本件出願人は、ブーム横撓み抑制装置を備えたジブ付きブーム作業車として、特願2009−57228号(特許文献1)のものを既に提案している。尚、この特許文献1のジブ付きブーム作業車は、移動式クレーンが採用されている。
この既出願のジブ付きブーム作業車(移動式クレーン)は、図14〜図16に示すように、車輌1上の旋回台2に伸縮ブーム3を起伏自在に取付け、該伸縮ブーム3のブーム先端部(ブームヘッド)34にジブ4を継ぎ足して使用できるようになっている。尚、図14に示すジブ付きブーム作業車では、伸縮ブーム3として、基端ブーム31と3本の中間ブーム32と先端ブーム33からなる5本の単ブームを伸縮自在に接続したものが採用されており、ジブ4として、基端ジブ41と2本の中間ジブ42と先端ジブ43からなる4本の単ジブを伸縮自在に接続したものが採用されている。
伸縮ジブ4の基端部にはジブサポート40が取付けられており、伸縮ジブ4はジブサポート40を介してブーム先端部(ブームヘッド)34に着脱自在に継ぎ足されている。ジブサポート40と基端ジブ41との間には、伸縮ジブ4をチルトさせるためのチルトシリンダ46が介設されている。
又、この既出願(図14〜図16)のジブ付きブーム作業車には、クレーン作業時において伸縮ブーム3の横撓みを抑制するための装置(ブーム横撓み抑制装置)を備えている。尚、伸縮ブーム3の横撓みは、伸縮ブーム3を大きく起仰させた状態で生じ易くなり、該伸縮ブーム3が横撓みした状態では、伸縮ブーム3が強度面で低下して吊上げ性能が低くなるという問題がある。
この既出願のジブ付きブーム作業車に採用されているブーム横撓み抑制装置は、伸縮ジブ4の基端部(ジブサポート40)の左右各側にそれぞれ所定長さずつ突出するロープ支持サポート5,5と、該各ロープ支持サポート5,5のそれぞれ外端部5a,5a(図16)に連結された左右のテンションロープ6,6と、該各テンションロープ6,6の繰出し長さを調整する左右のロープ長さ調整装置7,7とを有している。
各ロープ支持サポート5,5は、その各外端部5a,5aがジブ中心よりそれぞれ3m程度ずつ外方に突出した長さを有している。
又、この既出願(図14〜図16)のジブ付きブーム作業車に採用されているブーム横撓み抑制装置では、左右のロープ支持サポート5,5をジブ基端部(ジブサポート40)に設け、該各ロープ支持サポート5,5の各外端部5a,5aと基端ジブ41の左右各側面における所定長さだけジブ先端側に離間した位置とを、それぞれ連結材8,8で連結している。このように、ロープ支持サポート外端部5a,5aと基端ジブ41の各側面とをそれぞれ連結材8,8で連結すると、伸縮ブーム3の横撓みを抑制できるとともに、伸縮ジブ4の基端部側の横撓みも抑制できる機能が発生する。尚、伸縮ブームの横撓みを抑制するだけの場合は、各ロープ支持サポート5,5をブーム先端部(ブームヘッド34)の左右各側面に取付けることでも行えるが、この既出願のようにロープ支持サポート5,5をジブ基端部(ジブサポート40)に取付けたものでは、上記各連結材8,8を使用することによりジブ基端側の横撓みも抑制できるという利点がある。
基端ブーム31の先端部分には、かなりの長さ(9〜10m程度)を有した左右のマスト9,9が起伏自在に取付けられている。そして、この各マスト9,9は、基端ブーム31に対して角度略90°まで立ち起こした状態で使用される。
両マスト9,9の上端部(テンションロープ巻掛け用の各シーブ9a,9a)間の間隔は1.7〜1.8m程度である。尚、各テンションロープ6,6は、各マスト9,9の各上端部(各シーブ9a,9a)から垂れ下げられる。従って、各ロープ支持サポート5,5の各外端部5a,5aは、各マスト9,9の上端部(各シーブ9a,9a)の直下から左右外側にそれぞれ2m強ずつ突出している。
各ロープ長さ調整装置7,7にはそれぞれウインチが使用されている。この各ウインチ7,7は、左右のマスト9,9に取付けており、該各ウインチ7,7により伸縮ブーム3の伸長度合いに応じて各テンションロープ6,6の繰出し長さを調整し得るようにしている。
そして、この既出願のジブ付きブーム作業車に採用している伸縮ブーム横撓み抑制装置は、クレーン作業時において、左右のテンションロープ6,6をそれぞれ各ロープ長さ調整装置7,7(各ウインチ)で緊張させることにより、左右の各ロープ支持サポート5,5を介して伸縮ブーム先端部34が左右に撓む(横撓みする)のを抑制する機能がある。
尚、本願の先行技術として採用した図14〜図16のジブ付きブーム作業車は、本願の実施例でも援用するものであり、このジブ付きブーム作業車のその他の構成については本願実施例の項でさらに説明する部分がある。
ところで、この既出願のブーム横撓み抑制装置を備えたジブ付きブーム作業車において、ジブ4をブーム先端部34に連結するには、図17及び図18に示すようにして行われる。
まず、図17に示すように、伸縮ジブ4を地上に横置きした状態で、ブーム作業車をそのブーム先端部34がジブ基端部(ジブサポート40)の上方近傍に位置するように停車させる。このとき、伸縮ブーム3を最縮小させ且つほぼ水平姿勢まで倒伏させた状態で、該伸縮ブーム3の軸線がジブ4の軸線に対して平面視で略直線状に位置するように車輌1を停止させ、さらに両マスト9をマスト起伏シリンダ10によりほぼ鉛直姿勢まで立ち起こしておく。又、このとき、ジブ4を横置き姿勢から持ち上げたときにジブ基端部(ジブサポート40)がブーム先端部(ブームヘッド34)に干渉しないようにするために、ジブサポート40の基端面とブームヘッド34の先端面とが平面視で若干距離だけ離間するようにしておく。この状態では、基端ブーム31の先端部に取付けているマスト9がブーム先端部(ブームヘッド)34の先端面より後方に位置しており、従って各マスト9,9の上端部と横置きしている伸縮ジブ4の各ロープ支持サポート5,5の外端部とを結ぶ仮想線が、図17及び図18に示すように前方及び外方にそれぞれかなりの角度だけ傾斜するようになる。
そして、ブーム横撓み抑制装置を備えたものでは、ジブ基端部(ジブサポート40)をブーム先端部(ブームヘッド34)に連結する際の前準備として、ブーム側の左右のテンションロープ6,6の各先端部6a,6a(接続具60)をそれぞれジブ側の左右のロープ支持サポート5,5の各外端部(図16のブラケット56,56)に接続させるが、図17及び図18に示すように、マスト9の上部から自然状態で垂れ下げたテンションロープ6の先端部(接続具60)はロープ支持サポート5の外端部(ブラケット56)から水平方向の前後・左右にかなり離間している。従って、テンションロープ先端部の接続具60をロープ支持サポート外端部のブラケット56に接続させるには、テンションロープ6を図17及び図18にそれぞれ符号6′で示すようにかなりの角度だけ前方及び外方に傾斜させ、その傾斜姿勢を維持させた状態で接続具60をブラケット56にピン結合する必要がある。
ところで、テンションロープ6には、高張力に耐え得るようにかなりの太さ(例えば直径が30〜40mm)のワイヤロープが使用される一方、テンションロープ先端部6aの接続具60もかなりの重量を有している。従って、テンションロープ6を図17及び図18の符号6′のように傾斜させた状態では、テンションロープ6′及び接続具60の自重で元に(鉛直方向に)戻ろうとする作用が働いている。
そして、テンションロープ先端部の接続具60をロープ支持サポート外端部のブラケット56にピン結合するまでは、該接続具60をブラケット56の近傍位置に維持させておく必要があるが、その場合、人力で接続具60を位置保持させようとすると、多大の労力とその位置保持のための人員とが必要であるとともに、テンションロープ6が自重で鉛直方向に戻ろうとしているので、両者のピン結合作業が非常にしにくいとともに危険を伴う作業となる。
そこで、本件出願人は、マスト9の上部から垂れ下げたテンションロープ6を図17及び図18に符号6′で示すように傾斜姿勢にし且つその傾斜姿勢で維持させるのに、別のクレーンを使用している。即ち、別のクレーンのフックFで接続具60(又は接続具近傍のロープ)を引っ掛けて、該接続具60′をロープ支持サポート外端部(ブラケット56)の近傍に位置保持させるようにしている。
このように、クレーンのフックFでテンションロープ先端部の接続具60′をロープ支持サポート外端部のブラケット56の近傍で位置保持させていると、その位置保持のための人力が不要であるので、接続具60′をブラケット56にピン結合させる作業が比較的容易に行え且つ危険性が小さくなる。尚、接続具60′とブラケット56とのピン結合は、順次左右片方ずつ行われる。
