JP2006173588A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】低駆動電圧及び/又は駆動耐久性の高い有機電界発光素子を提供すること。
【解決手段】一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む発光層、及び正孔輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、正孔輸送層は発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、発光層は発光材料として3座以上の配位子を有する金属錯体を含有し、かつ、発光層のイオン化ポテンシャルをIp0、正孔輸送層のうち、発光層に隣接した正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIp1、発光層側からn番目に位置する正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIpnとしたときに、下記式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする有機電界発光素子等である。
式(1):Ip0>Ip1>Ip2>…>Ipn−1>Ipn (nは2以上の整数)
【選択図】なし

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光する有機電界発光素子にする。特に低電圧駆動が可能で、高い駆動耐久性を持つ有機電界発光素子に関する。
今日、種々の表示素子に関する研究開発が活発であり、中でも有機電界発光(EL)素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。
一般に有機電界発光素子は、少なくとも発光層を含む有機化合物層と、これを挟む一対の電極から構成されている。両電極間に電界が印加されると、陰極から電子が注入され、陽極から正孔が注入される。この電子と正孔が発光層において再結合して励起子が生成し、発光する。
しかしながら、この有機電界発光素子は無機LED素子や、蛍光管に比べ発光効率が低く問題となっている。さらに一層の発光効率向上および輝度向上が強く求められている。また、有機発光素子は携帯機器の表示部にも用いるためには、消費電力を低減させることが好ましい。この観点から、さらに駆動電圧を下げることが望まれている。
上記課題を解決するため、耐久性を改良するために、例えば、特許文献1では、陽極と発光層の界面および陰極と発光層の界面の何れかもしくは両方に複数層のキャリヤー注入層を挿入することにより、耐久性に優れた有機薄膜EL素子が達成されることが記載されている。特許文献2では、不純物を添加した荷電粒子伝導層と、発光層との間に、有機材料からなる防御層を配備することが主に開示されている。
発光材料については、例えば、特許文献3には、4座配位子を有する錯体を発光材料として用いた素子が開示されている。
特開平6−314594号公報 特表2004−514257号公報 米国特許第6,653,654B1号明細書
本発明は、低電圧駆動及び/又は駆動耐久性の高い有機電界発光素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討したところ、発光材料として3座以上の配位子を持つ金属錯体を用い、発光層と複数の電荷輸送層とを設け、さらに、発光層及び複数の電荷輸送層の間におけるイオン化ポテンシャル及び/又は電子親和力を、所定の関係を満たすように制御することにより、駆動耐久性を向上させ得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題は、下記<1>〜<21>の有機電界発光素子により解決される。
<1> 一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む発光層、及び正孔輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、
正孔輸送層は発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、
発光層は発光材料として3座以上の配位子を有する金属錯体を含有し、
かつ、発光層のイオン化ポテンシャルをIp0、正孔輸送層のうち、発光層に隣接した正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIp1、発光層側からn番目に位置する正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIpnとしたときに、下記式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする有機電界発光素子。
式(1):Ip0>Ip1>Ip2>…>Ipn−1>Ipn (nは2以上の整数)
<2> 一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む発光層、及び電子輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、
電子輸送層は発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、発光層は発光材料として3座以上の配位子を有する金属錯体を含有し、
かつ、発光層の電子親和力をEa0、発光層に隣接した電子輸送層の電子親和力をEa1、発光層側からm番目に位置する電子輸送層の電子親和力をEamとしたときに、下記式(2)で表される関係を満たすことを特徴とする有機電界発光素子。
式(2):Ea0<Ea1<Ea2<…<Eam−1<Eam (mは2以上の整数)
<3> 一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む発光層、正孔輸送層、及び電子輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、
正孔輸送層及び電子輸送層は、各々発光層に隣接した層を含む2以上の層からなり、
発光層は発光材料として3座以上の配位子を有する金属錯体を含有し、
かつ、発光層のイオン化ポテンシャルをIp0、正孔輸送層のうち、発光層に隣接した正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIp1、発光層側からn番目に位置する正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIpn、発光層の電子親和力をEa0、電子輸送層のうち、発光層に隣接した電子輸送層の電子親和力をEa1、発光層側からm番目に位置する電子輸送層の電子親和力をEamとしたときに、下記式(1)及び下記式(2)で表される関係を満たすことを特徴とする有機電界発光素子。
式(1):Ip0>Ip1>Ip2>…>Ipn−1>Ipn (nは2以上の整数)
式(2):Ea0<Ea1<Ea2<…<Eam−1<Eam (mは2以上の整数)
一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む第1及び第2発光層、正孔輸送層、並びに電子輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、
正孔輸送層は第1発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、電子輸送層は第2発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、
第1及び第2発光層は、各々異なるホスト材料と、発光性材料として3座以上の配位子を有する金属錯体を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
<5> 一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む第1及び第2発光層、正孔輸送層、並びに電子輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、
正孔輸送層は第1発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、電子輸送層は第2発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、
第1及び第2発光層は、各々異なるホスト材料と、発光性材料として3座以上の配位子を有する金属錯体と、を含有しており、
かつ、第1発光層のイオン化ポテンシャルをIp0、正孔輸送層のうち、第1発光層に隣接した正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIp1、第1発光層側からn番目に位置する正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIpn、第2発光層の電子親和力をEa0、電子輸送層のうち、第2発光層に隣接した電子輸送層の電子親和力をEa1、第2発光層側からm番目に位置する電子輸送層の電子親和力をEamとしたときに、前記式(1)及び下記式(2)で表される関係を満たすことを特徴とする<4>に記載の有機電界発光素子。
式(1):Ip0>Ip1>Ip2>…>Ipn−1>Ipn (nは2以上の整数)
式(2):Ea0<Ea1<Ea2<…<Eam−1<Eam (mは2以上の整数)
<6> 前記式(1)で表される関係を満たす場合において、更に、Ip0−Ip1≦0.4eV、かつ、Ip1−Ip2≦0.4eV、…、かつ、Ipn−1−Ipn≦0.4eVの関係を満たすことを特徴とする前記<1>、<3>、又は<5>に記載の有機電界発光素子。
<7> 前記式(2)で表される関係を満たす場合において、更に、Ea1−Ea0≦0.4eV、かつ、Ea2−Ea1≦0.4eV、…、かつ、Eam−Eam−1≦0.4eVの関係を満たすことを特徴とする前記<2>、<3>又は<5>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<8> 前記式(1)で表される関係を満たす場合において、更に、Ip0−Ip1≦0.2eV、又は、Ip1−Ip2≦0.2eV、…、又は、Ipn−1−Ipn≦0.2eVの関係を満たすことを特徴とする前記<6>に記載の有機電界発光素子。
<9> 前記式(2)で表される関係を満たす場合において、更に、Ea1−Ea0≦0.2eV、又は、Ea2−Ea1≦0.2eV、…、又は、Eam−Eam−1≦0.2eVの関係を満たすことを特徴とする前記<7>に記載の有機電界発光素子。
<10> 前記金属錯体が有する3座以上の配位子が、鎖状配位子であることを特徴とする前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<11> 前記金属錯体が、下記一般式(I)で表されることを特徴とする前記<10>に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006173588
上記一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成することは無い。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。Y11〜Y13は、それぞれ独立に、連結基、単結合、又は二重結合を表す。Y11、Y12、又はY13が連結基を表す場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4の整数を表す。
<12> 前記金属錯体が、下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする前記<10>に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006173588
上記一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子又はMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合又は連結基を表す。
<13> 前記金属錯体が有する配位子が、環状配位子であることを特徴とする<1>〜<9>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<14> 前記金属錯体が、下記一般式(III)で表される化合物であることを特徴とする前記<13>に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006173588
上記一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、及びZ13は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有してもよい金属イオンを表す。
<15> 前記金属錯体中の金属イオンが、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、及び銅イオンからなる群から選ばれることを特徴とする前記<1>〜<14>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<16> 前記金属錯体が有する3座以上の配位子が、下記群Aからなる配位子を除いた少なくとも3座の配位子である<1>〜<15>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
群A: ビピリジル又はフェナントロリンを部分構造に含む4座配位子、シッフ塩基型4座配位子、フェニルビピリジル3座配位子、ジフェニルピリジン3座配位子、及びターピリジン3座配位子。
<17> 前記正孔輸送層は3層以上であることを特徴とする<1>、及び、<3>〜<16>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<18> 前記電子輸送層は3層以上であることを特徴とする<2>〜<16>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<19> 前記正孔輸送層は3層以上であり、かつ前記電子輸送層は3層以上であることを特徴とする<3>〜<16>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<20> 前記正孔輸送層のうち、少なくとも1つの層に、アゼピン化合物、アミン化合物、カルバゾール化合物、ピロール化合物、及びインドール化合物からなる群より選択される化合物を含むことを特徴とする<1>、及び、<3>〜<19>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<21>
前記正孔輸送層のうち、発光層に隣接する層に、アゼピン化合物、アミン化合物、カルバゾール化合物、ピロール化合物、及びインドール化合物からなる群より選択される化合物を含むことを特徴とする<20>に記載の有機電界発光素子。
本発明によれば、低駆動電圧及び/又は駆動耐久性の高い有機電界発光素子を提供することが提供できる。
また、本発明においては、3座以上の配位子を有する金属錯体の種類を適宜選択することにより、さらに、色純度の改善、多色発光(赤色、緑色、及び/又は青色等)が可能となるなど、低電圧駆動、高い駆動耐久性、及び発光効率に優れた有機電界発光素子を提供することができる。
以下、本発明の有機電界発光素子(以下、「有機EL素子」又は「発光素子」とも称する。)について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の第1の態様は、一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む発光層、及び正孔輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、正孔輸送層は発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、発光層は発光材料として3座以上の配位子を有する金属錯体を含有し、かつ、発光層のイオン化ポテンシャルをIp0、正孔輸送層のうち、発光層に隣接した正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIp1、発光層側からn番目に位置する正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIpnとしたときに、下記式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする有機電界発光素子である。
上記構成としたことにより、高い駆動耐久性を持つ有機電界発光素子が得られる。
本発明の第1の態様では、安定性(化学的安定性、特に分解し難い等の性質に優れる。)の高い3座以上の配位子を有する金属錯体を用いるとともに、発光層に隣接する層を含む2層以上の正孔輸送層を設け、さらに、発光層及び2層以上の正孔輸送層の間におけるイオン化ポテンシャルの関係を制御したことによって、電荷(正孔)の注入が促進されて高い駆動耐久性が発揮されるものと推測される。
また、本発明においては、発光層に隣接する層として2層以上存在する正孔輸送層のうち、最もイオン化ポテンシャルが大きい層を設けたことがその特徴の1つであるが、このような構成を採ることにより、電荷注入障壁が低下することになり層界面での電荷の滞留が抑制されることから、その結果として材料の劣化が抑制され、3座以上の配位子を有する金属錯体を用いる効果と相俟って、駆動耐久性の著しい向上に寄与しているものと推測される。
本発明の第2の態様は、一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む発光層、及び電子輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、電子輸送層は発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、発光層は発光材料として3座以上の配位子を有する金属錯体を含有し、かつ、発光層の電子親和力をEa0、発光層に隣接した電子輸送層の電子親和力をEa1、発光層側からm番目に位置する電子輸送層の電子親和力をEamとしたときに、下記式(2)で表される関係を満たすことを特徴とする有機電界発光素子である。
式(2):Ea0<Ea1<Ea2<…<Eam−1<Eam (mは2以上の整数)
上記構成としたことにより、高い駆動耐久性を持つ有機電界発光素子が得られる。
上記構成に起因する作用は必ずしも明確ではないが、前記安定性の高い3座以上の配位子を有する金属錯体を用いるとともに、発光層及び2層以上存在する電子輸送層の間における電子親和力の関係を制御したことによって、電荷(電子)の注入が促進されて高い駆動耐久性が発揮されるものと推測される。
また、本発明の第3の態様は、一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む発光層、正孔輸送層、及び電子輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、正孔輸送層及び電子輸送層は、各々発光層に隣接した層を含む2以上の層からなり、発光層は発光材料として3座以上の配位子を有する金属錯体を含有し、かつ、発光層のイオン化ポテンシャルをIp0、正孔輸送層のうち、発光層に隣接した正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIp1、発光層側からn番目に位置する正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIpn、発光層の電子親和力をEa0、電子輸送層のうち、発光層に隣接した電子輸送層の電子親和力をEa1、発光層側からm番目に位置する電子輸送層の電子親和力をEamとしたときに、下記式(1)及び下記式(2)で表される関係を満たすことを特徴とする有機電界発光素子である。
式(1):Ip0>Ip1>Ip2>…>Ipn−1>Ipn (nは2以上の整数)
式(2):Ea0<Ea1<Ea2<…<Eam−1<Eam (mは2以上の整数)
上記第3の態様のごとく、発光層に2層以上の正孔輸送層及び電子輸送層を隣接させ、更に各層におけるイオン化ポテンシャル及び電子親和力の関係を制御することにより、さらに高い駆動耐久性を発揮することができる。
また、本発明の有機電界発光素子としては、駆動耐久性を更に向上させる観点から、発光層をホスト材料の異なる2層に構成してもよく、本発明の第4及び第5の態様はかかる構成を採る有機電界発光素子である。即ち、本発明の第4及び第5の態様は、一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む第1及び第2発光層、正孔輸送層、並びに電子輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、正孔輸送層は第1発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、電子輸送層は第2発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、第1及び第2発光層は、各々異なるホスト材料と、発光性材料として3座以上の配位子を有する金属錯体と、を含有している。本発明の第5の態様ではさらに、第1発光層のイオン化ポテンシャルをIp0、正孔輸送層のうち、第1発光層に隣接した正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIp1、第1発光層側からn番目に位置する正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIpn、第2発光層の電子親和力をEa0、電子輸送層のうち、第2発光層に隣接した電子輸送層の電子親和力をEa1、第2発光層側からm番目に位置する電子輸送層の電子親和力をEamとしたときに、下記式(1)及び下記式(2)で表される関係を満たすことを特徴とする有機電界発光素子である。
式(1):Ip0>Ip1>Ip2>…>Ipn−1>Ipn (nは2以上の整数)
式(2):Ea0<Ea1<Ea2<…<Eam−1<Eam (mは2以上の整数)
本発明の発光素子における各層のイオン化ポテンシャル(Ip)とは、その層に10質量%以上含まれる材料の中で最もイオン化ポテンシャルが小さい材料のイオン化ポテンシャルを意味する。本明細書におけるイオン化ポテンシャルは、AC−1(理研計器(株)製)を用いて室温(15度以上25度以下の範囲が好ましい)・大気下で測定した値を採用した。AC−1の測定原理については、安達千波矢等著「有機薄膜仕事関数データ集」シーエムシー出版社2004年発行に記載されている。
本発明の発光素子における各層の電子親和力(Ea)とは、その層に10質量%以上含まれる材料の中で最も電子親和力が大きい材料の電子親和力を意味する。本発明における電子親和力は、イオン化ポテンシャル測定に用いた膜の紫外可視吸収スペクトルを測定(15度以上25度以下の範囲が好ましい)し、吸収スペクトルの長波長端のエネルギーから励起エネルギーを求めた。励起エネルギーと前記イオン化ポテンシャルの値から電子親和力を算出した。本明細書においては、紫外可視吸収スペクトルを、島津製作所製のUV3100型分光光度計で測定した値を採用した
本発明の各発光素子においては、発光層、発光層に隣接する正孔輸送層、他の正孔輸送層のイオン化ポテンシャル(Ip)の関係、及び/又は、発光層、発光層に隣接する電子輸送層、他の電子輸送層の電子親和力(Ea)の関係が所定の関係を満たすことが必要である。即ち、第1の態様においては下記式(1)で表される関係を満たすこと、第2の態様においては下記式(2)で表される関係を満たすこと、第3及び第4の態様においては、下記式(1)及び下記式(2)で表される関係を満たすことが必要である。
式(1):Ip0>Ip1>Ip2>…>Ipn−1>Ipn (nは2以上の整数)
式(2):Ea0<Ea1<Ea2<…<Eam−1<Eam (mは2以上の整数)
本発明の発光素子は、電子輸送層及び/又は正孔輸送層を、2層以上有することが必要でありる。正孔輸送層については、層間のポテンシャル障壁を減少させる観点から、3層以上であることが好ましく、製造の容易さの観点からは4層以下であることが好ましい。また、電子輸送層についても、層間のポテンシャル障壁を減少させる観点から、3層以上であることが好ましく、製造の容易さの観点からは4層以下であることが好ましい。
