JP2012001295A - 伸縮式ブームのジブ連結装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジブ連結装置のジブ連結具へのピンの取り付けを失念するミスをした場合にミス前の工程に戻す作業に要する時間及び労力を抑制する。また、ジブ張出工程でのジブの落下を未然に確実に防止する。
【解決手段】ロッド部71の端部に取り付けられるとともにロッド部71のロッド軸71aからずれた位置に配置されたジブ連結具80を備える。ジブ連結具80は、ジブ50が格納された伸縮式ブーム20が略水平に配置された状態で、ロッド軸71a回りに回動してジブ取付軸37に下方側からはめ込み可能に形成されているとともに、はめ込んだジブ取付軸37よりも上方側にピン孔82が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、伸縮式ブームとジブとを連結するジブ連結装置に関する。
従来より、伸縮式ブームとジブとを備えたクレーンがある。ジブ不使用時には、伸縮式ブームの基本ブームの側面にジブが格納される(このときの姿勢を「ジブ格納姿勢」という)。ジブ使用時には、伸縮式ブームの先端ブームにジブが取り付けられる(このときの姿勢を「ジブ作業姿勢」という)。また、ジブ格納姿勢からジブ作業姿勢に変更する時を「ジブ張出時」という。また、ジブ作業姿勢からジブ格納姿勢に変更する時を「ジブ格納時」という。
特許文献1〜3には、ジブ張出時およびジブ格納時に用いられるジブ連結装置が記載されている。このジブ連結装置を用いてジブ張出時の作業を次のように行う。
(工程a)伸縮式ブームの先端ブームのジブ取付軸に、ジブ基端部のジブ連結装置のジブ連結具を取り付け、ピンで固定する。
(工程b)ジブウインチでジブ先端部を吊り上げる。これにより、ジブ基端部のジブ連結具とジブ先端部とでジブが支持される。
(工程c)ジブ基端部のジブ連結具とジブ先端部との間のピン(ジブ格納時に伸縮式ブームにジブを固定するためのピン)を取り外す。
(工程d)伸縮式ブームを所定角度まで起こしながらジブ張出用ロープを繰り出し、ジブ取付軸を中心にジブを回動させてジブを張り出す(以下、この(工程d)を「ジブ張出工程」ともいう)。
ここで、上記の作業の手順をミスした場合にジブが不用意に落下するおそれがある。手順のミスは具体的には、ジブ連結装置のジブ連結具をジブ取付軸に取り付けた後、ジブ連結具へのピンの取り付けを失念するミスである。このミスをした状態のままジブを張り出すと、ジブ連結具がジブ取付軸から外れ、ジブが不用意に落下するおそれがある。
特許文献4には、ジブ張出時のジブの落下を防止する技術が記載されている。この技術では、基本ブームとジブとが脱落防止係合部で固定され、ジブ連結装置のジブ連結具へのピンの取り付けを失念したままジブを張り出してもジブが保持される。
実開昭61−72583号公報 実開昭61−86384号公報 特開昭61−86386号公報 特開2005−154071号公報
しかしながら、特許文献4に記載の技術には次の問題がある。ジブ連結装置のジブ連結具へのピンの取り付けを失念するというミスをしたままジブを張り出した後、ジブ張出工程の途中で(継続した張り出し過程で)ジブが保持され、その結果上記のミスに気づく。よってこの技術は、ミス前の工程に戻す作業に時間と労力がかかり煩わしいものとなっている。
そこで本発明は、ジブ連結装置のジブ連結具へのピンの取り付けを失念するミスをした場合にミス前の工程に戻す作業に要する時間及び労力を抑制でき、かつ、ジブ張出工程でのジブの落下を未然に確実に防止できるジブ連結装置を提供することを目的とする。
第1の発明に係る伸縮式ブームのジブ連結装置は、クレーンの伸縮式ブームの先端ブームのジブ取付軸にジブの基端部を連結するとともに、当該ジブの張出時および格納時に用いられるジブ連結装置であって、前記ジブの基端部に取り付けられた受け部材と、前記受け部材に支持されたジブ連結装置本体と、を備える。前記ジブ連結装置本体は、前記ジブの長手方向にロッド軸が沿うように前記受け部材に支持されたロッド部と、前記ロッド部の端部に取り付けられるとともに当該ロッド部のロッド軸からずれた位置に配置されたジブ連結具と、を備える。前記ロッド部は、前記ロッド軸方向に摺動自在であるとともに当該ロッド軸回りに回動自在に前記受け部材に支持される。前記ジブ連結具は、前記ジブが格納された前記伸縮式ブームが略水平に配置された状態で、前記ロッド軸回りに回動して前記ジブ取付軸に下方側からはめ込み可能に形成されているとともに、はめ込んだ当該ジブ取付軸よりも上方側にピン孔が形成されている。
このジブ連結装置のジブ連結具は、ジブが格納された伸縮式ブームが略水平に配置された状態で、ロッド軸回りに回動してジブ取付軸に下方側からはめ込み可能に形成されているとともに、はめ込んだジブ取付軸よりも上方側にピン孔が形成されている。
この構成では、ジブ連結具のピン孔にピンが差し込まれない場合(ジブ連結具へのピンの取り付けを失念するミスをした場合)は、ジブ取付軸の上方側が開放されるので、ジブ連結具はジブを支持することができない。よって、ジブウインチでジブ先端部を吊り上げ(上記「工程b」)ても、ジブ連結具とジブ先端部との間のピン(ジブ格納時に伸縮式ブームにジブを固定するためのピン)にジブの荷重がかかった状態となる。この状態では、ジブ連結具とジブ先端部との間のピンを取り外す(上記「工程c」)ことができない。上記ピンを取り外せないので、その後のジブ張出工程(上記「工程d」)に進めない。したがって、ジブ連結具へのピンの取り付けを失念するミスにジブ張出工程の途中で気付く場合に比べ、ミス前の工程に戻す作業に要する時間及び労力を抑制できる。
