JP2002305085A - 有機発光素子および前記素子を用いた表示装置 - Google Patents

有機発光素子および前記素子を用いた表示装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも発光効率が高く、寿命が長い赤色
の有機発光素子を提供する。これを用いて、従来よりも
光の三原色のバランスがよい上に消費電力が低く、なお
かつ色のばらつきの経時変化が小さいフルカラーの表示
装置、および前記表示装置を有する電気器具を提供す
る。 【解決手段】 有機化合物膜403内に、正孔輸送材料か
らなる正孔輸送領域405と、電子輸送材料からなる電子
輸送領域406と、正孔輸送材料および電子輸送材料の両
方が混合されなおかつ赤色の三重項発光材料408がドー
プされた混合領域(発光領域)407と、を設けることに
より、従来の積層構造に存在する各層間の界面をなく
し、なおかつ正孔輸送、電子輸送、発光の各機能は発現
させる。この手法により、消費電力が低く寿命の長い赤
色の有機発光素子が得られる。そして、前記有機発光素
子を用いて表示装置および電気器具を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、陽極と、陰極と、電界
を加えることで発光が得られる有機化合物を含む膜(以
下、「有機化合物膜」と記す)と、を有する有機発光素
子、および前記有機発光素子を用いた表示装置に関す
る。本発明では特に、赤色、緑色、青色、のそれぞれの
色を発光する有機発光素子を各画素として備えた表示装
置において、赤色を発光する素子の発光効率が高く、な
おかつ、素子寿命が長い表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機発光素子は、電界を加えることによ
り発光する素子である。その発光機構は、電極間に有機
化合物膜を挟んで電圧を印加することにより、陰極から
注入された電子および陽極から注入された正孔が有機化
合物膜中で再結合して励起状態の分子(分子励起子)を
形成し、その分子励起子が基底状態に戻る際にエネルギ
ーを放出して発光すると言われている。
【0003】このような有機発光素子において、通常、
有機化合物膜は1μmを下回るほどの薄膜で形成される。
また、有機発光素子は、有機化合物膜そのものが光を放
出する自発光型の素子であるため、従来の液晶ディスプ
レイに用いられているようなバックライトも必要ない。
したがって、有機発光素子は極めて薄型軽量に作製でき
ることが大きな利点である。
【0004】また、例えば100〜200nm程度の有機化合物
膜において、キャリアを注入してから再結合に至るまで
の時間は、有機化合物膜のキャリア移動度を考えると数
十ナノ秒程度であり、キャリアの再結合から発光までの
過程を含めてもマイクロ秒以内のオーダーで発光に至
る。したがって、非常に応答速度が速いことも特長の一
つである。
【0005】さらに、有機発光素子はキャリア注入型の
発光素子であるため、直流電圧での駆動が可能であり、
ノイズが生じにくい。駆動電圧に関しては、まず有機化
合物膜の厚みを100nm程度の均一な超薄膜とし、また、
有機化合物膜に対するキャリア注入障壁を小さくするよ
うな電極材料を選択し、さらにはヘテロ構造(ここでは
二層構造)を導入することによって、5.5Vで100cd/m2
十分な輝度が達成された(文献1:C. W. Tang and S.
A. VanSlyke, "Organic electroluminescent diodes",
Applied Physics Letters, vol. 51, No.12, 913-915
(1987))。
【0006】こういった薄型軽量・高速応答性・直流低
電圧駆動などの素子特性に加え、有機発光素子はその発
光色のバリエーションに富んでいることも大きな利点の
一つと言える。その要因は、有機化合物自体の多様性で
ある。すなわち、分子設計(例えば置換基の導入)等に
より様々な発光色の材料を開発できるという柔軟性が、
色彩の豊かさを生んでいるのである。
【0007】この色彩の豊かさを活かした有機発光素子
の最も大きな応用分野は、フルカラーのフラットパネル
ディスプレイであると言える。なぜならば、赤色、緑
色、青色という光の三原色を発光できる有機材料は多数
存在するため、それらをパターニングすることによっ
て、容易にフルカラー化が達成できるからである。先に
述べたような、薄型軽量・高速応答性・直流低電圧駆動
といった素子特性も、フラットパネルディスプレイにふ
さわしい特性と言える。
【0008】ところで、赤、緑、青の各色を全て発光さ
せると白色が得られるわけだが、その白色発光の際には
光の三原色のバランスを考慮する必要があるため、各色
に関して最低要求効率(ここではパワー効率のことであ
り、単位は[lm/W])が提示されている(文献2:佐藤佳
晴、「応用物理学会有機分子・バイオエレクトロニクス
分科会会誌」、Vol. 11、No. 1、P.88(2000))。
【0009】文献2によると、緑色および青色に関して
は要求値を上回る報告が数多くなされているのに対し、
赤色に関しては要求値を大きく下回っていることがわか
る。したがって、赤色の発光効率を向上させることが、
フルカラーフラットパネルディスプレイへの発展に欠か
せない要素である。そして、発光効率を向上させること
により、消費電力を低くすることもできる。
【0010】発光効率が低い要因の一つに、赤色の発光
材料に限らず、通常の有機発光素子には蛍光材料が用い
られていることが挙げられる。有機発光素子において
は、分子励起子が基底状態に戻る際に発光するわけだ
が、その発光には一重項励起状態(S*)からの発光(蛍
光)と三重項励起状態(T*)からの発光(燐光)が可能
であり、蛍光材料を用いた場合はS*からの発光(蛍光)
のみが寄与する。
【0011】しかしながら、有機発光素子におけるS*
T*の統計的な生成比率は、S*:T*=1:3であると考えら
れている(文献3:筒井哲夫、「応用物理学会有機分子
・バイオエレクトロニクス分科会・第3回講習会テキス
ト」、P.31(1993))。したがって、蛍光材料を用いた
有機発光素子における内部量子効率(注入したキャリア
に対して発生するフォトンの割合)の理論的限界は、
S*:T*=1:3であることを根拠に25%とされているので
ある。言い換えれば、蛍光材料を用いた有機発光素子の
場合、注入したキャリアのうち少なくとも75%は浪費さ
れるのである。
【0012】逆に言えば、T*からの発光、すなわち燐光
を利用できれば発光効率は向上する(単純には3〜4
倍)と考えられるが、一般的な有機化合物は室温におい
て、T*からの発光(燐光)は観測されず、通常はS*から
の発光(蛍光)のみが観測される。有機化合物の基底状
態は通常、一重項基底状態(S0)であるため、T*→S0
移は禁制遷移となり、S*→S0遷移は許容遷移となるから
である。
【0013】ところが近年、T*から基底状態に戻る際に
放出されるエネルギー(以下、「三重項励起エネルギ
ー」と記す)を発光に変換できる有機発光素子が相次い
で発表され、その発光効率の高さが注目されている(文
献4:D. F. O'Brien, M. A. Baldo, M. E. Thompson a
nd S. R. Forrest, "Improved energy transfer in ele
ctrophosphorescent devices", Applied Physics Lette
rs, vol. 74, No. 3, 442-444 (1999))(文献5:Tets
uo Tsutsui, Moon-Jae Yang, Masayuki Yahiro, Kenji
Nakamura, Teruichi Watanabe, Taishi Tsuji, Yoshino
ri Fukuda, Takeo Wakimoto and Satoshi Miyaguchi, "
High Quantum Efficiency in Organic Light-Emitting
Devices with Iridium-Complex as a Triplet Emissive
Center", Japanese Journal of Applied Physics, Vo
l. 38, L1502-L1504 (1999))。
【0014】文献4では白金を中心金属とする金属錯体
(以下、「白金錯体」と記す)を、文献5ではイリジウ
ムを中心金属とする金属錯体(以下、「イリジウム錯
体」と記す)を発光材料として用いており、いずれの金
属錯体も第3遷移系列元素を中心金属として導入してい
ることが特徴であると言える。これらは、室温で三重項
励起を発光に変換できる材料(以下、「三重項発光材
料」と記す)である。
【0015】文献4および文献5に示されるとおり、三
重項励起エネルギーを発光に変換できる有機発光素子
は、従来よりも高い内部量子効率を達成できる。そし
て、内部量子効率が高くなれば、発光効率([lm/W])も
向上する。したがって、三重項励起エネルギーを発光に
変換できる有機発光素子(以下、「三重項発光素子」と
記す)を用いて赤色の発光素子を作製すれば、赤色の発
光素子の発光効率を向上させることができる。
【0016】以上のことから、緑色および青色に関して
は一重項励起状態からの発光を呈する有機発光素子(以
下、「一重項発光素子」と記す)を用い、赤色に関して
は三重項発光素子を適用することで、光の三原色のバラ
ンスをも考慮した、十分に高輝度な、そして消費電力の
低いフルカラーフラットパネルディスプレイが作製でき
ると期待されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、文献5
の報告例によると、初期輝度を500cd/m2に設定した定電
流駆動時の輝度の半減期は170時間程度であり、三重項
発光素子は素子寿命に問題がある。一方、一重項発光素
子の場合、初期輝度を500cd/m2に設定した定電流駆動時
の輝度の半減期は数千時間から一万時間にもおよび、素
子寿命の点では実用的な域に達していると言ってもよ
い。
【0018】したがって従来技術では、緑色および青色
に関しては一重項発光素子を用い、赤色に関しては三重
項発光素子を適用してフルカラーフラットパネルディス
プレイを作製すると、緑色ないしは青色の画素と、赤色
の画素とでは、輝度の経時変化が大きく異なることにな
る。
【0019】このことはすなわち、時間がたつにつれて
(しかも数百時間で)光の三原色のバランスが大きく崩
れ、しかもそれに伴い、赤色発光時に関する消費電力が
増大することを意味する。したがって、三重項発光素子
の素子寿命、特に赤色の三重項発光素子の素子寿命を長
くすることが、極めて重要な技術課題と言える。
【0020】そこで本発明では、赤色の三重項発光素子
の輝度低下を抑制し、素子寿命を長くすることを課題と
する。それにより、従来よりも発光効率が高く、寿命が
長い赤色の有機発光素子を提供することを課題とする。
【0021】また、このような赤色の三重項発光素子
と、緑色および青色の一重項発光素子とを用いることに
より、従来よりも光の三原色のバランスがよい上に消費
電力が低く、なおかつ色のばらつきの経時変化が小さい
表示装置を提供することを課題とする。さらに、前記表
示装置を用いた電気器具を作製することにより、従来よ
りも消費電力が低い上に表示部が鮮明で、時間がたって