第1、第2、及び第3の態様のごとく、発光層が1層である場合は、発光層のイオン化ポテンシャル(Ip0)は6.4eV以下が好ましく、6.3eV以下がより好ましく、6.2eV以下が特に好ましい。発光層の電子親和力(Ea0)は、2.1eV以上が好ましく、2.2eV以上がより好ましく、2.3eV以上が特に好ましい。
発光層に隣接する正孔輸送層のイオン化ポテンシャル(Ip1)は6.2〜5.3eVが好ましく、6.1〜5.4eVがより好ましく、6.0〜5.5eVが特に好ましい。
他の正孔輸送層のイオン化ポテンシャル(Ip2、3、…)は5.8eV以下が好ましく、5.7eV以下がより好ましく、5.6eV以下が特に好ましい。
発光層に隣接する電子輸送層の電子親和力(Ea1)は2.2〜3.1eVが好ましく、2.3〜3.0eVがより好ましく、2.4〜2.9eVが特に好ましい。
他の電子輸送層の電子親和力(Ea2、3、…)は2.6eV以上が好ましく、2.7eV以上がより好ましく、2.8eV以上が特に好ましい。
本発明におけるイオン化ポテンシャル又は電子親和力の関係は、各層を構成する材料の中から、上記したイオン化ポテンシャル又は電子親和力を示す材料を選択して組み合わせることにより制御される。
また、陰極と発光層と間に2層以上存在する電子輸送層における各層間の電子親和力の関係については、駆動電圧低減の観点から、隣接する層における電子親和力の差が0.4eV以下であることが好ましく、0.2eV以下であることが更に好ましい。
具体的には、前記式(2)の関係を満たす場合において、発光層及び電子輸送層の各層間の電子親和力の関係が、Ea1−Ea0≦0.4eV、かつ、Ea2−Ea1≦0.4eV、…、かつ、Eam−Eam−1≦0.4eVの関係を満たすことが好ましく、さらに、Ea1−Ea0≦0.2eV、又は、Ea2−Ea1≦0.2eV、…、又は、Eam−Eam−1≦0.2eVの関係を満たすことが好ましい。
なお、電子輸送層において全ての隣接する層の電子親和力の差を0.2eV以下とすると、ホスト材料・電極材料の組み合わせによっては、電子輸送層の層数が多くなる場合がある。このような場合には、電子輸送層の層数及び層間の電子親和力の差の双方に留意して、所望の効果が得られるように、発光素子の構成を決めることが必要である。
他方、陽極と発光層と間に2層以上存在する正孔輸送層における各層間のイオン化ポテンシャルの関係については、駆動電圧低減の観点から、隣接する層におけるイオン化ポテンシャルの差が0.4eV以下であることが好ましく、0.2eV以下であることが更に好ましい。
具体的には、前記式(1)の関係を満たす場合において、発光層及び正孔輸送層の各層間のイオン化ポテンシャルの関係が、Ip0−Ip1≦0.4eV、かつ、Ip1−Ip2≦0.4eV、…、かつ、Ipn−1−Ipn≦0.4eVの関係を満たすことが好ましく、さらに、Ip0−Ip1≦0.2eV、又は、Ip1−Ip2≦0.2eV、…、又は、Ipn−1−Ipn≦0.2eVの関係を満たすことが好ましい。
なお、正孔輸送層において全ての隣接する層のイオン化ポテンシャルの差を0.2eV以下とすると、ホスト材料・電極材料の組み合わせによっては、正孔輸送層の層数が多くなる場合がある。このよう場合には、正孔輸送層の層数及び層間のイオン化ポテンシャルの差の双方に留意して、所望の効果が得られるように、発光素子の構成を決めることが必要である。
本発明の発光素子は、発光層に3座以上の配位子を有する金属錯体(以下、単に「金属錯体」と称する場合がある。)を含有することを特徴とする。
本発明における金属錯体としては、鎖状配位子又は環状配位子のいずれを有するものであってもよいが、3座以上8座以下の鎖状配位子を有する金属錯体が好ましく、3座以上6座以下の鎖状配位子を有する金属錯体がより好ましく、3座又は4座の鎖状配位子を有する金属錯体がさらに好ましく、4座の鎖状配位子を有する金属錯体が特に好ましい。
鎖状配位子は、中心金属(例えば、後述する一般式(I)で表される化合物の場合であればM11を表す。)に、窒素で配位する含窒素へテロ環(例えば、ピリジン環、キノリン環、ピロール環など)を少なくとも一つ有することが好ましい。該含窒素ヘテロ環としては、含窒素6員ヘテロ環であることがより好ましい。
なお、前記金属錯体が有する3座以上の配位子としては、下記群Aからなる配位子を除いた少なくとも3座の配位子であることが好ましい。
群A: ビピリジル又はフェナントロリンを部分構造に含む4座配位子、シッフ塩基型4座配位子、フェニルビピリジル3座配位子、ジフェニルピリジン3座配位子、及びターピリジン3座配位子。
ここで、金属錯体の配位子が鎖状であるとは、金属錯体の配位子が環状構造をとらないことを意味する。例えば、鎖状配位子を有する金属錯体である、後に詳述する一般式(I)で表される化合物を例に説明すると、L11、L14がY12、L12、Y11、L13、Y13、M11を介さずに連結することがない配位子である。L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14に環構造(例えば、ベンゼン、ピリジン、キノリンなど)が含まれていても、L11とL14がY12、L12、Y11、L13、Y13、M11を介さずに連結していなければ、その配位子を鎖状配位子と呼ぶ。L11とY12の間、Y12とL12の間、L12とY11の間、Y11とL13の間、L13とY13の間、Y13とL14の間にさらに原子群が存在して環を形成してもよい。
また、金属錯体の配位子が環状であるとは、金属錯体中の複数の配位子が互いに結合して、閉じた構造形成することを意味する(例えば、フタロシアニン配位子、クラウンエーテル配位子など。)。
金属錯体において金属イオンに配位する原子は特に限定されないが、酸素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子又はリン原子が好ましく、酸素原子、窒素原子又は炭素原子がより好ましく、窒素原子又は炭素原子が更に好ましい。
金属錯体中の金属イオンは、特に限定されないが、発光効率向上、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、遷移金属イオン、希土類金属イオンであることが好ましく、より好ましくは、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、オスミウムイオン、パラジウムイオン、銀イオン、銅イオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、希土類金属イオン(例えば、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンなど)が好ましく、更に好ましくは、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、パラジウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンであり、該金属錯体を発光材料として用いる場合には、イリジウムイオン、白金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが特に好ましく、該金属錯体を電荷輸送材料や発光層中のホスト材料として用いる場合には、イリジウムイオン、白金イオン、パラジウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオンが特に好ましい。
本発明における3座以上の配位子を有する金属錯体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、2種以上の発光材料を用いる場合であれば、3座以上の配位子を有する金属錯体と、これ以外の他の発光材料とを併用してもよい。本発明に用いうる他の発光材料(3座以上の配位子を有する金属錯体以外の発光材料)としては、例えば、蛍光発光材料及び/又はリン光発光材料が挙げられる。本発明においては、発光材料のうち、少なくとも1種が3座以上の配位子を有する金属錯体であればよく、該発光材料の総てが、3座以上の配位子を有する金属錯体であることが好ましい。
本発明における発光材料は、蛍光を発する化合物であっても燐光を発する化合物であってもよいが、燐光を発する化合物であるのが好ましい。(より好ましくは、−30℃以上において燐光を発し、さらに好ましくは−10℃以上において燐光を発し、さらに好ましくは0℃以上において燐光を発し、特に好ましくは10℃以上において燐光を発するものが好ましい。)燐光を発する化合物を用いる場合、蛍光を同時に発するものでもよいが、20℃における燐光強度が蛍光強度に比べて2倍以上である化合物が好ましく、10倍以上である化合物がより好ましく、100倍以上である化合物がさらに好ましい。
本発明における発光材料は、20℃での発光量子収率(燐光または蛍光)が10%以上の材料が好ましく、20℃での発光量子収率が 15%以上がより好ましく、20℃での発光量子収率が20%以上の材料がさらに好ましい。
本発明における発光材料の総含有量としては、発光層の質量に対して、0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、0.3質量%〜40質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜20質量%であることがさらにより好ましい。
発光層に、発光材料が少なくとも2種類含有される場合の含有比としては、特に限定されないが、発光スペクトルの由来となる発光材料/その他の発光材料の比は、100/1〜1/10が好ましく、20/1〜1/5がより好ましく、5/1〜1/2が更に好ましい。この場合、発光スペクトルの由来となる発光材料/その他の発光材料の双方が、3座以上の配位子を有する金属錯体であってもよいし、いずれか一方が3座以上の配位子を有する金属錯体であってもよい。
以下、本発明における3座以上の配位子を有する金属錯体について詳細に説明する。なお、本発明の発光素子におけるその他の構成要素については、3座以上の配位子を有する金属錯体の説明の後に詳述する。
本発明における金属錯体が有する配位子が鎖状配位子である場合、該金属錯体は、以下に詳述する一般式(I)または一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
先ず、一般式(I)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成することは無い。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。
一般式(I)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(I)中、M11は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、2価または3価の金属イオンが好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、白金イオン、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンがより好ましく、白金イオン、イリジウムイオンがさらに好ましく、白金イオンが特に好ましい。
一般式(I)中、L11、L12、L13、及びL14は、それぞれ独立に、M11に配位する配位子を表す。L11、L12、L13、及びL14に含まれ、かつ、M11に配位する原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、又はリン原子が好ましく、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又は炭素原子がより好ましく、窒素原子、酸素原子、又は炭素原子が更に好ましい。
11とL11、L12、L13、及びL14でそれぞれ形成される結合は、それぞれ独立に、共有結合であってもイオン結合であっても配位結合であってもよい。本発明における配位子とは、説明の便宜上、配位結合のみならず他のイオン結合、共有結合により形成された場合においても用いるものとする。
11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、及びL14から成る配位子は、アニオン性配位子(少なくとも一つのアニオンが金属と結合する配位子)であることが好ましい。アニオン性配位子中のアニオンの数は、1〜3が好ましく、1、2がより好ましく、2がさらに好ましい。
11に炭素原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては、特に限定されないが、それぞれ独立にイミノ配位子、芳香族炭素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントラセン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばチオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など)およびこれらの互変異性体)が挙げられる。
11に窒素原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、含窒素へテロ環配位子(例えば、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体(なお、本発明では通常の異性体以外に次のような例も互変異性体と定義する。例えば、後述する化合物(24)の5員ヘテロ環配位子、化合物(64)の末端5員ヘテロ環配位子、化合物(145)の5員ヘテロ環配位子もピロール互変異性体と定義する。)など、アミノ配位子(アルキルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノなどが挙げられる。)、アリールアミノ配位子(例えばフェニルアミノなどが挙げられる。)、アシルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ配位子など)が挙げられる。これらの配位子はさらに置換されていてもよい。
11に酸素原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ配位子(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル配位子(例えばケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子など)、エーテル配位子(例えばジアルキルエーテル配位子、ジアリールエーテル配位子、フリル配位子など)などが挙げられる。
11に硫黄原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル配位子(例えばチオケトン配位子、チオエステル配位子など)、又はチオエーテル配位子(例えばジアルキルチオエーテル配位子、ジアリールチオエーテル配位子、チオフリル配位子など)などが挙げられる。これらの置換配位子は更に置換されてもよい。
11にリン原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、ジアルキルホスフィノ基、ジアリールホスフィノ基、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ホスフィニン基等があげられる。これらの基は更に置換されてもよい。
11及びL14は、それぞれ独立に、芳香族炭素環配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、エーテル配位子、アルキルチオ配位子、アリールチオ配位子、アルキルアミノ配位子、アリールアミノ配位子、アシルアミノ配位子、含窒素へテロ環配位子(例えばピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、又は、それらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、又は、これらの互変異性体など)が好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、アリールアミノ配位子、並びにピリジン配位子、ピラジン配位子、イミダゾール配位子、又は、それらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、キノキサリン配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、又は、これらの互変異性体がより好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、又はアリールアミノ配位子がさらに好ましく、芳香族炭素環配位子、又はアリールオキシ配位子が特に好ましい。
12及びL13は、それぞれ独立に、M11と配位結合を形成する配位子が好ましく、M11と配位結合を形成する配位子としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズピロールなど)、及び、これらの互変異性体がより好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)がさらに好ましく、ピリジン環、及び、ピリジン環を含む縮環体(例えば、キノリン環など)が特に好ましい。
一般式(I)中、L15はM11に配位する配位子を表す。L15は1〜4座の配位子が好ましく、1〜4座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜4座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えば、ピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14で形成される4座配位子が好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14で形成される4座配位子がより好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えば、ピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)がさらに好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)が特に好ましい。配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。但し、L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。
一般式(I)中、Y11、Y12、及びY13は、それぞれ独立に、連結基、単結合、または二重結合を表す。連結基としては、特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、珪素原子連結基、硫黄原子連結基、又は、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。
このような連結基の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 2006173588
11、Y12、及びY13は、それぞれ独立に、単結合、二重結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン基が好ましい。Y11は、単結合、アルキレン基がより好ましく、アルキレン基がさらに好ましい。Y12及びY13は、単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
12、L11、L12、及びM11で形成される環、Y11、L12、L13、及びM11で形成される環、Y13、L13、L14、及びM11で形成される環は、それぞれ環員数4〜10が好ましく、環員数5〜7がより好ましく、環員数5又は6がさらに好ましい。
一般式(I)中、n11は0〜4を表す。M11が配位数4の金属の場合、n11は0であり、M11が配位数6の金属の場合、n11は1、2が好ましく、1がより好ましい。M11が配位数6でn11が1の場合L15は2座配位子を表し、M11が配位数6でn11が2の場合L15は単座配位子を表す。M11が配位数8の金属の場合、n11は1〜4が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M11が配位数8でn11が1の場合L15は4座配位子を表し、M11が配位数8でn11が2の場合L15は2座配位子を表す。n11が複数のときは、複数のL15は同じであっても異なっていてもよい。
前記一般式(I)で表される化合物の好ましい形態は、以下に挙げる一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、及び一般式(4)で表される各化合物である。
一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(1)中、M21は金属イオンを表し、Y21は連結基、単結合、または二重結合を表す。Y22、Y23はそれぞれ単結合または連結基を表す。Q21、Q22はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表し、Q21で形成される環とY21の間の結合およびQ22で形成される環とY21の間の結合は、単結合または二重結合を表す。X21、X22は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す。R21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R21及びR22並びにR23及びR24は各々結合して環を形成してもよい。L25はM21に配位する配位子を表す。n21は0〜4の整数を表す。
一般式(1)について詳細に説明する。
一般式(1)中、M21は、前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21、Q22は、それぞれ独立に、含窒素へテロ環(M21に配位する窒素を含む環)を形成する原子群を表す。Q21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズチアゾール環、インドール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。
21、X22は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子であり、酸素原子、硫黄原子、置換された窒素原子がより好ましく、酸素原子、硫黄原子がさらに好ましく、酸素原子が特に好ましい。
21は、前記一般式(I)におけるY11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
22、Y23は、それぞれ独立に、単結合、連結基を表し、単結合が好ましい。連結基としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、珪素連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
22又はY23として表される連結基としては、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン連結基が好ましく、カルボニル連結基、アルケニレン連結基がより好ましく、カルボニル連結基がさらに好ましい。
21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては特に限定されないが、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、R21とR22またはR23とR24が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が好ましく、R21とR22又はR23とR24が結合して環構造(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましい。