また、上記のようにジブ張出工程(上記「工程d」)に進めないので、ジブ張出工程でのジブの落下を未然に確実に防止できる。
第2の発明に係る伸縮式ブームのジブ連結装置では、前記ジブが格納された前記伸縮式ブームが略水平に配置された状態で、前記ジブ取付軸にはめ込んだ当該ジブ連結具の前記ピン孔にピンが差し込まれていない場合、当該ジブ連結具が前記ロッド軸回りに自重により回動することで、当該ジブ取付軸から当該ジブ連結具が下方側へ完全に外れる。
この構成では、上記のようにジブ連結具が回動するので、ジブ連結具へのピンの取り付けを失念するミスをしたことに気付きやすい(上記「工程a」の段階で気付きやすい)。したがって、上記ミスの前の工程に戻す作業に要する時間及び労力をより抑制できる。
また、ジブ格納姿勢で伸縮式ブームを伸長させるときに、ジブ連結具がジブ取付軸にはめ込まれたまま(先端ブームとジブとの縁が切れていないまま)であれば、ジブ取付軸及びジブ連結具(またはこれらの周辺部)が損傷するおそれがある。
一方で本発明のジブ連結装置では、ジブ取付軸にはめ込んだジブ連結具のピン孔にピンが差し込まれていない場合、ジブ連結具がロッド軸回りに自重により回動することで、ジブ取付軸からジブ連結具が下方側へ完全に外れる。すなわち、ジブ連結具からピンを取り外しさえすれば(ジブ連結具を所定の位置に格納することを失念したとしても)、先端ブームとジブとの縁が切れる。したがって、伸縮式ブームの伸長によるジブ取付軸及びジブ連結具(またはこれらの周辺部)の損傷を抑制できる。
第3の発明に係る伸縮式ブームのジブ連結装置では、前記ジブの張出時および格納時に前記ジブ連結具の前記ピン孔に差し込まれる前記ピンは、前記伸縮式ブームを構成する基本ブームに当該ジブが格納されたときに当該基本ブームと当該ジブとを固定するために用いられるピンである。
この構成では、基本ブームとジブとを固定するために上記のピンが用いられていれば、ジブ連結具のピン孔からはピンが外れている。よって、上記2種類のピンが両方同時に取り付けられた状態で伸縮式ブームを伸長させることによるジブ取付軸及びジブ連結具(またはこれらの周辺部)の損傷を防止(回避)できる。
第4の発明に係る伸縮式ブームのジブ連結装置は、前記ジブの基端部または前記先端ブームに取り付けられた規制具を備える。前記規制具は、前記伸縮式ブームの前方側に前記ジブが張り出された状態で、前記ジブ連結具の前記ピン孔に差し込まれた前記ピンの取り外しを阻止する位置に配置されている。
「前記ピンの取り外しを阻止する」には、前記ピン孔から前記ピンが抜けるのを防止するロックピンが前記ピンに取り付けられている場合に、このロックピンの取り外しを阻止し、その結果として前記ピンの取り外しを阻止する場合を含む。
ジブ格納時に、伸縮式ブームの前方側にジブが張り出された状態でジブ連結具のピン孔からピンを取り外すミスをした場合、ジブ取付軸を中心にジブを回動させてジブを格納する工程(以下、「ジブ格納工程」ともいう)の途中でジブ取付軸からジブ連結具が外れ、ジブが落下するおそれがある。
一方で本発明のジブ連結装置は、上記のピンの取り外しを阻止する位置に配置された規制具を備える。したがって、上記のピンを取り外すミスによるジブの落下を未然に防止することができる。
ジブ連結装置を備えた移動式クレーンを横から見た図である。 図1に示す移動式クレーンの伸縮ブームとジブとを上から見た図である。 図1に示すジブ連結装置周辺の拡大図である。 図3に示すジブ連結装置周辺を前方側から見た図である。 図3に示すジブ連結装置周辺を下方側から見た図である。 ジブ連結装置を格納したときの図3相当図である。 ジブ連結装置を格納したときの図4相当図である。 ジブ連結装置を格納したときの図5相当図である。 ジブを張り出したときの図3相当図である。 図1に示すジブ基端固定具41に設けられたジブ基端固定ピン挿入検出器等を示す電気ブロック図である。 図1に示す移動式クレーンのジブ張出工程を示す図である。 ジブを張り出したときの変形例の図3相当図である。 ジブを張り出したときの変形例の図4相当図である。 ジブを張り出したときの変形例の図5相当図である。
本発明に係る伸縮式ブームのジブ連結装置の実施形態について図面を参照して説明する。まずジブ連結装置1を備えたクレーン10の構成を説明した後、ジブ連結装置1等の動作を説明する。なお、図2は図1に示すF2矢視図である。図3は、図1に示すF3部分の拡大図であり、図4及び図5に示すF3矢視図である。図4は、図3及び図5に示すF4矢視図である。図5は、図3及び図4に示すF5矢視図である。図3〜図5と同様に図6〜8は、図6〜8に示すF6〜F8矢視図である。また、図7及び図8ではジブ取付軸37からジブ連結具80が下方側へ完全に外れた状態を二点鎖線で示す。
(ジブ連結装置を備えたクレーンの構成)
クレーン10は、図1に示すように、ホイール走行式(またはクローラ走行式)の下部走行体11、下部走行体11の上方側に回可能に取り付けられた上部旋回体12、上部旋回体12に取り付けられた伸縮式ブーム20、伸縮式ブーム20に接続及び格納可能なジブ50、および、伸縮式ブーム20とジブ50とを固定するジブ固定具40を備える。
伸縮式ブーム20は、上部旋回体12に起伏可能に取り付けられた箱型ブームである。伸縮式ブーム20は、上部旋回体12に取り付けられた基本ブーム21と、基本ブーム21の内側かつ先端側に配置された中間ブーム25(1段または複数段)と、中間ブーム25の内側かつ先端側に配置された先端ブーム30とを備える。
基本ブーム21は、上部旋回体12に取り付けられるとともに側面にジブ50を格納可能である。基本ブーム21には、ジブ50の格納に用いられるジブ固定具40が取り付けられる。
