JP2006121032A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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JP2006121032A JP2005083458A JP2005083458A JP2006121032A JP 2006121032 A JP2006121032 A JP 2006121032A JP 2005083458 A JP2005083458 A JP 2005083458A JP 2005083458 A JP2005083458 A JP 2005083458A JP 2006121032 A JP2006121032 A JP 2006121032A
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吉隆 北村
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Abstract

【課題】高い外部量子効率、色純度を有し、耐久性に優れた有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】陽極及び陰極間に有機発光層を含む少なくとも1層の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、前記有機発光層は、少なくとも1種のホスト材料と、少なくとも2種の発光材料とを含有し、前記発光材料の内の少なくとも1種は3座以上の配位子を有する金属錯体であり、かつ前記配位子が鎖状配位子である有機電界発光素子。
【選択図】なし

Description

本発明は電気エネルギーを光に変換して発光できる有機電界発光素子に関する。特に、外部量子効率、色純度及び耐久性を向上させた有機電界発光素子に関する。
有機物質を使用した有機発光素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子や書き込み光源アレイとしての用途が有望視され、多くの開発が行われている。一般に有機発光素子は、発光層及び該層を挟んだ一対の対向電極から構成されている。両電極間に電界が印加されると、陰極から電子が注入され、陽極から正孔が注入される。発光は、この電子と正孔が発光層において再結合し、電子が伝導体から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出する現象である。
従来の有機発光素子は、駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低かったが、近年この点を解決する技術が種々報告されている。
例えば、特許文献1には、基板上に形成された陽極及び陰極と、該陽極及び陰極間に配置された有機発光層を有する発光素子であって、前記有機発光層がホスト材料と該ホスト材料に混入されるドーパントから構成され、該ドーパントが発光材料と非発光性化合物からなる発光素子により、低電圧駆動を可能にし、高輝度化・高効率化・高耐久性を可能にすることが開示されている。
また、特許文献2には、発光層に、(1)電子輸送性及び/又は正孔輸送性を有するホスト材料、(2)室温で燐光発光を示す化合物A、及び(3)室温で燐光発光又は蛍光発光を示し、かつ、その最大発光波長が上記化合物Aの最大発光波長より長波長である化合物B、を含有させることにより、該化合物Bを高効率で発光させることができる電界発光素子が開示されている。すなわち、単独では高効率で発光しない燐光化合物であるか、又は、様々な発光色を示すが何れも燐光化合物ほどの高い発光効率を示さない蛍光化合物である、化合物Bに対し、構成要素(2)の室温で燐光発光を示す化合物Aを併用することにより、化合物Aが増感剤の役割を果たし、化合物Bの発光が強められることを見出している。
以上のように開示されているが、発光効率・耐久性の面で更なる向上が求められている。
また、有機EL素子は、様々なディスプレイへの応用が考えられており、その1つとして、車載ディスプレイに用いることができる。その場合、高温での車内における素子の保存耐久性等が求められる。
特開2003−68466号公報 特開2003−77674号公報
上述のような問題点を解消するため、本発明は、高い外部量子効率、色純度を有し、耐久性に優れた有機電界発光素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。すなわち、本発明は、
[1]陽極及び陰極間に有機発光層を含む少なくとも1層の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、前記有機発光層は、少なくとも1種のホスト材料と、少なくとも2種の発光材料とを含有し、前記発光材料の内の少なくとも1種は3座以上の配位子を有する金属錯体であり、かつ前記配位子が鎖状配位子であることを特徴とする有機電界発光素子。
[2]前記金属錯体中の金属イオンが白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン及び銅イオンの群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする[1]に記載の有機電界発光素子。
[3]前記金属錯体が燐光を発光する金属錯体であることを特徴とする[1]または[2]に記載の有機電界発光素子。
[4]前記発光材料の内の2種以上が3座以上の配位子を有する金属錯体であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子
[5]前記金属錯体が一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006121032
(M11は金属イオンを表し、L11、L12、L13、L14、L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11、L14間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成することは無い。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、単結合または二重結合を表す。n11は0〜4を表す。)
[6]前記金属錯体が一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006121032
(M21は金属イオンを表し、Y21は連結基、単結合、または二重結合を表す。Y22、Y23はそれぞれ単結合または連結基を表す。Q21、Q22はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表し、Q21で形成される環とY21の間の結合およびQ22で形成される環とY21の間の結合は単結合または二重結合を表す。X21、X22はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す。R21、R22、R23、R24はそれぞれ水素原子または置換基を表し、R21及びR22並びにR23及びR24は各々結合して環を形成してもよい。L25はM21に配位する配位子を表す。n21は0〜4の整数を表す。)
[7]前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環がそれぞれピリジン環で、Y21は1つ以上の原子からなる連結基を表す化合物であることを特徴とする[6]記載の有機電界発光素子。
[8]前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環がそれぞれピリジン環で、Y21が単結合または二重結合で、X21、X22が硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す化合物であることを特徴とする[6]記載の有機電界発光素子。
[9]前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環がそれぞれ含窒素ヘテロ5員環であることを特徴とする[6]記載の有機電界発光素子。
[10]前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が、それぞれ、窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環であることを特徴とする[6]記載の有機電界発光素子。
[11]前記金属錯体が一般式(9)で表される化合物であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006121032
(MA1は金属イオンを表し、QA1、QA2はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表す。RA1、RA2、RA3、RA4はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RA1及びRA2並びにRA3及びRA4は各々結合して環を形成してもよい。YA2、YA3はそれぞれ連結基または単結合を表す。YA1はかっこ内の2つの2座配位子をそれぞれ連結する連結基、単結合、または二重結合を表す。LA5はMA1に配位する配位子を表す。nA1は0〜4の整数を表す。)
[12]前記金属錯体が一般式(11)で表される化合物であることを特徴とする[11]に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006121032
(RC1、RC2はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RC3、RC4、RC5、RC6はそれぞれ置換基を表す。nC3、nC6は0〜3、nC4、nC5は0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、RC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、RC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。)
[13]金属錯体が一般式(10)で表される化合物であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006121032
(MB1は金属イオンを表し、YB1は連結基を表す。YB2、YB3はそれぞれ連結基または単結合を表す。XB1、XB2はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表し、nB1、nB2は0ないし1の整数を表す。RB1、RB2、RB3、RB4、RB5、RB6はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RB1及びRB2並びにRB3及びRB4は各々結合して環を形成してもよい。LB5はMB1に配位する配位子を表す。nB3は0〜4の整数を表す。ただし、YB1はRB5またはRB6と連結することはない。)
[14]金属錯体が一般式(12)で表される化合物であることを特徴とする[13]に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006121032
