JP2011522950A - デンプン含有熱可塑性またはエラストマー組成物、およびこのような組成物を調製する方法 - Google Patents

デンプン含有熱可塑性またはエラストマー組成物、およびこのような組成物を調製する方法 Download PDF

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    • C08L35/06Copolymers with vinyl aromatic monomers

Abstract

本発明は、
少なくとも1種のデンプンを含む、少なくとも50重量%で最大で99.95重量%のデンプン質組成物(a)と、
0.1〜500ナノメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子を含み、
少なくとも1つの層状粘土および少なくとも1つのカチオン性オリゴマーまたはカチオン性合成ポリマー、
有機、無機または混合ナノチューブ、
有機、無機または混合ナノ結晶およびナノ微結晶、
クラスターにカスタマイズされまたは凝集した、有機、無機または混合ナノビーズおよびナノ球体、および
これらのナノメートル製品の混合物
を含有する混合製品から選択される、少なくとも0.05重量%で最大で50重量%のナノメートル製品(b)と、
少なくとも1つの非デンプン質ポリマー(c)と
を含む熱可塑性および/またはエラストマー組成物に関し、百分率は(a)および(b)の乾燥重量の合計を基準にして、乾燥重量で表される。

Description

本発明は、新しい熱可塑性および/またはエラストマー組成物、およびこれらの組成物を調製する方法に関する。
「熱可塑性および/またはエラストマー組成物」という用語は、本発明において熱作用下で可逆的に軟化して冷却すると硬化し(熱可塑性)、および/または応力下で歪みを受けた後にその元の形と当初の寸法に多かれ少なかれ迅速に戻る(エラストマー)組成物を意味するものと理解される。それは少なくとも1つの「ガラス転移」温度(Tg)を示し、それ未満では組成物の非晶質画分は脆いガラス質状態にあり、それを越えると組成物が可逆的塑性歪みを被り得る。本発明のデンプンベースの熱可塑性組成物のガラス転移温度またはガラス転移温度の少なくとも1つは、好ましくは−120℃〜150℃である。この組成物は特に熱可塑性であり得て、すなわち押出し、射出成形、型込め、回転成形、吹込成形、およびカレンダー掛けなどのプラスチック技術で通常に利用される工程によって、成形され得る能力を示す。温度100℃〜200℃で測定されるその粘度は、一般に10〜10Pa・sである。この組成物は、またエラストマーでもあり得て、すなわち天然または合成ゴムのように伸展性および弾性回復の高い能力を示し得る。組成物のエラストマー挙動は、塑性状態での付形後に多かれ少なかれ強力な架橋または加硫によって得ることができ、または改善し得る。
好ましくは、上記組成物は「ホットメルト」組成物であり、すなわちそれは高い剪断力を加えることなく、すなわち溶融物を単に流すことで、または単に加圧成形することで成形し得る。温度100℃〜200℃で測定されるその粘度は、一般に10〜10Pa・sである。
米国特許第5095054号明細書 欧州特許第0497706B1号明細書 欧州特許第0579546B1号明細書 欧州特許第0735104B1号明細書 仏国特許第2697259号明細書
温室効果および地球温暖化に起因する気候かく乱、化石原料コスト、特にプラスチックがそれに由来する石油コストの上昇傾向、持続可能な発展やより自然でクリーンな、より健康的でよりエネルギー効率の良い製品を求める世論動向、そして規制および課税における変更という現行の状況においては、特にプラスチック分野で適切であると同時に競争力があり、環境に対する悪影響がわずかまたは皆無であるように最初からデザインされ、技術的に化石起源原料から調製されるポリマーと同じように高性能である、再生可能資源に由来する新しい組成物を提供することが必要である。
デンプンは、再生可能かつ生分解性であり、現行のプラスチックの出発原料として使用される石油およびガスと比較して、経済的に有利な価格で大量に入手できるという利点を示す出発原料を構成する。
デンプンの生分解性は、プラスチックの製造において2つの主要な技術的解決法に従って既に活用されている。
最初のデンプンベース組成物はおよそ30年前に開発された。当時デンプンは天然顆粒形態で、充填材としてポリエチレンなどの合成ポリマーとの配合物の形態で使用された。マトリックスまたは連続相を構成する合成ポリマー中への分散前に、天然デンプンはその親水性を低下させるために、好ましくは1重量%未満の水分レベルに乾燥される。これと同じ目的で、それはまた脂肪性物質(脂肪酸、シリコーン、シリコネート)で被覆してもよく、またはシロキサンまたはイソシアネートにより粒子表面で変性させもよい。
このようにして得られた材料は一般におよそ10重量%、最大でも20重量%の顆粒デンプンを含むが、これはこの値を超えると、得られる複合材料の機械的特性が、マトリックスを形成する合成ポリマーと比べて過度に不完全になり低下するためである。さらにこのようなポリエチレンベースの組成物は、単に生細分化性であって期待されたように生分解性でないことが明らかだったので、期待されたこれらの組成物の急速な開発は起きなかった。生分解性の欠如を克服するために、引き続いて従来のポリエチレンを酸化分解性ポリエチレンで、またはポリヒドロキシ酪酸−コ−ヒドロキシ吉草酸(PHBV)またはポリ(乳酸)(PLA)などの生分解性ポリエステルで置き換えることにより、同一原理が展開された。この場合もまた、顆粒デンプンとの混合によって得られるこのような複合材の機械的特性は不十分であることが判明した。必要であれば、優れた書籍「La Chimie Verte」[緑の化学],Paul Colonna,Editions TEC & DOC,2006年1月の「Materiaux a base d’amidons et de leurs derives」[デンプンおよびそれらの派生物ベースの材料]と題された、Denis Lourdin およびPaul Colonnaによる第6章,161〜166頁を参照されたい。
引き続いて、デンプンは本質的に非晶質の熱可塑性状態で使用された。この状態は、一般に顆粒デンプンに対して15〜25%の量で適切な可塑剤を組み込み、機械的および熱エネルギーを供給することでデンプンを可塑化して得られる。Warner Lambertらに付与された米国特許第5095054号明細書、および本出願人らに付与された欧州特許第0497706B1号明細書は、特に結晶化度が低下した、または不在であるこの構造破壊状態、およびこのような熱可塑性デンプンを得る手段について記載している。
しかしこのようにして得られた材料は、高温(120℃〜170℃)であってさえも常に非常に高度に粘稠であり、低温、すなわちガラス転移温度未満または最高ガラス転移温度未満では、非常に壊れやすく脆すぎて非常に硬いので、デンプンおよび可塑剤の選択、そして後者の使用レベルによってある程度までは調節できるものの、熱可塑性デンプンの機械的特性は総体的に極めて凡庸である。
したがってこのような熱可塑性デンプンの破断点伸びは非常に低く、ほぼ30%程度の非常に高レベルの可塑剤があっても、常におよそ10%未満である。比較として低密度ポリエチレンの破断点伸びは、一般に100〜1000%である。
さらに熱可塑性デンプンの最大引張り強さは、可塑剤レベルが増大すると非常に大きく低下する。これは10〜25%の可塑剤含量ではほぼ15〜60MPa程度の許容可能な値を有するが、30%を超えると許容できないほど低下する。
この理由から、これらの熱可塑性デンプンは、これらの熱可塑性デンプンを一方では、ポリ(酢酸ビニル)(PVA)、ポリ(ビニルアルコール)(PVOH)、エチレン/ビニルアルコール(EVOH)共重合体や、商標「Ecoflex」および「Ecovio」の下に販売される製品などのポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(アジピン酸テレフタル酸ブチレン)(PBAT)などの生分解性ポリエステルや、商標「Bionolle」の下に販売される製品などのポリ(コハク酸ブチレン)(PBS)およびポリ(コハク酸アジピン酸ブチレン)(PBSA)などの石油起源のポリマーと共に;または他方では、例えば商標「Ingeo」の下に販売される製品などのポリ(乳酸)(PLA)やまたは商標「Nodax」および「Mirel」の下に販売される製品などの微生物ポリヒドロキシアルカノエート(PHA、PHB、およびPHBV)などの再生可能起源由来ポリエステルと共に;またはさらにもう一方では植物または動物組織からの天然ポリマー抽出物と共に物理的に混合することで、より良い機械的特性を示す生分解性および/または水溶性調合物を開発することを目指す、多数の調査研究の対象をなしている。ここでもまた、書籍「La Chimie Verte」,Paul Colonna,Editions TEC & DOC,161〜166頁を参照されたいが、例えば熱可塑性デンプンを含む組成物について述べている本出願人らに付与された欧州特許第0579546B1号明細書、欧州特許第0735104B1号明細書、および仏国特許第2697259号明細書もまた参照されたい。
顕微鏡下ではこれらの樹脂は非常に不均一なようであり、合成ポリマーの連続相中に可塑化デンプンの小島を示す。これは熱可塑性デンプンが非常に親水性であり、したがって合成ポリマーとはあまり適合性でないという事実に起因する。この結果、例えばエチレン/アクリル酸(EAA)共重合体、あるいはシクロデキストリンまたはオルガノシランなどの疎水性単位および親水性単位を交互に含む共重合体などの相溶化剤の添加があってさえも、このような配合物の機械的特性は極めて限定的なままである。
一例としてY等級の市販品Mater−Biは、その製造業者が提供する情報によれば、27%の破断点伸びおよび26MPaの最大引張り強さを示す。結果的にこれらの複合材は、今日、限定的用途を有し、すなわち用途は本質的に、生分解性の上包み、ゴミ袋、レジ袋、および特定の硬質でかさ高い物品の部門のみに限定される。
熱可塑性非晶質デンプンを製造するためのデンプンの半晶質天然顆粒状態の構造破壊は、押出し加工により比較的無水の媒質中で実施し得る。デンプン顆粒から出発して溶融相を得ることは、機械的エネルギーおよび熱エネルギーの大量供給だけでなく可塑剤の存在もまた必要とし、さもなければデンプンが炭化する危険性がある。
「デンプンの可塑剤」という表現は、20〜200℃の温度での加工熱処理を通じてデンプン中に組み込んだ際に、顆粒デンプンのガラス転移温度の低下および/または結晶化度の15%未満の値への減少をもたらし、または本質的に非晶質状態さえもたらす、低分子量の、すなわち好ましくは5000未満の分子量を有する任意の有機分子を意味するものと理解される。
水はデンプンの最も自然な可塑剤であり、したがってそれが一般に用いられるが、特にグルコース、マルトース、果糖またはショ糖などの糖;エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マルチトールまたは水素化グルコースシロップなどのポリオール;尿素;乳酸ナトリウムなどの有機酸塩;およびこれらの生成物の混合物などのその他の分子もまた非常に効果的である。
デンプンを可塑化させるために供給されるエネルギー量は、有利には可塑剤の量を増大させることで低下させ得る。しかし実のところには、デンプンと比較して高レベルの可塑剤の使用は様々な技術的問題をもたらし、その中では次が挙げられる。
○製造終了時、または保存期間中の可塑化マトリックスからの可塑剤の放出。したがって所望される程度に高い可塑剤量を保持すること、ひいては十分に可撓性のフィルム形成材料を得ることが不可能である。
○含水量が低下または増大した場合、大気中水分に応じてそれぞれ硬化または軟化する可塑化デンプンの機械的特性の大きな不安定性。
○例えばキシリトールの場合など、高用量で使用される可塑剤の結晶化による組成物表面の白化または不透明化。
○例えばグリセロールの場合のように、表面の粘着性または油性性質。
○可塑剤含量が増大すると悪化する非常に不良な耐水性。水中では物理的完全性の損失が観察されるので、可塑化デンプンは製造の終わりに従来のポリマーのように水浴中に浸漬して冷却できない。この理由からその用途は非常に制限される。その使用可能性を拡大するために、それを大量の、一般に60%以上のポリエステルまたはその他の別の高価なポリマーと混合することが必要である。
○熱可塑性デンプンと組み合わせて任意に使用されるポリエステル(PLA、PBAT、PCL、PET)の早発性加水分解の可能性。
本発明は、先行技術のものと比べて改善された特性を示す新しいデンプンベースの組成物を提供することで、上述の問題の効果的な解決法を提供する。
これは本出願人らが、相当な研究後に、意外にも予期せずして、(a)規定の比率の特定のナノメートル製品、すなわち0.1〜500ナノメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子から構成される製品と、(b)非デンプン性ポリマーとの共同使用によって、有利に以下の効果の最大限を、実のところ全部を得ることが可能になることを発見したためである。