25は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21は前記一般式(I)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(1)において、Q21、Q22が形成する環がピリジン環のとき、Y21は連結基を表す金属錯体であること、Q21、Q22が形成する環がピリジン環で、Y21が単結合または二重結合で、X21、X22が硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す金属錯体であること、或いは、Q21、Q22が形成する環が含窒素ヘテロ5員環、または、窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環を表す金属錯体であることが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(1−A)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(1−A)について説明する。
一般式(1−A)中、M31は、前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
31、Z32、Z33、Z34、Z35、及びZ36は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられ、また、Z31とZ32、Z32とZ33、Z33とZ34、Z34とZ35、Z35とZ36が連結基を介して結合し、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成してもよく、Z31とT31、Z36とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成してもよい。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましく、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
31、T32、T33、T34、T35、T36、T37、及びT38は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられ、また、T31とT32、T32とT33、T33とT34、T35とT36、T36とT37、T37とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良い。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子がより好ましく、アリール基、ハロゲン原子がさらに好ましく、アリール基が特に好ましい。
31、X32は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるX21、X22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(2)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(2)中、M51は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51、Q52は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるQ21、Q22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
53、Q54は、それぞれ独立に、含窒素へテロ環(M51に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q53、Q54で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体(例えば、下記例示化合物(29)のヘテロ5員環配位子など)、チアゾール誘導体の互変異性体(例えば、下記例示化合物(30)のヘテロ5員環配位子など)、オキサゾール誘導体の互変異性体(例えば、下記例示化合物(31)のヘテロ5員環配位子など)が好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体、チアゾール誘導体の互変異性体がより好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体がさらに好ましく、ピロール誘導体の互変異性体が特に好ましい。
51は前記一般式(I)におけるY11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
55は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51、W52は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、無置換の炭素原子、窒素原子が好ましく、無置換の炭素原子がより好ましい。
一般式(3)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(3)中、MA1、QA1、QA2、YA1、YA2、YA3、RA1、RA2、RA3、RA4、LA5、nA1は、前記一般式(1)におけるM21、Q21、Q22、Y21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、n21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(3)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(3−A)で表される化合物、及び下記一般式(3−B)で表される化合物である。
先ず、一般式(3−A)で表される化合物について説明する
Figure 2006173588
一般式(3−A)中、M61は、前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61、Q62は、それぞれ独立に、環を形成する基を表す。Q61、Q62で形成される環としては特に限定されないが、例えば、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、チオフェン環、イソチアゾール環、フラン環、イソオキサゾ−ル環、及び、その縮環体が挙げられる。
61、Q62で形成される環は、好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、チアゾール環、及び、その縮環体であり、ベンゼン環、ピリジン環、及び、その縮環体がより好ましく、ベンゼン環、及び、その縮環体がさらに好ましい。
61は前記一般式(I)におけるY11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
62、Y63は、それぞれ独立に、連結基または単結合を表す。連結基としてはとくに限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、珪素原子、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
62、Y63は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン基が好ましく、単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
65は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61は前記一般式(I)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61、Z62、Z63、Z64、Z65、Z66、Z67、及びZ68は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられ、また、Z61とZ62、Z62とZ63、Z63とZ64、Z65とZ66、Z66とZ67、Z67とZ68が連結基を介して結合し、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良い。Q61、Q62で形成される環がそれぞれZ61、Z68と連結基を介して結合し、環を形成してもよい。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましく、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
一般式(3−B)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(3−B)中、M71は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71、Y72、Y73は、それぞれ独立に、前記一般式(3−A)におけるY61、Y62、Y63と同義であり、好ましい範囲も同じである。
75は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71は前記一般式(I)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71、Z72、Z73、Z74、Z75、及びZ76は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられる。また、Z71とZ72、Z72とZ73、Z73とZ74、Z74とZ75、Z75とZ76は連結基を介して結合し、環(例えばベンゼン環、ピリジン環)を形成してもよい。R71〜R74は前記一般式(1)におけるR21〜R24の置換基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(3−B)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(3−C)で表される化合物である。
一般式(3−C)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(3−C)中、RC1、RC2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、置換基としては、前記一般式(1)におけるR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基を表す。RC3、RC4、RC5、及びRC6が表す置換基も前記一般式(1)におけるR21ないしR24の置換基と同義である。nC3、nC6は0〜3の整数、nC4、nC5は0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、RC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、RC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。RC3、RC4、RC5、RC6は、好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン原子である。
一般式(4)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(4)中、MB1、YB2、YB3、RB1、RB2、RB3、RB4、LB5、nB3、XB1、XB2は、前記一般式(1)におけるM21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、n21、X21、X22とそれぞれ同義であり好ましい範囲も同様である。
B1は連結基を表し、前記一般式(1)におけるY21と同様であり、好ましくは1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数2〜8のアルキレン基を表す。
B5、RB6は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、置換基としては前記一般式(1)におけるR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。ただし、YB1はRB5またはRB6と連結することはない。nB1、nB2は、それぞれ独立に、0ないし1の整数を表す。
前記一般式(4)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(4−A)で表される化合物である。
一般式(4−A)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(4−A)中、RD3、RD4は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、RD1、RD2はそれぞれ置換基を表す。RD1、RD2、RD3、及びRD4が表す置換基としては、前記一般式(4)におけるRB5、RB6が表す置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。nD1、nD2は0〜4の整数を表し、RD1、RD2をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRD1、RD2は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。YD1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数1〜8のアルキレン基を表す。
本発明における3座配位子を有する金属錯体の好ましい形態は、下記一般式(5)で表される化合物である。
一般式(5)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(5)中、M81は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
81、L82、及びL83は、それぞれ独立に、前記一般式(I)におけるL11、L12、L14と同義であり、好ましい範囲も同じである。
81、Y82は、それぞれ独立に、前記一般式(I)におけるY11、Y12と同義であり、好ましい範囲も同じである。
85はM81に配位する配位子を表す。L85は1〜3座の配位子が好ましく、1〜3座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜3座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、L81、Y81、L82、Y82、L83で形成される3座配位子が好ましく、L81、Y81、L82、Y82、L83で形成される3座配位子がより好ましい。L85が金属を介さずにL81、L83と連結することはない。配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。
81は0〜5を表す。M81が配位数4の金属の場合、n81は1であり、L85は単座配位子を表す。M81が配位数6の金属の場合、n81は1〜3が好ましく、1、3がより好ましく、1がさらに好ましい。M81が配位数6でn81が1の場合L85は3座配位子を表し、M81が配位数6でn81が2の場合L85は単座配位子1つと2座配位子1つを表し、M81が配位数6でn81が3の場合L85は単座配位子を表す。M81が配位数8の金属の場合、n81は1〜5が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M81が配位数8でn81が1の場合L85は5座配位子を表し、n81が2の場合L85は3座配位子1つと2座配位子1つを表し、n81が3の場合L85は3座配位子1つと単座配位子2つ、または、2座配位子2つと単座配位子1つを表し、n81が4の場合L85は2座配位子1つと単座配位子3つを表し、n81が5の場合L85は単座配位子5つを表す。n81が複数のときは、複数のL85は同じであっても異なっていてもよい。
前記一般式(5)の好ましい形態は、前記一般式(5)のL81、L82、L83が炭素原子でM81に配位する芳香族炭素環またはヘテロ環、または窒素原子でM81に配位する含窒素ヘテロ環を表し、L81、L82、L83のうち少なくとも一つが含窒素ヘテロ環である。これら炭素原子で配位する芳香族炭素環、ヘテロ環および窒素原子で配位する含窒素ヘテロ環は前記一般式(I)で説明したM11に炭素原子で配位する配位子および窒素原子で配位する例が挙げられ、好ましい範囲も同様である。Y81、Y82は好ましくは単結合ないしはメチレン基を表す。
前記一般式(5)で表される化合物の他の好ましい形態は、下記一般式(5−A)で表される化合物、及び下記一般式(5−B)で表される化合物である。
先ず、一般式(5−A)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(5−A)中、M91は前記一般式(5)におけるM81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
91、Q92は含窒素へテロ環(M91に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q91、Q92で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。
91、Q92で形成される含窒素ヘテロ環は、好ましくは、ピリジン環、ピラゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズチアゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)、及び、これらの互変異性体であり、より好ましくはピリジン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)、及び、これらの互変異性体、さらに好ましくは、ピリジン環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)であり、特に好ましくはピリジン環である。
93は含窒素へテロ環(M91に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q93で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環の互変異性体、及び、それらを含む縮環体(例えばベンズピロールなど)が好ましく、ピロール環の互変異性体及びピロール環を含む縮環体(例えばベンズピロールなど)の互変異性体がより好ましい。
91、W92は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるW51、W52と同義であり、好ましい範囲も同じである。
95は前記一般式(5)におけるL85と同義であり、好ましい範囲も同じである。n91は前記一般式(5)におけるn81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(5−B)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(5−B)中、M101は、前記一般式(5)におけるM81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
102は、前記一般式(1)におけるQ21と同義であり、好ましい範囲も同じである。Q101は前記一般式(5−A)におけるQ91と同義であり、好ましい範囲も同じである。
103は芳香環を形成する基を表す。Q103で形成される芳香環としては特に限定されないが、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、ナフタレン環など)が好ましく、ベンゼン環及びベンゼン環を含む縮環体(例えば、ナフタレン環など)がより好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
101、Y102は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるY22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
105は前記一般式(5)におけるL85と同義であり、好ましい範囲も同じである。n101は前記一般式(5)におけるn81と同義であり、好ましい範囲も同じである。X101は前記一般式(1)におけるX21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
次に、一般式(II)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合または連結基を表す。
すなわち、一般式(II)においては、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群、及びQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群が、それぞれ三座の配位子を形成する。
また、MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。
一般式(II)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、1価〜3価の金属イオンが好ましく、2価又は3価の金属イオンがより好ましく、3価の金属イオンがさらに好ましい。具体的には、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンがより好ましく、イリジウムイオンがさらに好ましい。
X11〜QX16は、MX1に配位する原子又はMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。
X11〜QX16がMX1に配位する原子を表す場合、その具体的な原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、珪素原子、リン原子、硫黄原子などが挙げられ、好ましくは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子であり、より好ましくは窒素原子、酸素原子である。
X11〜QX16がMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す場合、MX1に炭素原子で配位するものとしては、例えば、イミノ基、芳香族炭化水素環基(ベンゼン、ナフタレンなど)、ヘテロ環基(チオフェン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)およびこれらを含む縮合環、およびこれらの互変異性体が挙げられる。
X1に窒素原子で配位するものとしては、例えば、含窒素ヘテロ環基(ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)、アミノ基(アルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノ)、アリールアミノ基(例えばフェニルアミノ)などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ基などが挙げられる。これらの基はさらに置換されていてもよい。
X1に酸素原子で配位するものとしては、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル基(例えばケトン基、エステル基、アミド基など)、エーテル基(例えばジアルキルエーテル基、ジアリールエーテル基、フリル基など)などが挙げられる。
X1に珪素原子で配位するものとしては、アルキルシリル基(好ましくは炭素数3〜30であり、たとえば、トリメチルシリル基などが挙げられる。)、アリールシリル基(好ましくは炭素数18〜30であり、例えば、トリフェニルシリル基などが挙げられる。)等があげられる。これらの基はさらに置換されてもよい。
X1に硫黄原子で配位するものとしては、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル基(例えばチオケトン基、チオエステル基など)、チオエーテル基(例えばジアルキルチオエーテル基、ジアリールチオエーテル基、チオフリル基など)などが挙げられる。