又、図17に示すジブ付きブーム作業車では、左右のテンションロープ6,6の各先端部(接続具60)をそれぞれ左右のロープ支持サポート5,5の各外端部(ブラケット56)に接続した後、ジブ基端部(ジブサポート40)をブーム先端部(ブームヘッド34)に連結するが、その場合に、本件出願人は図17に示すようにジブ4全体を別のクレーン(テンションロープ先端部の接続具60′を保持していたクレーンを利用できる)で吊上げて行っている。即ち、ジブ4全体を別のクレーン(フックF)で吊上げて、ジブサポート40の基端面にある上下(それぞれ左右一対ある)のブラケット40a,40bのピン穴をブーム先端部(ブームヘッド)34の先端面にある上下(それぞれ左右一対ある)のブラケット34a,34bのピン穴に合致させて、それらの上下各ピン穴にそれぞれピンを差込むことによって、ジブ4をブーム先端部(ブームヘッド34)に連結することができる。
尚、ブーム先端部34に連結しているジブ4を離脱させる際には、別のクレーンを使用して上記と逆順序で行い、さらに各テンションロープ6,6の先端部(接続具60)を各ロープ支持サポート5,5の外端部(ブラケット56)から外す際にも、別のクレーンを使用して上記と逆順序で行う。
ところで、ブーム横撓み抑制装置を備えたジブ付きブーム作業車では、ジブ基端部をブーム先端部に連結する際の前準備として、図17及び図18に示すように各マスト9,9から垂れ下げた各テンションロープ6,6の先端部(接続具60,60)を地上に横置きしているジブ4の各ロープ支持サポート5,5の外端部(ブラケット56,56)に接続する必要ある。
そして、その際、テンションロープ6を傾斜状態(符号6′)に維持させるのに、人力で行う場合は接続具60をブラケット56の近傍に位置保持させるのに多大の労力と人員が必要であるとともに、その位置保持作業に危険を伴うという問題があった。又、該接続具60の位置保持を別のクレーン(フックF)で行おうとすると、ジブ連結現場に別のクレーンを搬送しておく必要があり、クレーンの調達コストがかかるという問題があった。
さらに、両テンションロープ6,6の各先端部(接続具60)を各ロープ支持サポート5,5の各外端部(ブラケット56)に接続した後、ジブ基端部をブーム先端部に連結する際に、図17に示すようにクレーン(フックF)でジブ4全体を吊上げて行う場合には、ジブ吊上げのための別のクレーンが必要となる(クレーンの調達コストがかかる)という問題がある。
そこで、本願発明は、地上に横置きしているジブの基端部をブーム先端部に連結する際の前準備として、各マストの上部から垂れ下げた左右のテンションロープの各先端部(接続具)をジブ側の左右各ロープ支持サポートの各外端部に接続する際の、テンションロープ先端部をロープ支持サポート外端部に近接させる作業を、自己のブーム作業車のブーム操作により簡単且つ安全に行えるようにしたテンションロープ接続方法を提供することを第1の目的としている一方、各テンションロープ先端部を各ロープ支持サポート外端部に接続した後にジブ基端部をブーム先端部に連結する際のジブ持ち上げ作業を別のクレーンを使用することなく自力で行えるようにしたジブ連結方法を提供することを第2の目的としてる。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、ブーム横撓み抑制装置を備えたジブ付きブーム作業車におけるテンションロープ接続方法と、テンションロープ接続後に行われるジブ連結方法とを対象にしている。
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明は、伸縮ブームの先端部にジブを継ぎ足して使用し、しかもジブ基端部に左右外方に突出する一対のロープ支持サポートを有し且つ基端ブームに取付けている左右のマストの各上部からそれぞれ左右のテンションロープを延出させてその各テンションロープ先端部を各ロープ支持サポートの各外端部に接続してなるブーム横撓み抑制装置を備えたジブ付きブーム作業車において、地上に横置きしているジブの基端部を先端ブームの先端部に連結する際の前準備として、左右のマストの各上部から垂れ下げた左右のテンションロープの各先端部をジブ側の各ロープ支持サポートのそれぞれ外端部に接続させる方法を対象にしたものである。
本願で使用されるジブ付きブーム作業車としては、主として移動式クレーンが採用されるが、ジブ付きの高所作業車も対象にすることができる。
この種のブーム作業車は、車輌上に設置した旋回台に伸縮ブームを起伏自在に取付けており、旋回台を旋回させることで伸縮ブームを旋回させることができる。
ジブは、ブーム先端部に対して一般にジブサポートを介して装着させることが多いが、その場合は該ジブサポートがブーム先端部に相当し、ジブの基端部が該ジブサポートに対して横向きの軸(チルト軸となる)で軸着される。尚、該ジブは、一般にジブサポートとジブ基端部との間に介設されたチルトシリンダによってチルト軸を中心に上下揺動(チルト)せしめられる。
ブーム横撓み抑制装置は、ジブ基端部(ジブサポート)に左右外方に突出する一対のロープ支持サポートと、基端ブームに取付けている左右のマストと、各マストの上部からそれぞれ延出される左右のテンションロープと、各テンションロープの長さを調整するロープ長さ調整装置(ウインチ)とを有している。
ジブ基端部に設けた左右のロープ支持サポートは、ジブ中心線から左右外方にそれぞれかなりの長さ(例えば3m程度)ずつ突出している。
他方、基端ブームに設けた左右のマストは、基端ブームの基端部においてそれぞれ起伏シリンダによって起伏せしめられる。そして、使用時には各マストを基端ブームに対して角度略90°まで立ち起こして支持する。尚、このマストの基端ブームに対する立ち起こし角度は、上記略90°より適宜角度だけ超えた前方傾斜姿勢で使用することもできる。
左右両マストの各上部(それぞれテンションロープが垂れ下げられる位置)の間隔は、1.7〜1.8m程度であり、平面視においてブーム中心線をジブ中心線の延長線上に位置させた状態では、各マスト上部からそれぞれ自然状態で垂れ下げた各テンションロープの各先端部から上記ロープ支持サポートの外端部までの左右方向の水平距離はそれぞれ2m強となる。従って、このままで各テンションロープの先端部をそれぞれのロープ支持サポートの各外端部に位置合わせしようとすると、各側のテンションロープをそれぞれ大きく傾斜させる必要がある。尚、左右両マストの各上部間隔は、上記1.7〜1.8m程度に限定するものではなく、各種の間隔で使用することができる。
そこで、本願請求項1のテンションロープ接続方法は、次のようにして行う。まず、ブーム側のマスト上部を地上に横置きしたジブの基端部の直上方近傍に位置させ得る状態でブーム作業車を停車させる。この場合、本願請求項1のテンションロープ接続方法では、平面視において伸縮ブームの旋回中心が地上に横置きしているジブの中心線のほぼ延長線上に位置するようにブーム作業車を停車させることが好ましい。
次に、マスト上部から左右の各テンションロープを鉛直方向に垂れ下げる。このとき、左右のテンションロープの各先端部は、地上に横置きしているジブのロープ支持サポートの上端高さより上方に位置させておく方が好ましいが、先に接続する側のテンションロープの先端部高さは、ロープ支持サポートに衝合しない位置であればロープ支持サポートの上端高さより低位置まで降下させておいてもよい。尚、この場合、後で接続する側のテンションロープの先端部は、ロープ支持サポートの上端高さより上方に位置させておく方がよい。
この状態では、左右のテンションロープの各先端部の左右間隔より左右のロープ支持サポートの各外端部(ロープ先端部を接続させる位置)間の間隔が大幅に長い関係で、テンションロープ先端部が接続すべきロープ支持サポート外端部に対して左右に位置ずれしている。
そして、まず一方(先に接続させる側)のテンションロープの先端部を伸縮ブームの旋回操作で左右に移動させて同側のロープ支持サポートの外端部の上下方向の略同位置に位置させる。この場合、一方(先に接続させる側)のテンションロープの先端部の高さは、ロープ支持サポートの上端高さより上方位置でも下方位置でもよいが、該テンションロープ先端部がロープ支持サポートの上端高さより下方位置にある状態で行う場合は、テンションロープの先端部寄り部分がロープ支持サポートの外端部に接合又は近接するように位置させる。