先端ブーム30は、基本ブーム21および中間ブーム25の内側かつ先端側に配置されるとともに前方側(先端側)にジブ50を接続可能である。図2に示すように、先端ブーム30は、ブームヘッド31と、ブームヘッド31の先端部から横方向に突出するジブ取付軸35とを備える。また、図3及び図5に示すように、先端ブーム30は、ブームヘッド31の側板32の所定の位置に規制具取付具34(図5参照)を介して取り付けられた規制具33(ジブ連結具80を説明した後に説明する)を備える。
ジブ取付軸35は、図2に示すように、ブームヘッド31の先端部から横方向に(左右それぞれに)突出した部材である。横方向のうちジブ50が格納される側(前方側から見て伸縮式ブーム20の右側面にジブ50が格納される場合は、右側)のジブ取付軸37には、ジブフット57f(図1参照)及びジブ連結装置1それぞれを回動可能に取り付け可能である。ブームヘッド31を挟んでジブ取付軸37と反対側のジブ取付軸36には、ジブフット56f(図1参照)を回動可能に取り付け可能である。
ジブ取付軸37は、図4及び図5に示すように、基端側(側板32側)のジブフット取付部37aと、先端側のジブ連結装置取付部37bとを備える。ジブ連結装置取付部37bはジブ連結装置1(のジブ連結具80)が外れないように構成される。具体的には、ジブ連結装置取付部37bは、ジブフット取付部37aよりも直径が小さく形成される。また、図5に示すように、ジブ連結装置取付部37bの先端には例えば板状の部材37cが取り付けられる。
ジブ固定具40は、図1及び図2に示すように、伸縮式ブーム20の基本ブーム21とジブ50とを固定(格納)するための部材である。ジブ固定具40は、基本ブーム21及びジブ50それぞれに固定されたブラケットにピンを差し込むことで基本ブーム21とジブ50とを固定する構造である。ジブ固定具40は、基本ブーム21の先端部付近とジブ50の基端部付近とをジブ基端固定ピンP1で固定するジブ基端固定具41と、基本ブーム21及びジブ50それぞれの中間部付近をジブ中間固定ピンP2で固定するジブ中間固定具42と、基本ブーム21の基端部付近とジブ50の先端部付近とをジブ先端固定ピンP3で固定するジブ先端固定具43とで構成される(なお、ジブ固定具40の数は2や4以上でも良い)。
ジブ基端固定具41は、ジブ基端固定ピン挿入検出器41a(図10参照)を備える(後述)。
ジブ先端固定具43は、ジブ50の張出及び格納(後述)を行うために、ジブウインチ43aと、ジブウインチ43aにより巻込み及び巻出しされるジブ張出用ロープ43b(図11(a)参照)とを備える。図1に示すように、ジブ張出用ロープ43bの先端のフックにジブ50の先端部を取り付け可能である。
ジブ50は、不使用時には基本ブーム21の側面に格納される(ジブ格納姿勢)とともに、図11(c)に示すように、使用時には先端ブーム30のブームヘッド31に連結される(ジブ作業姿勢)部材である。ジブ50は、図3に示すように、ジブ本体55と、ジブ本体55に取り付けられたジブ連結装置1とを備える。
なお、図11(c)に示すように、ジブ50の使用時には、ジブ本体55の先端部付近に配置された油圧シリンダ52と先端ブーム30とがサスペンション部材51で連結される。そして、油圧シリンダ52を伸縮させることで、伸縮式ブーム20に対してジブ50が起伏する。
ジブ本体55は、図1に示すように、基端部付近では、上側主桁56と下側主桁57との二股に分かれている。上側主桁56及び下側主桁57それぞれの先端(ジブ50の基端)にはジブフット56f及び57fが形成される。ジブフット56f及び57fそれぞれは、図2に示すジブ取付軸35に取り付け可能にフォーク状(二股状)に形成されるとともに、ジブ取付軸35に回動可能に取り付けるためのピンを差し込むピン孔が形成される(図3及び図5のジブフット57f参照)。図3に示すように、下側主桁57のジブフット57fには、ピン取付部57pが取り付けられる。
ピン取付部57pは、図6及び図7に示すように、ジブ連結具格納固定ピンP4を差し込むための部材であり、ジブ連結具80の格納時に用いられる(後述)。
(ジブ連結装置)
ジブ連結装置1は、図3に示すように、先端ブーム30のブームヘッド31のジブ取付軸37(ジブ連結装置取付部37b)に着脱可能かつ回動可能にジブ50の基端部を連結するとともに、ジブ50の張出時および格納時に用いられる装置である。なお、以下では、ジブ50が格納姿勢であるとともに伸縮式ブーム20が略水平に配置された状態(図1参照)を基準として、「上方」「下方」「前方」「後方」などという(ジブ50や伸縮式ブーム20の姿勢について特に述べた場合はのぞく)。ジブ連結装置1は、ジブ本体55の下側主桁57の先端部付近(ジブ50の基端部付近)の下方側に配置される。ジブ連結装置1は、ジブ本体55の下側主桁57に取り付けられたジブ連結具受け部材60(受け部材)と、ジブ連結具受け部材60に支持されたジブ連結装置本体70とを備える。
ジブ連結具受け部材60(受け部材)は、ジブ連結装置本体70を支持する部材である。ジブ連結具受け部材60は、ジブ本体55の下側主桁57に固定(溶着など)された例えば板状の支持部61と、支持部61の下端部に取り付けられた円筒状の軸受部62とを備える。
ジブ連結装置本体70は、ジブ連結具受け部材60の軸受部に挿入されたロッド部71と、ロッド部71の後方側端部に取り付けられた摺動規制具72と、ロッド部71の前方側端部にオフセット部材73を介して取り付けられたジブ連結具80とを備える。
ロッド部71は、ジブ50の長手方向にロッド軸71aが沿う(ほぼ沿う)ようにジブ連結具受け部材60に挿入および支持される部材である。ロッド部71は、ロッド軸71a方向に摺動自在であるとともにロッド軸71a回りに回動自在にジブ連結具受け部材60に支持される。