X1にリン原子で配位するものとしては、ジアルキルホスフィノ基、ジアリールホスフィノ基、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ホスフィニン基等があげられる。これらの基はさらに置換されてもよい。
X11〜QX16で表される原子群として好ましくは、MX1に、炭素原子で配位する芳香族炭化水素環基、炭素原子で配位する芳香族ヘテロ環基、窒素原子で配位する含窒素芳香族ヘテロ環基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルホスフィノ基であり、より好ましくは炭素原子で配位する芳香族炭化水素環基、炭素原子で配位する芳香族ヘテロ環基、窒素原子で配位する含窒素芳香族ヘテロ環基である。
X1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。
一般式(II)中、LX11〜LX14は、単結合、二重結合、又は連結基を表す。連結基としては特に限定されないが、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子から選択される原子を含んで構成される連結基が好ましい。該連結の具体例を下記に示すが、これらに限定されることはない。
Figure 2006173588
これらの連結基はさらに置換されてもよく、置換基としては前記一般式(1)におけるR21〜R24で表される置換基として挙げたものが適用でき、好ましい範囲も同様である。LX11〜LX14として好ましくは、単結合、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基である。
前記一般式(II)で表される化合物のうち、より好ましくは下記一般式(X2)で表される化合物であり、更に好ましくは下記一般式(X3)で表される化合物である。
先ず、一般式(X2)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(X2)中、MX2は金属イオンを表す。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表し、QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26と共に芳香環もしくは芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。LX21〜LX24は単結合、二重結合または連結基を表す。MX2とYX21〜YX26との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。
一般式(X2)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(X2)中、MX2は、前記一般式(II)におけるMX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表す。YX21〜YX26とMX2との結合は配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。YX21〜YX26としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、りん原子、ケイ素原子が挙げられ、好ましくは炭素原子、窒素原子である。QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26を含んで芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。この場合に形成する芳香族炭化水素環、芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げられ、好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環であり、さらに好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、トリアゾール環であり、特に好ましくはベンゼン環、ピリジン環である。これらはさらに縮環を有していても置換基を有していても良い。
X21〜LX24は前記一般式(II)におけるLX11〜LX14と同義であり好ましい範囲も同様である。
前記一般式(II)で表される化合物は、さらに好ましくは下記一般式(X3)で表される化合物である。
一般式(X3)について説明する。
Figure 2006173588
一般式(X3)中、MX3は金属イオンを表す。YX31〜YX36は、炭素原子、窒素原子、リン原子を表す。LX31〜LX34は単結合、二重結合または連結基を表す。MX3とYX31〜YX36との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。
X3は前記一般式(II)におけるMX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YX31〜YX36はMX3に配位する原子を表す。YX31〜YX36とMX3との結合は配位結合でも共有結合でも良い。YX31〜YX36としては、炭素原子、窒素原子、りん原子が挙げられ、好ましくは炭素原子、窒素原子である。LX31〜LX34は前記一般式(II)におけるLX11〜LX14と同義であり好ましい範囲も同様である。
前記一般式(I)、一般式(II)、及び一般式(5)で表される化合物の具体例としては、特願2004−162849号明細書に記載の化合物(1)〜化合物(242)や化合物(243)〜(246)(以下に構造を示す。)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
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(本発明における金属錯体の合成方法)
本発明における金属錯体〔前記一般式(I)、(1)、(1−A)、(2)、(3)、(3−A)、(3−B)、(3−C)、(4)、(4−A)、(5)、(5−A)、及び(5−B)、並びに前記一般式(II)、(X2)、及び(X3)で表される化合物〕は、種々の手法で合成できる。
例えば、配位子、またはその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、もしくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、もしくは、塩基非存在下、室温以下、もしくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
本発明の金属錯体を合成する際の反応時間は反応原料の活性により異なり、特に限定されないが、1分以上5日以下が好ましく、5分以上3日以下がより好ましく、10分以上1日以下がさらに好ましい。
本発明の金属錯体合成の反応温度は反応の活性により異なり、特に限定されないが、0℃以上300℃以下が好ましく、5℃以上250℃以下がより好ましく、10℃以上200℃以下がさらに好ましい。
本発明の金属錯体は、目的とする錯体の部分構造を形成している配位子を適宜選択することで、前記一般式(I)、(1)、(1−A)、(2)、(3)、(3−A)、(3−B)、(3−C)、(4)、(4−A)、(5)、(5−A)、及び(5−B)、並びに前記一般式(II)、(X2)、及び(X3)は合成できる。
例えば、一般式(1−A)で表される化合物を合成する際は、6,6’−ビス(2−ヒ
ドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子またはその誘導体(例えば、2,9−
ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,10−フェナントロリン配位子、2,9−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン配位子、6,6’−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子など)などを、金属化合物に対し、好ましくは0.1当量〜10当量、より好ましくは0.3当量〜6当量、さらに好ましくは0.5当量〜4当量加えて合成できる。一般式(1−A)で表される化合物の合成方法において、反応溶媒、反応時間、反応温度の各々は、上記本発明の金属錯体の合成方法で述べた事項と同様である。
6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子の誘導体は種々の公知の方法を用いて合成することができる。
例えば、2,2’−ビピリジル誘導体(例えば、1,10−フェナントロリンなど)と
アニソール誘導体(例えば、4−フルオロアニソールなど)をJournal of Organic Chemistry, 741, 11,(1946)に記載の方法で反応させることにより合成することができる。また、ハロゲン化された2,2’−ビピリジ
ル誘導体(例えば、2,9−ジブロモ−1,10−フェナントロリンなど)と2−メトキシフェニルボロン酸誘導体など(例えば、2−メトキシ−5−フルオロフェニルボロン酸など)を出発物質として鈴木カップリング反応を行った後、メチル基を脱保護する(Journal of Organic Chemistry, 741, 11,(1946)に記載の方法、ピリジン塩酸塩中で加熱するなどの方法を用いる)ことにより合成することができる。また、2,2’−ビピリジルボロン酸誘導体(例えば6,6’−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロリル)−2,2’−ビピリジルなど)とハロゲン化されたアニソール誘導体(例えば2−ブロモアニソールなど)を出発物質として鈴木カップリング反応を行った後、メチル基を脱保護する(Journal of Organic Chemistry, 741, 11,(1946)に記載の方法、または、ピリジン塩酸塩中で加熱するなどの方法を用いる)ことによっても合成することができる。
本発明における金属錯体の配位子が前述の通り環状配位子である場合、該金属錯体は、下記一般式(III)で表される化合物であることが好ましい。
以下、下記一般式(III)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、Z13はそれぞれ置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有しても良い金属イオンを表す。
一般式(III)中、Q11は、Q11が結合する炭素原子2つとこれらの炭素原子に直接結合している窒素原子とを含んで、含窒素へテロ環を形成する原子群を表す。Q11で形成される含窒素へテロ環の環員数としては特に限定されないが、環員数12〜20が好ましく、環員数14〜16がより好ましく、環員数16がさらに好ましい。
11、Z12、及びZ13はそれぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表す。Z11、Z12、及びZ13の組合せとしては、Z11、Z12、及びZ13の少なくとも1つが窒素原子であることが好ましい。
炭素原子上の置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
これらの置換基の中でも、炭素原子上の置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子が好ましく、より好ましくはアリール基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくはフェニル基、フッ素原子である。
窒素原子上の置換基としては、前記炭素原子上の置換基として例示した置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。
一般式(III)中、MY1は配位子を更に有してもよい金属イオンを表し、他に配位子を有さない金属イオンがより好ましい。
Y1で表される金属イオンとしては特に限定されないが、2価または3価の金属イオンが好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、コバルトイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、パラジウムイオン、ニッケルイオン、銅イオン、白金イオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンが好ましく、コバルトイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、パラジウムイオン、ニッケルイオン、銅イオン、白金イオン、鉛イオンがより好ましく、銅イオン、白金イオンがさらに好ましく、白金イオンが特に好ましい。MY1は、Q11に含まれる原子と結合していても結合していなくてもよく、結合している方が好ましい。
Y1が、さらに有していてもよい配位子としては、特に限定されないが、単座、もしくは、2座の配位子が好ましく、2座の配位子がより好ましい。配位する原子としては、特に限定されないが、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、炭素原子、りん原子が好ましく、酸素原子、窒素原子、炭素原子がより好ましく、酸素原子、窒素原子がさらに好ましい。
前記一般式(III)で表される化合物の好ましい例は、下記一般式(a)〜(j)で表される化合物、又はそれらの互変異性体である。
一般式(III)で表される化合物はとしては、一般式(a)及び一般式(b)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましく、一般式(b)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましい。
また、一般式(III)で表される化合物としては、一般式(c)または一般式(g)で表される化合物も好ましい。
一般式(c)で表される化合物としては、一般式(d)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(e)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(f)で表される化合物またはその互変異性体が好ましく、一般式(d)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(e)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましく、一般式(d)で表される化合物またはその互変異性体がさらに好ましい。
一般式(g)で表される化合物としては、一般式(h)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(i)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(j)で表される化合物またはその互変異性体が好ましく、一般式(h)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(i)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましく、一般式(h)表される化合物またはその互変異性体がさらに好ましい。
以下、一般式(a)〜(j)で表される化合物について詳細に説明する。
Figure 2006173588
一般式(a)で表される化合物について説明する。
一般式(a)中、Z21、Z22、Z23、Z24、Z25、Z26、M21はそれぞれ対応する前記一般式(III)におけるZ11、Z12、Z13、Z11、Z12、Z13、MY1と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21、Q22はそれぞれ含窒素へテロ環を形成する基を表す。Q21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えばベンズピロール)、及び、これらの互変異性体(例えば、後述の一般式(b)において、R43、R44、R45、R46が置換している含窒素5員環はピロールの互変異性体と定義する)が好ましく、ピロール環及びピロール環を含む縮環体(例えば、ベンズピロール)がより好ましい。
21、X22、X23、X24は、それぞれ独立に、置換または無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、無置換の炭素原子、窒素原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。
一般式(b)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(b)中、Z41、Z42、Z43、Z44、Z45、Z46、X41、X42、X43、X44、M41は前記一般式(a)におけるZ21、Z22、Z23、Z24、Z25、Z26、X21、X22、X23、X24、M21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
43、R44、R45、R46はそれぞれ独立に水素原子、または前記一般式(III)におけるZ11又はZ12上の置換基として例示したアルキル基、アリール基、R43とR44またはR45とR46が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が好ましく、アルキル基、アリール基、R43とR44またはR45とR46が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、R43とR44またはR45とR46が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましい。
43、R44、R45、R46はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基としては前記一般式(III)におけるZ11又はZ12について炭素原子上の置換基で説明した基が挙げられる。
一般式(c)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(c)中、Z101、Z102、Z103はそれぞれ独立に置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表す。Z101、Z102、Z103の少なくとも一つが窒素原子であることが好ましい。
101、L102、L103、L104はそれぞれ独立に単結合または連結基を表す。連結基としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、含窒素ヘテロ環連結基、酸素原子連結基、硫黄原子連結基、珪素原子連結基、アミノ連結基、イミノ連結基、カルボニル連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
101、L102、L103、L104はそれぞれ独立に単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アミノ連結基、イミノ連結基が好ましく、単結合、アルキレン連結基、アルケニレン連結基、イミノ連結基がより好ましく、単結合、アルキレン連結基がさらに好ましい。
101、Q103はそれぞれ独立にM101に炭素原子で配位する基、窒素原子で配位する基、りん原子で配位する基、酸素原子で配位する基、または、硫黄原子で配位する基を表す。
101に炭素原子で配位する基としては、炭素原子で配位するアリール基、炭素原子で配位する5員環へテロアリール基、炭素原子で配位する6員環へテロアリール基が好ましく、炭素原子で配位するアリール基、炭素原子で配位する含窒素5員環へテロアリール基、炭素原子で配位する含窒素6員環へテロアリール基がより好ましく、炭素原子で配位するアリール基がさらに好ましい。
101に窒素原子で配位する基としては、窒素原子で配位する含窒素5員環へテロアリール基、窒素原子で配位する含窒素6員環へテロアリール基が好ましく、窒素原子で配位する含窒素6員環へテロアリール基がより好ましい。
101にりん原子で配位する基としては、りん原子で配位するアルキルホスフィン基、りん原子で配位するアリールホスフィン基、りん原子で配位するアルコキシホスフィン基、りん原子で配位するアリールオキシホスフィン基、りん原子で配位するヘテロアリールオキシホスフィン基、りん原子で配位するホスフィニン基、りん原子で配位するホスホール基が好ましく、りん原子で配位するアルキルホスフィン基、りん原子で配位するアリールホスフィン基がより好ましい。
101に酸素原子で配位する基としては、オキシ基、酸素原子で配位するカルボニル基が好ましく、オキシ基がさらに好ましい。
101に硫黄原子で配位する基としては、スルフィド基、チオフェン基、チアゾール基が好ましく、チオフェン基がより好ましい。
101、Q103はM101に炭素原子で配位する基、窒素原子で配位する基、酸素原子で配位する基が好ましく、炭素原子で配位する基、窒素原子で配位する基がより好ましく、炭素原子で配位する基がさらに好ましい。
102はM101に窒素原子で配位する基、りん原子で配位する基、酸素原子で配位する基、または、硫黄原子で配位する基を表し、窒素原子で配位する基がより好ましい。
101は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(d)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(d)中、Z201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、L201、L202、L203、L204、M201はそれぞれ対応する前記一般式(c)におけるZ101、Z102、Z103、Z101、Z102、Z103、L101、L102、L103、L104、M101と同義であり、好ましい範囲も同じである。Z204、Z205、Z206、Z210、Z211、Z212はそれぞれ置換または無置換の炭素原子又は窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。
一般式(e)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(e)中、Z301、Z302、Z303、Z304、Z305、Z306、Z307、Z308、Z309、Z310、L301、L302、L303、L304、M301は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z204、Z206、Z207、Z208、Z209、Z210、Z212、L101、L102、L103、L104、M101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(f)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(f)中、Z401、Z402、Z403、Z404、Z405、Z406、Z407、Z408、Z409、Z410、Z411、Z412、L401、L402、L403、L404、M401は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z204、Z205、Z206、Z207、Z208、Z209、Z210、Z211、Z212、L101、L102、L103、L104、M101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
401、X402はそれぞれ独立に酸素原子、置換又は無置換の窒素原子、硫黄原子を表し、酸素原子、置換窒素原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
一般式(g)で表される化合物について説明する
Figure 2006173588
