JP2011529159A - 環状の軸方向摩耗補償装置 - Google Patents

環状の軸方向摩耗補償装置 Download PDF

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Abstract

摩耗補償装置は、第1の軸方向端部における環状のベースエレメント(102)と、ベースエレメント(106)に結合されたインデックストリガエレメント(104)と、ベースエレメントに対して少なくとも部分的に回転可能な、インデックストリガエレメントと係合させられた、インデックストリガエレメントに対して少なくとも部分的に回転可能な、第1の環状エレメントと、第1の軸方向端部とは反対側の第2の軸方向端部にける、第1の傾斜面を備えた第2の環状エレメントとを有しており、第2の環状エレメント(108)が、第1の環状エレメントと係合させられており、第1の環状エレメントに対して回転可能であり、かつ前記ベースエレメントに対して少なくとも部分的に回転可能であり、インデックストリガエレメントの一部分による所定の量の移動に応答して、第1の傾斜面の円周方向位置を変化させるように第1及び第2の環状エレメントが回転可能である。

Description

本発明は、クラッチにおける摩耗を補償するための装置及び方法に関する。
発明の背景
クラッチに摩耗補償を提供することが知られている。あいにく、このような補償を提供するための公知の手段は、比較的長い軸方向長さを有し、複雑であり、クラッチの組立中にクラッチに組み付けられなければならない。
従って、軸方向でよりコンパクトな、より複雑でない、モジュール型の、クラッチにおいて摩耗補償を提供する手段が長い間必要とされている。
発明の簡単な概要
本発明は、広くは、第1の軸方向端部に、環状のベースエレメントが設けられており、該ベースエレメントに結合されたインデックストリガエレメントが設けられており、前記ベースエレメントに対して少なくとも部分的に回転可能な、インデックストリガエレメントと係合させられた、該インデックストリガエレメントに対して少なくとも部分的に回転可能な、第1の環状エレメントが設けられており、第1の軸方向端部とは反対側の第2の軸方向端部において、第1の傾斜面を備えた第2の環状エレメントが設けられており、該第2の環状エレメントが、第1の環状エレメントと係合させられており、該第1の環状エレメントに対して回転可能であり、かつ前記ベースエレメントに対して少なくとも部分的に回転可能であり、インデックストリガエレメントの一部分による所定の量の移動に応答して、第1の傾斜面の円周方向位置を変化させるように第1及び第2の環状エレメントが回転可能である、摩耗補償装置を含んでいる。
1つの実施形態において、ハウジングを備えたクラッチに据付け可能であり、トリガエレメントの前記一部分が、トリガエレメントとハウジングとの軸方向接触によって半径方向に移動可能である。別の実施形態において、装置は、クラッチプレートアセンブリと、ばねと、第2の傾斜面とを備えたクラッチに据付け可能である。ばねの遠位縁部が1つの軸方向位置にあり、第1の傾斜面が第2の傾斜面と係合可能であり、ばねの遠位縁部を前記軸方向位置に維持するために、第1の傾斜面の円周方向位置を変化させる。別の実施形態において、第1の傾斜面又はベースエレメントが1つの軸方向位置にあり、クラッチプレートアセンブリの軸方向長さが所定の量だけ減少可能であり、実質的に前記量だけ軸方向位置を軸方向に変位させるために、第1の傾斜面の円周方向位置を変化させる。さらに別の実施形態において、装置は、第1の軸方向長さを有しており、クラッチプレートアセンブリと、ばねと、第2の傾斜面とを備えたクラッチに据付け可能であり、前記クラッチプレートアセンブリが第2の軸方向長さを有しており、第1の傾斜面が第2の傾斜面と係合可能であり、前記第2の軸方向長さの減少に対して、第1の軸方向長さを増大するために、第1の傾斜面の円周方向位置を変化させる。
別の実施形態において、ベースエレメントがスロットを有しており、第1の環状エレメントが、突出部と、第1のスロットと、第2のスロットと、第1の弾性変形可能なエレメントとを有しており、第1の環状エレメントのための第1のスロットが、少なくとも1つの円周方向段部を有しており、第1の環状エレメントのための突出部が、ベースエレメントのためのスロットに配置されており、スロットにおいて移動可能であり、トリガエレメントのための一部分が、第1の環状エレメントのための第1のスロットに配置されており、第1の環状エレメントが、トリガエレメントのための突出部に対して移動可能であり、少なくとも1つの円周方向段部がトリガエレメントのための突出部と係合可能であり、第2の環状エレメントが、第1の環状エレメントのための第2のスロットに配置された、第2のスロット内で移動可能な突出部を有しており、第1の弾性変形可能なエレメントが第1の端部及び第2の端部を有しており、第1の端部が第1の環状エレメントと圧縮係合しており、第1の端部と反対側の第2の端部が第2の環状エレメントと圧縮係合可能であり、さらに、ベースエレメントに対して固定された第1の端部と、第2の環状エレメントのための突出部と圧縮係合した第2の端部とを備えた、第2の弾性変形可能なエレメントが設けられている。