○本発明に従ったデンプンベースの組成物がナノメートル製品を欠く同一のデンプン組成物とは対照的に、真の熱可塑性挙動、実のところホットメルト挙動さえも示すように、この組成物の溶融粘度および溶融物粘度、より一般にはその流動学的特性を調節し、
○組成物内のデンプンの老化に関わる冷却時の硬化を限定し、ひいては熱可塑性(可逆的熱軟化)を保ち、
○加工または付形に必要な加熱サイクルにおけるデンプンベース組成物の褐変または分解を低下させ、
○必要であれば、多量〜非常に多量の可塑剤を限定的な、実のところ0でさえある放出をもって、組成物中に経時的に安定した様式で導入できるようにし、したがって応力下で延伸し得て、容易にフィルムを形成する高い機械的可撓性の組成物を得て、
○デンプンおよび非デンプン性ポリマー間の適合性を改善し、
○非常に良好な機械的特性(引張強度および/または破断点伸び)およびその他の特徴(水および水分に対する良好な抵抗性、高レベルの不溶性物質)を示す配合物を生じさせ、
○中和によって任意に熱可塑性デンプンと組み合わせて使用されるポリエステル(PLA、PBAT、PCL、PET)の早発性加水分解のリスクを低下させ、
○普通の可塑性ポリマーに適した技術を容易に使用し得るように、組成物の加工特性を大幅に改善し、
○特に水、水分および/または光抵抗性、液体または気体分子移行に対するバリア効果、官能的特徴(より滑らかな外観、より心地よい手触り、最適化された透明度、着色の低下、臭気の不在)、および応用特性(熱伝導、電気伝導、塗装適応性、印刷適性)の観点から、同一であるがナノメートル製品を欠く先行技術のデンプン組成物と比べて改善された機能特性を示す、デンプンベースの組成物を得られるようにする。
したがって本発明の主題は、
少なくとも1つのデンプンを含む、少なくとも50重量%および最大で99.95重量%のデンプン性組成物(a)と、
0.1〜500ナノメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子から構成されて、
− 少なくとも1つの層状粘土と少なくとも1つのカチオン性オリゴマーとをベースとする混合物から形成された製品、
− 有機、無機または混合ナノチューブ、
− 有機、無機または混合ナノ結晶およびナノ微結晶、
− 分離した、一団となったまたは凝集した有機、無機または混合ナノビーズおよびナノ球体、および
− これらのナノメートル製品の少なくとも2つの任意の混合物
から選択される、少なくとも0.05重量%および最大で50重量%のナノメートル製品(b)と、
少なくとも1つの非デンプン性ポリマー(c)
とを含む熱可塑性および/またはエラストマー組成物であり、これらの百分率は(a)および(b)の乾燥重量の合計を基準にして、乾燥重量によって表される。
「カチオン性オリゴマー」という用語は本発明の意味において、上記オリゴマーの分子量が200000ダルトンを超えないようないくつかのモノマー単位から構成される、有機性の天然または非天然起源の比較的小型のカチオン性ポリマーを意味するものと理解され、上記各モノマー単位はカチオン性または非カチオン性であり得て、オリゴマーは全体として正に帯電する。
選択されるナノメートル製品(b)は、本発明に従った組成物の加工および付形に対する挙動を改善し、その耐久性さもなければその機械的、熱的、導電性、接着および/または官能的特性もまた改善する。それは任意の化学的性質であり得て、任意に担体に沈着または固定し得る。
有利にはナノメートル製品(b)は、0.5〜200ナノメートル、好ましくは0.5〜100ナノメートル、なおもより好ましくは1〜50ナノメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子から構成される。この寸法は、特に5〜50ナノメートルである。
本発明に従った熱可塑性および/またはエラストマー組成物は、有利には
− 少なくとも1つのデンプンと任意に少なくとも1つのその可塑剤とを含む、少なくとも55重量%、好ましくは少なくとも60重量%のデンプン性組成物(a)、および
− 最大で45重量%、好ましくは最大で40重量%の上で定義されるナノメートル製品(b)
を含み、これらの百分率は上述の通りに表される。
有利な代替形態に従って、本発明の熱可塑性および/またはエラストマー組成物は、
− 少なくとも1つのデンプンと任意に少なくとも1つのその可塑剤とを含む、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%のデンプン性組成物(a)、および
− 最大で20重量%、好ましくは最大で10重量%の上で定義されるナノメートル製品(b)
を含み、これらの百分率は上述の通りに表される。
一例として本発明に従った組成物は、有利には5〜50ナノメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子から構成される、0.1〜4重量%のナノメートル製品(b)のみを含み得る。
反対に、別の代替形態に従って、そして特に本発明の組成物が、好ましくはこれもまた少なくとも1つの非デンプン性ポリマーを含む別のポリマー組成物で引き続いて希釈されることが意図されるマスターバッチを構成する場合、上記組成物は比較的高比率のすなわち5〜40重量%、好ましくは6〜35重量%のナノメートル製品(b)を含み得る。この比率は、特に8〜30重量%であり得る。
このようなマスターバッチの調製中に、ナノメートル製品は有利には5〜50ナノメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子から構成される。
別の代替形態に従って、本発明に従った組成物は、
− 少なくとも1つのデンプンと任意に少なくとも1つのその可塑剤とを含む10〜98重量%、好ましくは25〜95重量%のデンプン性組成物(a)、
− 1〜50重量%のナノメートル製品(b)、および
− 1〜70重量%、好ましくは5〜60重量%の少なくとも1つの非デンプン性ポリマー(c)
を含み、これらの百分率は本発明に従った熱可塑性またはエラストマー組成物の乾燥重量の合計を基準として乾燥重量によって表される。
一例として本発明に従った組成物は、比較的低比率の、すなわち1〜20重量%(乾燥/乾燥)、特に2〜10重量%(乾燥/乾燥)のナノメートル製品(b)を含み得る。
反対に、別の代替形態に従って、そして特に本発明に従った組成物がマスターバッチを構成する場合、上記組成物は比較的高比率、すなわち5〜45重量%(乾燥/乾燥)、特に5〜40重量%(乾燥/乾燥)のナノメートル製品(b)を含み得る。
デンプン性組成物(a)中に存在するデンプンは、好ましくは15%未満の、好ましくは5%未満の、より好ましくは1%未満の結晶化度を示す。
この結晶化度は、特に米国特許第5362777号明細書(9欄、8〜24行)に記載されるようにして、X線回析によって測定し得る。
デンプン性組成物(a)は、有利には、偏光顕微鏡法によって結晶性顆粒デンプンの存在を示唆するマルタ十字を示すデンプン粒を実質的に欠いている。
ナノ粒子ベースの製品をデンプンベースの組成物に接触させる操作については、既に記載されている。
しかしいくつかの例では、この接触操作は、
a)例えばA.Starら、Angew.Chem.Int.Ed.,2002年,41,14号,2508〜2512頁の論文に記載されるように、目的は上記ナノ粒子を液状媒体(溶液)中で精製する手段としてデンプンベースの組成物を使用することであって、一時的なものにすぎず、
b)欧州特許第1506765号明細書、仏国特許第2795081号明細書、および国際公開第2007/000193号パンフレット、またはJ.Sundaramら,Acta Biomateriala,4(2008年)932〜942頁の論文に記載されるように、熱可塑性またはエラストマー組成物でない中間体または最終混合物中で行われる。
さらに熱可塑性またはエラストマーデンプンベースの組成物を調合するためのナノ粒子ベースの製品の使用については確かに既に記載されてはいるが、これは一方ではあらゆる非デンプン性ポリマーの不在下で、また他方では本発明のものとは異なる製品タイプで、さもなければ特許請求されるのとは異なる条件下でまたは比率で行われている。
したがって
a)国際公開第01/68762号パンフレット、国際公開第2007/027114号パンフレット、および欧州特許第1626067号明細書、およびX.Maら,Composites Science and Technology,68(2008年)268〜273頁の論文は、デンプンおよびナノ充填材を合わせた組成物について記載し例証するが、この組成物は非デンプン性ポリマーを含まず、
b)国際公開第03/035044号パンフレット、国際公開第2007/027114号パンフレット、および国際公開第2008/090195号パンフレットは、デンプン性組成物を含む熱可塑性組成物中で、一般に無機質の多数のナノメートルまたは非ナノメートル充填材を不明確な比率、または非常に広い範囲内に含まれる比率で使用する可能性について非常に一般的に記載し、その例は与えていない。
デンプンなどの天然起源ポリマーから形成されたマトリックスに、その特徴を改善する目的でフィロケイ酸塩または層状ケイ酸塩タイプ、特にモンモリロナイトタイプの粘土を添加する研究を様々な著者らが行っている。
このようなものとして、フィロケイ酸塩の剥離条件を改善するための特にカチオン性のいかなる特定の剥離剤も想定していない欧州特許第1229075号明細書に言及できる。この文献では、フィロケイ酸塩を水で「活性化する」ことのみが想定されており、これは比較的低温(最大で150℃に等しく、実のところには75〜105℃)で行われる押出し操作中に実施される。
天然ポリマー、可塑剤、および粘土を含み、層状構造と100gあたり30〜250ミリ当量のイオン交換能力とを示す生分解性熱可塑性物質を特許請求する、Nederlandse Org Toegeplast Natuurwetensch (TNO)によって出願された上述の国際公開第01/68762号パンフレットにも言及できる。天然ポリマーは、デンプンなどの炭水化物であり得る。この特許出願は、粘土を天然ポリマーに適合させるために、この粘土を例えばカチオン性デンプンなどのオニオム(アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム)イオンを発生させるポリマー性「変性剤」の存在下、高度に希釈された水媒体中において60℃で24時間前処理する利点について言及する。
本出願人らが実施した試験は、特にこの文献の実施例3で記載される可塑化デンプンから調製した場合、このような組成物が満足できる耐水性または満足できる機械的または官能的特性を示さないことを示した。本出願人らによる分析後、この欠陥は、この特許出願で推奨される条件下における粘土の不良なまたは非常に不完全な剥離に関係しているようであった。いかなる理論による拘束も望まないが、本出願人らは、この不良剥離が主にこの特許出願で採用されたカチオン性デンプンの高すぎる分子量に起因すると考える。この明細書で使用されるような慣例的に1から数百ダルトンの分子量を示すカチオン性デンプンは、粘土の剥離剤でなくむしろ相溶化剤であることが判明した。
最後にこの文献は、一方では粘土タイプの無機ナノ層またはその他の層状無機材料、他方では特にカチオン性オリゴ糖類および/またはタンパク質などのカチオン性オリゴマーの組み合わせを使用することの利点を教示しない。
本出願人らは、このようなカチオン性オリゴマーが高度に効率的な剥離剤であることを発見した。
論文「Biopolymer nanocomposites containing native wheat starch and nanoclays」Chiou B.S.ら,ACS National Meeting Book of Abstract 228/1 IEC−41,2004年などのその他の文献は、天然および非可塑化小麦デンプンベースの熱可塑性複合材の製造における、ナトリウム質粘土または界面活性剤処理粘土の研究に関わる。機械的特性および水吸収に対する特定の有益な効果は、天然ナトリウム質粘土、すなわち任意の有機または無機またはポリマー性または非ポリマー性物質で処理されていない粘土を使用した場合についてのみ記録される。
本出願人らの知る限りでは、粘土またはその他の層状無機物は別として、デンプンおよび非デンプン性ポリマーベースの熱可塑性またはエラストマー組成物の加工特性、機能特性または貯蔵安定性を改善するために、ナノ充填材が先験的に使用されたことはない。
デンプン性組成物(a)の調製で使用されるデンプンは、好ましくは顆粒デンプン、水溶性デンプン、および有機変性デンプンから選択される。