一般式(g)中、Z501、Z502、Z503、L501、L502、L503、L504、Q501、Q502、Q503、M501は、それぞれ対応する前記一般式(c)におけるZ101、Z102、Z103、L101、L102、L103、L104、Q101、Q103、Q102、M101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(h)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(h)中、Z601、Z602、Z603、Z604、Z605、Z606、Z607、Z608、Z609、Z610、Z611、Z612、L601、L602、L603、L604、M601は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、Z204、Z205、Z206、Z210、Z211、Z212、L101、L102、L103、L104、M101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(i)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(i)中、Z701、Z702、Z703、Z704、Z705、Z706、Z707、Z708、Z709、Z710、L701、L702、L703、L704、M701はそれぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、Z204、Z206、Z210、Z212、L101、L102、L103、L104、M101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(j)で表される化合物について説明する。
Figure 2006173588
一般式(j)中、Z801、Z802、Z803、Z804、Z805、Z806、Z807、Z808、Z809、Z810、Z811、Z812、L801、L802、L803、L804、M801、X801、X802は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)、(f)におけるZ201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、Z204、Z205、Z206、Z210、Z211、Z212、L101、L102、L103、L104、M101、X401、X402と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(III)で表される化合物の具体例としては、特願2004−88575記載の化合物(2)〜化合物(8)、化合物(15)〜化合物(20)、化合物(27)〜化合物(32)、化合物(36)〜化合物(38)、化合物(42)〜化合物(44)、化合物(50)〜化合物(52)、及び、化合物(57)〜化合物(154)(以下に構造を示す。)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
さらに、本発明における金属錯体の好ましい例としては、下記一般式(A−1)、下記一般式(B−1)、下記一般式(C−1)、下記一般式(D−1)、下記一般式(E−1)、及び下記一般式(F−1)で表される各化合物が挙げられる。
一般式(A−1)について説明する。
Figure 2006173588
一般式(A−1)中、MA1は金属イオンを表す。YA11、YA14、YA15およびYA18は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA12、YA13、YA16およびYA17はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA11、LA12、LA13、LA14は連結基を表し、これらの連結基は、同一構造であっても異なる構造であっても良い。QA11、QA12はMA1に結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(A−1)で表される化合物について、詳細に説明する。
A1は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されることはないが、2価の金属イオンが好ましく、Pt2+、Pd2+、Cu2+、Ni2+、Co2+、Zn2+、Mg2+、Pb2+が好ましく、Pt2+、Cu2+がより好ましく、Pt2+が特に好ましい。
A11、YA14、YA15およびYA18は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA11、YA14、YA15およびYA18として好ましくは、炭素原子である。
A12、YA13、YA16およびYA17はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。YA12、YA13、YA16およびYA17として好ましくは、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子である。
A11、LA12、LA13、LA14は二価の連結基を表す。LA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基としては、それぞれ独立に単結合のほか、炭素、窒素、珪素、硫黄、酸素、ゲルマニウム、リン等で構成される連結基であり、より好ましくは、単結合、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、置換珪素原子、酸素原子、硫黄原子、二価の芳香族炭化水素環基、二価の芳香族ヘテロ環基であり、さらに好ましくは単結合、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、置換珪素原子、二価の芳香族炭化水素環基、二価の芳香族ヘテロ環基であり、特に好ましくは、単結合、置換または無置換のメチレン基である、LA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2006173588
A11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基は、さらに置換基を有していてもよい。導入可能な置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、
スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的にはイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
これらの置換基は更に置換されてもよい。置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シリル基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくはアルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基、フッ素原子である。
A11、QA12はMA1に結合する原子を含有する部分構造を表す。QA11、QA12はそれぞれ独立にMA1に炭素原子で結合する基、窒素原子で結合する基、珪素原子で結合する基、リン原子で結合する基、酸素原子で結合する基、硫黄原子で結合する基が好ましく、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子で結合する基がより好ましく、炭素原子、窒素原子で結合する基がさらに好ましく、炭素原子で結合する基が特に好ましい。
炭素原子で結合する基としては、炭素原子で結合するアリール基、炭素原子で結合する五員環へテロアリール基、炭素原子で結合する六員環へテロアリール基が好ましく、炭素原子で結合するアリール基、炭素原子で結合する含窒素五員環へテロアリール基、炭素原子で結合する含窒素六員環へテロアリール基がより好ましく、炭素原子で結合するアリール基が特に好ましい。
窒素原子で結合する基としては、置換アミノ基、窒素原子で結合する含窒素へテロ五員環へテロアリール基が好ましく、窒素原子で結合する含窒素へテロ五員環へテロアリール基が特に好ましい。
リン原子で結合する基としては、置換ホスフィノ基が好ましい。珪素原子で結合する基としては、置換シリル基が好ましい。酸素原子で結合する基としてはオキシ基、硫黄原子で結合する基としてはスルフィド基が好ましい。
前記一般式(A−1)で表される化合物は、より好ましくは一般式(A−2)、一般式(A−3)、又は一般式(A−4)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(A−2)中、MA2は金属イオンを表す。YA21、YA24、YA25およびYA28は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA22、YA23、YA26およびYA27はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA21、LA22、LA23、LA24は連結基を表す。ZA21、ZA22、ZA23、ZA24、ZA25およびZA26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006173588
一般式(A−3)中、MA3は金属イオンを表す。YA31、YA34、YA35およびYA38は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA32、YA33、YA36およびYA37はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA31、LA32、LA33、LA34は連結基を表す。ZA31、ZA32、ZA33およびZA34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006173588
一般式(A−4)中、MA4は金属イオンを表す。YA41、YA44、YA45およびYA48は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA42、YA43、YA46およびYA47はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA41、LA42、LA43、LA44は連結基を表す。ZA41、ZA42、ZA43、ZA44、ZA45およびZA46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XA41、XA42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
一般式(A−2)で表される化合物について詳細に説明する。
A2、YA21、YA24、YA25、YA28、YA22、YA23、YA26、YA27、LA21、LA22、LA23、LA24はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中のMA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、LA14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A21、ZA22、ZA23、ZA24、ZA25およびZA26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZA21、ZA22、ZA23、ZA24、ZA25およびZA26として好ましくはそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(A−3)で表される化合物について詳細に説明する。
A3、YA31、YA34、YA35、YA38、YA32、YA33、YA36、YA37、LA31、LA32、LA33、LA34はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中のMA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、LA14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A31、ZA32、ZA33、およびZA34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZA31、ZA32、ZA33、およびZA34として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(A−4)で表される化合物について詳細に説明する。
A4、YA41、YA44、YA45、YA48、YA42、YA43、YA46、YA47、LA41、LA42、LA43、LA44はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中のMA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、LA14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A41、ZA42、ZA43、ZA44、ZA45およびZA46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZA41、ZA42、ZA43、ZA44、ZA45およびZA46として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
A41、XA42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XA41、XA42として好ましくはそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
一般式(A−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(B−1)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(B−1)中、MB1は金属イオンを表す。YB11、YB14、YB15およびYB18は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB12、YB13、YB16およびYB17はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB11、LB12、LB13、LB14は連結基を表す。QB11、QB12はMB1に結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(B−1)について詳細に説明する。
一般式(B−1)中、MB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、LB14、QB11、QB12は、それぞれ対応する、一般式(A−1)中における、MA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、LA14、QA11、QA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(B−1)で表される化合物は、より好ましくは、下記一般式(B−2)、一般式(B−3)、又は一般式(B−4)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(B−2)中、MB2は金属イオンを表す。YB21、YB24、YB25およびYB28は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB22、YB23、YB26およびYB27はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB21、LB22、LB23、LB24は連結基を表す。ZB21、ZB22、ZB23、ZB24、ZB25およびZB26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006173588
一般式(B−3)中、MB3は金属イオンを表す。YB31、YB34、YB35およびYB38は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB32、YB33、YB36およびYB37は、それぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB31、LB32、LB33、LB34は連結基を表す。ZB31、ZB32、ZB33およびZB34は、それぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006173588
一般式(B−4)中、MB4は金属イオンを表す。YB41、YB44、YB45およびYB48は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB42、YB43、YB46およびYB47はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB41、LB42、LB43、LB44は連結基を表す。ZB41、ZB42、ZB43、ZB44、ZB45およびZB46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XB41、XB42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
一般式(B−2)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(B−2)中、MB2、YB21、YB24、YB25、YB28、YB22、YB23、YB26、YB27、LB21、LB22、LB23、LB24はそれぞれ対応する、一般式(B−1)中のMB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、LB14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
B21、ZB22、ZB23、ZB24、ZB25およびZB26は、それぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZB21、ZB22、ZB23、ZB24、ZB25およびZB26として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(B−3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(B−3)中、MB3、YB31、YB34、YB35、YB38、YB32、YB33、YB36、YB37、LB31、LB32、LB33、LB34はそれぞれ対応する、一般式(B−1)中のMB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、LB14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
B31、ZB32、ZB33、およびZB34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZB31、ZB32、ZB33、およびZB34として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(B−4)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(B−4)中、MB4、YB41、YB44、YB45、YB48、YB42、YB43、YB46、YB47、LB41、LB42、LB43、LB44はそれぞれ対応する、一般式(B−1)中のMB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、LB14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
B41、ZB42、ZB43、ZB44、ZB45およびZB46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZB41、ZB42、ZB43、ZB44、ZB45およびZB46として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
B41、XB42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XB41、XB42として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
一般式(B−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、一般式(C−1)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(C−1)中、MC1は金属イオンを表す。RC11、RC12は、それぞれ独立に、水素原子、互いに連結して五員環を形成する置換基、または互いに連結することの無い置換基を表す。RC13、RC14は、それぞれ独立に、水素原子、互いに連結して五員環を形成する置換基、または互いに連結することの無い置換基を表す。GC11、GC12は、それぞれ独立に、窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。LC11、LC12は連結基を表す。QC11、QC12はMC1に結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(C−1)について詳細に説明する。
一般式(C−1)中、MC1、LC11、LC12、QC11、QC12はそれぞれ対応する一般式(A−1)中における、MA1、LA11、LA12、QA11、QA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C11、GC12は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表し、好ましくは窒素原子、無置換の炭素原子であり、より好ましくは窒素原子である。
C11、RC12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RC11、RC12は互いに連結して五員環を形成してもよい。RC13、RC14はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RC13、RC14は互いに連結して五員環を形成してもよい。
C11、RC12、RC13およびRC14で表される置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的にはイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
C11、RC12、RC13およびRC14で表される置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、RC11とRC12、RC13とRC14が互いに結合して五員環を形成する基であり、特に好ましくはRC11とRC12、RC13とRC14が互いに結合して五員環を形成する基である。
一般式(C−1)で表される化合物は、より好ましくは一般式(C−2)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(C−2)中、MC2は金属イオンを表す。
C21、YC22、YC23およびYC24は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC21、GC22は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC21、LC22は連結基を表す。QC21、QC22はMC2に結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(C−2)について詳細に説明する。
一般式(C−2)中、MC2、LC21、LC22、QC21、QC22、GC21、GC22はそれぞれ対応する、一般式(C−1)におけるMC1、LC11、LC12、QC11、QC12、GC11、GC12と同義であり、好ましい範囲も同様である。
C21、YC22、YC23およびYC24は、それぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表し、好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