別の実施形態において、第2の弾性エレメントが、第2の環状エレメントを回転方向に押し付けるために働き、第1の弾性エレメントが、第1の環状エレメントを回転方向に押し付けるために働き、非摩耗状態において、トリガエレメントのための突出部が、第1の環状エレメントを回転方向で固定するために少なくとも1つの段部のうちの1つの段部と接触しており、第1の弾性エレメントが、第2の環状エレメントによって圧縮された状態に保持されている。別の実施形態において、第2の弾性エレメントが、第2の環状エレメントを1つの回転方向に押し付けるために働き、第1の弾性エレメントが、第1の環状エレメントを前記回転方向に押し付けるために働き、摩耗状態において、前記方向での第1の環状エレメントの回転を可能にするために、段部からトリガエレメントの一部分を解離させるために、トリガエレメントの一部分を移動させ、前記回転方向での第2の環状エレメントの回転を可能にするために、第1の環状エレメントを回転させる。
1つの実施形態において、装置は、クラッチプレートアセンブリと、ばねと、第2の傾斜面とを備えたクラッチに据付け可能であり、第2の傾斜面が1つの軸方向位置にあり、クラッチプレートアセンブリが、減少可能な軸方向長さを有しており、第1の傾斜面が第2の傾斜面と係合可能であり、軸方向長さの減少に応答して、トリガエレメントの前記一部分が移動可能であり、第2の傾斜面を前記軸方向位置に維持するために、第2の環状エレメントを第1の回転方向に回転させる。別の実施形態において、非摩耗状態において、第1の弾性エレメントが第2の環状エレメントによって圧縮状態に保持されており、該圧縮状態を解放するために、第1の回転方向での第1の環状エレメントの回転を可能にし、第1の弾性エレメントを際圧縮するために、第1の回転方向での第2の環状エレメントの回転を可能にする。
本発明はさらに、広くは、クラッチにおける摩耗を補償するための方法を含む。
本発明の一般的な課題は、クラッチにおける摩耗を補償するための装置及び方法を提供することである。
本発明のこれらの及びその他の課題及び利点は、発明の好適な実施形態の以下の説明、及び添付の図面及び請求項から容易に認められるであろう。
図面の簡単な説明
ここで、本発明の性質及び作動形式を、添付の図面を参照した発明の以下の詳細な説明においてさらに詳細に説明する。
本願で使用される空間的用語を表した円筒座標系の斜視図である。 本願で使用される空間的用語を表した、図1Aの円筒座標系における物体の斜視図である。 本発明による装置の後面図である。 図2に示された装置の前方斜視図である。 図3Aに示された領域3Bの詳細図である。 斜面エレメントが省略された、図2に示された装置の前方斜視図である。 図4Aに示された領域4Bの詳細図である。 図2に示されたベースエレメントの前方斜視図である。 図2に示されたインデックストリガエレメントの斜視図である。 クラッチに据え付けられた、非摩耗位置における、図2に示された装置の部分的な横断面図である。 弾性変形可能なエレメントを備えた、図2におけるベースエレメントの前方斜視図である。 図8Aに示された領域8Bの詳細図である。 図2における環状エレメントの前方斜視図である。 図9Aに示された領域9Bの詳細図である。 図2における環状エレメントの前方斜視図である。 図10Aに示された領域10Bの詳細図である。 図10Aにおける環状エレメントの後方斜視図である。 図11Aに示された領域11Bの詳細図である。 摩耗位置における図7Bの部分的な断面図である。
発明の詳細な説明
最初に、異なる図面に示された同じ参照符号は、発明の同一の、又は機能的に類似な構造的要素を表している。本発明は、現時点で好適な態様であると考えられるものについて説明されているが、請求項に記載の発明は、開示された態様に限定されるものと理解されるべきではない。
さらに、発明は、記載された特定の用語、材料及び変更例に限定されるのではなく、変更されることがあると理解される。また、ここで用いられる用語は、特定の態様を説明するためだけのものであり、本発明の範囲を限定しようとするものではなく、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ限定される。
そうでないことが定義されない限り、ここで使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術の分野における当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。ここで説明されるものと類似又は同等の、あらゆる方法、装置、又は材料を、発明の実施若しくは試験において使用することができ、ここでは好適な方法、装置、又は材料が説明される。