本発明の意味の範囲内で、「顆粒デンプン」という表現は天然デンプンを意味し、または高等植物の貯蔵組織および器管中、特に穀物用植物種子、マメ科植物種子、ジャガイモまたはキャッサバ塊茎、根、球根、茎および果実中に、天然に存在するデンプン粒中で示されるのと同様の半晶質構造を保つ、物理的、化学的または酵素的に変性されたデンプンを意味すると理解される。この半晶質の状態は、本質的にデンプンの2つの主要構成物の1つであるアミロペクチンの巨大分子のためである。天然状態では、デンプン粒は15〜45%で変動する結晶化度を示し、それは本質的にデンプンの植物起源、およびそれが受けた任意の処理に左右される。偏光の下に置かれた顆粒デンプンは、顕微鏡観察において結晶性顆粒状態に典型的な「マルタ十字」と称される特徴的な黒い十字を示す。顆粒デンプンのより詳細な説明については、「Initiation a la chimie et a la physico−chimie macromoleculaires」[巨大分子化学および物理化学入門]のS.Perezによる「Structure et morphologie du grain d’amidon」[デンプン粒子の構造および形態学]と題された第II章,初版2000年,第13巻,41〜86頁,Groupe Francais d’Etudes et d’Applications des Polymeres[ポリマー研究および応用のフランスグループ]を参照されたい。
第1の代替形態に従って、デンプン性組成物(a)の調製のために選択されるデンプンは顆粒デンプンである。上記顆粒デンプンの結晶化度は、加工熱処理および/または適切な可塑剤との密接混合によって15%よりも低くさせ得る。上記顆粒デンプンは任意の植物起源であり得る。それは小麦、トウモロコシ、大麦、ライ小麦、ソルガムまたは米などの穀物の、ジャガイモまたはキャッサバなどの塊茎の、またはエンドウマメおよびダイズなどのマメ科植物の天然デンプン、これらの植物に由来するアミロースに富んだまたは反対にアミロペクチンに富んだ(もち性)デンプン、および上述のデンプンの任意の混合物であり得る。顆粒デンプンはまた、任意の物理、化学および/または酵素的手段によって変性された顆粒デンプンであり得る。それは任意の流動化または酸化顆粒デンプン、または白色デキストリンであり得る。それはまた、エステル化および/またはエーテル化デンプン、特にグラフト、アセチル化、ヒドロキシプロピル化、イオン化、カチオン化、架橋、リン酸化、スクシニル化、および/またはシリル化によって変性されたデンプンなどの物理化学的に変性されているが、出発天然デンプンの構造を保つことができる顆粒デンプンであり得る。最後に、それは上述の処理の組み合わせによって変性されたデンプン、またはこのような顆粒デンプンの任意の混合物であり得る。
好ましい実施態様では、この顆粒デンプンは、流動化デンプン、酸化デンプン、化学変性を受けたデンプン、白色デキストリン、およびこれらの製品の任意の混合物から選択される。
顆粒デンプンは、好ましくは小麦またはエンドウマメ顆粒デンプンまたは小麦またはエンドウマメの顆粒誘導体である。
使用される顆粒デンプンは、一般に20℃で脱塩水中において5重量%未満の可溶性物質レベルを示す。それは冷水中で実質的に不溶性であり得る。
第2の代替形態に従って、デンプン性組成物(a)の調製のために選択されるデンプンは、これもまたアミロースに富んだ、または反対にアミロペクチンに富んだ(もち性)水溶性デンプンをはじめとする任意の植物起源に由来し得る水溶性デンプンである。この可溶性デンプンは、顆粒デンプンの部分的または完全な代替え物として導入し得る。
本発明の意味では「水溶性デンプン」という表現は、20℃で24時間の機械的撹拌により脱塩水に少なくとも5重量%に等しい可溶性の画分を示す、任意のデンプン由来多糖材料を意味するものと理解される。この可溶性画分は好ましくは20重量%を超え、特に50重量%を超える。もちろん可溶性デンプンは、脱塩水に完全に可溶性であってもよい(可溶性画分=100%)。
水溶性デンプンは固形形態、好ましくは本質的に無水固形形態で使用され、すなわち水性または有機溶媒に溶解しておらずまた分散していない。したがって続く説明全体を通じて、用語「水溶性」と用語「溶解された」とを混同しないことが重要である。
このような水溶性デンプンは、ドラム上の予備ゼラチン化、押し出し機上の予備ゼラチン化、デンプン性懸濁液または溶液の噴霧乾燥、非溶剤による沈殿、熱水調理、化学官能基化、またはその他の技術によって得られる。それは特に予備ゼラチン化デンプン、押し出しまたは噴霧デンプン、高度転換デキストリン(黄色デキストリンとしてもまた知られている)、マルトデキストリン、高度官能基化デンプン、またはこれらの製品の混合物であってもよい。
予備ゼラチン化デンプンは、天然デンプンまたは変性デンプンの熱水ゼラチン化処理によって、特に蒸煮、ジェットクッカー調理、ドラム上の調理、混練機−押し出し機システム内での調理によって得てもよく、次に例えばオーブン内で、流動床上の熱風によって、回転ドラム上で、噴霧乾燥によって、押出しによって、または凍結乾燥法によって乾燥させる。このようなデンプンは、通常20℃において脱塩水中で5%を超え、より一般的には10〜100%の溶解度を示し、15%未満、一般には5%未満、および最も頻繁には1%未満、実のところには0でさえあるデンプン結晶化度を示す。一例として本出願人らにより製造されPregeflo(登録商標)の下に販売される製品に言及できる。
高度に転化されたデキストリンは、比較的無水の酸性媒質中でのデキストリン化によって、天然または変性デンプンから調製し得る。それらは特に、可溶性白色デキストリンまたは黄色デキストリンであり得る。一例として、本出願人らにより製造され販売される製品Stabilys(登録商標)A 053またはTackidex(登録商標)C 072に言及できる。このようなデキストリンは、20℃において脱塩水中で通常10〜95%の溶解度を示し、15%未満および一般に5%未満のデンプン結晶化度を示す。
マルトデキストリンは、水性媒体中におけるデンプンの酸加水分解、酸化加水分解、または酵素的加水分解によって得られる。それらは特に0.5〜40、好ましくは0.5〜20、なおもより好ましくは0.5〜12のデキストロース当量(DE)を示し得る。このようなマルトデキストリンは、例えば本出願人らにより商品名Glucidex(登録商標)の下に製造販売され、20℃において脱塩水中で一般に90%を超え、または100%に近くさえある溶解度を示し、一般に5%未満で通常実質的に0であるデンプン結晶化度を示す。
官能基化デンプンは、天然または変性デンプンから得られる。高官能基化は、例えばそれに水溶解性を与えるのに十分に高いレベルのエステル化またはエーテル化によって達成し得る。このような官能基化デンプンは、5%を超え、好ましくは10%を超え、なおもより好ましくは50%を超える、上で定義される可溶性画分を示す。
高官能基化は、特に無水酢酸または無水混合物による水相中でのアセチル化;粘着相中でのヒドロキシプロピル化;乾燥相または粘着相中でのカチオン化;またはリン酸化またはスクシニル化による乾燥相または粘着相中でのアニオン化によって得られる。これらの水溶性高度官能基化デンプンは、0.01〜3、なおもより好ましくは0.05〜1の置換度を示し得る。好ましくは、デンプンを変性するための反応物質は、再生可能起源に由来する。
別の有利な代替形態に従って、水溶性デンプンは小麦またはエンドウマメ水溶性デンプン、または小麦またはエンドウマメデンプンの水溶性誘導体である。
それは有利には、一般に10重量%未満、好ましくは5重量%未満、特に2重量%未満、理想的には0.5重量%未満、実のところ0.2重量%未満でさえある低い含水量を示す。
第3の代替形態に従って、デンプン性組成物(a)の調製のために選択されるデンプンは、これもまたアミロースに富んだ、または反対にアミロペクチンに富んだ(もち性)有機変性デンプン、好ましくは有機可溶性デンプンをはじめとする任意の植物起源に由来し得る、有機変性デンプン、好ましくは有機可溶性デンプンである。この有機可溶性デンプンは、顆粒デンプンまたは水溶性デンプンの部分的または完全な代替え物として導入し得る。
「有機変性デンプン」という用語は、本発明の意味において、上述の定義に従った顆粒デンプンまたは水溶性デンプン以外の任意のデンプン由来多糖類物質を意味するものと理解される。好ましくはこの有機変性デンプンは実質的に非晶質であり、すなわち5%未満、一般に1%未満のデンプン結晶化度、特に0のデンプン結晶化度を示す。これはまた好ましくは「有機可溶性」であり、すなわち20℃において、エタノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン、グルタル酸ジメチル、クエン酸トリエチル、二塩基エステル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルイソソルビド、グリセロールトリアセテート、イソソルビドジアセテート、イソソルビドジオレエート、および植物油のメチルエステルから選択される溶剤中で少なくとも5重量%に等しい可溶性画分を示す。この可溶性画分は好ましくは20重量%を超え、特に50重量%を超える。もちろん有機可溶性デンプンは、上で示す溶剤の1つ以上に完全に可溶性であり得る(可溶性画分=100%)。
有機変性デンプンは、本発明に従って固形形態で、好ましくは本質的に無水形態で使用し得る。好ましくはその含水量は、10重量%未満、好ましくは5重量%未満、特に2重量%未満、理想的には0.5重量%未満、実のところは0.2重量%未満でさえある。
本発明に従った組成物中で使用し得る有機変性デンプンは、上述のものなどの天然または変性デンプンの高い官能基化によって調製し得る。この高い官能基化は、例えばそれを本質的に非晶質にして、それに水への不溶性、好ましくは上の有機溶剤の1つへの溶解性を与える、十分に高いレベルへのエステル化またはエーテル化によって実施しし得る。このような官能基化デンプンは、上で定義される5%を超え、好ましくは10%を超え、なおもより好ましくは50%を超える可溶性画分を示す。
高い官能基化は、特に溶剤相中における無水酢酸によるアセチル化、例えば溶剤相中におけるグラフトによって;または酸無水物の、混合無水物の、脂肪酸塩化物の、カプロラクトンのオリゴマーの、またはラクチドのオリゴマーの反応性押出しによって;粘着相中におけるヒドロキシプロピル化および架橋;乾燥相または粘着相中におけるカチオン化および架橋;乾燥相または粘着相中におけるリン酸化によるアニオン化、またはスクシニル化および架橋;シリル化;ブタジエンとのテロメル化によって得られる。これらの有機変性された、好ましくは有機可溶性である高度官能基化デンプンは、特にデンプンの、デキストリンの、またはマルトデキストリンの酢酸エステルであり得て、または炭素4〜22個の脂肪鎖があるこれらのデンプン性物質(デンプン、デキストリン、マルトデキストリン)の脂肪酸エステルであり得て、これらの組み合わせ製品は、好ましくは0.5〜3.0、好ましくは0.8〜2.8、特に1.0〜2.7の置換度(DS)を示す。
それらは例えばデンプンの、デキストリンの、またはマルトデキストリンのヘキサン酸エステル、オクタン酸エステル、デカン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、オレイン酸エステル、およびステアリン酸エステルであり得て、特に0.8〜2.8のDSを示す。
別の有利な代替形態に従って、有機変性デンプンは小麦またはエンドウマメ有機変性デンプン、または小麦またはエンドウマメデンプンの有機変性誘導体である。
デンプンの可塑剤は、好ましくはグリセロール、ポリグリセロール、イソソルビド、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール、および水素化グルコースシロップなどのジオールとトリオールとポリオール;乳酸ナトリウムなどの有機酸の塩;尿素;およびこれらの製品の混合物とから選択される。可塑剤は、有利には5000未満、好ましくは1000未満、特に400未満のモル質量を示す。有機可塑剤は、好ましくは18を超えて最大で380に等しい分子量を有し、換言すればそれは好ましくは水を包含しない。
特にデンプンが有機変性されている場合、デンプンの可塑剤は好ましくは、酪酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸またはグルタル酸などの有機酸のメチル、エチルまたは脂肪酸エステル;またはエタノール、ジエチレングリコール、グリセロールまたはソルビトールなどのモノアルコール、ジオール、トリオールまたはポリオールの酢酸エステルまたは脂肪酸エステルから選択される。一例としては、グリセロールジアセテート(ジアセチン)、グリセロールトリアセテート(トリアセチン)、イソソルビドジアセテート、ジオクタン酸イソソルビド、ジオレイン酸イソソルビド、イソソルビドジラウレート、ジカルボン酸のエステルまたは二塩基エステル(DBE)、およびこれらの製品の混合物が挙げられる。
好ましくは水以外の可塑剤が、一般にデンプン100乾燥重量部あたり1〜150乾燥重量部の比率、好ましくは10〜120乾燥重量部の比率、特に25〜120乾燥重量部の比率で、デンプン性組成物(a)中に存在する。
本出願人らは、本発明により経時的に安定したやり方で、限定的な、実のところ皆無でさえある遊離をもって多量の可塑剤が導入でき、ひいては高い機械的可撓性がある可塑化デンプン性組成物が得られるようになり、それは応力下で延伸し得て容易にフィルム形成することを発見したが、これらの効果は有利には、非デンプン性ポリマーをさらに含む最終組成物の特性に波及効果を及ぼす。
したがって、有利な代替形態によると、好ましくは水以外の可塑剤が、デンプン100乾燥重量部あたり25〜110乾燥重量部の比率、好ましくは30〜100乾燥重量部の比率、特に30〜90乾燥重量部の比率で、デンプン性組成物(a)中に存在する。