続いて、当該テンションロープの繰出し長さを調整して(ウインチからロープを繰出したり巻取ったりする)、そのテンションロープ先端部の高さをロープ支持サポートの外端部の高さに合わせて、該テンションロープ先端部をロープ支持サポート外端部に接続(ピン結合)させる。
次に、他方のテンションロープの先端部を伸縮ブームの旋回操作で左右に移動させて他側のロープ支持サポートの外端部の上下方向の略同位置に位置させ、続いて当該テンションロープの繰出し長さを調整して(ウインチからロープを繰出したり巻取ったりする)、そのテンションロープ先端部の高さをロープ支持サポートの外端部の高さに合わせて、該テンションロープ先端部をロープ支持サポート外端部に接続(ピン結合)させる。
尚、一方のテンションロープ先端部を一方のロープ支持サポート外端部に接続させた後、伸縮ブームを旋回操作する際には、その接続した側のテンションロープを十分に弛ませておき(ウインチからロープを繰出させる)、伸縮ブーム先端部の旋回移動によって接続側のテンションロープが過剰に緊張しないようにする。
このように、本願請求項1のテンションロープ接続方法を行うと、左右のテンションロープの各先端部をそれぞれ左右のロープ支持サポートの各外端部に接続させる際の位置合わせ作業を、自己のクレーンのブーム旋回操作で行える。
尚、左右のテンションロープを左右のロープ支持サポートの各外端部に接続させた後、ジブの基端部を伸縮ブームの先端部に連結すれば、ジブ付きブーム作業車として使用できる。
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、上記請求項1のテンションロープ接続方法において行われるテンションロープ先端部の高さ合わせを伸縮ブームの起伏で行うようにしたものである。即ち、この請求項2のテンションロープ接続方法は、上記請求項1で採用したブーム作業車を使用して、次のように行うものである。
まず、ブーム側のマスト上部を地上に横置きしたジブの基端部の直上方近傍に位置させ得る状態でブーム作業車を停車させる。このとき、伸縮ブームは最倒伏姿勢(ほぼ水平姿勢)より所定小角度だけ起仰させておき、該伸縮ブームを倒伏せさ得る余地を残しておく。
次に、マスト上部から左右の各テンションロープを鉛直方向に垂れ下げる。この請求項2の場合も、左右のテンションロープの各先端部は、地上に横置きしているジブのロープ支持サポートの上端高さより上方に位置させておく方が好ましいが、先に接続する側のテンションロープの先端部は、ロープ支持サポートに衝合しない位置であればロープ支持サポートの上端高さより低位置まで降下させておいてもよい。
そして、まず一方(先に接続させる側)のテンションロープの先端部を伸縮ブームの旋回操作で左右に移動させて同側のロープ支持サポートの外端部の上下方向の略同位置に位置させ、続いて伸縮ブームの起伏操作によりテンションロープ先端部の高さをロープ支持サポートの外端部の高さに合わせて、該テンションロープ先端部をロープ支持サポート外端部に接続(ピン結合)させる。
次に、他方のテンションロープの先端部を伸縮ブームの旋回操作で左右に移動させて他側のロープ支持サポートの外端部の上下方向の略同位置に位置させ、続いて伸縮ブームの起伏操作によりテンションロープ先端部の高さをロープ支持サポートの外端部の高さに合わせて、該テンションロープ先端部をロープ支持サポート外端部に接続(ピン結合)させる。
尚、この請求項2のように、テンションロープ先端部の高さ合わせを伸縮ブームの起伏操作で行う場合も、一方のテンションロープ先端部を一方のロープ支持サポート外端部に接続させた後、伸縮ブームを旋回操作する際には、その接続した側のテンションロープを十分に弛ませておき(ウインチからロープを繰出させる)、伸縮ブーム先端部の旋回移動によって接続側のテンションロープが過剰に緊張しないようにする。
この請求項2のテンションロープ接続方法でも、左右のテンションロープの各先端部をそれぞれ左右のロープ支持サポートの各外端部に接続させる際の位置合わせ作業を、自己のクレーンのブーム旋回操作で行える。
[本願請求項3の発明]
本願請求項3の発明は、上記請求項1又は2のテンションロープ接続方法において、マスト上部から垂れ下げたテンションロープの先端部がジブ側のロープ支持サポートの外端部に対して前後に位置ずれしているときに、先端ブームの先端部にテンションロープを係止させた状態で伸縮ブームを伸縮操作させて、該テンションロープ先端部をロープ支持サポートの外端部の略直上方に位置させるようにするものである。
この請求項3の場合は、地上に横置きされたジブの基端部に対して伸縮ブームの先端部が多少位置ずれした状態でブーム作業車を停車させた場合でも、自己のブーム作業車の伸縮ブームの旋回操作と伸縮操作を併用することにより、各側のテンションロープの先端部を順次左右のロープ支持サポートの各外端部の直上方近傍にそれぞれ正確に位置させることができる。
尚、この請求項3の場合も、左右のテンションロープを片方ずつ接続させた後、ジブの基端部を伸縮ブームの先端部に連結すれば、ジブ付きブーム作業車として使用できる。
[本願請求項4の発明]
本願請求項4の発明は、上記請求項3のテンションロープ接続方法において、先端ブームの先端付近にマスト上部から垂れ下げたテンションロープを係止する係止部を設けて、該係止部にテンションロープを係止させた状態で、伸縮ブームの伸縮動作によりテンションロープを前後移動させるようにするものである。
この請求項4のテンションロープ接続方法で使用される上記係止部は、テンションロープをブーム先端部において左右に移動しないようにできるものであればよく、例えばブーム先端部の構成部材とは別の係止部材を該ブーム先端部に取付けたり、あるいはブーム先端部にある既存の部分(例えばブームヘッドにあるシーブ)を利用することもできる。
この請求項4の場合は、ブーム先端部付近の係止部にテンションロープを係止させた状態で伸縮ブームを伸縮させると、該テンションロープを確実に前後移動させることができ、テンションロープ先端部をロープ支持サポート外端部に位置合わせする作業が容易となる。
尚、この請求項4の場合も、左右のテンションロープを片方ずつ接続させた後、ジブの基端部を伸縮ブームの先端部に連結すれば、ジブ付きブーム作業車として使用できる。
[本願請求項5の発明]
本願請求項5の発明は、上記のようにテンションロープの先端部をロープ支持サポートの外端部に接続した後に行われるジブ連結方法を対象にしている。
そして、この請求項5のジブ連結方法は、上記請求項1から4のいずれか1項におけるテンションロープ接続方法を行って左右のテンションロープの各先端部を各ロープ支持サポートのそれぞれ外端部に接続した後、ブーム作業車側あるいはジブ側に装備しているジブ基端部持ち上げ手段を用いてジブ基端部をブーム先端部に位置合わせして、該ジブ基端部を該ブーム先端部に連結するものである。
この請求項5で使用されるジブ基端部持ち上げ手段としては、ブーム作業車に装備している既存の荷揚げ用ウインチを用いたものでもよく、あるいは例えば特開2000−153992号公報に示されるようなジブ側に設けた伸縮シリンダを用いたものでもよい。尚、これらのジブ基端部持ち上げ手段を用いて行う具体的なジブ基端部持ち上げ方法については、後述の実施例の項で詳しく説明する。
この請求項5のジブ連結方法では、左右のテンションロープの各先端部を左右のロープ支持サポートの各外端部にそれぞれ接続した後に、ブーム作業車側あるいはジブ側に装備しているジブ基端部持ち上げ手段を用いてジブ基端部を先端ブーム先端部に位置合わせするようにしているので、この種のブーム横撓み抑制装置を備えたジブ付きブーム作業車において、地上に横置きしたジブをブーム先端部に連結するまでの全ての作業(テンションロープ接続作業及びジブ連結作業)について、別のクレーンを使用することなく自力で行うことができる。
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1の発明のテンションロープ接続方法では、地上に横置きしているジブの基端部をブーム先端部に連結する際の前準備として、左右のテンションロープの各先端部を左右のロープ支持サポートの各外端部に接続させる場合のロープ先端部の位置合わせを、伸縮ブームの旋回操作とテンションロープの繰出し長さの調整操作により順次片方ずつ行うようにしている。
