JP2011526694A - 電子デバイスおよび溶液処理技術を用いてそれらを製造する方法 - Google Patents

電子デバイスおよび溶液処理技術を用いてそれらを製造する方法 Download PDF

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Abstract

電子デバイスを製造する方法は、回路素子を備える基部(801)を設けるステップと、絶縁材料の第1の層(800)と第1の層上の絶縁材料の第2の層(804)とを備える二重バンクウェル画定構造を基部(801)上に形成するステップと、二重バンク構造によって画定されたウェルに有機材料の溶液を堆積させるステップとを含む。二重バンクウェル画定構造は、ウェルを形成する単一の処理ステップにおいて第1の層および第2の層(800、804)から材料を除去することによって形成される。第1の層(800)の縁の上に第2の層(804)が突出した張り出し段構造を形成するために、第2の層(804)の材料よりも速い速度で除去される材料で第1の層(800)が作られる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、電子デバイス、および溶液処理技術を用いてそれらを製造する方法に関する。本発明の個々の実施の形態は、有機薄膜トランジスタ、有機光電子デバイス、有機発光ディスプレイデバイス、および溶液処理技術を用いてそれらのデバイスを製造する方法に関する。
当技術分野では、溶液から活性成分を堆積させることを含む電子デバイス製造方法が知られている。そのような方法は、1つ以上の活性成分を堆積できる基板の準備を含む。活性成分を溶液から堆積させる場合に一つ問題となるのは、どのようにして基板の所望の領域へ活性成分を閉じ込めるかである。この問題に対する解決策の一つは、溶液中で活性成分を堆積させることのできるウェルを画定する、パターン形成されたバンク層を備える基板を設けることである。ウェルが溶液を閉じ込めた状態で溶液が乾燥し、その結果、ウェルによって画定された基板の領域に活性成分が残る。
このような溶液処理方法は、溶液中での有機材料の堆積に特に有用であることが分かっている。有機材料は、電流が流れた時に発光できるように、または光が当たった時に電流を発生することによって光を検出できるように、導電性、半導電性、および/または光電気的に活性であってよい。これらの材料を利用するデバイスは、有機電子デバイスとして知られる。一例は、有機トランジスタ素子である。有機材料が発光材料である場合は、デバイスは有機発光デバイスとして知られる。以下、トランジスタおよび発光デバイスについて、より詳細に論じる。
トランジスタは大きく2種類に分けられる。すなわち、バイポーラ接合トランジスタと電界効果トランジスタである。いずれの種類も、3つの電極を備え、それらの間のチャネル領域に半導体材料が配置される、という共通の構造を共有する。バイポーラ接合トランジスタの3つの電極はエミッタ、コレクタ、ベースとして知られ、一方、電界効果トランジスタでは、3つの電極はソース、ドレイン、ゲートとして知られる。バイポーラ接合トランジスタは電流動作型デバイスと説明され得るが、これはベースとエミッタとの間を流れる電流によってエミッタとコレクタとの間の電流が制御されるからである。これに対して、電界効果トランジスタは電圧動作型デバイスと説明され得るが、これはゲートとソースとの間の電圧によってソースとドレインとの間を流れる電流が制御されるからである。
また、トランジスタは、正の電荷担体(正孔)を伝導する半導体材料で構成されるか、あるいは負の電荷担体(電子)を伝導する半導体材料で構成されるかによって、それぞれp型およびn型に分類することもできる。半導体材料は、電荷を受容し、伝え、供与する能力に応じて選択され得る。正孔または電子を受容し、伝え、供与する半導体材料の能力は、材料に不純物を添加することによって高めることができる。また、ソース電極およびドレイン電極に用いられる材料は、正孔または電子を受容し注入する能力によっても選択できる。
例えば、p型トランジスタ素子は、効率良く正孔を受容し、伝え、供与する半導体材料を選択し、効率良く半導体材料に正孔を注入し半導体材料から正孔を受容する材料をソース電極およびドレイン電極に選択することによって形成できる。電極のフェルミ準位と半導体材料のHOMO準位とのエネルギー準位の整合をうまくとることによって、正孔の注入および受容を向上させることができる。一方、n型トランジスタ素子は、効率良く電子を受容し、伝え、供与する半導体材料を選択し、効率良く半導体材料に電子を注入し半導体材料から電子を受容する材料をソース電極およびドレイン電極に選択することによって形成できる。電極のフェルミ準位と半導体材料のLUMO準位とのエネルギー準位の整合をうまくとることによって、電子の注入および受容を向上させることができる。n型またはp型の素子として機能することのできる両極性デバイスも知られている。
トランジスタは、これらの構成要素を薄膜の状態で堆積させて薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)を形成することにより、形成することができる。このようなデバイスで、半導体材料として有機材料が用いられたものは、有機薄膜トランジスタ(organic thin film transistor、OTFT)として知られている。
有機薄膜トランジスタはさまざまな構成が知られている。そのようなデバイスの1つは絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、このトランジスタは、間のチャネル領域に半導体材料が配置されたソース電極およびドレイン電極と、半導体材料に隣接して配置されたゲート電極と、ゲート電極とチャネル領域の半導体材料との間に配置された絶縁材料の層とを備える。
OTFTは、溶液処理のような低コストかつ低温の方法によって製造され得るものである。さらに、OTFTは曲げやすいプラスチック基板と相性が良く、ロール・ツー・ロール方式によりフレキシブル基板でOTFTを量産する可能性が見込まれる。
そのような有機薄膜トランジスタの例を図1に示す。図示の構造は、基板1に堆積させられてよく、間隔が空けられてその間にチャネル領域6が配置されたソース電極およびドレイン電極2、4を備える。チャネル領域6には有機半導体(organic semiconductor、OSC)8が堆積させられ、有機半導体8は、ソース電極およびドレイン電極2、4の少なくとも一部の上に延びてよい。有機半導体8の上には誘電体材料の絶縁層10が堆積させられ、絶縁層10は、ソース電極およびドレイン電極2、4の少なくとも一部の上に延びてよい。最後に、絶縁層10の上にゲート電極12が堆積させられる。ゲート電極12は、チャネル領域6の上に配置され、ソース電極およびドレイン電極2、4の少なくとも一部の上に延びてよい。
上述の構造はトップゲート型有機薄膜トランジスタとして知られるが、これはゲートが素子の上側に配置されるからである。代わりに、ゲートを素子の底側に設けていわゆるボトムゲート型有機薄膜トランジスタを形成することも知られている。
そのようなボトムゲート型有機薄膜トランジスタの例を図2に示す。図1および図2に示した各構造の関係をより明確に示すため、対応する部分には同一の参照番号を用いてある。図2に示すボトムゲート構造は、基板1に堆積させられたゲート電極12を備え、その上に誘電体材料の絶縁層10が堆積させられる。誘電体材料の絶縁層10の上には、ソース電極およびドレイン電極2、4が堆積させられる。ソース電極およびドレイン電極2、4は間隔が空けられ、その間の、ゲート電極の上にチャネル領域6が配置される。チャネル領域6には有機半導体(OSC)8が堆積させられ、有機半導体8は、ソース電極およびドレイン電極2、4の少なくとも一部の上に延びてよい。
上記の構成の問題の一つは、OSCを堆積させる時にどのようにしてOSCをチャネル領域内に閉じ込めるかということである。この問題に対する解決策は、例えばインクジェット印刷によって、溶液からOSC8を堆積させることのできるウェルを画定する、絶縁バンク材料のパターン形成層14を設けることである。そのような構成を、ボトムゲート型およびトップゲート型の有機薄膜トランジスタについて、それぞれ図3および図4に示す。ここでもまた、図1および図2に示した各構造の関係を、図3および図4に示した各構造とともにより明確に示すため、対応する部分には同一の参照番号を用いてある。
絶縁材料のパターン形成層14によって画定されるウェルの周縁部は、例えばインクジェット印刷による、OSC8の堆積を容易にするために、ソース電極およびドレイン電極2、4の間に画定されたチャネル6の一部またはすべてを取り囲むようになっている。さらに、絶縁層14は、OSC8の堆積の前に堆積させられるので、OSCを傷めずに堆積およびパターン形成が行われ得る。絶縁層14の構造は、ポジ型レジストまたはネガ型レジストのフォトリソグラフィ、ウェットエッチング、ドライエッチング等のような既知の堆積およびパターン形成の技術を用いて、再現可能な方法で形成することができる。
ウェル画定バンク材料のパターン形成層が設けられても、OSCの堆積に溶液処理技術を用いて、チャネル領域内にOSCを閉じ込めてチャネル領域にOSCの良好な膜を形成するにあたって、まだ問題が存在する。ウェル画定バンク層に対するOSC溶液の接触角が一般に低いため、ウェル画定バンク層の制御不能なぬれ(wetting)が起こる可能性があるのである。最悪の場合、OSCがウェルからあふれるおそれがある。
解決策の一つは、溶液からOSCを堆積させる前にウェル画定バンクの表面のぬれ性(wettability)を低減するため、例えばCFのようなフッ素系のプラズマを用いて、ウェル画定バンクの表面を処理することである。ウェル画定バンク層上側の脱ぬれ状態(de-wetting)の表面は、OSCを堆積させる時にOSCをウェル内に閉じ込めるのに役立つ。
別の解決法は、ぬれ性が本質的に低い材料をウェル画定バンク層に用いることである。米国特許出願公開第2007/0023837号明細書には、TFT基板を製造する際に、日本の旭硝子が製造する「サイトップ」のようなぬれ性の低いフッ素含有ポリマーを用いて、パターン形成されたウェル画定バンク層を形成する、という構成が記載されている。ぬれ性の低いフッ素含有ポリマー材料は、溶液からOSCを堆積させる時にOSCがウェルからあふれるのをうまく防ぐ。しかしながら、ウェルの側面もぬれ性が低いために、溶液がウェルの基部上に閉じ込められる傾向があり、膜が良好に形成されなくなる。すなわち、OSCの溶液がウェルの側面をぬらさないので、OSCの溶液はウェルの基部上に湾曲したしずくを形成し、乾燥して厚さの不均一な膜を形成してしまうのである。厚さの不均一な膜は、当技術分野で知られるように、結果として生じるデバイスの性能に悪影響を及ぼしかねない。
