JP4425531B2 - 有機el装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL発光材料として高分子材料を用いた有機EL装置及びその効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL装置は、無機EL素子と比較して低電圧で駆動でき、また、従来の無機LEDと比較しても、複雑な成長プロセスを経ることなく作製できる固体自発光装置である。また、携帯用ディスプレイへの適用を考えた場合、有機EL装置は、特に液晶ディスプレイ(LCD)と比較すると、自発光であるためバックライトが不要であり、軽量でしかも低価格な製品が実現可能であり、応答速度が速く、全固体素子であるため衝撃に強いなどの利点を有する。有機EL装置は、フラットパネルディスプレイ等への適用が期待されている。
ところで、有機EL装置に用いられるEL発光材料としては、モノマー系材料とポリマー系材料とが知られている。一般に、前記モノマー系材料は真空蒸着により成膜され、前記ポリマー系材料は塗布法により成膜されるが、前記ポリマー系材料の成膜の方が高価な装置を必要としない点で実用的であると言える。
【0003】
しかし、前記EL発光材料として前記ポリマー系材料を用いてフルカラーディスプレイとする場合、青(B)、緑(G)及び赤(R)の3原色の発光を示すEL発光材料をそれぞれ精細に塗り分けて画素を形成するのが難しいという問題がある。従来においては、一般にメタルマスクを用いて真空蒸着法により前記ポリマー系材料を塗り分けていたが、この場合、前記メタルマスクの加工寸法に限界があり、また、該マスクの位置合わせ精度を上げることが困難であり、その結果、塗り分けの解像度を上げることができず、装置も高価になってしまうという問題があった。
【0004】
そこで、インクジェット法により、青(B)、緑(G)及び赤(R)の3原色の発光を示す前記ポリマー系材料をそれぞれ精細に塗り分けて画素を形成することも考えられてきている。この場合、前記ポリマー系材料を有効に利用でき(無駄な量が少なく)、また、メタルマスクで塗り分けるよりも高精細な画素パターンを形成できる。
しかし、インクジェット法により塗り分けをする際、正極と負極との間に形成された絶縁性のバンクの隔壁により画成された空隙内に、前記EL発光材料として用いる前記ポリマー系材料をインクジェットインクとしてノズルヘッドから噴射させて供給する必要があるが、前記空隙の開口部が小さいために、所定の前記空隙内に前記インクジェットインクを確実に供給することができず、色ずれが生じたり、前記正極と前記負極との短絡を生じてしまう等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。本発明は、高精細な複数の画素を有し、色ずれ、正極及び負極間の短絡などの問題がなく、基板の大型化が容易であり、大型真空装置等が不要であり、マスク合わせが不要であり、材料の利用効率が高く、簡便に量産可能で高品質であり、ディスプレイ等として好適に使用可能な有機EL装置及びその効率的な製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、後述の(付記1)〜(付記27)として記載した通りである。
本発明の有機EL装置は、正極と負極との間に配置されて該正極及び該負極を絶縁するバンクを複数有し、該バンクの隔壁によって画成される複数の空隙内に有機EL発光材料を有してなる有機EL装置であって、少なくとも1つの前記空隙が、該空隙における前記バンクの隔壁間の一端側における距離をdとし、該一端側以外における距離をd’とし、該一端側以外における距離をd’とし、該一端側に対する他端側における距離をd’’とした時、d>d’’であり、かつ前記空隙における前記バンクの隔壁間の距離が前記一端側から前記他端側に向かって漸次、d−d’≧0を満たすことを特徴とする。この有機EL装置においては、前記一般側から前記他端側にかけて前記空隙の開口径が漸次大きくなっているため、該空隙内に、前記EL発光材料としてのインクジェットインクを容易にかつ確実にノズルヘッドから噴射して供給することができる。その結果、該有機EL装置においては、複数の画素が高精細であり、色ずれ、正極及び負極間の短絡などの問題がなく、簡便に量産可能であり、ディスプレイ等として好適に使用できる。
【0007】
本発明の有機EL装置の製造方法は、本発明の有機EL装置の製造方法であって、本発明の有機EL装置の製造方法においては、(1)フォトレジスト及び耐熱性ポリマーから選択される材料によりバンクをパターン形成した後、プラズマ処理を行う、又は、(2)無機材料によりバンクをパターン形成した後、エッチング処理を行うことを特徴とする。本発明の有機EL装置の製造方法においては、前記(1)の場合には、まず、前記フォトレジスト及び耐熱性ポリマーから選択される材料によりバンクがパターン形成された後、該バンクのパターンがプラズマ処理される。すると、該パターンの隔壁により画成された空隙における開口部近傍が削られ、その開口径が該空隙における底部側よりも大きくなる。また、前記(2)の場合には、まず、前記無機材料によりバンクがパターン形成された後、該バンクのパターンがエッチング処理される。すると、該バンクのパターンの隔壁により画成された空隙における開口部近傍が削られ、その開口径が該空隙における底部側よりも大きくなる。前記(1)及び前記(2)のいずれの場合においても、前記空隙における開口部近傍の開口径が大きくなっているため、該空隙内に容易にかつ確実にEL発光材料が供給される。その結果、高精細な複数の画素を有し、色ずれ、正極及び負極間の短絡などの問題がなく、ディスプレイ等として好適な本発明の有機EL装置が効率よく製造される。
