JP2005508359A - 澱粉ゲルを基剤とする成形体の製造 - Google Patents

澱粉ゲルを基剤とする成形体の製造 Download PDF

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Abstract

本発明は、澱粉ゲル、および活性成分、特にゼラチン不含軟質カプセルを含む成形体の製造方法に関する。軟質カプセルにおけるゲル化の問題を解決するために現在行われている方法と比較して、特に脆性や変化する条件における貯蔵安定性や吸収挙動に関して有意な改良を与える。本発明は、澱粉または熱可塑性澱粉と比較して低グリセラミック指数と、耐性を有するゼラチン不含軟質カプセルにも関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、成形体、特に活性成分を含むゼラチン不含澱粉ゲルを基剤とする軟質カプセルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
従来技術によれば、軟質カプセルのような活性成分を含む成形体は、未だに主としてゼラチンを基剤として製造されている。しかしながら、BSE問題の結果、この用途のゼラチンを交換することが急務となってきている。ゼラチンの他の欠点は、それが動物性のものであり、従って菜食主義者、完全菜食主義者、ユダヤ人(適法でないため)、およびイスラム教徒(ブタゼラチン)がゼラチンを受け容れないことである。
【0003】
下記の要件が、この用途のゼラチン代替品に主として課せられる。すなわち、軟質カプセルの製造、特に回転ダイ法による製造、に用いるためには、ゼラチン代替品は加工条件下で少なくとも100%の伸びと少なくとも2MPaの強度を有するフィルムに成形することができ、これを単独で100℃を下回る温度で、好ましくはできるだけ低温で、熱シールすることができ、且つ胃で溶解または崩壊して、それに含まれる活性成分が放出されるものでなければならない。更に、成形して熱シールしたカプセルは、内容物に関する良好なバリヤー特性と良好な貯蔵安定性を有するものでなければならず、すなわち、それらは10-40℃の範囲の温度および10-90%の範囲の空気中水分でできるだけ一定の特性を示すものでなければならない。更に、軟質カプセル殻を形成する物質は、ゼラチンに関して拮抗する価格のものでなければならない。
【0004】
ゼラチンの代替品はこれまでに開発されてきているが、これらは様々な欠点を有する。
【0005】
米国特許第5,342,626号明細書には、回転ダイ法による軟質カプセルの製造であって、カプセル殻がカラゲナン、マンナンゴム、ゲラン、またはこれらの植物多糖類の混合物からなるものが記載されている。しかしながら、このようなカプセルの機械特性は不十分であり、用いられる多糖類は幾つかの場合にはゼラチンと比較してかなり高価である。
【0006】
欧州特許第0,397,819号明細書には、小さな結晶性画分のみを有する熱可塑性澱粉の製造方法が記載されている。しかしながら、相当するフィルムの破断伸びは要求値よりかなり低く、熱シール性には問題がある。更に、カプセル特性は、空気中水分に著しい依存性を示す。
【0007】
欧州特許第0,542,155号明細書には、熱可塑性澱粉およびセルロース誘導体を含む混合物が記載されているが、これもまた不適切な機械特性を有し、また用いるセルロース誘導体が高価であるため、これに関して限定された拮抗性のものでしかない。
【0008】
WO 01/37817 A1には、高軟化剤含量を有する熱可塑性(TPS)澱粉を基剤とする軟質カプセルの製造方法が記載されている。しかしながら、これもまた生物分解性プラスチックとしてのTPSの進展の途上に現れているTPSの典型的な問題のある特性、すなわちそれらの生来の脆性および不都合な吸収挙動により、機械特性は空気中水分に強く影響され、軟質カプセルの領域においてゼラチン代替品としてのTPSの使用に関して不都合な効果も有する。この結果、相当するカプセルの貯蔵安定性は不十分であり、高軟化剤含量を有するものであっても、それらは脆化傾向を示し、特に低温および低空気中水分では破砕しやすくなる。
【0009】