(RD3、RD4はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RD1、RD2はそれぞれ置換基を表す。nD1、nD2はそれぞれ0〜4の整数を表し、RD1、RD2をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRD1、RD2は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。YD1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数1〜8のメチレン基を表す。)
[15]金属錯体が一般式(8)で表される化合物であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006121032
(M81は金属イオンを表し、L81、L82、L83、L85はそれぞれM81に配位する配位子を表す。L81、L83間に原子群がさらに存在して環状または4座以上の配位子を形成することは無い。L85は金属を介さずにL81またはL83と連結することはない。Y81、Y82はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。n81は0〜3の整数を表す。)
[16]金属錯体が一般式(8)で表され、L81、L82、L83が炭素原子でM81に配位する芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環、または窒素原子でM81に配位する含窒素ヘテロ環を表し、L81、L82、L83のうち少なくとも一つが含窒素ヘテロ環であることを特徴とする[15]記載の有機電界発光素子。
[17]前記金属錯体が一般式(X1)で表されることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
Figure 2006121032
(一般式(X1)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合または連結基を表す。すなわち、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群およびQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群はそれぞれ三座の配位子である。MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
[18]前記一般式(X1)で表される金属錯体が、一般式(X2)で表されることを特徴とする[17]に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006121032
(一般式(X2)中、MX2は金属イオンを表す。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表し、QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26と共に芳香環もしくは芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。LX21〜LX24は単結合、二重結合または連結基を表す。MX2とYX21〜YX26との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
[19]前記一般式(X1)で表される金属錯体が、一般式(X3)で表されることを特徴とする[17]に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006121032
(一般式(X3)中、MX3は金属イオンを表す。YX31〜YX36は、炭素原子、窒素原子、リン原子を表す。LX31〜LX34は単結合、二重結合または連結基を表す。MX3とYX31〜YX36との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
[20]一対の電極間に少なくとも一層の発光層を含む有機電界発光素子であって、発光層のホスト材料が少なくとも2種の化合物からなることを特徴とする[1]〜[19]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
本明細書中の鎖状配位子とは、環状配位子(例えばポルフィリン、フタロシアニンなど)でない配位子である。一般式(8)を例にとると、L81、L83がY81、L82、Y82、M81を介さずに連結することがない配位子のことをいう。L81、Y81、L82、Y82、L83に環構造(例えばベンゼン、ピリジン、キノリンなど)が含まれていても、L81とL83がY81、L82、Y82、M81を介さずに連結していなければ、その配位子を鎖状配位子と呼ぶ。L81とY81の間、Y81とL82の間、L82とY82の間、Y82とL83の間にさらに原子群が存在して環を形成しても良い。
本発明の発光素子は、外部量子効率、色純度及び耐久性が高く、発光特性が優れる。本発明の発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等の分野に好適に使用できる。
[有機電界発光素子]
以下、本発明の有機電界発光素子(以下、適宜「本発明の素子」と呼ぶことがある。)について詳細に説明する。
本発明の素子は、一対の電極間に、有機発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層(有機化合物のみからなる層であっても良いし、無機化合物を含有する有機層であっても良い)を有する有機電界発光素子であって、前記有機発光層は、ホスト材料と2種以上の発光材料とを含有し、前記発光材料の内の少なくとも1種は3座以上の配位子を有し、かつ前記配位子が鎖状配位子であることを特徴とする。
本発明の素子の発光層に含まれる3座以上の鎖状配位子を有する金属錯体(以下、本発明に用いられる金属錯体と呼ぶことがある。)としては、3座以上8座以下の鎖状配位子を有する金属錯体が好ましく、4座以上8座以下の鎖状配位子を有する金属錯体がより好ましく、4座以上6座以下の鎖状配位子を有する金属錯体がさらに好ましく、4座の鎖状配位子を有する金属錯体が特に好ましい。
本発明は、2種以上の発光材料のうち、少なくとも1種が3座以上の配位子を有すればよいが、2種以上が3座以上の配位子を有してもよい。
本発明中の鎖状配位子は、中心金属{例えば、一般式(1)の場合はM11を表す}に窒素で配位する含窒素へテロ環(例えばピリジン環、キノリン環、ピロール環など)を少なくとも一つ有することが好ましい。
本発明に用いられる、発光材料の化合物は、蛍光を発する化合物であっても燐光を発する化合物であってもよいが、燐光を発する化合物であるのが好ましい。(より好ましくは−30℃以上において燐光を発し、さらに好ましくは−10℃以上において燐光を発し、さらに好ましくは0℃以上において燐光を発し、特に好ましくは10℃以上において燐光を発するものが好ましい。)燐光を発する化合物を用いる場合、蛍光を同時に発するものでも良いが、20℃における燐光強度が蛍光強度に比べて2倍以上である化合物が好ましく、10倍以上である化合物がより好ましく、100倍以上である化合物がさらに好ましい。
本発明に用いられる発光材料は、20℃での発光量子収率(燐光または蛍光)が10%以上の材料が好ましく、20℃での発光量子収率が15%以上がより好ましく、20℃での発光量子収率が20%以上の材料がさらに好ましい。
本発明に用いられる発光材料(好ましくは金属錯体)の濃度は、発光層の質量に対して、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.3質量%〜15質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがさらにより好ましい。
なお、発光層に少なくとも2種類含有される発光材料の含有比としては、特に限定されないが、発光スペクトルの由来となる発光材料/その他の発光材料の比は、100/1〜1/10が好ましく、20/1〜1/5がより好ましく、5/1〜1/2が更に好ましい。
本発明に用いられる4座以上の配位子を有する金属錯体の好ましい形態は、前記一般式(1)である。前記一般式(1)の好ましい形態は、前記一般式(2)、下記一般式(5)、前記一般式(9)、前記一般式(10)である。
Figure 2006121032
前記一般式(2)の好ましい形態は下記一般式(3)である。
Figure 2006121032
前記一般式(9)の好ましい形態は下記一般式(6)、下記一般式(7)であり、下記一般式(7)の好ましい形態は前記一般式(11)である。
前記一般式(10)の好ましい形態は前記一般式(12)である。
Figure 2006121032
Figure 2006121032
前記一般式(1)について説明する。M11は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、2価または3価の金属イオンが好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオンがより好ましく、白金イオン、イリジウムイオンがさらに好ましく、白金イオンが特に好ましい。
11、L12、L13、L14はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11、L12、L13、L14に含まれ、かつ、M11に配位する原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又は炭素原子が好ましく、窒素原子、酸素原子又は炭素原子がより好ましい。
11とL11、L12、L13、L14でそれぞれ形成される結合は、共有結合であってもイオン結合であっても配位結合であってもよい。L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14から成る配位子は、アニオン性配位子(少なくとも一つのアニオンが金属と結合する配位子)であることが好ましい。アニオン性配位子中のアニオンの数は、1〜3が好ましく、1、2がより好ましく、2がさらに好ましい。
11に炭素原子で配位するL11、L12、L13、L14としては特に限定されないが、イミノ配位子、芳香族炭化水素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントラセン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばチオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など)およびこれらの互変異性体)である。これらの基はさらに置換されていても良い。