米国特許出願公開第2007/0020899号明細書は、上述のように、バンク層の表面のぬれ性を低減するため、電子基板の配線パターンを画定するバンク層の表面をフッ素系のプラズマを用いて処理することを開示している。また、この文書には、電子基板の配線パターンを画定する2層のバンク構造を設ける、という代替手法も記載されている。この2層バンク構造は、良好なぬれ性を有する第1の層と、その上の、ぬれ性の低いフッ素含有ポリマーを含む第2の層とを備える。
上記の2層バンク構造により、ウェルに堆積させられた液体は、第1の層でできたウェル側面をぬらして、乾燥時にウェル内において膜を良好に形成することができ、その一方で、第2の層は、液体がウェルからあふれるのを防ぐ。同文書は、第1のバンク層および第2のバンク層の両方の材料を、主鎖にシロキサン結合を含むポリマーとし、第2のバンク層のポリマーを、側鎖にフッ素結合を含むものとするように提案している。第2のバンク層の材料は50°以上の接触角を有すると記載されている。また、2層バンク構造を形成し、バンク構造によって画定されたウェルに活性成分を堆積させてから、活性成分およびバンク構造を同時に焼成する、という製造工程も開示されている。
上記の従来技術は、TFT基板の製造のためにぬれ性の低いバンクを設けることに関連するが、発光材料に単一バンク層構造を用いることも言及されている。以下、有機発光デバイスについて、より詳細に論じる。
OLED(有機発光デバイス)を用いて製造されるディスプレイは、他のフラットパネル技術に対していくつかの利点を持つ。OLEDを用いて製造されるディスプレイは、明るく、色彩豊かで、高速スイッチングが可能であり、広い視野角を提供し、多様な基板で容易かつ安価に製造できる。有機(ここでは有機金属系を含む)発光ダイオード(LED)は、ポリマー、小分子、およびデンドリマーなどの材料を用いて、使用される材料に依存するさまざまな色で製造され得る。ポリマー系の有機LEDの例は、国際公開第90/13148号、国際公開第95/06400号、および国際公開第99/48160号に記載されている。デンドリマー系の材料の例は、国際公開第99/21935号および国際公開第02/067343号に記載されている。いわゆる小分子系のデバイスの例は、米国特許第4,539,507号明細書に記載されている。
典型的なOLEDデバイスは2層の有機材料で構成され、その一方は、発光ポリマー(LEP)、オリゴマー、または発光低分子量材料のような発光材料の層であり、他方は、ポリチオフェン誘導体またはポリアニリン誘導体のような正孔輸送材料の層である。
OLEDは、画素のマトリクスという形で基板上に堆積させられて、単色または多色画素型ディスプレイを構成し得る。多色型ディスプレイは、赤、緑、および青の発光画素群を用いて構成されてよい。いわゆるアクティブマトリクスディスプレイは、各画素と関連付けられた、典型的には蓄積キャパシタおよび薄膜トランジスタ(TFT)であるメモリ素子を有するが、これに対して、パッシブマトリクスディスプレイはそのようなメモリ素子を持たず、その代わり、安定した画像という印象を与えるために、繰り返し走査される。他のパッシブディスプレイとしては、セグメントディスプレイがある。セグメントディスプレイでは、複数のセグメントが共通電極を共有し、セグメントの他方の電極に電圧を印加することによってセグメントが点灯され得るようになっている。単純なセグメントディスプレイは走査される必要がないが、複数のセグメント領域を備えるディスプレイでは、電極が(電極の個数を減らすために)多重化された上で走査されてよい。
図5は、OLEDデバイス100の例の縦断面を示す図である。アクティブマトリクスディスプレイでは、画素の領域の一部が、関連する駆動回路(図5には図示しない)によって占められる。説明の目的上、デバイスの構造は幾分単純化してある。
OLED100は、基板102を備える。基板102は、典型的には0.7mmまたは1.1mmのガラスだが、透明なプラスチックまたはその他の実質的に透明な材料とすることも随意である。基板上にはアノード層104が堆積させられる。アノード層104は、典型的には厚さ約40ないし150nmのITO(インジウムスズ酸化物)で構成され、その一部の上には、金属接触層が設けられる。典型的には、接触層は、約500nmのアルミニウム、またはクロムの層で挟まれたアルミニウムの層で構成され、これはアノード金属と呼ばれることがある。ITOと接触金属とで被覆されたガラス基板は、広く入手可能である。ITO上の接触金属は、アノード接続が透明でなくてよい個所に、特にデバイスへの外部からの接点のための、低抵抗の経路を設ける働きをする。接触金属は、必要でない個所、特に、除去しなければディスプレイを覆ってしまうことになる個所では、フォトリソグラフィおよびそれに続くエッチング、という標準的な工程によって、ITOから除去される。
アノード層の上には、実質的に透明な正孔注入層106が堆積させられ、続けてエレクトロルミネッセンス層108、カソード110が堆積させられる。エレクトロルミネッセンス層108は、例えばPPV(ポリ(p−フェニレンビニレン))で構成されてよく、また、アノード層104およびエレクトロルミネッセンス層108の正孔のエネルギー準位を合わせる働きをする正孔注入層106は、例えばドイツのH.C.スタルク社のPEDOT:PSS(ポリエチレンジオキシチオフェンのポリスチレンスルホン酸ドープ体)のような、導電性の透明なポリマーで構成されてよい。典型的なポリマー系のデバイスでは、正孔輸送層106は、約200nmのPEDOTで構成されてよい。発光ポリマー層108は、典型的には厚さが約70nmである。これらの有機層は、スピンコーティングによって堆積させられてよく(後で、プラズマエッチングまたはレーザアブレーションによって不要な領域から材料を除去する)、またはインクジェット印刷によって堆積させられてよい。この後者の場合、例えばフォトレジストを用いて基板上にバンク112を形成し、有機層が堆積させられ得るウェルを画定するようにしてもよい。そのようなウェルが、ディスプレイの発光領域、すなわち画素を画定する。
カソード層110は、典型的には、より厚いアルミニウムのキャップ層で覆われた、(例えば物理的な蒸着によって堆積させられた)カルシウムまたはバリウムのような低仕事関数金属で構成される。電子のエネルギー準位の整合を向上させるため、随意に、フッ化リチウムの層のような付加的な層を、エレクトロルミネッセンス層に直接隣接して設けてよい。カソード線の相互の電気的な隔離は、カソードセパレータ(図5には図示しない)を用いて実現または強化してよい。
小分子のデバイスにも、同じ基本構造が用いられてよい。
典型的には、いくつかのディスプレイが単一の基板上で製造され、製造工程の最後に基板がけがかれて、ディスプレイが分離されてから、酸化と水分侵入を防止するためにそれぞれに封止缶が取り付けられる。あるいは、けがいて分離する前にディスプレイを封止することもできる。
OLEDを点灯させるため、例えば図5に示すバッテリー118により、アノードとカソードとの間に電源が投入される。図5に示す例では、光は、透明なアノード104および基板102を通して発せられ、カソードはおおむね反射性である。このようなデバイスは、「ボトムエミッタ」と呼ばれる。カソードを通して発するデバイス(「トップエミッタ」)も、例えば、カソードが実質的に透明になるようにカソード層110の厚さを約50〜100nmより小さく保つことによって、および/またはITOのような透明なカソード材料を用いることによって、構成され得る。
次に、図5bを参照すると、この図はパッシブマトリクスOLEDディスプレイデバイス150の単純化された断面を示す図であり、同図において、図5のものと同じ要素は同じ参照番号で示されている。図示のように、正孔輸送層106およびエレクトロルミネッセンス層108は、アノード金属104およびカソード層110においてそれぞれ画定される互いに垂直なアノード線およびカソード線の交点で、複数の画素152に細分されている。同図において、カソード層110において画定される導線154がページを貫くように通っており、また、カソード線と直交して通っている複数のアノード線158のうちの1本の断面が示されている。カソード線およびアノード線の交点のエレクトロルミネッセンス画素152は、該当する線の間に電圧を印加することによってアドレス指定されてよい。アノード金属層104は、ディスプレイ150への外部からの接点を提供し、また、(カソード層のパターンをアノード金属のリードアウトの上に通すことによって)OLEDへのアノードおよびカソードの両方の接続に用いられてよい。
上記のOLED材料、特に発光ポリマー材料とカソードは、酸化と水分の影響を受けやすい。従って、デバイスは、UV硬化型エポキシ接着剤113によってアノード金属層104上に取り付けられた金属またはガラスの缶111で封止される。接着剤113の、硬化のための紫外光への暴露を容易にするため、アノード金属接点が、金属缶111の縁の下を通る部分で薄くなっていると好ましい。
オールプラスチック製フルカラースクリーンの実現には相当な努力がささげられてきた。この目標を達成するための主要な課題は、(1)3つの基本色である赤色、緑色、および青色の光を発する共役ポリマーの入手と、(2)共役ポリマーを加工してフルカラーディスプレイ構造に仕立て上げることが容易でなければならないこと、であった。ポリマー発光デバイス(PLED)は1番目の要求を満たす見込みが大いにあるが、それは共役ポリマーの化学構造を変えることによって発光色を操作できるからである。しかしながら、共役ポリマーの化学的性質の調整は、実験室規模では往々にして容易かつ安価であるのに対して、工業的規模では高価かつ複雑な工程となりかねない。また、フルカラーマトリクスデバイスを容易に加工し製造するという2番目の要求からは、どのようにして微細な多色の画素を微小パターン形成し、どのようにしてフルカラー発光を実現するか、という問題が生じる。フルカラーディスプレイの開発に寄与するために、直接的な色調整、良好な加工性、および安価な大規模製造の可能性を示す共役ポリマーが探し求められてきた。PLEDデバイスのパターン形成については、インクジェット印刷およびハイブリッドインクジェット印刷の技術が多くの関心を集めてきた(例えば、Science 1998, 279, 1135、Wudl et al, Appl Phys. Lett. 1998, 73, 2561、およびJ. Bharathan, Y. Yang, Appl. Phys. Lett. 1998, 72, 2660を参照)。
当技術分野では、個々の画素を制御するアクティブマトリクス回路と透明なアノードとを備えるガラス基板上にエレクトロルミネッセンス画素およびカソードが堆積させられた、アクティブマトリクス有機発光デバイス(AMOLED)が知られている。これらのデバイスにおいて、光は、アノードおよびガラス基板を通して(いわゆるボトムエミッション型)、または透明なカソードを通して(いわゆる「トップエミッション型」デバイス)、観察側へ向けて発せられ得る。