WO 02/38132 A2号明細書には、軟質カプセルの製造であって、澱粉および天然澱粉と比較して分岐度の低い少なくとも1種類の澱粉成分を含む溶液を製造した後、ゼラチン化することが記載されている。ゼラチン化は、この場合には、主として低分岐度の澱粉に基づいている。ゼラチン化が完了した後、この澱粉ゲルを成形法によってフィルムに成形し、その後それぞれの場合に2個のカプセル半分が形成される回転ダイ法を用いるカプセル化のゼラチンフィルムの代わりに加工し、活性成分を充填し、熱シールする。カプセル化が完了した後、カプセルを乾燥する。しかしながら、この解決法は、次のような欠点を有する:1) 分岐度の低い澱粉は、他の澱粉と共に溶解し、これらの澱粉は多量の溶媒を必要とするので、相当する少なくなった溶媒画分は低分岐度の成分を利用でき、その溶解度は劇的に限定される。従って、この未審査公開特許出願明細書に記載された条件下では、弱く生成したゲルしか得られない。低分岐度の澱粉の溶解度、従ってそれに続くゲル形成を改良するには、極めて高濃度の溶媒を用いなければならないが、次に形成したゲル強度は回転ダイ法には不十分である。2) ゲルが形成した後、生成した網状構造の結果、延性は限定される。回転ダイ法には少なくとも100%の伸びが必要であるのに、澱粉ゲルでは10からせいぜい40%の範囲の低い伸びしか得られず、これは、従来技術によれば脆いと一般に考えられ、例えば楕円カプセルのような普通に用いられる軟質カプセルを製造することはできない。ゲルフィルムの延性が限定されることにより、内部容積が小さな極めて「平坦な」カプセルしか得られず、これは市場によって受け容れられない。3) 軟質化TPSは幾分熱シールを行うことができるが、これは限定された範囲の澱粉ゲルについての場合だけであり、特に、少なくとも130℃がこの目的には必要であり(十分な熱シールは、この実行不可能な温度ではほとんど得られない)、すなわち、網状構造の少なくとも部分的溶解が必要であり、この理由により熱シール可能な市販し得る澱粉ゲルを基剤とした軟質カプセルは、提案された方法により実際に得ることはできない。未審査公開特許出願WO 02/38132 A2号明細書に記載された澱粉ゲルの他の変異体に関しては、上記の問題が一層顕著である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
発明
ゼラチン不含軟質カプセルの製造の現在の技術の問題の結果として、他の提案された解決法と比較して決定的な利点を得ることができる新規な方法を提案する。この方法は、澱粉および低分岐度の澱粉の溶液の代わりに、任意の澱粉であることができる、基剤澱粉を熱弾性的方法によって可塑化し、網状構造形成性またはゼラチン化性澱粉またはそのような澱粉の混合物を別個に溶解した後、基剤の可塑化澱粉に加え、好ましくは分子分散方式で混合し、まだ溶融体(ゲルではない)が存在している混合工程の結果、これを次の段階でフィルムまたはストリップに成形した後、これを回転ダイ法に供給することができるという事実に基づいている。ここで基本的に重要なことは、ゲルまたは網状構造の形成は、少なくとも部分的にはカプセル化段階前のフィルム製造後に開始し、これにより可塑化澱粉の良好な延性とその熱シート性が保持されることである。重要な画分での網状構造形成は、カプセル化が完了した後に所望されるだけであり、下記の利点を達成することができる:
【0011】
1) 熱シールを完了した後に網状構造形成を開始することによって、回転ダイ法に求められる少なくとも100%の延性並びにシールシームの改良は、これが網状構造によって強化されるので、達成することができ、これは、シールシームがTPSでの場合と同様に澱粉高分子のフッキング(hooking)に基づいているだけでなく、網状構造形成にも基づいており、熱シールされる軟質カプセルの両半分にそれぞれ属する澱粉高分子は、網状構造の弾性活性な架橋点を形成する微結晶によって相互結合しているという事実により簡単に説明できる。
【0012】
2) カプセル化後に形成した網状構造は、弾性「内部強化」と見ることができ、一方では、軟質カプセルの強度が改良され、他方では、その粘度も向上する(脆性の減少)。カプセルの形成中に限定的に網状構造を形成させることによって、可塑化澱粉の溶融強度およびその延性を改良することもできる。高分子の剛性の結果、澱粉のみがこれらの高分子のフッキングを限定することができ、シールシームの溶融強度および強度も限定され、小さな部分的網状構造形成によって、フッキング点の機能を補完しまたは引き継ぐ微結晶によって形成される網状構造要素により改良を達成することができる。更に、弾性網状構造要素もフッキング点より効果的であり、これは特に堅い高分子の場合には、高分子を比較的緩い固定しかできない。もう一つの態様によれば、状況は、生成する成形体または軟質カプセルの成形前および/または中に小さな部分的網状構造形成の結果、網状構造要素によって互いに物理的に結合している様々な高分子によって分子量が擬似的に増加するようにも考えることができる。