従って、本願請求項1のテンションロープ接続方法では、左右のテンションロープの各先端部を左右のロープ支持サポートの各外端部にそれぞれ位置合わせするのに、別のクレーンを使用することなく自力(自己の伸縮ブームの旋回操作とテンションロープの繰出し長さの調整操作)で行えるので、別のクレーンの調達コストが不要になるという効果がある。
又、テンションロープ先端部をロープ支持サポート外端部の直上方近傍に位置合わせした状態で、該テンションロープが鉛直姿勢になる(水平方向に移動する作用が働かない)ので、後の接続作業(例えばピン結合作業)を簡単且つ安全に行うことができるという効果もある。
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2の発明のテンションロープ接続方法では、地上に横置きしているジブの基端部をブーム先端部に連結する際の前準備として、左右のテンションロープの各先端部を左右のロープ支持サポートの各外端部に接続させる場合のロープ先端部の位置合わせを、伸縮ブームの旋回操作と起伏操作により順次片方ずつ行うようにしている。
従って、本願請求項2のテンションロープ接続方法でも、左右のテンションロープの各先端部を左右のロープ支持サポートの各外端部にそれぞれ位置合わせするのに、別のクレーンを使用することなく自力(自己の伸縮ブームの旋回操作と起伏操作)で行えるので、別のクレーンの調達コストが不要になるという効果がある。
又、この請求項2の場合も、テンションロープ先端部をロープ支持サポート外端部の直上方近傍に位置合わせした状態で、該テンションロープが鉛直姿勢になる(水平方向に移動する作用が働かない)ので、後の接続作業(例えばピン結合作業)を簡単且つ安全に行うことができるという効果もある。
[本願請求項3の発明の効果]
本願請求項3の発明は、上記請求項1又は2のテンションロープ接続方法において、マスト上部から垂れ下げたテンションロープの先端部がジブ側のロープ支持サポートの外端部に対して前後に位置ずれしているときに、先端ブームの先端部にテンションロープを係止させた状態で伸縮ブームを伸縮操作させて該テンションロープ先端部をロープ支持サポートの外端部の略直上方に位置させるようにしているので、地上に横置きされたジブの基端部に対して伸縮ブームの先端部が多少位置ずれした状態でブーム作業車を停車させた場合でも、自己のブーム作業車の伸縮ブームの旋回操作と伸縮操作を併用することにより、各側のテンションロープの先端部を順次左右のロープ支持サポートの各外端部の直上方近傍にそれぞれ正確に位置させることができる。
従って、この請求項3のテンションロープ接続方法では、上記請求項1又は2の効果に加えて、地上に横置きされたジブの基端部に対してブーム作業車をアバウトな位置に停車させた場合でも、左右のテンションロープの各先端部を左右のロープ支持サポートの各外端部に対してそれぞれ正確な対応位置(直上方近傍位置)に位置合わせさせることができ、後の接続作業(ピン差込み作業)が簡単に行えるという効果がある。
[本願請求項4の発明の効果]
本願請求項4の発明は、上記請求項3のテンションロープ接続方法において、先端ブームの先端付近にマスト上部から垂れ下げたテンションロープを係止する係止部を設けて、該係止部にテンションロープを係止させた状態で、伸縮ブームの伸縮動作によりテンションロープを前後移動させるようにしている。
従って、この請求項4のテンションロープ接続方法では、上記請求項3の効果に加えて、テンションロープが係止部に係止された状態で伸縮ブームが伸縮動作することによりテンションロープを確実且つ安定姿勢で前後移動させることができるという効果がある。
[本願請求項5の発明の効果]
本願請求項5の発明のジブ連結方法は、請求項1から4のいずれか1項におけるテンションロープ接続方法を行って左右のテンションロープの各先端部を左右のロープ支持サポートの各外端部にそれぞれ接続した後に、ブーム作業車側あるいはジブ側に装備しているジブ基端部持ち上げ手段を用いてジブ基端部を先端ブーム先端部に位置合わせするようにしている。
従って、この請求項5のジブ連結方法では、この種のブーム横撓み抑制装置を備えたジブ付きブーム作業車において、地上に横置きしたジブの基端部をブーム先端部に連結するまでの全ての作業(テンションロープ接続作業及びジブ連結作業)について、別のクレーンを使用することなく自力で行うことができる(別のクレーンの調達コストが不要になる)という効果がある。
[実施例]
以下、添付の図1〜図13を参照して本願実施例のテンションロープ接続方法及びジブ連結方法を説明する。
図1〜図3には、本願実施例のテンションロープ接続方法及びジブ連結方法を行うためのブーム横撓み抑制装置を備えたジブ付きブーム作業車を示しているが、この実施例では、ジブ付きブーム作業車として大型のジブ付き移動式クレーンが採用されており、以下の説明では、このブーム作業車を移動式クレーンで説明する。
図1に示すジブ付きブーム作業車(移動式クレーン)は、背景技術の項で説明した図14〜図16に示すものとほぼ同じ構成を有していて、ブーム先端部34にジブ4を継ぎ足してクレーン作業が行えるとともに、クレーン作業状態においてブーム横撓み抑制装置により伸縮ブーム3の「横撓み」を抑制し得るものである。尚、本願実施例で採用している図1のジブ付きブーム作業車の構成については、図14〜図16を併用して説明する。
図1に示すジブ付きブーム作業車は、図14〜図16にも示すように、車輌1上に旋回台2を設置し、該旋回台2に伸縮ブーム3を起伏自在に取付け、該伸縮ブーム3の先端部に伸縮ジブ4を継ぎ足して使用できるものである。
伸縮ブーム3は、基端ブーム31と複数本(図示例では3本)の中間ブーム32,32,32と先端ブーム33とを順次伸縮自在に連続させたものであり、最大伸長状態ではブーム長さが60mを超える長大なものもある。尚、この伸縮ブーム3は、起伏シリンダ30によって起伏せしめられる。
ブーム先端部に継ぎ足されるジブ4は、この実施例では基端ジブ41と複数本(図示例では2本)の中間ジブ42,42と先端ジブ43とを順次伸縮自在に連続させた伸縮ジブが採用されている。このように、ジブとして伸縮ジブ4を使用したものでは、各単ジブを連結した状態でジブ連結現場に搬送されるので、ジブ連結現場においてジブを組立てる必要がない。尚、他の実施例では、ジブとして伸縮しないものも採用できる。
伸縮ジブ4の基端部にはジブサポート40が取付けられており、この伸縮ジブ4はジブサポート40を介して伸縮ブーム3の先端部34(ブームヘッド)に着脱自在に連結される。尚、このようにブーム先端部34にジブサポート40を介して伸縮ジブ4を連結したものでは、特許請求の範囲において該ジブサポート40がジブ基端部に相当するものである。
この伸縮ジブ4は、図3及び図16に拡大図示するように、基端ジブ41の基端部をジブサポート40の先端部に左右横向きの軸(以下、チルト軸という)45で枢支して、伸縮ジブ4がブーム起伏面内で揺動(チルト)し得るように連結されている。そして、この伸縮ジブ4は、ジブサポート40と基端ジブ41との間に介設しているチルトシリンダ46によって所定角度範囲内でチルトさせ得るようになっている。
このジブ付きブーム作業車(移動式クレーン)でクレーン作業を行うときには、図14に示すように旋回台2に設けた荷揚げ用ウインチ11から吊荷ロープ12を繰出して先端ジブ43の先端部から吊荷フック13を吊下げて行う。尚、伸縮ブーム3のみでクレーン作業を行う場合には、ジブサポート40を伸縮ジブ4とともにブーム先端部34から取外して、該ブーム先端部34からメインフックを吊下げて行う。
ところで、この種の大型のジブ付きブーム作業車において、例えば図14に示すように伸縮ブーム3を大きく起仰させ且つ長く伸長させた状態でクレーン作業を行う場合は、吊荷の振れ等によって伸縮ブーム3に横撓みが発生することがある。
そこで、この実施例で使用されるジブ付きブーム作業車には、伸縮ブーム3の横撓みを抑制するための横撓み抑制装置を装備している。
この実施例で使用されているブーム横撓み抑制装置は、図1〜図3、及び図14〜図16にそれぞれ示すように、伸縮ジブ4の基端部(ジブサポート40)に左右各外向きに突出する状態で取付けた左右のロープ支持サポート5,5と、該各ロープ支持サポート5,5の外端部5a,5aと伸縮ブーム3の基端ブーム31の先端部に設けた左右のマスト9,9とを連結する左右のテンションロープ6,6と、該各テンションロープ6,6の繰出し長さを調整する左右のロープ長さ調整装置7,7とを備えているとともに、各ロープ支持サポート5,5の外端部5a,5aと伸縮ジブ4のチルト中心P(チルト軸45)からジブ先端側に所定長さ離間した基端ジブ41の左右側面部とを左右の連結材8,8で連結して構成している。