摺動規制具72は、ロッド部71の後方側端部に取り付けられ、ジブ連結装置本体70(ロッド部71)の摺動を規制する部材である。摺動規制具72は、ナット部材を用いてロッド軸71a方向に位置調整が可能である。摺動規制具72は、ジブ連結具80をジブ取付軸37にはめ込んだときに、ジブ連結具受け部材60の後端に摺動規制具72の前端が接触する(当接する)ような位置でロッド部71に固定される。
オフセット部材73は、図5に示すように、ロッド部71の前方側端部に取り付けられ、ロッド部71のロッド軸71aからずれた位置にジブ連結具80を配置するための部材である。オフセット部材73は、ロッド部71の前方側端部に固定(溶着)される。オフセット部材73は、ロッド軸71aに垂直な方向に延びるように配置される。
ジブ連結具80は、図3〜図5に示すように、ジブ取付軸37にはめ込む(係合させる)部材である。ジブ連結具80の後方側端部はオフセット部材73に固定(溶着)される。このためジブ連結具80は、ロッド軸71aを中心に、ロッド軸71aからずれた位置で回動可能である。
また、ジブ連結具80は、図4及び図7に示すように、ロッド軸71a回りに回動してジブ取付軸37に下方側からはめ込み可能に形成されている。具体的にはジブ連結具80は、図3に示すように、ジブ取付軸37にはめ込んだ状態で横から見たとき、上方側が開口した形状である。例えばジブ連結具80は、Uの字状(コの字状)の部材であり、クレビス部材である。なお、ジブ取付軸37へのジブ連結具80のはめ込みを容易にするため、ジブ連結具80の上端部付近に傾斜を形成しても良い。
また、ジブ連結具80は、Uの字状のジブ連結具本体81と、ジブ連結具本体81に形成されたピン孔82と、ジブ連結具本体81に取り付けられた格納具83とを備える。
ピン孔82は、ジブ連結具本体81がはめ込んだジブ取付軸37よりも上方側に形成される。ピン孔82は、ジブ連結具本体81の両端(ジブ取付軸37にジブ連結具本体81をはめ込んだ状態における2つの上端部)を連通するように形成され、例えば前方側から後方側に向かってジブ連結具固定ピンP1を差し込み可能である。ピン孔82にジブ連結具固定ピンP1を差し込むことで、ジブ取付軸37にジブ連結具80が連結され、ジブ取付軸37回りにジブ50が回動自在となる。
また、ジブ連結具固定ピンP1は、ロックピンP1aによりピン孔82から抜けることが防止される(ジブ連結具本体81にジブ連結具固定ピンP1が固定される)。ロックピンP1aは、ジブ連結具固定ピンP1の軸方向に直交するように、ジブ連結具本体81(の例えば前端部のロックピン差込部81a)とジブ連結具固定ピンP1とに差し込まれる。なお、煩雑を避けるため図4ではロックピンP1aの図示を省略している。
このピン孔82(ジブ取付軸37にはめ込んだジブ連結具80のピン孔82)にジブ連結具固定ピンP1が差し込まれていない場合、ジブ連結具80がロッド軸71a回りに自重により回動(図4及び図7参照)可能である。この回動により、ジブ取付軸37からジブ連結具80が下方側へ完全に外れる(外れた状態を、図7及び図8で二点鎖線で示すジブ連結具80を参照)。
すなわち、ロッド軸71aからのジブ連結具80のずれの大きさ(すなわちオフセット部材73の大きさ)は、ジブ取付軸37からジブ連結具80が下方側へ完全に外れるような大きさである。
格納具83は、図6〜図8に示すように、ピン孔を備えた例えば板状の部材であり、ジブ連結装置1の格納時にジブ連結具格納固定ピンP4を差し込むための部材である。格納具83は、図8に示すように、ジブ連結具本体81の例えば外周面に取り付けられる。格納具83は、図6に示すように、ジブ連結装置本体70を後方側に摺動させるとともにジブ連結具80をロッド軸71aの上方側に配置させたときに(ジブ連結装置1の格納時に)、図6〜図8に示すように、ジブフット57fのピン取付部57pのピン孔と、格納具83のピン孔とが連通するような位置に配置される。
ここで、図8及び図9に示す先端ブーム30のブームヘッド31の側板32に取り付けられた規制具33について説明する。規制具33は、例えばパイプ状であり(板状等でも良い)、図9に示すように、伸縮式ブーム20の前方側にジブ50が張り出された状態(図11(c)参照)で、ジブ連結具80のピン孔82に差し込まれたジブ連結具固定ピンP1の取り外しを阻止する部材である。すなわち、ジブ連結具固定ピンP1が抜ける向き(図9では矢印A7の向き)におけるジブ連結具80から規制具33までの距離が、ジブ連結具固定ピンP1の軸方向の長さよりも短くなるような位置に規制具33が配置される。
なお、規制具33及び規制具取付具34(図5参照)は、ジブ50を張り出す時に他の部材に干渉しない位置に配置される。例えば、規制具33及び規制具取付具34は、図3に示すようにジブ50をジブ取付軸37回りに回動させたときのジブフット57fの軌跡よりも内側など、かつ、図5に示すようにジブ連結装置1よりも内側(側板32側)などに配置される。
(電気回路)
次に、図10を参照して、ジブ基端固定具41(図2参照)に設けられたジブ基端固定ピン挿入検出器41a等を備えた電気回路E1について説明する。この電気回路E1はジブ基端固定ピン挿入検出器41a及び動作指示手段E2からの信号が入力されるコントローラE3と、コントローラE3により制御されるブーム伸長手段E4とを備える。
ジブ基端固定ピン挿入検出器41aは、ジブ基端固定具41にジブ基端固定ピンP1が挿入されているか否かを検出するとともに、検出結果をコントローラE3に出力する。
動作指示手段E2は、図1に示す運転室12a内のオペレータにより行われたジブ50の張出/格納作業モードの選択や、伸縮式ブーム20の伸縮操作の指示等に対応する信号を、図10に示すコントローラE3へ出力する。