【0008】
【発明の実施の形態】
<有機EL装置>
本発明の有機EL装置は、正極と負極との間に配置されて該正極及び該負極を絶縁するバンクを複数有し、該バンクの隔壁によって画成される複数の空隙内に有機EL発光材料を有してなり、更に必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、封止材などその他の層乃至部材を有してなる。
【0009】
本発明の有機EL装置においては、複数存在する空隙の少なくとも1つが、以下の条件を満たすことが必要であり、全空隙の90%以上が以下の条件を満たすことが好ましく、全空隙が以下の条件を満たすことがより好ましい。
即ち、前記条件とは、前記空隙における前記バンクの隔壁間の一端側における距離をdとし、該一端側以外における距離をd’とし、該一端側に対する他端側における距離をd’’とした時、d>d’’であり、かつ前記空隙における前記バンクの隔壁間の距離が前記一端側から前記他端側に向かって漸次、d−d’≧0を満たすという条件である。
この条件を満たす場合には、前記空隙における開口径が前記一端側よりも前記他端側の方が大きくなっているため、該空隙内に有機EL発光材料としてのインクジェットインクを容易にかつ確実に収容させることができ、製造効率に優れ、しかも得られる有機EL装置は、高精細な画素を有し高品質である。
【0010】
また、本発明の有機EL装置においては、複数存在する空隙の少なくとも1つが、以下の条件を満たすことが必要であり、全空隙の90%以上が以下の条件を満たすことが好ましく、全空隙が以下の条件を満たすことがより好ましい。
即ち、前記条件とは、n段の段差を有するバンクの隔壁によって画成されてなり、該n段の段差底部における前記バンクの隔壁間の距離を一端側から他端側に向かって、d1、d2、・・・、dn−1、dn、とした時、d1>d2>・・・>dn−1>dn、を満たすという条件である。
この条件を満たす場合には、前記バンクが多段構造を有し、前記一端側から前記他端側に向かってより削られており、該バンクの隔壁によって画成される空隙部においては、その開口径が前記一端側よりも前記他端側の方が大きくなっているため、該空隙内に有機EL発光材料としてのインクジェットインクを容易にかつ確実に収容させることができ、製造効率に優れ、しかも得られる有機EL装置は、高精細な画素を有し高品質である。
【0011】
前記バンクが2段以上の段差を有し、前記空隙が、該バンクの隔壁により画成されてなる場合には、複数存在する該空隙の少なくとも1つが、以下の条件を満たすことが必要であり、全空隙の90%以上が以下の条件を満たすことが好ましく、全空隙が以下の条件を満たすことがより好ましい。
即ち、前記条件とは、最も前記他端側に位置し、前記バンクの隔壁間の距離が最大である段差を形成する該バンクの隔壁がテーパー形状であるという条件である。
この条件を満たす場合には、前記バンクの開口部が開口径の大きなテーパー形状を有しているため、該バンクの隔壁により画成される空隙内に有機EL発光材料としてのインクジェットインクを容易にかつ確実に収容させることができ、製造効率に優れ、しかも得られる有機EL装置は、高精細な画素を有し高品質である。
【0012】
前記バンクが2段以上の段差を有し、前記空隙が、該バンクの隔壁により画成されてなる場合には、複数存在する該空隙の少なくとも1つが、以下の条件を満たすことが必要であり、全空隙の90%以上が以下の条件を満たすことが好ましく、全空隙が以下の条件を満たすことがより好ましい。
即ち、前記条件とは、前記バンクの隔壁に形成された各段がいずれもテーパー形状であるという条件である。
この条件を満たす場合には、前記有機EL発光材料としてのインクジェットインクを、前記バンクの開口部に形成された開口径の大きなテーパー形状の隔壁に沿って、次に、より開口径の小さなテーパー形状の隔壁に沿って、容易にかつ確実に前記空隙内に収容させることができ、製造効率に優れ、しかも得られる有機EL装置は、高精細な画素を有し高品質である。
【0013】
2段以上の段差を有する前記バンクの中でも、本発明においては、製造効率等の点で、2段の段差を有するバンクが好ましく、該2段の段差を有するバンクにおける隔壁が2段のテーパー形状を有するのが、インクジェット法により該空隙内に効率よくかつ確実に有機EL発光材料を収容させることができる点でより好ましい。
【0014】