11に窒素原子で配位するL11、L12、L13、L14としては特に限定されないが、含窒素へテロ環配位子{例えば、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体(本発明では通常の異性体以外に次のような例も互変異性体と定義する。例えば、化合物(24)の5員ヘテロ環配位子、化合物(64)の末端5員ヘテロ環配位子、化合物(145)の5員ヘテロ環配位子もピロール互変異性体と定義する。)など}、アミノ配位子{アルキルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノなどが挙げられる。)、アリールアミノ配位子(例えばフェニルアミノなどが挙げられる。)、アシルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ配位子など}が挙げられる。これらの配位子はさらに置換されていても良い。
11に酸素原子で配位するL11、L12、L13、L14としては特に限定されないが、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ配位子(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル配位子(例えばケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子など)、エーテル配位子(例えばジアルキルエーテル配位子、ジアリールエーテル配位子、フリル配位子など)などが挙げられる。これらの基はさらに置換されていても良い。
11に硫黄原子で配位するL11、L12、L13、L14としては特に限定されないが、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル配位子(例えばチオケトン配位子、チオエステル配位子など)、チオエーテル配位子(例えばジアルキルチオエーテル配位子、ジアリールチオエーテル配位子、チオフリル配位子など)などが挙げられる。これらの置換配位子は更に置換されていてもよい。
11、L14は芳香族炭化水素環配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、エーテル配位子、アルキルチオ配位子、アリールチオ配位子、アルキルアミノ配位子、アリールアミノ配位子、アシルアミノ配位子、含窒素へテロ環配位子(例えばピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、及び、それらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体など)が好ましく、芳香族炭化水素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、アリールアミノ配位子、並びにピリジン配位子、ピラジン配位子、イミダゾール配位子、及び、それらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、キノキサリン配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体がより好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、アリールアミノ配位子がさらに好ましく、芳香族炭化水素環配位子、アリールオキシ配位子が特に好ましい。
12、L13はM11と配位結合を形成する配位子が好ましい。M11と配位結合を形成する配位子としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズピロールなど)、及び、これらの互変異性体がより好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)がさらに好ましく、ピリジン環、及び、ピリジン環を含む縮環体(例えば、キノリン環など)が特に好ましい。
15はM11に配位する配位子を表す。L15は1〜4座の配位子が好ましく、1〜4座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜4座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、1,3−ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14で形成される4座配位子が好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14で形成される4座配位子がより好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)がさらに好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子など)が特に好ましい。配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。
11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。連結基としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、珪素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、単結合または二重結合を表す。
11、Y12、Y13はそれぞれ単結合、二重結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン基が好ましく、Y11は単結合、アルキレン基がより好ましく、アルキレン基がさらに好ましい。Y12、Y13は単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
12、L11、L12、M11で形成される環、Y11、L12、L13、M11で形成される環、Y13、L13、L14、M11で形成される環は、それぞれ環員数4〜10が好ましく、環員数5〜7がより好ましく、環員数5または6がさらに好ましい。
11は0〜4を表す。M11が配位数4の金属の場合、n11は0であり、M11が配位数6の金属の場合、n11は1、2が好ましく、1がより好ましい。M11が配位数6でn11が1の場合L15は2座配位子を表し、M11が配位数6でn11が2の場合L15は単座配位子を表す。M11が配位数8の金属の場合、n11は1〜4が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M11が配位数8でn11が1の場合L15は4座配位子を表し、n11が2の場合L15は2座配位子を表す。n11が複数のときは、複数のL15は同じであっても異なっていても良い。
前記一般式(2)について説明する。M21は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21、Q22はそれぞれ含窒素へテロ環(M21に配位する窒素を含む環)を形成する原子群を表す。Q21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。
21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環は好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ベンズアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環など)及び、これらの互変異性体であり、より好ましくはピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)及び、これらの互変異性体であり、さらに好ましくは、ピリジン環、及び、その縮環体(例えば、キノリン環など)であり、特に好ましくはピリジン環である。これらの基はさらに置換されていても良い。
21、X22はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子が好ましく、酸素原子、硫黄原子、置換の窒素原子がより好ましく、酸素原子、硫黄原子がさらに好ましく、酸素原子が特に好ましい。
21は前記Y11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
22、Y23はそれぞれ単結合、連結基を表し、単結合が好ましい。連結基としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
前記連結基としては、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン連結基が好ましく、カルボニル連結基、アルケニレン連結基がより好ましく、カルボニル連結基がさらに好ましい。
21、R22、R23、R24はそれぞれ水素原子または置換基を表す。置換基としては特に限定されないが、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されていてもよい。
21、R22、R23、R24はそれぞれアルキル基、アリール基、R21とR22またはR23とR24が結合して環構造(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が好ましく、R21とR22またはR23とR24が結合して環構造(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましい。
25は前記L15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(2)においてQ21、Q22が形成する環がピリジン環のとき、Y21は連結基を表す金属錯体であること、またはQ21、Q22が形成する環がピリジン環で、Y21が単結合または二重結合で、X21、X22が硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す金属錯体であること、またはQ21、Q22が形成する環が含窒素ヘテロ5員環または、窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環を表す金属錯体であることが好ましい。
前記一般式(3)について説明する。M31は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
31、Z32、Z33、Z34、Z35、Z36はそれぞれ置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記R21で説明した基が挙げられ、また、Z31とZ32、Z32とZ33、Z33とZ34、Z34とZ35、Z35とZ36が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良く、Z31とT31、Z36とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良い。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましく、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