これにより、顕著な構造上の粘性挙動を生じ、溶融強度と溶融延性が増加する。網状構造形成の速度論は本発明の方法のパラメーターおよび処方によって容易に影響されるので、限定された網状構造形成を容易に調整することができる。TPSと比較して澱粉網状構造の粘度の改良(または脆性の減少)は、一方では、弾性「内部強化」によって得られるが、これは最大40%までの限定した伸びにしか適用されないが、最終の軟質カプセルについては十分以上であり、他方では、微結晶が十分に微細に分布しているときにはこれらの微結晶によって形成された網状構造の部分的結晶性によって得られる。更に微細に分布しているものは、主として非晶質マトリックスにおける微結晶によって形成される弾性網状構造であり、更に大きいものは、強度および粘度に関して、網状構造の正の効果である。網状構造要素の高分散分布は、基剤の可塑化澱粉に混合される網状構造形成性澱粉を含む溶液の高分散度によって達成される。例えば、混合工程中の高剪断粘度によって得ることができる分子分散混合物が、最適である。次に機械特性が再度低下する次の相分離は、適当な温度制御、および高分散混合物の熱力学的に不安定な状態を凍結させる高溶融粘度を設定することによって動力学的に抑制することができる。特に、分子分散混合によって、単相澱粉ゲルおよびヘテロ結晶化によって形成した澱粉ゲルを得ることができ、これらは完全に透明であり、最適な機械特性を有する。
【0013】
3) 結晶性画分は非晶質画分と比較して水吸収が減少し、従って、ほぼ完全に非晶質であるTPSと比較して澱粉ゲルについて、かなり好ましい吸収挙動が得られ、一層低い空気中水分でのTPS軟質カプセルの顕著な脆性の欠点は、澱粉ゲルを用いることによって相殺することができる。室温で安定な構造型である普通に確立された「B」構造型と比較して、「A」構造型は水の画分のみを吸収することができるので、微結晶を結晶学的「A」構造型で得ることができるときには、この好都合な効果は特に顕著である。室温で準安定なA構造型を、適当な方法パラメーターによって、特に適当な温度制御またはこれに続く熱処理によって得て、凍結することができる。
【0014】
4) 主として熱シール後の成形工程中にせいぜい部分的に形成した網状構造またはゲルによって得られる軟質カプセルの製造についての様々な利点の他に、水または胃液中で溶解するTPS軟質カプセルと比較しても差があり、網状構造は水および胃液に溶解しないが、膨潤する。軟質カプセルに用いられる網状構造形成性澱粉の壁厚みおよび画分について、澱粉ゲルは数分間以内で水または胃液中で膨潤し、それによって、その強度をほぼ完全に喪失し、カプセルは容易に崩壊し、軟質カプセルに含まれる活性成分は何ら問題なく放出される。例えば、網状構造形成性澱粉の画分を増加することによって設定することができる一層高い網状構造密度では、澱粉ゲル軟質カプセルの分解を炭酸カルシウムのような普通に用いられる崩壊剤によって改良し、促進することができる。水性媒質中でのTPSと澱粉ゲルの異なる崩壊挙動は、2種類の異なるカプセルの間の独特且つ検証が容易な区別が、これにより可能である限り、重要である。網状構造形成性澱粉の画分を増加することにより提案の方法によって容易に得ることができる高網状構造密度では、膨潤が水または胃液で起こった後、生成する澱粉ゲルの膨潤度を、必要ならば、生成するカプセルが崩壊を防止するのに十分な強度を有するような範囲に限定することができる。このようにして、限定された範囲に膨潤したカプセル殻を介した活性成分の拡散によってカプセルに含まれるその成分を遅れて放出させることが可能になる。従って、制御された放出システムもまた、軟質カプセルの製造のために提案した方法に基づいて、実現することができる。
【0015】
5) 澱粉ゲルを基剤とする軟質カプセルの他の利点は、澱粉ゲルが耐性澱粉に匹敵するプレバイオティックであることである。その価格は通常の澱粉よりしばしばかなり高いが、耐性澱粉は、そのプレバイオティック効果のために、添加剤として様々な食材にますます添加されるようになっている。この効果は、澱粉ゲルを基剤とする軟質カプセルのおまけとしてある程度まで自動的に得られる。TPS軟質カプセルと比較してグリセアミック指数が低いので、耐性画分を含む軟質カプセルは糖尿病患者にも特に有利である。澱粉ゲルのプレバイオティック効果およびグリセアミック指数低下も、耐性澱粉と比較して一層顕著であるともいうべきである。澱粉ゲルを基剤とする軟質カプセルにおいて疑わしいゼラチンが含まれていないことの他に、これはもう一つの重要な因子であり、軟質カプセルだけでなく、カプセル殻自身も健康を促進するので、このような軟質カプセルの活性を更に増加することができる。耐性澱粉の様々な健康促進効果の中で、免疫系の刺激および結腸癌の阻止が特に今日的関心事である。