図1Aは、本願において用いられる空間的用語を表す円筒座標系80の斜視図である。本発明は少なくとも部分的に円筒座標系に関連して説明される。座標系80は、以下で用いられる方向及び空間を表す用語のための基準として用いられる長手方向軸線81を有している。「軸方向」、「半径方向」、及び「周方向」との形容詞は、それぞれ、軸線81、半径82(軸線81に対して垂直である)、及び円周83に対して平行な方向を表している。「軸方向」、「半径方向」、及び「周方向」との形容詞は、個々の平面に対して平行な方向も表す。様々な平面における配置を明示するために、物体84,85及び86が用いられる。物体84の面87は軸方向平面である。すなわち、軸線81は面に沿った線を形成している。物体85の面88は半径方向平面である。すなわち、半径82は面に沿った線を形成している。物体86の面89は円周方向平面である。すなわち、円周83は面に沿った線を形成している。別の例として、軸方向移動若しくは配置は軸線81に対して平行であり、半径方向移動若しくは配置は半径82に対して平行であり、円周方向移動若しくは配置は円周83に対して平行である。回転は軸線81に関する。
「軸方向に」、「半径方向に」、及び「円周方向に」との副詞は、それぞれ、軸線81、半径82、又は円周83に対して平行な方向を表すものである。「軸方向に」、「半径方向に」、及び「円周方向に」との副詞は、個々の平面に対して平行な方向をも表す。
図1Bは、本願で用いられる空間的用語を表す、図1Aの円筒座標系80における物体90の斜視図である。円筒状物体90は、円筒座標系における円筒状物体を表しており、あらゆる点で本発明を限定しようとするものではない。物体90は、軸方向面91、半径方向面92、及び円周方向面93を有している。面91は軸方向平面の一部であり、面92は半径方向平面の一部であり、面93は円周方向平面の一部である。
図2は、本発明の装置の後方分解図である。
図3Aは、図2に示された装置100の前方斜視図である。
図3Bは、図3Aに示された領域3Bの詳細図である。
図4Aは、斜面エレメントが省略された、図2に示された装置100の後方斜視図である。
図4Bは、図4Aに示された領域4Bの詳細図である。
図5は、図2に示されたベースエレメントの前方斜視図である。
図6は、図2に示されたインデックストリガエレメントの斜視図である。
図7Aは、クラッチに据え付けられた、図2に示された装置100の断面図である。
図7Bは、図7Aに示された領域7Bの詳細図である。
図7Aは、摩耗位置における図7Bの部分的な断面図である。以下の説明では図2から図7Aが参照されるべきである。装置100は、環状のベースエレメント102と、ベースエレメントに結合されたインデックストリガエレメント104と、環状のインデックスエレメント106と、環状の傾斜面エレメント108とを有している。ベースエレメント102は装置の軸方向端部110に配置されており、傾斜面エレメント108は装置の反対側の軸方向端部112に配置されている。インデックストリガエレメント104は、公知のあらゆる手段、例えばリベット114によってベースエレメント102に結合されている。インデックスエレメント106は、以下でさらに説明するように、ベースエレメントに対して少なくとも部分的に回転可能である。インデックスエレメント106は、インデックストリガエレメント104、例えば部分116とも係合させられており、以下でさらに説明するように、インデックストリガエレメント104に対して少なくとも部分的に回転可能である。傾斜面エレメント108は少なくとも1つの傾斜面118を有している。1つの実施形態において、傾斜面エレメント108は複数の傾斜面118を有している。傾斜面エレメント108はインデックスエレメント106と係合させられており、例えば、傾斜面エレメント108のタブ120は、インデックスエレメント106に設けられたスロット122を通過しており、以下でさらに説明するように、インデックスエレメント106に対して回転可能である。装置100は、図示されたタブ及びスロットの数、形状、又は構成に限定されないと理解される。インデックストリガエレメント104、例えば部分116による所定の量の移動に応答して、エレメント106及び108は、以下でさらに説明するように、傾斜面118の円周方向位置を変化させるように回転可能である。