31、T32、T33、T34、T35、T36、T37、T38はそれぞれ置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記R21で説明した基が挙げられ、また、T31とT32、T32とT33、T33とT34、T35とT36、T36とT37、T37とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環など)を形成しても良い。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子がより好ましく、アリール基、ハロゲン原子がさらに好ましく、アリール基が特に好ましい。
31、X32はそれぞれ前記X21、X22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(5)について説明する。M51は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51、Q52はそれぞれ前記Q21、Q22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
53、Q54はそれぞれ含窒素へテロ環(M51に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q53、Q54で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体(例えば化合物(29)のヘテロ5員環配位子など)、チアゾール誘導体の互変異性体(例えば化合物(30)のヘテロ5員環配位子など)、オキサゾール誘導体の互変異性体(例えば化合物(31)のヘテロ5員環配位子など)が好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体、チアゾール誘導体の互変異性体がより好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体がさらに好ましく、ピロール誘導体の互変異性体が特に好ましい。
51は前記Y11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
55は前記L15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51、W52はそれぞれ置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、無置換の炭素原子、窒素原子が好ましく、無置換の炭素原子がより好ましい。
前記一般式(9)について説明する。MA1、QA1、QA2、YA1、YA2、YA3、RA1、RA2、RA3、RA4、LA5、nA1は前記一般式(2)のM21、Q21、Q22、Y21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、n21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(6)について説明する。M61は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61、Q62はそれぞれ環を形成する基を表す。Q61、Q62で形成される環としては特に限定されないが、例えば、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、チオフェン環、イソチアゾール環、フラン環、イソオキサゾ−ル環、及び、その縮環体が挙げられる。これらの基はさらに置換されていても良い。
61、Q62で形成される環は好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、チアゾール環、及び、その縮環体であり、ベンゼン環、ピリジン環、及び、その縮環体がより好ましく、ベンゼン環、及び、その縮環体がさらに好ましい。
61は前記Y11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
62、Y63はそれぞれ連結基または単結合を表す。連結基としてはとくに限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
62、Y63はそれぞれ単結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン基が好ましく、単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
65は前記L15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61、Z62、Z63、Z64、Z65、Z66、Z67、Z68はそれぞれ置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記R21で説明した基が挙げられ、また、Z61とZ62、Z62とZ63、Z63とZ64、Z65とZ66、Z66とZ67、Z67とZ68が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良い。Q61、Q62で形成される環がそれぞれZ61、Z68と連結基を介して結合し、環を形成しても良い。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましく、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
前記一般式(7)について説明する。M71は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71、Y72、Y73はそれぞれ前記Y62と同義であり、好ましい範囲も同じである。
75は前記L15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71、Z72、Z73、Z74、Z75、Z76はそれぞれ置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記R21で説明した基が挙げられる。また、Z71とZ72、Z73とZ74が連結基を介して結合し、環(例えばベンゼン環、ピリジン環)を形成しても良い。
71〜R74は前記一般式(2)のR21〜R24の置換基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(11)について説明する。
C1、RC2はそれぞれ水素原子または置換基を表し、置換基としては前記一般式(2)のR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基を表す。RC3、RC4、RC5、RC6が表す置換基も前記一般式(2)のR21ないしR24の置換基と同義である。nC3、nC6は0〜3、nC4、nC5は0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、RC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、RC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。RC3、RC4、RC5、RC6は好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン原子である。
次に前記一般式(10)について説明する。
B1、YB2、YB3、RB1、RB2、RB3、RB4、LB5、nB3、XB1、XB2はそれぞれ前記一般式(2)のM21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、n21、X21、X22と同義であり好ましい範囲も同様である。YB1は連結基を表し、前記一般式(2)のY21と同様のであり、好ましくは1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数2〜8のメチレン基を表す。RB5、RB6は水素原子または置換基を表し、置換基としては前記一般式(2)のR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。ただし、YB1はRB5またはRB6と連結することはない。nB1、nB2は0ないし1の整数を表す。
次に前記一般式(12)について説明する。
D1、RD2、RD3、RD4はが表す置換基としては前記一般式(10)のRB5、RB6が表す置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。nD1、nD2は0〜4の整数を表す。
D1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数1〜8のメチレン基を表す。
本発明に用いる3座配位子を有する金属錯体の好ましい形態は、前記一般式(8)である。
前記一般式(8)について説明する。M81は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
81、L82、L83はそれぞれ前記L11、L12、L14と同義であり、好ましい範囲も同じである。
81、Y82はそれぞれ前記Y11、Y12と同義であり、好ましい範囲も同じである。
85はM81に配位する配位子を表す。L85は1〜3座の配位子が好ましく、1〜3座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜3座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、L81、Y81、L82、Y82、L83で形成される3座配位子が好ましく、L81、Y81、L82、Y82、L83で形成される3座配位子がより好ましい。L85が金属を介さずにL81、L83と連結することはない。配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。
81は0〜5を表す。M81が配位数4の金属の場合、n81は1であり、L85は単座配位子を表す。M81が配位数6の金属の場合、n81は1〜3が好ましく、1、3がより好ましく、1がさらに好ましい。M81が配位数6でn81が1の場合L85は3座配位子を表し、M81が配位数6でn81が2の場合L85は単座配位子1つと2座配位子1つを表し、M81が配位数6でn81が3の場合L85は単座配位子を表す。M81が配位数8の金属の場合、n81は1〜5が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M81が配位数8でn81が1の場合L85は5座配位子を表し、n81が2の場合L85は3座配位子1つと2座配位子1つを表し、n81が3の場合L85は3座配位子1つと単座配位子2つ、または、2座配位子2つと単座配位子1つを表し、n81が4の場合L85は2座配位子1つと単座配位子3つを表し、n81が5の場合L85は単座配位子5つを表す。n81が複数のときは、複数のL85は同じであっても異なっていても良い。
前記一般式(8)の好ましい形態は、前記一般式(8)のL81、L82、L83が炭素原子でM81に配位する芳香族炭化水素環またはヘテロ環、または窒素原子でM81に配位する含窒素ヘテロ環を表し、L81、L82、L83のうち少なくとも一つが含窒素ヘテロ環である。これら炭素原子で配位する芳香族炭化水素環、ヘテロ環および窒素原子で配位する含窒素ヘテロ環は前記一般式(1)で説明したM11に炭素原子で配位する配位子および窒素原子で配位する例が挙げられ、好ましい範囲も同様である。Y81、Y82は好ましくは単結合ないしはメチレン基を表す。