一般式(C−2)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(C−3)、一般式(C−4)又は一般式(C−5)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(C−3)中、MC3は金属イオンを表す。
C31、YC32、YC33およびYC34は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC31、GC32は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC31、LC32は連結基を表す。ZC31、Z C32、Z C33、Z C34、Z C35およびZ C36はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006173588
一般式(C−4)中、MC4は金属イオンを表す。 YC41、YC42、YC43およびYC44は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC41、GC42は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC41、LC42は連結基を表す。ZC41、ZC42、ZC43およびZC44はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006173588
一般式(C−5)中、MC5は金属イオンを表す。
C51、YC52、YC53およびYC54は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC51、GC52は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC51、LC52は連結基を表す。ZC51、ZC52、ZC53、ZC54、ZC55およびZC56はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XC51、XC52はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
一般式(C−3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(C−3)中、MC3、LC31、LC32、GC31、GC32はそれぞれ対応する、一般式(C−1)における、MC1、LC11、LC12、GC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C31、ZC32、ZC33、ZC34、ZC35およびZC36はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZC31、ZC32、ZC33、ZC34、ZC35およびZC36として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
一般式(C−4)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(C−4)中、MC4、LC41、LC42、GC41、GC42は、それぞれ対応する一般式(C−1)における、MC1、LC11、LC12、GC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C41、ZC42、ZC43、およびZC44はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZC41、ZC42、ZC43、およびZC44として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
一般式(C−5)で表される化合物について詳細に説明する。
C5、LC51、LC52、GC51、GC52は、それぞれ対応する一般式(C−1)における、MC1、LC11、LC12、GC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C51、ZC52、ZC53、ZC54、ZC55およびZC56はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZC51、ZC52、ZC53、ZC54、ZC55およびZC56として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
C51、XC52はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XC51、XC52として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
一般式(C−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(D−1)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(D−1)中、MD1は金属イオンを表す。
D11、GD12は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。JD11、JD12、JD13およびJD14は五員環を形成するのに必要な原子群を表す。LD11、LD12は連結基を表す。
一般式(D−1)について詳細に説明する。
一般式(D−1)中、MD1、LD11、LD12はそれぞれ対応する一般式(A−1)中における、MA1、LA11、LA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D11、GD12は、それぞれ対応する一般式(C−1)におけるGC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D11、JD12、JD13およびJD14は、これらが結合している原子群と共に、含窒素へテロ五員環を形成するのに必要な原子群を表す。
一般式(D−1)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(D−2)、一般式(D−3)、又は一般式(D−4)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(D−2)中、MD2は金属イオンを表す。
D21、GD22は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。
D21、YD22、YD23およびYD24は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
D21、XD22、XD23およびXD24は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD21−、−C(RD22)RD23−を表す。
D21、RD22およびRD23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LD21、LD22は連結基を表す。
Figure 2006173588
一般式(D−3)中、MD3は金属イオンを表す。
D31、GD32は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。
D31、YD32、YD33およびYD34は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
D31、XD32、XD33およびXD34は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD31−、−C(RD32)RD33−を表す。
D31、RD32およびRD33は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LD31、LD32は連結基を表す。
Figure 2006173588
一般式(D−4)中、MD4は金属イオンを表す。
D41、GD42は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。
D41、YD42、YD43およびYD44は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
D41、XD42、XD43およびXD44は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD41−、−C(RD42)RD43−を表す。RD41、RD42およびRD43は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LD41、LD42は連結基を表す。
一般式(D−2)について詳細に説明する。
D2、LD21、LD22、GD21、GD22は、一般式(D−1)におけるMD1、LD11、LD12、GD11、GD12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D21、YD22、YD23およびYD24は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表し、好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
D21、XD22、XD23およびXD24は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD21−、−C(RD22)RD23−を表し、好ましくは硫黄原子、−NRD21−、−C(RD22)RD23−であり、より好ましくは−NRD21−、−C(RD22)RD23−であり、さらに好ましくは−NRD21−である。
D21、RD22およびRD23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RD21、RD22およびRD23で表される置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、置換カルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、メトキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、等が挙げられる。)、置換スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、
ヘテロ環基(脂肪族ヘテロ環基、芳香族ヘテロ環基がある。好ましくは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子のいずれかを含み、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、トリアゾリル基等が挙げられる。)等が挙げられる。RD21、RD22およびRD23は好ましくはアルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基であり、さらに好ましくはアリール基である。
一般式(D−3)について詳細に説明する。
一般式(D−3)中、MD3、LD31、LD32、GD31、GD32は、それぞれ対応する一般式(D−1)におけるMD1、LD11、LD12、GD11、GD12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D31、XD32、XD33およびXD34はそれぞれ対応する、一般式(D−2)におけるXD21、XD22、XD23およびXD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D31、YD32、YD33およびYD34はそれぞれ対応する、一般式(D−2)におけるYD21、YD22、YD23およびYD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(D−4)について詳細に説明する。
一般式(D−4)中、MD4、LD41、LD42、GD41、GD42は、それぞれ対応する、一般式(D−1)におけるMD1、LD11、LD12、GD11、GD12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D41、XD42、XD43およびXD44は、それぞれ対応する一般式(D−2)におけるXD21、XD22、XD23およびXD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YD41、YD42、YD43およびYD44は、それぞれ対応する、一般式(D−2)におけるYD21、YD22、YD23およびYD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(D−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2006173588
Figure 2006173588
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(E−1)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(E−1)中、ME1は金属イオンを表す。JE11、JE12は五員環を形成するのに必要な原子群を表す。GE11、GE12、GE13およびGE14は、それぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。YE11、YE12、YE13およびYE14はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
一般式(E−1)について詳細に説明する。
一般式(E−1)中、ME1は一般式(A−1)におけるMA1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。GE11、GE12、GE13およびGE14は一般式(C−1)におけるGC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
E11、JE12は、一般式(D−1)におけるJD12〜JD14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YE11、YE12、YE13およびYE14はそれぞれ対応する、一般式(C−2)におけるYC21〜YC24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(E−1)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(E−2)、又は一般式(E−3)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(E−2)中、ME2は金属イオンを表す。GE21、GE22、GE23およびGE24はそれぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。YE21、YE22、YE23、YE24、YE25およびYE26はそれぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
E21およびXE22は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRE21−、−C(RE22)RE23−を表す。RE21、RE22およびRE23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
Figure 2006173588
一般式(E−3)中、ME3は金属イオンを表す。GE31、GE32、GE33およびGE34はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。YE31、YE32、YE33、YE34、YE35およびYE36はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XE31およびXE32は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRE31−、−C(RE32)RE33−を表す。RE31、RE32およびRE33は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(E−2)について詳細に説明する。
一般式(E−2)中、ME2、GE21、GE22、GE23、GE24、YE21、YE22、YE23、YE24は、それぞれ対応する一般式(E−1)におけるME1、GE11、GE12、GE13、GE14、YE11、YE12、YE13、YE14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。XE21、XE22は一般式(D−2)におけるXD21、XD22と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(E−3)について詳細に説明する。
一般式(E−3)中、ME3、GE31、GE32、GE33、GE34、YE31、YE32、YE33、YE34は、それぞれ対応する、一般式(E−1)におけるME1、GE11、GE12、GE13、GE14、YE11、YE12、YE13、YE14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。XE31、XE32は対応する、一般式(E−2)におけるXE21、XE22と同義であり、また好ましい
範囲も同様である。
一般式(E−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2006173588
Figure 2006173588
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(F−1)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(F−1)中、MF1は金属イオンを表す。LF11、LF12およびLF13は連結基を表す。RF11、RF12、RF13およびRF14は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、RF11とRF12、RF12とRF13、RF13とRF14は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF11とRF12、RF13とRF14が形成する環は五員環である。QF11、QF12はMF1に結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(F−1)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(F−1)中、MF1、LF11、LF12、LF13、QF11、QF12はそれぞれ対応する、一般式(A−1)におけるMA1、LA11、LA12、LA13、QA11、QA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。RF11、RF12、RF13およびRF14は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、RF11とRF12、RF12とRF13、RF13とRF14は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF11とRF12、RF13とRF14が形成する環は五員環である。RF11、RF12、RF13およびRF14で表される置換基としては、それぞれ対応する一般式(C−1)におけるRC11〜RC14で表される置換基として挙げたものが適用できる。RF11、RF12、RF13およびRF14として好ましくは、RF11とRF12、RF13とRF14が互いに結合して五員環を形成する基もしくは、RF12とRF13が互いに結合して芳香環を形成する基である。
一般式(F−1)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(F−2)、一般式(F−3)、又は一般式(F−4)で表される化合物である。
Figure 2006173588
一般式(F−2)中、MF2は金属イオンを表す。LF21、LF22およびLF23は連結基を表す。RF21、RF22、RF23およびRF24は置換基を表し、RF21とRF22、RF22とRF23、RF23とRF24は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF21とRF22、RF23とRF24が形成する環は五員環である。ZF21、ZF22、ZF23、ZF24、ZF25およびZF26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006173588
一般式(F−3)中、MF3は金属イオンを表す。LF31、LF32およびLF33は連結基を表す。RF31、RF32、RF33およびRF34は置換基を表し、RF31とRF32、RF32とRF33、RF33とRF34は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF31とRF32、RF33とRF34が形成する環は五員環である。ZF31、ZF32、ZF33およびZF34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006173588
一般式(F−4)中、MF4は金属イオンを表す。LF41、LF42およびLF43は連結基を表す。RF41、RF42、RF43およびRF44は置換基を表し、RF41とRF42、RF42とRF43、RF43とRF44は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF41とRF42、RF43とRF44が形成する環は五員環である。ZF41、ZF42、ZF43、ZF44、ZF45、およびZF46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XF41、XF42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
一般式(F−2)で表される化合物について詳細に説明する。
F2、LF21、LF22、LF23、RF21、RF22、RF23およびRF24はそれぞれ対応する一般式(F−1)におけるMF1、LF11、LF12、LF13、RF11、RF12、RF13およびRF14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
F21、ZF22、ZF23、ZF24、ZF25およびZF26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZF21、ZF22、ZF23、ZF24、ZF25およびZF26として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(F−3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(F−3)中、MF3、LF31、LF32、LF33、RF31、RF32、RF33およびRF34はそれぞれ対応する、一般式(F−1)におけるMF1、LF11、LF12、LF13、RF11、RF12、RF13およびRF14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。ZF31、ZF32、ZF33およびZF34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZF31、ZF32、ZF33およびZF34として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(F−4)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(F−4)中、MF4、LF41、LF42、LF43、RF41、RF42、RF43およびRF44は一般式(F−1)におけるMF1、LF11、LF12、LF13、RF11、RF12、RF13およびRF14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