コントローラE3は、ジブ基端固定ピン挿入検出器41a及び動作指示手段E2から入力された信号に基づき、ブーム伸長手段E4へ信号を出力する。コントローラE3は、ジブ基端固定ピン挿入検出器41aによりジブ基端固定ピンP1(図2参照)が挿入されていることが検出されている時のみ、ブーム伸長手段E4による伸縮式ブーム20(図2参照)の伸長を許可する。これにより、図2に示すジブ基端固定具41にジブ基端固定ピンP1が挿入されないまま伸縮式ブーム20を伸長することを確実に防ぐことができる。
(ジブ連結装置等の動作)
次に、ジブ50格納姿勢、ジブ50張出時、及び、ジブ50格納時それぞれのジブ連結装置1等の動作を説明する。
(ジブ格納姿勢)
ジブ50格納姿勢では、図2に示すように、伸縮式ブーム20の基本ブーム21の側面にジブ50が格納(固定)される。上述したように基本ブーム21とジブ50とが、ジブ基端固定ピンP1、ジブ中間固定ピンP2、及びジブ先端固定ピンP3を用いてジブ固定具40で固定される。
また、ジブ50格納姿勢では、図6〜図8に示すように、ジブ本体55のジブフット57fにジブ連結具80が格納(固定)される。具体的には、ジブ連結具80の格納具83と、ジブフット57fのピン取付部57pとにジブ連結具格納固定ピンP4が差し込まれる。ジブ連結具80の格納位置は例えば、ロッド軸71aの上方側、かつ、ジブ取付軸37の後方側(ジブ連結具受け部材60(図6及び図8参照)の前方側)、かつ、ジブフット57fの下方側とする。ジブ連結具80が格納された状態では、先端ブーム30とジブ50とは完全に縁が切れている。
(ジブ張出時)
ジブ50張出時の作業は以下のように行う。
(工程1−1)
図2に示すジブ基端固定ピンP1をジブ基端固定具41から取り外す。取り外したジブ基端固定ピンP1は、図3に示すジブ連結具80をジブ取付軸37へ固定するためのジブ連結具固定ピンP1として後で使用する。すなわち、ジブ50の張出時および格納時にジブ連結具80のピン孔82に差し込まれるジブ連結具固定ピンP1は、図2に示す基本ブーム21にジブ50が格納されたときに基本ブーム21とジブ50とを固定するために用いられるジブ基端固定ピンP1である。
(工程1−2)
図6〜図8に示すジブ連結具格納固定ピンP4を、ジブ連結具80の格納具83およびジブフット57fのピン取付部57pから取り外す。図4において二点鎖線で示すように、取り外したジブ連結具格納固定ピンP4は、ジブフット57f(またはジブフット56f(図1参照))に取り付けるジブフットピンP4として後で使用する。
次に、図6〜図8に示すジブ連結装置1のロッド部71をジブ連結具受け部材60から前方側に引き出す(ロッド軸71a方向に摺動させる)。図3及び図5に示すように、ロッド部71の引き出しは、ジブ連結具受け部材60の後端面に摺動規制具72が接触するまで行う。
次に、図3に示すロッド部71(及びロッド部71に取り付けられたジブ連結具80)をロッド軸71a回りに回動させることで(特に図4及び図7参照)、ジブ連結具80をジブ取付軸37に下方側からはめ込む。さらに詳しくは、(1)ロッド軸71aよりも上方側の位置(図7において実線で示すジブ連結具80参照)から、(2)ジブ取付軸37の軸方向外側(同図におけるジブ取付軸37の右側)を経て、(3)ロッド軸71aよりも下方側の位置(同図において二点鎖線で示すジブ連結具80参照)を経て、ジブ取付軸37に下方側からはめ込む(図4及び図3参照)。
(工程1−3)
図3に示すように、ジブ連結具80のピン孔82(ジブ連結具80がはめ込んだジブ取付軸37よりも上方側に形成されたピン孔82)にジブ連結具固定ピンP1を取り付ける。また、ジブ連結具固定ピンP1は抜け止めピンで固定する。このジブ連結具固定ピンP1は、先に外したジブ基端固定ピンP1(工程1−1参照)である。
(工程1−3')
ここで工程1−3でジブ連結具固定ピンP1の取り付けを失念した場合について説明する。ジブ取付軸37にはめ込んだジブ連結具80のピン孔82にジブ連結具固定ピンP1が差し込まれていない場合、ジブ連結具80がロッド軸71a回りに自重により回動し、ジブ取付軸37からジブ連結具80が下方側へ完全に外れる(図7及び図8に、この状態のジブ連結具80を二点鎖線で示す)。また、この作業を行う者は、この回動により、ジブ連結具固定ピンP1の取り付けを失念したことに気付きやすく、気付いた場合はジブ連結具固定ピンP1を取り付けるのみで次の工程に進むことができる(工程1−2や1−1に戻す必要はない)。
(工程1−4)
図2に示すジブ先端固定具43からジブ先端固定ピンP3を取り外す。このジブ先端固定ピンP3は後で図1に示すジブフット56f(または57f)のジブフットピンとして使用する。
(工程1−5)
図1に示すジブウインチ43aで(ジブ張出用ロープ43bの先端に取り付けられたフックを介して)ジブ50の先端部を吊り上げる。これによりジブ取付軸37を中心にジブ50が回動し、ジブ中間固定具42のジブ中間固定ピンP2を抜くことが可能になる。そして、ジブ中間固定ピンP2を取り外して所定の位置に格納する。
(工程1−5')
ここで、工程1−3でジブ連結具固定ピンP1をジブ連結具80(図3参照)に取り付けないままジブウインチ43aを巻上げても、ジブ中間固定ピンP2を取り外せない。さらに詳しくは、図3に示すジブ連結具固定ピンP1がジブ連結具80に取り付けられていない場合は、ジブ連結具80の上方側が解放されているので、ジブ連結具80はジブ50を支持できない。すなわち図1に示すジブ50は、ジブ先端固定具43とジブ中間固定ピンP2とで支持される。この状態でジブウインチ43aを巻上げても、ジブ中間固定ピンP2回りにジブ50が回動するだけ(ジブ中間固定ピンP2に荷重がかかったまま)である。よって、ジブ中間固定ピンP2を取り外せない。その結果、下記のジブ50張出工程に進めない。