トップエミッション型デバイスの例を図6に示す。このトップエミッション型デバイスは基板202を備え、その上には絶縁平坦化層204が配置される。アノードが、アノードと関連付けられたTFT(図示しない)と接続され得るように、平坦化層204にバイアホールが設けられる。平坦化層204の上にアノード206が配置され、その上にウェル画定バンク208が設けられる。アノード206は反射性であることが好ましい。バンクによって画定されたウェルにはエレクトロルミネッセンス材料210が配置され、ウェルおよびバンクの上には透明なカソード212が堆積させられて連続層を形成する。
エレクトロルミネッセンス調合物のインクジェット印刷は、パターン形成されたデバイスを形成する安価で効果的な方法である。欧州特許出願公開第0880303号明細書に開示されているように、この方法は、インクジェット印刷によってエレクトロルミネッセンス材料が堆積させられる、画素を画定するウェルを有するバンクを形成するために、フォトリソグラフィの利用を伴う。ウェル画定バンクにはさまざまな構造が提案されている。
国際公開第2005/076386号は、単一のレジスト層から形成されるアンダーカット状のウェル画定バンクを開示している。アンダーカット状バンクは、溶液からウェルに堆積させられる材料の閉じ込めを改良するのに有用となり得ることが分かっている。さらに、アンダーカット状バンクは、溶液が乾燥する時に形成される材料の膜の均一性を向上する。しかしながら、そのようなアンダーカット状バンクの問題は、電極層のような材料の連続層をウェル上に形成することがしばしば求められることである。バンクのアンダーカット構造により、そのような上部層がウェルの縁の周囲で切断されて短絡問題を引き起こしかねないのである。
国際公開第2007/023272号は、無機誘電体スペーサ層上に配置された有機バンク層によって画定されるウェルを開示している。そこでは、国際公開第2007/023272号の図5に示されるように、有機バンク層が、無機誘電体スペーサ層上に張り出して、ウェルの縁の周囲に張り出し段構造を形成する。この構造は、まず(紫外線に暴露し、現像し、洗浄することによって)有機バンク層にパターンを形成し、次に、ウェルの側面に張り出し段構造が形成されるまで、(無機誘電体材料に好適なエッチング液を用いて)エッチングによりウェルの基部から無機誘電体材料を除去する、という2段階の工程で形成される。無機誘電体材料にエッチングを施す第2のステップに有機バンクがエッチングマスクを提供することが記載されている。また、国際公開第2007/023272号の図17aないし図17cに示される代替の実施の形態によれば、張り出し段構造すなわち負の段構造を形成する代わりに、ウェルの縁の周囲に正の段構造を3段階の工程で形成することができる。すなわち、まずバンク層にパターンを形成し、次にエッチングによりウェルの基部から無機誘電体材料を除去し、最後に、バンク層の縁が無機誘電体層の縁よりも後退した正の段構造を無機誘電体層とバンク層とが形成するように、ウェルの周縁部のバンク層の縁からさらなる材料を除去して下にある無機誘電体層の縁を露出させる、という工程である。国際公開第2007/023272号の上記実施の形態の上バンク層は、電極層のような材料の連続層がウェルの縁の周囲で切断されずにウェル上に堆積させられ得るように、正の断面を有する。しかしながら、これらのバンク構造を製造するために記載されたこれらの多段階の工程は、製造時間と複雑さを増大させ、従ってコストを増大させてしまう。
米国特許出願公開第2007/0023837号 米国特許出願公開第2007/0020899号 国際公開第90/13148号 国際公開第95/06400号 国際公開第99/48160号 国際公開第99/21935号 国際公開第02/067343号 米国特許第4,539,507号 欧州特許出願公開第0880303号 国際公開第2005/076386号 国際公開第2007/023272号
Science 1998, 279, 1135、Wudl et al, Appl Phys. Lett. 1998, 73, 2561 J. Bharathan, Y. Yang, Appl. Phys. Lett. 1998, 72, 2660
上述のデバイスおよび製造方法を改良することが本発明の目的である。
本発明の第1の態様によれば、電子デバイスを製造する方法であって、回路素子を備える基部を設けるステップと、絶縁材料の第1の層と第1の層上の絶縁材料の第2の層とを備える二重バンクウェル画定構造を基部上に形成するステップと、二重バンクウェル画定構造によって画定されたウェルに有機材料の溶液を堆積させるステップとを含み、二重バンクウェル画定構造が、ウェルを形成する単一の処理ステップにおいて第1の層および第2の層から材料を除去することによって形成され、第1の層および第2の層が、単一の処理ステップにおいて異なる除去速度を有する材料で作られ、それにより、第1の層および第2の層の材料の除去速度の相違のためにウェルの周縁部に段構造が形成される方法が提供される。
二重バンク段構造は溶液から堆積させられた有機材料の閉じ込めに有利となり得るが、その一方でそのような構造を形成するために必要な多くの段階が、製造時間と複雑さを増大させ、従ってコストを増大させるおそれのあることに、本出願人は気付いた。例えば、上述の従来技術では、第1の層および第2の層の材料が別々の処理ステップで除去される、少なくとも2段階の工程で、二重バンク段構造が形成される。また、従来技術では、下層の縁が露出した正の段構造を形成するために、第3のステップを用いて二重バンク構造の上層からさらなる材料を除去し得ることも開示されている。
この問題を特定した後、本出願人は以下のことに気付いた。すなわち、2つのバンク層に好適な材料を選択し、かつ2つの層に好適な除去技術を選択することにより、第1の層および第2の層の材料の除去速度の相違のために段構造が形成される単一の処理ステップにおいて、第1の層および第2の層から材料を除去することによって二重バンクウェル画定構造が形成され得る、ということである。従って、多くの処理ステップを回避しつつ二重バンク段構造を形成することができ、よって製造時間、複雑さ、およびコストを低減することができる。
これは、ウェルを形成する時に有機バンク層と無機スペーサ層との除去に異なる処理ステップが必要となる国際公開第2007/023272号に記載された構成のような従来技術の構成とは対照的である。有機層は、紫外線へ暴露してから現像することによって除去される。この処理は、下にある層の無機材料を除去しない。無機材料は、上にある有機層をまったく除去しない無機系エッチング液を用いて除去され、上にある有機層はエッチングマスクとして働くと記載されている。この意味で、国際公開第2007/023272号のバンク層およびスペーサ層の材料は直交しており、本発明とは正反対である。
本発明のある実施の形態によれば、バンク材料の第1の層が第2のバンク層よりも速い速度で除去される場合は、第1の層の縁の上に第2の層が突出した張り出し段構造すなわち負の段構造が形成され得る。あるいは、バンク材料の第1の層が第2のバンク層よりも遅い速度で除去される場合は、第2の層の縁が第1の層の縁から後退した正の段構造が形成され得る。
本出願人は、本発明を実現する可能性のあるいくつかの材料および技術を特定した。第1の層および第2の層の材料は、無機でも有機でもよい。一方の層の材料は架橋マトリクスを含んでよく、他方の層の材料は架橋を有しなくてよい。架橋によって除去に対する抵抗が増大し、架橋を有しない層が架橋を含む層よりずっと速く除去されることになる。あるいは、両層が架橋を含み、架橋の量をそれぞれの層で異ならせるようにしてもよい。架橋をより低度に有する層はより容易に除去されるので、各層の架橋の量を調整して段構造の所望の大きさを実現することができる。例えば、各層の架橋の量の相違が大きいとより大きな段構造が生じるのに対して、各層の架橋の量の相違がより小さくなるとより小さな段構造が生じる。架橋の量は、材料中の架橋可能な基の数を調整することによって、および/または、熱量および/または紫外光への暴露量のような架橋条件を制御することによって、制御することができる。
異なる架橋の量を用いることの代替手法として、二重バンク構造を形成する時に材料の層を除去する処理ステップに対して本質的に異なる感受性を有する2つの異なる材料を、バンク層に選択してもよい。例えば、有機材料のいくつかは、他の有機材料よりも柔らかく、より容易に除去される。
2つのバンク層に用いられる材料は、ポリマーでよい。ポリマーは、架橋されていてよく、および/または、異なる繰り返し単位を含んで、それらが、上述したように、二重バンク構造を形成する時に材料の層を除去する処理ステップに対して本質的に異なる感受性を有するようにしてもよい。あるいは、またはさらに、2つのバンク層に用いられるポリマーは、異なる重合度を有してよい。一般に、低い重合度を有するポリマーは、より高い重合度を有するポリマーと比べて、より容易に除去される。
二重バンクウェル画定構造を形成するステップは、絶縁材料の第1の層を基部上に堆積させ、絶縁材料の第1の層を焼成し、絶縁材料の第2の層を第1の層上に堆積させ、ウェルを画定するために第1の層および第2の層から材料を除去する前に第2の層を焼成するステップを含んでよい。これらの焼成ステップは、層をより頑健にするとともに、層が溶液から堆積させられた場合は溶媒を除去するために設けられる。この技術は、本発明の方法においても利用できる。しかしながら、本出願人は、第2の層を焼成する際、第1の層が必然的にさらなる焼成にさらされることに気付いた。そのため、第1の層は第2の層より長い焼成時間にさらされ、これにより除去ステップに対する第1の層の抵抗が第2の層と比べて増大する可能性がある。このことは、二重バンク構造に正の段が所望される実施の形態においては問題にならないが、張り出し構造を形成する際には問題となりかねない。この第1の層の余分な加熱は、余計な焼成の後であっても第2の層の材料よりずっと容易に除去できる材料を第1の層に選択することによって、補償できる。あるいは、第1の焼成ステップの時間および/または温度を低減するか、または第1の焼成ステップをすっかり無くしてしまってもよい。その代わりに、またはそれに加えて、第1の層の頑健性に対する第1の焼成(存在する場合)の相対的な寄与を減らすように、第2の焼成ステップの時間または温度を増加させてもよい。
いくつかの実施の形態によれば、第1の焼成の温度は、80°から180°、より好ましくは100°から160°、さらに好ましくは120°から140°の範囲でよく、最も好ましくは約130°でよい。第1の焼成の時間は、200秒から400秒、より好ましくは250秒から350秒、さらに好ましくは280秒から320秒の範囲でよく、最も好ましくは約300秒でよい。
いくつかの実施の形態によれば、第2の焼成の温度は、60°から160°、より好ましくは80°から140°、さらに好ましくは100°から120°の範囲でよく、最も好ましくは約115°でよい。第2の焼成の時間は、250秒から450秒、より好ましくは300秒から400秒、さらに好ましくは340秒から380秒の範囲でよく、最も好ましくは約360秒でよい。