本発明の追加的主題は、
非常に特定的比率のデンプン、デンプン可塑剤、ナノメートル製品、および非デンプン性ポリマーを含む熱可塑性またはエラストマー組成物であり、上記組成物は、
− 25〜85重量%の少なくとも1つのデンプン、
− 8〜40重量%の好ましくは水以外の少なくとも1つのデンプン可塑剤、
− 2〜40重量%のナノメートル製品(b)、および
− 5〜60重量%の少なくとも1つの非デンプン性ポリマー(c)
を含むことで特徴付けられ、これらの百分率は本発明に従った熱可塑性またはエラストマー組成物の乾燥重量の合計を基準にして、乾燥重量によって表される。
様々な成分の性質および比率に関する上述の全ての好ましい範囲および代替形態が、これらの組成物にも当てはまる。
以下の有利な代替形態を特に列挙し得る。
− デンプンが5%未満、好ましくは1%未満の結晶化度を示し、
− ナノメートル製品(b)が5〜50ナノメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子から構成され、
− 非デンプン性ポリマー(c)が、好ましくはポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)から選択される非生分解性ポリマーであって、それは好ましくは官能基化熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリアミド、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロック共重合体(SEBS)、および非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)であり、および/または
− 非デンプン性ポリマー(c)が、上記ポリマー中に存在する炭素の合計を基準にして、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、特に80%を超えるASTM D6852規格および/またはASTM D6866規格の意味において再生可能起源の炭素を含むポリマーである。
本発明の熱可塑性および/またはエラストマー組成物は、好ましくはイソシアネート、カルバモイルカプロラクタム、アルデヒド、エポキシド、ハロゲン、プロトン酸、酸無水物、ハロゲン化アシル、酸塩化物、トリメタリン酸またはアルコキシシラン官能基、およびこれらの組み合わせから選択される、少なくとも2つの同一であるかまたは異なる、遊離またはマスクされた官能基を保有する化合物から選択される、少なくとも1つのカップリング剤を含む。
熱可塑性および/またはエラストマー組成物は、上記組成物中に存在する炭素の合計を基準にして、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、特に80%を超えるASTM D6852規格および/またはASTM D6866規格の意味において再生可能起源の炭素を含むポリマーである。
熱可塑性および/またはエラストマー組成物は、EN 13432、ASTM D6400、およびASTM D6868規格の意味において非生分解性またはコンポスト不能である。
熱可塑性またはエラストマー組成物は、少なくとも98%に等しい不溶性物質のレベル、少なくとも95%に等しい破断点伸び、および8MPaを超える最大引張強度を同時に示す。
上で定義されるナノメートル製品(b)は、例えば使用時に調製されるまたは調製されない混合物などの混合製品であり得て、または少なくとも1つの層状粘土と少なくとも1つのカチオン性オリゴマーとを合わせた任意のその他の組み合わせであり得る。それは天然または合成粘土であり得る。
「層状粘土」という用語は、本発明の意味において特に、一般に0.1〜50ナノメートル、特に0.5〜10ナノメートルであるナノメートル厚の薄層形態にあるこれらの層間電荷の中和によって分離(剥離)し得る、ナノ層からできた任意の無機構造を含むものと理解され、これらの薄層の幅および長さは数μmに達し得る。スメクタイト粘土またはケイ酸カルシウムおよび/またはケイ酸ナトリウム、フィロケイ酸カルシウムおよび/またはフィロケイ酸ナトリウムとも称される、ナノ層からできたこれらの粘土は、特にモンモリロナイト、ベントナイト、サポナイト、ヒドロタルサイト、ヘクトライト、フルオロヘクトライト、アタパルガイト、バイデル石、ノントロナイト、蛭石、ハロイサイト、スチブンサイト、マナセアイト、パイロオーロ石、ショグレナイト、スティヒタイト、バーバトナイト、タコナイト(tacovite)、デソールテルサイト、モツコレアイト(motucoreaite)、ホネサイト、マウントケイサイト、ウェルムランダイト、およびグリマーの名称で知られている。それらのBET比表面積は、通常50m/gを超えて300m/gに達し得る。このような層状粘土は、例えばRockwoodからNanosilおよびCloisiteの商品名の下に既に一般に市販されている。SasolからのPural製品などのヒドロタルサイトにも言及できる。
カチオン性オリゴマーは、好ましくは生物学的起源である。それは特にカチオン性オリゴ糖類またはタンパク質であり得る。小角X線回析は、これらのカチオン性オリゴマーが層状粘土の意外に優れた剥離剤であり、加工熱処理中に層状粘土の実質的に完全な剥離を直接得られるようにして、ひいては得られる熱可塑性および/またはエラストマー組成物の特性を大幅に改善することを示した。
カチオン性オリゴマーがタンパク質である場合、それは好ましくは水溶性であり、好ましくは植物または動物組織から抽出される。それは特にゼラチン、カゼイン、小麦タンパク質(グルテン)、トウモロコシタンパク質(ゼイン)、ダイズタンパク質、エンドウマメタンパク質、ルピンタンパク質、ナタネ油糟またはタンパク質、ヒマワリ油糟またはタンパク質、またはジャガイモタンパク質と関連し得る。好ましくはこのタンパク質は、天然状態と比較して、オリゴペプチドになる所までその分子量を低下させるように、機械的、化学的または酵素的処理によって流動化/加水分解される。使用し得るタンパク質として、特に本出願人らによりNutralys(登録商標)、Lysamine(登録商標)、およびTubermine(登録商標)の商品名の下に販売される、加水分解小麦グルテン、可溶性エンドウマメタンパク質、およびジャガイモタンパク質にもまた言及できる。
剥離剤として使用し得るカチオン性オリゴ糖類もまた、好ましくは水溶性であり、任意の起源に由来し得る。好ましくはそれらは、植物、藻類、動物、昆虫または微生物の組織に由来する。それらは特にカチオン化と、セルロース、デンプン、グアーガム、マンナン、ガラクトマンナン、アルギン酸塩またはキサンタンの酸加水分解、酵素的加水分解または機械的加水分解処理との組み合わせによってカチオン性にされたオリゴ糖類であり得る。それらはまた、例えばキチンまたはキトサンなどの天然カチオン性ポリマーから得られるオリゴ糖類であり得る。
これらのカチオン性オリゴ糖類は、好ましくは100〜200000ダルトン、より好ましくは180〜50000ダルトン、なおもより好ましくは180〜20000ダルトンの分子量を示す。例えば有利に使用し得る製品として、本出願人らによりVector(登録商標)SC 20157の名称の下に販売されるカチオン性オリゴ糖類の液体混合物に言及できる。
好ましくはナノメートル混合製品は、これらの2つの構成物の総重量を基準にして5〜85%、好ましくは15〜75%のカチオン性オリゴ糖類および/またはタンパク質を含む。それは液体、微粉または顆粒形態で提供し得る。
カチオン性オリゴマーは、さらに例えば四級アンモニウムおよびアミン基、特に四級アンモニウム基などの正電荷保有基でグラフトされ、またはそれによって変性された、ポリオレフィン、特にポリプロピレンまたはポリエチレンであり得る。
本発明の追加的主題は、本発明に従った熱可塑性および/またはエラストマー組成物を調製する目的のための層状粘土の剥離剤としての上で定義される、カチオン性オリゴマーの使用である。
本発明に従って使用し得るナノメートル製品(b)はまた、有機、無機または混合ナノチューブから構成され得て、すなわち直径ほぼ数十分の1ナノメートルから数十ナノメートル程度の管状構造物から構成され得る。例えばArkemaからのGraphistrengthおよびNanostrengthの商標、およびNanocylからの商品名Nanocyl、Plasticyl、Epocyl、Aquacyl、およびThermocylの炭素ナノチューブなどのように、これらの製品のいくつかは既に市販されている。
このようなナノチューブはまた、木材セルロースから出発した分離および精製によって得られる、木材セルロースの天然繊維から構成される、直径およそ30ナノメートルで長さ数ミクロメートルのセルロースナノフィブリルであり得る。それらははまた、海泡石などの管状またはフィブリル構造を有する粘土であり得る。
本発明に従って使用し得るナノメートル製品(b)はまた、ナノ結晶またはナノ微結晶ベースの組成物であり得る。これらの構造物は有機物、無機物または混合物であり得る。それらは任意に原位置における非常に希釈された溶剤媒質中の材料の結晶化によって得られ、上記溶剤は本発明に従った組成物の構成物であり得る。還元剤または抗菌剤として有用な鉄または銀ナノ粒子などのナノメタル、およびひっかき傷抵抗性改善剤として知られているナノ結晶酸化物に言及できる。例えば水溶液からの結晶化によって得られる合成ナノメートル滑石にもまた言及できる。このようなものとしてVh(ステアリン酸)、Vブタノール、Vグリセロール、VイソプロパノールまたはVナフトールタイプ構造の、幅または長さが1〜10μmで厚さがおよそ10ナノメートルのアミロース/脂質複合体にもまた言及できる。それはまた、シクロデキストリンとの包接錯体にも関連し得る。最後にそれは、非デンプン性ポリマーの、特にポリオレフィンの成核剤、または例えばジベンジリデンソルビトール(DBS)、およびそのアルキル化誘導体などのソルビトール誘導体などのナノメートル粒子形態で結晶化できる薬剤に関連し得る。
使用し得るナノメートル製品(b)は、ナノビーズまたはナノ球体タイプの個々の粒子として、すなわち分離した、一団となったまたは凝集した半径1〜500ナノメートルの擬球形態で提供し得る。それは特に有機、無機または混合構造物に関連し得る。
特に一般にエラストマーおよびゴムのための充填材として使用される、カーボンブラックに言及できる。これらのカーボンブラックは、そのサイズがおよそ8ナノメートル(ファーネスブラック)からおよそ300ナノメートル(サーマルブラック)であり得て、一般に1グラムあたり5〜160mのSTSA比表面積で、100グラムあたり40〜180ccの油吸収能を示す一次粒子を含む。このようなカーボンブラックは、特にCabot、Evonik、Sid Richardson、Columbian、およびContinental Carbonにより販売される。
「グリーン」タイヤ中の粉末または充填材のための流れ剤として使用されるものなどの親水性または疎水性の沈降またはヒュームド(発熱性)シリカにもまた言及できる。このようなシリカは一般に5〜25ナノメートルの粒度を示して、特に粉末形態で、または水中、エチレングリコール中、またはアクリレート樹脂またはエポキシタイプ樹脂中の分散体形態で、Grace、Rhodia、Evonik、PPG、およびNanoresins AGにより販売される。
Kautar Oyの国際公開第98/16471号パンフレットに記載されるものなどのナノ沈殿炭酸カルシウム、または例えば燃焼(EvonikからAeroxideまたはAerodispの名称の下に販売される製品)により、または酸攻撃(SasolからDisperalまたはDispalの名称の下に販売される製品)によりナノメートル大にされた金属酸化物(二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化銀、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム)にもまた言及できる。
ナノメートルビーズの形態で沈殿または凝集したタンパク質にもまた言及できる。最後にEcosynthetixによってEcosphereの名称の下に販売されるサイズ50〜150ナノメートルの架橋デンプンナノ粒子などのナノ球状形態にされたデンプン、またはVTTからの酢酸デンプンナノ粒子Cohpol C6N100、または例えばTopchimからのポリスチレンマレイミドなどのナノメートル状態で直接合成されるナノビーズなどの多糖類に言及できる。
最後に使用し得るナノメートル製品(b)は、上に列挙したナノメートル製品の混合物の形態で提供し得る。このようなナノメートル製品は、滑石、ゼオライトまたは非晶質シリカなどの担体上に載っていても、ポリマーマトリックス内に導入されていても、または水または有機溶剤に懸濁されていてもよい。
このように本出願人らは、上で強調したように、層状粘土の実質的に完全な剥離を得る目的のために選択されたカチオン性オリゴマーが、有利にはナノ充填材全般、特にナノビーズ、ナノ結晶またはナノチューブタイプのナノ充填材のための優れた分散剤を構成し得ることを発見した。
本発明に従った熱可塑性またはエラストマー組成物は、デンプン以外の少なくとも1つのポリマーをさらに含む。
