JP2001345180A - 発光装置の作製方法 - Google Patents

発光装置の作製方法

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JP2001345180A
JP2001345180A JP2001086544A JP2001086544A JP2001345180A JP 2001345180 A JP2001345180 A JP 2001345180A JP 2001086544 A JP2001086544 A JP 2001086544A JP 2001086544 A JP2001086544 A JP 2001086544A JP 2001345180 A JP2001345180 A JP 2001345180A
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light
film
plasma
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JP2001086544A
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Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
Kenji Fukunaga
健司 福永
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 EL層の積層数の低減を図り製造コストを低
減する。 【解決手段】 絶縁体101上に電極(a)102、E
L層103が設けられ、EL層103に対してプラズマ
処理が行われる。これによりEL層103の表面近傍に
キャリア注入領域104が形成される。その上に電極
(b)105を形成して得たEL素子は、EL層103
は実質的に単層でありながらキャリア注入効率の高いも
のとすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極間に発光性材
料を挟んだ素子(以下、発光素子という)を有する装置
(以下、発光装置という)およびその作製方法に関す
る。特に発光性材料としてEL(Electro Luminescenc
e)が得られる発光性材料(以下、EL材料という)を
利用した発光素子(以下、EL素子という)を用いた発
光装置(以下、EL発光装置)に関する。なお、有機E
Lディスプレイや有機発光ダイオード(OLED:Orga
nic Light Emitting Diode)は本発明の発光装置に含ま
れる。
【0002】また、本発明に用いることのできるEL材
料は、一重項励起もしくは三重項励起または両者の励起
を経由して発光(燐光および/または蛍光)するすべて
の発光性材料を含む。
【0003】
【従来の技術】EL発光装置は、陽極と陰極との間にE
L材料からなる膜(以下、EL膜という)を挟んだ構造
のEL素子を有した構造からなる。この陽極と陰極との
間に電圧を加えてEL膜中に電流を流することによりキ
ャリアを再結合させて発光させる。即ち、EL発光装置
は発光素子自体に発光能力があるため、液晶表示装置に
用いるようなバックライトが不要である。さらに視野角
が広く、軽量であるという利点をもつ。
【0004】EL素子に用いるEL層はイーストマン・
コダック社のTangらが提唱した3層、4層の積層構造が
現在の主流となっている。この構造はEL層を機能分離
して、電荷輸送層と発光層とを分けた点に特徴がある。
なお、本明細書中において、EL層とは、EL膜単体の
層またはEL膜を他の有機膜や無機膜と積層した層のこ
とを指す。
【0005】ところが、最近では素子構成が多層化する
ことによって製造面でプロセスの複雑化を招き、製造コ
ストが増加する懸念が指摘されている。その流れの中
で、発光層に対して特定の不純物元素を添加し、電子輸
送層や電子注入層として用いることで積層数を低減する
という試みがなされている。
【0006】例えば、出光興産株式会社では、発光層
(ジスチルアリーレン誘導体)の表面付近に仕事関数の
小さいセシウム(Cs)等を共蒸着により含ませ、その
添加領域を電子輸送層として用いることを提案してい
る。(第6回FPDセミナー講演予稿集,pp.83-88,電子
ジャーナル主催)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記EL素
子の多層化における問題点を鑑みてなされたものであ
り、EL素子の性能を維持若しくは向上させつつ、積層
数を低減するための技術を提供することを課題とする。
【0008】そして、EL発光装置の製造コストを低減
し、安価なEL発光装置を提供することを課題とする。
さらに、それを表示部として用いた電気器具の製品コス
トを低減することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、EL層に対し
て特定の効果を促進させる元素(以下、特定元素とい
う)を添加することにより、その添加領域をキャリア注
入領域、キャリア輸送領域もしくはキャリア阻止領域と
して機能させ、EL層の積層数を低減する点に特徴があ
る。また、その元素を添加する際にはプラズマ処理を用
いる点にも特徴がある。
【0010】本発明では、EL層の劣化を招かないよう
に高真空化もしくは不活性雰囲気内で全ての処理を行
う。こうすることで酸素や水を除去し、EL層の劣化を
招くことなくEL層の正孔輸送性若しくは電子輸送性を
高めることが可能となる。そのため、EL層の成膜およ
びプラズマ処理は、様々な処理室を一体化したマルチチ
ャンバー方式(クラスターツール方式ともいう)の成膜
装置若しくはインライン方式の成膜装置を用いて行うこ
とが望ましい。
【0011】ここで本発明の典型的な例を図1に示す。
図1に示した工程は、本発明を実施してEL層にキャリ
ア注入領域を形成する場合の例である。
【0012】まず、図1(A)に示すように、絶縁体1
01上に電極(a)102を形成する。絶縁体101は
絶縁膜であっても良いし、絶縁基板であっても良い。ま
た、電極(a)102はEL素子の陽極もしくは陰極と
なる電極であり、陽極であれば仕事関数が4.5〜5.