基端ブーム31の先端部分には、かなりの長さ(9〜10m程度)を有した左右のマスト9,9がそれぞれマスト起伏シリンダ10により起伏自在に取付けられている。そして、この各マスト9,9は、一般に基端ブーム31に対して角度略90°まで立ち起こした状態で使用される。尚、この各マスト9,9の基端ブーム31に対する立ち起こし角度は、上記略90°より前側に傾斜させた前方傾斜姿勢で使用することもできる。
左右のマスト9,9の各上端部には、それぞれテンションロープ巻掛け用の上部シーブ9a,9aが設けられている。
又、両マスト9,9の上端部(左右のマスト9,9の各シーブ9a,9a)間の間隔は1.7〜1.8m程度である。尚、この両マスト9,9の上端部間の間隔は適宜に設計変更できるものである。そして、各テンションロープ6,6は、各マスト9,9の各上端部の各シーブ9a,9aを介して垂れ下げられる。
左右の各ロープ支持サポート5,5は、図2及び図5に示すように上アーム51と下アーム52とを先端側において鋭角状態で連結したものを使用している。そして、この各ロープ支持サポート5,5は、その各外端部5a,5aがジブ中心よりそれぞれ3m程度ずつ外方に突出した長さを有している。
従って、両マスト9,9の上端部間の間隔を1.7〜1.8m程度にしたものでは、左右のロープ支持サポート5,5の各外端部5a,5aが各マスト9,9の上端部(各シーブ9a,9a)の直下から左右外側にそれぞれ2m強ずつ突出している。
又、この各ロープ支持サポート5,5は、上下の各アーム51,52の基端部をジブサポート40の基端寄り左右各側面にそれぞれピン54(図3、図16)で枢支して装着されている。そして、左右のロープ支持サポート5,5は、それぞれピン54(上下2本ある)を支点にして左右の各ロープ支持サポート5,5がそれぞれ前後に揺動可能となっている。
前記左右の連結材8,8は、図16に示すように、各ロープ支持サポート外端部5a,5aと基端ジブ41の左右各側面部とを連結して、後述するように各ロープ支持サポート外端部5a,5aの位置を特定するものであり、この実施例では複数の棒材を屈伸可能に連結したものが採用されている。
この各連結材8,8は、各連結材基端部8a,8aが各ロープ支持サポート外端部5a,5aに連結されている一方、各連結材先端部8b,8bが伸縮ジブ4のチルト中心P(チルト軸45)からジブ先端側に所定長さ(図示例では3.5m程度)離間した位置の基端ジブ41の左右各側面に連結されている。又、各連結材8,8の基端部8a,8aは、図16に示すように各ロープ支持サポート外端部5a,5aに対して縦軸81と横軸82とで枢着されていて、連結材8がロープ支持サポート外端部5aに対してジブチルト方向に揺動し得るように連結されている。
そして、各連結材8,8の先端部8b,8bは、基端ジブ41の左右各側面部に対して、各連結材基端部8a,8aの揺動中心(横軸82)がジブ側面視においてジブチルト中心P(チルト軸45の左右延長線上)に重合するような位置に連結している。即ち、左右のロープ支持サポート5,5の各基端部はそれぞれ上下のピン54で枢支されていて、各ロープ支持サポート5,5が前後に揺動可能となっているが、各ロープ支持サポート外端部5a,5aと基端ジブ41の左右各側面部をそれぞれ一定長さの連結材8,8で連結することにより、各ロープ支持サポート5,5を所定姿勢に位置決めできるとともに、そのとき各連結材基端部8a,8aの揺動中心(横軸82)がジブ側面視においてジブチルト中心P(チルト軸45の左右延長線上)に重合するようにしている。
各ロープ支持サポート5,5の外端部5a,5aには、テンションロープ6の先端部6aを連結させるためのブラケット56,56が溶接等の手段により固定されている。
各テンションロープ6,6のロープ長さ調整装置7,7としては、各マスト9,9に設けたウインチを採用しており、以下の説明ではこのロープ長さ調整装置をウインチ7と称する。
左右のテンションロープ6,6は、図1及び図2に示すように、基端ブーム31の先端部に立設された左右のマスト9,9に取付けている左右のウインチ7,7からそれぞれ繰出される。そして、この各テンションロープ6,6は、左右のマスト9,9の各上端部(シーブ9aがある)を介して前方に垂れ下げ、その各ロープ先端部6a,6aを左右のロープ支持サポート5,5の外端部5a(ブラケット56)に接続して使用される。
図1及び図2に示すテンションロープ使用例では、該各テンションロープ6,6は、ウインチ7からマスト9の上部シーブ9aを介して空中シーブ62に巻掛けた基側ロープ61と、該空中シーブ62に接続させた先側ロープ63とを有している。この場合、テンションロープ6の先端部6aとは、先側ロープ63の先端部のことであり、該先側ロープ63の先端部(符号6a)にはロープ支持サポート外端部5aに設けたブラケット56に接続される接続具60が取付けられている。尚、この接続具60は、高強度を必要とするためにかなりの大型に形成されている(従って、かなりの重量を有している)。
又、各テンションロープ6,6は、各基側ロープ61,61の先端部が各マスト9,9に取付けたテンションシリンダ64,64に連結されており、ウインチ7によるロープ繰出し・巻取り操作によってマスト9の上部シーブ9aと空中シーブ62間の距離が可変となるようにしている。
各テンションシリンダ64,64には、テンションロープ6の張力を検出するためのロープ張力検出器65が設けられている。尚、このロープ張力検出器65の機能については後述する。
この実施例で使用されるブーム作業車には、ブーム先端部(ブームヘッド)34に、マスト上部から垂れ下げたテンションロープ6の先側ロープ63部分を係止させるための係止部36が設けられている。この実施例では、該係止部36として、ブームヘッド34の左右各側面にそれぞれサスマタ状部材を取付けたものを採用している。そして、この各サスマタ状部材(係止部)36,36は、図3に示すようにテンションロープ6の先側ロープ63部分を係止させることで、該先側ロープ63が左右に位置ずれするのを防止するとともに後方移動しないようにする機能を有している。
この係止部となるサスマタ状部材36は、ブームヘッド34の左右各側面(取付台)に対して着脱自在とすることもでき、その場合は1本のサスマタ状部材36をブームヘッド34の左右各側面に付け替えることができるとともに、不用時には該サスマタ状部材36をブームヘッド34から取外しておくこともできる。又、他の実施例では、この係止部36として、上記サスマタ状部材に代えてブームヘッド34の前面にある既存の凹部(例えばブームヘッド34にあるシーブ35,35間の凹部)を利用してもよい。
尚、この係止部36の機能については、後述するテンションロープ接続方法の説明部分で説明する。
図1〜図3(図14〜図16を併用)に示す実施例で使用されているブーム横撓み抑制装置は、次のように機能する。
まず、伸縮ジブ4の基端部(ジブサポート40)に取付けた左右のロープ支持サポート5,5の各外端部5a,5a(ブラケット56,56)に左右のテンションロープ6,6の各先端部6a,6a(接続具60,60)を連結し、該各テンションロープ6,6をそれぞれ左右のウインチ7,7(ロープ長さ調整装置となる)で緊張させることにより、図14〜図16に示すクレーン作業状態において伸縮ブーム3の横撓みが抑制できる。即ち、ブーム先端部34が左右各側からロープ支持サポート5,5及びテンションロープ6,6により緊張状態で支持されているので、ブーム先端部34が左右に振れにくくなる。又、この実施例では、各テンションロープ6,6の基端側がマスト9の先端(上端)に位置しているので、ブーム先端部34を上方側からも支持でき、伸縮ブーム3の下方向への「撓み」も抑制できる。
又、各ロープ支持サポート5,5の各外端部5a,5aとジブチルト中心Pからジブ先端側に所定長さ離間した位置における基端ジブ41の左右側面部とを左右の連結材8,8で連結しているので、伸縮ジブ4(特に基端ジブ41)が左右各側から緊張状態で支持されており、該伸縮ジブ(特に基端ジブ41)の横撓みも抑制できる。