非デンプン性ポリマーは、任意の化学的性質であり得る。それは有利には活性水素を有する官能基、および/または特に加水分解によってこのような活性水素を有する官能基を与える官能基を含む。
それは天然起源のポリマー、さもなければ化石起源のモノマーから、および/または再生可能天然資源由来のモノマーから得られる合成ポリマーであり得る。
天然起源のポリマーは、特に植物または動物組織からの抽出によって直接得られる。それらは好ましくは変性または官能基化されて、特にタンパク質、セルロースまたはリグノセルロース質、キトサン、および天然ゴムのポリマーから選択される。それらははまた、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)などの微生物細胞からの抽出によって得られるポリマーであり得る。
このような天然起源ポリマーは、変性または未変性穀物粉またはタンパク質;未変性セルロース、または特にカルボキシメチル化、エトキシ化、ヒドロキシプロピル化、カチオン化、アセチル化またはアルキル化によって変性されている変性セルロース;ヘミセルロース、リグニン;変性または未変性グアーガム;キチンおよびキトサン;天然ゴム、ロジン、シェラック、およびテルペン樹脂などの天然ガムおよび樹脂;アルギン酸塩およびカラゲナンなどの藻類から抽出された多糖類;キサンタンまたはPHAなどの細菌起源多糖類;または亜麻、麻、竹、サイザル、ススキ、その他の繊維などのリグノセルロース繊維から選択され得る。
非デンプン性ポリマーは、好ましくは活性水素を有する官能基を保有しおよび/または官能基化され、合成品であり得て、特に以下のタイプ合成ポリマーから選択される得る。ポリエステル、ポリアクリル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリオレフィン(特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、およびそれらの共重合体)、官能基化ポリオレフィン、スチレン、官能基化スチレン、ビニル、官能基化ビニル、官能基化フッ素化、官能基化ポリスルホン、官能基化ポリフェニルエーテル、官能基化ポリフェニレンスルフィド、官能基化シリコーン、官能基化ポリエーテル、および上述のポリマーの任意の配合物。
一例として、PLA、PHA、PBS、PBSA、PBAT、PET、ポリアミド6、6,6、6,10、6,12、11、および12などのポリアミド、コポリアミド、ポリアクリレート、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸ビニル)、エチレン/酢酸ビニル(EVA)共重合体、エチレン/メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン/ビニルアルコール(EVOH)共重合体、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル/スチレン/アクリレート(ASA)共重合体、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、例えばシラン、アクリルまたは無水マレイン酸単位により官能基化された官能基化ポリエチレンまたはポリプロピレン、および例えば無水マレイン酸単位によって官能基化された官能基化スチレン/ブチレン/−スチレン(SBS)およびスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)共重合体、およびこれらのポリマーの任意の配合物に言及できる。
好ましくは非デンプン性ポリマーは、生物起源モノマー、すなわち植物、微生物またはガスなどの短期間で再生可能な天然の資源由来モノマーから、特に糖やグリセロールや油、またはモノ−、ジ−または多官能価アルコールまたは酸などのそれらの誘導体から、合成されるポリマーである。それは特にバイオエタノール、バイオエチレングリコール、バイオプロパンジオール、生物起源1,3−プロパンジオール、バイオブタンジオール、乳酸、生物起源コハク酸、グリセロール、イソソルビド、ソルビトール、スクロース、植物または動物油由来ジオール、およびマツ材から抽出された樹脂酸、またそれらの誘導体、などの生物起源モノマーから合成し得て、上記生物起源モノマーは、有利には上記モノマー中に存在する炭素の合計を基準にして少なくとも15%、好ましくは少なくとも30%、特に少なくとも50%、なおもより好ましくは少なくとも70%、実のところ80%以上でさえある、ASTMD6852規格および/またはASTM D6866規格の意味において再生可能起源の炭素を含むものと理解される。
非デンプン性ポリマーは、バイオエタノール由来ポリエチレン、バイオエタノール由来PVC、バイオプロパンジオール由来ポリプロピレン、生物起源乳酸または生物起源コハク酸をベースとするPLAまたはPBSタイプのポリエステル、生物起源ブタンジオールまたは生物起源コハク酸をベースとするPBATタイプのポリエステル、生物起源1,3−プロパンジオールベースのSorona(登録商標)タイプのポリエステル、イソソルビドを含むポリカーボネート、バイオエチレングリコールベースのポリエチレングリコール、ヒマシ油または植物ポリオールをベースとするポリアミド、および例えばグリセロール、イソソルビド、ソルビトールまたはスクロースなどの植物ジオールまたは植物ポリオールをベースとする、および/または任意にヒドロキシアルキル化されている脂肪酸をベースとするポリウレタンであり得る。
好ましくは非デンプン性ポリマーは、シラン単位、アクリル単位または無水マレイン酸単位によって官能基化されているまたは官能基化されていないエチレン/酢酸ビニル(EVA)共重合体、ポリエチレン(PE)、およびポリプロピレン(PP);熱可塑性ポリウレタン(TPU)、PBS、PBSA、およびPBAT;好ましくは特に無水マレイン酸単位によって官能基化されているスチレン/ブチレン/スチレン(SBS)共重合体;非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG);生物起源モノマーから得られる合成ポリマー;植物から、動物組織から、および微生物から抽出されて任意に官能基化されたポリマー;およびこれらの配合物から選択される。
有利には非デンプン性ポリマーは8500〜10000000ダルトン、特に15000〜1000000ダルトンの重量平均分子量を示す。
さらに非デンプン性ポリマーは、好ましくはASTM D6852規格の意味において再生可能起源炭素から構成され、有利にはEN 13432、ASTM D6400、およびASTM D6868規格の意味において非生分解性またはコンポスト不能である。
好ましい代替形態に従って、非デンプン性ポリマー(c)は、有利には上記ポリマー中に存在する炭素の合計を基準にして少なくとも15%、好ましくは少なくとも30%、特に少なくとも50%、なおもより好ましくは少なくとも70%、実のところ80%以上でさえある、ASTM D6852規格および/またはASTM D6866規格の意味において再生可能起源の炭素を含むポリマーである。
別の好ましい代替形態に従って、非デンプン性ポリマーは非生分解性ポリマーである。
上述のポリマーのカテゴリーおよび性質中で、非生分解性非デンプン性ポリマーは特に、シラン、アクリルまたは無水マレイン酸単位によって官能基化されたエチレン/酢酸ビニル(EVA)共重合体、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP);無水マレイン酸単位によって官能基化された熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ブロック共重合体;生物起源モノマーから得られる合成ポリマー;および天然資源(植物、動物組織、および微生物の分泌物または抽出物)から抽出されて変性または官能基化されたポリマー;およびそれらの配合物から選択し得る。
本発明で使用し得る非生分解性非デンプン性ポリマーの特に好ましい例として、好ましくは官能基化されたポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP);熱可塑性ポリウレタン(TPU);ポリアミド;スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン(SEBS)トリブロック共重合体;および非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)に言及できる。
デンプン性組成物(a)、ナノメートル製品(b)、および非デンプン性ポリマー(c)を合わせると、100重量%(乾燥/乾燥)の本発明に従った熱可塑性またはエラストマー組成物に相当する。
しかし以下で詳細に記載されるものをはじめとする任意の性質の充填材およびその他の添加剤が、本発明の熱可塑性またはエラストマー組成物に組み込み得る。これらの追加的成分の比率はかなり高くあり得るが、好ましくは可塑化されたデンプン性組成物(a)、ナノメートル製品(b)、および好ましくは非生分解性である非デンプン性ポリマー(c)を合わせると、本発明の熱可塑性またはエラストマー組成物の好ましくは少なくとも30重量%(乾燥/乾燥)、特に少なくとも40重量%(乾燥/乾燥)、および理想的には少なくとも50重量%(乾燥/乾燥)に相当する。
添加剤の内でも、特に少なくとも1つのカップリング剤が上記組成物に添加可能である。
「カップリング剤」という用語は、本発明において、デンプンまたはデンプンの可塑剤などの活性水素を有する官能基を保有する分子と反応できる、少なくとも2つの遊離またはマスクされた官能基を保有する任意の有機分子を意味するものと理解される。このカップリング剤は、可塑剤の少なくとも一部がデンプンおよび/または任意に添加された非デンプン性ポリマーに共有結合を通じて付着できるようにするために、組成物に添加し得る。
次にこのカップリング剤は、例えばイソシアネート、カルバモイルカプロラクタム、アルデヒド、エポキシド、ハロゲン、プロトン酸、酸無水物、ハロゲン化アシル、酸塩化物、トリメタリン酸またはアルコキシシラン官能基、およびこれらの組み合わせから選択される、少なくとも2つの同一であるかまたは異なる遊離またはマスクされた官能基を保有する化合物から選択し得る。
それは有利には、以下の化合物から選択され得る。
− ジイソシアネートおよびポリイソシアネート、好ましくは4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)およびリジンジイソシアネート(LDI)、
− ジカルバモイルカプロラクタム、好ましくは1,1’−カルボニルビスカプロラクタム、
− グリオキサール、ジアルデヒドデンプン、およびTEMPO酸化デンプン、
− ジエポキシド、
− ハロヒドリン、すなわちエポキシド官能基およびハロゲン官能基を含む化合物、好ましくはエピクロロヒドリン、
− 有機二酸、好ましくはコハク酸、アジピン酸、グルタル酸、シュウ酸、マロン酸またはマレイン酸、および対応する無水物、
− 酸塩化物、好ましくはオキシ塩化リン、
− トリメタリン酸、好ましくはナトリウムトリメタリン酸、
− アルコキシシラン、好ましくはテトラエトキシシラン、および
− これらの化合物の任意の混合物。
好ましい本発明の実施態様では、カップリング剤はジイソシアネート、特にメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)または4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)である。
乾燥重量で表されるデンプン性組成物(a)とナノメートル製品(b)の合計に対する、乾燥重量で表されるカップリング剤の量は、有利には0.1〜15重量%、好ましくは0.1〜12重量%、なおもより好ましくは0.2〜9重量%、特に0.5〜5重量%である。
デンプン性組成物(a)とナノメートル製品(b)の混合物への、任意であるが好ましいカップリング剤の組み込みは、冷条件または低温下における物理的混合によって実施し得るが、好ましくはデンプン性組成物のガラス転移温度を超える温度での高温条件下における混練によって実施される。この混練温度が有利には60〜200℃、なおもより好ましくは100〜160℃である。この組み込みは、バッチ式または連続式、特にインライン方式の熱機械的混合によって実施し得る。この場合、混合時間は短く、数秒間から数分間であり得る。
本発明に従った組成物は、様々なその他の添加剤をさらに含み得る。それらはその物理化学的特性、特にその物理構造、その加工挙動およびその耐久性、さもなければその機械的、熱的、導電性、接着または官能特性のなおもさらなる改善を目指す製品であり得る。
添加剤は、無機物、塩、および有機物から選択される機械的または熱的特性を改善または調節する薬剤であり得る。それは滑石などの成核剤、天然または合成界面活性剤などの相溶化剤または分散剤;ケイ酸カルシウムなどの衝撃強度またはすりきず抵抗性を改善する薬剤;マグネシウムケイ酸塩などの収縮を調節する薬剤;水、酸、触媒、金属、酸素、赤外線またはUV照射を捕捉しまたは不活性化する薬剤;油および脂肪などの疎水化剤剤;ハロゲン化誘導体などの難燃剤および防火剤;防煙剤;または炭酸カルシウム、滑石、植物繊維、ガラス繊維またはケブラーなどの無機または有機強化充填材に関係し得る。