5の導電膜、陰極であれば仕事関数が2.0〜3.5の
導電膜を用いれば良い。なお、電極(a)102の膜厚
は100〜300nm(好ましくは120〜200n
m)とする。
【0013】次に、電極(a)102上にEL層103
を形成する。EL層103は有機EL材料もしくは無機
EL材料を用いることが可能であり、有機EL材料なら
ば高分子もしくは低分子のいずれを用いても良い。本発
明はEL層103に関わらず実施することが可能である
のでEL層103として公知のどのような材料を用いて
も構わない。なお、EL層103の膜厚は30〜150
nm(好ましくは50〜80nm)とする。
【0014】次に、図1(B)に示すように、プラズマ
処理を行い、特定元素をEL層103中に添加する。こ
こで特定元素とは、EL層中に添加することによってE
L層に特定の効果を持たせる元素であり、EL層のキャ
リア注入性、キャリア輸送性もしくはキャリア阻止性を
高める効果を示す元素である。
【0015】ここではキャリア注入性を持たせる元素を
添加することにより、キャリア注入領域104を形成す
る。キャリア注入性を持たせる元素としては、電子注入
性を高めるならば周期表の1族もしくは2族に属する元
素を添加する。また、正孔注入性を高めるならばハロゲ
ン元素を添加すれば良い。
【0016】このとき、添加方法としてはプラズマ処理
を行う。即ち、特定元素を含むガスをプラズマ化し、そ
のプラズマ中にEL層103が晒せば良い。プラズマ処
理の利点は、EL層の表面に特定元素を付着させるか、
EL層の表面近傍、即ち表面から0.5〜10nm(好
ましくは1〜3nm)の深さまでの範囲に選択的に特定
元素を添加できる点にある。この深さはプラズマ処理の
RF電力を調節することで制御できる。また、添加され
る特定元素の濃度は、0.01〜3%(好ましくは0.
1〜2%)とすれば良い。
【0017】なお、プラズマ処理により特定元素を添加
した場合、電極(a)102、EL層103および電極
(b)105の積層構造におけるSIMS(質量二次イ
オン分析)の濃度プロファイルは図1(D)のようにな
る。
【0018】こうしてプラズマ処理を行ってEL層10
3中に特定元素を添加したら、次に図1(C)に示すよ
うに、電極(b)105を形成する。電極(b)105
はEL素子の陽極もしくは陰極となる電極であり、陽極
であれば仕事関数が4.5〜5.5の導電膜、陰極であ
れば仕事関数が2.0〜3.5の導電膜を用いれば良
い。なお、電極(a)102の膜厚は100〜300n
m(好ましくは120〜200nm)とする。
【0019】こうして、電極(a)102、EL層10
3(キャリア注入領域104を含む。)および電極
(b)105からなるEL素子が形成される。
【0020】また、特定元素としてEL層にキャリア阻
止性を高める効果を持たせる元素を添加する場合の例に
ついて図2を用いて説明する。ここではEL層を成膜し
ていく途中でプラズマ処理が行われる点に特徴がある。
【0021】まず、図2(A)に示すように、絶縁体2
01上に電極(a)202を形成する。次に、電極
(a)202上にEL層203を途中まで形成する。次
に、途中まで形成されたEL層203に対してプラズマ
処理を行い、特定元素をEL層203中に添加する。こ
こではキャリア阻止性を持たせる元素を添加することに
より、キャリア阻止領域(a)204を形成する。
【0022】キャリア阻止性とは、キャリアの移動を妨
げる方向に働く元素であり、EL層のバンドギャップを
変えてキャリアを捕獲する領域もしくはキャリアにとっ
て障壁となる領域を形成する元素である。但し、キャリ
ア阻止領域(a)204の場合、電極(a)202から
注入されたキャリアにとっては何ら機能しないが、電極
(b)206から注入されたキャリアにとって阻止性を
持つ。
【0023】次に、図2(B)に示すように、キャリア
阻止領域(a)204上に再びEL層203を形成す
る。次に、EL層203に対してプラズマ処理を行い、
特定元素をEL層203中に添加する。ここでは再びキ
ャリア阻止性を持たせる元素を添加することにより、キ
ャリア阻止領域(b)205を形成する。但し、キャリ
ア阻止領域(b)205の場合、電極(b)206から
注入されたキャリアにとっては何ら機能しないが、電極
(a)202から注入されたキャリアにとって阻止性を
持つ。
【0024】次に、図2(C)に示すように、キャリア
阻止領域(b)205上に再びEL層203を形成す
る。そして、その上に電極(b)206を形成する。こ
うして、電極(a)202、EL層203(キャリア阻
止領域(a)204もしくはキャリア阻止領域(b)2
05を含む。)および電極(b)206からなるEL素
子が形成される。
【0025】なお、ここではキャリア阻止領域を二カ所
に設けた例を示しているが、どちらか片方であっても構
わない。また、図1に示した構成と組み合わせて実施す
ることも可能である。さらに、公知のキャリア輸送層も
しくはキャリア注入層と組み合わせて実施することも可
能である。
【0026】図2に示す作製工程によりキャリア阻止領
域を形成すると、図3に示すようなバンド構造のEL素
子を得ることができる。即ち、特定の領域にキャリアで
ある電子及び正孔を閉じ込めることで再結合する確率を
増加させ、再結合効率を高めることができる。
【0027】図3(A)において、301は陰極、30
2は電子輸送層、303は発光層、304は正孔輸送
層、105は陽極である。即ち、電子輸送層302、発
光層303および正孔輸送層304を含めて図2のEL
層203に相当する。ここで発光層303の内部には、
電子捕獲領域(Electron Trap Region)306、正孔捕
獲領域(Hole Trap Region)307が形成される。即
ち、電子捕獲領域306および正孔捕獲領域307が図
2のキャリア阻止領域(a)204もしくはキャリア阻
止領域(b)205のいずれかに相当する。
【0028】ここで、電子捕獲領域306は、発光層3
03の最低非占有分子軌道(LUMO)準位を輸送され