また、前記バンクが2段以上の段差を有する場合、該バンクは、前記一端側の段差底部のテーパー角が、前記他端側の段差底部のテーパー角よりも小さくなっているのが好ましい。この場合、該バンクの隔壁により画成される空隙内に、インクジェット法により効率よくかつ確実に有機EL発光材料を収容させることができる。
【0015】
なお、本発明においては、前記一端側が正極側であり、前記他端側が負極側であるのが、製造効率等の点で好ましい。
【0016】
前記バンクとしては、パターニング可能な絶縁材料で形成されていればよく、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フォトレジスト及び耐熱性ポリマー、無機材料などが好適に挙げられる。
前記フォトレジストとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポジ型フィトレジスト、ネガ型フォトレジスト、などが挙げられる。
前記耐熱性ポリマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミド、などが好適に挙げられる。
前記無機材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、窒化ケイ素、酸化ケイ素などが好適に挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記バンクは、積層構造体であってもよく、該積層構造体としては、前記窒化ケイ素と前記酸化ケイ素との積層構造体などが好適に挙げられる。
【0017】
前記有機EL発光材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、溶液化されて、インクジェット法によりノズルヘッドから前記空隙に向けて噴射することができるものであるのが好ましく、ポリマー系材料から選択されるのがより好ましい。
前記ポリマー系材料としては、特に制限はなく、高分子有機EL装置において使用されている公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、PVなどが挙げられる。
【0018】
本発明においては、前記空隙内に収容された前記有機EL発光材料により発光層が形成され、該発光層を有する個々の空隙により画素が構成される。ここで、前記空隙内に収容させる有機EL発光材料を、赤色発光材料、緑色発光材料、青色発光材料から適宜選択して組み合わせることにより、フルカラーディスプレイを設計することができる。
【0019】
インクジェット法による前記発光層の形成は、例えば、ノズルヘッドを用いて前記インクジェットインクを前記空隙に向けて噴射させて供給した後、適宜乾燥等させることにより行うことができる。
【0020】
前記発光層の厚みとしては、50〜200nmが好ましく、70〜150nmがより好ましい。
前記発光層の厚みが、前記好ましい数値範囲であると、該有機EL装置による発光効率・発光輝度・色純度が十分であることがある。
【0021】
本発明の有機EL装置は、正極及び負極の間に、前記バンクの隔壁により画成された空隙内に形成された前記発光層を有してなり、目的に応じて適宜選択した前期その他の層乃至部材を有していてもよい。
【0022】
−正極−
前記正極としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記有機薄膜層に、具体的には該有機薄膜層が前記発光層のみを有する場合には該発光層に、該有機薄膜層が更に前記正孔輸送層を有する場合には該正孔輸送層に、該有機薄膜層が更に前記正孔注入層を有する場合には該正孔注入層に、正孔(キャリア)を供給することができるものが好ましい。
【0023】
前記正極の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられ、これらの中でも仕事関数が4eV以上の材料が好ましい。
【0024】
前記正極の材料の具体例としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、これらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性材料、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性金属酸化物が好ましく、生産性、高伝導性、透明性などの観点からはITOが特に好ましい。
【0025】
前記正極の厚みとしては、特に制限はなく、材料等により適宜選択可能であるが、30〜500nmが好ましく、50〜200nmがより好ましい。
【0026】
前記正極は、通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等のガラス、透明樹脂等の基板上に形成される。
前記基板として前記ガラスを用いる場合、該ガラスからの溶出イオンを少なくする観点からは、前記無アルカリガラス、シリカなどのバリアコートを施した前記ソーダライムガラスが好ましい。
【0027】