以下の説明は、クラッチ124に設けられた装置100に関するものではあるが、その他の形式のクラッチにおける装置100の使用に適用可能であることが理解されるべきである。クラッチ124は、クラッチプレートアセンブリ126と、クラッチを作動させるために使用されるばね128と、クラッチプレートアセンブリ126とばね128との間に配置された、プレート132に設けられた少なくとも1つの傾斜面130とを有している。装置100は、クラッチ124のために示された構成とともに使用することに限定されず、装置100は、その他の形式及び構成のクラッチとともに使用可能であることが理解される。例えば、装置100は、クラッチプレートアセンブリ126に示された数のクラッチプレート134を有するクラッチとともに使用することに限定されない。以下でさらに説明するように、装置100は、この装置が据え付けられるクラッチ、例えばクラッチ124、における摩耗を補償するために働く。一般的に、クラッチアセンブリの積み重ね高さ136が、例えばクラッチプレート134等の部品の摩耗によって減少すると、装置100は、一定の位置におけるクラッチの調節を維持するように拡張する。例えば、ばねの軸方向位置139、例えばばねの遠位縁部は、一定に保たれ、ばねを作動させるために使用される部品の移動距離も一定に保たれるようになっている。言い換えれば、ハウジングとばね128との間の距離137は一定に保たれている。
例えば、1つの実施形態において、傾斜面130はばね128とは反対側に面しており、ベースエレメント102はクラッチプレートアセンブリ126と軸方向で係合させられている。すなわち、プレート132は軸方向でばね128と装置100との間に配置されている。軸方向で係合させられているとは、クラッチプレートアセンブリ126の軸方向移動がベースエレメント102の軸方向移動を生ぜしめることを意味する。プレート132、特に傾斜面130は軸方向位置138にあり、傾斜面118と130とは係合させられている。傾斜面118の円周方向位置が変化させられる時にも、傾斜面130とプレート132とは軸方向位置138に保たれる。すなわち、高さ136の減少に応答して、ベースエレメント102はクラッチプレートアセンブリ126に向かって"落下"し、傾斜面118は傾斜面130に沿って移動して、高さ136の減少を吸収し、プレート132を位置138に保って、ばね128の軸方向位置が変化しないように又は名目的にのみ変化するようにする。傾斜面118は、軸方向で最も高い部分141が傾斜面130の軸方向で最も高い部分に向かって移動するように回転させられる。従って、傾斜面の円周方向位置の変化は、高さ136を同様に変化させることにより、ベースエレメントを軸方向にシフトさせる。
例えば、別の実施形態(図示せず)では、傾斜面130がばね128に面しかつクラッチプレートアセンブリ126と軸方向で係合させられており、ベースエレメント102はばね128と軸方向で係合させられる。すなわち、プレート132は軸方向でクラッチプレートアセンブリ126と装置100との間に配置される。ベースプレート102は軸方向位置にあり、傾斜面118及び130は係合させられている。傾斜面118の円周方向位置が変化させられる時にも、ベースプレート102は軸方向位置に保たれる。すなわち、高さ136の減少に応答して、プレート132はクラッチプレートアセンブリ126に向かって"落下"し、ばね128の軸方向位置が変化しないか又は名目的にのみ変化するように、エレメント102を前述の軸方向位置に保つ。従って、傾斜面の円周方向位置の変化は、高さ136を同様に変化させることにより、傾斜面エレメント108を軸方向にシフトさせる。
別の実施形態において、装置100は軸方向長さ140を有しており、高さ136の減少のために、傾斜面118の円周方向位置の変化は、長さ140の増大を生じる。
図9Aは、弾性変形可能なエレメント142を備えた、図2に示されたベースエレメント100の前方斜視図である。
図9Bは、図9Aに示された領域9Bの詳細図である。
図10Aは、図2に示された環状エレメントの前方斜視図である。
図10Bは、図10Aに示された領域10Bの詳細図である。
図11Aは、図2における環状エレメントの前方斜視図である。
図11Bは、図10Aに示された領域11Bの詳細図である。
図12Aは、図10Aに示された環状エレメントの後方斜視図である。
図12Bは、図12Aに示された領域12Bの詳細図である。以下の説明では、図2から図12Bが参照されるべきである。以下の説明は、装置100の構成例を組み立てる方法の例の説明である。特徴144、例えば1つ又は2つ以上の突出部は、ベースエレメント102をクラッチ、例えばクラッチ124と回転方向で結合するために使用される。すなわち、特徴144は、クラッチ、例えばクラッチハウジング146に対するベースエレメント102の回転を阻止する。