前記一般式(8)の他の好ましい形態は下記一般式(13)、下記一般式(14)である。
Figure 2006121032
Figure 2006121032
前記一般式(13)について説明する。M91は前記M81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
91、Q92は含窒素へテロ環(M91に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q91、Q92で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。これらの基はさらに置換されていても良い。
91、Q92で形成される含窒素ヘテロ環は好ましくは、ピリジン環、ピラゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズチアゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)、及び、これらの互変異性体であり、より好ましくはピリジン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)、及び、これらの互変異性体、さらに好ましくは、ピリジン環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)であり、特に好ましくはピリジン環である。
93は含窒素へテロ環(M91に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q93で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環の互変異性体、及び、それらを含む縮環体(例えばベンズピロールなど)が好ましく、ピロール環の互変異性体及びピロール環を含む縮環体(例えばベンズピロールなど)の互変異性体がより好ましい。これらの基はさらに置換されていても良い。
91、W92はそれぞれ前記W51、W52と同義であり、好ましい範囲も同じである。
95は前記L85と同義であり、好ましい範囲も同じである。
91は前記n81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(14)について説明する。M101は前記M81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
102は前記Q21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
101は前記Q91と同義であり、好ましい範囲も同じである。
103は芳香環を形成する基を表す。Q103で形成される芳香環としては特に限定されないが、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えばナフタレン環など)が好ましく、ベンゼン環及びベンゼン環を含む縮環体(例えばナフタレン環など)がより好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
101、Y102はそれぞれ前記Y22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
105は前記L85と同義であり、好ましい範囲も同じである。
101は前記n81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
101は前記X21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
本発明に用いられる発光材料の金属錯体は低分子化合物であっても良く、また、オリゴマー化合物、ポリマー化合物(重量平均分子量(ポリスチレン換算)は好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000〜1000000、さらに好ましくは3000〜100000である。)であっても良い。ポリマー化合物の場合、前記一般式(1)〜(14)のいずれかで表される構造がポリマー主鎖中に含まれても良く、また、ポリマー側鎖に含まれていても良い。また、ポリマー化合物の場合、ホモポリマー化合物であっても良く、共重合体であっても良い。本発明に用いられる発光材料の金属錯体は低分子化合物が好ましい。
本発明の三座配位子を有する金属錯体の他の態様は、前記一般式(X1)で表される金属錯体である。前記一般式(X1)で表される金属錯体のうち、好ましくは前記一般式(X2)で表される金属錯体であり、より好ましくは前記一般式(X3)で表される金属錯体である。
前記一般式(X1)について説明する。
X1は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、1価〜3価の金属イオンが好ましく、2価または3価の金属イオンがより好ましく、3価の金属イオンがさらに好ましい。具体的には白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、白金イオン、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンがより好ましく、白金イオン、イリジウムイオンがさらに好ましく、イリジウムイオンが特に好ましい。
X11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。QX11〜QX16がMX1に配位する原子を表す場合、その具体的な原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、珪素原子、リン原子、硫黄原子などが挙げられ、好ましくは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子であり、より好ましくは窒素原子、酸素原子である。
X11〜QX16がMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す場合、炭素原子で配位するものとしては、例えばイミノ基、芳香族炭化水素環基(ベンゼン、ナフタレンなど)、ヘテロ環基(チオフェン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)およびこれらを含む縮合環、およびこれらの互変異性体が挙げられる。これらの基はさらに置換されていても良い。
窒素原子で配位するものとしては、例えば含窒素ヘテロ環基(ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)、アミノ基(アルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノ)、アリールアミノ基(例えばフェニルアミノ)などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ基などが挙げられる。これらの基はさらに置換されていても良い。
酸素原子で配位するものとしては、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル基(例えばケトン基、エステル基、アミド基など)、エーテル基(例えばジアルキルエーテル基、ジアリールエーテル基、フリル基など)などが挙げられる。これらの基はさらに置換されていても良い。
硫黄原子で配位するものとしては、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル基(例えばチオケトン基、チオエステル基など)、チオエーテル基(例えばジアルキルチオエーテル基、ジアリールチオエーテル基、チオフリル基など)などが挙げられる。これらの基はさらに置換されていても良い。
リン原子で配位するものとしては、ジアルキルホスフィノ基、ジアリールホスフィノ基、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ホスフィニン基等があげられる。これらの基はさらに置換されていてもよい。
X11〜QX16で表される原子群として好ましくは、炭素で配位する芳香族炭化水素環基、炭素で配位する芳香族ヘテロ環基、窒素で配位する含窒素芳香族ヘテロ環基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルホスフィノ基であり、より好ましくは炭素で配位する芳香族炭化水素環基、炭素で配位する芳香族ヘテロ環基、窒素で配位する含窒素芳香族ヘテロ環基である。
X11〜LX14は、単結合、二重結合または連結基を表す。連結基としては特に限定されないが、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子からなる連結基が好ましく、下記に具体例を示すが、これらに限定されることは無い。
Figure 2006121032
これらの連結基はさらに置換されてもよく、置換基としては前記一般式(2)におけるR21〜R24で表される置換基として挙げたものが適用でき、好ましい範囲も同様である。LX11〜LX14として好ましくは、単結合、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基である。
前記一般式(X1)で表される金属錯体は、より好ましくは前記一般式(X2)で表される金属錯体である。次に前記一般式(X2)について説明する。
X2は前記一般式(X1)におけるMX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表す。YX21〜YX26とMX2との結合は配位結合でも共有結合でも良い。YX21〜YX26としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、りん原子又はケイ素原子が挙げられ、好ましくは炭素原子又は窒素原子である。QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26を含んで芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。この場合に形成する芳香族炭化水素環、芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げられ、好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環であり、さらに好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、トリアゾール環であり、特に好ましくはベンゼン環、ピリジン環である。これらはさらに縮環を有していても置換基を有していても良い。
X21〜LX24は前記一般式(X1)におけるLX11〜LX14と同義であり好ましい範囲も同様である。
前記一般式(X1)で表される金属錯体は、さらに好ましくは前記一般式(X3)で表される金属錯体である。次に前記一般式(X3)について説明する。