又、この実施例(図14〜図16を併用)では、各連結材8,8の基端部8a,8aを各ロープ支持サポート外端部5a,5aに対して、ジブ側面視においてジブチルト中心P(チルト軸45の左右延長線上)と重合する位置で且つ各連結材8,8が各ロープ支持サポート外端部5a,5aに対してジブチルト方向に揺動可能となる状態で枢支しているので、クレーン作業姿勢において伸縮ジブ4をチルトさせても、左右の連結材8の基端部8aの揺動支点位置が不変となる。従って、伸縮ジブ4のチルト動作が支障なく行われる。
尚、この第1実施例のジブ付きブーム作業車において、ブーム横撓み抑制装置を装備した状態で伸縮ブーム3を伸縮させるときには、各ロープ長さ調整装置(ウインチ)7,7により各テンションロープ6,6の繰出し長さを調整しながら行う。
ところで、この実施例のジブ付きブーム作業車では、伸縮ジブ4をブーム先端部(ブームヘッド)34に連結する際に、上記背景技術の項で説明したような背景がある。即ち、伸縮ジブ4をブーム先端部34に連結するには、その前準備として図1〜図3に示すように、伸縮ジブ4を地上に横置きした状態で、左右のテンションロープ6,6をそれぞれジブ側の各ロープ支持サポート5,5の外端部5a,5aに接続させる必要がある。そして、従来のテンションロープ接続方法では、テンションロープ先端部6a(接続具60)をロープ支持サポート外端部5a(ブラケット56)に位置合わせする(テンションロープ6を大きく傾斜させる必要がある)のに、人力で行うには多大の労力が必要で且つ危険な作業になることから、図17及び図18に示すように別のクレーン(フックF)を用いて行っていた(この場合、ジブ連結現場に別のクレーンを搬送しておく必要があり、クレーンの調達コストがかかる)。
そこで、本願実施例のテンションロープ接続方法は、別のクレーンを使用することなく自己のブーム作業車を使用して、テンションロープ6の先端部6a(接続具60)をロープ支持サポート外端部5a(ブラケット56)の近傍に位置保持させるもので、以下に示す各操作を順次行うものである。尚、ブーム先端部に連結すべき伸縮ジブ4は、図1に示すように、全縮小状態で地面上に横置きしておくが、伸縮ジブ4の基端ジブ41の先端部分には下端にローラ48付きの支持脚47を設けており、後述するようにジブ基端側を持ち上げたときに支持脚47のローラ48が地面上を転動するようにしている。
本願実施例のテンションロープ接続方法としては、図1〜図7に示す第1実施例と、図8〜図10に示す第2実施例とがある。
まず、第1実施例のテンションロープ接続方法では、図1〜図3に示すように、伸縮ブーム3を全縮小させ且つほぼ水平姿勢まで倒伏させた状態で、ブームヘッド34の前面が地上に横置きした伸縮ジブ4の基端部(ジブサポート40)の直上方近傍(やや手前)に位置させた状態でブーム作業車を停車させる。この場合、平面視において伸縮ブーム3の旋回中心(旋回台2の旋回中心)が地上に横置きしている伸縮ジブ4の中心線のほぼ延長線上に位置するようにブーム作業車を停車させ、且つ伸縮ブーム3がジブ中心線のほぼ延長線上に指向させておくことが好ましい。
次に、各マスト9,9上部から左右の各テンションロープ6,6を鉛直方向に垂れ下げる。このとき、左右のテンションロープ6,6の各先端部6a,6a(接続具60,60)は、地上に横置きしている伸縮ジブ4のロープ支持サポート5,5の上端高さより上方に位置させておく方が好ましいが、先に接続する側のテンションロープ6の先端部6a(接続具60)の高さは、ロープ支持サポート5に衝合しない位置であればロープ支持サポート5の上端高さより低位置まで降下させておいてもよい。尚、この場合、後で接続する側のテンションロープ6の先端部6aは、ロープ支持サポート5の上端高さより上方に位置させておく方がよい。
図2及び図3の状態では、左右のテンションロープ6,6の各先端部(接続具60,60)は、平面視において左右のロープ支持サポート5,5の各外端部5a,5aから前後・左右にかなりの長さ離間しているが、左右のテンションロープ6,6(先側ロープ63,63)はブームヘッド34の左右各側面にある各係止部36,36の比較的近い位置に垂れ下がっている。
各テンションロープ6,6の接続は片方ずつ行うが、この第1実施例では、図2及び図3に示すようにブームヘッド34の前面側から見て右側のテンションロープ6を先に接続するようにしている。尚、以下の説明で、右側又は左側とはブームヘッド34の前面側からみた方向であり、前方とは伸縮ジブ4の伸長方向であり、後方とは伸縮ジブ4の縮小方向のことである。
次に、右側に垂れ下がっている一方のテンションロープ6(先側ロープ63)を人力で前方に傾斜させて、該先側ロープ63を右側の係止部36に前面側から係入させる(図2及び図3の符号63′の状態)。このとき、テンションロープ(先側ロープ63)の傾動角度はさほど大きくなく、且つ該先側ロープ63を係止部36に預け渡すだけの作業であるので、人力によるロープ傾動操作は比較的簡単に行える。このように、先側ロープ63を係止部36に係止させると、先側ロープ先端の接続具60が係止部36の直下に位置するようになる。尚、このとき、図3において他方(左側)のテンションロープ6の先側ロープ63も左側の係止部36に係入させておくこともできるが、図示の実施例では左側のテンションロープ6(先側ロープ63)の左側係止部36への係止作業は後で行うようにしている。
次に、図3に示すように先側ロープ63′を係止部36に係止させた状態から、図4に示すように、先側ロープ63を係止した右側の係止部36が右側のロープ支持サポート5の外端部5aにあるブラケット56に指向する方向に伸縮ブーム3を所定角度だけ水平旋回させる(図1の旋回台2を旋回操作する)。この状態(図4及び図5に実線図示する伸縮ブーム全縮小状態)では、係止部36の直下位置にある接続具60がロープ支持サポート5の外端部5a(接続具60を接続すべきブラケット56)からかなり後方に離間している。
次に、図4及び図5の実線図示状態から、伸縮ブーム3を伸長させてブームヘッド34を鎖線図示する位置(符号34′の位置)まで前進させ、係止部36′(接続具60′)をロープ支持サポート外端部5aのブラケット56の直上方に位置させる。このとき(伸縮ブーム3の伸長動作時)、係止部36′にテンションロープ6′の先側ロープ63′が係止されたまま移動するので、該先側ロープ63′を安定状態で(係止部36′から外れることなく)前方に傾斜させることができる。尚、伸縮ブーム3の伸長動作時に、テンションロープ6の傾動により接続具60′が過剰に上動するようであれば、伸縮ブーム3の伸長操作に合わせてウインチ7からテンションロープ6(基側ロープ61)を若干長さ繰出させる操作を行ってもよい。
次に、図4及び図5の鎖線図示状態から、ウインチ7(図2)の操作によりテンションロープ6(基側ロープ61)を所定長さ繰り延ばして、テンションロープ先端部の接続具60′をロープ支持サポート外端部のブラケット56の高さ(ピン接続し得る高さ)に合わせる。この状態では、接続具60′は係止部36′から鉛直方向に垂れ下げられた位置に静止しており、該接続具60′を位置保持させるのに人力は不要である。そして、その後、接続具60′を前後又は左右に微調整して接続具60′のピン穴をブラケット56のピン穴に合致させ、該両ピン穴にピンを挿入して接続具60′をブラケット56に連結する。
次に、伸縮ブーム3を旋回操作して他方(左側)のテンションロープ6の接続作業を行うが、その際、先に接続した右側のテンションロープ6は、次に行う伸縮ブーム旋回操作で過剰に緊張しないように、ウインチ7から基側ロープ61を適宜長さ繰出して弛ませておく。又、右側のテンションロープ6の接続作業に前後して、左側のテンションロープ6(先側ロープ63)を左側の係止部36に係止させておく。
次に、左側のテンションロープ6(先側ロープ63)を左側の係止部36に係止させた状態で、図6に示すように伸縮ブーム3を左側に所定角度だけ旋回させて、左側の先側ロープ63を係止した左側の係止部36が左側のロープ支持サポート5の外端部5aにあるブラケット56に指向する方向に向ける。尚、この伸縮ブーム旋回動作時にも、左側の先側ロープ63が左側の係止部36に係止された状態で移動するので、該左側の先側ロープ63を安定姿勢で移動させることができる。
そして、図6の実線図示状態から、上記した右側のテンションロープ接続方法と同様に、伸縮ブーム3を伸長させてブームヘッド34を鎖線図示する位置(符号34′の位置)まで前進させ、係止部36′(接続具60′)をロープ支持サポート外端部5aのブラケット56の直上方に位置させる。