も表示が色あせない電気器具を提供することを課題とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】一重項発光素子および三
重項発光素子の違いに関わらず、いずれの素子も通常
は、文献1で示されたような積層構造(ヘテロ構造)を
形成していることが特徴である。例えば文献1では、有
機化合物膜として、芳香族ジアミン化合物からなる正孔
輸送層とトリス(8−キノリノラト)−アルミニウム
(以下、「Alq3」と記す)からなる電子輸送性発光層と
を積層するという、シングルヘテロ構造を適用すること
により、キャリアの再結合効率を飛躍的に向上させてい
る。このことは、以下のように説明される。
【0023】例えば、Alq3単層のみを有する有機発光素
子の場合では、Alq3が電子輸送性であるため、陰極から
注入された電子のほとんどは正孔と再結合せずに陽極に
達してしまい、発光の効率は極めて悪い。すなわち、単
層の有機発光素子を効率よく発光させる(あるいは低電
圧で駆動する)ためには、電子および正孔の両方をバラ
ンスよく輸送できる材料(以下、「バイポーラー材料」
と記す)を用いる必要があり、Alq3はその条件を満たし
ていない。
【0024】しかし、文献1のようなシングルへテロ構
造を適用すれば、陰極から注入された電子は正孔輸送層
と電子輸送性発光層との界面でブロックされ、電子輸送
性発光層中へ閉じこめられる。したがって、キャリアの
再結合が効率よく電子輸送性発光層で行われ、効率のよ
い発光に至るのである。すなわち、ヘテロ構造の導入に
よるキャリアのブロッキング機能が技術の核心である。
【0025】また、文献1における有機発光素子は、い
わば正孔の輸送は正孔輸送層が行い、電子の輸送および
発光は電子輸送性発光層が行うという、機能分離が行わ
れていると言える。こういった機能分離の利点として
は、機能分離することによって一種類の有機材料に様々
な機能(発光性、キャリア輸送性、電極からのキャリア
注入性など)を同時に持たせる必要がなくなり、分子設
計等に幅広い自由度を持たせることができる点にある
(例えば、無理にバイポーラー材料を探索する必要がな
くなる)。つまり、発光特性のいい材料、キャリア輸送
性が優れる材料などを、各々組み合わせることで、容易
に高発光効率が達成できるということである。
【0026】しかしながら、以上で述べたような積層構
造は異種物質間の接合であるため、各層間に界面(以
下、「有機界面」と記す)が生じることになる。有機界
面を形成することに由来する問題点として、有機発光素
子の素子寿命に対する影響が考えられる。すなわち、有
機界面においてキャリアの移動が妨げられ、チャージが
蓄積することによる輝度の低下である。
【0027】この劣化機構に関してははっきりした理論
は確立されていないが、陽極と正孔輸送層との間に正孔
注入層を挿入し、さらにdc駆動ではなく矩形波のac駆動
にすることによって、輝度の低下を抑えることができる
という報告がある(文献6:S.A. VanSlyke, C. H. Che
n, and C. W. Tang, "Organic electroluminescent dev
ices with improved stability", Applied Physics Let
ters, Vol. 69, No. 15, 2160-2162(1996))。このこと
は、正孔注入層の挿入およびac駆動によって、チャージ
の蓄積を排除することにより、輝度の低下を抑えること
ができたという実験的な裏付けと言える。
【0028】ここで、文献4で示されている赤色の三重
項発光素子の素子構造を、図1に示す。図1では、正孔
輸送層として4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−
N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(以下、「α−NP
D」と記す)を、発光層のホスト材料として4,4'−ジ
カルバゾール−ビフェニル(以下、「CBP」と記す)
を、三重項発光材料として2,3,7,8,12,1
3,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポル
フィリン−白金(以下、「PtOEP」と記す)を、ブロッ
キング層としてバソキュプロイン(以下、「BCP」と記
す)を、電子輸送層としてAlq3を、陰極としてMg:Ag合
金を用いている。
【0029】三重項発光素子は通常、発光材料に対する
適切なホスト材料(図1ではCBP)、および分子励起子
の拡散を防ぐブロッキング性材料(図1ではBCP)が必
要であるため、図1のように多層構造になっており、有
機界面が多数生じてしまう。したがって、このことが三
重項発光素子の素子寿命を短くしている原因であると考
えられる。
【0030】このような問題点を克服するためには、有
機界面においてキャリアの移動が妨げられる理由を考察
し、それを改善することが重要となる。そこでまず、本
発明者は、有機界面の形成によりキャリアの移動が妨げ
られるモデルとして、以下に述べるような二つの機構を
考えた。
【0031】まず一つの機構として、有機界面のモルフ
ォロジーから生じるものが考えられる。有機発光素子に
おける有機化合物膜は通常、アモルファス状態の膜であ
るが、これは有機化合物の分子同士が、双極子相互作用
を主とした分子間力で凝集することにより形成されてい
る。ところが、このような分子の凝集体を用いてヘテロ
構造を形成すると、分子のサイズや形状の違いがヘテロ
構造の界面(すなわち有機界面)に大きな影響を及ぼす
可能性がある。
【0032】特に、分子のサイズが大きく異なる材料を
用いてヘテロ構造を形成した場合、その有機界面におけ
る接合の整合性が悪くなると考えられる。その概念図を
図2に示す。図2では、小さい分子201からなる第一の
層211と、大きい分子202からなる第二の層212を積層し
ている。この場合、形成される有機界面213において、
整合性の悪い領域214が発生してしまう。
【0033】図2で示した整合性の悪い領域214は、キ
ャリアの移動を妨げるバリア(あるいはエネルギー障
壁)となる可能性があるため、駆動電圧のさらなる低減
へ向けての障害になることが示唆される。また、エネル
ギー障壁を越えられないキャリアはチャージとして蓄積
してしまい、先に述べたような輝度の低下を誘起してし
まう可能性がある。
【0034】もう一つの機構として、積層構造を形成す
る(すなわち有機界面を形成する)工程から生じるもの
が考えられる。積層構造の有機発光素子は、キャリアの
ブロッキングおよび機能分離の観点から、各層を形成す
る際のコンタミネーションを避けるため、通常、図3に
示すようなマルチチャンバー方式(インライン方式)の
蒸着装置を用いて作製する。
【0035】図3に示した例は、正孔輸送層・発光層・
電子輸送層の三層構造(ダブルへテロ構造)を形成する
ための蒸着装置の概念図である。まず、搬入室に陽極
(インジウム錫酸化物(以下、「ITO」と記す)など)
を有する基板を搬入し、まず紫外線照射室において真空
雰囲気中で紫外線を照射することにより、陽極表面をク
リーニングする。特に陽極がITOのような酸化物である
場合、前処理室にて酸化処理を行う。さらに、積層構造
の各層を形成するため、蒸着室301で正孔輸送層を、蒸
着室302〜304で発光層(図3では、赤、緑、青の三色)
を、蒸着室305で電子輸送層を成膜し、蒸着室306で陰極
を蒸着する。最後に、封止室にて封止を行い、搬出室か
ら取り出して有機発光素子を得る。
【0036】このようなインライン方式の蒸着装置の特
色としては、各層の蒸着を、それぞれ異なる蒸着室301
〜305において蒸着していることである。つまり、各層
の材料がほとんど互いに混入しないような装置構成とな
っている。
【0037】ところで、蒸着装置の内部は通常10-4
10-5パスカル程度に減圧されているものの、極微量の
気体成分(酸素や水など)は存在している。そして、こ
の程度の真空度の場合、それら極微量の気体成分でも、
数秒もあれば容易に単分子レイヤー程度の吸着層を形成
してしまうと言われている。
【0038】図3のような装置を用いて積層構造の有機
発光素子を作製する場合、各層を形成する間に大きなイ
ンターバルが生じてしまうことが問題なのである。つま
り、各層を形成する間のインターバル、特に第二搬送室
を経由して搬送する際などに、極微量の気体成分による
吸着層(以下、「不純物層」と記す)を形成してしまう
懸念がある。
【0039】このようにして各層間(すなわち有機界
面)に形成されてしまう不純物層は、有機発光素子の完
成後、キャリアをトラップする不純物領域となってキャ
リアの移動を妨げるため、やはり駆動電圧を上昇させて
しまう。さらに、キャリアをトラップする不純物領域が
存在すると、そこにはチャージが蓄積することになるた
め、先に述べたような輝度の低下を誘起してしまう可能
性がある。
【0040】以上のような機構から考えると、有機界面
で生じる問題点(有機界面のモルフォロジー悪化および
不純物層の形成)を克服するためには、素子構造・作製
工程共に、従来の積層構造素子から脱する必要がある。
【0041】それに加えて、三重項発光素子の場合は、
積層構造素子と同様な機能分離がなされていなければな
らないという制約がある。なぜならば、三重項発光材料
はキャリア輸送性に乏しく、ドーパントとして用いなけ
ればならないので、適切なホスト材料にドープがなされ
た発光領域を設けなければならないからである。また、
三重項の分子励起子は、拡散長が一重項の分子励起子に
比べて大きいので、分子励起子の拡散を防ぐブロッキン
グ性材料も必要だからである。つまり、有機界面を排除
したとしても、有機化合物膜中の機能分離がなされてい
なければ、三重項発光素子は効率のよい発光には至らな
い。
【0042】これらのことを考慮し、本発明者は、有機
界面を排除し、なおかつ有機化合物膜内において機能分
離されている三重項発光素子を実現する手法を考案し
た。その概念図を図4、および図5に示す。
【0043】図4(a)では、有機化合物膜403において、
正孔輸送材料からなる正孔輸送領域405、電子輸送材料
からなる電子輸送領域406、および正孔輸送材料と電子
輸送材料とが混合された混合領域407を設けてある。さ
らに、混合領域407には、三重項発光材料408がドープし
てある。ここでは基板401上に陽極402を設けてあるが、
陰極404の方を基板上に設ける逆の構造をとってもよ
い。
【0044】このような素子を形成した場合、陽極側で
は正孔輸送材料が正孔を受け取り輸送し、一方陰極側で
は電子輸送材料が電子を受け取り輸送することができ
る。さらに、混合領域407はバイポーラー性であるた
め、正孔および電子は双方とも混合領域407を移動する
ことができ、この混合領域407においてキャリアは再結
合し発光に至る。ただしこの場合、三重項の分子励起子
の拡散を防止する観点から、三重項発光材料の最高被占
分子軌道(HOMO)と最低空分子軌道(LUMO)とのエネル
ギー差(以下、「励起エネルギーレベル」と記す)は、
正孔輸送材料および電子輸送材料に比べて小さいことが
好ましい。
【0045】さらに、図4(a)で示した素子は、各機能
を発現できる領域が有機化合物膜403内に存在している
わけだが、機能発現を可能にしながら、なおかつ従来の
積層構造のような有機界面は存在しない。したがって、
上述の有機界面で生じる問題点(有機界面のモルフォロ
ジー悪化および不純物層の形成)を解決することができ
る。
【0046】まず、有機界面のモルフォロジー悪化の解