てきた電子を発光層内に閉じ込める作用を有する領域で
あり、発光層303のLUMO準位よりも低いLUMO
準位を示す領域を指す。また、正孔捕獲領域307は、
発光層303の最高占有分子軌道(HOMO)準位を輸
送されてきた正孔を発光層内に閉じ込める作用を有する
領域であり、発光層303のHOMO準位よりも高いH
OMO準位を示す領域を指す。
【0029】電子捕獲領域306は、発光層303のL
UMO準位を低くくするように作用する元素を添加する
ことにより形成することができる。また、正孔捕獲領域
307は、発光層303のHOMO準位を高くするよう
に作用する元素を添加することにより形成することがで
きる。
【0030】図3(A)に示したようなバンド構造とす
ると、図3(B)に示すようなキャリア注入過程とな
る。即ち、LUMO準位を輸送されてきた電子308は
発光層303の内部に設けられた電子捕獲領域306に
閉じ込められる。一方でHOMO準位を輸送されてきた
正孔309は正孔捕獲領域307に閉じ込められる。そ
の結果、電子捕獲領域306と正孔捕獲領域307との
間で電子308と正孔309の再結合が起こり、発光が
得られる。このとき、本発明では電子もしくは正孔が捕
獲領域に閉じ込められた状態で再結合が行われるため、
再結合効率を従来よりも向上させることができる。
【0031】従って、従来と同じ輝度を得るにもEL素
子の駆動電圧を低く設定することができるため、発光装
置の低消費電力化が図れる。さらに、駆動電圧を下げる
ことでEL層の劣化が抑制され信頼性が向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下に示す実施例でもって詳細な説明を行うこととする。
【0033】
【実施例】〔実施例1〕本実施例では、画素電極側に光
を透過するアクティブマトリクス型のEL発光装置に本
発明を用いた例を示す。まず、絶縁膜を表面に成膜した
基板401上に公知の方法でpチャネル型TFT40
2、403を形成する。なお、本実施例ではプレーナ型
TFTを例に挙げているが、TFT構造を限定するもの
ではない。即ち、逆スタガ型TFTを用いても良い。
【0034】次に、pチャネル型TFT402、403
の各々に対して電気的に接続された画素電極404、4
05を形成する。画素電極404、405としてはEL
素子の陽極として機能するため仕事関数の大きい材料を
用いる。従って本実施例では可視光に対して透明な酸化
物導電膜(酸化インジウム、酸化スズもしくは酸化亜鉛
からなる膜またはこれらを組み合わせた化合物膜)を用
いる。この酸化物導電膜にはガリウムを添加しても良
い。(図4(A))
【0035】次に、画素電極404、405の端部を囲
むようにバンク406、407を樹脂膜で形成し、その
上にEL層408を形成する。本実施例ではバンク40
6、407をアクリル膜で形成し、EL層408をスピ
ンコート法により形成する。EL層408の材料として
は、高分子有機材料であるポリフルオレンを用いる。も
ちろん、ポリフルオレンに蛍光物質を添加して色度制御
を行っても良い。(図4(B))
【0036】次に、EL層408に対してプラズマ処理
を行い、電子注入領域409を形成する。プラズマ処理
は、処理室内に周期表の1族もしくは2族に属する元素
(典型的にはリチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグ
ネシウム、カリウム、カルシウム、セシウムもしくはバ
リウム)を含むガスを流し、電極間にプラズマを形成し
て、そのプラズマにEL層408を晒すことにより行わ
れる。このとき、EL層408の温度上昇を防ぐために
電極を冷却しつつ処理を行うことが好ましい。(図4
(C))
【0037】次に、陰極410としてアルミニウムとリ
チウムとを共蒸着した合金膜を300nmの厚さに形成
し、さらにその上にパッシベーション膜411として窒
化珪素膜をスパッタ法により形成する。これに炭素膜、
具体的にはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を
積層することも有効である。
【0038】以上のようにして、図4(D)に示す構造
の発光装置が完成する。この後は、EL素子が外気に触
れないように、EL素子を樹脂で封入するか、EL素子
を密閉空間に封入すれば良い。こうして得たEL発光装
置は、作製工程が簡略化されているため歩留まりも高
く、さらにEL材料の使用量が従来よりも少なくて済む
ので製造コストを低減することができる。
【0039】なお、本実施例ではアクティブマトリクス
型の発光装置に図1で説明した構成を実施した例を示し
ているが、EL層408に対して図2で説明した構成を
実施することも可能である。
【0040】また、本実施例に示した発光装置の表示面
(画像を観測する面)に偏光板を設けても良い。この偏
光板は、外部から入射した光の反射を抑え、観測者が表
示面に映り込むことを防ぐ効果を有する。一般的には円
偏光板が用いられている。但し、EL層から発した光が
偏光板により反射されて内部に戻されることを防ぐた
め、屈折率を調節して内部反射の少ない構造とすること
が望ましい。
【0041】〔実施例2〕本実施例では、画素電極側で
光を反射するアクティブマトリクス型のEL発光装置に
本発明を用いた例を示す。まず、絶縁膜を表面に成膜し
た基板501上に公知の方法でnチャネル型TFT50
2、503を形成する。なお、本実施例ではプレーナ型
TFTを例に挙げているが、TFT構造を限定するもの
ではない。即ち、逆スタガ型TFTを用いても良い。
【0042】このとき、nチャネル型TFT502、5
03の各々においてドレイン配線を画素電極504、5
05として用いる。本実施例の場合、画素電極504、
505にて発光を反射する必要があるから、画素電極5
04、505としては反射性の高い金属膜を用いる。ま
た、同時にEL素子の陰極としても機能するため仕事関
数の小さい材料を含む金属膜を用いる。本実施例では、
アルミニウムとリチウムを含む合金膜を用いる。(図5