添加剤はまた、電気または熱に関する伝導性(導電性)または絶縁(断熱)特性を、または例えば空気、水、ガス、溶剤、脂肪性物質、ガソリン、香味料または芳香剤に対する密封性能を改善または調節する薬剤であり得て、特に無機物、塩および有機物から、特に金属粉末および黒鉛などの熱を伝送または放散する薬剤から選択される。
添加剤はまた、特に
− 芳香特性(芳香剤または臭気マスキング剤)、
− 光学的特性(光沢剤、二酸化チタンなどの白化剤、染料、顔料、染料増強剤、乳白剤、炭酸カルシウムなどの艶消し剤、サーモクロミック剤、リン光および蛍光剤、金属化またはマーブリング剤および曇り防止剤)、
− 音響特性(硫酸バリウムおよび重晶石)、および
− 触覚特性(脂肪性物質)
などの官能特性を改善する薬剤であり得る。
添加剤はまた、特に松脂、ロジン、エチレン/ビニルアルコール共重合体、脂肪アミン、潤滑剤、離型剤、帯電防止剤、およびアンチブロッキング剤などの、接着特性、特に紙または木材などのセルロース材料、アルミニウムおよび鋼などの金属材料、ガラスまたはセラミックからできた材料、織物材料および無機材料に対する接着特性を改善または調節する薬剤であり得る。
最後に添加剤は、材料の耐久性を改善する薬剤、またはその(生)分解性を調節する薬剤であり得て、特に油および脂肪などの疎水化剤またはビーディング剤;Ag、Cu、およびZnなどの腐食防止剤;抗菌剤;オキソ触媒などの分解触媒;およびアミラーゼなどの酵素から選択される。
本発明に従った熱可塑性またはエラストマー組成物を調製する目的で、特に上記組成物(デンプン、任意のデンプンの可塑剤、ナノメートル製品(b)、非デンプン性ポリマー(c)、任意の添加剤)の構成要素導入の極めて多様な時点と順序を提供する、多数の工程を利用してもよい。
したがってナノメートル製品は、あらかじめ全部または一部を分散させた後に、好ましくは可塑化されたデンプン性組成物中に、および/または非デンプン性ポリマー(c)中に導入し得て、またはデンプン性組成物および非デンプン性ポリマーの導入後に最後に導入し得る。さらに最終組成物中では、上記ナノメートル製品はそれが組み込まれた様式と時点に関わらず、主にデンプン相または非デンプン性ポリマー相のどちらかに分散して見られ、またはこれらの2つの相の境界面に位置して見られる。
上記構成要素を加工するこれらの全ての可能性の内、本発明の主題は、特に上述のような熱可塑性またはエラストマー組成物をその全ての代替形態において調製する方法であり、上記方法は、
(i)少なくとも1つのデンプンおよびこのデンプンの少なくとも1つの可塑剤を選択するステップと、
(ii)0.1〜500ナノメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子から構成されて、
− 少なくとも1つの層状粘土および少なくとも1つのカチオン性オリゴマーベースの混合物から形成された製品、
− 有機、無機または混合ナノチューブ、
− 有機、無機または混合ナノ結晶およびナノ微結晶、
− 有機、無機または混合ナノビーズおよびナノ球体、および
これらのナノメートル製品の混合物
から選択される、少なくとも1つのナノメートル製品(b)を選択するステップと、
(iii)選択されたデンプンとその可塑剤を含む15%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満のデンプン結晶化度がある組成物を好ましくは熱機械的混合によって調製するステップと、
(iv)選択されたナノメートル製品(b)を上記組成物中に組み込んで、少なくとも1つのデンプンとその1つの可塑剤と1つのナノメートル製品(b)とをベースとする中間体組成物(以下「中間体ナノ充填デンプン性組成物」)を得るステップと、
(v)少なくとも1つの非デンプン性ポリマー(c)を選択するステップと、
(vi)非デンプン性ポリマー(c)を中間体ナノ充填デンプン性組成物中に組み込むことにより、本発明に従った熱可塑性またはエラストマー組成物を調製するステップ
を含み、ステップ(iv)は、ステップ(iii)の前、最中、および後に実施可能である。
このようにしてこの工程中に得られた中間体ナノ充填デンプン性組成物は、様々な成分、すなわち互いに密接混合されたデンプン、可塑剤、およびナノメートル製品(b)を含む。
ステップ(iii)中のデンプンの可塑剤の組み込みは、そのデンプンとの熱機械的混合に先だって低温条件下で実施し得て、さもなければ直接この混合中に、すなわち好ましくは60〜200℃、より好ましくは80〜185℃、特に100〜160℃の温度での高温条件下において、例えば素練/混練によりバッチ式に、または例えば押出しにより連続式に実施し得る。この混合の持続時間は、選択される混合方法に応じて数秒間から数時間の範囲であり得る。
さらにナノメートル製品(b)の組み込み(ステップ(iv))は、冷条件下におけるまたは低温でのデンプン性組成物との物理混合によって実施し得るが、好ましくはデンプン性組成物のガラス転移温度を超える温度での高温条件下における混練によって実施される。この混練温度は、有利には60〜200℃、好ましくは80〜180℃、より好ましくは100〜160℃である。この組み込みは、バッチ式または連続式、特にインライン方式の熱機械的混合によって実施し得る。この場合、混合時間は短く、数秒間から数分間であり得る。このようにして熱可塑性組成物が得られ、それは顕微鏡下で観察し得るように非常に均質である。
本発明に従った方法の一実施態様では、ナノメートル製品(b)は、少なくとも1つの層状粘土と少なくとも1つのカチオンオリゴマーとをベースとする混合製品から構成され、粘土の剥離はデンプンおよび可塑剤を混合するステップ(iii)で起きる。
ステップ(vi)における中間体ナノ充填デンプン性組成物への非デンプン性ポリマー(c)の組み込みは、好ましくは60〜200℃、より好ましくは100〜200℃、特に120〜185℃の温度での高温条件下における混練によって実施し得る。バッチ式または連続式、特にインライン方式の熱機械的混合によって実施し得る。この場合、混合時間は短く、数秒間から数分間であり得る。
有利な代替形態に従って、この方法は:
− ステップ(iv)が80〜180℃の温度での高温条件下における混練によって実施され、
− ステップ(vi)が120〜185℃の温度での高温条件下における混練によって実施される
ことを特徴とする。
その調査研究の文脈で、本出願人らは、あらゆる予想に反して、非常に少量のナノメートル製品(b)が、中間体ナノ充填デンプン性組成物だけでなく、得られる最終熱可塑性またはエラストマー組成物についても、ナノメートル製品の添加なしで調製された製品と比べて、水および水蒸気に対する感受性を大幅に低下させられることを発見した。これは中間体ナノ充填デンプン性組成物だけでなく、熱可塑性および/またはエラストマー本発明の組成物についても新しい用途への道を開く。
本出願人らはまた、上記ナノ充填デンプン性組成物が、先行技術の可塑化デンプンに比べて、熱分解に対するより低い感受性と、より少ない着色を示すことも発見した。
さらに、上記組成物は、Physica MCR501レオメータまたは同等タイプ上の測定で、100〜200℃の温度において10〜10Pa・sの複素粘性率を示す。この粘度は、例えば発熱性親水性シリカAerosil 200タイプなどの数%のナノメートル製品(b)を含まない同一組成物で測定されるものよりも、顕著に低い。
それを射出成形によって加工する目的で、例えばこれらの温度におけるその粘度は好ましくは上述の範囲の下方に位置し、組成物は好ましくは上に規定される意味においてホットメルト組成物である。
中間体ナノ充填デンプン性組成物は、本質的に再生可能な出発原料から構成されることの利点と、配合の調節後にプラスチック技術またはその他の分野における複数用途で有用な以下の特性を示すことができることの利点とをさらに示す。
− 通常の合成ポリマー通常に利用される既存の工場を通じた加工を可能にする、現行のポリマーについて知られている通常値範囲(−50〜150℃のTg)内の適切な熱可塑性、適切な溶融粘度および適切なガラス転移温度、
− 市販のまたは開発中の化石起源または再生可能起源の多種多様なポリマーとの十分な混和性、
− 加工条件に対する満足できる物理化学的安定性、
− 水および水蒸気に対する低感受性、
− 先行技術のデンプン熱可塑性組成物と比べて非常に著しく改善された機械的性能(可撓性、破断点伸び、最大引張強度)、
− 水、水蒸気、酸素、二酸化炭素、UV照射、脂肪性物質、香味料、ガソリン、および燃料に対する良好なバリア効果、
− 用途に応じて調節し得る不透明性、半透明性または透明性、
− 特に水相中のインクおよび塗料による良好な印刷適性および塗装性、
− 制御可能な寸法収縮、
− 高度に満足できる経時的安定性、
−および調節可能な生分解性、コンポスト化性および/またはリサイクル性。
任意の中間体ナノ充填デンプン性組成物の上述の利点の全部または一部は、任意の本発明に従った熱可塑性またはエラストマー組成物で利用し得る。
さらに本発明の別の主題は、本発明に従った、または本発明に従った方法によって得られる、熱可塑性またはエラストマー組成物の調製における、少なくとも1つのデンプンと、好ましくは上記デンプンの少なくとも1つの可塑剤と、少なくとも1つのナノメートル製品(b)とを含む、上で定義される組成物の使用である。
本発明はまた、本発明に従った、または本発明に従った方法によって得られる、熱可塑性またはエラストマー組成物の調製における、例えば非生分解性ポリマーである少なくとも1つの非デンプン性ポリマー(c)の使用にも関する。
例えば上記中間体組成物と非デンプン性ポリマーとの混合物の形態で存在する本発明に従った組成物は、有利には脆いタイプの材料ではなく延性材料に特徴的な応力/歪み曲線を示し得る。破断点伸びは、40%を超え、好ましくは80%を超え、なおもより好ましくは90%を超える。この破断点伸びは、有利には少なくとも95%に等しくあり得て、特に少なくとも120%に等しくあり得る。それは180%に達し、またはそれを超えることさえあり得て、実のところ250%でさえあり得る。これは一般に無理なく500%未満である。
本発明の組成物の最大引張強度は、一般に4MPaを超え、好ましくは6MPaを超え、なおもより好ましくは8MPaを超える。それは10MPaにさえ達し、またはそれを超えることさえあり得て、実のところ20MPaでさえあり得る。これは一般に無理なく80MPa未満である。
本発明に従った熱可塑性またはエラストマー組成物はまた、実質的にまたは完全に水不溶性であること、水和が困難であること、および水浸漬後に良好な物理完全性を維持することの利点を示し得る。その不溶性物質レベルは、20℃の水中で24時間後に好ましくは90%を超える。非常に有利には、それは92%を超え、特に95%を超え得る。理想的には、この不溶性物質レベルは少なくとも98%に等しく、特におよそ100%であり得る。
完全に注目に値する様式で、本発明に従った組成物は、特に
− 少なくとも98%に等しい不溶性物質レベル、
− 少なくとも95%に等しい破断点伸び、および
− 8MPaを超える最大引張強度
を同時に示し得る。
本発明に従った熱可塑性またはエラストマー組成物はそのまま使用し得て、またはその他の合成または人工ポリマーまたは天然起源ポリマーをはじめとするその他の製品または添加剤との配合物として使用し得る。それは規格EN 13432、ASTM D6400、およびASTM D6868の意味において生分解性またはコンポスト可能であり得て、PLA、PCL、PBS、PBSA、PBAT、およびPHAなどの規格に対応するポリマーまたは材料を含み得る。
それは特にPLA(ポリ乳酸)の主な既知の欠点、すなわち
− COおよび酸素に対するあまり良くないバリア効果、
− 水および水蒸気に対する不十分なバリア効果、
− ボトル製造には不十分である耐熱性、およびテキスタイル繊維で使用するには高度に不十分である耐熱性、および
− フィルム形態での脆性と可撓性欠如
を是正できるようにする。
しかし本発明に従った組成物はまた、上の規格の意味において、非生分解性またはコンポスト不能であり得て、例えば高度に官能基化、架橋またはエーテル化された抽出ポリマーまたはデンプンまたは既知の合成ポリマーを含み得る。材料として予期される用途に適し、寿命の終わりに想定される再生方法に適するように、特にその水に対する親和性を調節することにより、本発明に従った組成物の寿命および安定性を調節することが可能である。
本発明に従った組成物は、特に好ましくは官能基化されたポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)と、熱可塑性ポリウレタン(TPU)と、ポリアミドと、スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン(SEBS)トリブロック共重合体と、非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)とからなる群から選択される非生分解性ポリマー群を含み得る。