決について、図6を用いて説明する。図6は、小さい分
子601からなる領域611と、大きい分子602からなる領域6
12と、小さい分子601および大きい分子602の両方を含む
混合領域613と、からなる、本発明で開示する有機発光
素子である。図6から明らかなように、図2で存在して
いたような有機界面213は存在せず、整合性の悪い領域2
14も存在しない。
【0047】また、不純物層の形成の解決であるが、こ
れは単純明快である。図4のような有機発光素子を作製
する場合、陽極上に正孔輸送材料を蒸着し、途中からそ
れに加えて電子輸送材料を共蒸着の形で蒸着することで
混合領域を形成し、混合領域を形成後は正孔輸送材料の
蒸着を止めることで電子輸送材料を蒸着すればよい。し
たがって、図2のような蒸着装置を用いて有機発光素子
を作製する際に生じる、インターバルが存在しない。つ
まり、不純物層を形成する隙を与えることがないのであ
る。
【0048】このように、本発明の三重項発光素子は、
有機界面を形成することがないためキャリアの移動が潤
滑であり、素子寿命に悪影響を及ぼすことがなくなる。
さらに、積層構造と同様に機能分離されているため、発
光効率の点でも問題はない。
【0049】なお、図4において、陽極と有機化合物膜
との間に、正孔の注入性を高める材料(以下、「正孔注
入材料」と記す)からなる正孔注入領域を挿入してもよ
い。また、陰極と有機化合物膜との間に、電子の注入性
を高める材料(以下、「電子注入材料」と記す)からな
る電子注入領域を挿入してもよい。さらに、正孔注入領
域と電子注入領域の両方を組み込んでもよい。
【0050】この場合、正孔注入材料または電子注入材
料は、電極から有機化合物膜へのキャリア注入障壁を小
さくするための材料であるため、電極から有機化合物膜
へのキャリアの移動を潤滑にし、チャージの蓄積を排除
できる効果がある。ただし、先に述べたような不純物層
の形成を避ける観点から、各注入材料と有機化合物膜と
の間は、インターバルをおかずに成膜することが好まし
い。
【0051】また、発光領域は両電極からなるべく離す
ことで、電極材料にエネルギー移動することによる消光
(以下、「クエンチ」と記す)を防ぐことができる。し
たがって、図4(a)のような有機発光素子において、三
重項発光材料をドープする領域は、混合領域407内の全
域ではなく、一部(特に中央部)であってもよい。
【0052】さらに、図4(b)に示すように、混合領域4
07に対し、三重項発光材料408の他にブロッキング性材
料409をドープすることが好ましい。ブロッキング性材
料409は、キャリアないしは分子励起子をブロックする
機能を有する材料であり、混合領域407に含まれる材料
の中で最も大きな励起エネルギーレベルを有することが
好ましい。このブロッキング性材料のドーピングによ
り、混合領域407におけるキャリアの再結合率が向上
し、分子励起子の拡散も防げるため、発光効率が向上す
ると考えられる。
【0053】なお、ブロッキング性材料409は混合領域4
07全域に渡りドープしてもよいが、ブロッキング性材料
は通常、正孔ないしは電子の片方をブロックする機能を
有する場合が多いため、混合領域内全域にドープしてし
まうと、混合領域内のキャリアバランスを崩すこともあ
る。したがって、ブロッキング性材料をドープする領域
は、混合領域内の全域ではなく、一部(特に端部)であ
ってもよい。
【0054】特に、ブロッキング性材料409が正孔ブロ
ッキング性を有する場合は、図4(b)のように、三重項
発光材料408をドープしている領域よりも陰極側に正孔
ブロッキング性材料をドープすれば、効率よく発光する
ことになる。
【0055】ところで、正孔輸送材料および電子輸送材
料の両方を含む混合領域内において、陽極から陰極への
方向に対し、正孔輸送材料の濃度は徐々に減少し、か
つ、電子輸送材料の濃度は徐々に増加するような濃度勾
配を形成することが、キャリアバランス制御の観点から
好ましい。また、本発明において、混合領域はキャリア
の再結合領域でもあるため、10nm以上の厚みがあること
が望ましい。
【0056】ところで、ここまでは正孔輸送材料と電子
輸送材料とからなる混合領域に三重項発光材料をドープ
する素子構造により、有機界面を排除しなおかつ機能発
現させているが、図1のような従来の積層構造を元に、
その積層構造における有機界面部分において混合領域を
設ける手段も有効である。その概念図を図5に示す。
【0057】図5は、基板501上に、陽極502、正孔注入
材料からなる正孔注入領域503、正孔輸送材料からなる
正孔輸送領域504、三重項発光材料がドープされたホス
ト材料を有する発光領域505、ブロッキング性材料から
なるブロッキング領域506、電子輸送材料からなる電子
輸送領域507、電子注入材料からなる電子注入領域508、
陰極509が設けてある有機発光素子である。本発明では
全ての領域503〜508を用いる必要はなく、最低限、領域
504〜507が存在すればよいが、便宜上全ての領域を図示
した。なお、ここでは基板501上に陽極502を設けてある
が、陰極509の方を基板上に設ける逆の構造をとっても
よい。
【0058】この時、各領域間511〜515のいずれかは、
上下の領域に用いている材料(例えば、領域間512であ
れば、正孔輸送材料とホスト材料)が混合されているこ
とを本発明の特徴とする。すなわち、言い換えれば、各
領域間511〜515には、図5では破線で示しているものの
実際に有機界面は存在せず、混合領域を設けてあると言
ってもよい。
【0059】このような三重項発光素子においても、有
機界面を形成することがないためキャリアの移動が潤滑
であり、素子寿命に悪影響を及ぼすことがなくなる。さ
らに、積層構造と同様に機能分離されているため、発光
効率の点でも問題はない。
【0060】以上で述べたように、従来の積層構造が異
種物質間の単なる接合(hetero-junction)であるのに
対し、図4および図5で例示するような本発明の構造は
いわば混合接合(mixed-junction)であり、新しい概念
に基づく有機発光素子であると言える。
【0061】また、図4、図5のような概念の三重項発
光素子に対し、赤色の三重項発光材料を用いることで、
従来よりも発光効率が高く、寿命が長い赤色の有機発光
素子を提供することができる。そして、このような赤色
の三重項発光素子と、緑色および青色の一重項発光素子
とを用いることにより、従来よりも光の三原色のバラン
スがよい上に消費電力が低く、なおかつ色のばらつきの
経時変化が小さい表示装置を作製することができる。
【0062】さらに、上記表示装置において、緑色およ
び青色の一重項発光素子に関しても、従来の積層構造で
はなく、本発明で開示したような混合接合を実施するこ
とが好ましい。すなわち、図4や図5において、ドープ
する三重項発光材料を緑色ないしは青色の一重項発光材
料に置き換えるか、または何もドープせずキャリア輸送
材料を発光(緑色ないしは青色を発光する材料を選択す
る)させればよい。
【0063】なお、本発明において表示装置とは、発光
素子として有機発光素子を用いた画像表示デバイスを指
す。また、有機発光素子にコネクター、例えば異方導電
性フィルム(FPC:Flexible printed circuit)もしく
はTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP
(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュー
ル、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられた
モジュール、または有機発光素子にCOG(Chip On Glas
s)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュ
ールも全て表示装置に含むものとする。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。有機発光素子は発光
を取り出すために少なくとも陽極または陰極の一方が透
明であればよいが、本実施の形態では、基板上に透明な
陽極を形成し、陽極から光を取り出す素子構造で記述す
る。実際は、基板上に透明な陰極を形成して陰極から光
を取り出す構造や、基板とは逆側から光を取り出す構造
も本発明に適用可能である。
【0065】本発明を実施するに当たり、不純物層の形
成を防ぐため、有機発光素子を作製する製造工程が重要
になる。そこでまず、本発明で開示した、混合領域を有
する三重項発光素子の作製方法について、混合領域の形
成を中心に述べる。
【0066】図7(a)は、蒸着装置の上面図であるが、
蒸着室として一つの真空槽710を設置し、その真空槽内
に複数の蒸着源を設けてある、シングルチャンバー方式
である。そして、正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸
送材料、電子注入材料、ブロッキング性材料、発光材
料、陰極の構成材料など、各種機能の異なる材料がそれ
ぞれ前記複数の蒸着源に別々に収納されている。
【0067】このような蒸着室を有する蒸着装置におい
ては、まず、搬入室に陽極(ITOなど)を有する基板を
搬入し、陽極がITOのような酸化物である場合、前処理
室にて酸化処理を行う(なお、図7(a)では図示してい
ないが、陽極表面をクリーニングするために紫外線照射
室を設置することも可能である)。さらに、有機発光素
子を形成する全ての材料は、真空槽710内において蒸着
される。ただし陰極は、この真空槽710内で形成しても
よいし、別に蒸着室を設けてそこで陰極を形成してもよ
い。要は、陰極を形成するまでの間を、一つの真空槽71
0内で蒸着すればよい。最後に、封止室にて封止を行
い、搬出室から取り出して有機発光素子を得る。
【0068】このようなシングルチャンバー方式の蒸着
装置を用いて本発明の三重項発光素子を作製する手順
を、図7(b)(真空槽710の断面図)を用いて説明する。
図7(b)では、最も簡単な例として、三つの蒸着源(有
機化合物蒸着源a716、有機化合物蒸着源b717および有機
化合物蒸着源c718)を有する真空槽710を用い、正孔輸
送材料721、電子輸送材料722および三重項発光材料723
からなる有機化合物膜を形成する過程を示す。
【0069】まず、真空槽710内に、陽極702を有する基
板701を搬入し、固定台711にて固定する(蒸着時には通
常、基板は回転させる)。次に、真空槽710内を減圧
(10-4パスカル以下が好ましい)した後、容器a712を
加熱し、正孔輸送材料721を蒸発させ、所定の蒸着レー
ト(単位:[Å/s])に達してからシャッターa714を開
け、蒸着を開始する。この時、シャッターb715を閉じた
まま、容器b713も加熱しておく。
【0070】その後、シャッターa714を開いたまま、シ
ャッターb715を開けることによって、電子輸送材料722
を共蒸着し、正孔輸送領域603の後に混合領域604を形成
する。この操作により、正孔輸送領域703と混合領域704
との間には、不純物層が混入しない。なお、この混合領
域704形成の際、微量の三重項発光材料723もドープして
おく(図7(b)で示した状態)。
【0071】さらに電子輸送領域を形成するため、シャ
ッターb715を開けたままシャッターa714を閉じ、容器a7
12の加熱を終了する。この操作により、混合領域604と
電子輸送領域との間には、不純物層が形成されない。