前記基板の厚みとしては、機械的強度を保つのに充分な厚みであれば特に制限はないが、該基材としてガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上であり、0.7mm以上が好ましい。
【0028】
前記正極は、例えば、蒸着法、湿式製膜法、電子ビーム法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシー)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、分子積層法、LB法、印刷法、転写法、化学反応法(ゾル−ゲル法など)により該ITOの分散物を塗布する方法、などの上述した方法により好適に形成することができる。
【0029】
前記正極は、洗浄、その他の処理を行うことにより、該有機EL装置の駆動電圧を低下させたり、発光効率を高めることも可能である。前記その他の処理としては、例えば、前記正極の素材がITOである場合には、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが好適に挙げられる。
【0030】
−負極−
前記負極としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記有機薄膜層に、具体的には該有機薄膜層が前記発光層のみを有する場合には該発光層に、該有機薄膜層が更に前記電子輸送層を有する場合には該電子輸送層に、該有機薄膜層及び該負極間に電子注入層を有する場合には該電子注入層に、電子を供給することができるものが好ましい。
【0031】
前記負極の材料としては、特に制限はなく、前記電子輸送層、前記発光層などの該負極と隣接する層乃至分子との密着性、イオン化ポテンシャル、安定性等に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。
【0032】
前記負極の材料の具体例としては、アルカリ金属(例えばLi、Na、K、Csなど)、アルカリ土類金属(例えばMg、Caなど)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、これらの合金、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、仕事関数が4eV以下の材料が好ましく、アルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、などがより好ましい。
【0033】
前記負極の厚みとしては、特に制限はなく、該負極の材料等に応じて適宜選択することができるが、1〜10000nmが好ましく、20〜200nmがより好ましい。
【0034】
前記負極は、例えば、蒸着法、湿式製膜法、電子ビーム法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシー)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、分子積層法、LB法、印刷法、転写法、などの上述した方法により好適に形成することができる。
前記負極の材料として2種以上を併用する場合には、該2種以上の材料を同時に蒸着し、合金電極等を形成してもよいし、予め調製した合金を蒸着させて合金電極等を形成してもよい。
【0035】
前記正極及び前記負極の抵抗値としては、低い方が好ましく、数百Ω/□以下であるのが好ましい。
【0036】
−正孔注入層−
前記正孔注入層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、電界印加時に前記正極から正孔を注入する機能を有しているものであるのが好ましい。
前記正孔注入層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、PEDOT:PSS(poly-3,4-ethylenedioxythiophene doped with poly(styrene sulfonate)、あるいは下記式で表されるスターバーストアミン(4,4',4''-tris[3-methylphenyl(phenyl)amino]triphenylamine :m−MTDATA)、銅フタロシアニン、ポリアニリン、などが挙げられる。
【0037】
【化1】
【0038】
前記正孔注入層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、50〜150nm程度が好ましく、70〜100nmがより好ましい。
前記正孔注入層は、例えば、蒸着法、湿式製膜法、電子ビーム法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシー)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、分子積層法、LB法、印刷法、転写法、などの上述した方法により好適に形成することができる。
【0039】
−その他の層乃至部材−
本発明の有機EL装置は、目的に応じて適宜選択したその他の層乃至部材を有していてもよく、該その他の層としては、例えば、保護層、封止材などが好適に挙げられる。