本発明に従った熱可塑性および/またはエラストマー組成物は、有利には組成物中に存在する炭素の合計を基準にして、少なくとも15%、好ましくは少なくとも30%、特に少なくとも50%、なおもより好ましくは少なくとも70%、実のところ80%さえ超える、ASTM D6852規格および/またはASTM D6866規格の意味において再生可能起源の炭素を含む。この再生可能起源の炭素は、本質的に本発明に従った組成物中に必然的に存在するデンプンを構成するものであるが、有利には組成物構成物の賢明な選択によって、例えばグリセロールまたはソルビトールの場合のように任意のデンプンの可塑剤中に存在するものでもあり得て、またそれらが上で好ましいと定義されたような再生可能な天然資源に由来する場合は、非デンプン性ポリマー(c)または熱可塑性組成物の任意のその他の構成物でもあり得る。
特に食品包装分野において、本発明に従った組成物を単独で、または同時押し出しにより得られる多層構造物中で、酸素、二酸化炭素ガス、香味料、燃料および/または脂肪性物質に対するバリアフィルムとして使用することが特に想定され得る。
それらはまた、例えば印刷可能な電子ラベル、フィルムまたはメンブレンの、テキスタイル繊維の、または容器またはタンクの製造の文脈において、または親水性担体上の合成ホットメルトフィルムの接着特性の改善の文脈において、合成ポリマーの親水性、導電性に対する適合性、水および/または水蒸気透過性、または有機溶剤および/または燃料抵抗性を増大させるためにも使用し得る。
本発明に従った熱可塑性またはエラストマー組成物の親水性は、生物中の、ひいては食物連鎖中の脂肪組織における生物濃縮リスクを大幅に低下させることに留意すべきである。
前記組成物は、微粉、顆粒化またはビーズ形態で提供し得る。それはそのままで、生物起源または非生物起源マトリックス中で希釈することが意図される、マスターバッチまたはマスターバッチマトリックスを構成し得る。
それはまた、可塑性物体の構成要素製造業者またはカスタム鋳型工が直接使用し得る、可塑性出発原料または化合物をも構成し得る。
それはまた、そのままで接着剤を構成し得て、または特にホットメルトタイプのまたはホットメルト接着剤の接着剤調合物のマトリックスをも構成し得る。
それは特にチューインガムのためのベースガムまたはベースガムのマトリックスを構成し得て、またはゴムおよびエラストマーのための樹脂またはコレジン(co−resin)をも構成し得る。
最後に、本発明に従った組成物は、任意に不可逆的完全架橋によって熱硬化樹脂(デュロプラスト)を調製するのに使用し得て、したがって上記樹脂は明確に全ての熱可塑性またはエラストマー性を失う。
本発明はまた、本発明の組成物またはそれから得られる完成品または半完成品を含む、可塑性エラストマー材料または接着材料にも関する。
実施例1
先行技術に従ったデンプン性組成物、および小麦デンプンとデンプン可塑剤とナノメートル製品を用いて得られる本発明に従って使用し得るナノ充填デンプン性組成物
組成物の調製
この実施例のために以下を選択する。
− 顆粒デンプンとして、本出願人らにより名称「Amidon de ble SP(小麦デンプンSP)」の下に販売されるおよそ12%の含水量を示す天然小麦デンプン、
− 顆粒デンプンの可塑剤として、本出願人らにより名称Polysorb(登録商標)G84/41/00の下に販売されるおよそ16%の含水量を有するポリオール(ソルビトール、グリセロール)の濃縮水性組成物、
− ナノメートル製品(b)として、それぞれ
・Evonikにより名称Aerosil 200の下に販売される発熱性シリカ(およそ15nm)、
・EvonikによりAerosil R974の名称の下に販売される疎水性シリカ(およそ25nm)、
・製品LAB 4019、ポリスチレンマレイミドのナノメートル粒子(およそ40nm)、
・製品LAB 4020、炭酸カルシウムのナノメートル粒子(およそ70nm)、
・製品LAB 4021、酢酸デンプンのナノメートル粒子(およそ200nm)。
最初に比較目的で、先行技術に従った熱可塑性デンプン性組成物を調製する。このためにTSAからの直径(D)26mmおよび長さ50Dの二軸スクリュー押し出し機に、デンプンおよび可塑剤を100部の小麦デンプンに対して67部のPolysorb(登録商標)可塑剤の混合比で、150回転/分の速度で供給する。
押出し条件は次のとおりである:
− 温度プロフィール(10の加熱帯Z1〜Z10):90/90/110/130/140/150/140/130/120/120、通気なし。
押し出し機出口において可塑化デンプンロッドをコンベヤーベルト上で空冷し、引き続いて真空オーブン内で80℃で10時間乾燥させてから粉砕する。
このようにして得られる先行技術に従ったデンプン性組成物は、乾燥後に「組成物AP6040」と称される。
小麦デンプンと、デンプン乾燥重量を基準にして6.9%の量の上で定義される他の5つのナノメートル製品(b)(すなわち可塑化デンプン性組成物(a)+ナノメートル製品(b)の合計を基準にして表すとおよそ4重量(乾燥/乾燥)%のナノメートル製品(b))のどれか1つとを乾式混合して、本発明に従って使用し得る様々なナノ充填デンプン性組成物を同一様式で調製する。
Figure 2011522950
ナノメートル製品(b)のどれか1つの添加は、デンプン性組成物のメルトフローインデックス(MFI)に対して非常に著しい有益な効果を有し、上記デンプン性組成物はナノメートル製品(b)の添加後に、ナノメートル製品を欠く先行技術の組成物とは対照的に非常に流動的になり、130℃、20kgの負荷の下で容易に流れる。
周囲大気中での30日後の水取り込みもまた、ナノメートル製品(b)の存在によって著しく改善されるようである。
これらの基剤AP6040から出発して、合計50重量%の市販のポリプロピレンと無水マレイン酸でグラフトされたポリプロピレンとを含む配合物を調製した。
押出し条件は下記の通り。
− ポリプロピレンと基剤AP6040のメインホッパー内での乾式混合
− スクリュー速度:400回転/分
− 温度プロフィール(℃):200/200/200/180/180/180/180/180/180/180
24時間にわたる浸漬後の不溶性物質レベルを測定するための試験
調製された組成物の水感受性を評価する。
得られた組成物の水不溶性物質レベルを以下のプロトコルに従って測定する。
(i)特性解析サンプルを乾燥させる(80℃真空下で12時間)
(ii)サンプル(=Wg1)重量を精密てんびんにより測定する
(iii)サンプルを20℃で水に浸漬する(水のml体積はサンプルのg重量の100倍に等しい)
(iv)数時間の所定時間後にサンプルを引き上げる
(v)表面の過剰な水をできる限り迅速に吸収紙で除去する
(vi)サンプルを精密てんびんに載せて重量損失を2分間モニターする(20秒間毎の重量測定)
(vii)サンプルを乾燥させる(80℃真空下で24時間)
(viii)乾燥サンプル重量(=Wg2)を測定する
(ix)百分率で表される不溶性物質レベルを式Wg2/Wg1に従って計算する。
Figure 2011522950
基剤AP6040中のナノメートル製品(b)の存在が、配合物の浸漬中の水感受性を低下させる観点から、および80℃で10時間乾燥させた配合物の水取り込み感受性を低下させる観点から、非常に著しい効果を有することが観察される。
実施例2
ナノメートル製品(Aerosil 200)量の効果
ナノメートル製品(b)Aerosil 200の量を変化させながら、実施例1のようにして新しい組成物を調製する。乾燥デンプン量を基準にして0.1%、1.2%、および6.9%の量の、すなわちそれぞれ可塑化デンプン性組成物(a)+ナノメートル製品(b)の合計を基準にして、重量(乾燥/乾燥)でおよそ0.06%、0.75%、および4%のナノメートル製品(b)を使用して、3つの試験を実施した。
結果は次のとおりである。
Figure 2011522950
乾燥デンプンを基準にして0.1%、すなわち総AP6040(デンプン性組成物(a)+Aerosil(ナノメートル製品(b))の合計を基準にしておよそ0.06%(乾燥/乾燥)の添加でさえも、Aerosil 200の添加が有益な効果を有することが観察し得る。
実施例3
Glucidex(登録商標)6との混合の効果
最初に比較目的で、実施例1で使用されたポリオールPolysorb(登録商標)G84/41/00の濃縮水性組成物で可塑化された、本出願人らにより商品名Glucidex(登録商標)6の下に販売されるマルトデキストリンと、Estane 58277商標の下に販売される熱可塑性ポリウレタン(TPU)とをベースとする熱可塑性組成物を調製する。
このためにTSAからの直径(D)26mmおよび長さ50Dの二軸スクリュー押し出し機に、マルトデキストリンおよび可塑剤を100部のマルトデキストリンに対して67部のPolysorb(登録商標)可塑剤の混合比で、200回転/分の速度で供給する。
押出し条件は次のとおりである:
− 温度プロフィール(10の加熱帯Z1〜Z10):90/90/110/140/140/110/90/90/90/90
押し出し機出口においてマルトデキストリンロッドをコンベヤーベルト上で空冷し、引き続いて真空オーブン内で80℃で12時間乾燥させてから粉砕する。
このようにして得られる組成物は、乾燥後に「組成物1」と称される。
マルトデキストリンと、マルトデキストリン乾燥重量を基準にして8.6%の量のナノメートル製品(b)Aerosil 200、すなわち可塑化デンプン性組成物(a)+ナノメートル製品(b)の合計を基準にして表すとおよそ5.2重量(乾燥/乾燥)%のナノメートル製品(b)とを乾式混合して、本発明に従って使用し得るナノ充填デンプン性組成物を同一の様式で引き続いて調製する。
このようにして得られるナノ充填デンプン性組成物を乾燥後に「組成物2」と称する。
最後にこれらの組成物1および2から出発して、50重量%のこれらの組成物と50%のEstane 58277 TPU(熱可塑性ポリウレタン)とを含む配合物を調製する。
100部の組成物2あたり4部のメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)を組成物2に添加して、追加的試験を実施する。
押出し条件(二軸スクリュー押し出し機、直径26、50D)は下記の通り。
− メインホッパー内での乾式混合(乾燥TPU、デンプン性基剤)
− スクリュー速度、300回転/分
− 温度プロフィール(℃):130/180/180/150/150/150/130/130/130/130
機械的特性の測定
規格NF T51−034(引張特性の測定)に従って、Lloyd Instruments LR5K試験ベンチを使用して、引張速度300mm/分およびH2タイプ標準化供試体で様々なサンプルの機械的引張特性を測定する。
各配合物について、引張速度50mm/分で得られる応力/歪み曲線(強度=f(伸び率))から、破断点伸びおよび対応する最大引張強度を記録する。
Figure 2011522950
ナノメートル製品(b)の添加なしでは機械的特性が不良である一方、8.3%のAerosil 200を導入すると機械的特性は純粋なTPUに近づく。
配合物へのMDIの追加的組み込みはまた、優れた機械的特性も得られるようにするが、これに加えて本出願人らがさらに発見できたように、不溶性物質レベル、および水と水分に対する抵抗性をもまた改善する。
PLA、PHA、PBAT、ポリアミド、エチレン/酢酸ビニル(EVA)共重合体、エチレン/ビニルアルコール(EVOH)共重合体、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル/スチレン/アクリレート(ASA)共重合体、無水マレイン酸単位で官能基化されたポリオレフィン、スチレン/ブチレン/スチレン(SBS)共重合体またはスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)共重合体を使用して、配合組成物2/TPU中において、様々な非デンプン性ポリマーによってTPUを完全に置換するその他の試験もまた本出願人らにより実施された。
ナノメートル製品(b)Aerosil 200を欠く同一配合物と比較した特性改善を記録した。

Claims (25)

  1. − 少なくとも1つのデンプンを含む、少なくとも50重量%および最大で99.95重量%のデンプン性組成物(a)と、
    − 0.1〜500ナノメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子から構成されて、
    − 少なくとも1つの層状粘土ベースのおよび少なくとも1つのカチオン性オリゴマーベースの混合物から形成された製品、
    − 有機、無機または混合ナノチューブ、
    − 有機、無機または混合ナノ結晶およびナノ微結晶、
    − 分離した、一団となったまたは凝集した有機、無機または混合ナノビーズおよびナノ球体、および
    − これらのナノメートル製品の少なくとも2つの任意の混合物
    から選択される、少なくとも0.05重量%および最大で50重量%のナノメートル製品(b)と、
    − 少なくとも1つの非デンプン性ポリマー(c)
    とを含み、これらの百分率が(a)および(b)の乾燥重量の合計を基準にして、乾燥重量によって表される、熱可塑性および/またはエラストマー組成物。