【0072】なお、正孔注入領域または電子注入領域を
形成する場合でも、各注入材料の蒸着源を同一の真空槽
710内に設置すればよい。例えば図7(b)において、陽極
702と正孔輸送領域703の間に正孔注入領域を設ける場合
は、陽極702上に正孔注入材料を蒸着した後、インター
バルをおかずにすぐ正孔輸送材料721を蒸発させること
で、不純物層の形成を避けることができる。
【0073】ここで、有機化合物蒸着源a716、有機化合
物蒸着源b717、有機化合物蒸着源c718の具体的な形状を
図21に示す。蒸着源の形状としては、セルを用いるタ
イプや導電性の発熱体を用いるタイプなどがあるが、図
21では導電性の発熱体を用いるタイプを示す。すなわ
ち、容器a712、容器b713、および容器c2111を導電性の
発熱体とし、正孔輸送材料721が入った容器a712を電極a
2101に、電子輸送材料722が入った容器b713を電極b2102
に、三重項発光材料723が入った容器c2111を電極c2103
に、それぞれ挟み込み、通電することにより容器a712、
容器b713、および容器c2111を加熱して蒸着する。ここ
では、有機化合物蒸着源c718に対するシャッターc2112
も図示した。
【0074】以上で述べた方法を応用すれば、課題を解
決するための手段で述べた有機発光素子は、全て作製可
能である。例えば、図5のように、各領域間に混合領域
を設ける場合においても、同様の共蒸着で可能である。
この場合も、インターバルが存在しないため、不純物層
の形成を避けることができる。さらに、一重項発光素子
に混合領域を設ける場合も、同様の手法で作製できる。
【0075】次に、表示装置を作製する際の各画素の蒸
着手順を、模式図にて図8および図9に示す。図8は、
表示装置を作製できる蒸着装置の一例である。一見、図
3で示した蒸着装置と同様に見えるが、大きく異なる点
がある。それは、積層構造の各層ごと(すなわち材料ご
と)に蒸着室が分かれている図3の蒸着装置とは違い、
各色(赤色、緑色、青色)の画素の形成ごとに蒸着室が
分かれているのであり、一つの蒸着室内(801または802
または803)には、ある色の画素を形成するための全て
の材料(陰極材料を除く)の蒸着源が設置されているこ
とである。
【0076】重要なのは、ある色の画素に関して、陰極
を形成するまでの間、インターバルをおかずにすべての
機能材料(正孔輸送材料や電子輸送材料など)を蒸着し
てしまい、不純物層の形成を防ぐことである。なお陰極
は、陰極の蒸着室804にて、最後に共通して成膜すれば
よい。
【0077】この場合、陰極と電子輸送領域(あるいは
電子注入領域)との間に不純物層が形成されてしまう
が、陰極を蒸着する際は、陰極材料はある程度電子輸送
領域(あるいは電子注入領域)にスパッタリングのよう
に打ち込まれる。この効果により不純物層は排除される
ため、問題には至らない。無論、各蒸着室(801〜803)
において、陰極まで成膜してしまってもよい。
【0078】各色の画素の塗り分けは、公知の技術であ
るシャドウマスクを用いる。その様子を図9に示す。ま
ず、図9(a)のような、透明電極(陽極)902が土手状の
構造903によって赤色の画素911、緑色の画素912、青色
の画素913、に分割されている基板901を、赤色画素の蒸
着室801に搬入して赤色画素の有機化合物膜904(正孔注
入領域ないしは電子注入領域はあってもなくてもよい
が、ここでは省略する)を形成する。その際、他の色の
画素(青色画素および緑色画素)に材料が混入しないよ
うに、パターニングされているメタルマスク914にて基
板を覆う(図9(b))。
【0079】次に、基板を緑色画素の蒸着室802に搬入
し、緑色画素の有機化合物膜905を形成するが、メタル
マスク914は先ほどとずれた位置にあり、他の画素に材
料が混入しないようになっている(図9(c))。青色画
素の有機化合物膜906の形成に関しても同様である(図
9(d))。最後に、陰極の蒸着室804において、陰極907
を共通で成膜する(図9(e))。
【0080】なお、各色の画素の有機化合物膜を形成す
る順序は、いかなる順序でもよい。上記表示装置の作製
方法では、赤色、緑色、青色の順に形成した。
【0081】以下では、正孔注入材料、正孔輸送材料、
電子輸送材料、電子注入材料、ブロッキング性材料、発
光材料、陰極の構成材料などに好適な材料を列挙する。
ただし、本発明の有機発光素子に用いる材料は、これら
に限定されない。
【0082】正孔注入材料としては、有機化合物であれ
ばポルフィリン系の化合物が有効であり、フタロシアニ
ン(以下、「H2Pc」と記す)、銅フタロシアニン(以
下、「CuPc」と記す)などがある。導電性高分子化合物
に化学ドーピングを施した材料もあり、ポリスチレンス
ルホン酸(以下、「PSS」と記す)をドープしたポリエ
チレンジオキシチオフェン(以下、「PEDOT」と記す)
や、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール(以下、
「PVK」と記す)などが挙げられる。また、絶縁体の高
分子化合物も陽極の平坦化の点で有効であり、ポリイミ
ド(以下、「PI」と記す)がよく用いられる。さらに、
無機化合物も用いられ、金や白金などの金属薄膜の他、
酸化アルミニウム(以下、「アルミナ」と記す)の超薄
膜などがある。
【0083】正孔輸送材料として最も広く用いられてい
るのは、芳香族アミン系(すなわち、ベンゼン環−窒素
の結合を有するもの)の化合物である。広く用いられて
いる材料として、先に述べたTPDの他、その誘導体であ
る4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニ
ル−アミノ]−ビフェニル(以下、「α−NPD」と記
す)や、4,4',4''−トリス(N,N−ジフェニル
−アミノ)−トリフェニルアミン(以下、「TDATA」と
記す)、4,4',4''−トリス[N−(3−メチルフ
ェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミ
ン(以下、「MTDATA」と記す)などのスターバースト型
芳香族アミン化合物が挙げられる。
【0084】電子輸送材料としては、金属錯体がよく用
いられ、先に述べたAlq3、トリス(4−メチル−8−キ
ノリノラト)アルミニウム(以下、「Almq3」と記
す)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナ
ト)ベリリウム(以下、「BeBq2」と記す)などのキノ
リン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体
や、混合配位子錯体であるビス(2−メチル−8−キノ
リノラト)−(4−ヒドロキシ−ビフェニリル)−アル
ミニウム(以下、「BAlq」と記す)などがある。また、
ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサ
ゾラト]亜鉛(以下、「Zn(BOX)2」と記す)、ビス[2
−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜
鉛(以下、「Zn(BTZ)2」と記す)などのオキサゾール
系、チアゾール系配位子を有する金属錯体もある。さら
に、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5
−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール(以下、「PBD」と記す)、1,3−ビス
[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オ
キサジアゾール−2−イル]ベンゼン(以下、「OXD−
7」と記す)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4
−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−
ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(以下、
「TAZ」と記す)、3−(4−tert−ブチルフェニル)
−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリ
ル)−1,2,4−トリアゾール(以下、「p-EtTAZ」
と記す)などのトリアゾール誘導体、バソフェナントロ
リン(以下、「BPhen」と記す)・バソキュプロイン
(以下、「BCP」と記す)などのフェナントロリン誘導
体が電子輸送性を有する。
【0085】電子注入材料としては、上で述べた電子輸
送材料を用いることができる。その他に、フッ化リチウ
ムなどのアルカリ金属ハロゲン化物や、酸化リチウムな
どのアルカリ金属酸化物のような絶縁体の、超薄膜がよ
く用いられる。また、リチウムアセチルアセトネート
(以下、「Li(acac)」と記す)や8−キノリノラト−リ
チウム(以下、「Liq」と記す)などのアルカリ金属錯
体も有効である。
【0086】ブロッキング性材料としては、上で述べた
BAlq、OXD−7、TAZ、p-EtTAZ、BPhen、BCPなどが、励起
エネルギーレベルが大きいため有効である。
【0087】赤色の三重項発光材料としては、2,3,
7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21
H,23H−ポルフィリン−白金(以下、「PtOEP」と
記す)、ビス[2−(2−ピリジル)−ベンゾ[b]チ
オフェン]−アセチルアセトナト−イリジウム(以下、
「Ir(btp)2(acac)」と記す)などが知られている。
【0088】
【実施例】[実施例1]本実施例では、図4(a)で示し
た有機発光素子において、陰極404と有機化合物膜403と
の間に電子注入材料からなる電子注入領域を挿入した有
機発光素子を、具体的に例示する。
【0089】まず、ITOをスパッタリングによって100nm
程度成膜し、陽極402を形成したガラス基板401を用意す
る。この陽極402を有するガラス基板401を、図7におい
て示したような真空槽内に搬入する。本実施例では、5
種類の材料(4種類は有機化合物であり、1種類は陰極
となる金属)を蒸着するため、5つの蒸着源が必要とな
る。
【0090】まず、正孔輸送材料であるα−NPDを3Å/
sの蒸着レートで蒸着し、40nmの正孔輸送領域を形成す
る。その後、α−NPDの蒸着レートは3Å/sに固定した
まま、電子輸送材料であるBAlq2の蒸着も3Å/sにて開
始する。すなわち、α−NPDと Alq3のレート比が1:1
となるような混合領域407を、共蒸着にて形成すること
になる。
【0091】混合領域407は30nm形成するが、この時、
混合領域407における中間の20nm(つまり、混合領域30n
mのうち、5nm〜25nmの間)は、赤色の三重項発光材料で
あるPtOEPを、発光材料408として4wt%の割合でドープし
ておく。α−NPDおよびBAlq2は高い励起エネルギーレベ
ルを有するため、本実施例の場合は図4(b)のようなブ
ロッキング材料409は必要ない。
【0092】混合領域407が30nmに達した後、α−NPDの
方は蒸着を終了し、BAlq2のみ引き続き蒸着し続けるこ
とで、電子輸送領域406を形成する。厚さは10nmとす
る。さらに、BAlq2の蒸着を終了すると同時に、インタ
ーバルをおかずに、電子注入材料であるAlq3の蒸着を開