装置100を組み立てるために、スロット148は、組立て中にベースエレメント102を固定具に配置するために働く係合固定部材(図示せず)に、ベースエレメント102を係合させるために使用される。エレメント150はベースエレメント102に配置されている。エレメント150の一方の端部は係合固定部材と係合し、組立てを容易にするためにエレメント150の捕捉を助けるための一時的なストッパとして働く。1つの実施形態において、エレメント150はばねである。孔152は、トリガエレメント104をベースエレメント102に、例えばリベット114によって固定するために使用される。スロット154は、インデックスエレメント106をベースエレメント102内に捕捉するために、インデックスエレメント106のタブ156に係合する。組立ての際にインデックスエレメント106はベースエレメント102にスナップ結合される。インデックスエレメント106の回転動作は、インデックスエレメント106のラチェットスロット158に配置されたトリガエレメント104の部分116によって制限される。
部分116は、ラチェットスロット158の第1の歯、すなわち歯160に係合する。傾斜面エレメント108のタブ、若しくは突出部120は、インデックスエレメント106に設けられたスロット122の切欠162に嵌入し、底面166をベースリング102の面168と係合させることができる。エレメント150の他方の端部はタブ120と係合させられる。ポケット若しくは凹所169は、傾斜面エレメント108がアセンブリに挿入される時に弾性エレメント171の先端170のための空間を提供する。先端170は、ポケットの部分172に配置され、プレート108の回転により、先端170は、ランプ173を横切って部分174へ摺動する。1つの実施形態において、エレメント171はばねである。すなわち、傾斜面エレメント108は、先端170が傾斜面173上を走行してポケット若しくは凹所174に捕捉されるまで、装置のための回転軸線を中心にして回転可能である。この動作により、タブ120も、切欠162からスロット122の捕捉部分180、すなわち装置100に設けられた捕捉エレメント108内へ移動する。
ここで装置100を位置固定具から持ち上げることができ、エレメント150を解放し、エレメント150は、突出部120を回転方向、例えば図3Aに構成されているような反時計回りに押し付け、傾斜面エレメント108を反時計回りに回転させ、タブ120をスロット122の端部182に向かって押し付ける。端部182を押し付けることにより、段部160が部分116(エレメント106に対して固定されている)に係合するまでインデックスエレメント106が回転する。段部160が部分116と係合することにより、インデックスエレメント106はトリガエレメント104に対してトルクを加え、インデックスエレメント106のさらなる回転を阻止する。エレメント150は、弾性エレメント171が圧縮されるまで、リングエレメントを押圧し続け、インデックスエレメント106を反時計回りに回転させるように押し付ける。従って、エレメント106,108,150及び171が静的平衡に達するまで、傾斜面エレメント108はインデックスエレメント106を押し付ける。次いで、例えば図7に示されているように装置100はクラッチアセンブリの内部に配置される。タブ144は、クラッチハウジング、例えばハウジング126、に対するベースエレメント102の回転を阻止する。トリガセンサタブ184は、クラッチアセンブリに設けられた固定された平坦な面に対して当接する。
以下に装置100の作動に関するさらなる詳細を説明する。クラッチプレート134が摩耗し、クラッチが閉じられる(ばね128がアセンブリ126を押し付けて閉じる)と、ベースエレメント102はプレートに向かって方向186に移動する。トリガエレメント104の突出部若しくはタブ184はハウジング146と接触し、トリガエレメント104はベースエレメント102に結合されている。従って、ベースエレメント102が落下すると、トリガエレメント104も落下する。しかしながら、タブ184はハウジング146に当接し、移動できない。従って、トリガエレメント104の先端は、部分116を半径方向内方へ移動させる。ベースエレメント102の落下及び部分116のティッピングが十分に大きいと、部分116は、段部160を超えるように十分にティップされ、エレメント106を解放させ、ばね171によって加えられる力に応答して反時計回りに回転させる。次いで、部分116は、スロット158における次の段部若しくは歯、例えば段部188に係合する。その間、ばね128は、完全な力を傾斜面エレメントに加えることによって、クラッチが係合させられたまま保っている。