(A))
【0043】次に、画素電極504、505の端部を囲
むようにバンク506、507を樹脂膜で形成し、その
上にEL層508を形成する。本実施例ではバンク50
6、507をアクリル膜で形成し、EL層508を蒸着
法により形成する。EL層508の材料としては、低分
子有機材料であるAlq3(トリス−8−キノリノラト
アルミニウム錯体)用いる。もちろん、Alq3に蛍光
物質を添加して色度制御を行っても良い。(図5
(B))
【0044】次に、EL層508に対してプラズマ処理
を行い、正孔注入領域509を形成する。プラズマ処理
は、処理室内にハロゲン元素(典型的にはフッ素、塩
素、臭素もしくは沃素)を含むガスを流し、電極間にプ
ラズマを形成して、そのプラズマにEL層508を晒す
ことにより行われる。このとき、EL層508の温度上
昇を防ぐために電極を冷却しつつ処理を行うことが好ま
しい。(図5(C))
【0045】次に、陽極510として酸化亜鉛に酸化ガ
リウムを添加した酸化物導電膜300nmの厚さに形成
し、さらにその上にパッシベーション膜511として窒
化珪素膜をスパッタ法により形成する。これに炭素膜、
具体的にはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を
積層することも有効である。
【0046】以上のようにして、図5(D)に示す構造
の発光装置が完成する。この後は、EL素子が外気に触
れないように、EL素子を樹脂で封入するか、EL素子
を密閉空間に封入すれば良い。こうして得たEL発光装
置は、作製工程が簡略化されているため歩留まりも高
く、さらにEL材料の使用量が従来よりも少なくて済む
ので製造コストを低減することができる。
【0047】なお、本実施例ではアクティブマトリクス
型の発光装置に図1で説明した構成を実施した例を示し
ているが、EL層508に対して図2で説明した構成を
実施することも可能である。
【0048】〔実施例3〕本実施例では、基板を通して
光を放射するパッシブマトリクス型のEL発光装置に本
発明を用いた例を示す。まず、絶縁膜を表面に成膜した
基板601上に陽極602を形成する。本実施例では陽
極602として酸化インジウムと酸化スズとの化合物か
らなる酸化物導電膜用いる。(図6(A))
【0049】この陽極602は紙面と平行な方向に帯状
に形成され、それが紙面に垂直な方向にストライプ状に
並んでいる。この構造は公知のパッシブマトリクス型発
光装置と同様である。
【0050】次に、陽極602に直交するように隔壁6
03を形成する。隔壁603は陰極となる金属膜を分離
するために設けられる。本実施例では二層の樹脂膜を用
い、T字型になるように加工する。このような構造は上
層に比べて下層のエッチングレートが速い条件でエッチ
ングを行えば得ることができる。
【0051】次に、EL層604を形成する。本実施例
ではEL層604を蒸着法により形成する。EL層60
4の材料としては、低分子有機材料であるAlq3(ト
リス−8−キノリノラトアルミニウム錯体)用いる。も
ちろん、Alq3に蛍光物質を添加して色度制御を行っ
ても良い。
【0052】次に、EL層604に対してプラズマ処理
を行い、電子注入領域605を形成する。プラズマ処理
は、処理室内に周期表の1族もしくは2族に属する元素
(典型的にはリチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグ
ネシウム、カリウム、カルシウム、セシウムもしくはバ
リウム)を含むガスを流し、電極間にプラズマを形成し
て、そのプラズマにEL層604を晒すことにより行わ
れる。このとき、EL層604の温度上昇を防ぐために
電極を冷却しつつ処理を行うことが好ましい。(図6
(B))
【0053】次に、陰極606としてアルミニウムとリ
チウムとを共蒸着した合金膜を300nmの厚さに形成
する。このとき、陰極606は隔壁603に沿って分離
され、紙面奥に向かって帯状に形成され、ストライプ状
に並んで形成される。さらにその上にパッシベーション
膜607として樹脂膜をインクジェット法もしくは印刷
法により形成する。これに炭素膜、具体的にはDLC
(ダイヤモンドライクカーボン)膜を積層することも有
効である。
【0054】以上のようにして、図6(C)に示す構造
の発光装置が完成する。この後は、EL素子が外気に触
れないように、EL素子を樹脂で封入するか、EL素子
を密閉空間に封入すれば良い。こうして得たEL発光装
置は、作製工程が簡略化されているため歩留まりも高
く、さらにEL材料の使用量が従来よりも少なくて済む
ので製造コストを低減することができる。
【0055】なお、本実施例ではパッシブマトリクス型
の発光装置に図1で説明した構成を実施した例を示して
いるが、EL層604に対して図2で説明した構成を実
施することも可能である。
【0056】〔実施例4〕本実施例では、基板の上方に
向けて光を放射するパッシブマトリクス型のEL発光装
置に本発明を用いた例を示す。まず、絶縁膜を表面に成
膜した基板701上に陰極702を形成する。本実施例
では陰極702としてアルミニウム膜にMgAg膜(マ
グネシウムと銀を共蒸着した金属膜)を積層した構造の
電極を用いる。(図7(A))
【0057】この陰極702は紙面と平行な方向に帯状
に形成され、それが紙面に垂直な方向にストライプ状に
並んでいる。
【0058】次に、陰極702に直交するように隔壁7
03を形成する。隔壁703は陽極となる酸化物導電膜
を分離するために設けられる。本実施例では二層の樹脂
膜を用い、T字型になるように加工する。このような構
造は上層に比べて下層のエッチングレートが速い条件で
エッチングを行えば得ることができる。
【0059】次に、EL層704を形成する。本実施例
ではEL層704を蒸着法により形成する。EL層70
4の材料としては、低分子有機材料であるAlq3(ア
ルミキノリラト錯体)用いる。もちろん、Alq3に蛍
光物質を添加して色度制御を行っても良い。
【0060】次に、EL層704に対してプラズマ処理