ウェルを画定するために第1の層および第2の層から材料を除去した後に、第3の焼成ステップを設けてよい。この最後の焼成ステップは、普通、第1の層および第2の焼成ステップのどちらよりも長く、その長さは第1の層および第2の焼成ステップの合計と同程度でよい。第3の焼成ステップの温度は、第2の焼成ステップと同じか同程度でよい。いくつかの実施の形態によれば、第3の焼成の温度は、60°から160°、より好ましくは80°から140°、さらに好ましくは100°から120°の範囲でよく、最も好ましくは約115°でよい。第3の焼成の時間は、400秒から800秒、より好ましくは500秒から700秒、さらに好ましくは550秒から650秒の範囲でよく、最も好ましくは約600秒でよい。
単一の除去ステップのためのさまざまな技術が、本発明の異なる実施の形態に従って利用されてよい。例えば、ポジ型フォトレジストのような光パターン形成可能な材料を第2の層に用いてから、層にパターンを形成するために紫外光に暴露することができる。次に、現像液を用いて、第2の層の暴露された部分とその下にある第1の層の領域とを除去することができる。第1の層の材料を、第2の層の紫外線に暴露された材料よりも速い速度で現像液によって除去され得るように選択した場合は、張り出し構造を形成することができる。現像時間を増やして、張り出し構造を形成する時間を十分に取るようにしてもよい。
いくつかの実施の形態によれば、現像時間は、40秒から120秒、より好ましくは60秒から100秒、さらに好ましくは70秒から90秒の範囲でよい。現像液は、例えば噴霧によって堆積させられてよい。現像液の堆積速度は、毎分300mlから毎分1000ml、より好ましくは毎分400mlから毎分900ml、さらに好ましくは毎分500mlから毎分800mlの範囲でよい。現像液の堆積速度は、堆積中に変更されてよい。特に、上バンク層を除去するのに用いられる速度は、下バンク層を除去するのに用いられる速度と異なっていてよい。例えば、現像液は、最初、上バンク層を除去する時はより低い速度で堆積させられてよく、次に、下バンク層を除去するためにより高い速度で堆積させられてよい。より低い最初の速度は、より高い後の速度の堆積よりも長い時間にしてよい。例えば、毎分450mlから毎分550mlの速度が最初、50秒から70秒の間適用されてよく、次に毎分700mlから毎分800mlの速度が15秒から30秒の間さらに適用されてよい。
第1の層の材料を、第2の層の紫外線に暴露された材料よりも遅い速度で除去され得るように選択した場合は、正の段構造を形成することができる。
上記のポジ型フォトレジストの代替手法として、ネガ型フォトレジストを第2の層に用いてもよい。この場合、紫外光への暴露の後、現像液によって第2の層の非暴露部分とその下にある第1の層の領域とを除去する。
さらなる代替として、第2の層の材料が光パターン形成可能でない場合もある。この場合、バンク材料の第2の層の上に、パターン形成されたマスク層を形成することができる。そして、第2の層の暴露された部分とその下にある第1の層の領域とを、ウェットエッチング、ドライエッチング、または好適な溶媒での溶解のような、好適な除去工程によって除去することができる。段の付いた二重バンク構造を形成した後、マスクを取り外すことができる。
二重バンクウェル画定構造の個々の層の縁は、垂直であってもよいし、正(positive)または負(negative)の断面を有してもよい。特に好ましい構成の1つは、正の縁断面を有する張り出した第2の層を備える。この構成では、張り出し構造が、溶液からウェルへ堆積させられた有機材料に良好な膜形成特性を与える。それと同時に、第2のバンク層の正の縁断面は、その上に次の層(または複数の層)を堆積させて、ウェルの縁において切断のない連続層を形成するのに有利である。例えば、アクティブマトリクス有機発光デバイスでは、ウェルのマトリクス上にカソード層が堆積させられるが、カソードが連続層を形成することが望まれる。前述の二重バンク構造は、そのような用途に理想的である。
第2のバンク層は、第1のバンク層より低いぬれ性を有することが好ましい。第2の層は、第1の層の表面の化学的性質が変更された第1の層の処理面とは別の異質な層を形成する、本質的にぬれ性の低い(接触角の高い)材料で形成される。これにより、下にある回路の不安定さや損傷などといった、さまざまな関連問題を有する表面処理が不要になる。
有機材料は、OTFTの活性層またはOLEDの活性層を形成してよい。
OTFTの場合、基部の回路素子は、ソース電極とドレイン電極とを備え、それらの上に二重バンク構造が配置され、ソース電極とドレイン電極との間にチャネル領域が画定される。ボトムゲート型OTFTでは、基部は、ゲート誘電体が上に配置されたゲート電極も備え、ソース電極およびドレイン電極はゲート誘電体の上に配置される。
OLEDの場合、基部の回路素子は、OLEDの下部電極を備える。アクティブマトリクスOLEDディスプレイデバイスでは、基部の回路素子は、OTFTも備え、このOTFTは、それ自体が本発明に従い二重バンク構造を用いて形成されてよい。
有機材料は、導電でも半導電でもよく、水溶液あるいは有機溶媒で堆積させられてよい。インクジェット印刷は、二重バンクウェル画定構造によって画定されたウェルに有機半導体材料の溶液を堆積させる好ましい方法である。しかしながら、上層が非常に低いぬれ性(非常に高い接触角)を有する二重バンク構造を用いれば、他の溶液処理技術が可能である。例えば、フラッド印刷のようなより一様な方法で溶液が基板上に堆積させられてよく、バンク構造の、接触角の非常に高い上層により、確実に、溶液がウェルへと流れ込んでバンク構造上に溶液がまったく残らないようになる。
二重バンクウェル画定構造の第1の層および第2の層は、好ましくは有機材料で形成され、最も好ましくはポリマー材料で形成される。本出願人は、サイトップのようないくつかのフッ素化ポリマーが、他のフッ素化ポリマーよりもずっと高い接触角、例えば80°より大きな接触角を有し、従ってずっと低いぬれ性を有することを見いだした。本出願人は、接触角の非常に高いこれらのポリマーが、米国特許出願公開第2007/0023837号明細書に記載されたもののような単一層のバンク構造に用いられるといくつかの不利な点を有することを見いだした。すなわち、それらのポリマーは、前述したように、厚さの不均一な膜をウェル内に生じさせてしまうのである。しかしながら、本出願人は、それらのポリマーが、二重バンク構造の上層として用いるのに理想的であることを見いだした。
絶縁材料の第2の層の接触角は、さらに高いことが好ましく、例えば100°より大きいことが好ましい。接触角の非常に高い材料の例は、アルドリッチ社のサイトップ型材料などである。サイトップ型材料の例は、約135°の接触角を有するポリ−1,1,2,4,4,5,5,6,7,7−デカフルオロ−3−オキサ−1,6−ヘプタジエンである。この材料は、ペルフルオロトリアルキルアミンが溶液の90〜92重量%を構成する溶媒に、8〜10重量%の量で用意されてよい。このような材料は、有機材料を、水溶液から、例えば、導電性ポリマー、特にPEDOTのような正孔注入ポリマーの水溶液から堆積させるのに、特に有用であることが分かっている。また、このような材料は、有機材料を有機溶媒から堆積させるのにも有用である。従って、このような材料の第2の層を備える二重バンク構造は、例えば、正孔注入層を水溶液から堆積させる時に、また発光層を有機溶媒から堆積させる時に、用いることができる。
本出願人は、フッ素化ポリマーとフッ素化溶媒とを含む溶液を用いて二重バンク構造の第2の層を形成するのが特に有利であることを突き止めた。
本出願人が特定した別の問題は、二重バンク構造の2つの材料層の間の接着が弱いという問題である。そして、本出願人は、2つの層の間に接着層、例えば接着樹脂を設けることが有益であることを見いだした。接着層は、例えばスピンコーティングによって、第2の層の堆積の前にバンク構造の第1の層に堆積させられてよい。
本出願人は、焼成によってバンク材料の第2の層のぬれ性を低減できることをさらに見いだした。従って、有機材料を溶液から堆積させる前に焼成ステップを設けることが有益であることが分かった。焼成は、150℃から250℃、より好ましくは170℃から210℃、最も好ましくは180℃から200℃の範囲の温度で行われてよい。焼成は、Nのような不活性雰囲気において行われるのが好ましい。有機発光デバイスの場合、有機発光材料がウェルに堆積させられる前に正孔注入層とバンク構造とが同時に焼成されるように、PEDOTのような正孔注入材料が焼成の前に堆積させられてよい。
本出願人が特定したさらに別の問題は、バンク構造にウェルを形成した後にOプラズマ処理のような洗浄ステップを設けることが望ましいということである。そのようなステップは、有機材料をウェルに堆積させる前に、ウェル内の表面を洗浄してこれらの表面のぬれ性を増大させる。しかしながら、本出願人は、そのようなステップにより、バンクの表面のぬれ性を低減させるために例えばフッ素系のプラズマ処理によって前もって処理されたバンクの表面のぬれ性が、大幅に増大してしまうことを見いだした。実際、そのような処理済み表面の接触角は、そのような洗浄ステップの後では10°を割り込んでしまうことがある。従って、有機材料のウェルへの閉じ込めが課題となっている場合、そのような洗浄ステップは回避されなければならなかった。これに対して、本出願人は、本質的にぬれ性の低い第2の層をもつ二重バンク構造を用いれば、バンク上に良好な脱ぬれ性を保持したまま洗浄ステップを行うことができることを見いだした。例えば、サイトップ型材料の接触角は、Oプラズマ洗浄ステップ後であっても100°を超えたままである。
特に好ましい実施の形態の1つにおいて、前述した焼成ステップは、洗浄ステップの後であって、二重バンクウェル画定構造によって画定されたウェルへ有機材料の溶液を堆積させる前に行われる。焼成ステップは、例えばOプラズマを用いた洗浄後にぬれ性の低い表面をバンク上に再生することが分かっている。
本発明の実施の形態による張り出し(overhanging)段構造または正の(positive)段構造によって、ウェルを溶液でいっぱいにすることができる。また、このような構造は、ウェルに堆積させられる異なる液体に対して、1つはウェル周囲の第1の層の縁、1つは第2の層の縁という、2つの異なる固定点を提供することもできる。これにより、例えば、乾燥時に、特にウェルの縁の周囲で、ウェルに堆積させられた第2の材料がウェルに堆積させられた第1の材料を完全に覆うことを確実にできる。異なる流体が異なるぬれ能力を有するように選択されてよく、例えば、一方の流体は水溶液でよく、他方の流体は有機溶媒を含んでよい。