【0016】
6) 基剤澱粉の混合工程および網状構造形成性澱粉の溶液中のプレバイオティック効果に関して特に最適化された澱粉ゲル粉末での添加および混合によって、澱粉ゲル軟質カプセル殻のプレバイオティック効果を更に増加させ、グリセアミック指数を更に減少させることができる。もう一つの利点は、粉末状のプレバイオティック澱粉は極めて限定された水吸収を示し、第二の相としてこの成分を含む軟質カプセルの吸収挙動を更に改良することができるという事実の結果として達成することができる。この高耐性の第二の相および澱粉ゲルマトリックスは物質については同一であるが、網状構造密度が異なることに関してのみ異なっているので、相カップリングには問題はない。
【0017】
7) WO 01/37817 A1号明細書と比較して、部分結晶性または微結晶性ゲル構造の結果、水、ソルビトール、マルチトールまたはマンニトールのような軟化剤のより小さな画分を用いて、変化する空気中水分の下での吸収挙動、従って生成物特性を、この効果の結果として改良することもできる。
【0018】
概して、ゼラチン不含軟質カプセルの領域における現在行われている解決法と比較して、機械特性、熱シールおよび吸収挙動に関する、特別に最適化した特性を有するあらゆる範囲の軟質カプセルを製造することができる方法の一層大きな許容度に関する、および軟質カプセルの領域でこれまでは考慮されてこなかった新規な特性、すなわち、澱粉ゲルを基剤とするプレバイオティック効果および澱粉またはTPSと比較して低いグリセアミック指数に関するあらゆる範囲の利点が提案した発明により得られ、この新技術が優れた市場と売買の機会を開発する。これは、ゼラチンの問題の他に、古いゼラチン技術が安価な模造品のために著しく魅力を失ってきた点で、ますます重要である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
提案した方法は、単純化した方式で、完全にまたは部分的に可塑化し、軟化剤含量が比較的低い基剤澱粉または基剤澱粉の混合物を、分子分散方式で、少なくとも1種類の完全にまたは部分的に溶解した網状構造形成性澱粉、または軟化剤含量が比較的高い様々な網状構造形成性澱粉の少なくとも1種類の完全にまたは部分的に溶解した混合物と混合させるという事実を特徴とすることができる。これは、特に単一層澱粉ゲルの形成に重要な前提条件である。重要な工程処置は、網状構造形成性澱粉の過熱、および必要ならば、次の基剤澱粉との混合工程前の過冷却である。これらの2つの処置によって、網状構造形成を次に開始する温度を所望な範囲に設定することができ、特に網状構造形成の開始を計画して、生成する成形体またはカプセルの製造段階中に部分的網状構造形成が存在し、溶融強度および溶融延性が改良されるが、熱シールは悪影響を受けないようにすることができる。単相網状構造の形成は分子量が最も重要である成分の選択によって、および適当な方法パラメーターによるゼラチン化工程の速度論的制御によって行うことができる。次に、混合物をフィルムに成形でき、回転ダイ工程に供給される。
【0020】
基剤澱粉
任意の澱粉または任意のミール、並びに様々な澱粉および/またはミールの混合物を、基剤澱粉として用いることができる。基剤澱粉は、ゲル化可能であるかまたはそうでないものであることができる。基剤澱粉は、物理的および/または化学的に改質された任意の状態で方法に加えることができる。
【0021】
望ましい基剤澱粉またはミールの例は、トウモロコシ、米、小麦、ライ麦、大麦、キビ、オート麦、スペルト小麦などの穀類、ジャガイモ、甘藷、タピオカ(イモノキ)、マランタ(クズウコン)などの根および球根、大豆、エンドウ、マンゴー、ハスなどの豆類および種子のような供給源のものである。更に、他の供給源の澱粉およびミール、例えば、サゴ、ヤムイモなども好適である。更に、グリコーゲンを用いることもできる。
【0022】
澱粉は、例えば、ワキシートウモロコシ、ワキシー米、ワキシージャガイモ、 高アミローストウモロコシ、インディカ米、ジャポニカ米などの培養または遺伝子工学処理法によって改質することができ、それらは、例えば、酸転換、熱転換、架橋、アセチル化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、ホスホリル化、グラフト反応、アミラーゼとの反応などの化学的方法によって改質することができ、それらは、例えば、(部分的または完全な)ゲル化、可塑化、阻害(inhibition)などの物理的方法によって改質することができ、またはそれらは、培養、遺伝学的方法、化学および物理的方法の組合せによって改質することもできた。