傾斜面エレメント108は、スロット158において部分116が移動する間は回転しない。1つの実施形態において、傾斜面118における傾斜面角度192と、傾斜面130のための角度とは、同じに選択されており、傾斜面の接触面における摩擦力は、クラッチがつながれた時に、傾斜面118と傾斜面130との相対移動を阻止するように十分に高くなるように選択されている。別の実施形態では、傾斜面角度は、Tan(傾斜面角度)<傾斜面118と傾斜面130との接触面における摩擦係数であるように数学的に決定されている。別の実施形態では、摩擦係数は、技術上知られるあらゆる手段によって、例えば、斜面のうちの一方又は両方、例えば面194を波形にするための手段によって高められ、傾斜面角度は、Tan(傾斜角度)の値を低く保つために小さく形成されている。傾斜面の回転ロッキングは、ばね128の軸方向の力の全てが装置100に作用している間、プレート108がインデックスエレメント106にトルクを加えることを阻止する。また、ばね128からの軸方向の力は、傾斜面エレメント108とベースエレメント102との間の摩擦力を生ぜしめ、傾斜面エレメント108がエレメント106に追従するように反時計回りに回転することを阻止する。
クラッチが切り離されている時、ばね128からの軸方向の力は除去される。上述のように、プレート134が十分に摩耗していると、弾性エレメント171からのエネルギの解放により、部分116は段部188へ移動し、インデックスエレメント106を回転させる。クラッチが切り離されている時、弾性エレメントの間に平衡が達せられるまで弾性エレメント171を再圧縮するために傾斜面エレメント108を回転させることによって、エレメント150はエレメント174によるエネルギの解放に対して反応する(弾性エレメント171はもはやエレメント150に対抗していない)。この過程において、傾斜面118が傾斜面130を横切るように傾斜面エレメント108はエレメント150によって回転させられ、ベースエレメント102の落下を補償するように傾斜面エレメント108を押し下げる。すなわち、傾斜面の軸方向で最も高い部分141が傾斜面130の軸方向で最も高い部分に向かって回転させられるように傾斜面118は回転させられる。ここでシステムは次の摩耗調節のために準備が完了する。
以下の説明では図2から図12が参照されるべきである。以下には、クラッチにおける摩耗を補償するための本発明の方法を説明する。方法は、分かりやすくするために一連のステップとして示されるが、明示されない限りは、その連続から順序が推測されるべきではない。第1のステップは、摩耗補償装置のベースエレメントと第1の環状のエレメントとがクラッチのためのハウジングに配置されるように摩耗補償装置をクラッチに据え付ける。第2のステップは、少なくとも1つのクラッチプレートの軸方向長さの減少に応答して、ハウジングとの接触によってトリガエレメントの一部分を移動させ、トリガエレメントはベースエレメントに結合されている。第3のステップは、トリガエレメントの移動に応答して、第1の環状のエレメントを回転方向に回転させる。第4のステップは、第1の環状のエレメントに設けられた第2の傾斜面を第1の傾斜面に沿って移動させる。第5のステップは、第2の傾斜面の移動に応答して摩耗補償装置の軸方向長さを増大させる。
1つの実施形態において、クラッチは1つの軸方向位置においてばねを有しており、第6のステップは、摩耗補償装置の軸方向長さの増大に応答してばねを実質的にその軸方向位置に保持する。別の実施形態では、ベースエレメント又は第2の環状のエレメントは1つの軸方向位置に設けられており、第7のステップは、摩耗補償装置の軸方向長さの増大に応答してベースエレメント又は第2の環状のエレメントを実質的に外の軸方向位置に保持する。別の実施形態では、摩耗補償装置の軸方向長さの増大は、ベースエレメント又は第1の環状のエレメントを軸方向に移動させることを含む。
1つの実施形態において、第8のステップは、トリガエレメントの部分の移動に応答して、クラッチを閉じる。第9のステップは、装置のための第2の環状のエレメントのためのステップにおける段部からトリガエレメントの部分を解離させる。第10のステップは、第1及び第2のエレメントと係合させられた第1の弾性変形可能なエレメントにおける圧縮を少なくとも部分的に開放させることによって第2の環状のエレメントを回転方向に移動させる。第11のステップは、トリガエレメントと第2の環状エレメントとを回転方向で結合するためにトリガエレメントの部分をスロットと係合させる。別の実施形態において、第12のステップは、クラッチを開き、第1の環状エレメントを回転方向に回転させることは、第1のエレメント及びベースエレメントと係合させられた第2の弾性変形可能なエレメントにおける圧縮を少なくとも部分的に開放することによって第1の環状エレメントを回転方向に移動させることを含む。
従って、本発明の目的は効率的に達成されるが、発明に対する変更が当業者には明らかであり、これらの変更は請求項に記載の発明の精神及び範囲に含まれる。同様に、前記説明は本発明の例示であり、それに限定するものと考えるべきではない。従って、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明のその他の実施形態が可能である。

Claims (20)

  1. 摩耗補償装置において、