F41、ZF42、ZF43、ZF44、ZF45およびZF46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZF41、ZF42、ZF43、ZF44、ZF45およびZF46として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
F41、XF42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XF41、XF42として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
一般式(F−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
Figure 2006173588
前記一般式(A−1)〜(F−1)で表される化合物は公知の方法により合成することができる。
本発明の有機電界発光素子は、陽極、陰極の一対の電極間に、発光層と2層以上の正孔輸送層及び/又は電子輸送層とを含む複数の有機化合物層を形成した素子であり、これらの層の他に、発光層のほか正孔注入層、電子注入層、保護層などを有してもよい。またこれらの各層は、それぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
本発明の有機電界発光素子を構成する要素について更に説明する。
有機電界発光素子は、ボトムエミッション方式とトップエミッション方式とに大別される。本発明はいずれの方式にも好ましく適用することができる。以下では、ボトムエミッション方式を例に取り、本発明を詳しく説明する。ボトムエミッション方式の有機電界発光素子は、通常、基板側から陽極/正孔輸送層/発光層/陰極の構成、又は、基板側から陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極の構成となっている。本発明においては、発光層と該発光層に隣接した層を含む複数の正孔輸送層とを有する構成であるか、及び/又は、発光層と該発光層に隣接した層を含む複数の電子輸送層とを有する構成であることが必要である。さらに各層は、複数の二次層に分かれていてもよい。
また、発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明であることが好ましい。通常の場合、陽極が透明である。
本発明のボトムエミッション発光素子としての典型的な構成は、基板側から、(1)透明陽極/複数の正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極の構成(第1の態様)、(2)透明陽極/正孔輸送層/発光層/複数の電子輸送層/陰極の構成(第2の態様)、又は、(3)透明陽極/複数の正孔輸送層/単層又は2層の発光層/複数の電子輸送層/陰極の構成(第3及び第4の態様)、をとる。
<基板>
本発明で使用する基板は、有機化合物層から発せられる光を散乱又は減衰させないことが好ましい。その具体例としては、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルやポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。有機材料の場合、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
基板の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、形状としては板状である。構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。
基板は無色透明であっても有色透明であってもよいが、発光層から発せられる光を散乱あるいは減衰等させることがない点で、無色透明で有ることが好ましい。
基板には、その表面又は裏面(透明電極側)に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることができる。透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。該透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。熱可塑性基板には、更に必要に応じてハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
<陽極>
陽極としては、通常、有機化合物層に正孔を供給する陽極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、有機導電性化合物、又はこれらの混合物を好適に挙げられ、仕事関数が4.0eV以上の材料が好ましい。具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の半導性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。
陽極は、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って基板上に形成することができる。例えば、透明陽極の材料として、ITOを選択する場合には、該透明陽極の形成は、直流あるいは高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って行うことができる。また、透明陽極の材料として有機導電性化合物を選択する場合には、湿式成膜法に従って行うことができる。
発光素子における陽極の形成位置としては、特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、基板上に形成されるのが好ましい。この場合、陽極は、基板における一方の表面の全体に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。なお、陽極のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陽極の厚みは材料により適宜選択することができ、通常10nm〜50μmであり、50nm〜20μmが好ましい。透明陽極の抵抗値としては、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がより好ましい。
陽極を透明陽極として設け、該陽極側から発光を取り出す場合、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。この透過率は、分光光度計を用いた公知の方法に従って測定することができる。また、この場合、陽極は無色透明であっても、有色透明であってもよい。なお、陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、これらを本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスティック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150度以下の低温で成膜した陽極が好ましい。
<陰極>
陰極としては、通常、有機化合物層に電子を注入する陰極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途・目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
陰極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられ、仕事関数が4.5eV以下のものが好ましい。具体例としては、アルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えば、Mg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。これらの中でも、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、又はアルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属との合金若しくは混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されている。
陰極の形成法は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
陰極のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等によって行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
電極と有機化合物層とを積層して得られる積層体(発光積層体)における陰極の形成位置としては、特に制限はなく、有機化合物層上の全体に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
また、陰極と有機化合物層との間にアルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は一種の電子注入層と見る事もできる。該誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができる。
陰極の厚みとしては、材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μmであり、50nm〜1μmが好ましい。
陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚みに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
<有機化合物層>
−有機化合物層の形成−
本発明における有機化合物層の形成方法は特に限定されないが、抵抗加熱蒸着法、電子写真法、電子ビーム法、スパッタリング法、分子積層法、塗布法(スプレーコート法、ディップコート法、含浸法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、スピンコート法、フローコート法、バーコート法、マイクログラビアコート法、エアードクターコート、ブレードコート法、スクイズコート法、トランスファーロールコート法、キスコート法、キャストコート法、エクストルージョンコート法、ワイヤーバーコート法、スクリーンコート法等)、インクジェット法、印刷法、転写法等の方法が可能である。中でも素子の特性、製造の容易さ、コスト等を勘案すると、抵抗加熱蒸着法、塗布法、転写法が好ましい。発光素子が2層以上の積層構造を有する場合、上記方法を組み合わせて製造することも可能である。
塗布方法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
−正孔輸送層、正孔注入層−
正孔輸送層又は正孔注入層の材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。本発明における正孔輸送層には、一般に、正孔注入層といわれている層も含む。
正孔輸送層又は正孔注入層の材料の具体例としては、カルバゾール、イミダゾール、ジベンゾアゼピン、トリベンゾアゼピン、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機金属錯体、遷移金属錯体、又は上記化合物の誘導体等が挙げられる。
本発明においては、駆動電圧の低減、耐久性の向上の観点から、正孔輸送層のうち、少なくとも1つの層に、アゼピン化合物、アミン化合物、カルバゾール化合物、ピロール化合物、及びインドール化合物からなる群より選択される化合物のいずれかを含むことが好ましい。正孔輸送層のうち、発光層に隣接する層に、アゼピン化合物、アミン化合物、カルバゾール化合物、ピロール化合物、及びインドール化合物からなる群より選択される化合物を含むことが好ましい。
本発明において、発光層に隣接した正孔輸送層の材料としては、上記した中でも、カルバゾール、フェニレンジアミン、アリールアミン、芳香族第三級アミン化合物、ジベンゾアゼピン、トリベンゾアゼピンが好ましく、カルバゾール、芳香族第三級アミン化合物、トリベンゾアゼピンがより好ましい。
また、他の正孔輸送層の材料としては、上記した中でも、カルバゾール、フェニレンジアミン、アリールアミン、芳香族第三級アミン化合物、ジベンゾアゼピン、トリベンゾアゼピンが好ましく、カルバゾール、芳香族第三級アミン化合物、トリベンゾアゼピンがより好ましい。
本発明の第1、第3及び第5の態様においては、前述したごとく、発光層のイオン化ポテンシャルをIp0、発光層に隣接した正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIp1、発光層側からn番目に位置する正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIpnとしたときに、下記式(1)で表される関係を満たすことが必要である。
式(1):Ip0>Ip1>Ip2>…>Ipn−1>Ipn (nは2以上の整数)
2層以上存在する正孔輸送層を構成する材料の選択にあたっては、発光層に含まれる材料との関係が考慮される。
正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔輸送層は上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
また、正孔注入層、正孔輸送層には、電子受容性ドーパントを含有させることができる。正孔注入層、正孔輸送層に導入する電子受容性ドーパントとしては、電子受容性で有機化合物を酸化する性質を有すれば、無機化合物でも有機化合物でも使用でき、具体的には、無機化合物は塩化第二鉄や塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモンなどのルイス酸化合物を好適に用いることができる。
有機化合物の場合は、置換基としてニトロ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基などを有する化合物、キノン系化合物、酸無水物系化合物、フレーレンなどを好適に用いることができる。
これらの電子受容性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。電子受容性ドーパントの使用量は、材料の種類によって異なるが、正孔輸送層又は正孔注入層に含まれる材料に対して、0.01質量%〜50質量%であることが好ましく、0.05質量%〜20質量%であることが更に好ましく、0.1質量%〜10質量%であることが特に好ましい。
−電子輸送層、電子注入層−
電子輸送層又は電子注入層の材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入され得た正孔を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。本発明における電子輸送層には、一般に電子注入層といわれている層も含む。
電子輸送層又は電子注入層の材料の具体例としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、トリアゾール、トリアジン、オキサゾール、フェナントロリン、オキサジアゾール、イミダゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、シロール、イミダゾピリジン、ナフタレンペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、又は上記化合物の誘導体等が挙げられる。
本発明において、発光層に隣接した電子輸送層の材料としては、上記した中でも、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、フェナントロリン、オキサジアゾール、イミダゾール、シロール、イミダゾピリジンが好ましく、トリアジン、オキサジアゾール、イミダゾール、イミダゾピリジンがより好ましい。
また、他の電子輸送層の材料としては、上記した中でも、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、フェナントロリン、オキサジアゾール、イミダゾール、シロール、イミダゾピリジンが好ましく、トリアジン、フェナントロリン、オキサジアゾール、イミダゾール、シロール、イミダゾピリジンがより好ましい。
本発明の第2、第3及び第5の態様においては、前述したごとく、発光層の電子親和力をEa0とし、発光層に隣接した電子輸送層の電子親和力ををEa1、発光層側からm番目に位置する電子輸送層の電子親和力をEamとしたときに、下記式(2)で表される関係を満たすことが必要である。
式(2):Ea0<Ea1<Ea2<…<Eam−1<Eam (mは2以上の整数)
2層以上存在する電子輸送層を構成する材料の選択にあたっては、発光層に含まれる材料との関係が考慮される。
電子注入層、電子輸送層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
また、電子注入層、電子輸送層には、電子供与性ドーパントを含有させることができる。電子注入層、電子輸送層に導入される電子供与性ドーパントとしては、電子供与性で有機化合物を還元する性質を有していればよく、Liなどのアルカリ金属、Mgなどのアルカリ土類金属、希土類金属を含む遷移金属や還元性有機化合物などが好適に用いられる。金属としては、特に仕事関数が4.2eV以下の金属が好適に使用でき、具体的には、Li、Na、K、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Cs、La、Sm、Gd、およびYbなどが挙げられる。また、還元性有機化合物としては、例えば、含窒素化合物、含硫黄化合物、含リン化合物などが挙げられる。
これらの電子供与性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。電子供与性ドーパントの使用量は、材料の種類によって異なるが、電子輸送層又は電子注入層に含まれる材料に対して0.1質量%〜99質量%であることが好ましく、1.0質量%〜80質量%であることが更に好ましく、2.0質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
−発光層−
本発明における発光層は、発光材料とホスト材料とを含む層である。
ホスト材料は、電圧印加時に正孔輸送層又は正孔注入層から正孔を受け取ると共に、電子注入層又は電子輸送層から電子を受け取る機能、注入された電荷を移動させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して励起子を生成させる機能、励起エネルギーを移動させる機能を有する材料である。
本発明に用いうるホスト材料の例としては、例えば、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ポリフェニル、クマリン、オキサジアゾール、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、芳香族ジメチリディン化合物、カルバゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、フルオレノン、ヒドラゾン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、芳香族ジメチリディン化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、又は上記化合物の誘導体等が挙げられる。ホスト材料は単一であっても複数種の混合物であってもよい。
発光層におけるホスト材料の総含有量としては、発光層の質量に対して、50質量%〜99.9質量%であることが好ましく、60質量%〜99.7質量%であることがより好ましく、80質量%〜99.5質量%であることがさらにより好ましい。
なお、本発明の第4及び第5の態様においては、第1発光層及び第2発光層の各々に、異なる特定ホスト材料を含有することが必要である。
また、発光層に含まれる発光材料として好ましい材料は前述した通りである。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
また、第4又は第5の態様のごとく、複数の発光層を設ける場合についても、各発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、各々、1nm〜250nmであるのが好ましく、2nm〜100nmであるのがより好ましく、5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
また、発光層が複数の層である場合、各々の発光層に含まれる発光材料は同じであっても異なっていても良い。積層される発光層の数は特に限定されないが、2〜3層が好ましい。
更に、相異なる二種類あるいは三種類以上の発光材料を用いることにより、任意の色の発光素子を得ることもできる。例えば、青色発光/黄色発光や水色発光/橙色発光、緑色発光/紫色発光のように、補色関係にある色を発光する発光材料を用いて白色を発光させることもできる。また、青色発光/緑色発光/赤色発光の発光材料を用いて白色発光させることもできる。
なお、ホスト材料が発光材料の機能を兼ねて発光してもよい。例えば、ホスト材料の発光と発光材料の発光によって、素子を白色発光させてもよい。
更にまた、相異なる二種類以上の発光材料を同一発光層に含んでいてもよく、また、例えば、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層、あるいは青色発光層/黄色発光層のようにそれぞれの発光材料を含む層を積層した構造であってもよい。
本発明の有機電界発光素子は、発光効率を向上させるため、発光層が複数である場合には、電荷発生層を設けた構成をとることができる。
前記電荷発生層は、電界印加時に電荷(正孔及び電子)を発生する機能を有すると共に、発生した電荷を隣接層に注入させる機能を有する層である。
前記電荷発生層を形成する材料は、上記の機能を有する材料であれば特に制限はなく、単一化合物であってもよいし、複数の化合物であってもよい。
具体的には、導電性を有するものであっても、ドープされた有機化合物層のように半導電性を有するものであってもよい。また、電気絶縁性を有するものであってもよい。例えば、特開平11−329748号公報、特開2003−272860号公報、特開2004−39617号公報に記載の材料が挙げられる。
尚、本発明の有機電界発光素子が、陽極・陰極間に電荷発生層等を有する素子である場合、電極と電荷発生層との間におけるユニット、又は、電荷発生層間における各ユニットに対して、本発明の構成を適用することが好ましい。
<保護層>
本発明において、発光素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。保護層の材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxOy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
<封止>
さらに、本発明においては、封止容器を用いて本発明の素子全体を封止してもよい。また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが例えば酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
<素子の駆動>
本発明の発光素子は、透明陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜40ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。本発明の発光素子の駆動については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号等の各公報、米国特許5828429号、同6023308号、日本特許第2784615号等の各明細書に記載の方法を利用することができる。
以下に、本発明の有機電界発光素子について、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
1.有機電界発光素子の作製
(1)比較例の有機電界発光素子(素子1)の作製