【0023】
改質澱粉の例は、シン-ボイリング(thin-boiling)澱粉、冷水可溶性澱粉、予備ゲル化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉、デキストリン、マルトデキストリン、限界デキストリン、オリゴ糖、カチオン性澱粉、澱粉エーテル、分画によって得られる澱粉である。
【0024】
特に興味深いものは、アミロペクチン画分の平均鎖長CLが少なくとも20であり、好ましくは少なくとも22であり、更に好ましくは少なくとも24であり、最も好ましくは少なくとも26である基剤澱粉である。
【0025】
更に、特に興味深いものは、アミロペクチン画分の青色値(BV)が少なくとも0.10であり、好ましくは少なくとも0.13であり、更に好ましくは少なくとも0.16であり、最も好ましくは少なくとも0.18である基剤澱粉である。
【0026】
また、アミロペクチン画分のヨウ素親和性(IA)が、100g当たりのg数で少なくとも0.4であり、好ましくは少なくとも0.6であり、更に好ましくは少なくとも0.8であり、最も好ましくは少なくとも1.0である基剤澱粉も特に興味深い。
【0027】
基剤澱粉の分子量Mw(重量平均)に関して、特に興味深いものは、重量平均が10,000g/モルを上回り、好ましくは50,000g/モルを上回り、更に好ましくは100,000g/モルを上回り、最も好ましくは500,000g/モルを上回る澱粉である。
【0028】
網状構造形成性澱粉
網状構造形成性澱粉は、下記の方法で定義することができる:
【0029】
1. 第一の定義によれば、これらは、適当な条件下でゲルを形成することができる澱粉またはミールであることができる。その例外は、極めて長いゲル化時間(数日-数週間)を要した後に、極めて弱いゲルのみを形成する純粋なアミロペクチンゲルのようなゲルである。網状構造形成性澱粉は天然のものであることができ、または物理的および/または化学的に改質されたものであることができる。
【0030】
1A. この要件を満足する澱粉の一群は、アミロース含量が少なくとも10%であり、好ましくは少なくとも20%であり、更に好ましくは少なくとも30%であり、最も好ましくは少なくとも50%である天然または改質澱粉である。特に適当なものは、例えば、高アミロース澱粉、特にアミロース含量が約100%までであることができる高アミローストウモロコシ澱粉、アミロース含量が25%を上回るエンドウ澱粉、または任意の供給源のアミロースである。
【0031】
1B. もう一つの群の網状構造形成性澱粉は、化学的および/または酵素分解、特に脱分岐(debranching)によって得ることができる。α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、エキソ-α-グルカナーゼ、シクロマルトデキストリン、グルカノトランスフェラーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、アミロ-1,6-グルコシダーゼ、またはこれらのアミラーゼの組合せのようなアミラーゼを、酵素分解に用いることができる。特に上記群の澱粉由来の澱粉を、分解の出発物質として用いることができる。澱粉の化学的、非酵素分解の一例は、塩酸のような酸による加水分解である。
【0032】
2. 網状構造形成性澱粉のもう一つの定義は、分岐度Qbに関し、分岐度が0.01未満であり、好ましくは0.005未満であり、更に好ましくは0.002未満であり、最も好ましくは0.001未満であり、特に0.0001未満である。
【0033】
3. 更に、溶解が起こった後に結晶化することができるが、他の澱粉の非存在下ではゲルではなく微結晶分散液を形成することができる主として線状の澱粉も網状構造形成性澱粉と呼ばれる。このような澱粉の平均重合度DPは典型的には100未満であるが、非網状構造形成性でもまたは網状構造形成性であることもできる澱粉の存在下では、ヘテロ結晶化(heterocrystallisation)によってゲルを形成することができる。この種の網状構造形成性澱粉に関しては、平均鎖長CLまたは平均重合度が少なくとも10であり、好ましくは少なくとも20であり、更に好ましくは少なくとも30であり、最も好ましくは少なくとも50である澱粉が興味深い。澱粉の場合には、このような網状構造形成性澱粉は、例えば、それ自身はゲルを全く形成することができないがアミロペクチンと共にアミロースゲルに匹敵するゲルを形成する脱分岐マルトデキストリンであることができる。