    第1の軸方向端部に、環状のベースエレメントが設けられており、
    該ベースエレメントに結合されたインデックストリガエレメントが設けられており、
    前記ベースエレメントに対して少なくとも部分的に回転可能な、インデックストリガエレメントと係合させられた、該インデックストリガエレメントに対して少なくとも部分的に回転可能な、第1の環状エレメントが設けられており、
    第1の軸方向端部とは反対側の第2の軸方向端部において、第1の傾斜面を備えた第2の環状エレメントが設けられており、該第2の環状エレメントが、第1の環状エレメントと係合させられており、該第1の環状エレメントに対して回転可能であり、かつ前記ベースエレメントに対して少なくとも部分的に回転可能であり、インデックストリガエレメントの部分による所定の量の移動に応答して、第1の傾斜面の円周方向位置を変化させるように第1及び第2の環状エレメントが回転可能であることを特徴とする、摩耗補償装置。
  2. ハウジングを備えたクラッチに据付け可能であり、トリガエレメントの前記部分が、トリガエレメントとハウジングとの軸方向接触によって半径方向に移動可能である、請求項1記載の装置。
  3. クラッチプレートアセンブリと、ばねと、第2の傾斜面とを備えたクラッチに据付け可能であり、ばねの遠位縁部が軸方向位置にあり、第1の傾斜面が第2の傾斜面と係合可能であり、ばねの遠位縁部を前記軸方向位置に維持するために、第1の傾斜面の円周方向位置を変化させる、請求項1記載の装置。
  4. 前記第1の傾斜面又はベースエレメントが軸方向位置にあり、クラッチプレートアセンブリの軸方向長さが所定の量だけ減少可能であり、実質的に前記量だけ前記軸方向位置を軸方向に変位させるために、第1の傾斜面の円周方向位置を変化させる、請求項1記載の装置。
  5. 第1の軸方向長さを有しており、クラッチプレートアセンブリと、ばねと、第2の傾斜面とを備えたクラッチに据付け可能であり、前記クラッチプレートアセンブリが第2の軸方向長さを有しており、第1の傾斜面が第2の傾斜面と係合可能であり、前記第2の軸方向長さの減少に対して、第1の軸方向長さを増大するために、第1の傾斜面の円周方向位置を変化させる、請求項1記載の装置。
  6. ベースエレメントがスロットを有しており、第1の環状エレメントが、突出部と、第1のスロットと、第2のスロットと、第1の弾性変形可能なエレメントとを有しており、第1の環状エレメントのための第1のスロットが、少なくとも1つの円周方向段部を有しており、第1の環状エレメントのための突出部が、ベースエレメントのためのスロットに配置されており、スロットにおいて移動可能であり、トリガエレメントのための部分が、第1の環状エレメントのための第1のスロットに配置されており、第1の環状エレメントが、トリガエレメントのための突出部に対して移動可能であり、少なくとも1つの円周方向段部がトリガエレメントのための突出部と係合可能であり、第2の環状エレメントが、第1の環状エレメントのための第2のスロットに配置された、第2のスロット内で移動可能な突出部を有しており、第1の弾性変形可能なエレメントが第1の端部及び第2の端部を有しており、第1の端部が第1の環状エレメントと圧縮係合しており、第1の端部と反対側の第2の端部が第2の環状エレメントと圧縮係合可能であり、さらに、ベースエレメントに対して固定された第1の端部と、第2の環状エレメントのための突出部と圧縮係合した第2の端部とを備えた、第2の弾性変形可能なエレメントが設けられている、請求項1記載の装置。
  7. 第2の弾性エレメントが、第2の環状エレメントを回転方向に押し付けるために働き、第1の弾性エレメントが、第1の環状エレメントを回転方向に押し付けるために働き、非摩耗状態において、トリガエレメントのための突出部が、第1の環状エレメントを回転方向で固定するために少なくとも1つの段部のうちの1つの段部と接触しており、第1の弾性エレメントが、第2の環状エレメントによって圧縮された状態に保持されている、請求項6記載の装置。
  8. 第2の弾性エレメントが、第2の環状エレメントを1つの回転方向に押し付けるために働き、第1の弾性エレメントが、第1の環状エレメントを前記回転方向に押し付けるために働き、摩耗状態において、
    前記方向での第1の環状エレメントの回転を可能にするために、段部からトリガエレメントの部分を解離させるために、トリガエレメントの部分を移動させ、
    前記回転方向での第2の環状エレメントの回転を可能にするために、第1の環状エレメントを回転させる、請求項6記載の装置。
  9. クラッチプレートアセンブリと、ばねと、第2の傾斜面とを備えたクラッチに据付け可能であり、第2の傾斜面が1つの軸方向位置にあり、クラッチプレートアセンブリが、減少可能な軸方向長さを有しており、第1の傾斜面が第2の傾斜面と係合可能であり、軸方向長さの減少に応答して、トリガエレメントの前記部分が移動可能であり、第2の傾斜面を前記軸方向位置に維持するために、第2の環状エレメントを第1の回転方向に回転させる、請求項6記載の装置。