0.5mm厚み、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極(ITO膜)上に真空蒸着法にて以下の有機化合物層を順次蒸着した。
本発明の実施例における蒸着速度は、特に断りのない場合は0.2nm/秒である。蒸着速度は水晶振動子を用いて測定した。以下に記載の膜厚も水晶振動子を用いて測定したものである。
なお、素子1における各有機化合物層のイオン化ポテンシャル及び電子親和力の値を各層の構成中に併記する。
(正孔輸送層)
NPD:膜厚40nm
イオン化ポテンシャル:5.4eV、 電子親和力:2.4eV
(発光層)
mCP=95質量%、BPM−1=5質量%の混合層:膜厚35nm
イオン化ポテンシャル:6.0eV、 電子親和力:2.4eV
(電子輸送層)
BAlq:膜厚45nm
イオン化ポテンシャル:5.9eV、 電子親和力:2.9eV
以下に、上記NPD、mCP、BPM−1、及びBAlqの構造を示す。
Figure 2006173588
最後に金属アルミニウムを100nm蒸着し陰極とした。
このものを、大気に触れさせること無く、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、比較例の有機電界発光素子(素子1)を得た。
(2)実施例の有機電界発光素子(素子2)の作製
有機化合物層の構成を下記のように変更した以外は、比較例の有機電界発光素子(素子1)と同様の方法で、実施例の有機電界発光素子(素子2)を作製した。素子2における各有機化合物層のイオン化ポテンシャル及び電子親和力の値を各層の構成中に併記する。
(第1正孔輸送層)
CuPc:膜厚10nm
イオン化ポテンシャル:5.1eV、 電子親和力:3.4eV
(第2正孔輸送層)
NPD:膜厚30nm
イオン化ポテンシャル:5.4eV、 電子親和力:2.4eV
(発光層)
mCP=95質量%、BPM−1=5質量%の混合層:膜厚35nm
イオン化ポテンシャル:6.0eV、 電子親和力:2.4eV
(第1電子輸送層)
BAlq:膜厚5nm
イオン化ポテンシャル:5.9eV、 電子親和力:2.9eV
(第2電子輸送層)
Alq:膜厚40nm
イオン化ポテンシャル:5.8eV、 電子親和力:3.0eV
上記NPD、mCP、BPM−1、及びBAlqの構造は前記の通りである。以下に、CuPc、及びAlqの構造を示す。
Figure 2006173588
(3)実施例の有機電界発光素子(素子3)作製
有機化合物層構成を下記のように変更した以外は、比較例の有機電界発光素子(素子1)と同様の方法で実施例の有機電界発光素子(素子3)を作製した。素子3における各有機化合物層のイオン化ポテンシャル及び電子親和力の値を各層の構成中に併記する。
(第1正孔輸送層)
m−MTDATA:膜厚10nm
イオン化ポテンシャル:5.1eV、 電子親和力:1.9eV
(第2正孔輸送層)
NPD:膜厚30nm
イオン化ポテンシャル:5.4eV、 電子親和力:2.4eV
(発光層)
mCP=95質量%、BPM−1=5質量%の混合層:膜厚35nm
(第1電子輸送層)
BAlq:膜厚5nm
イオン化ポテンシャル:5.9eV、 電子親和力:2.9eV
(第2電子輸送層)
Alq:膜厚40nm
イオン化ポテンシャル:5.8eV、 電子親和力:3.0eV
上記NPD、mCP、BPM−1、BAlq及びAlqの構造は前記の通りである。以下に、m−MTDATAの構造を示す。
Figure 2006173588
(4)実施例の有機電界発光素子(素子4)の作製
有機化合物層の構成を下記のように変更した以外は、比較例の有機電界発光素子(素子1)と同様の方法で本発明の有機電界発光素子(素子4)を作製した。素子4における各有機化合物層のイオン化ポテンシャル及び電子親和力の値を各層の構成中に併記する。
(第1正孔輸送層)
銅フタロシアニン:膜厚10nm
イオン化ポテンシャル:5.1eV、 電子親和力:3.4eV
(第2正孔輸送層)
NPD:膜厚25nm
イオン化ポテンシャル:5.4eV、 電子親和力:2.4eV
(第3正孔輸送層)
HTM−1:5nm
イオン化ポテンシャル:5.8eV、 電子親和力:2.2eV
(発光層)
mCP=95質量%、BPM−1=5質量%の混合層:膜厚35nm
イオン化ポテンシャル:6.0eV、 電子親和力:2.4eV
(第1電子輸送層)
BAlq:膜厚5nm
イオン化ポテンシャル:5.9eV、 電子親和力:2.9eV
(第2電子輸送層)
Alq:膜厚40nm
イオン化ポテンシャル:5.8eV、 電子親和力:3.0eV
上記銅フタロシアニン、NPD、mCP、BPM−1、BAlq、及びAlqの構造は前記の通りである。以下に、HTM−1の構造を示す。
Figure 2006173588
(5)実施例の有機電界発光素子(素子5)の作製
有機化合物層の構成を下記のように変更した以外は、比較例の有機電界発光素子(素子1)と同様の方法で本発明の有機電界発光素子(素子5)を作製した。素子5における各有機化合物層のイオン化ポテンシャル及び電子親和力の値を各層の構成中に併記する。
(第1正孔輸送層)
銅フタロシアニン:膜厚10nm
イオン化ポテンシャル:5.1eV、 電子親和力:3.4eV
(第2正孔輸送層)
NPD:膜厚25nm
イオン化ポテンシャル:5.4eV、 電子親和力:2.4eV
(第3正孔輸送層)
HTM−1:5nm
イオン化ポテンシャル:5.8eV、 電子親和力:2.2eV
(発光層)
mCP=95質量%、BPM−1=5質量%の混合層:膜厚35nm
イオン化ポテンシャル:6.0eV、 電子親和力:2.4eV
(第1電子輸送層)
ETM−1:膜厚5nm
イオン化ポテンシャル:6.1eV、 電子親和力:2.5eV
(第2電子輸送層)
BAlq:膜厚5nm
イオン化ポテンシャル:5.9eV、 電子親和力:2.9eV
(第3電子輸送層)
Alq:膜厚35nm
イオン化ポテンシャル:5.8eV、 電子親和力:3.0eV
上記銅フタロシアニン、NPD、HTM−1、mCP、BPM−1、BAlq、及びAlqの構造は前記の通りである。以下に、ETM−1の構造を示す。
Figure 2006173588
(6)実施例の有機電界発光素子(素子6)の作製
有機化合物層の構成を下記のように変更した以外は、比較例の有機電界発光素子(素子1)と同様の方法で本発明の有機電界発光素子(素子6)を作製した。素子6における各有機化合物層のイオン化ポテンシャル及び電子親和力の値を各層の構成中に併記する。
(第1正孔輸送層)
銅フタロシアニン:膜厚10nm
イオン化ポテンシャル:5.1eV、 電子親和力:3.4eV
(第2正孔輸送層)
NPD:膜厚25nm
イオン化ポテンシャル:5.4eV、 電子親和力:2.4eV
(第3正孔輸送層)
HTM−2:5nm
イオン化ポテンシャル:5.7eV、 電子親和力:2.3eV
(発光層)
mCP=95質量%、BPM−1=5質量%の混合層:膜厚35nm
イオン化ポテンシャル:6.0eV、 電子親和力:2.4eV
(第1電子輸送層)
BAlq:膜厚5nm
イオン化ポテンシャル:5.9eV、 電子親和力:2.9eV
(第2電子輸送層)
Alq:膜厚40nm
イオン化ポテンシャル:5.8eV、 電子親和力:3.0eV
上記銅フタロシアニン、NPD、mCP、BPM−1、BAlq、及びAlqの構造は前記の通りである。以下に、HTM−2の構造を示す。
Figure 2006173588
(7)実施例の有機電界発光素子(素子7)の作製
有機化合物層の構成を下記のように変更した以外は、比較例の有機電界発光素子(素子1)と同様の方法で本発明の有機電界発光素子(素子7)を作製した。素子7における各有機化合物層のイオン化ポテンシャル及び電子親和力の値を各層の構成中に併記する。
(第1正孔輸送層)
銅フタロシアニン:膜厚10nm
イオン化ポテンシャル:5.1eV、 電子親和力:3.4eV
(第2正孔輸送層)
NPD:膜厚25nm
イオン化ポテンシャル:5.4eV、 電子親和力:2.4eV
(第3正孔輸送層)
HTM−2:膜厚5nm
イオン化ポテンシャル:5.7eV、 電子親和力:2.3eV
(発光層)
mCP=95質量%、BPM−1=5質量%の混合層:膜厚35nm
イオン化ポテンシャル:6.0eV、 電子親和力:2.4eV
(第1電子輸送層)
ETM−1:膜厚5nm
イオン化ポテンシャル:6.1eV、 電子親和力:2.5eV
(第2電子輸送層)
BAlq:膜厚5nm
イオン化ポテンシャル:5.9eV、 電子親和力:2.9eV
(第3電子輸送層)
Alq:膜厚35nm
イオン化ポテンシャル:5.8eV、 電子親和力:3.0eV
上記銅フタロシアニン、NPD、HTM−2、mCP、BPM−1、ETM−1、BAlq、及びAlqの構造は前記の通りである。
(8)実施例の有機電界発光素子(素子8及び素子9)の作製
素子6に用いたHTM−2を下記に示すHTM−3に換えた以外は、実施例の有機電界発光素子(素子7)と同様の方法で本発明の有機電界発光素子(素子8)を作製した。
また、素子7に用いたHTM−2を下記に示すHTM−3に換えた以外は、実施例の有機電界発光素子(素子7)と同様の方法で本発明の有機電界発光素子(素子9)を作製した。
尚、HTM−3のイオン化ポテンシャルは5.8eV、電子親和力は2.5eVである。
Figure 2006173588
(9)実施例の有機電界発光素子(素子10〜素子15)の作製
素子4〜素子9に用いたBPM−1を、それぞれ下記に示すBPM−2に換えた以外は、実施例の有機電界発光素子(素子4〜素子9)と同様の方法で本発明の有機電界発光素子(素子10〜素子15)を作製した。
Figure 2006173588
(10)比較例の有機電界発光素子(素子16)の作製
有機化合物層の構成を下記のように変更した以外は、素子1と同様の方法で比較例の有機電界発光素子(素子16)を作製した。素子16における各有機化合物層のイオン化ポテンシャル及び電子親和力の値を各層の構成中に併記する。
(第1正孔輸送層)
銅フタロシアニン:膜厚10nm
イオン化ポテンシャル:5.1eV、 電子親和力:3.4eV
(第2正孔輸送層)
NPD:膜厚25nm
イオン化ポテンシャル:5.4eV、 電子親和力:2.4eV
(第3正孔輸送層)
HTM−1:5nm
イオン化ポテンシャル:5.8eV、 電子親和力:2.2eV
(発光層)
mCP=95質量%、Ir(ppy)=5質量%の混合層:膜厚30nm
イオン化ポテンシャル:6.0eV、 電子親和力:2.4eV
CBP=95質量%、Ir(ppy)=5質量%の混合層:膜厚30nm
イオン化ポテンシャル:6.1eV、 電子親和力:2.7eV
(第1電子輸送層)
BAlq:膜厚5nm
イオン化ポテンシャル:5.9eV、 電子親和力:2.9eV
(第2電子輸送層)
Alq:膜厚40nm
イオン化ポテンシャル:5.8eV、 電子親和力:3.0eV
NPD、mCP、BAlq、Alqの構造は前記の通りである。以下に、CBP及びIr(ppy)の構造を示す。
Figure 2006173588
(11)実施例の有機電界発光素子(素子17)の作製
比較例の有機電界発光素子(素子16)において、発光層を下記に変更した以外は、比較例の有機電界発光素子(素子16)と同様の方法で本発明の有機電界発光素子(素子17)を作製した。
(発光層)
mCP=95質量%、GPM−1=5質量%の混合層:膜厚30nm
イオン化ポテンシャル:6.0eV、 電子親和力:2.4eV
CBP=95質量%、GPM−1=5質量%の混合層:膜厚30nm
イオン化ポテンシャル:6.1eV、 電子親和力:2.7eV
GPM−1の構造を以下に示す。
Figure 2006173588
なお、素子17において、発光層を下記に変更することにより、本発明の白色発光素子を得ることもできる。
(発光層)
CBP=90質量%、BPM−1=10質量%の混合層:膜厚20nm
CBP=95質量%、RPM−1=5質量%の混合層:膜厚20nm
RPM−1の構造を以下に示す。
Figure 2006173588
2.素材物性の評価
(1)イオン化ポテンシャル
ガラス基板上に、有機化合物層に用いた各化合物を、50nmの厚みになるように蒸着した。この膜を常温常圧下、理研計器(株)製の紫外線光電子分析装置AC−1によりイオン化ポテンシャルを測定した。結果を表1に示す。
(2)電子親和力
イオン化ポテンシャル測定に用いた膜の紫外可視吸収スペクトルを、島津製作所製のUV3100型分光光度計で測定し、吸収スペクトルの長波長端のエネルギーから励起エネルギーを求めた。励起エネルギーと前記イオン化ポテンシャルの値から電子親和力を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2006173588
3.有機電界発光素子の評価
上記で得られた有機電界発光素子(素子1〜素子17)の駆動耐久性を以下の方法により評価した。
得られた有機電界発光素子(素子1〜素子17)を、初期輝度300cd/m2で定電流駆動を行い、輝度が150cd/m2になるまでに要する時間(t0.5)を測定し、耐久性の指標とした。
素子1〜素子15に対しては、素子1のt0.5を1としたとき、3.5倍以上のものをA、1.5倍以上3.5倍未満のものをB、1.5倍以下のものをCとして評価した。結果を表2に示す。
また、素子16及び素子17に対しては、素子16のt0.5を1としたとき、3.5倍以上のものをA、1.5倍以上3.5倍未満のものをB、1.5倍以下のものをCとして評価した。結果を表3に示す。
Figure 2006173588
Figure 2006173588
表2に示されるように、実施例の有機電界発光素子(素子2〜素子15)は、比較例の有機電界発光素子(素子1)に比べて、駆動耐久性が高いことがわかる。
また、表3に示されるように、実施例の有機電界発光素子(素子17)は、比較例の有機電界発光素子(素子16)に比べて、駆動耐久性が高いことがわかる。
また、上記で得た実施例の各素子において、BPM−1、BPM−2又はGPM−1を、一般式(II)又は一般式(III)で表される化合物に換えた以外は同様の素子を作製して評価した場合においても、駆動耐久性に優れた素子が得られた。

Claims (18)

  1. 一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む発光層、及び正孔輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、
    正孔輸送層は発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、
    発光層は発光材料として3座以上の配位子を有する金属錯体を含有し、
    かつ、発光層のイオン化ポテンシャルをIp0、正孔輸送層のうち、発光層に隣接した正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIp1、発光層側からn番目に位置する正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIpnとしたときに、下記式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする有機電界発光素子。
    式(1):Ip0>Ip1>Ip2>…>Ipn−1>Ipn (nは2以上の整数)
  2. 一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む発光層、及び電子輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、
    電子輸送層は発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、発光層は発光材料として3座以上の配位子を有する金属錯体を含有し、
    かつ、発光層の電子親和力をEa0、発光層に隣接した電子輸送層の電子親和力をEa1、発光層側からm番目に位置する電子輸送層の電子親和力をEamとしたときに、下記式(2)で表される関係を満たすことを特徴とする有機電界発光素子。
    式(2):Ea0<Ea1<Ea2<…<Eam−1<Eam (mは2以上の整数)
  3. 一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む発光層、正孔輸送層、及び電子輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、
    正孔輸送層及び電子輸送層は、各々発光層に隣接した層を含む2以上の層からなり、
    発光層は発光材料として3座以上の配位子を有する金属錯体を含有し、
    かつ、発光層のイオン化ポテンシャルをIp0、正孔輸送層のうち、発光層に隣接した正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIp1、発光層側からn番目に位置する正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIpn、発光層の電子親和力をEa0、電子輸送層のうち、発光層に隣接した電子輸送層の電子親和力をEa1、発光層側からm番目に位置する電子輸送層の電子親和力をEamとしたときに、下記式(1)及び下記式(2)で表される関係を満たすことを特徴とする有機電界発光素子。
    式(1):Ip0>Ip1>Ip2>…>Ipn−1>Ipn (nは2以上の整数)
    式(2):Ea0<Ea1<Ea2<…<Eam−1<Eam (mは2以上の整数)
  4. 一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む第1及び第2発光層、正孔輸送層、並びに電子輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、
    正孔輸送層は第1発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、電子輸送層は第2発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、
    第1及び第2発光層は、各々異なるホスト材料と、発光性材料として3座以上の配位子を有する金属錯体を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
  5. 一対の電極間に、少なくとも、発光材料とホスト材料とを含む第1及び第2発光層、正孔輸送層、並びに電子輸送層を含む複数の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、
    正孔輸送層は第1発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、電子輸送層は第2発光層に隣接した層を含む2層以上からなり、
    第1及び第2発光層は、各々異なるホスト材料と、発光性材料として3座以上の配位子を有する金属錯体と、を含有しており、
    かつ、第1発光層のイオン化ポテンシャルをIp0、正孔輸送層のうち、第1発光層に隣接した正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIp1、第1発光層側からn番目に位置する正孔輸送層のイオン化ポテンシャルをIpn、第2発光層の電子親和力をEa0、電子輸送層のうち、第2発光層に隣接した電子輸送層の電子親和力をEa1、第2発光層側からm番目に位置する電子輸送層の電子親和力をEamとしたときに、下記式(1)及び下記式(2)で表される関係を満たすことを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
    式(1):Ip0>Ip1>Ip2>…>Ipn−1>Ipn (nは2以上の整数)
    式(2):Ea0<Ea1<Ea2<…<Eam−1<Eam (mは2以上の整数)
  6. 前記式(1)で表される関係を満たす場合において、更に、Ip0−Ip1≦0.4eV、かつ、Ip1−Ip2≦0.4eV、…、かつ、Ipn−1−Ipn≦0.4eVの関係を満たすことを特徴とする請求項1、請求項3、又は請求項5に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記式(2)で表される関係を満たす場合において、更に、Ea1−Ea0≦0.4eV、かつ、Ea2−Ea1≦0.4eV、…、かつ、Eam−Eam−1≦0.4eVの関係を満たすことを特徴とする請求項2、請求項3、又は請求項5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  8. 前記金属錯体が有する3座以上の配位子が、鎖状配位子であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  9. 前記金属錯体が、下記一般式(I)で表されることを特徴とする請求項8に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006173588
    (一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成することは無い。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。Y11〜Y13は、それぞれ独立に、連結基、単結合、又は二重結合を表す。Y11、Y12、又はY13が連結基を表す場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4の整数を表す。)
  10. 前記金属錯体が、下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする請求項8に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006173588
    (一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子又はMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合又は連結基を表す。)
  11. 前記金属錯体が有する配位子が、環状配位子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  12. 前記金属錯体が、下記一般式(III)で表される化合物であることを特徴とする請求項11に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006173588
    (一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、及びZ13は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有してもよい金属イオンを表す。)
  13. 前記金属錯体中の金属イオンが、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、及び銅イオンからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  14. 前記正孔輸送層は3層以上であることを特徴とする請求項1、及び、請求項3〜請求項13のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  15. 前記電子輸送層は3層以上であることを特徴とする請求項2〜請求項13のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  16. 前記正孔輸送層は3層以上であり、かつ前記電子輸送層は3層以上であることを特徴とする請求項3〜請求項13のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  17. 前記正孔輸送層のうち、少なくとも1つの層に、アゼピン化合物、アミン化合物、カルバゾール化合物、ピロール化合物、及びインドール化合物からなる群より選択される化合物を含むことを特徴とする請求項1、及び、請求項3〜請求項16のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  18. 前記正孔輸送層のうち、発光層に隣接する層に、アゼピン化合物、アミン化合物、カルバゾール化合物、ピロール化合物、及びインドール化合物からなる群より選択される化合物を含むことを特徴とする請求項17に記載の有機電界発光素子。
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