【0034】
4. 他方では、網状構造形成性澱粉は、高分子が線状画分を含み、これらの線状画分が平均重合度DPが30を上回り、好ましくは50を上回り、最も好ましくは80を上回り、特に100を上回り、最も特別には140を上回る主または側鎖であることができるものであることを特徴とすることもできる。
【0035】
5. また、もう一つの群の網状構造形成性澱粉は、アミロース-アミロペクチン混合物の分画によって、例えば、示差アルコール沈澱による分画によって得ることができ、アミロースと中間体画分は網状構造形成性澱粉として用いることができるものである。
【0036】
本発明によれば、条件1-5の少なくとも1個を満足する澱粉は網状構造形成性澱粉と呼ばれる。また、成分および/または混合物が上記条件の少なくとも1個を満足する混合物も、網状構造形成性澱粉と呼ばれる。
【0037】
場合によっては、原則として、どのような網状構造形成性澱粉も基剤澱粉として用いることができるので、基剤澱粉および網状構造形成性澱粉は物質の点からは同一であるということができる。従って、基剤澱粉と網状構造形成性澱粉との相違はいかなる場合も材料の種類ではなく、むしろこれらの用語はまた方法に関連して定義されなければならない。網状構造形成性澱粉は、網状構造を形成するその潜在力が最適に開放される方法で処理されるが、適当な溶解および過冷却工程のない基剤澱粉の場合にはこれは必要でない。
【0038】
方法
1. 網状構造形成性澱粉の溶解および必要な場合の過冷却
網状構造を形成する潜在力は、網状構造形成性澱粉を適当に溶解することによってのみ開放される。例えば、熱可塑性澱粉の製造に普通に用いられるような可塑化の結果として、これはせいぜい部分的にのみ確保され、または低軟化剤濃度では、極めて高温が必要とされ、熱分解が著しくなる。網状構造形成性澱粉の溶解工程は、多段階且つ複雑な工程である。溶解工程は、通常は数℃の温度範囲にわたり、完全な溶解が生じるまで連続的な規則構造が溶解する。温度範囲も、濃度によって著しく変化する。溶解工程は、更に剪断による機械的応力によっても変化して、溶解は更に低温で生じることができ、また圧力、溶解時間、加熱速度、およびpHによっても変化する。
【0039】
しかしながら、溶液の過熱が好ましく、完全な溶液と従って標準化が達成されるのである。過熱は、溶液温度より高い温度を加える工程として理解される。次いで、網状構造形成に有効な核を、相当する良好な機械特性を有する極めて微細な構造を有する網状構造、特に単相ゲルを製造することができる定義された過冷却によって、更に多数および高効率で得ることができる。従って、溶解および過冷却工程の様々なパラメーターが、基剤の澱粉との混合工程の後に得られるゲルの構造および特性にとって最も重要である。
【0040】
様々な網状構造形成性澱粉を一緒に溶解し、過冷却し、次いで基剤澱粉と混合することができる。しかしながら、様々な網状構造形成性澱粉は異なる溶解および核形成特性を有するので、それらを別個に調製してそれらを別個に混合工程に加えることが理に適っていることもよくある。
【0041】
網状構造形成性澱粉は網状構造形成性澱粉の線状画分と複合体を形成する脂質およびタンパク質を含み、従ってこれらの線状画分は網状構造形成には最早利用できないので、更に高い脂質およびタンパク質画分の場合にはこれらの物質は予め抽出によって除去することが示唆される。しかしながら、それらは、溶解工程の後に溶液から沈澱する次の過冷却中に濾過によって工程から除去することもできる。好ましくは、タンパク質の画分が無視し得るほど小さなものでしかない根または球根の澱粉からの網状構造形成性澱粉が用いられる。
【0042】
溶解および過冷却工程のパラメーターは、下記の通りである:
1. 段階d)およびe)における網状構造形成性澱粉の重量%での軟化剤含量WMdは、40%-99%の範囲であり、好ましくは45%-97%の範囲であり、更に好ましくは50%-95%の範囲であり、最も好ましくは60%-92%の範囲である。
【0043】
2. 段階d)およびe)における移行中の圧力Pは、それぞれの温度における水蒸気圧pw(T)と同一であり、好ましくは2pw(T)の最大値と同一であり、更に好ましくは5pw(T)の最大値と同一であり、特に10pw(T)の最大値と同一であり、最も好ましくは100pw(T)の最大値と同一である。