【0040】
前記保護層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水分や酸素等の有機EL装置を劣化促進させる分子乃至物質が有機EL装置内に侵入することを抑止可能であるものが好ましい。
前記保護層の材料としては、例えば、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等の金属酸化物、SiN、SiNxOy等の窒化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質などが挙げられる。
【0041】
前記保護層は、例えば、蒸着法、湿式製膜法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシー)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、印刷法、転写法、などの上述した方法により好適に形成することができる。
【0042】
本発明の有機EL装置の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、その層構成としては、例えば、以下の(1)〜(13)の層構成、即ち、(1)正極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/負極、(2)正極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/負極、(3)正極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/負極、(4)正極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/負極、(5)正極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層兼電子輸送層/電子注入層/負極、(6)正極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層兼電子輸送層/負極、(7)正極/正孔輸送層/発光層兼電子輸送層/電子注入層/負極、(8)正極/正孔輸送層/発光層兼電子輸送層/負極、(9)正極/正孔注入層/正孔輸送層兼発光層/電子輸送層/電子注入層/負極、(10)正極/正孔注入層/正孔輸送層兼発光層/電子輸送層/負極、(11)正極/正孔輸送層兼発光層/電子輸送層/電子注入層/負極、(12)正極/正孔輸送層兼発光層/電子輸送層/負極、(13)正極/正孔輸送層兼発光層兼電子輸送層/負極、などが好適に挙げられる。
なお、前記有機EL装置が前記正孔ブロッキング層を有する場合には、前記(1)〜(13)において、前記発光層と前記電子輸送層との間に該正孔ブロッキング層が配置される層構成が好適に挙げられる。
【0043】
前記有機EL装置は、単色発光のものであってもよいし、多色発光のものであってもよいし、フルカラータイプのものであってもよい。
前記有機EL装置をフルカラータイプのものとする方法としては、例えば「月刊ディスプレイ」、2000年9月号、33〜37ページに記載されているように、色の3原色(青色(B)、緑色(G)、赤色(R))に対応する光をそれぞれ発光する有機EL装置を基板上に配置する3色発光法、白色発光用の有機EL装置による白色発光をカラーフィルターを通して3原色に分ける白色法、青色発光用の有機EL装置による青色発光を蛍光色素層を通して赤色(R)及び緑色(G)に変換する色変換法、などが知られているが、本発明においては、3色発光法を特に好適に採用することができる。
【0044】
前記有機EL装置の駆動態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、「日経エレクトロニクス」、No.765, 2000年3月13日号、55〜62ページに記載されているような、パッシブマトリクスパネル、アクティブマトリクスパネルなどの駆動態様が好適に挙げられる。
【0045】
本発明の有機EL装置は、例えば、コンピュータ、車載用表示器、野外表示器、家庭用機器、業務用機器、家電用機器、交通関係表示器、時計表示器、カレンダ表示器、ルミネッセントスクリーン、音響機器等をはじめとする各種分野において好適に使用することができる。
【0046】
<有機EL装置の製造方法>
本発明の有機EL装置の製造方法は、上述した本発明の有機EL装置の製造方法であって、(1)フォトレジスト及び耐熱性ポリマーから選択される材料によりバンクをパターン形成した後、プラズマ処理を行う、又は、(2)無機材料によりバンクをパターン形成した後、エッチング処理を行うことを特徴とする。
本発明の有機EL装置の製造方法においては、前記(1)又は(2)以外の処理乃至工程については特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、正極のパターニング工程、正極上に正孔輸送層を形成する工程、正孔輸送層上に発光層を形成する工程、発光層上に電子輸送層を形成する工程、電子輸送層上に負極を形成する工程、などが挙げられる。