  10. 非摩耗状態において、第1の弾性エレメントが第2の環状エレメントによって圧縮状態に保持されており、該圧縮状態を解放するために、第1の回転方向での第1の環状エレメントの回転を可能にし、第1の弾性エレメントを再圧縮するために、第1の回転方向での第2の環状エレメントの回転を可能にする、請求項6記載の装置。
  11. クラッチにおいて、
    ハウジングと、
    該ハウジングに配置された、第1の軸方向長さを有する少なくとも1つのクラッチプレートと、
    少なくとも1つのクラッチプレートを軸方向に圧縮するためのばねと、
    軸方向の第1の傾斜面と、
    ハウジングに配置された摩耗補償装置とが設けられており、該摩耗補償装置が、
    第2の軸方向長さと、
    環状のベースエレメントと、
    該ベースエレメントに結合された、ハウジングとの接触により移動可能な部分を有する、インデックストリガエレメントと、
    ベースエレメントに対して少なくとも部分的に回転可能な、インデックストリガエレメントと係合させられた、インデックストリガエレメントに対して少なくとも部分的に回転可能な第1の環状エレメントと、
    第1の傾斜面と係合させられた第2の傾斜面とを備えた第2の環状エレメントとを有しており、該第2の環状エレメントが、第1の環状エレメントと係合させられており、かつ第1の環状エレメントに対して少なくとも部分的に回転可能であり、インデックストリガエレメントの部分による所定の量の移動に応答して、第1の軸方向長さの減少に応答して第2の軸方向長さを増大するために第2の傾斜面を第1の傾斜面に沿って移動させるために、第2の環状エレメントが回転可能であることを特徴とする、クラッチ。
  12. ベースエレメントを軸方向に移動させるために、第2の傾斜面を第1の傾斜面に沿って移動させる、請求項11記載のクラッチ。
  13. 第2の環状エレメントを軸方向移動させるために、第2の傾斜面を第1の傾斜面に沿って移動させる、請求項11記載のクラッチ。
  14. 第1の軸方向長さの減少に応答してベースエレメント又は第2の環状エレメントが軸方向に移動可能であり、ベースエレメントの軸方向移動に応答してトリガエレメントの一部分が移動可能である、請求項11記載のクラッチ。
  15. クラッチにおける摩耗を補償するための方法において、
    摩耗補償装置のベースエレメントと第1の環状エレメントとがクラッチのためのハウジングに配置されるように摩耗補償装置を据え付け、
    少なくとも1つのクラッチプレートの軸方向長さの減少に応答して、ハウジングと接触することによってトリガエレメントの部分を移動させ、トリガエレメントはベースエレメントに結合されており、
    トリガエレメントの部分の移動に応答して第1の環状エレメントを1つの回転方向に回転させ、
    第2の傾斜面を第1の環状エレメント上で第1の傾斜面に沿って移動させ、
    第2の傾斜面の移動に応答して摩耗補償装置の軸方向長さを増大することを特徴とする、クラッチにおける摩耗を補償するための方法。
  16. クラッチが、1つの軸方向位置においてばねを有しており、摩耗補償装置の軸方向長さの増大に応答してばねを実質的に前記軸方向位置に維持する、請求項15記載の方法。
  17. ベースエレメント又は第2の環状エレメントが1つの軸方向位置にあり、摩耗補償装置の軸方向長さの増大に応答してベースエレメント又は第2の環状エレメントを実質的に前記軸方向位置に維持する、請求項15記載の方法。
  18. 摩耗補償装置の軸方向長さを増大することが、ベースエレメント又は第1の環状エレメントを軸方向に移動させることを含む、請求項15記載の方法。
  19. クラッチを閉じ、
    トリガエレメントの回転に応答して、
    装置のための第2の環状エレメントのためのスロットにおける段部からトリガエレメントの部分を解離させ、
    第1及び第2のエレメントと係合させられた第1の弾性変形可能なエレメントにおける圧縮を少なくとも部分的に解放させることによって、第2の環状エレメントを前記方向に回転移動させ、
    トリガエレメントと第2の環状エレメントとを回転方向で結合するために、トリガエレメントの前記部分をスロットと係合させる、請求項15記載の方法。
  20. クラッチを開き、第1の環状エレメントを1つの回転方向に回転させることが、第1のエレメント及びベースエレメントと係合させられた第2の弾性変形可能なエレメントにおける圧縮を少なくとも部分的に解放させることによって第1の環状エレメントを回転移動させることを含む、請求項19記載の方法。
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