二重バンクウェル画定構造は、少なくとも1つのウェルの外周を、隣接するウェルの外周まで延びることなく画定する別個のリングを備えてよい。このいわゆる「リングバンク」構成は、バンク材料の別個のリングを複数備えており、本出願人の同時係属出願である国際出願第PCT/GB2007/003595号の明細書に記載されている。この構成は、基本的に複数の穴(ウェル)が形成された連続シートである従来のバンク構造とは、対照的である。
本発明の第2の態様によれば、回路素子を備える基部と、絶縁材料の第1の層と第1の層上の絶縁材料の第2の層とを備える、基部上の二重バンクウェル画定構造と、二重バンクウェル画定構造によって画定されたウェルの中の、溶液処理可能な有機材料の層とを備える電子デバイスであって、絶縁材料の第1の層および第2の層がウェルの周縁部に段構造を形成し、第1の層および第2の層が、単一の共通処理ステップによって除去可能な材料で作られ、単一の共通処理ステップにおいて異なる除去速度を有するように構成される電子デバイスが提供される。
例えば、第1の層および第2の層は、国際公開第2007/023272号に開示された無機・有機の組み合わせのような直交する材料で作られるのとは対照的に、単一の共通処理ステップによって除去可能となるよう、両方が有機であってもよいし、両方が無機であってもよい。材料は、例えば異なる量の架橋を有することによって、単一の共通処理ステップにおいて異なる除去速度を有するように構成される。このようにして、単一の共通処理ステップを用いて、段の付いた二重バンク構造を形成できる。第2の態様の実施の形態は、第1の態様に関して上述の特徴のいずれを有してもよく、同様な付随する利点、すなわち製造時間、複雑さ、およびコストの低減という利点を有する。
好ましい実施の形態によれば、前述した構造および方法に従って製造される有機薄膜トランジスタまたは有機発光デバイスが提供される。いくつかの実施の形態によれば、前述した構造および方法に従って有機薄膜トランジスタおよび有機発光デバイスが設けられた、アクティブマトリクス有機光デバイスおよび同デバイスを製造する方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、電子デバイスのための電子基板を製造する方法であって、回路素子を備える基部を設けるステップと、ウェルを画定する、絶縁材料の第1の層と絶縁材料の第2の層とを備える二重バンクウェル画定構造を基部上に形成するステップとを含み、二重バンクウェル画定構造が、ウェルを形成する単一の処理ステップにおいて第1の層および第2の層から材料を除去することによって形成され、第1の層および第2の層が、単一の処理ステップにおいて異なる除去速度を有する材料で作られ、それにより、第1の層および第2の層の材料の除去速度の相違のためにウェルの周縁部に段構造が形成される方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、電子デバイスのための電子基板であって、回路素子を備える基部と、ウェルを画定し、絶縁材料の第1の層と第1の層上の絶縁材料の第2の層とを備える、基部上の二重バンクウェル画定構造とを備える電子基板において、第1の層および第2の層がウェルの周縁部に段構造を形成しており、第1の層および第2の層が、単一の共通処理ステップによって除去可能な材料で作られ、単一の共通処理ステップにおいて異なる除去速度を有するように構成される電子基板が提供される。
第3および第4の態様の実施の形態による電子基板は、要求仕様に応じて、前述の構造および方法に従って製造されてよく、その後、電子デバイスを形成すべくさらに処理するために、梱包されてデバイス製造業者に販売されてよい。
次に、本発明について、単に例として、添付の図面を参照してさらに詳しく説明する。
図1は、既知のトップゲート型有機薄膜トランジスタ構成を示す図である。 図2は、既知のボトムゲート型有機薄膜トランジスタ構成を示す図である。 図3は、有機半導体を閉じ込めるウェルをもつボトムゲート型有機薄膜トランジスタ構成を示す図である。 図4は、有機半導体を閉じ込めるウェルをもつトップゲート型有機薄膜トランジスタ構成を示す図である。 図5は、従来技術によるボトムエミッション型有機発光デバイスを示す図である。 図5bは、従来技術によるボトムエミッション型有機発光ディスプレイを示す図である。 図6は、従来技術によるトップエミッション型有機発光デバイスを示す図である。 図7は、本発明の実施の形態による二重バンク構造を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態による二重バンク構造の形成にかかわる方法ステップを示す図である。 図9は、本発明の方法を用いて形成され得る正の段の断面をもつ二重バンク構造を示す図である。 図10は、有機薄膜トランジスタと有機発光デバイスとを備えるアクティブマトリクス有機発光ディスプレイの一部を説明する図である。 図11は、有機薄膜トランジスタと有機発光デバイスとを備える別のアクティブマトリクス有機発光ディスプレイ構成の一部を説明する図である。
本発明の実施の形態は、パターン形成されたウェル画定バンク構造を備える印刷電子デバイスと、同デバイスを製造する方法とに関する。二重バンクウェル画定構造は、単一の処理ステップにおいて第1の層および第2のバンク層から材料を除去することによって形成され、それにより、第1の層および第2の層の材料の除去速度の相違のために段構造が形成される。
図7は、本発明の実施の形態による二重バンク構造を示す図である。二重バンク構造は、電子基板701上に配置され、下層700と上層702とを備える。上層702は、正の断面(a positive profile)を有し、下層700の上に張り出してもいる。
図8は、図7の実施の形態による二重バンク構造の形成にかかわる方法ステップを示す図である。まず、紫外線に対して感受性のないレジスト800が電子基板801上にスピンコートされ、ソフトベークされる(図8A)。次に、ポジ型フォトレジスト804がスピンコートされ、ソフトベークされる(図8B)。次に、上層が、紫外光に(例えば100mJ/cmの線量で)暴露されることによりパターン形成され、現像液で現像される。この処理によって上層804には正の断面が形成され(図8C)、現像ステップを続けることにより、下にある下層800はより速い速度で除去されて、液体を閉じ込める負の段の断面すなわち張り出した段の断面が生じる(図8D)。
アンダーカット高さHは、下バンク層を堆積させるのに用いられる回転速度に比例する。アンダーカット長さLは、付加的な焼成および現像のステップを用いて制御できる。また、上バンク層の材料を変更することにより、バンクの傾斜、高さ、および接触角を変更できる。
図8では、下バンク層および上バンク層の両方はそれぞれ、正の角度の付いた断面をもつ縁を有する。しかしながら、これら各層は、異なる形状および角度を別々に有してもよい。例えば、第1のバンク層800によって画定されるウェルの壁は、アンダーカット状の縁、垂直な縁、または正の断面をもつ縁を有してよい。同様に、第2のバンク層804は、アンダーカット状の縁、垂直な縁、または正の断面をもつ縁を有してよい。
下バンク層に好適な材料の例は、マイクロケム・LOR・Aシリーズ・レジスト、マイクロケム・LOR・Bシリーズ・レジスト、マイクロケム・SF・リフトオフ・レジスト、マイクロケム・SF・スロー・リフトオフ・レジストなどである。
上バンク層に好適な材料の例は、フォトパターン・サイトップ、ゼオン・1168X・ネガティブ・レジスト、シプレイ・1800シリーズ・レジストなどである。
下バンク層は、100nmから300nm、より好ましくは150nmから250nmの範囲の厚さを有してよく、最も好ましくは約200nmの厚さを有してよい。上バンク層は、1マイクロメートルから3マイクロメートルの範囲の厚さを有してよい。
好適な現像液の例は、2%から3%のTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)濃度のロックウッド238sである。現像ステップは、基板の蒸留水洗浄で終了してよい。
図9は、ウェル周囲に正の段構造を備える、本発明の別の実施の形態による基板901上の二重バンク構造を示す図である。このような構造は、ウェルに堆積させられる異なる液体に対して、1つはウェル902周囲の第1の層900の縁906、1つはウェル902から後退した第2の層904の縁908という、2つの異なる固定点を提供する。これにより、例えば、乾燥時に、特にウェルの縁の周囲で、ウェルに堆積させられた第2の材料がウェルに堆積させられた第1の材料を完全に覆うことを確実にできる。異なる流体が異なるぬれ能力を有するように選択されてよく、例えば、一方の流体は水溶液でよく、他方の流体は有機溶媒を含んでよい。図9の段構造は垂直な壁で示してあるが、異なる形状および角度が与えられてもよい。例えば、第1のバンク層900によって画定されるウェルの壁は、アンダーカット状でもよいし、正の断面を有してもよい。同様に、第2のバンク層904は、アンダーカット状の縁を有してもよいし、正の断面をもつ縁を有してもよい。
以下、本発明の実施の形態に従ってOTFTを形成するのに好適な材料および工程について、さらに詳しく論じる。
基板
基板は、リジッドでもフレキシブルでもよい。リジッド基板は、ガラスまたはシリコンから選択されてよく、フレキシブル基板は、薄いガラス、またはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート、およびポリイミドのようなプラスチックで構成されてよい。
有機半導体材料
有機半導体材料は、好適な溶媒を用いて溶液処理可能としてよい。代表的な溶媒としては、トルエンやキシレンのようなモノアルキルベンゼンまたはポリアルキルベンゼン、テトラリン、クロロホルムなどがある。好ましい溶液堆積技術としては、スピンコーティング、インクジェット印刷などがある。その他の溶液堆積技術には、浸漬コーティング、ロール印刷、スクリーン印刷などがある。
好ましい有機半導体材料としては、随意に置換されたペンタセンのような小分子、ポリアリーレンのような、特にポリフルオレンおよびポリチオフェンのような随意に置換されたポリマー、そしてオリゴマーなどがある。異なる種類の材料の混合物(例えばポリマーと小分子との混合物)といった材料の混合物を用いてもよい。
ソース電極およびドレイン電極
pチャネル型OTFTでは、ソース電極およびドレイン電極が、例えば金、プラチナ、パラジウム、モリブデン、タングステン、またはクロムなどのような、3.5eVより大きな仕事関数をもつ高仕事関数材料、好ましくは金属で構成されることが好ましい。その金属が4.5eVから5.5eVの範囲の仕事関数を有するとさらに好ましい。また、三酸化モリブデンや酸化インジウムスズなどのような他の好適な化合物、合金、および酸化物を用いてもよい。当技術分野で周知のように、ソース電極およびドレイン電極は、熱蒸着によって堆積させられてよく、標準的なフォトリソグラフィおよびリフトオフ技術を用いてパターン形成されてよい。