を行い、正孔注入領域705を形成する。プラズマ処理
は、処理室内にハロゲン元素(典型的にはフッ素、塩
素、臭素もしくは沃素)を含むガスを流し、電極間にプ
ラズマを形成して、そのプラズマにEL層704を晒す
ことにより行われる。このとき、EL層704の温度上
昇を防ぐために電極を冷却しつつ処理を行うことが好ま
しい。(図7(B))
【0061】次に、陽極706として酸化インジウムと
酸化亜鉛との化合物からなる酸化物導電膜を300nm
の厚さに形成する。このとき、陽極706は隔壁703
に沿って分離され、紙面奥に向かって帯状に形成され、
ストライプ状に並んで形成される。さらにその上にパッ
シベーション膜707として樹脂膜をインクジェット法
もしくは印刷法により形成する。これに炭素膜、具体的
にはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を積層す
ることも有効である。
【0062】以上のようにして、図7(C)に示す構造
の発光装置が完成する。この後は、EL素子が外気に触
れないように、EL素子を樹脂で封入するか、EL素子
を密閉空間に封入すれば良い。こうして得たEL発光装
置は、作製工程が簡略化されているため歩留まりも高
く、さらにEL材料の使用量が従来よりも少なくて済む
ので製造コストを低減することができる。
【0063】なお、本実施例ではパッシブマトリクス型
の発光装置に図1で説明した構成を実施した例を示して
いるが、EL層704に対して図2で説明した構成を実
施することも可能である。
【0064】〔実施例5〕本発明の成膜装置について図
8を用いて説明する。図8において、801は搬送室
(A)であり、搬送室(A)801には搬送機構(A)
802が備えられ、基板803の搬送が行われる。搬送
室(A)801は減圧雰囲気にされており、各処理室と
はゲートによって遮断されている。各処理室への基板の
受け渡しは、ゲートを開けた際に搬送機構(A)によっ
て行われる。また、搬送室(A)801を減圧するに
は、油回転ポンプ、メカニカルブースターポンプ、ター
ボ分子ポンプ若しくはクライオポンプなどの排気ポンプ
を用いることが可能であるが、水分の除去に効果的なク
ライオポンプが好ましい。
【0065】図8の成膜装置では、搬送室(A)801
の側面に排気ポート804が設けられ、その下に排気ポ
ンプが設置される。このような構造とすると排気ポンプ
のメンテナンスが容易になるという利点がある。
【0066】以下に、各処理室についての説明を行う。
なお、搬送室(A)801は減圧雰囲気となるので、搬
送室(A)801に直接的に連結された処理室には全て
排気ポンプ(図示せず)が備えられている。排気ポンプ
としては上述の油回転ポンプ、メカニカルブースターポ
ンプ、ターボ分子ポンプ若しくはクライオポンプが用い
られる。
【0067】まず、805は基板のセッティング(設
置)を行うストック室であり、ロードロック室とも呼ば
れる。ストック室805はゲート800aにより搬送室
(A)801と遮断され、ここに基板103をセットし
たキャリア(図示せず)が配置される。なお、ストック
室805は基板搬入用と基板搬出用とで部屋が区別され
ていても良い。また、ストック室805は上述の排気ポ
ンプと高純度の窒素ガスまたは希ガスを導入するための
パージラインを備えている。
【0068】また、本実施例では基板803を、素子形
成面を下向きにしてキャリアにセットする。これは後に
気相成膜(スパッタまたは蒸着による成膜)を行う際
に、フェイスダウン方式(デポアップ方式ともいう)を
行いやすくするためである。フェイスダウン方式とは、
基板の素子形成面が下を向いた状態で成膜する方式をい
い、この方式によればゴミの付着などを抑えることがで
きる。
【0069】次に、806は搬送室(B)であり、スト
ック室805とはゲート800bを介して連結され、搬
送機構(B)807を備えている。また、808は焼成
室(ベーク室)であり、ゲート800cを介して搬送室
(B)806と連結している。なお、焼成室808は基
板の面の上下を反転させる機構を有する。即ち、フェイ
スダウン方式で搬送されてきた基板はここで一旦フェイ
スアップ方式に切り替わる。これは次の液相成膜室80
9での処理がフェイスアップ方式で行えるようにするた
めである。また逆に、液相成膜室809で処理を終えた
基板は再び焼成室808に戻ってきて焼成され、再び上
下を反転させてフェイスダウン方式に切り替わり、スト
ック室805へ戻る。
【0070】ところで液相成膜室809はゲート800
dを介して搬送室(B)806と連結している。液相成
膜室809はEL材料を含む溶液を基板上に塗布するこ
とでEL材料を含む膜を形成する成膜室であり、なお、
成膜されるEL材料は、発光層として用いるものだけで
なく、電荷注入層、電荷輸送層もしくは電荷阻止層をも
含む。また、公知の如何なるEL材料を用いても良い。
【0071】スピンコート法などの液相処理により成膜
されるEL材料としては、PPV(ポリパラフェニレン
ビニレン)誘導体、PVK(ポリビニルカルバゾール)
誘導体またはポリフルオレン誘導体が挙げられる。これ
はπ共役ポリマーとも呼ばれる。また、電荷注入層とし
ては、PEDOT(ポリチオフェン)またはPAni
(ポリアニリン)が挙げられる。
【0072】また、液相成膜室809の内部は不活性雰
囲気としておくことが望ましく、さらに不活性雰囲気を
与圧(好ましくは2〜3気圧)としておくことで液相成
膜室809内の圧力を高め、酸素の混入を極力防ぐ手段
をとっても良い。
【0073】次に、810で示されるのは本発明のプラ
ズマ処理を行うプラズマ処理室であり、プラズマ処理室
810はゲート800eにより搬送室(A)801と遮
断される。プラズマ処理室はEL素子の作製プロセスに
よって様々に変えることができるが、本発明の用途以外
にもEL素子の陽極となる酸化物導電膜表面の改善処理
に用いることも可能である。
【0074】次に、811は蒸着法またはスパッタ法に
より導電膜またはEL材料を形成するための気相成膜室