始して40nm程度蒸着する。インターバルをおかない理由
は、先に述べたように、不純物層の形成を防ぐためであ
る。最後に、陰極としてAl:Li合金を150nm程度蒸着する
ことにより、PtOEPに由来する赤色発光の三重項発光素
子を得る。
【0093】[実施例2]本実施例では、図5で示した
有機発光素子を、具体的に例示する。
【0094】まず、ITOをスパッタリングによって100nm
程度成膜し、陽極502を形成したガラス基板501を用意す
る。この陽極502を有するガラス基板501を、図6におい
て示したような真空槽内に搬入する。本実施例では、8
種類の材料(7種類は有機化合物であり、1種類は陰極
となる金属)を蒸着するため、8つの蒸着源が必要とな
る。
【0095】まず、正孔注入材料であるCuPcを10nm蒸着
して正孔注入領域503を形成した後、CuPcを蒸発させた
まま正孔輸送材料であるα−NPDの蒸着を開始すること
で、CuPcとα−NPDとからなる混合領域511を形成する。
混合領域511は10nmとする。
【0096】次に、CuPcの蒸着を中止し、α−NPDのみ
を30nm蒸着して正孔輸送領域504を形成する。その後、
α−NPDを蒸発させたままホスト材料であるCBPの蒸着を
開始することで、α−NPDとCBPとからなる混合領域512
を形成する。混合領域512は10nmとする。
【0097】次に、α−NPDの蒸着を中止し、CBPを20nm
蒸着して発光領域505を形成する。発光領域505を形成中
は、赤色の三重項発光材料としてPtOEPを4wt%ドープす
る。その後、PtOEPの蒸発は終了するが、CBPは蒸発させ
たままブロッキング性材料であるBCPの蒸着を開始する
ことで、CBPとBCPとからなる混合領域513を形成する。
混合領域513は5nmとする。
【0098】次に、CBPの蒸着を中止し、BCPを10nm蒸着
してブロッキング領域506を形成する。その後、BCPを蒸
発させたまま電子輸送材料であるAlq3の蒸着を開始する
ことで、BCPとAlq3とからなる混合領域514を形成する。
混合領域514は5nmとする。
【0099】次に、BCPの蒸着を中止し、Alq3を40nm蒸
着して電子輸送領域507を形成する。Alq3の蒸着を終了
すると同時に、インターバルをおかずに、電子注入材料
であるLi(acac)の蒸着を開始して2nm程度蒸着する。イ
ンターバルをおかない理由は、先に述べたように、不純
物層の形成を防ぐためである。
【0100】最後に、陰極としてアルミニウムを150nm
程度蒸着することにより、PtOEPに由来する赤色発光の
三重項発光素子を得る。
【0101】[実施例3]本実施例では、図9で示した
ような表示装置の各画素の構成を、具体的に例示する。
蒸着装置としては図8に示すような蒸着装置を用い、各
画素を形成する。なお、以下では図8および図9の符号
を引用する。
【0102】まず、図9(a)に示したような基板を赤色
画素の蒸着室801に搬入し、図10(a)のような赤色の三
重項発光素子を作製する。ここでは、CuPcは正孔注入材
料、α−NPDは正孔輸送材料、BAlq2は電子輸送材料、Al
q3は電子注入材料である。PtOEPは、α−NPDとBAlq2
からなる混合領域にドープするが、その重量比率は、α
−NPD:BAlq2:PtOEP=20:80:4とする。なお、C
uPcとα−NPDとの間、およびBAlq2とAlq3との間は、イ
ンターバルが生じないように留意し、不純物層の形成を
防ぐ。
【0103】次に、緑色画素の蒸着室802に基板を搬入
し、図10(b)のような混合領域を有する緑色の一重項
発光素子を作製する。ここでは、CuPcは正孔注入材料、
α−NPDは正孔輸送材料、Alq3は電子輸送材料かつ発光
材料である。混合領域における重量比率は、α−NPD:A
lq3=50:50とする。なお、CuPcとα−NPDとの間
は、インターバルが生じないように留意し、不純物層の
形成を防ぐ。
【0104】さらに、青色画素の蒸着室803に基板を搬
入し、図10(c)のような混合領域を有する青色の一重
項発光素子を作製する。ここでは、CuPcは正孔注入材
料、α−NPDは正孔輸送材料かつ発光材料、BAlq2は電子
輸送材料、Alq3は電子注入材料である。混合領域におけ
る重量比率は、α−NPD:BAlq2=20:80とする。な
お、CuPcとα−NPDとの間、およびBAlq2とAlq3との間
は、インターバルが生じないように留意し、不純物層の
形成を防ぐ。
【0105】最後に、陰極としてAl:Li合金を150nm程度
蒸着することにより、PtOEPに由来する赤色発光の画
素、Alq3に由来する緑色発光の画素、α−NPDに由来す
る青色発光の画素を用いたフルカラーの表示装置が可能
となる。
【0106】[実施例4]本実施例では、実施例3のよ
うなフルカラーの表示装置の全体的な構造について説明
する。図11は本発明の有機発光素子を用いたアクティ
ブマトリクス型表示装置の断面図である。なお、能動素
子としてここでは薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と
記す)を用いているが、MOSトランジスタを用いてもよ
い。
【0107】また、TFTとしてトップゲート型TFT(具体
的にはプレーナ型TFT)を例示するが、ボトムゲート型T
FT(典型的には逆スタガ型TFT)を用いることもでき
る。
【0108】図11において、1101は基板であり、ここ
では可視光を透過する基板を用いる。具体的には、ガラ
ス基板、石英基板、結晶化ガラス基板もしくはプラスチ
ック基板(プラスチックフィルムを含む)を用いればよ
い。なお、基板1101とは、表面に設けた絶縁膜も含める
ものとする。
【0109】基板1101の上には画素部1111および駆動回
路1112が設けられている。まず、画素部1111について説
明する。
【0110】画素部1111は画像表示を行う領域である。
基板上には複数の画素が存在し、各画素には有機発光素
子に流れる電流を制御するためのTFT(以下、「電流制
御TFT」と記す)1102、画素電極(陽極)1103、有機化
合物膜1104および陰極1105が設けられている。なお、図
11では電流制御TFTしか図示していないが、電流制御T
FTのゲートに加わる電圧を制御するためのTFT(以下、
「スイッチングTFT」と記す)を設けている。
【0111】電流制御TFT1102は、ここではpチャネル型
TFTを用いることが好ましい。nチャネル型TFTとするこ
とも可能であるが、図11のように有機発光素子の陽極
に電流制御TFTを接続する場合は、pチャネル型TFTの方
が消費電力を押さえることができる。ただし、スイッチ
ングTFTはnチャネル型TFTでもpチャネル型TFTでもよ
い。
【0112】また、電流制御TFT1102のドレインには画
素電極1103が電気的に接続されている。本実施例では、
画素電極1103の材料として仕事関数が4.5〜5.5eVの導電
性材料を用いるため、画素電極1103は有機発光素子の陽
極として機能する。画素電極1103として代表的には、酸
化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛もしくはこれらの化合
物(ITOなど)を用いればよい。画素電極1103の上には
有機化合物膜1104が設けられている。
【0113】さらに、有機化合物膜1104の上には陰極11
05が設けられている。陰極1105の材料としては、仕事関
数が2.5〜3.5eVの導電性材料を用いることが望ましい。
陰極1105として代表的には、アルカリ金属元素もしくは
アルカリ度類金属元素を含む導電膜、アルミニウムを含
む導電膜、あるいはその導電膜にアルミニウムや銀など
を積層したもの、を用いればよい。
【0114】また、画素電極1103、有機化合物膜1104、
および陰極1105からなる層は、保護膜1106で覆われてい
る。保護膜1106は、有機発光素子を酸素および水から保
護するために設けられている。保護膜1106の材料として
は、窒化珪素、窒化酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化
タンタル、もしくは炭素(具体的にはダイヤモンドライ
クカーボン)を用いる。
【0115】次に、駆動回路1112について説明する。駆
動回路1112は画素部1111に伝送される信号(ゲート信号
およびデータ信号)のタイミングを制御する領域であ
り、シフトレジスタ、バッファ、ラッチ、アナログスイ
ッチ(トランスファゲート)もしくはレベルシフタが設
けられている。図11では、これらの回路の基本単位と
してnチャネル型TFT1107およびpチャネル型TFT1108から
なるCMOS回路を示している。
【0116】なお、シフトレジスタ、バッファ、ラッ
チ、アナログスイッチ(トランスファゲート)もしくは
レベルシフタの回路構成は、公知のものでよい。また図
11では、同一の基板上に画素部1111および駆動回路11
12を設けているが、駆動回路1112を設けずにICやLSIを
電気的に接続することもできる。
【0117】また、図11では電流制御TFT1102に画素
電極(陽極)1103が電気的に接続されているが、陰極が
電流制御TFTに接続された構造をとることもできる。そ
の場合、画素電極を陰極1105と同様の材料で形成し、陰
極を画素電極(陽極)1103と同様の材料で形成すればよ
い。その場合、電流制御TFTはnチャネル型TFTとするこ
とが好ましい。
【0118】ところで、図11に示した表示装置は、画
素電極1103を形成した後に配線1109を形成する工程で作
製されたものを示してあるが、この場合、画素電極1103
が表面荒れを起こす可能性がある。有機発光素子は電流
駆動型の素子であるため、画素電極1103の表面荒れによ
り、特性が悪くなることも考えられる。
【0119】そこで、図12に示すように、配線1209を
形成した後に画素電極1203を形成する表示装置も考えら
れる。この場合、図11の構造に比べて、画素電極1203
からの電流の注入性が向上すると考えられる。
【0120】また、図11および図12においては、正
テーパー型の土手状構造1110または1210によって、画素
部1111または1211に設置されている各画素を分離してい
る。この土手状構造を、例えば逆テーパー型のような構
造にすることにより、土手状構造が画素電極に接しない
構造をとることもできる。その一例を図13に示す。
【0121】図13では、配線を利用して分離部を兼ね
た、配線および分離部1310を設けた。図13で示される
ような配線および分離部1310の形状(ひさしのある構
造)は、配線を構成する金属と、前記金属よりもエッチ
レートの低い材料(例えば金属窒化物)とを積層し、エ
ッチングすることにより形成することができる。この形
状により、画素電極1303や配線と、陰極1305とが、ショ
ートすることを防ぐことができる。なお、図13におい
ては、通常のアクティブマトリクス型の表示装置と異な
り、画素上の陰極1305をストライプ状(パッシブマトリ
クスの陰極と同様)にする構造になる。
【0122】ここで、図12に示したアクティブマトリ
クス型表示装置の外観を図14に示す。なお、図14
(a)には上面図を示し、図14(b)には図14(a)をP−P'
で切断した時の断面図を示す。また、図12の符号を引
用する。
【0123】図14(a)において、1401は画素部、1402
はゲート信号側駆動回路、1403はデータ信号側駆動回路