(工程1−6)
図11(a)に示すように、伸縮式ブーム20を所定の角度まで起こした後(または起こすと同時に)(矢印A1参照)、ジブウインチ43aを巻き下げる。これによりジブ50はジブ取付軸37回りに回動して(矢印A2参照)垂下姿勢となる。
(工程1−7)
図11(b)に示すように、垂下姿勢のジブ50を、(ほぼ鉛直方向を軸として)270度(人力で)回動させる(矢印A3参照)。さらに詳しくは、図3に示すロッド部71のロッド軸71a回りにジブ50を回動させる。そして、ジブ取付軸36(図2参照)にジブフット56f(図1参照)を、ジブ取付軸37(図2参照)にジブフット57f(図1参照)を、それぞれはめ込む。
(工程1−8)
図11(c)に示すように、伸縮式ブーム20がほぼ水平に配置されるように伸縮式ブーム20を倒伏させる(矢印A4参照)。また、ジブ50がほぼ水平に配置されるようにジブ50を張り出す(矢印A5参照。例えば伸縮式ブーム20に設けられた図示しないフックを用いる)。そして、先に取り外したジブ先端固定ピンP3(図2参照)及びジブ連結具格納固定ピンP4(図6参照)を、図4及び図5に示すように、ジブフットピンP3及びP4として、左右のジブフット56f(図1参照)及び57fに1つずつ取り付ける(図4及び図5には一方のジブフット57fのみ示しているが、他方のジブフット56f(図1参照)にも同様にジブフットピンが取り付けられる)。
次に、図11(c)に示すように、サスペンション部材51を所定の位置にピン(図示なし)で取り付ける。また必要に応じてジブ50を伸長させる(矢印A6参照)。
(ジブ格納時)
ジブ格納時の作業は次のように行う。なお、ジブ格納時には、基本的にはジブ張出時の作業とは逆の作業を行うので概略のみ説明する。
(工程2−1)
伸縮式ブーム20とジブ50とをほぼ水平に配置する(上記の工程1−8と同様の姿勢にする)。このとき、図9に示すように、ジブ連結装置1はジブ取付軸37の前方側にほぼ水平に配置されている。次に、図11(c)に示す油圧シリンダ52及び先端ブーム30からサスペンション部材51を取り外して、ジブ本体55の所定の位置に格納する。
(工程2−2)
図4及び図5に示すジブフット57f(図1に示すジブフット56fも同様)からジブフットピンP3及びP4を取り外す。ここで、図9に示すように、ジブ連結具80に取り付けられたジブ連結具固定ピンP1を誤って取り外そうとしても、規制具33と干渉するので取り外せない。
(工程2−3)
図11(b)に示すように、伸縮式ブーム20を上げてジブ50を垂下姿勢にする。次に、図1に示す左右のジブフット56f及び57fを、図2に示すジブ取付軸36及び37から外して、図11(b)に示すようにジブ50を270度回動させる。次に、伸縮式ブーム20を略水平に倒伏させるとともに、ジブウインチ43aを巻上げる。そして、図1及び図2に示すように、ジブ中間固定具42にジブ中間固定ピンP2を取り付ける。
(工程2−4)
図3に示すジブ連結具80からジブ連結具固定ピンP1を取り外し、図2に示すジブ基端固定ピンP1としてジブ基端固定具41に取り付ける。
ここで、ジブ基端固定ピンP1(ジブ連結具固定ピンP1(図3参照))、工程2−2で取り外したジブフットピンP3及びP4(図4参照)のうち、図2に示すジブ基端固定ピンP1のみジブ基端固定具41に取付可能となっている。具体的には、ジブ基端固定ピンP1の直径は、ジブフットピンP3及びP4(図4参照)(すなわち図2に示すジブ先端固定ピンP3及びジブ連結具格納固定ピンP4)よりも直径が小さい(さらにジブ中間固定ピンP2よりも直径を小さくしても良い)。さらに具体的には、ジブ基端固定ピンP1の直径を例えば25mmとすれば、ジブフットピンP3及びP4(図4参照)の直径を例えば30mmとする(なお、図2に示すジブ中間固定ピンP2の直径は例えば40mmなどとする)。よって、ジブ基端固定具41にジブ基端固定ピンP1が入っている場合は、図3に示すジブ連結具80からはジブ連結具固定ピンP1が抜けている。また、ジブ連結具80からジブ連結具固定ピンP1が抜けているので、ジブ連結具80はジブ取付軸37から完全に外れた状態(図7及び図8の二点鎖線で示す状態を参照)となる。
なお、図3に示すジブ連結具80が自重による回動でジブ取付軸37から外れない場合は、手で(人力で)外す。上述したようにジブ連結具固定ピンP1をジブ基端固定具41(図2参照)に取り付けるためには必ずジブ連結装置1を操作するので、ジブ連結具80をジブ取付軸37から外すことを失念するミスをしにくい。
(工程2−5)
図6〜図8に示すように、ジブ連結具80をジブ50に格納する。すなわち、図7及び図8において二点鎖線で示すように、ジブ取付軸37から外れた(または外した)ジブ連結具80を、図6〜図8に示すように、ロッド軸71aの上方側に回動させるとともに後方側に摺動させる。次にジブフット57fのピン取付部57pとジブ連結具80の格納具83とにジブ連結具格納固定ピンP4を差し込み、ジブ連結具80をジブに格納する。ここで、この工程(ジブ連結具80を格納すること)を仮に失念したとしても、工程2−4でジブ連結具80はジブ取付軸37から完全に外れている。
(ジブ格納姿勢での伸縮式ブームの伸長)
上述(工程2−4及び工程2−5参照)したように、図2に示すジブ基端固定具41にジブ基端固定ピンP1が入っている場合は、図3に示すジブ連結具80はジブ取付軸37から完全に外れている。すなわち、図2に示すジブ50と伸縮式ブーム20とは縁が切れている。よって、この状態で伸縮式ブーム20を伸長しても、図3に示すジブ連結具80やジブ取付軸37が損傷しない。
(本実施形態の伸縮式ブームのジブ連結装置の特徴)
