合材17)の厚さは、二次電池の用途等の観点から適宜設定することができるが、特に本発明により合材層と集電体との高い結着性を得ることができるため、従来よりも合材層厚を大きくし、高容量化することが可能である。具体的には、集電体の片面における合材層の厚さは、実用的な観点から35μm以上とすることが好ましく、70μm以下とすることが好ましい。70μmを超えると内部抵抗が上昇し不利になる場合がある。
図2に、本発明の二次電池用電極の製造工程フローを示す。原料として、活物質、導電材、バインダ樹脂、及び必要に応じて増粘剤等を溶剤に加え、それらが均質に分散するよう混練して分散溶液(スラリー)を調製する。次に、集電体上にスラリーを塗布し、最後に乾燥して電極を形成する。
図3は、本発明の二次電池用電極を製造する際に使用する乾燥炉の一実施形態の概略図である。図3に示すように、乾燥炉23はいくつかのゾーン(図3の場合には4つ)に区切られており、それぞれのゾーンにおいて温度を恒温設定することで、ランプ状の乾燥プロファイルを実現させる。
乾燥処理は、前記分散溶液が塗布された集電体22が、巻出しローラ19によって乾燥炉23内に運ばれ、そこで集電体の温度を徐々に上げていき、溶剤分を揮発乾燥させることで行われ、最後に巻取りローラ20によって巻き取られる。
乾燥中にバインダ樹脂が偏析する理由について、図4の概念図に基づき説明する。乾燥中、合材層26における溶剤の表面への移動に伴い、活物質25同士の間隙を抜けて、バインダ樹脂24も表面へ移動する。その結果、集電体22との界面付近はバインダ樹脂24の存在量が疎になってしまう。すなわち、一般的には、形成された電極において、(合材層表面の樹脂量)は(合材層・集電体界面の樹脂量)よりも大きくなる。このようなバインダ樹脂の移動は、溶剤の移動速度を抑えることによって抑制できると考えられる。すなわち、乾燥速度を小さくすることで、バインダ樹脂の移動量を抑えることができる。
本発明では、合材層を乾燥させる際に昇温レート30〜50℃/分でランプ状に昇温乾燥させることによって溶剤の移動速度を小さくし、バインダ樹脂の偏析を抑制する。昇温レートが30℃/分未満であると、装置の占有面積が増大する傾向があるため、昇温レートは30〜50℃/分に設定することが好ましい。このようなランプ状の昇温乾燥プロファイルは、例えば、図3の乾燥炉23において、4つのゾーンの温度設定を進行方向に向かって40℃、70℃、100℃、100℃と順に高くなるように設定し、4つのゾーンを集電体22が3分間かけて通過するようにすることによって達成することができるが、この手法に限定されるものではない。この場合、乾燥処理の後半部分において、温度を昇温させずに例えば100℃の一定温度に維持し、溶剤を完全に(例えば200ppm以下まで)除去するための維持加熱工程を適宜含んでも良い。上記の例では、第3ゾーンの途中から第4ゾーンの終わりまでが維持加熱工程に相当する。
次に、下記の通り車載用非水電解液二次電池用の正極を作製し、本発明の効果について検討した。
(実施例1)
まず、正極集電体の両面に正極合材層を形成する。正極集電体として、厚さ20μmのアルミ箔を用いた。そして、正極活物質としてNi−Co−Mnの3元系Li複合酸化物と、正極導電材と、正極バインダ樹脂としてPVDFとの混合物(重量比85:10:5)を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させ、プラネタリミキサを用いて混練することによりペースト状の塗料を作製した。塗料の固形分率は62重量%とした。この塗料をロール塗工法により正極集電体上に塗布した。
塗布後、合材層を乾燥させるため、循環温風乾燥炉にて室温から100℃まで昇温レート50℃/分で加熱し、その後、およそ100℃で1.5分間の維持加熱を行って溶剤を乾燥除去し、正極集電体上に片面70μmの厚さで正極合材層を形成した。
次に、作製した正極合材層の断面観測を行うため、精密研磨を行った。そして、正極合材層の断面をエネルギー分散型X線分析(EDX)にて、バインダ樹脂に含まれるフッ素の分布を定量分析した。分析の結果、合材層表面から深さ5μmの間に存在する樹脂量が合材層・集電体界面から合材層側へ5μmまでの間に存在する樹脂量の1.4倍程度であることを確認した。
また、正極の合材層上に、幅18mmの粘着テープを貼付し、その一端を剥離させ、剥離強度を計測した。評価方法はJIS C 0806−3 1999に準拠し、180°剥離にて測定した。剥離強度は92.5gf/10mmであった。
(比較例1)
上記実施例1と同様に正極集電体上に合材層の塗料を塗布した後、合材層を乾燥させるため、循環温風乾燥炉にて室温から100℃まで昇温レート150℃/分で加熱し、その後、およそ100℃で2.5分間の維持加熱を行い、正極集電体上に片面70μmの厚さで正極合材層を形成した。次に、実施例1と同様の手順により、(合材層表面の樹脂量)/(合材層・集電体界面の樹脂量)を評価し、それが2.5であることを確認した。このときの剥離強度は20gf/10mm以下であった。
(比較例2)