であり、ゲート800fを介して搬送室(A)801に
連結される。本実施形態では気相成膜室811として蒸
着室を設けており、内部に複数の蒸着源を設置できる。
また、抵抗加熱または電子ビームにより蒸着源を蒸発さ
せ、成膜を行うことができる。
【0075】この気相成膜室811で形成される導電膜
はEL素子の陰極側の電極として設けられる導電膜であ
り、仕事関数の小さい金属、代表的には周期表の1族も
しくは2族に属する元素(代表的にはリチウム、マグネ
シウム、セシウム、カルシウム、カリウム、バリウム、
ナトリウムもしくはベリリウム)またはそれらに近い仕
事関数をもつ金属を蒸着できる。また、低抵抗な導電膜
としてアルミニウム、銅もしくは銀を蒸着することもで
きる。さらに、透明導電膜として酸化インジウムと酸化
スズとの化合物からなる導電膜や酸化インジウムと酸化
亜鉛との化合物からなる導電膜を蒸着法により形成する
ことも可能である。
【0076】また、気相成膜室811では公知のあらゆ
るEL材料(特に低分子系有機EL材料)を形成するこ
とが可能である。発光層の代表例としてはAlq3(ト
リス−8−キノリノラトアルミニウム錯体)もしくはD
SA(ジスチルアリーレン誘導体)があり、電荷注入層
の代表例としてはCuPc(銅フタロシアニン)、Li
F(フッ化リチウム)もしくはacacK(カリウムア
セチルアセトネート)があり、電荷輸送層の代表例とし
てはTPD(トリフェニルアミン誘導体)もしくはNP
D(アントラセン誘導体)が挙げられる。
【0077】また、上記EL材料と蛍光物質(代表的に
は、クマリン6、ルブレン、ナイルレッド、DCM、キ
ナクリドン等)とを共蒸着することも可能である。蛍光
物質としては公知の如何なる材料を用いても良い。ま
た、EL材料と周期表の1族または2族に属する元素と
を共蒸着して発光層の一部に電荷輸送層または電荷注入
層としての役割をもたせることも可能である。なお、共
蒸着とは、同時に蒸着源を加熱し、成膜段階で異なる物
質を混合する蒸着法をいう。
【0078】いずれにしてもゲート800fによって搬
送室(A)801と遮断され、真空下で有機EL材料ま
たは導電膜の成膜が行われる。なお、成膜はフェイスダ
ウン方式(デポアップ方式)で行われる。
【0079】次に、812は封止室(封入室またはグロ
ーブボックスともいう)であり、ゲート800gを介し
て搬送室(A)801に連結されている。封止室812
では、最終的にEL素子を密閉空間に封入するための処
理が行われる。この処理は形成されたEL素子を酸素や
水分から保護するための処理であり、シーリング材で機
械的に封入する、又は熱硬化性樹脂若しくは紫外光硬化
性樹脂で封入するといった手段を用いる。
【0080】シーリング材としては、ガラス、セラミッ
クス、金属などの材料を用いることができるが、シーリ
ング材側に光を出射する場合は透光性でなければならな
い。また、シーリング材と上記EL素子が形成された基
板とは熱硬化性樹脂又は紫外光硬化性樹脂を用いて貼り
合わせられ、熱処理又は紫外光照射処理によって樹脂を
硬化させて密閉空間を形成する。この密閉空間の中に酸
化バリウム等の乾燥剤や酸化防止剤を設けることも有効
である。
【0081】また、シーリング材とEL素子の形成され
た基板との空間を熱硬化性樹脂若しくは紫外光硬化性樹
脂で充填することも可能である。この場合、熱硬化性樹
脂若しくは紫外光硬化性樹脂の中に酸化バリウム等の乾
燥剤を添加しておくことは有効である。
【0082】図8に示した成膜装置では、封止室812
の内部に紫外光を照射するための機構(以下、紫外光照
射機構という)813が設けられており、この紫外光照
射機構813から発した紫外光によって紫外光硬化性樹
脂を硬化させる構成となっている。なお、封止室812
内の作業は、グローブを用いた手作業であっても構わな
いが、コンピュータ制御により機械的に行われるような
構造となっていることが好ましい。シーリング材を用い
る場合には、液晶のセル組み工程で用いられるようなシ
ール剤(ここでは熱硬化性樹脂若しくは紫外光硬化性樹
脂)を塗布する機構と、基板を貼り合わせる機構と、シ
ール剤を硬化させる機構とが組み込まれていることが好
ましい。
【0083】また、封止室812の内部は排気ポンプを
取り付けることで減圧することも可能である。上記封入
工程をロボット操作で機械的に行う場合には、減圧下で
行うことで酸素や水分の混入を防ぐことができる。ま
た、逆に封止室812の内部を与圧とすることも可能で
ある。この場合、高純度な窒素ガスや希ガスでパージし
つつ与圧とし、外気から酸素等が侵入することを防ぐ。
【0084】次に、封止室812には受渡室(パスボッ
クス)814が連結される。受渡室814には搬送機構
(C)815が設けられ、封止室812でEL素子の封
入が完了した基板を受渡室814へと搬送する。受渡室
814も排気ポンプを取り付けることで減圧することが
可能である。この受渡室814は封止室812を直接外
気に晒さないようにするための設備であり、ここから基
板を取り出す。
【0085】以上のように、図8に示した成膜装置を用
いることで完全にEL素子を密閉空間に封入するまで外
気に晒さずに済む。さらに、液相成膜室809では、酸
素濃度が極端に低い不活性雰囲気にて有機EL材料の成
膜を行うため、殆ど酸素のない状態での成膜が可能とな
る。以上のことから従来よりも信頼性の高いEL発光装
置を作製することが可能となる。
【0086】〔実施例6〕本発明において、三重項励起
子からの燐光を発光に利用できるEL材料を用いること
で、外部発光量子効率を飛躍的に向上させることができ
る。これにより、EL素子の低消費電力化、長寿命化、
および軽量化が可能になる。ここで、三重項励起子を利
用し、外部発光量子効率を向上させた報告を示す。 (T.Tsutsui, C.Adachi, S.Saito, Photochemical Proce
sses in Organized Molecular Systems, ed.K.Honda,