なお、前記(1)は、バンク形成工程とプラズマ処理工程とを含み、前記(2)は、バンク形成工程とエッチング工程とを含む。
【0047】
前記バンク形成工程は、例えば、前記正極上に、上述したフォトレジスト及び耐熱性ポリマーから選択される材料を塗付して塗付膜を形成した後、又は、上述した無機材料を蒸着して蒸着膜を形成した後、フォトリソグラフィーにてパターニングすることによりバンクを形成する工程である。
前記バンクを形成する際の条件等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記塗付の方法としては、特に制限はなく、スピンコート法等の公知の方法の中から適宜選択することができる。
前記蒸着の方法としては、特に制限はなく、CVD法等の公知の方法の中から適宜選択することができる。
【0048】
前記プラズマ処理工程としては、その条件等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、酸素プラズマ及びフッ素系プラズマから選択されるプラズマガスを用いて行うのが好ましい。この場合、前記バンクがポリイミド等の樹脂材料で形成されている場合に、該バンクを効率よく削ることができる。
【0049】
前記エッチング処理工程としては、その条件等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、2種以上のエッチングガスを用いて行うのが好ましい。この場合、前記バンクが前記無機材料で形成されている場合に、該バンクを効率よく削ることができる。
前記エッチングガスとしては、CF4/O2ガス、CF4ガスなどが好適に挙げられる。
【0050】
前記エッチング処理工程において、2種のエッチングガスを用いてエッチング処理を行う場合には、例えば、以下のようにして行うのが好ましい。即ち、CF4/O2ガスからCF4ガスへの切り替えを行う場合には、プラズマN2をモニタリングすることにより行うのが好ましく、CF4ガスからCF4/O2ガスへの切り替えを行う場合には、プラズマF2をモニタリングすることにより行うのが好ましい。そして、この際、モニタリングするプラズマF2又はプラズマN2の強度が15〜25%になった時にエッチングガスを切り替えるのが好ましい。なお、2種の無機材料によりバンクをパターン形成した場合には、表層のエッチングレートが下層のエッチングレートよりも大きくなるようにするのが好ましい。
【0051】
前記発光層を形成する工程においては、前記プラズマ工程又は前記エッチング処理工程により形成されたバンクの隔壁により画成される空隙内に、ノズルヘッドを用いてインクジェット法により該ノズルヘッドから上述した有機EL発光材料を含有する溶液(上述したインクジェットインク)を噴射し供給する。その後、適宜乾燥等を行うことにより、該有機EL発光材料による発光層を前記空隙内に形成することができる。
【0052】
以上説明した本発明の有機EL装置の製造方法によると、本発明の有機EL装置が効率よく製造される。
製造された本発明の有機EL装置においては、図1に示すように、従来のバンクに比べて、バンクの隔壁における開口部(露出端)近傍が削られ、該バンクの隔壁により画成される空隙の開口径が該空隙における底部側よりも大きくなっている。このため、本発明のバンクの隔壁により画成される空隙には、従来のバンクの隔壁により画成される空隙に比べて、容易にかつ確実に有機EL発光材料が供給される。
このとき、図1に示す従来例のように、前記バンクが1段構造であり、テーパー構造が1種である場合には、それを緩やかなテーパー構造とすると、前記インクジェットインクを前記空隙内に確実に収容させることはできるものの、該空隙の開口部が大きく広がってしまうため、高精細化できない。一方、急峻なテーパー構造とすると、微細な空隙による微細な開口は形成できるものの、前記ノズルヘッドから噴出(吐出)させた前記インクジェットインクが所定の空隙内に収容させるのが困難になる。しかし、図1に示す本発明のように、例えば、前記バンクが2段構造であり、各段がテーパー構造を有している場合には、ノズルヘッドから前記バンクの隔壁により画成された空隙に向けて噴射(吐出)されたインクジェットインク(有機EL発光材料を含有)の液滴を、上段のテーパー構造に沿って下方に転がらせ、次に、下段のテーパー構造にさしかかったところで前記空隙内に確実に落下させることができる。その結果、該有機EL装置は、高精細な複数の画素を有し、色ずれ、正極及び負極間の短絡などの問題がなく、ディスプレイ等として好適に使用可能である。
【0053】
【実施例】
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
図2(a)に示すように、ガラス基板上に正極(下部電極)としてのITOを2000Åの厚みになるようにしてスパッタリング法により形成した。次に、フォトリソグラフィーとウエットエッチングとによりITOをストライプ状に加工した。