あるいは、ソース電極およびドレイン電極として導電性ポリマーを堆積させてもよい。そのような導電性ポリマーの例はポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)であるが、当技術分野では他の導電性ポリマーも知られている。そのような導電性ポリマーは、例えばスピンコーティング技術またはインクジェット印刷技術などの上で論じた溶液堆積技術を用いて、溶液から堆積させられてよい。
nチャネル型OTFTでは、ソース電極およびドレイン電極が、例えば、カルシウムまたはバリウムのような3.5eVより小さな仕事関数を有する金属、または金属化合物の薄層、特に、例えばフッ化リチウム、フッ化バリウム、酸化バリウムといったアルカリまたはアルカリ土類金属の酸化物またはフッ化物といった材料を含むことが好ましい。あるいは、ソース電極およびドレイン電極として導電性ポリマーを堆積させてもよい。
ソース電極およびドレイン電極は、製造を簡単にするために同じ材料から形成されることが好ましい。しかしながら、ソース電極およびドレイン電極が、それぞれ電荷の注入および取り出しの最適化のために異なる材料で形成されてもよいことは認められるであろう。
ソース電極とドレイン電極との間に画定されるチャネルの長さは最大で500マイクロメートルまで可能であるが、この長さは、200マイクロメートル未満であることが好ましく、100マイクロメートル未満がさらに好ましく、20マイクロメートル未満が最も好ましい。
ゲート電極
ゲート電極は、例えば金属(例えば金)または金属化合物(例えば酸化インジウムスズ)などの、広範囲の導電性材料から選択することができる。あるいは、導電性ポリマーをゲート電極として堆積させてもよい。そのような導電性ポリマーは、例えばスピンコーティングまたはインクジェット印刷技術などの上で論じた溶液堆積技術を用いて、溶液から堆積させられてよい。
ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極の厚さは、5〜200nmの範囲にあってよい。ただ、例えば原子間力顕微鏡法(Atomic Force Microscopy、AFM)によって測定すると、典型的には50nmである。
ゲート誘電体
ゲート誘電体は、高い抵抗率を有する絶縁材料から選択された誘電体材料で構成される。本誘電体の誘電率kは、典型的には2〜3あたりであるが、kの値の高い材料が望ましい。なぜなら、OTFTで達成可能な静電容量はkに正比例し、ドレイン電流Iは静電容量に正比例するからである。従って、低い動作電圧で高いドレイン電流を達成するためには、チャネル領域の誘電体層が薄いOTFTが好ましい。
誘電体材料は、有機であっても無機であってもよい。好ましい無機材料としては、SiO、SiN、スピンオンガラス(SOG)などがある。好ましい有機材料は概してポリマーであり、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリジン(polyvinylpyrrolidine、PVP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなアクリレート、ダウコーニング社から入手できるベンゾシクロブタン(benzocyclobutane、BCB)といった絶縁ポリマーなどがある。絶縁層は、材料の混合物から形成されてもよいし、多層構造で構成されてもよい。
誘電体材料は、当技術分野で周知のように、熱蒸着、真空処理、または積層法によって堆積させられてよい。あるいは、誘電体材料は、例えばスピンコーティングまたはインクジェット印刷技術などの上で論じた溶液堆積技術を用いて、溶液から堆積させられてよい。
誘電体材料が溶液から有機半導体に堆積させられる場合は、有機半導体の溶解を引き起こしてはならない。同様に、有機半導体が溶液から誘電体材料に堆積させられる場合は、誘電体材料が溶解してはならない。そのような溶解を回避するための技術としては、直交する溶媒の使用、すなわち最上層の堆積に下の層を溶解しない溶媒を使用することや、下の層を架橋することなどがある。
ゲート誘電体層の厚さは、好ましくは2マイクロメートル未満であり、さらに好ましくは500nm未満である。
さらなる層
本デバイス構成には他の層が含まれてもよい。例えば、自己組織化単分子層(self- assembled monolayer、SAM)をゲート、ソース電極またはドレイン電極、基板、絶縁層、および有機半導体材料に堆積させることで、必要に応じて、結晶性を高め、接触抵抗を減らし、表面特性を修復し、付着性を高めてよい。特に、チャネル領域の誘電体表面に結合領域と有機領域とを備える単分子層を設けることで、例えば有機半導体の形態(特にポリマーの配列および結晶性)を改善し電荷トラップを覆うことによってデバイス性能を向上させ、特に、高いkをもつ誘電体表面を実現してよい。そのような単分子層の代表的な材料としては、長いアルキル鎖をもつクロロシランまたはアルコキシシラン、例えばオクタデシルトリクロロシランなどがある。同様に、有機半導体と電極との間の接触を向上させるため、ソース電極およびドレイン電極にSAMが設けられてよい。例えば、チオール結合基と、接触を向上させる基とを備えるSAMが、金のソース・ドレイン電極に設けられてよく、接触を向上させる基は、高い双極子モーメント、ドーパント、または共役部分を有する基であってよい。
OTFTへの応用
本発明の実施の形態によるOTFTは、広範囲に応用することが可能である。そのような応用の1つは、光デバイス、好ましくは有機光デバイスにおいて、画素を駆動することである。そのような光デバイスの例としては、光応答デバイス、特に光検出器、および発光デバイス、特に有機発光デバイスなどがある。OTFTは、アクティブマトリクス有機発光デバイスでの使用、例えばディスプレイ用途での使用に、特に適している。
図10は、共通の基板21上に作られた、有機薄膜トランジスタ(OTFT)と、隣接する有機発光デバイス(OLED)とを備える画素を示す図である。OTFTは、ゲート電極22と、誘電体層24と、ソース電極およびドレイン電極のそれぞれ23sおよび23dと、OSC層25とを備える。OLEDは、アノード27と、カソード29と、アノードとカソードとの間に設けられたエレクトロルミネッセンス層28とを備える。アノードとカソードとの間には、電荷輸送層、電荷注入層、または電荷阻止層のような、さらなる層が配置されてよい。図10の実施の形態では、カソード材料の層はOTFTおよびOLEDの両方にわたって延び、カソード層29をOSC層25から電気的に絶縁するために絶縁層26が設けられる。この実施の形態では、ドレイン電極23dは有機発光デバイスのアノードに直接接続され、有機発光デバイスを発光状態と非発光状態とに切り替えるようになっている。
OTFTおよびOLEDの活性領域は、フォトレジストの層を基板21上に堆積させ、それにパターン形成を施してOTFT領域およびOLED領域を基板上に画定することにより形成される共通バンク材料によって画定される。本発明の実施の形態によれば、共通バンクは、前述のように2層構造を有する。
図11に示す代替構成では、有機薄膜トランジスタが、有機発光デバイスに対して積層関係で作られてよい。このような実施の形態では、有機薄膜トランジスタは、トップゲート型構成またはボトムゲート型構成のいずれかで、上述したように構築される。図10の実施の形態と同様に、OTFTおよびOLEDの活性領域はフォトレジストのパターン形成層33によって画定されるが、この積層構成においては、OLED用に1つとOTFT用に1つの、2つの別々のバンク構造33が存在する。本発明の実施の形態によれば、これら2つの別々のバンク構造は、それぞれが前述の2層構造を有する。
平坦化層31(不動態化層としても知られる)は、OTFTの上に堆積させられる。代表的な不動態化層としては、BCB、パリレンなどがある。有機発光デバイスは、不動態化層の上に作られる。有機発光デバイスのアノード34は、不動態化層31とバンク層33とを貫く導電バイア32によって、有機薄膜トランジスタのドレイン電極に電気的に接続される。
OTFTと光学活性領域(例えば発光領域または光検知領域)とを備える画素回路が、さらなる要素を備えてよいことは理解されるであろう。特に、図10および図11のOLED画素回路は、典型的には、図示された駆動トランジスタに加えて少なくとも1つのさらなるトランジスタと、少なくとも1つのキャパシタとを備える。
ここに記載された有機発光デバイスが、トップエミッション型デバイスでもボトムエミッション型デバイスでもよいことは理解されるであろう。すなわち、デバイスは、デバイスのアノード側を通して発光してもよいし、カソード側を通して発光してもよい。透明デバイスでは、アノードおよびカソードの両方が透明である。透明カソードデバイスが透明なアノードを有する必要のないこと(もちろん、完全に透明なデバイスが所望されない限り、である)、従ってボトムエミッション型デバイスで用いられる透明アノードがアルミニウムの層のような反射材料の層で置き換えられ、または補われてよいことは、理解されるであろう。
透明なカソードは、アクティブマトリクスデバイスに特に有利であるが、これは、図11に示した実施の形態から分かるように、そのようなデバイスでの透明なアノードを通じた発光は、発光画素の下に位置するOTFT駆動回路によって少なくとも部分的に妨げられる可能性があるからである。
以下、本発明の実施の形態に従ってOLEDを形成するのに好適な材料および工程について、さらに詳しく論じる。
全体のデバイス構成
本発明の実施の形態によるエレクトロルミネッセンスデバイスの構成は、透明なガラスまたはプラスチックの基板と、アノードと、カソードとを備える。アノードとカソードとの間にはエレクトロルミネッセンス層が設けられる。
実際のデバイスでは、光が吸収され得るように(光応答デバイスの場合)、または発せられ得るように(OLEDの場合)、少なくとも1つの電極が半透明である。アノードが透明な場合、アノードは、典型的には酸化インジウムスズで構成される。
電荷輸送層
アノードとカソードとの間には、電荷輸送層、電荷注入層、または電荷阻止層のような、さらなる層が配置されてよい。
特に、導電性正孔注入層を設けることが望ましく、導電性正孔注入層は、アノードとエレクトロルミネッセンス層との間に設けられた導電性有機材料または導電性無機材料から形成されて、アノードから半導体ポリマー層または複数の半導体ポリマー層への正孔注入を助けてよい。有機正孔注入材料のドープ体の例としては、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)のドープ体、特に、欧州特許第0901176号明細書および欧州特許第0947123号明細書に開示されたようなポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリアクリル酸、または例えばナフィオン(登録商標)などのフッ素化スルホン酸のような、電荷を平衡化するポリ酸をドープされたPEDTや、米国特許第5723873号明細書および米国特許第5798170号明細書に開示されたようなポリアニリン、そしてポリチエノチオフェンなどがある。導電性無機材料の例としては、Journal of Physics D: Applied Physics (1996), 29(11), 2750-2753に開示されたようなVOx、MoOx、RuOxなどの遷移金属酸化物などがある。