続いて、図6の鎖線図示状態から、ウインチ7(図2)の操作により左側のテンションロープ6(基側ロープ61)を所定長さ繰り延ばして、テンションロープ先端部の接続具60′を左側のロープ支持サポート外端部のブラケット56の高さ(ピン接続し得る高さ)に合わせ、該接続具60′を前後又は左右に微調整して接続具60′のピン穴をブラケット56のピン穴に合致させ、該両ピン穴にピンを挿入して接続具60′をブラケット56に連結する。
その後、図6の鎖線図示状態から、左側のテンションロープ6を弛ませ(ウインチ7から基側ロープ61を繰り延ばす)、続いて伸縮ブーム3を全縮小させた状態で、該伸縮ブーム3をブームヘッド34がジブサポート40に指向する位置まで右旋回させると、図7に示すように左右テンションロープ6,6の接続作業が完了する。
このように、本願第1実施例のテンションロープ接続方法を行えば、次のような機能が得られる。
まず、左右のテンションロープ6,6の各先端部6a,6a(接続具60)を左右のロープ支持サポート5,5の各外端部5a,5a(ブラケット56)にそれぞれ位置合わせさせるのに、別のクレーンを使用することなく自力(自己の伸縮ブーム3の旋回操作と伸縮操作とテンションロープ6の繰出し長さ調整操作)で行えるので、別のクレーンが不要になる。
又、地上に横置きされた伸縮ジブの基端部(ジブサポート40)に対してブーム作業車をアバウトな位置に停車させた場合でも、左右のテンションロープ6,6の各先端部6a,6aを左右のロープ支持サポート5,5の各外端部5a,5aに対してそれぞれ正確な対応位置(直上方近傍位置)に位置合わせさせることができる。
さらに、ブームヘッド34にテンションロープ6(先側ロープ63)を係止する係止部36を設けていると、テンションロープ6(先側ロープ63)を係止部36に係止させた状態で伸縮ブーム3を旋回及び伸縮させたときに、該テンションロープ6を確実且つ安定姿勢で左右及び前後に移動させることができる。
尚、横置きした伸縮ジブ4の基端部(ジブサポート40)に対して、このブーム作業車を停車させる際に、伸縮ジブ4の全縮小状態で伸縮ブーム4を旋回させたときに、ブーム先端部34の左右各係止部36,36がロープ支持サポート5の外端部5a(ブラケット56)の直上方に位置するようにブーム作業車を停車させた場合には、上記のテンションロープ接続方法において伸縮ブーム3の伸縮操作は不要となる(本願請求項1に対応する内容)。
又、先に接続する側のテンションロープ6の先端部6a(接続具60)をロープ支持サポート外端部(ブラケット56)に接続させる際に、該テンションロープ先端部(接続具60)をロープ支持サポート5の衝合しない位置においてロープ支持サポート5の上端高さより下方まで降下させた状態から、該テンションロープ先端部(接続具60)をロープ支持サポート外端部(ブラケット56)の高さに合わせる場合は、ウインチ7を巻上げ操作することによりテンションロープ先端部(接続具60)を上動させる。
ところで、図4から図6に移行する際、即ち、右側のテンションロープ6の先端部(接続具60)を右側のロープ支持サポート5の外端部(ブラケット56)に接続させた状態で、伸縮ブーム3を左側に旋回させる際に、先に接続している右側のテンションロープ6を弛めるのを忘れていると、該伸縮ブーム3を左側に旋回させたときに右側のテンションロープ6が過剰に緊張して右側のロープ支持サポート5を持ち上げてしまうことがある(その場合には、伸縮ジブ4が横転する危険がある)。
そこで、この実施例では、テンションロープ接続作業時において、該テンションロープ6が異常に緊張したときに、それをテンションシリンダ64に設けたロープ張力検出器65(図1、図2参照)で検出して、該ロープ張力検出器65からの信号で伸縮ブーム3の旋回操作を直ちに停止させるようにしている。尚、このロープ張力検出器65は、テンションロープ接続作業時にのみ機能するもので、両テンションロープ6,6の接続完了後は該ロープ張力検出器65をOFFにする。
図8〜図10には、第2実施例のテンションロープ接続方法を示しているが、この第2実施例のテンションロープ接続方法は、上記第1実施例のテンションロープ接続方法におけるテンションロープ先端部6a(接続具60)の高さ合わせを伸縮ブーム3の起伏操作で行うようにしている。尚、この第2実施例のテンションロープ接続方法において、テンションロープ先端部6a(接続具60)の高さ合わせを伸縮ブーム3の起伏操作で行う部分以外は、上記第1実施例のテンションロープ接続方法とほぼ同じであり、該第1実施例のテンションロープ接続方法と同じ部分は簡略して説明する。
この第2実施例(図8〜図10)のテンションロープ接続方法でも、伸縮ブーム3を全縮小させた状態で、ブームヘッド34の前面が地上に横置きした伸縮ジブ4の基端部(ジブサポート40)の直上方近傍(やや手前)に位置させた状態でブーム作業車を停車させるが、このとき、図8に示すように伸縮ブーム3は最倒伏状態(ほぼ水平姿勢)より所定角度(例えば5°〜10°)だけ起仰させておき、該伸縮ブーム3を倒伏させ得る余地を残しておく。
尚、この場合も図3(第1実施例)に示すように、平面視において伸縮ブーム3の旋回中心(旋回台2の旋回中心)が地上に横置きしている伸縮ジブ4の中心線のほぼ延長線上に位置するようにブーム作業車を停車させ、各マスト9,9上部から左右の各テンションロープ6,6を鉛直方向に垂れ下げる。
次に、図8の状態から、先に接続する側(右側)のテンションロープ6を人力で前方に傾斜させて、図8に鎖線図示(符号6′,63′)するように先側ロープ63′を一方(右側)の係止部36に前面側から係入させる(図9の実線図示状態となる)。尚、この第2実施例では、後に接続する側(左側)のテンションロープ6(先側ロープ63)も、同時期に他方(右側)の係止部36に係止させておくとよい。
次に、図9の実線図示状態から、図4(第1実施例)のように先側ロープ63を係止した右側の係止部36が右側のロープ支持サポート5の外端部5aにあるブラケット56に指向する方向に伸縮ブーム3を所定角度だけ水平旋回させる。
続いて、伸縮ブーム3を伸長させて、ブームヘッド34を図9に鎖線図示する位置(符号34′の位置)まで前進させ、係止部36′(接続具60′)をロープ支持サポート外端部5aのブラケット56の直上方に位置させる。尚、この図9の鎖線図示状態は図10の実線図示状態と同じであるが、この状態ではテンションロープ先端部(接続具60)が接続すべきロープ支持サポート外端部(ブラケット56)の直上方近傍に位置している。
次に、図10の実線図示状態から、伸縮ブーム3を倒伏させて(図10に鎖線図示する符号3′の状態)、テンションロープ先端部の接続具60を鎖線図示(符号60′)するようにロープ支持サポート外端部のブラケット56の高さまで降下させる。
そして、その後、接続具60′を前後又は左右に微調整して接続具60′のピン穴をブラケット56のピン穴に合致させ、該両ピン穴にピンを挿入して接続具60′をブラケット56に連結する。
次に、伸縮ブーム3を旋回操作して他方(左側)のテンションロープ6の接続作業を行うが、その際、先に接続した右側のテンションロープ6は、次に行う伸縮ブーム旋回操作で過剰に緊張しないように、ウインチ7から基側ロープ61を適宜長さ繰出して弛ませておく。
そして、一方(右側)のテンションロープ6の接続完了後に、図10の鎖線図示状態の伸縮ブーム3′を実線図示(符号3)する所定角度だけ起仰させた後、伸縮ブーム3を左方向に旋回させて、図6(第1実施例)に鎖線図示するように左側の係止部36′(接続具60′)を左側のロープ支持サポート6の外端部(ブラケット56)の直上方に位置させる。尚、このとき、接続具60′がブラケット56に直上方から前後に位置ずれしているときには、伸縮ブーム3を伸縮操作して(必要に応じて旋回操作も併用して)、位置調整するとよい。
その後、先のテンションロープ6の接続方法と同様に、伸縮ブーム3を倒伏させて左側のテンションロープの先端部(接続具60)を左側のロープ支持サポート外端部のブラケット56の高さに合わせ(接続具60のピン穴をブラケット56のピン穴に合致させる)、該両ピン穴にピンを挿入して接続具60をブラケット56に連結する(図6の状態となる)。
その後、左側のテンションロープ6を弛ませ、続いて伸縮ブーム3を全縮小させた状態で、該伸縮ブーム3をブームヘッド34がジブサポート40に指向する位置まで右旋回させると、左右テンションロープ6,6の接続作業が完了する(図7の第1実施例と同じ状態になる)。