該ITO上にポリイミドを5000Åの厚みになるようにしてスピンコーティングにより成膜した後、図2(b)に示すように、フォトリソグラフィーによりバンクパターンを形成した。
次に、図2(c)に示すように、該バンクパターンをO2プラズマにより3分間処理することにより、2段のテーパー構造を形成した。
次に、図2(d)に示すように、該バンクパターン間に形成された空隙、即ち前記バンクの隔壁により画成された空隙に向けて、ノズルヘッドからインクジェットインク(有機EL発光材料を含有)をインクジェット法により噴射(吐出)させた。そして、図2(e)に示すように、各空隙内に前記インクジェットインクを収容させた。
その後、前記インクジェットインク及び前記バンクの表面を被覆するようにして、負極(上部電極)としてAlLiを、メタルマスクを用いて3000Åの厚みになるようにしてストライプ上に蒸着させ成膜させた。
以上により製造された有機EL装置に対し、前記AlLi側が負極となるようにし、ITO側が正極となるようにして、電流を流したところ、ITO側からEL発光が観測された。
【0055】
(実施例2)
図3(a)に示すように、ガラス基板上に正極(下部電極)としてのITOを2000Åの厚みになるようにしてスパッタリング法により形成した。次に、フォトリソグラフィーとウエットエッチングとによりITOをストライプ状に加工した。
次に、図3(b)に示すように、該ITO上にSiO2(厚み:2000Å)、SIN(厚み:3000Å)をこの順で積層した積層膜をCVD法により形成した。続いて、フォトリソグラフィーでバンクのパターンを形成後、図3(c)に示すように、反応性イオンエッチングによりバンクの開口部近傍をエッチング処理した。具体的には、SiNをCF4/O2ガスを用いてエッチング処理し、SiO2をCF4ガスを用いてエッチング処理した。そして、エッチング処理中にN2の発光をモニタリングし、この強度が20%となったときにエッチングガスの切り替えを行なった。その結果、図3(c)に示すように、2段のテーパー構造を有するバンクが形成された。
次に、図3(d)に示すように、該バンクパターン間に形成された空隙、即ち前記バンクの隔壁により画成された空隙に向けて、ノズルヘッドからインクジェットインク(有機EL発光材料を含有)をインクジェット法により噴射(吐出)させた。そして、図3(e)に示すように、各空隙内に前記インクジェットインクを収容させた。
その後、前記インクジェットインク及び前記バンクの表面を被覆するようにして、負極(上部電極)としてAlLiを、メタルマスクを用いて3000Åの厚みになるようにしてストライプ上に蒸着させ成膜させた。
以上により製造された有機EL装置に対し、前記AlLi側が負極となるようにし、ITO側が正極となるようにして、電流を流したところ、ITO側からEL発光が観測された。
【0056】
ここで、本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1) 正極と負極との間に配置されて該正極及び該負極を絶縁するバンクを複数有し、該バンクの隔壁によって画成される複数の空隙内に有機EL発光材料を有してなる有機EL装置であって、
少なくとも1つの前記空隙が、該空隙における前記バンクの隔壁間の一端側における距離をdとし、該一端側以外における距離をd’とし、該一端側に対する他端側における距離をd’’とした時、d>d’’であり、かつ前記空隙における前記バンクの隔壁間の距離が前記一端側から前記他端側に向かって漸次、d−d’≧0を満たすことを特徴とする有機EL装置。
(付記2) 少なくとも1つの空隙が、n段の段差を有するバンクの隔壁によって画成されてなり、該n段の段差底部における前記バンクの隔壁間の距離を一端側から他端側に向かって、d1、d2、・・・、dn−1、dn、とした時、d1>d2>・・・>dn−1>dn、を満たす付記1又は2に記載の有機EL装置。
(付記3) d1>d2>・・・>dn−1>dn、を満たす空隙が全空隙の90%以上である付記2に記載の有機EL装置。
(付記4) 少なくとも1つの空隙が、2段以上の段差を有するバンクの隔壁によって画成されてなり、最も他端側に位置し、バンクの隔壁間の距離が最大である段差を形成する該バンクの隔壁がテーパー形状である付記1から3のいずれかに記載の有機EL装置。
(付記5) バンクの隔壁に形成された各段がいずれもテーパー形状である付記4に記載の有機EL装置。
(付記6) 少なくとも1つの空隙が、2段のテーパー形状を有するバンクの隔壁によって画成されてなる付記1から5のいずれかに記載の有機EL装置。
(付記7) 一端側の段差底部のテーパー角が、他端側の段差底部のテーパー角よりも小さい付記6に記載の有機EL装置。
(付記8) 一端側が正極側であり、他端側が負極側である付記1から7のいずれかに記載の有機EL装置。
(付記9) バンクが、パターニング可能な絶縁材料で形成された付記1から8のいずれかに記載の有機EL装置。
(付記10) パターニング可能な絶縁材料が、フォトレジスト及び耐熱性ポリマーから選択される付記9に記載の有機EL装置。
(付記11) パターニング可能な絶縁材料が、ポリイミドである付記9に記載の有機EL装置。