である。また、ゲート信号側駆動回路1402およびデータ
信号側駆動回路1403に伝送される信号は、入力配線1404
を介してTAB(Tape AutomatedBonding)テープ1405から
入力される。なお、図示しないが、TABテープ1405の代
わりに、TABテープにIC(集積回路)を設けたTCP(Tape
Carrier Package)を接続してもよい。
【0124】このとき、1406は図12に示した表示装置
の上方に設けられるカバー材であり、樹脂からなるシー
ル材1407により接着されている。カバー材1406は酸素お
よび水を透過しない材質であれば、いかなるものを用い
てもよい。本実施例では、カバー材1406は図14(b)に
示すように、プラスチック材1406aと、前記プラスチッ
ク材1406aの表面および裏面に設けられた炭素膜(具体
的にはダイヤモンドライクカーボン膜)1406b、1406cか
らなる。
【0125】さらに、図14(b)に示すように、シール
材1407は樹脂からなる封止材1408で覆われ、有機発光素
子を完全に密閉空間1409に封入するようになっている。
密閉空間1409は不活性ガス(代表的には窒素ガスや希ガ
ス)、樹脂または不活性液体(例えばパーフルオロアル
カンに代表される液状のフッ素化炭素)を充填しておけ
ばよい。さらに、吸湿剤や脱酸素剤を設けることも有効
である。
【0126】また、本実施例に示した表示装置の表示面
(画像を観測する面)に偏光板をもうけてもよい。この
偏光板は、外部から入射した光の反射を押さえ、観測者
が表示面に映り込むことを防ぐ効果がある。一般的に
は、円偏光板が用いられている。ただし、有機化合物膜
から発した光が偏光板により反射されて内部に戻ること
を防ぐため、屈折率を調節して内部反射の少ない構造と
することが好ましい。
【0127】なお、本実施例の表示装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0128】[実施例5]本実施例では、本発明で開示
した有機発光素子を含む表示装置の例として、パッシブ
マトリクス型表示装置を例示する。図15(a)にはその
上面図を示し、図15(b)には図15(a)をP−P'で切断
した時の断面図を示す。
【0129】図15(a)において、1501は基板であり、
ここではプラスチック材を用いる。プラスチック材とし
ては、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、PES(ポリエチレンサルファイル)、PC(ポリ
カーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)
もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)を板状、も
しくはフィルム上にしたものが使用できる。
【0130】1502は酸化導電膜からなる走査線(陽極)
であり、本実施例では酸化亜鉛に酸化ガリウムを添加し
た酸化物導電膜を用いる。また、1503は金属膜からなる
データ線(陰極)であり、本実施例ではビスマス膜を用
いる。また、1504はアクリル樹脂からなるバンクであ
り、データ線1503を分断するための隔壁として機能す
る。走査線1502とデータ線1503は両方とも、ストライプ
状に複数形成されており、互いに直交するように設けら
れている。なお、図15(a)では図示していないが、走
査線1502とデータ線1503の間には有機化合物膜が挟まれ
ており、交差部1505が画素となる。
【0131】そして、走査線1502およびデータ線1503は
TABテープ1507を介して外部の駆動回路に接続される。
なお、1508は走査線1502が集合してなる配線群を表して
おり、1509はデータ線1503に接続された接続配線1506の
集合からなる配線群を表す。また、図示していないが、
TABテープ1507の代わりに、TABテープにICを設けたTCP
を接続してもよい。
【0132】また、図15(b)において、1510はシール
材、1511はシール材1510によりプラスチック材1501に貼
り合わされたカバー材である。シール材1510としては光
硬化樹脂を用いていればよく、脱ガスが少なく、吸湿性
の低い材料が望ましい。カバー材としては基板1501と同
一の材料が好ましく、ガラス(石英ガラスを含む)もし
くはプラスチックを用いることができる。ここではプラ
スチック材を用いる。
【0133】次に、画素領域1512の構造の拡大図を図1
5(c)に示す。1513は有機化合物膜である。なお、図1
5(c)に示すように、バンク1504は下層の幅が上層の幅
よりも狭い形状になっており、データ線1503を物理的に
分断できる。また、シール材1510で囲まれた画素部1514
は、樹脂からなる封止材1515により外気から遮断され、
有機化合物膜の劣化を防ぐ構造となっている。
【0134】以上のような構成からなる本発明の表示装
置は、画素部1514が走査線1502、データ線1503、バンク
1504および有機化合物膜1513で形成されるため、非常に
簡単なプロセスで作製することができる。
【0135】また、本実施例に示した表示装置の表示面
(画像を観測する面)に偏光板をもうけてもよい。この
偏光板は、外部から入射した光の反射を押さえ、観測者
が表示面に映り込むことを防ぐ効果がある。一般的に
は、円偏光板が用いられている。ただし、有機化合物膜
から発した光が偏光板により反射されて内部に戻ること
を防ぐため、屈折率を調節して内部反射の少ない構造と
することが好ましい。
【0136】なお、本実施例の表示装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0137】[実施例6]本実施例では、実施例5で示
した表示装置にプリント配線板を設けてモジュール化し
た例を示す。
【0138】図16(a)に示すモジュールは、基板1601
(ここでは、画素部1602、配線1603a、1603bを含む)に
TABテープ1604が取り付けられ、前記TABテープ1604を介
してプリント配線板1605が取り付けられている。
【0139】ここで、プリント配線板1605の機能ブロッ
ク図を図16(b)に示す。プリント配線板1605の内部に
は少なくともI/Oポート(入力もしくは出力部)1606、
1609、データ信号側駆動回路1607およびゲート信号側回
路1608として機能するICが設けられている。
【0140】このように、基板面に画素部が形成された
基板にTABテープが取り付けられ、そのTABテープを介し
て駆動回路としての機能を有するプリント配線版が取り
付けられた構成のモジュールを、本明細書では特に駆動
回路外付け型モジュールと呼ぶことにする。
【0141】なお、本実施例の表示装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0142】[実施例7]本実施例では、実施例4もし
くは実施例5に示した表示装置にプリント配線板を設け
てモジュール化した例を示す。
【0143】図17(a)に示すモジュールは、基板1701
(ここでは、画素部1702、データ信号側駆動回路1703、
ゲート信号側駆動回路1704、配線1703a、 1704aを含
む)にTABテープ1705が取り付けられ、そのTABテープ17
05を介してプリント配線板1706が取り付けられている。
プリント配線板1706の機能ブロック図を図17(b)に示
す。
【0144】図17(b)に示すように、プリント配線板1
706の内部には少なくともI/Oポート1707、 1710、コン
トロール部1708として機能するICが設けられている。な
お、ここではメモリ部1709を設けてあるが、必ずしも必
要ではない。またコントロール部1708は、駆動回路の制
御、映像データの補正などをコントロールするための機
能を有した部位である。
【0145】このように、有機発光素子の形成された基
板にコントローラーとしての機能を有するプリント配線
板が取り付けられた構成のモジュールを、本明細書では
特にコントローラー外付け型モジュールと呼ぶことにす
る。
【0146】なお、本実施例の表示装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0147】[実施例8]本実施例では、実施例1ない
しは実施例2で示したような三重項発光素子を、デジタ
ル時間階調表示により駆動する表示装置の構成例を示
す。本実施例の表示装置は、三重項励起状態からの発光
を利用することによって高い発光効率を達成できると同
時に、デジタル時間階調表示により均一な像を得ること
ができ、非常に有用である。
【0148】有機発光素子を用いた画素の、回路構成を
図18(a)に示す。Trはトランジスタ、Csはストレージ
キャパシタを表す。この回路においては、ゲート線が選
択されると、電流がソース線からTr1に流れ、その信号
に対応する電圧がCsに蓄積される。そして、Tr2のゲー
トおよびソース間の電圧(Vgs)により制御される電流
が、Tr2および有機発光素子に流れることになる。
【0149】Tr1が選択されたあとは、Tr1はオフ状態と
なり、Csの電圧(Vgs)が保持される。したがって、Vgs
に依存するだけの電流を流し続けることができる。
【0150】このような回路を、デジタル時間階調表示
により駆動するチャートを図18(b)に示す。すなわ
ち、1フレームを複数のサブフレームに分割するわけだ
が、図18(b)では、1フレームを6つのサブフレーム
に分割する6ビット階調とした。この場合、それぞれの
サブフレーム発光期間の割合は、32:16:8:4:
2:1となる。
【0151】本実施例におけるTFT基板の駆動回路の概
要を図18(c)に示す。ゲートドライバおよびソースド
ライバは同じ基板上に設けられている。本実施例では、
画素回路およびドライバは、デジタル駆動するように設
計されているため、TFT特性のばらつきの影響を受ける
ことなく、均一な像を得ることができる。
【0152】[実施例9]上記実施例で述べた本発明の
表示装置は、低消費電力で寿命が長いという利点を有す
る。したがって、前記表示装置が表示部等として含まれ
る電気器具は、従来よりも低い消費電力で動作可能であ
り、なおかつ長保ちする電気器具となる。特に電源とし
てバッテリーを使用する携帯機器のような電気器具に関
しては、低消費電力化が便利さに直結する(電池切れが
起こりにくい)ため、極めて有用である。
【0153】また、前記表示装置は、自発光型であるこ
とから液晶表示装置のようなバックライトは必要なく、
有機化合物膜の厚みも1μmに満たないため、薄型軽量
化が可能である。したがって、前記表示装置が表示部等
として含まれる電気器具は、従来よりも薄型軽量な電気
器具となる。このことも、特に携帯機器のような電気器
具に関して、便利さ(持ち運びの際の軽さやコンパクト
さ)に直結するため、極めて有用である。さらに、電気
器具全般においても、薄型である(かさばらない)こと
は運送面(大量輸送が可能)、設置面(部屋などのスペ
ース確保)からみても有用であることは疑いない。
【0154】なお、前記表示装置は自発光型であるため
に、液晶表示装置に比べて明るい場所での視認性に優
れ、しかも視野角が広いという特徴を持つ。したがっ
て、前記表示装置を表示部として有する電気器具は、表
示の見やすさの点でも大きなメリットがある。
【0155】すなわち、本発明の表示装置を用いた電気
器具は、薄型軽量・高視認性といった従来の有機発光素
子の長所に加え、低消費電力・長寿命という特長も保有