【0044】
3. 過熱温度
Figure 2005508359
は、段階d)では少なくとも120℃であり、好ましくは少なくとも140℃であり、更に好ましくは160℃であり、特に少なくとも180℃であり、最も好ましくは少なくとも200℃である。この温度は最大260℃までとすることができ、このような高温は極めて短時間しか用いることができない。高温
Figure 2005508359
は溶液に安定化効果を有し、すなわち
Figure 2005508359
が高くなれば、溶液が後まで安定なままである温度が低くなり、これによりこの方法の許容範囲は増加する。溶液を基剤澱粉と混合した後に網状構造形成の開始を制御するのに、高温
Figure 2005508359
は特に重要である。
Figure 2005508359
が高くなれば、網状構造形成が次に始まる温度は低くなる。
【0045】
4. 段階d)における移行の所要時間Δtdは、最大7分間であり、好ましくは最大3分間であり、更に好ましくは最大1分間であり、特に最大0.5分間であり、最も好ましくは最大0.2分間であり、最小時間は5秒間である。移行時間が短いことが、熱分解を抑制するには高温
Figure 2005508359
で特に重要である。
【0046】
5. 段階d)における移行中の加熱速度vdは、少なくとも1℃/分であり、好ましくは少なくとも10℃/分であり、更に好ましくは少なくとも50℃/分であり、特に少なくとも100℃/分であり、最も好ましくは少なくとも200℃/分であり、最大加熱速度は約300℃/分である。高加熱速度は、網状構造形成性澱粉が高濃度、これらの澱粉が高分子量、段階d)における高温
Figure 2005508359
で、および網状構造形成性澱粉の熱分解を抑制するのに特に重要である。
【0047】
6. 段階e)における温度TL1は、
Figure 2005508359
であり、更に好ましくは最大100℃であり、特に最大70℃であり、最も好ましくは最大30℃である。最低温度は約0℃である。高い過冷却の設定および高核数の設定には、低温L1が重要である。これは、一般に、網状構造形成性澱粉を含む溶液の過冷却がほとんど重要でないときには、高膨潤度を澱粉ゲル軟質カプセルに設定すべきであるので、最低膨潤度の高強度網状構造の製造に重要である。
【0048】
7. 段階e)における移行の所要時間Δteは、最大7分間であり、好ましくは最大3分間であり、更に好ましくは最大1分間であり、特に最大0.5分間であり、最も好ましくは最大0.2分間であり、最短時間は約5秒間である。網状構造形成性澱粉の網状構造形成または結晶化が開始することなく高過冷却ΔTLUおよび高核数Zkを得るには、高強度網状構造に関して時間を短くすることが重要である。澱粉ゲル軟質カプセルについては、これらのパラメーターおよび効果は、二次的なものである。
【0049】
8. 段階e)における移行の際の冷却速度veは少なくとも5℃/分であり、好ましくは少なくとも30℃/分であり、更に好ましくは少なくとも70℃/分であり、特に少なくとも110℃/分であり、最も好ましくは少なくとも200℃/分であり、最大冷却速度は約300℃/分である。冷却速度を高くすることによって、網状構造形成性澱粉の網状構造形成または結晶化が開始することなく第二の流体Zkの核数を高くすることができる。
【0050】
9. 段階d)およびe)のpHは、澱粉については5-12の範囲であり、好ましくは6-12の範囲であり、更に好ましくは7-12の範囲である。pHを高くすることによって、網状構造形成性澱粉の溶解が容易になる。必要ならば、段階g)における全混合物のpHを塩または塩基を加えることによって所望な値、好ましくはpH 6-8に調整することができる。
【0051】
10. 段階d)および/またはe)およびf)における剪断速度Gdは、少なくとも10/秒であり、好ましくは少なくとも100/秒であり、更に好ましくは少なくとも1000/秒であり、特に少なくとも10,000/秒であり、最も好ましくは少なくとも50,000/秒である。最大剪断速度は、約100,000/秒である。高剪断速度によって、段階d)において、特に高分子量を有する網状構造形成性澱粉の溶解度を著しく改良することができ、従って一層高濃度を処理することができる。段階e)では、高剪断速度とすることによって、早期網状構造形成が防止される。
【0052】
上記条件1-10に準じて処理された澱粉を、次に基剤澱粉と混合して、網状構造を得るが、網状構造形成性澱粉および基剤澱粉は、いずれも網状構造形成に寄与している。