上記実施例1と同様に正極集電体上に合材層の塗料を塗布した後、合材層を乾燥させるため、循環温風乾燥炉にて室温から100℃まで昇温レート100℃/分で加熱し、その後、およそ100℃で2.5分間の維持加熱を行い、正極集電体上に片面70μmの厚さで正極合材層を形成した。次に、実施例1と同様の手順により、(合材層表面の樹脂量)/(合材層・集電体界面の樹脂量)を評価し、それが1.8であることを確認した。このときの剥離強度は63.5gf/10mmであった。
(比較例3)
上記実施例1と同様に正極集電体上に合材層の塗料を塗布した後、合材層を乾燥させるため、循環温風乾燥炉にて室温から100℃まで昇温レート150℃/分で加熱し、その後、およそ100℃で2.5分間の維持加熱を行い、正極集電体上に片面30μmの厚さで正極合材層を形成した。次に、実施例1と同様の手順により、(合材層表面の樹脂量)/(合材層・集電体界面の樹脂量)を評価し、それが1.5であることを確認した。このときの剥離強度は90.0gf/10mmであった。
図5に、上記の実施例1及び比較例1〜3で使用した乾燥プロファイルを示す。横軸に時間をとり、縦軸には集電体の温度を示している。
図6に、乾燥時の昇温レートと剥離強度の関係を示す。横軸に昇温レート(℃/分)をとり、縦軸に剥離強度(gf/10mm)をとった。図中tは合材層の片面厚さを示している。昇温レートが小さくなるに従い、剥離強度は大きくなる。合材層の片面厚さが30μmのときは、昇温レートが150(℃/分)であっても90.0gf/10mmという十分な剥離強度が得られるが、合材層の片面厚さが70μmの場合には、昇温レートを50(℃/分)以下にしないと十分な剥離強度である90.0gf/10mmに達しない。すなわち、上述のように、剥離強度を保ったまま電極を厚膜化するには、乾燥工程において合材層中のバインダ樹脂の分布を調整する必要があり、合材層の厚さが大きくなるほど昇温レートを小さく抑える必要がある。昇温レートが50(℃/分)以下であれば、合材層の片面厚さ35μm〜70μmの範囲において十分な剥離強度を確保することができる。
図7に、昇温レートと(合材層表面の樹脂量)/(合材層・集電体界面の樹脂量)との関係を示す。横軸に昇温レート(℃/分)をとり、縦軸に樹脂バインダ分布を表す(合材層表面の樹脂量)/(合材層・集電体界面の樹脂量)をとった。この値が大きい程、バインダ樹脂の偏在が大きいことを意味する。図7から明らかなように、昇温レートが小さくなるほどバインダ樹脂の偏在が抑えられることが分かり、また上述のように、合材層の厚さが大きくなると偏在が大きくなることが分かった。
図8に、(合材層表面の樹脂量)/(合材層・集電体界面の樹脂量)と剥離強度の関係を示す。横軸に(合材層表面の樹脂量)/(合材層・集電体界面の樹脂量)をとり、縦軸に剥離強度(gf/10mm)をとった。図8より、バインダ樹脂の偏在が小さくなるに従い、剥離強度が大きくなることが分かる。また、十分な剥離強度である90.0gf/10mmを確保するには、合材層の膜厚に関係なく(合材層表面の樹脂量)/(合材層・集電体界面の樹脂量)の値を1.0〜1.5未満にする必要がある。
表1に、上記の実施例1及び比較例1〜3の結果をまとめて示す。
Figure 2012004066
これまで述べたように、合材層と集電体の結着性を向上させるには、バインダ樹脂の分布を均一にする方が有利である。特に、合材層の厚膜化を実現するには、昇温レートを50℃/分以下にすることが必要である。
ただし、乾燥昇温レートを小さくし過ぎると乾燥装置の占有面積、スループット等の観点から不利であり、剥離強度が90gf/10mm以上であれば実用上問題はないので、昇温レートは30〜50℃/分とすることが好ましい。
本発明により、合材層と集電体の間で高い結着力が確保された電極が提供される。また、少ないバインダ樹脂量で、且つ厚い合材層であっても、信頼性に優れた高容量の二次電池を提供することができる。この二次電池は、車載用のリチウムイオン二次電池として好適である。
1 電池容器
2 ガスケット
3 上蓋
4 上蓋ケース
5 正極集電板
6 負極集電板
7 軸芯
8 電極群
9 正極リード
12 正極タブ
13 負極タブ
14 正極集電体
15 負極集電体
16 正極合材
17 負極合材
18 セパレータ
19 巻出しローラ
20 巻取りローラ
21 ガイドローラ
22 集電体
23 乾燥炉
24 バインダ樹脂
25 活物質
26 合材層

Claims (5)

  1. 集電体の両面に、活物質及びバインダ樹脂を含む合材が層状に配置された二次電池用電極であって、合材層の表面に存在するバインダ樹脂の量が、集電体と合材層の界面に存在するバインダ樹脂の量の1.0倍以上1.5倍未満である前記二次電池用電極。
  2. 集電体の片面における合材層の厚さが、35μm〜70μmである請求項1に記載の二次電池用電極。
  3. 合材層に含まれるバインダ樹脂の量が、3〜8重量%である請求項1又は2に記載の二次電池用電極。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池用電極を備えた非水電解液二次電池。
  5. 集電体上に、活物質及びバインダ樹脂を含む合材を塗布し、昇温レート30〜50℃/分で昇温乾燥する工程を含む二次電池用電極の製造方法。
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