アノードとエレクトロルミネッセンス層との間に配置された正孔輸送層が存在する場合、同層は、好ましくは5.5eV以下、より好ましくは4.8〜5.5eV程度のHOMO準位を有する。HOMO準位は、例えばサイクリックボルタンメトリーによって測定されてよい。
エレクトロルミネッセンス層とカソードとの間に配置された電子輸送層が存在する場合、同層は、好ましくは3〜3.5eV程度のLUMO準位を有する。
エレクトロルミネッセンス層
エレクトロルミネッセンス層は、エレクトロルミネッセンス材料のみから成ってもよいし、エレクトロルミネッセンス材料と1つ以上のさらなる材料との組み合わせで構成されてもよい。特に、エレクトロルミネッセンス材料は、例えば国際公開第99/48160号に開示されているように正孔輸送材料および/または電子輸送材料と混合されてもよいし、半導体ホストマトリクスに発光ドーパントを含んでもよい。あるいは、エレクトロルミネッセンス材料は、電荷輸送材料および/またはホスト材料と共有結合してもよい。
エレクトロルミネッセンス層は、パターン形成されてもよいし、パターン形成されなくてもよい。パターン形成されていない層を備えるデバイスは、例えば光源に用いられてよい。この用途には白色発光デバイスが特に好適である。パターン形成された層を備えるデバイスは、例えばアクティブマトリクスディスプレイまたはパッシブマトリクスディスプレイであってよい。アクティブマトリクスディスプレイの場合、パターン形成されたエレクトロルミネッセンス層は、典型的には、パターン形成されたアノード層およびパターン形成されていないカソードと組み合わせて用いられる。パッシブマトリクスディスプレイの場合、アノード層は、平行な縞状のアノード材料と、アノード材料に対して垂直に配置された平行な縞状のエレクトロルミネッセンス材料およびカソード材料とで形成され、縞状のエレクトロルミネッセンス材料およびカソード材料は、典型的には、フォトリソグラフィによって形成された縞状の絶縁材料(「カソードセパレータ」)によって分離される。
エレクトロルミネッセンス層で用いるのに好適な材料としては、小分子材料、ポリマー材料、およびデンドリマー材料、ならびにそれらの合成物などがある。好適なエレクトロルミネッセンスポリマーとしては、例えばポリ(p−フェニレンビニレン)のようなポリ(アリーレンビニレン)や、例えばポリフルオレン、特に2,7−結合9,9ジアルキルポリフルオレンまたは2,7−結合9,9ジアリールポリフルオレン、ポリスピロフルオレン、特に2,7−結合ポリ−9,9−スピロフルオレン、ポリインデノフルオレン、特に2,7−結合ポリインデノフルオレン、ポリフェニレン、特にアルキル置換またはアルコキシ置換されたポリ−1,4−フェニレンのようなポリアリーレンなどがある。そのようなポリマーは、例えばAdv. Mater. 2000 12(23) 1737-1750およびその引用文献に開示されている。好適なエレクトロルミネッセンスデンドリマーとしては、例えば国際公開第02/066552号に開示されたようなデンドリマー基を持つエレクトロルミネッセンス金属錯体などがある。
カソード
カソードは、エレクトロルミネッセンス層への電子の注入を可能にする仕事関数を有する材料から選択される。また、カソードとエレクトロルミネッセンス材料との間の有害な相互作用の可能性のような他の要因が、カソードの選択に影響を及ぼす。カソードは、アルミニウムの層のような単一の材料で構成されてよい。あるいは、カソードは、複数の金属で構成されてよく、複数の金属は、例えば、国際公開第98/10621号に開示されたようなカルシウムおよびアルミニウムのような低仕事関数材料および高仕事関数材料の二重層、国際公開第98/57381号、Appl. Phys. Lett. 2002, 81(4), 634、および国際公開第02/84759号に開示されたような元素のバリウム、または電子注入を助けるための金属化合物の薄層、特にアルカリもしくはアルカリ土類金属の酸化物もしくはフッ化物の薄層であり、アルカリもしくはアルカリ土類金属の酸化物もしくはフッ化物は、例えば、国際公開第00/48258号に開示されたようなフッ化リチウム、Appl. Phys. Lett. 2001, 79(5), 2001に開示されたようなフッ化バリウム、および酸化バリウムである。電子をデバイスへ効率的に注入するため、カソードは、好ましくは3.5eV未満、より好ましくは3.2eV未満、最も好ましくは3eV未満の仕事関数を有する。金属の仕事関数は、例えばMichaelson, J. Appl. Phys. 48(11), 4729, 1977に見られる。また、カソードは、不透明でも透明でもよい。透明なカソードは、アクティブマトリクスデバイスに特に有利であるが、これは、そのようなデバイスでの透明なアノードを通じた発光は、発光画素の下に位置する駆動回路によって少なくとも部分的に妨げられるからである。透明なカソードは、透明になるほどに十分に薄い電子注入材料の層で構成される。典型的には、この層の横方向の導電率は、層の薄さのために低くなる。この場合、電子注入材料の層は、酸化インジウムスズのような透明な導電材料の、より厚い層と組み合わせて用いられる。
透明カソードデバイスが透明なアノードを有する必要のないこと(もちろん、完全に透明なデバイスが所望されない限り、である)、従ってボトムエミッション型デバイスで用いられる透明アノードがアルミニウムの層のような反射材料の層で置き換えられ、または補われてよいことは、理解されるであろう。透明カソードデバイスの例は、例えば英国特許出願公開第2348316号明細書に開示されている。
封止
光デバイスは、水分および酸素に対して敏感な傾向がある。従って、基板は、デバイスへの水分および酸素の侵入を防ぐ良好な障壁特性を有することが好ましい。また、基板は一般にガラスである。しかしながら、特にデバイスの柔軟性が望まれる場合は、代替となる基板が用いられてもよい。例えば、基板は、プラスチック層と障壁層とが交互になっている基板を開示している米国特許第6268695号明細書にあるようにプラスチックで構成されてもよいし、欧州特許第0949850号明細書に開示されているように薄いガラスおよびプラスチックの積層板で構成されてもよい。
デバイスは、水分および酸素の侵入を防ぐために封止材で封止されることが好ましい。好適な封止材としては、ガラス板や、例えば国際公開第01/81649号に開示されているようなポリマーと誘電体との交互の積み重ねなどの好適な障壁特性を有する膜、または、例えば国際公開第01/19142号に開示されているような気密容器などがある。基板または封止材を透過する恐れのある雰囲気中の水分および/または酸素を吸収するゲッター材料が、基板と封止材との間に配置されてもよい。
溶液処理
単一のポリマーまたは複数のポリマーが溶液から堆積させられてよい。ポリアリーレン、特にポリフルオレンに好適な溶媒としては、トルエンやキシレンのようなモノアルキルベンゼンまたはポリアルキルベンゼンなどがある。特に好ましい溶液堆積技術は、スピンコーティングおよびインクジェット印刷である。
スピンコーティングは、例えば照明用途または単純な単色セグメントディスプレイのような、エレクトロルミネッセンス材料のパターン形成が不要なデバイスに特に好適である。
インクジェット印刷は、情報量の高いディスプレイ、特にフルカラーディスプレイに、特に好適である。OLEDのインクジェット印刷は、例えば欧州特許第0880303号明細書に記載されている。
他の溶液堆積技術としては、浸漬コーティング、ロール印刷、スクリーン印刷などがある。
デバイスの複数の層が溶液処理によって形成される場合、当業者は、隣接する層どうしが混ざり合うのを防ぐ技術に気付くであろう。これは例えば、ある層の架橋をしてから後続の層を堆積させたり、あるいは、隣接する層どうしの材料を、これらの層のうちの1番目を形成する材料が、2番目の層を堆積させるのに用いられる溶媒に溶解しないように選択したりすることによって行われる。
発光色
「赤色エレクトロルミネッセンス材料」とは、600〜750nm、好ましくは600〜700nm、より好ましくは610〜650nmの範囲の波長を有し、最も好ましくは650〜660nmあたりに放出ピークを有する放射を、エレクトロルミネッセンスによって放つ有機材料のことである。
「緑色エレクトロルミネッセンス材料」とは、510〜580nm、好ましくは510〜570nmの範囲の波長を有する放射を、エレクトロルミネッセンスによって放つ有機材料のことである。
「青色エレクトロルミネッセンス材料」とは、400〜500nm、好ましくは430〜500nmの範囲の波長を有する放射を、エレクトロルミネッセンスによって放つ有機材料のことである。
燐光放出体のホスト
従来技術には多くのホストが記載されており、それらには、Ikai et al., Appl. Phys. Lett., 79 no. 2, 2001, 156に開示された、CBPとして知られる4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニルおよびTCTAとして知られる(4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン)や、MTDATAとして知られるトリス−4−(N−3−メチルフェニル−N−フェニル)フェニルアミンのようなトリアリールアミンなどの、「小分子」ホストが含まれる。また、ポリマーもホストとして知られており、特に、例えばAppl. Phys. Lett. 2000, 77(15), 2280に開示されたポリ(ビニルカルバゾール)、Synth. Met. 2001, 116, 379、Phys. Rev. B 2001, 63, 235206、およびAppl. Phys. Lett. 2003, 82(7), 1006に開示されたポリフルオレン、Adv. Mater. 1999, 11(4), 285に開示されたポリ[4−(N−4−ビニルベンジルオキシエチル,N−メチルアミノ)−N−(2,5−ジ−tert−ブチルフェニルナフタルイミド)]、およびJ. Mater. Chem. 2003, 13, 50-55に開示されたポリパラフェニレンのような、ホモポリマーが知られている。コポリマーも、ホストとして知られている。
金属錯体(主として燐光性だが末端に蛍光性を含む)
好ましい金属錯体は、以下の式の随意に置換された錯体で構成される。
ML
ただし、Mは金属、L、L、およびLはそれぞれ配位基、qは整数、rおよびsはそれぞれ独立に0または整数であり、(a・q)+(b・r)+(c・s)の合計はMで利用できる配位部位の数に等しい。ただし、aはLの配位部位の数、bはLの配位部位の数、cはLの配位部位の数である。