(Elsevier Sci.Pub., Tokyo,1991) p.437.) 上記論文に報告されたEL材料(クマリン色素)の分子
式を以下に示す。
【0087】
【化1】
【0088】(M.A.Baldo, D.F.O'Brien, Y.You, A.Shou
stikov, S.Sibley, M.E.Thompson, S.R.Forrest, Natur
e 395 (1998) p.151.) 上記論文に報告されたEL材料(Pt錯体)の分子式を
以下に示す。
【0089】
【化2】
【0090】(M.A.Baldo, S.Lamansky, P.E.Burrrows,
M.E.Thompson, S.R.Forrest, Appl.Phys.Lett.,75 (199
9) p.4.) (T.Tsutsui, M.-J.Yang, M.Yahiro, K.Nakamura, T.Wat
anabe, T.tsuji, Y.Fukuda, T.Wakimoto, S.Mayaguchi,
Jpn.Appl.Phys., 38 (12B) (1999) L1502.) 上記論文に報告されたEL材料(Ir錯体)の分子式を
以下に示す。
【0091】
【化3】
【0092】以上のように三重項励起子からの燐光発光
を利用できれば原理的には一重項励起子からの蛍光発光
を用いる場合より3〜4倍の高い外部発光量子効率の実
現が可能となる。なお、本実施例の構成は、実施例1〜
実施例5のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施す
ることが可能である。
【0093】〔実施例7〕本発明を実施して形成された
発光装置は、自発光型であるため液晶表示装置に比べて
明るい場所での視認性に優れ、しかも視野角が広い。従
って、様々な電気器具の表示部として用いることができ
る。その際、本発明の発光装置はパッシブ型の発光装置
でありながらも配線抵抗を減らすことで大画面化を可能
としているため、用途も幅広いものとすることができ
る。
【0094】本発明の電気器具としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッド
マウントディスプレイ)、カーナビゲーションシステ
ム、カーオーディオ、ノート型パーソナルコンピュー
タ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュー
タ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍)、記録
媒体を備えた画像再生装置(具体的にはコンパクトディ
スク(CD)、レーザーディスク(登録商標)(LD)
又はデジタルバーサタイルディスク(DVD)等の記録
媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備
えた装置)などが挙げられる。それら電気器具の具体例
を図9、図10に示す。
【0095】図9(A)はELディスプレイであり、筐
体2001、支持台2002、表示部2003を含む。
本発明の発光装置は表示部2003に用いることができ
る。ELディスプレイは自発光型であるためバックライ
トが必要なく、液晶ディスプレイよりも薄い表示部とす
ることができる。
【0096】図9(B)はビデオカメラであり、本体2
101、表示部2102、音声入力部2103、操作ス
イッチ2104、バッテリー2105、受像部2106
を含む。本発明の発光装置は表示部2102に用いるこ
とができる。
【0097】図9(C)はデジタルカメラであり、本体
2201、表示部2202、接眼部部2203、操作ス
イッチ2204を含む。本発明の発光装置は表示部22
02に用いることができる。
【0098】図9(D)は記録媒体を備えた画像再生装
置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体230
1、記録媒体(CD、LDまたはDVD等)2302、
操作スイッチ2303、表示部(a)2304、表示部
(b)2305を含む。表示部(a)は主として画像情
報を表示し、表示部(b)は主として文字情報を表示す
るが、本発明の発光装置はこれら表示部(a)、(b)
に用いることができる。なお、記録媒体を備えた画像再
生装置には、CD再生装置、ゲーム機器なども含まれう
る。
【0099】図9(E)は携帯型(モバイル)コンピュ
ータであり、本体2401、表示部2402、受像部2
403、操作スイッチ2404、メモリスロット240
5を含む。本発明の電気光学装置は表示部2402に用
いることができる。この携帯型コンピュータはフラッシ
ュメモリや不揮発性メモリを集積化した記録媒体に情報
を記録したり、それを再生したりすることができる。
【0100】図9(F)はパーソナルコンピュータであ
り、本体2501、筐体2502、表示部2503、キ
ーボード2504を含む。本発明の発光装置は表示部2
503に用いることができる。
【0101】なお、将来的にEL材料の発光輝度が高く
なれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡大投
影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用
いることも可能となる。
【0102】また、上記電子装置はインターネットやC
ATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて
配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情
報を表示する機会が増してきている。EL材料の応答速
度は非常に高いため、そのような動画表示を行うに適し
ている。
【0103】また、発光装置は発光している部分が電力
を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報
を表示することが望ましい。従って、携帯情報端末、特