本実施形態のジブ連結装置1には以下の特徴がある。
(特徴1)
本実施形態のジブ連結装置1のジブ連結具80は、図1に示すように、ジブ50が格納された伸縮式ブーム20が略水平に配置された状態で、図3〜図8に示すようにロッド軸71a回りに回動して(特に図4及び図7参照)ジブ取付軸37に下方側からはめ込み可能に形成されているとともに、図3及び図4に示すように、はめ込んだジブ取付軸37よりも上方側にピン孔82が形成されている。
この構成では、図3に示すジブ連結具80のピン孔82にジブ連結具固定ピンP1が差し込まれない場合(ジブ連結具80へのジブ連結具固定ピンP1の取り付けを失念するミスをした場合)は、ジブ取付軸37の上方側が開放されるので、ジブ連結具80はジブ50を支持することができない。よって、図1に示すジブウインチ43aでジブ50先端部を吊り上げても(工程1−5)、ジブ連結具80(図3参照)とジブ50先端部との間のジブ中間固定ピンP2にジブ50の荷重がかかった状態となる。この状態では、ジブ中間固定ピンP2を取り外すことができない(工程1−5')ので、その後のジブ50張出工程(工程1−6以降)に進めない。したがって、図3に示すジブ連結具80へのジブ連結具固定ピンP1の取り付けを失念するミスにジブ50張出工程(工程1−6)の途中で気付く場合に比べ、ミス前の工程に戻す作業に要する時間及び労力を抑制できる。
また、上記のようにジブ50張出工程(工程1−6)に進めないので、ジブ50張出工程でのジブ50の落下を未然に確実に防止できる。
また、従来のように脱落防止係合部を介して図1に示す基本ブーム21でジブ50を保持する構造に比べ、簡単な構成で安価にジブ50の落下を防止できる。
(特徴2)
本実施形態のジブ連結装置1では、図1に示すようにジブ50が格納された伸縮式ブーム20が略水平に配置された状態で、図3に示すジブ取付軸37にはめ込んだジブ連結具80のピン孔82にジブ連結具固定ピンP1が差し込まれていない場合、ジブ連結具80がロッド軸71a回りに自重により回動することで、ジブ取付軸37からジブ連結具80が下方側へ完全に外れる(図7及び図8において二点鎖線で示すジブ連結具80を参照)。
この構成では、上記のようにジブ連結具80が回動するので、ジブ連結具固定ピンP1の取り付けを失念するミスをしたことに気付きやすい(工程1−3の段階で気付きやすい。工程1−3'参照)。したがって、上記ミスの前の工程に戻す作業に要する時間及び労力をより抑制できる。
また、図6〜図8に示すジブ50格納姿勢で図1に示す伸縮式ブーム20を伸長させるときに、図3に示すようにジブ連結具80がジブ取付軸37にはめ込まれたまま(先端ブーム30とジブ50との縁が切れていないまま)であれば、ジブ取付軸37及びジブ連結具80(またはこれらの周辺部)が損傷するおそれがある。
一方で本実施形態のジブ連結装置1では、ジブ取付軸37にはめ込んだジブ連結具80のピン孔82にジブ連結具固定ピンP1が差し込まれていない場合、ジブ連結具80がロッド軸71a回りに自重により回動する(図7及び図8参照)ことで、ジブ取付軸37からジブ連結具80が下方側へ完全に外れる。すなわち、ジブ連結具80からジブ連結具固定ピンP1を取り外しさえすれば(ジブ連結具80を所定の位置に格納すること(工程2−5。図6〜図8参照)を失念したとしても)、先端ブーム30とジブ50との縁が切れる。したがって、図1に示す伸縮式ブーム20の伸長による、図3に示すジブ取付軸37及びジブ連結具80(またはこれらの周辺部)の損傷を抑制できる。
(特徴3)
本実施形態のジブ連結装置1では、図3に示すようにジブ50の張出時および格納時にジブ連結具80のピン孔82に差し込まれるジブ連結具固定ピンP1は、図2に示すように伸縮式ブーム20を構成する基本ブーム21にジブ50が格納されたときに基本ブーム21とジブ50とを固定するために用いられるジブ基端固定ピンP1である。
この構成では、ジブ基端固定具41にジブ基端固定ピンP1が取り付けられていれば、図3に示すジブ連結具80のピン孔82からはジブ連結具固定ピンP1が外れている。よって、ジブ連結具固定ピンP1とジブ基端固定ピンP1(図2参照)との2種類のピンが両方同時に取り付けられた状態で伸縮式ブーム20(図1参照)を伸長させることによるジブ取付軸37及びジブ連結具80(またはこれらの周辺部)の損傷を防止(回避)できる。
(特徴4)
ジブ50格納時に、図11(c)に示すように伸縮式ブーム20の前方側にジブ50が張り出された状態で、図9に示すジブ連結具80のピン孔82からジブ連結具固定ピンP1を取り外すミスをした場合、ジブ50格納工程(工程2−3)の途中でジブ取付軸37からジブ連結具80が外れ、ジブ50が落下するおそれがある。
一方で本実施形態のジブ連結装置1は、図11(c)に示すように伸縮式ブーム20の前方側にジブ50が張り出された状態で、図9に示すジブ連結具80のピン孔82に差し込まれたジブ連結具固定ピンP1の取り外しを阻止する位置に配置された規制具33を備える。したがって、ジブ連結具固定ピンP1を取り外す上記のミスによるジブ50の落下を未然に防止することができる。
(変形例)
図12〜図14に、ジブ50を張り出したときの変形例に係るジブ連結装置101を示す。なお、図12は、図13及び図14に示すF12矢視図である。図13は、図12及び図14に示すF13矢視断面図である。図14は、図12及び図13に示すF14矢視図である。図12〜図14では、ジブ50格納姿勢でのジブ50及び規制具153等を二点鎖線で示す。
ジブ連結装置101は、図9に示す規制具33を、図12〜図14に示す規制具153に変形したものである。図9に示すように、ジブ連結具固定ピンP1の取り外しを直接阻止する位置に規制具33は配置されたが、図12〜図14に示すように、ロックピンP1aの取り外しを阻止する位置(その結果としてジブ連結具固定ピンP1の取り外しを阻止する位置)に規制具153は配置される。