しており、極めて有用である。
【0156】本実施例では、本発明の表示装置を表示部
として含む電気器具を例示する。その具体例を図19お
よび図20に示す。なお、本実施例の電気器具に含まれ
る有機発光素子には、本発明で開示した素子のいずれを
用いてもよい。また、本実施例の電気器具に含まれる表
示装置の形態は、図11〜図18のいずれの形態を用い
ても良い。
【0157】図19(a)は有機発光素子を用いたディス
プレイであり、筐体1901a、支持台1902a、表示部1903a
を含む。本発明の表示装置を表示部1903aとして用いた
ディスプレイを作製することにより、薄く軽量で、長保
ちするディスプレイを実現できる。よって、輸送が簡便
になり、設置の際の省スペースが可能となる上に、寿命
も長い。
【0158】図19(b)はビデオカメラであり、本体190
1b、表示部1902b、音声入力部1903b、操作スイッチ1904
b、バッテリー1905b、受像部1906bを含む。本発明の表
示装置を表示部1902bとして用いたビデオカメラを作製
することにより、消費電力が少なく、軽量なビデオカメ
ラを実現できる。よって、電池の消費量が少なくなり、
持ち運びも簡便になる。
【0159】図19(c)はデジタルカメラであり、本体1
901c、表示部1902c、接眼部1903c、操作スイッチ1904c
を含む。本発明の表示装置を表示部1902cとして用いた
デジタルカメラを作製することにより、消費電力が少な
く、軽量なデジタルカメラを実現できる。よって、電池
の消費量が少なくなり、持ち運びも簡便になる。
【0160】図19(d)は記録媒体を備えた画像再生装
置であり、本体1901d、記録媒体(CD、LD、またはDVDな
ど)1902d、操作スイッチ1903d、表示部(A)1904d、表示
部(B)1905dを含む。表示部(A)1904dは主として画像情報
を表示し、表示部(B)1905dは主として文字情報を表示す
る。本発明の表示装置をこれら表示部(A)1904dや表示部
(B)1905dとして用いた前記画像再生装置を作製すること
により、消費電力が少なく軽量な上に、長保ちする前記
画像再生装置を実現できる。なお、この記録媒体を備え
た画像再生装置には、CD再生装置、ゲーム機器なども含
む。
【0161】図19(e)は携帯型(モバイル)コンピュ
ータであり、本体1901e、表示部1902e、受像部1903e、
操作スイッチ1904e、メモリスロット1905eを含む。本発
明の表示装置を表示部1902eとして用いた携帯型コンピ
ュータを作製することにより、消費電力が少なく、薄型
軽量な携帯型コンピュータを実現できる。よって、電池
の消費量が少なくなり、持ち運びも簡便になる。なお、
この携帯型コンピュータはフラッシュメモリや不揮発性
メモリを集積化した記録媒体に情報を記録したり、それ
を再生したりすることができる。
【0162】図19(f)はパーソナルコンピュータであ
り、本体1901f、筐体1902f、表示部1903f、キーボード1
904fを含む。本発明の表示装置を表示部1903fとして用
いたパーソナルコンピュータを作製することにより、消
費電力が少なく、薄型軽量なパーソナルコンピュータを
実現できる。特に、ノートパソコンのように持ち歩く用
途が必要な場合、電池の消費量や軽さの点で大きなメリ
ットとなる。
【0163】なお、上記電気器具はインターネットなど
の電子通信回線や電波などの無線通信を通じて配信され
る情報を表示することが多くなってきており、特に動画
情報を表示する機会が増えている。有機発光素子の応答
速度は非常に速く、そのような動画表示に好適である。
【0164】次に、図20(a)は携帯電話であり、本体2
001a、音声出力部2002a、音声入力部2003a、表示部2004
a、操作スイッチ2005a、アンテナ2006aを含む。本発明
の表示装置を表示部2004aとして用いた携帯電話を作製
することにより、消費電力が少なく、薄型軽量な携帯電
話を実現できる。よって、電池の消費量が少なくなり、
持ち運びも楽になる上にコンパクトな本体にできる。
【0165】図20(b)は音響機器(具体的には車載用
オーディオ)であり、本体2001b、表示部2002b、操作ス
イッチ2003b、2004bを含む。本発明の表示装置を表示部
2002bとして用いた音響機器を作製することにより、消
費電力が少なく、軽量な音響機器を実現できる。また、
本実施例では車載用オーディオを例として示すが、家庭
用オーディオに用いても良い。
【0166】なお、図19〜図20で示したような電気
器具において、さらに光センサを内蔵させ、使用環境の
明るさを検知する手段を設けることで、使用環境の明る
さに応じて発光輝度を変調させるような機能を持たせる
ことは有効である。使用者は、使用環境の明るさに比べ
てコントラスト比で100〜150の明るさを確保できれば、
問題なく画像もしくは文字情報を認識できる。すなわ
ち、使用環境が明るい場合は画像の輝度を上げて見やす
くし、使用環境が暗い場合は画像の輝度を抑えて消費電
力を抑えるといったことが可能となる。
【0167】
【発明の効果】本発明を実施することにより、赤色の三
重項発光素子の輝度低下を抑制し、素子寿命を長くする
ことができる。それにより、従来よりも発光効率が高
く、寿命が長い赤色の有機発光素子を提供することがで
きる。
【0168】また、このような赤色の三重項発光素子
と、青色および緑色の一重項発光素子とを用いることに
より、従来よりも光の三原色のバランスがよい上に消費
電力が低く、なおかつ色のばらつきの経時変化が小さい
表示装置を提供することができる。さらに、前記表示装
置を用いた電気器具を作製することにより、従来よりも
消費電力が低い上に表示部が鮮明で、時間がたっても表
示が色あせない電気器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の有機発光素子の構造を示す図。
【図2】有機化合物膜の状態を表す図。
【図3】蒸着装置の構成を示す図。
【図4】有機発光素子の構造を示す図。
【図5】有機発光素子の構造を示す図。
【図6】有機化合物膜の状態を表す図。
【図7】蒸着装置の構成を示す図。
【図8】蒸着装置の構成を示す図。
【図9】表示装置の形成の手順を示す図。
【図10】各画素の構成を示す図。
【図11】表示装置の断面構造を示す図。
【図12】表示装置の断面構造を示す図。
【図13】表示装置の断面構造を示す図。
【図14】表示装置の上面構造および断面構造を示す
図。
【図15】表示装置の上面構造および断面構造を示す
図。
【図16】表示装置の構成を示す図。
【図17】表示装置の構成を示す図。
【図18】表示装置の構成を示す図。
【図19】電気器具の具体例を示す図。
【図20】電気器具の具体例を示す図。
【図21】蒸着源の具体例を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/22 H05B 33/22 D Fターム(参考) 3K007 AB03 AB04 AB11 AB18 BA06 BB07 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA01 GA04 5C094 AA08 AA10 AA22 AA31 BA03 BA12 BA27 CA19 CA24 DA09 DA13 DB01 DB02 DB04 EA04 EA07 FA01 FA02 FB01 FB20

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極
    の間に設けられた有機化合物膜と、からなる有機発光素
    子において、前記有機化合物膜は、正孔輸送材料からな
    る正孔輸送領域と、電子輸送材料からなる電子輸送領域
    と、を含み、かつ、前記正孔輸送領域と前記電子輸送領
    域との間に、前記正孔輸送材料および前記電子輸送材料
    の両方を含む混合領域が設けられ、なおかつ、前記混合
    領域に三重項励起状態からの赤色発光を呈する材料が添
    加されていることを特徴とする有機発光素子。
  2. 【請求項2】陽極と、陰極と、前記陽極に接して設けら
    れた正孔注入領域と、前記正孔注入領域および前記陰極
    の間に設けられた有機化合物膜と、からなる有機発光素
    子において、前記有機化合物膜は、正孔輸送材料からな
    る正孔輸送領域と、電子輸送材料からなる電子輸送領域
    と、を含み、かつ、前記正孔輸送領域と前記電子輸送領
    域との間に、前記正孔輸送材料および前記電子輸送材料
    の両方を含む混合領域が設けられ、なおかつ、前記混合
    領域に三重項励起状態からの赤色発光を呈する材料が添
    加されていることを特徴とする有機発光素子。
  3. 【請求項3】陽極と、陰極と、前記陰極に接して設けら
    れた電子注入領域と、前記陽極および前記電子注入領域
    の間に設けられた有機化合物膜と、からなる有機発光素
    子において、前記有機化合物膜は、正孔輸送材料からな
    る正孔輸送領域と、電子輸送材料からなる電子輸送領域
    と、を含み、かつ、前記正孔輸送領域と前記電子輸送領
    域との間に、前記正孔輸送材料および前記電子輸送材料
    の両方を含む混合領域が設けられ、なおかつ、前記混合
    領域に三重項励起状態からの赤色発光を呈する材料が添
    加されていることを特徴とする有機発光素子。
  4. 【請求項4】陽極と、陰極と、前記陽極に接して設けら
    れた正孔注入領域と、前記陰極に接して設けられた電子
    注入領域と、前記正孔注入領域および前記電子注入領域
    の間に設けられた有機化合物膜と、からなる有機発光素
    子において、前記有機化合物膜は、正孔輸送材料からな
    る正孔輸送領域と、電子輸送材料からなる電子輸送領域
    と、を含み、かつ、前記正孔輸送領域と前記電子輸送領
    域との間に、前記正孔輸送材料および前記電子輸送材料
    の両方を含む混合領域が設けられ、なおかつ、前記混合
    領域に三重項励起状態からの赤色発光を呈する材料が添
    加されていることを特徴とする有機発光素子。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記
    載の有機発光素子において、前記三重項励起状態からの
    赤色発光を呈する発光材料が、前記混合領域内の一部に
    添加されていることを特徴とする有機発光素子。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記
    載の有機発光素子において、前記正孔輸送材料および前
    記電子輸送材料に比べて最高被占分子軌道と最低空分子
    軌道とのエネルギー差が大きいブロッキング性材料が、
    前記混合領域内に添加されていることを特徴とする有機
    発光素子。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記
    載の有機発光素子において、前記正孔輸送材料および前
    記電子輸送材料に比べて最高被占分子軌道と最低空分子
    軌道とのエネルギー差が大きいブロッキング性材料が、
    前記混合領域内の一部に添加されていることを特徴とす
    る有機発光素子。
  8. 【請求項8】請求項5に記載の有機発光素子において、
    前記正孔輸送材料および前記電子輸送材料に比べて最高