に携帯電話やカーオーディオのような文字情報を主とす
る表示部に発光装置を用いる場合には、非発光部分を背
景として文字情報を発光部分で形成するように駆動する
ことが望ましい。
【0104】ここで図10(A)は携帯電話であり、本
体2601、音声出力部2602、音声入力部260
3、表示部2604、操作スイッチ2605、アンテナ
2606を含む。本発明の発光装置は表示部2604に
用いることができる。なお、表示部2604は黒色の背
景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電力を
抑えることができる。
【0105】また、図10(B)は車載用オーディオ
(カーオーディオ)であり、本体2701、表示部27
02、操作スイッチ2703、2704を含む。本発明
の発光装置は表示部2702に用いることができる。ま
た、本実施例では車載用オーディオを示すが、据え置き
型オーディオに用いても良い。なお、表示部2704は
黒色の背景に白色の文字を表示することで消費電力を抑
えられる。なお、表示部2704に用いる発光装置にス
ティックドライバを設ける場合は、数個に分割して設け
ることが好ましい。
【0106】以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広
く、あらゆる分野の電気器具に用いることが可能であ
る。また、本実施例の電気器具は実施例1〜6の構成を
自由に組み合わせた発光装置を用いることで得ることが
できる。
【0107】
【発明の効果】本発明を実施することでEL素子の性能
を維持若しくは向上させつつ、積層数を低減することが
可能となる。そして、EL発光装置の製造コストを低減
し、安価なEL発光装置を提供することができる。さら
に、それを表示部として用いた電気器具の製品コストを
低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 EL層の作製工程を示す図。
【図2】 EL層の作製工程を示す図。
【図3】 EL素子のバンド構造を示す図。
【図4】 発光装置の作製工程を示す図。
【図5】 発光装置の作製工程を示す図。
【図6】 発光装置の作製工程を示す図。
【図7】 発光装置の作製工程を示す図。
【図8】 成膜装置の構成を示す図。
【図9】 電気器具の一例を示す図。
【図10】 電気器具の一例を示す図。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁体の上に陽極を形成し、該陽極の上に
    EL層を形成し、該EL層にプラズマ処理を行い、該プ
    ラズマ処理を施したEL層の上に陰極を形成することを
    特徴とする発光装置の作製方法。
  2. 【請求項2】絶縁体の上に陽極を形成し、該陽極の上に
    EL層を形成し、該EL層の上に陰極を形成する発光装
    置の作製方法において、 前記EL層は、前記陽極の上に第1のEL膜を形成し、
    該第1のEL膜にプラズマ処理を行い、該プラズマ処理
    された第1のEL膜の上に第2のEL膜を形成するプロ
    セスを経て形成されることを特徴とする発光装置の作製
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記プ
    ラズマ処理は、前記EL層のLUMO準位を低くする元
    素を含むガスをプラズマ化して行われることを特徴とす
    る発光装置の作製方法。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2において、前記プ
    ラズマ処理は、前記EL層のHOMO準位を高くする元
    素を含むガスをプラズマ化して行われることを特徴とす
    る発光装置の作製方法。
  5. 【請求項5】請求項1または請求項2において、前記プ
    ラズマ処理は、周期表の1族もしくは2族に属する元素
    を含むガスをプラズマ化して行われることを特徴とする
    発光装置の作製方法。
  6. 【請求項6】絶縁体の上に陰極を形成し、該陰極の上に
    EL層を形成し、該EL層にプラズマ処理を行い、該プ
    ラズマ処理を施したEL層の上に陽極を形成することを
    特徴とする発光装置の作製方法。
  7. 【請求項7】絶縁体の上に陰極を形成し、該陰極の上に
    EL層を形成し、該EL層の上に陽極を形成する発光装
    置の作製方法において、 前記EL層は、前記陰極の上に第1のEL膜を形成し、
    該第1のEL膜にプラズマ処理を行い、該プラズマ処理
    された第1のEL膜の上に第2のEL膜を形成するプロ
    セスを経て形成されることを特徴とする発光装置の作製
    方法。
  8. 【請求項8】請求項6または請求項7において、前記プ
    ラズマ処理は、前記EL層のLUMO準位を低くする元
    素を含むガスをプラズマ化して行われることを特徴とす
    る発光装置の作製方法。
  9. 【請求項9】請求項6または請求項7において、前記プ
    ラズマ処理は、前記EL層のHOMO準位を高くする元
    素を含むガスをプラズマ化して行われることを特徴とす
    る発光装置の作製方法。
  10. 【請求項10】請求項6または請求項7において、前記
    プラズマ処理は、周期表の1族もしくは2族に属する元
    素を含むガスをプラズマ化して行われることを特徴とす
    る発光装置の作製方法。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項10のいずれか一に
    おいて、前記絶縁体は、薄膜トランジスタを覆って形成
    されることを特徴とする発光装置の作製方法。
  12. 【請求項12】請求項1乃至請求項11のいずれか一に
    おいて、前記EL層は三重項励起を経由して発光する有
    機膜を含むことを特徴とする発光装置の作製方法。
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