X3は前記一般式(X1)におけるMX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YX31〜YX36はMX3に配位する原子を表す。YX31〜YX36とMX3との結合は配位結合でも共有結合でも良い。YX31〜YX36としては、炭素原子、窒素原子、りん原子が挙げられ、好ましくは炭素原子又は窒素原子である。LX31〜LX34は前記一般式(X1)におけるLX11〜LX14と同義であり好ましい範囲も同様である。
次に本発明の化合物の化合物例を示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2006121032
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本発明の発光素子は陽極、陰極の一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物膜を形成した素子であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
次に、本発明の発光素子を構成する要素について、詳細に説明する。
<基板>
本発明で使用する基板としては、有機化合物層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。その具体例としては、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
例えば、基板としてガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、基板の形状としては、板状であることが好ましい。基板の構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。
基板は、無色透明であっても、有色透明であってもよいが、有機発光層から発せられる光を散乱又は減衰等させることがない点で、無色透明であることが好ましい。
基板には、その表面又は裏面に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることができる。
透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
熱可塑性基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
<陽極>
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられ、仕事関数が4.0eV以上の材料が好ましい。陽極材料の具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極は、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陽極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って、前記基板上に形成することができる。例えば、陽極の材料として、ITOを選択する場合には、陽極の形成は、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って行うことができる。
本発明の有機電界発光素子において、陽極の形成位置としては特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができる。が、前記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、陽極は、基板における一方の表面の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
なお、陽極を形成する際のパターニングとしては、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陽極の厚みとしては、陽極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常、10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
陽極の抵抗値としては、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がより好ましい。陽極が透明である場合は、無色透明であっても、有色透明であってもよい。透明陽極側から発光を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
なお、透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載される事項を本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスティック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
<陰極>
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられ、仕事関数が4.5eV以下のものが好ましい。具体例としてはアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの広報に記載の材料は、本発明においても適用することができる。
陰極の形成方法については、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、前記した陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
陰極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
本発明において、陰極形成位置は特に制限はなく、有機化合物層上の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
<有機化合物層>
本発明における有機化合物層について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、有機発光層を含む、少なくとも一層の有機化合物層を有しており、有機発光層以外の他の有機化合物層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
−有機化合物層の形成−
本発明の有機電界発光素子における有機化合物層を構成する各層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スプレーコート法、ディップコート法、含浸法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、スピンコート法、フローコート法、バーコート法、マイクログラビアコート法、エアードクターコート、ブレードコート法、スクイズコート法、トランスファーロールコート法、キスコート法、キャストコート法、エクストルージョンコート法、ワイヤーバーコート法、スクリーンコート法等)、インクジェット法、印刷法、転写法などの方法が用いられる。
−有機発光層−
有機発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明における発光層は、ホスト材料と、2種類以上の発光材料と、を含有する。ホスト材料としては電荷輸送材料であることが好ましい。
発光層に含有される発光材料の内少なくとも1種は3座以上の配位子を有する金属錯体であって、かつ前記配位子が鎖状配位子であることを特徴とする。具体的な構造は前述のとおりである。
発光層のホスト材料としては好ましくはアミン化合物(例えばトリアリールアミン化合物など)、金属キレートオキシノイド化合物(金属−酸素結合を有する化合物)(金属はアルミニウム、亜鉛、遷移金属、配位子としては8−ヒドロキシキノリン誘導体、2−(2−ピリジノ)フェノール誘導体など)、ポリアリーレン化合物(ヘキサフェニルベンゼン誘導体など)、縮合芳香族炭素環化合物ないし非錯体芳香族含窒素ヘテロ環化合物(カルバゾール誘導体など)であり、発光層のホスト材料が少なくとも2種以上の化合物の混合物であってもよい。
ホスト材料のT1(最低多重項励起状態のエネルギーレベル)は、ドーパント材料のT1レベルより大きいことが好ましい。なお、ホスト材料とドーパント材料とを共蒸着することによって、ドーパント材料がホスト材料にドープされた発光層を好適に形成することができる。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層であることが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜500nmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜200nmであり、更に好ましくは10nm〜100nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子輸送層の材料として好ましくは、金属キレートオキシノイド化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭化水素環化合物ないし非錯体芳香族ヘテロ環化合物などが挙げられる。その具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノールの金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン、及び、それらの誘導体等が挙げられる。
電子注入層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜500nmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜200nmであり、更に好ましくは10nm〜100nmである。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
<保護層>
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO等の金属酸化物、SiNx、SiNxy等の金属窒化物、MgF、LiF、AlF、CaF等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
<封止>
さらに、本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
<実験1>
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(ジオマテック社製)に対し、フォトリソグラフィーと塩酸エッチングを用いてパターニングし、陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置内に設置した。その後、蒸着装置内の真空度が2.7×10-4Pa以下になるまで排気した。
続いて、上記蒸着装置内にて下記に示す銅フタロシアニン(CuPc)を加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着を行い、膜厚10nmの正孔注入層を形成した。
Figure 2006121032