    被占分子軌道と最低空分子軌道とのエネルギー差が大き
    いブロッキング性材料が、前記混合領域内の一部に添加
    されており、かつ、前記三重項励起状態からの赤色発光
    を呈する材料が添加されている領域は、前記ブロッキン
    グ性材料が添加されている領域よりも前記陽極側に位置
    することを特徴とする有機発光素子。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記
    載の有機発光素子において、前記陽極から前記陰極への
    方向に対し、前記混合領域内の前記正孔輸送材料の濃度
    は減少し、前記混合領域内の前記電子輸送材料の濃度は
    増加していることを特徴とする有機発光素子。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項9のいずれか一項に
    記載の有機発光素子において、前記混合領域は、10ナ
    ノメートル以上、100ナノメートル以下の厚さである
    ことを特徴とする有機発光素子。
  11. 【請求項11】陽極と、陰極と、前記陽極に接して設け
    られた正孔注入領域と、前記正孔注入領域および前記陰
    極の間に設けられた有機化合物膜と、からなる、三重項
    励起状態からの赤色発光を呈する有機発光素子におい
    て、前記正孔注入領域と前記有機化合物膜との間に、前
    記正孔注入領域を構成する材料と、前記有機化合物膜を
    構成する材料と、からなる混合領域が形成されているこ
    とを特徴とする有機発光素子。
  12. 【請求項12】陽極と、陰極と、正孔輸送材料からなる
    正孔輸送領域と、三重項励起状態からの赤色発光を呈す
    る材料に対するホスト材料を含む発光領域と、を有する
    有機発光素子において、前記正孔輸送領域と前記発光領
    域との間に、前記正孔輸送材料と、前記ホスト材料と、
    からなる混合領域が形成されていることを特徴とする有
    機発光素子。
  13. 【請求項13】陽極と、陰極と、三重項励起状態からの
    赤色発光を呈する材料に対するホスト材料を含む発光領
    域と、前記ホスト材料に比べて最高被占分子軌道と最低
    空分子軌道とのエネルギー差が大きいブロッキング性材
    料からなるブロッキング領域と、を有する有機発光素子
    において、前記発光領域と前記ブロッキング領域との間
    に、前記ホスト材料と、前記ブロッキング性材料と、か
    らなる混合領域が形成されていることを特徴とする有機
    発光素子。
  14. 【請求項14】陽極と、陰極と、三重項励起状態からの
    赤色発光を呈する材料に対するホスト材料を含む発光領
    域と、前記ホスト材料に比べて最高被占分子軌道と最低
    空分子軌道とのエネルギー差が大きいブロッキング性材
    料からなるブロッキング領域と、正孔移動度よりも電子
    移動度の高い電子輸送材料からなる電子輸送領域と、を
    有する有機発光素子において、前記ブロッキング領域と
    前記電子輸送領域との間に、前記ブロッキング性材料
    と、前記電子輸送材料と、からなる混合領域が形成され
    ていることを特徴とする有機発光素子。
  15. 【請求項15】陽極と、陰極と、前記陰極に接して設け
    られた電子注入領域と、前記電子注入領域および前記陽
    極の間に設けられた有機化合物膜と、からなる、三重項
    励起状態からの赤色発光を呈する有機発光素子におい
    て、前記電子注入領域と前記有機化合物膜との間に、前
    記電子注入領域を構成する材料と、前記有機化合物膜に
    含まれる材料と、からなる混合領域が形成されているこ
    とを特徴とする有機発光素子。
  16. 【請求項16】赤色発光の有機発光素子、緑色発光の有
    機発光素子、および青色発光の有機発光素子を、各画素
    における発光素子として備えたフルカラーの表示装置に
    おいて、前記赤色発光の有機発光素子は、請求項1乃至
    請求項15のいずれか一項に記載の有機発光素子である
    ことを特徴とする表示装置。
  17. 【請求項17】請求項16に記載の表示装置において、
    前記緑色発光の有機発光素子または前記青色発光の有機
    発光素子は、一重項励起状態からの発光を呈する有機発
    光素子であることを特徴とする表示装置。
  18. 【請求項18】請求項16に記載の表示装置において、
    前記緑色発光の有機発光素子または前記青色発光の有機
    発光素子は、陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極
    の間に設けられた有機化合物膜と、からなる、一重項励
    起状態からの発光を呈する有機発光素子であり、前記有
    機化合物膜は、正孔輸送材料からなる正孔輸送領域と、
    電子輸送材料からなる電子輸送領域と、を含み、かつ、
    前記正孔輸送領域と前記電子輸送領域との間に、前記正
    孔輸送材料および前記電子輸送材料の両方を含む混合領
    域が設けられていることを特徴とする表示装置。
  19. 【請求項19】請求項16に記載の表示装置において、
    前記緑色発光の有機発光素子または前記青色発光の有機
    発光素子は、陽極と、陰極と、前記陽極に接して設けら
    れた正孔注入領域と、前記正孔注入領域および前記陰極
    の間に設けられた有機化合物膜と、からなる、一重項励
    起状態からの発光を呈する有機発光素子であり、前記有
    機化合物膜は、正孔輸送材料からなる正孔輸送領域と、
    電子輸送材料からなる電子輸送領域と、を含み、かつ、
    前記正孔輸送領域と前記電子輸送領域との間に、前記正
    孔輸送材料および前記電子輸送材料の両方を含む混合領
    域が設けられていることを特徴とする表示装置。
  20. 【請求項20】請求項16に記載の表示装置において、
    前記緑色発光の有機発光素子または前記青色発光の有機
    発光素子は、陽極と、陰極と、前記陰極に接して設けら
    れた電子注入領域と、前記陽極および前記電子注入領域
    の間に設けられた有機化合物膜と、からなる、一重項励
    起状態からの発光を呈する有機発光素子であり、前記有
    機化合物膜は、正孔輸送材料からなる正孔輸送領域と、
    電子輸送材料からなる電子輸送領域と、を含み、かつ、
    前記正孔輸送領域と前記電子輸送領域との間に、前記正
    孔輸送材料および前記電子輸送材料の両方を含む混合領
    域が設けられていることを特徴とする表示装置。
  21. 【請求項21】請求項16に記載の表示装置において、
    前記緑色発光の有機発光素子または前記青色発光の有機
    発光素子は、陽極と、陰極と、前記陽極に接して設けら
    れた正孔注入領域と、前記陰極に接して設けられた電子
    注入領域と、前記正孔注入領域および前記電子注入領域
    の間に設けられた有機化合物膜と、からなる、一重項励
    起状態からの発光を呈する有機発光素子であり、前記有
    機化合物膜は、正孔輸送材料からなる正孔輸送領域と、
    電子輸送材料からなる電子輸送領域と、を含み、かつ、
    前記正孔輸送領域と前記電子輸送領域との間に、前記正
    孔輸送材料および前記電子輸送材料の両方を含む混合領
    域が設けられていることを特徴とする表示装置。
  22. 【請求項22】請求項18乃至請求項21のいずれか一
    項に記載の表示装置において、前記緑色発光の有機発光
    素子または前記青色発光の有機発光素子の、前記陽極か
    ら前記陰極への方向に対し、前記混合領域内の前記正孔
    輸送材料の濃度は減少し、前記混合領域内の前記電子輸
    送材料の濃度は増加していることを特徴とする表示装
    置。
  23. 【請求項23】請求項18乃至請求項22のいずれか一
    項に記載の表示装置において、前記緑色発光の有機発光
    素子または前記青色発光の有機発光素子の前記混合領域
    は、10ナノメートル以上、100ナノメートル以下の
    厚さであることを特徴とする表示装置。
  24. 【請求項24】請求項18乃至請求項23のいずれか一
    項に記載の表示装置において、発光を呈する材料が、前
    記緑色発光の有機発光素子または前記青色発光の有機発
    光素子の、前記混合領域内に添加されていることを特徴
    とする表示装置。
  25. 【請求項25】請求項18乃至請求項23のいずれか一
    項に記載の表示装置において、発光を呈する材料が、前
    記緑色発光の有機発光素子または前記青色発光の有機発
    光素子の、前記混合領域内の一部に添加されていること
    を特徴とする表示装置。
  26. 【請求項26】請求項16に記載の表示装置において、
    前記緑色発光の有機発光素子または前記青色発光の有機
    発光素子は、陽極と、陰極と、前記陽極に接して設けら
    れた正孔注入領域と、前記正孔注入領域および前記陰極
    の間に設けられた有機化合物膜と、からなる、一重項励
    起状態からの発光を呈する有機発光素子であり、前記正
    孔注入領域と前記有機化合物膜との間に、前記正孔注入
    領域を構成する材料と、前記有機化合物膜を構成する材
    料と、からなる混合領域が形成されていることを特徴と
    する表示装置。
  27. 【請求項27】請求項16に記載の表示装置において、
    前記緑色発光の有機発光素子または前記青色発光の有機
    発光素子は、陽極と、陰極と、正孔輸送材料からなる正
    孔輸送領域と、発光領域と、を有する、一重項励起状態
    からの発光を呈する有機発光素子であり、前記正孔輸送
    領域と前記発光領域との間に、前記正孔輸送材料と、前
    記発光領域に含まれる材料と、からなる混合領域が形成
    されていることを特徴とする表示装置。
  28. 【請求項28】請求項16に記載の表示装置において、
    前記緑色発光の有機発光素子または前記青色発光の有機
    発光素子は、陽極と、陰極と、発光領域と、電子輸送材
    料からなる電子輸送領域と、を有する、一重項励起状態
    からの発光を呈する有機発光素子であり、前記発光領域
    と前記電子輸送領域との間に、前記発光領域に含まれる
    材料と、前記電子輸送材料と、からなる混合領域が形成
    されていることを特徴とする表示装置。
  29. 【請求項29】請求項16に記載の表示装置において、
    前記緑色発光の有機発光素子または前記青色発光の有機
    発光素子は、陽極と、陰極と、前記陰極に接して設けら
    れた電子注入領域と、前記電子注入領域および前記陽極
    の間に設けられた有機化合物膜と、からなる、一重項励
    起状態からの発光を呈する有機発光素子であり、前記電
    子注入領域と前記有機化合物膜との間に、前記電子注入
    領域を構成する材料と、前記有機化合物膜に含まれる材
    料と、からなる混合領域が形成されていることを特徴と
    する表示装置。
  30. 【請求項30】請求項16乃至請求項29のいずれか一
    項に記載の表示装置を用いたことを特徴とする電気器
    具。
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