このように、図8〜図10に示す第2実施例のテンションロープ接続方法でも、上記第1実施例のテンションロープ接続方法と同様に、左右のテンションロープ6,6の各先端部6a,6a(接続具60)を左右のロープ支持サポート5,5の各外端部5a,5a(ブラケット56)にそれぞれ位置合わせさせるのに、別のクレーンを使用することなく自力で行えるので、別のクレーンが不要になるという機能を有する。
尚、この第2実施例のテンションロープ接続方法の説明では、テンションロープ6の先端部(接続具60)をロープ支持サポート先端部(ブラケット56)に位置合わせ(高さ調整)するのに、伸縮ブーム3の起伏操作のみで行うようにしているが、他の実施例では、テンションロープ先端部の位置合わせ(高さ調整)を、この伸縮ブーム起伏操作と併用して、上記第1実施例で説明したテンションロープ6の長さ調整操作(ウインチ7のロープ巻取り・繰出し操作)を行ってもよい。その場合は、両操作を併用することにより、きめ細かな位置合わせ作業が行え、両接続部材(接続具60とブラケット56)のピン穴同士を合致させるための作業が一層容易になる。
ところで、上記第1実施例又は上記第2実施例のテンションロープ接続方法を行って両テンションロープ6,6を接続させた後(図7の状態)には、伸縮ジブ4の基端部(ジブサポート40)をブーム先端部(ブームヘッド)34に連結するが、本願では、図11及び図12に示す第1実施例のジブ連結方法と図13に示す第2実施例のジブ連結方法とで、それぞれ伸縮ジブ4の基端部(ジブサポート40)を伸縮ブーム3の先端部(ブームヘッド34)に連結するようにしている。
この各実施例のジブ連結方法では、横置き姿勢にある伸縮ジブ4の基端部を持ち上げるのに、それぞれジブ基端部持ち上げ手段を用いて行うが、このジブ基端部持ち上げ手段としては、図11に示す第1実施例のようにブーム作業車に装備している既存の荷揚げ用ウインチ11を用いたり、あるいは図13に示す第2実施例のように伸縮ジブ4(基端ジブ41)側に別途設置した伸縮シリンダ15を用いることができる。
尚、ジブ基端部(ジブサポート40)とブーム先端部(ブームヘッド34)との連結は、ジブサポート40の基端部に設けたピン穴付きの上ブラケット40a(左右一対ある)とピン穴付きの下ブラケット40b(左右一対ある)を、ブームヘッド34の前端部に設けたピン穴付きの上ブラケット34a(左右一対ある)とピン穴付きの下ブラケット34b(左右一対ある)にそれぞれピン結合することによって行われる。
又、第1及び第2の各実施例のジブ連結方法では、図11及び図13に鎖線図示するように、ジブ基端側を持ち上げて(伸縮ジブ全体が符号4′のように傾斜する)、先にジブサポート40の上ブラケット40aをブームヘッド34の上ブラケット34aに連結するようにしている関係で、伸縮ジブ4を地上に横置きした状態で、ジブサポート40をその基端面の下部側が前方に傾斜する姿勢で置いている。尚、このジブサポート40の傾斜姿勢は、チルトシリンダ46を若干縮小させることで達成できる。
図11に示す第1実施例のジブ連結方法では、ジブ基端部持ち上げ手段として、旋回台2上に装備している荷揚げ用ウインチ11を利用している。そして、この第1実施例(図11)のジブ連結方法では、荷揚げ用ウインチ11から繰出したロープ12の先端側を、ブームヘッド34のシーブ35を介してブーム先端部の前方まで導いて、該ロープ12の先端部12aを図11(図7にも記載している)に示すようにジブサポート40の基端面中央付近の適所(図示例では掛止受具40cを設けている)に掛止し、その状態でウインチ11を巻上げることによって、図11に鎖線図示するように伸縮ジブ4′の先端側(ローラ48付きの支持脚47)を接地させた状態でジブ基端側を持ち上げるようにしている。
そして、伸縮ジブ4′の基端側を持ち上げた状態(図11の鎖線図示状態)で、まずジブサポート40の左右上ブラケット40aの各ピン穴をブームヘッド34の左右上ブラケット34aの各ピン穴に合致させ、両ピン穴(左右2箇所)にピンを挿入して、ジブサポート40の上部をブームヘッド34の上部に連結する。その後、チルトシリンダ46′を若干伸長させて、ジブサポート40の左右下ブラケット40bの各ピン穴をブームヘッド34の左右下ブラケット34bの各ピン穴に合致させ、両ピン穴(左右2箇所)にピンを挿入して、ジブサポート40の下部をブームヘッド34の下部部に連結すれば、図12に示すように伸縮ジブ4の連結作業は完了する。尚、伸縮ジブ4の連結後にはロープ12の先端部12aを掛止受具40cから外す。
図11の第1実施例のジブ連結方法では、ジブ基端部持ち上げ手段としてブーム作業車の荷揚げ用ウインチ11を利用しているので、この種のブーム横撓み抑制装置を備えたジブ付きブーム作業車において、地上に横置きした伸縮ジブ4をブーム先端部34に連結するまでの全ての作業(テンションロープ接続作業及びジブ連結作業)を、別のクレーンを使用することなく自力で行うことができる。又、この第1実施例のジブ連結方法では、ジブ基端部を持ち上げるのに、ブーム作業車に既存の荷揚げ用ウインチ11を使用するので、専用のジブ基端部持ち上げ手段を別途設ける必要がなく、既存のもの(荷揚げ用ウインチ11)を有効利用できる。
図13に示す第2実施例のジブ連結方法では、地上に横置きした伸縮ジブ4の基端部(ジブサポート40)をブーム先端部(ブームヘッド34)に連結する際のジブ基端部持ち上げ手段として、基端ジブ41の下面(上面でもよい)に設置した伸縮シリンダ15を使用している一方、ジブ側に設けた複数個(4個)のシーブ16,17,18,19にロープ20を掛け回したものを採用している。
符号16のシーブは伸縮シリンダ15のロッド先端部に設けた可動シーブであり、他の3個のシーブ17,18,19はそれぞれ固定シーブで左右に一対ずつある。そして、1本のロープ20の中間部をロッド先端部に設けた可動シーブ16に巻き掛けた状態で、該ロープ20の左右各側をそれぞれ左右一対の各シーブ17,18,19に掛け回した後、該ロープ20の左右各端部をそれぞれブームヘッド34の上部に係止してセットされる。尚、ロープ20の掛け回しは、伸縮シリンダ15を最縮小させた状態で行う。
尚、この第2実施例のジブ連結方法で採用しているジブ基端部持ち上げ手段(伸縮シリンダ15を用いたもの)は、特開2000−153992号公報のジブ脱着装置に使用されているもので、その他の構成の詳細な説明は省略する。
この第2実施例(図13)のジブ連結方法も、図11の第1実施例と同様に、地上に横置きしている伸縮ジブ4側の左右ロープ支持サポート5,5の各外端部に左右のテンションロープ6,6の先端部を接続した状態で行われるが、この第2実施例の場合は、ジブ基端部持ち上げ手段となる伸縮シリンダ15を最縮小させた状態でロープ20を各シーブ(16〜19)に掛け回し、該ロープ20の左右各端部をブームヘッド34の上部に係止させる(図13の実線図示状態)。
そして、図13の実線図示状態から、伸縮シリンダ15を伸長させる(符号15′)と、ロープ20の中間部を巻き掛けている可動シーブ16が前方に移動し、ロープ20の中間部が前方に押されることによって、伸縮ジブ4の先側(基端ジブ41の先端部に設けた支持脚47のローラ48)が接地したままジブ基端側が持ち上げられる(伸縮ジブが鎖線図示する符号4′の状態となる)。
次に、伸縮ジブ4′の基端側を持ち上げた状態(図13の鎖線図示状態)で、上記第1実施例(図11)と同様に、まずジブサポート40の左右上ブラケット40aの各ピン穴をブームヘッド34の左右上ブラケット34aの各ピン穴に合致させ、両ピン穴(左右2箇所)にピンを挿入して、ジブサポート40の上部をブームヘッド34の上部に連結する。その後、チルトシリンダ46′を若干伸長させて、ジブサポート40の左右下ブラケット40bの各ピン穴をブームヘッド34の左右下ブラケット34bの各ピン穴に合致させ、両ピン穴(左右2箇所)にピンを挿入して、ジブサポート40の下部をブームヘッド34の下部部に連結すれば、伸縮ジブ4の連結作業は完了する。尚、伸縮ジブ4の連結後にはロープ20を外す。
この第2実施例(図13)のジブ連結方法では、ジブ基端部持ち上げ手段として専用の伸縮シリンダ15や各シーブ16〜19やロープ20等が必要であるが、これらの装置(部材)は予めジブ側に設置しているので、この場合も、この種のブーム横撓み抑制装置を備えたジブ付きブーム作業車において、地上に横置きした伸縮ジブ4をブーム先端部34に連結するまでの全ての作業(テンションロープ接続作業及びジブ連結作業)を、別のクレーンを使用することなく自力で行うことができる。