重元素Mは、強いスピン軌道結合を引き起こして、速い項間交差および三重項以上の状態からの発光(燐光)を可能にする。好適な重金属Mとしては、以下のものなどがある。
−セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロシウム、ツリウム、エルビウム、ネオジムなどのランタニド金属、ならびに
−dブロック金属、特に2行目および3行目のもの、すなわち39番〜48番元素および72番〜80番元素であって、特にルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、および金。
fブロック金属に好適な配位基としては、カルボン酸、1,3−ジケトネート、ヒドロキシカルボン酸、アシルフェノールおよびイミノアシル基を含むシッフ塩基、のような酸素供与系または窒素供与系などがある。既知のように、発光ランタニド金属錯体は、金属イオンの第一励起状態より高い三重項励起エネルギー準位を有する増感基(または複数の増感基)を必要とする。発光は金属のf−f遷移から生じるので、発光色は金属の選択によって決定される。この鋭い発光は通常狭く、ディスプレイ用途に有用な純色の発光をもたらす。
dブロック金属は、三重項励起状態からの発光に特に好適である。これらの金属は、ポルフィリンまたは以下の式の二座配位子のような炭素供与体または窒素供与体をもつ、有機金属錯体を形成する。
Figure 2011526694
ただし、ArとArとは、同一でも異なってもよく、随意に置換されたアリールまたはヘテロアリールから独立して選択され、XとYとは、同一でも異なってもよく、炭素または窒素から独立して選択され、ArとArとは、縮合していてよい。Xが炭素でYが窒素である配位子が特に好ましい。
二座配位子の例を以下に示す。
Figure 2011526694
ArおよびArのそれぞれは、1つ以上の置換基を有してよい。これらの置換基の2つ以上が結合して、環、例えば芳香環などを形成してよい。特に好ましい置換基としては、国際公開第02/45466号、国際公開第02/44189号、米国特許出願公開第2002/117662号明細書、および米国特許出願公開第2002/182441号明細書に開示されたような、錯体の発光を青色シフトさせるのに用いられ得るフルオリンまたはトリフルオロメチル、特開2002−324679号公報に開示されたようなアルキル基またはアルコキシ基、国際公開第02/81448号に開示されたような、発光材料として用いられた時に錯体への正孔輸送を助けるのに用いられ得るカルバゾール、国際公開第02/68435号および欧州特許第1245659号明細書に開示されたような、さらなる基の付着のために配位子を官能化する働きをすることのできる臭素、塩素、またはヨウ素、国際公開第02/66552号に開示されたような、金属錯体の溶液処理性を獲得または増大するのに用いられ得るデンドロンなどがある。
発光デンドリマーは、典型的には、1つ以上のデンドロンと結合した発光コアを含み、各デンドロンは、分岐点と、2つ以上の樹状分岐とを含む。好ましくは、デンドロンは、少なくとも部分的に共役であり、コアおよび樹状分岐の少なくとも1つが、アリール基またはヘテロアリール基を含む。
dブロック元素と共に用いられるのに好適な他の配位子としては、ジケトネート、特にアセチルアセトネート(acac)や、それぞれが置換され得るトリアリールホスフィンおよびピリジンなどがある。
主族金属錯体は、配位子に基づいた発光、または電荷移動発光を示す。これらの錯体では、発光色は、金属だけでなく配位子の選択によっても決定される。
ホスト材料と金属錯体とは、物理的なブレンドの形で混合されてよい。あるいは、金属錯体がホスト材料に化学的に結合されてもよい。ポリマーホストの場合、例えば欧州特許第1245659号明細書、国際公開第02/31896号、国際公開第03/18653号、および国際公開第03/22908号に開示されたように、金属錯体は、ポリマー骨格に付着した置換基として化学的に結合されてもよいし、繰り返し単位としてポリマー骨格に組み込まれてもよいし、ポリマーの末端基として設けられてもよい。
広範な蛍光性低分子量金属錯体が、知られており、また有機発光デバイスで実証されてきた(例えば、Macromol. Sym. 125 (1997) 1-48、米国特許第5,150,006(A)号明細書、米国特許第6,083,634(A)号明細書、および米国特許第5,432,014(A)号明細書を参照)。二価または三価の金属に好適な配位子としては、例えば酸素−窒素供与性原子または酸素−酸素供与性原子、通常は置換酸素原子をもつ環窒素原子、または置換酸素原子をもつ置換窒素原子もしくは置換酸素原子、をもつオキシノイドで、例えば8−ヒドロキシキノレートおよびヒドロキシキノキサリノール−10−ヒドロキシベンゾ(h)キノリナト(II)のようなものや、ベンザゾール(III)、シッフ塩基、アゾインドール、クロモン誘導体、3−ヒドロキシフラボン、ならびに、例えばサリチラトアミノカルボキシレートおよびエステルカルボキシレートのようなカルボン酸などがある。随意の置換基としては、発光色を変え得る(ヘテロ)芳香環上の、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、シアノ、アミノ、アミド、スルホニル、カルボニル、アリール、またはヘテロアリールなどがある。
以上、本発明について、その好ましい実施の形態を参照して詳しく示し説明したが、添付の請求の範囲により定められた本発明の範囲から離れることなく本実施の形態において構成および細部に多様な変形が可能であることは、当業者に理解されるであろう。

Claims (14)

  1. 電子デバイスを製造する方法であって、
    回路素子を備える基部を設けるステップと、
    絶縁材料の第1の層と前記第1の層上の絶縁材料の第2の層とを備える二重バンクウェル画定構造を前記基部上に形成するステップと、
    前記二重バンクウェル画定構造によって画定されたウェルに有機材料の溶液を堆積させるステップと、
    を含み、
    前記二重バンクウェル画定構造が、前記ウェルを形成する単一の処理ステップにおいて前記第1の層および前記第2の層から材料を除去することによって形成され、
    前記第1の層および前記第2の層が、前記単一の処理ステップにおいて異なる除去速度を有する材料で作られ、それにより、前記第1の層および前記第2の層の前記材料の除去速度の相違のために前記ウェルの周縁部に段構造が形成される
    方法。
  2. 前記第1の層の縁の上に前記第2の層が突出した張り出し段構造を形成するために、前記単一の処理ステップにおいて前記第2の層の材料よりも速い速度で除去される材料で前記第1の層が作られる請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の層が、正の断面を有する縁を有する請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第1の層および前記第2の層が有機材料で構成される請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記第2の層が架橋され、前記第1の層が架橋を有しないかまたは前記第2の層より少ない程度に架橋された請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記第2の層が前記第1の層より硬い材料で作られる請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記第1の層および前記第2の層がポリマー材料で作られる請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記第1の層における重合度が前記第2の層における重合度より低い請求項7に記載の方法。
  9. 前記二重バンクウェル画定構造を形成するステップが、前記絶縁材料の第1の層を前記電子基板上に堆積させ、前記絶縁材料の第2の層を前記第1の層上に堆積させ、前記第2の層に光パターン形成を施し、単一の現像ステップにおいて前記第2の層および前記第1の層を現像することを含む請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記第2の層の材料が前記第1の層の材料より低いぬれ性を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記ウェルの前記有機材料および前記二重バンクウェル画定構造の上に、連続する電極層を堆積させるステップをさらに含む請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
  12. 回路素子を備える基部と、
    絶縁材料の第1の層と前記第1の層上の絶縁材料の第2の層とを備える、前記基部上の二重バンクウェル画定構造と、
    前記二重バンクウェル画定構造によって画定されたウェルの中の、溶液処理可能な有機材料の層と、
    を備える電子デバイスであって、
    前記絶縁材料の第1の層および前記第2の層が前記ウェルの周縁部に段構造を形成し、
    前記第1の層および前記第2の層が、単一の共通処理ステップによって除去可能な材料で作られ、前記単一の共通処理ステップにおいて異なる除去速度を有するように構成される
    電子デバイス。
  13. 電子デバイスのための電子基板を製造する方法であって、
    回路素子を備える基部を設けるステップと、
    ウェルを画定する、絶縁材料の第1の層と絶縁材料の第2の層とを備える二重バンクウェル画定構造を前記基部上に形成するステップと、
    を含み、
    前記二重バンクウェル画定構造が、前記ウェルを形成する単一の処理ステップにおいて前記第1の層および前記第2の層から材料を除去することによって形成され、
    前記第1の層および前記第2の層が、前記単一の処理ステップにおいて異なる除去速度を有する材料で作られ、それにより、前記第1の層および前記第2の層の前記材料の除去速度の相違のために前記ウェルの周縁部に段構造が形成される
    方法。
  14. 電子デバイスのための電子基板であって、
    回路素子を備える基部と、
    ウェルを画定し、絶縁材料の第1の層と前記第1の層上の絶縁材料の第2の層とを備える、前記基部上の二重バンクウェル画定構造と、
    を備える電子基板において、
    前記第1の層および前記第2の層が前記ウェルの周縁部に段構造を形成しており、
    前記第1の層および前記第2の層が、単一の共通処理ステップによって除去可能な材料で作られ、前記単一の共通処理ステップにおいて異なる除去速度を有するように構成される
    電子基板。
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