次いで、上記により形成された正孔注入層の上に、下記に示す、4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)をヒーターで加熱して、蒸着速度0.2nm/秒で蒸着を行い、膜厚30nmの正孔輸送層を形成した。
Figure 2006121032
引続き、上記により形成された正孔輸送層の上に、発光層に含有されるホスト材料として、下記に示す、4,4′−N,N′−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)と、ドーパント材料の燐光性有機金属錯体として、下記に示す、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(ドーパントA)と、化合物(1)とを加熱し、3元同時蒸着法により発光層の成膜を行った。CBPの蒸着速度は0.2nm/秒に制御し、ドーパントAが5質量%、化合物(1)が5質量%含有された膜厚30nmの発光層を正孔輸送層の上に積層した。
Figure 2006121032
Figure 2006121032
Figure 2006121032
更に、下記に示す化合物(BAlq)を、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着を行い、膜厚10nmの正孔ブロック層を発光層の上に積層した。
Figure 2006121032
更に続いて、正孔ブロック層の上に、下記に示すトリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq)を蒸着速度0.2nm/秒で蒸着し、40nmの膜厚の電子輸送層を形成した。
Figure 2006121032
その後、フッ化リチウム(LiF)を蒸着速度0.1nm/秒、1.5nmの膜厚で電子輸送層の上に成膜して電子注入層を形成し、更に、アルミニウムを蒸着速度0.5nm/秒、膜厚200nmの陰極を形成した。
尚、蒸着時は、所望の膜厚が得られるよう、水晶発振式成膜コントローラ(ULVAC社製CRTM6000)を用いてモニターした。
次に、陽極及び陰極より、それぞれアルミニウムのリード線を結線した。
ここで得られた素子を、空気に晒すことなく、窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れた。内側に凹部を設けたステンレス製の封止カバーに、前記グローブボックス内で水分吸収剤としての酸化カルシウム粉末を10mg入れ、粘着テープで固定した。この封止カバーと、接着剤として紫外線硬化型接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ製)を用いて封止した。
以上のようにして、実施例1の有機EL素子を得た。
以上より得られた有機EL素子に対し、ケースレー社製ソースメジャーユニット2400型を用いて直流電圧を印加し、トプコン社製BM−8を用いて輝度を測定した。
また、浜松ホトニクス社製のマルチ・チャンネル・アナライザーPMA−11を用いてスペクトル波形を測定した。
これら測定結果から、300cd/m2における外部量子効率、発光波長ピークの値を得た。
なお、実施例1により得られた素子の発光スペクトルの最大波長は620nmであった。化合物(1)に紫外光を当てた時の発光スペクトル(以下PLスペクトルと言う)のピーク値が616nmであり、本実施例で用いた有機化合物の中で、発光スペクトルの最大波長に最も近いことから、発光スペクトルは化合物(1)由来であると同定した。
更に、初期輝度300cd/m2で定電流駆動を行い、輝度が150cd/m2になるまでに要する時間を測定し、耐久性の指標とした。(表1中では半減時間として示す。)。
実施例2
実施例1において用いた化合物(1)を化合物(15)に変更した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、実施例1と同様の測定を行った。
なお、実施例2により得られた素子の発光スペクトルの最大波長は、590nmであった。化合物(15)のPLスペクトルのピーク値が586nmであることから、化合物(15)由来であると同定した。
Figure 2006121032
実施例3
実施例1において用いた化合物(1)を化合物(88)に変更した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、実施例1と同様の測定を行った。
なお、実施例3により得られた素子の発光スペクトルの最大波長は、630nmであった。化合物(15)のPLスペクトルのピーク値が620nmであることから、化合物(88)由来であることが同定された。
Figure 2006121032
実施例4
実施例1において用いた化合物(1)を化合物(88)に変更し、化合物(88)濃度を10質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、実施例1と同様の測定を行った。
なお、実施例4により得られた素子の発光スペクトルの最大波長は、630nmであり、化合物(88)由来であると同定した。
実施例5
実施例1において用いたドーパントAを化合物(83)に、化合物(1)を化合物(15)に変更した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、実施例1と同様の測定を行った。
なお、実施例5により得られた素子の発光スペクトルの最大波長は、595nmであり、化合物(15)由来であることが同定した。
Figure 2006121032
比較例1
実施例1において発光層に含有されるドーパントを、化合物(1)のみとした以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、実施例1と同様の測定を行った。
なお、比較例1により得られた素子の発光スペクトルの最大波長は620nmであり、化合物(1)由来と同定した。また、500nmにもピークが見られた。
比較例2
実施例1において発光層に含有されるドーパントを、化合物(15)のみとした以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、実施例1と同様の測定を行った。
なお、比較例2により得られた素子の発光スペクトルの最大波長は595nmであり、化合物(15)由来であると同定した。また、500nmにもピークが見られた。
比較例3
実施例1において発光層に含有されるドーパントを、化合物(88)のみとした以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、実施例1と同様の測定を行った。
なお、比較例3により得られた素子の発光スペクトルの最大波長は630nmであり、化合物(1)由来であると同定した。また、500nmにもピークが見られた。
実施例1〜5、比較例1〜3の測定結果を下記表1に示す。
Figure 2006121032
比較例1〜3はいずれも、500nm発光ピークが見られた。発光層・発光層に隣接する層に用いた有機化合物の中で最も500nmに近いPLスペクトルを持つものはBAlqであるため、このピークはBAlq由来と考えられる。一方、本実施例1〜5では、それは見られず、色純度、外部量子効率、耐久性が向上した。
同様に、本発明で示した他の化合物を用いても、外部量子効率、色純度、耐久性の高い電界発光素子を作製することができる。また、本発明の効果は橙〜赤色発光に限らず、他の発光色についても同様に見られる。
<実験2>
続いて、高温下での耐久性を調べるため、実験1で作成した素子に加え、以下の実施例・比較例の素子を作成した。
実施例6
実施例1において用いた化合物(1)を化合物(66)に、ドーパントAをドーパントBに変更した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
Figure 2006121032
実施例7
実施例1において用いた化合物(1)を化合物(79)に、ドーパントAをドーパントBに変更した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
実施例8
実施例1において用いた化合物(1)を化合物(100)に変更した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
実施例9
実施例1において用いた化合物(1)を化合物(143)に、ドーパントAをドーパントBに変更した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例4
実施例1において用いた化合物(1)を白金ポルフィリン(PtOEP)に変更した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
Figure 2006121032
比較例5
実施例1において発光層に含有されるドーパントを化合物(66)のみとした以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例6
実施例1において発光層に含有されるドーパントを化合物(79)のみとした以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例7
実施例1において発光層に含有されるドーパントを化合物(100)のみとした以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例8
実施例1において発光層に含有されるドーパントを化合物(143)のみとした以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
各々、電流密度10mA/cm2の時の輝度・スペクトルを測定した。続いて、これらの素子を温度80℃、湿度95%の環境下にて保存し、50時間後素子を取り出し、電流密度10mA/cm2の時の輝度・スペクトルを測定した。
輝度は、各々の素子において保存前の値を100として、保存後の輝度を求めた。また、測定したスペクトルを保存前のものと比較し、ピークの波長の値がどのくらいシフトしたかを調べた。
これら実験結果は下記表2の通りである。
Figure 2006121032
表2中、輝度において、○は、100〜90、△は90〜70、×は70以下であることを示す。
また、スペクトルにおいて、○はピークの波長の変化が3nm未満、△はピークの波長の変化が3nm以上5nm未満、×はピークの波長の変化が5nm以上であることを示す。
表2から明らかなように、本発明の構成を有する実施例1〜9の素子は、高温での保存耐久性を上げることができる。しかし、比較例4のように、本発明と同様な構成をとっていても、発光材料として用いられる材料が本発明で規定する金属錯体ではないと、高温での保存耐久性は不十分である。

Claims (20)