  2. デンプン性組成物(a)が少なくとも1つのデンプンの可塑剤をさらに含み、前記可塑剤が好ましくはジオールと、トリオールと、ポリオールと、水素化グルコースシロップと、有機酸の塩と、尿素と、有機酸のメチル、エチルまたは脂肪酸エステルと、モノアルコール、ジオール、トリオールまたはポリオールの酢酸または脂肪酸エステルと、これらの製品の任意の混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 可塑剤が、デンプン乾燥重量100部あたり25〜110乾燥重量部の比率、好ましくは30〜100乾燥重量部の比率、特に30〜90乾燥重量部の比率でデンプン性組成物(a)中に存在することを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項に記載の組成物。
  4. デンプン性組成物(a)の調製において使用されるデンプンが、顆粒デンプン、水溶性デンプン、および有機変性デンプンから選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. デンプン性組成物(a)の調製において使用されるデンプンが、流動化デンプン、酸化デンプン、化学変性を受けたデンプン、白色デキストリン、およびこれらの製品の混合物から選択される顆粒デンプンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. デンプン性組成物(a)の調製で使用されるデンプンが、α化デンプン、押し出しデンプン、噴霧デンプン、高度転換デキストリン、マルトデキストリン、官能基化デンプン、およびこれらの製品の混合物から選択される水溶性デンプンであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. デンプン性組成物(a)の調製で使用されるデンプンが、酢酸デンプン、酢酸デキストリン、および酢酸マルトデキストリン、またはデンプンと、デキストリンと、マルトデキストリンと、炭素4〜22個の脂肪鎖との脂肪酸エステルから選択される、有機変性デンプン、好ましくは有機可溶性デンプンであり、前記酢酸エステルおよび脂肪酸エステルが、好ましくは0.5〜3.0、より好ましくは0.8〜2.8および特に1.0〜2.7の置換度(DS)を示すことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 0.1〜4%のナノメートル製品(b)を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 5〜40重量%、好ましくは6〜35重量%のナノメートル製品(b)を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  10. − 25〜85重量%の少なくとも1つのデンプン、
    好ましくは水以外の8〜40重量%の少なくとも1つのデンプン可塑剤、
    − 0.1〜500ナノメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子から構成されて、
    − 少なくとも1つの層状粘土と少なくとも1つのカチオン性オリゴマーとをベースとする混合物から形成された製品、
    − 有機、無機または混合ナノチューブ、
    − 有機、無機または混合ナノ結晶およびナノ微結晶、
    − 分離した、一団となったまたは凝集した有機、無機または混合ナノビーズおよびナノ球体、および
    − これらのナノメートル製品の少なくとも2つの混合物
    から選択される、2〜40重量%のナノメートル製品(b)、および
    − 5〜60重量%の少なくとも1つの非デンプン性ポリマー(c)
    を含むことで特徴付けられ、これらの百分率が本発明に従った熱可塑性またはエラストマー組成物の乾燥重量の合計を基準にして、乾燥重量によって表される、熱可塑性またはエラストマー組成物。
  11. ナノメートル製品(b)が5〜50ナノメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子から構成されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. デンプン中に存在する組成物が、15%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満の結晶化度を示すことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 非デンプン性ポリマー(c)が、シラン単位、アクリル単位または無水マレイン酸単位によって官能基化されていないまたは官能基化されている、エチレン/酢酸ビニル(EVA)共重合体、ポリエチレン(PE)、およびポリプロピレン(PP)と、好ましくは特に無水マレイン酸単位によって官能基化されている、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリ(コハク酸ブチレン)(PBS)、ポリ(コハク酸アジピン酸ブチレン)(PBSA)およびポリ(アジピン酸テレフタル酸ブチレン)(PBAT)、スチレン/ブチレン/スチレン(SBS)共重合体と、非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)と、生物起源モノマーから得られる合成ポリマーと、任意に官能基化された、植物から、動物組織から、および微生物から抽出されたポリマーと、これらの配合物から選択されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 非デンプン性ポリマー(c)が好ましくは、好ましくは官能基化されているポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)と、熱可塑性ポリウレタン(TPU)と、ポリアミドと、スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン(SEBS)トリブロック共重合体と、非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)から選択される、非生分解性ポリマーであることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
  15. 好ましくは
    − ジイソシアネート、好ましくはメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)およびリジンジイソシアネート(LDI)、
    − ジカルバモイルカプロラクタム、好ましくは1,1’−カルボニルビスカプロラクタム、
    − ジエポキシド、
    − エポキシド官能基およびハロゲン官能基、好ましくはエピクロロヒドリンを含む化合物、
    − 有機二酸、好ましくはコハク酸、アジピン酸、グルタル酸、シュウ酸、マロン酸またはマレイン酸、および対応する無水物、
    − 酸塩化物、好ましくはオキシ塩化リン、
    − トリメタリン酸、好ましくはナトリウムトリメタリン酸、
    − アルコキシシラン、好ましくはテトラエトキシシラン、および
    − これらの化合物の混合物
    から選択される、イソシアネート、カルバモイルカプロラクタム、エポキシド、アルデヒド、ハロゲン、プロトン酸、酸無水物、ハロゲン化アシル、酸塩化物、トリメタリン酸またはアルコキシシラン官能基、およびこれらの混合から選択される少なくとも2つの同一であるかまたは異なるおよび遊離またはマスクされた官能基を保有する化合物から選択されるカップリング剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. EN13432、ASTM D6400およびASTM D6868基準の意味において、非生分解性またはコンポスト不能であることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の熱可塑性またはエラストマー組成物。
  17. 前記組成物中に存在する炭素の合計を基準とする表現で、少なくとも15%、好ましくは少なくとも30%の再生可能起源の炭素(ASTM D6852および/またはASTM D6866)を含むことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の熱可塑性またはエラストマー組成物。
  18. 少なくとも98%に等しい不溶性物質レベル、
    少なくとも95%に等しい破断点伸び、および
    8MPaを超える最大引張強度
    を同時に示すことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の熱可塑性またはエラストマー組成物。
  19. (i)少なくとも1つのデンプンとこのデンプンの少なくとも1つの可塑剤とを選択するステップと、
    (ii)0.1〜500ナノメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子から構成されて、
    − 少なくとも1つの層状粘土と少なくとも1つのカチオン性オリゴマーとをベースとする混合物から形成された製品、
    − 有機、無機または混合ナノチューブ、
    − 有機、無機または混合ナノ結晶およびナノ微結晶、
    − 有機、無機または混合ナノビーズおよびナノ球体、および
    − これらのナノメートル製品の任意の混合物
    から選択される、少なくとも1つのナノメートル製品(b)を選択するステップと、
    (iii)15%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満のデンプン結晶化度を示す組成物が得られるまで、デンプンおよび可塑剤を混合する、好ましくは熱機械混合するステップと、
    (iv)中間体のナノ充填デンプン性組成物が得られるように、ステップ(iii)で得られた前記組成物中にステップ(ii)で選択されたナノメートル製品(b)を組み込むステップと、
    (v)少なくとも1つの非デンプン性ポリマー(c)を選択するステップと、
    (vi)中間体ナノ充填デンプン性組成物中に非デンプン性ポリマー(c)を組み込むステップと
    を含むことを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の熱可塑性またはエラストマー組成物を調製する方法であり、ステップ(iv)がステップ(iii)の前、最中、および後に実施可能である方法。
  20. ナノメートル製品(b)が少なくとも1つの層状粘土と少なくとも1つのカチオン性オリゴマーとをベースとする混合製品から構成されること、およびステップ(iii)が粘土剥離をもたらすように実施されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. − ステップ(iv)が80〜180℃の温度での高温条件下における混練によって実施され、
    − ステップ(vi)が120〜185℃の温度での高温条件下における混練によって実施されることを特徴とする、請求項19または20に記載の方法。
  22. マスターバッチ、マスターバッチマトリックス、可塑性出発原料、可塑性物体のための化合物、特にホットメルトタイプの接着剤、特にホットメルトタイプの接着剤調合物のためのマトリックス、特にチューインガムのためのベースガムまたはベースガムマトリックス、エラストマー樹脂、またはゴムおよびエラストマーのための樹脂またはコレジン(co−resin)としての、または熱硬化樹脂の調製のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の熱可塑性またはエラストマー組成物の使用。
  23. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の熱可塑性またはエラストマー組成物の調製における、少なくとも1つのデンプンと好ましくは前記デンプンの少なくとも1つの可塑剤と、
    − 少なくとも1つの層状粘土と少なくとも1つのカチオン性オリゴマーとをベースとする混合物から形成された製品、
    − 有機、無機または混合ナノチューブ、
    − 有機、無機または混合ナノ結晶およびナノ微結晶、
    − 分離した、一団となったまたは凝集した有機、無機または混合ナノビーズおよびナノ球体、および
    − これらのナノメートル製品の少なくとも2つの任意の混合物
    から選択される、少なくとも1つのナノメートル製品(b)とを含む組成物の使用。
  24. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の熱可塑性またはエラストマー組成物の調製における、少なくとも1つの非デンプン性ポリマー(c)を含む組成物の使用。
  25. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の熱可塑性またはエラストマー組成物の調製における、層状粘土のための剥離剤としてのカチオン性オリゴマーの使用。
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