(付記12) パターニング可能な絶縁材料が、無機材料から選択される付記9に記載の有機EL装置。
(付記13) 無機材料が、窒化ケイ素及び酸化ケイ素から選択される付記12に記載の有機EL装置。
(付記14) バンクが、窒化ケイ素及び酸化ケイ素の積層構造体である付記1から9のいずれかに記載の有機EL装置。
(付記15) 有機EL発光材料が、ポリマー系材料から選択される付記1から14のいずれかに記載の有機EL装置。
(付記16) 空隙内における有機EL発光材料により画素が構成される付記1から15のいずれかに記載の有機EL装置。
(付記17) 空隙内における有機EL発光材料が、赤色発光材料、緑色発光材料、及び青色発光材料から選択される付記16に記載の有機EL装置。
(付記18) 付記1から17のいずれかに記載の有機EL装置の製造方法であって、フォトレジスト及び耐熱性ポリマーから選択される材料によりバンクをパターン形成した後、プラズマ処理を行うことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
(付記19) バンクが、フォトレジスト及び耐熱性ポリマーから選択される材料を正極上に塗付して塗付膜を形成した後、フォトリソグラフィーによりパターニングされて形成され、該バンクにより画成される空隙内にインクジェット法により有機EL材料が付与された後、負極が形成される付記18に記載の有機EL装置の製造方法。
(付記20) プラズマ処理が、酸素プラズマ及びフッ素系プラズマから選択されるプラズマガスを用いて行われる付記18又は19に記載の有機EL装置の製造方法。
(付記21) 付記1から17のいずれかに記載の有機EL装置の製造方法であって、無機材料によりバンクをパターン形成した後、エッチング処理を行うことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
(付記22) バンクが、無機材料を正極上にCVD法により蒸着して蒸着膜を形成した後、フォトリソグラフィーによりパターニングされて形成され、該バンクにより画成される空隙内にインクジェット法により有機EL発光材料が付与された後、負極が形成される付記21に記載の有機EL装置の製造方法。
(付記23) エッチング処理が、2種以上のエッチングガスを用いて行われる付記21又は22に記載の有機EL装置の製造方法。
(付記24) エッチング処理が、CF4/O2ガス及びCF4ガスを用いて行われる付記21又は22に記載の有機EL装置の製造方法。
(付記25) CF4/O2ガスからCF4ガスへの切り替えをプラズマN2をモニタリングすることにより行い、CF4ガスからCF4/O2ガスへの切り替えをプラズマF2をモニタリングすることにより行う付記24に記載の有機EL装置の製造方法。
(付記26) モニタリングするプラズマF2又はプラズマN2の強度が15〜25%になった時にエッチングガスを切り替える付記25に記載の有機EL装置の製造方法。
(付記27) 2種の無機材料によりバンクをパターン形成し、表層のエッチングレートが下層のエッチングレートよりも大きくなるようにした付記20から24のいずれかに記載の有機EL装置の製造方法。
【0057】
【発明の効果】
本発明によると、従来における前記問題を解決し、高精細な複数の画素を有し、色ずれ、正極及び負極間の短絡などの問題がなく、基板の大型化が容易であり、大型真空装置等が不要であり、マスク合わせが不要であり、材料の利用効率が高く、簡便に量産可能で高品質であり、ディスプレイ等として好適に使用可能な有機EL装置及びその効率的な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の有機EL装置におけるバンクの一例を説明するための概略説明図である。
【図2】図2は、本発明の有機EL装置の製造方法の一例を説明するための概略説明図である。
【図3】図3は、本発明の有機EL装置の製造方法の他の例を説明するための概略説明図である。
Claims (2)
- 第1の電極上に前記第1の電極を覆う、窒化珪素層及び酸化ケイ素層からなる積層構造体を形成する工程と、
前記積層構造体における前記第1の電極の一部と対応する位置に、段差がなく、かつその開口径が開口部の露出端に向かって漸次大きくなるテーパー形状のバンクパターンを形成する工程と、
前記バンクパターンを、ガスを用いてエッチングすることにより、前記第一の電極上の前記積層構造体に開口を形成する工程と、
前記開口に有機EL発光材料を充填する工程と、
前記積層構造体及び前記有機EL発光材料上に第2の電極を形成する工程と
を有し、
前記開口内に段差を有し、前記第1の電極から前記第2の電極に向かうほど前記開口の径が大きくなることを特徴とする有機EL素子の製造方法。 - 前記開口を形成する工程が、CF4/O2ガス及びCF4ガスを用いることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
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