  1. 陽極及び陰極間に有機発光層を含む少なくとも1層の有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、前記有機発光層は、少なくとも1種のホスト材料と、少なくとも2種の発光材料とを含有し、前記発光材料の内の少なくとも1種は3座以上の配位子を有する金属錯体であり、かつ前記配位子が鎖状配位子であることを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記金属錯体中の金属イオンが白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン及び銅イオンの群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記金属錯体が燐光を発光する金属錯体であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記発光材料の内の2種以上が3座以上の配位子を有する金属錯体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記金属錯体が一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006121032
    (M11は金属イオンを表し、L11、L12、L13、L14、L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11、L14間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成することは無い。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、単結合または二重結合を表す。n11は0〜4を表す。)
  6. 前記金属錯体が一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006121032
    (M21は金属イオンを表し、Y21は連結基、単結合、または二重結合を表す。Y22、Y23はそれぞれ単結合または連結基を表す。Q21、Q22はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表し、Q21で形成される環とY21の間の結合およびQ22で形成される環とY21の間の結合は単結合または二重結合を表す。X21、X22はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す。R21、R22、R23、R24はそれぞれ水素原子または置換基を表し、R21及びR22並びにR23及びR24は各々結合して環を形成してもよい。L25はM21に配位する配位子を表す。n21は0〜4の整数を表す。)
  7. 前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環がそれぞれピリジン環で、Y21は1つ以上の原子からなる連結基を表す化合物であることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光素子。
  8. 前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環がそれぞれピリジン環で、Y21が単結合または二重結合で、X21、X22が硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す化合物であることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光素子。
  9. 前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環がそれぞれ含窒素ヘテロ5員環であることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光素子。
  10. 前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が、それぞれ、窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環であることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光素子。
  11. 前記金属錯体が一般式(9)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006121032
    (MA1は金属イオンを表し、QA1、QA2はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表す。RA1、RA2、RA3、RA4はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RA1及びRA2並びにRA3及びRA4は各々結合して環を形成してもよい。YA2、YA3はそれぞれ連結基または単結合を表す。YA1はかっこ内の2つの2座配位子をそれぞれ連結する連結基、単結合、または二重結合を表す。LA5はMA1に配位する配位子を表す。nA1は0〜4の整数を表す。)
  12. 前記金属錯体が一般式(11)で表される化合物であることを特徴とする請求項11に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006121032
    (RC1、RC2はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RC3、RC4、RC5、RC6はそれぞれ置換基を表す。nC3、nC6は0〜3、nC4、nC5は0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、RC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、RC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。)
  13. 前記金属錯体が一般式(10)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006121032
    (MB1は金属イオンを表し、YB1は連結基を表す。YB2、YB3はそれぞれ連結基または単結合を表す。XB1、XB2はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表し、nB1、nB2は0ないし1の整数を表す。RB1、RB2、RB3、RB4、RB5、RB6はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RB1及びRB2並びにRB3及びRB4は各々結合して環を形成してもよい。LB5はMB1に配位する配位子を表す。nB3は0〜4の整数を表す。ただし、YB1はRB5またはRB6と連結することはない。)
  14. 前記金属錯体が一般式(12)で表される化合物であることを特徴とする請求項13に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006121032
    (RD3、RD4はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RD1、RD2はそれぞれ置換基を表す。nD1、nD2はそれぞれ0〜4の整数を表し、RD1、RD2をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRD1、RD2は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。YD1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数1〜8のメチレン基を表す。)
  15. 前記金属錯体が一般式(8)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006121032
    (M81は金属イオンを表し、L81、L82、L83、L85はそれぞれM81に配位する配位子を表す。L81、L83間に原子群がさらに存在して環状または4座以上の配位子を形成することは無い。L85は金属を介さずにL81またはL83と連結することはない。Y81、Y82はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。n81は0〜3の整数を表す。)
  16. 前記金属錯体が一般式(8)で表され、L81、L82、L83は炭素原子でM81に配位する芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環、または窒素原子でM81に配位する含窒素ヘテロ環を表し、L81、L82、L83のうち少なくとも一つが含窒素ヘテロ環であることを特徴とする請求項15記載の有機電界発光素子。
  17. 前記金属錯体が一般式(X1)で表されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006121032
    (一般式(X1)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合または連結基を表す。すなわち、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群およびQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群はそれぞれ三座の配位子である。MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
  18. 前記一般式(X1)で表される金属錯体が、一般式(X2)で表されることを特徴とする請求項17に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006121032
    (一般式(X2)中、MX2は金属イオンを表す。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表し、QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26と共に芳香環もしくは芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。LX21〜LX24は単結合、二重結合または連結基を表す。MX2とYX21〜YX26との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
  19. 前記一般式(X1)で表される金属錯体が、一般式(X3)で表されることを特徴とする請求項17に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006121032
    (一般式(X3)中、MX3は金属イオンを表す。YX31〜YX36は、それぞれ、炭素原子、窒素原子又はリン原子を表す。LX31〜LX34は、それぞれ、単結合、二重結合または連結基を表す。MX3とYX31〜YX36との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
  20. 一対の電極間に少なくとも一層の発光層を含む有機電界発光素子であって、発光層のホスト材料が少なくとも2種の化合物からなることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
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