規制具153は、ジブ50の基端部(ジブフット57f)に取り付けられるとともに、ジブ50張出時にロックピンP1aの取り外しを阻止する部材である。さらに詳しくは、規制具153は、伸縮式ブーム20のブームヘッド31の前方側にジブ50が張り出された状態で(以下、この状態を前提として説明する)ロックピンP1aの取り外しを阻止する位置に配置され、ロックピンP1aの取り外しを阻止する結果としてジブ連結具固定ピンP1の取り外しを阻止する。具体的には、図12及び図13に示すように、ロックピンP1aが抜ける向き(矢印A8の向き)における、ロックピン差込部81a(図12参照)から規制具153(の先端側部分153b)までの距離が、ロックピンP1aの軸方向の長さよりも短くなるような位置に規制具153(の先端側部分153b)が配置される。
また、規制具153は、図12〜図14に示すように、例えばL字状の板を直角に折り曲げたような形状の部材であり、ジブフット57fに取り付けられた基端側部分153aと、基端側部分153aの先端部(下端部)に設けられた先端側部分153bと、基端側部分153aに取り付けられた支持部材153cとを備える。
基端側部分153aは、基端部(上端部)がジブフット57fに取り付けられ、先端部(下端部)がジブフット57fよりも下方側に配置される。
先端側部分153bは、基端側部分153aの先端部(下端部)からジブ取付軸37外側向き(図13では右向き)に延びるように形成された部分である。上述したように先端側部分153bは、ロックピンP1aが抜けるのを阻止する位置に配置される。
これら基端側部分153aおよび先端側部分153bは、ジブ50張出時および格納時に他の部材(ジブ連結装置本体70等)に干渉しない位置に配置される。
支持部材153cは、図12及び図13に示すように、規制具153をジブフット57fに対して支持させる例えば板状部材である。支持部材153cは、基端側部分153aに直交するように基端側部分153aに固定されるとともに、ジブフット57fに固定される。
(その他の変形例)
図9に示すように、ジブ連結具固定ピンP1の取り外しを直接阻止する位置に規制具33(先端ブーム30に取り付けられた規制具33)を配置した。しかしながら、ロックピンP1aの取り外しを阻止する位置に規制具33を配置し、その結果としてジブ連結具固定ピンP1の取り外しを阻止しても本発明を適用できる。
また図12に示すように、ロックピンP1aの取り外しを阻止する位置に規制具153(ジブ50の基端部に取り付けられた規制具153)を配置し、その結果としてジブ連結具固定ピンP1の取り外しを阻止した。しかしながら、ジブ連結具固定ピンP1の取り外しを直接阻止する位置に規制具153を配置しても本発明を適用できる。
また、規制具33(図9参照)と規制具153(図12参照)とを両方備えた構成にジブ連結装置1(101)を変形しても本発明を適用できる。
1 ジブ連結装置
10 クレーン
20 伸縮式ブーム
21 基本ブーム
30 先端ブーム
33、153 規制具
35、36、37 ジブ取付軸
50 ジブ
60 ジブ連結具受け部材(受け部材)
71 ロッド部
71a ロッド軸
80 ジブ連結具
82 ピン孔
P1 ジブ連結具固定ピン、ジブ基端固定ピン(ピン)

Claims (4)

  1. クレーンの伸縮式ブームの先端ブームのジブ取付軸にジブの基端部を連結するとともに、当該ジブの張出時および格納時に用いられるジブ連結装置であって、
    前記ジブの基端部に取り付けられた受け部材と、
    前記受け部材に支持されたジブ連結装置本体と、を備え、
    前記ジブ連結装置本体は、
    前記ジブの長手方向にロッド軸が沿うように前記受け部材に支持されたロッド部と、
    前記ロッド部の端部に取り付けられるとともに当該ロッド部のロッド軸からずれた位置に配置されたジブ連結具と、を備え、
    前記ロッド部は、前記ロッド軸方向に摺動自在であるとともに当該ロッド軸回りに回動自在に前記受け部材に支持され、
    前記ジブ連結具は、前記ジブが格納された前記伸縮式ブームが略水平に配置された状態で、前記ロッド軸回りに回動して前記ジブ取付軸に下方側からはめ込み可能に形成されているとともに、はめ込んだ当該ジブ取付軸よりも上方側にピン孔が形成されている、伸縮式ブームのジブ連結装置。
  2. 前記ジブが格納された前記伸縮式ブームが略水平に配置された状態で、前記ジブ取付軸にはめ込んだ当該ジブ連結具の前記ピン孔にピンが差し込まれていない場合、当該ジブ連結具が前記ロッド軸回りに自重により回動することで、当該ジブ取付軸から当該ジブ連結具が下方側へ完全に外れる、請求項1に記載の伸縮式ブームのジブ連結装置。
  3. 前記ジブの張出時および格納時に前記ジブ連結具の前記ピン孔に差し込まれる前記ピンは、前記伸縮式ブームを構成する基本ブームに当該ジブが格納されたときに当該基本ブームと当該ジブとを固定するために用いられるピンである、請求項1または2に記載の伸縮式ブームのジブ連結装置。
  4. 前記ジブの基端部または前記先端ブームに取り付けられた規制具を備え、
    前記規制具は、前記伸縮式ブームの前方側に前記ジブが張り出された状態で、前記ジブ連結具の前記ピン孔に差し込まれた前記ピンの取り外しを阻止する位置に配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸縮式ブームのジブ連結装置。
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