【0053】
網状構造形成性澱粉または方丈構造形成性澱粉の混合物を上記の条件に準じて溶解し、必要ならば過冷却した後に、これらを基剤澱粉と直接混合することができるが、2種類以上の溶液を最初に合わせて、混合した後、基剤澱粉に加える。場合によっては、調製した網状構造形成性澱粉をそれぞれ異なる基剤澱粉の第一の流体に混合した後、これらの混合物を合わせて全混合物を形成することもできる。
【0054】
2. 基剤澱粉と網状構造形成性澱粉の混合
基剤澱粉と網状構造形成性澱粉の分子分散混合物は、特に単相ゲルを得るのに重要な要件である。このような混合物は、剪断および高剪断速度を用いて得ることができる。分子分散またはほとんど分子分散混合物が得られたならば、工程の速度制御によって相分離を制限しまたは完全に防止することができる。これは、冷却速度の相当する制御であって、単相の熱力学的に準安定状態を固定することができることを意味する。
【0055】
1. 網状構造形成性澱粉を加える前の段階c)における基剤澱粉の重量%での軟化剤含量WM1は5%-90%であり、好ましくは5%-70%であり、更に好ましくは5%-60%であり、特に5%-50%であり、最も好ましくは5%-45%である。
【0056】
2. 段階g)における澱粉混合物の平均分岐度Qbは、通常は一般に著しく一層強く分岐した基剤澱粉と混合した結果として用いられる網状構造形成性澱粉の平均分岐度より高く、Qbは0.05未満であり、好ましくは0.02未満であり、更に好ましくは0.006未満であり、特に0.003未満であり、最も好ましくは0.001未満である。
【0057】
3. 段階g)の直後の重量%での軟化剤含量WM2は80%未満であり、好ましくは75%未満であり、更に好ましくは70%未満であり、特に65%未満であり、最も好ましくは60%未満である。最小軟化剤含量WM2は、15%である。
【0058】
4. 第一の流体を第二の流体と混合する間の剪断速度Ggは、少なくとも10/秒であり、好ましくは少なくとも100/秒であり、更に好ましくは少なくとも1000/秒であり、特に少なくとも10,000/秒であり、最も好ましくは少なくとも50,000/秒である。最大剪断速度は、約100,000/秒である。高剪断速度によって、好ましくは、生成する高網状構造密度N0/V0、特に単相網状構造の要件である流体の分子分散混合物が得られる。更に、高剪断速度Ggの結果、網状構造要素を形成する多数の極めて小さな可能な微結晶が得られる。
【0059】
5. その上、網状構造密度は、網状構造が適当な異種成核剤によって混合物で形成した後に増加させることができる。網状構造形成に有効な核の数Zは、次にZ = ZK + ZN(式中、ZKは第二の流体における核の数であり、ZNは異種核の数である) によって与えられる。
【0060】
6. 段階g)の混合物において段階d)-f)に準じて処理した網状構造形成性澱粉の濃度は、重量%で1%-95%であり、好ましくは 2%-70%であり、更に好ましくは3%-50%であり、特に3%-30%であり、最も好ましくは3%-25%である。第二および第三の流体で高濃度の網状構造形成性澱粉を用いることによって、それに相応して、基剤澱粉と混合した後に混合物中で網状構造形成性澱粉を高濃度で得ることができ、これにより高網状構造密度、従って高網状構造強度を得ることができる。
【0061】
段階a)-g)の少なくとも1つにおいて、少なくとも1種類の軟化剤を少なくとも部分的に工程から除去することができ、これは、相分離は分子の移動度を制限しながら軟化剤含量を減少させることによって抑制することができるので、特に段階g)で重要である。
【0062】
3. フィルム成形、二次成形および網状構造形成
網状構造形成性澱粉を第一の流体に分散し、添加剤を混合し、軟化剤含量WM3を調整し、混合物の温度をT3とした後、フィルムを製造する。フィルムを縦方向に2つに分割することができ、2つに分けたものを二次成形プラントに供給することができ、製造され、充填され、熱シールされた軟質カプセルの2つに分けたものは、2つのフィルムの半分から生じている。あるいは、2つのフィルムを一度に平行して製造することもでき、これを次に二次成形プラントに供給する。網状構造形成は、温度を低下させることによって、生成する軟質カプセルへの二次成形の直前または中に開始する。網状構造形成の開始を制御するためのもう一つの可能性は、網状構造形成性澱粉の選択および濃縮にあり、網状構造形成またはゲル化が開始する温度に関して広い自由度が利用可能である。ゲル化温度に影響するもう一つの可能性は、溶解または過熱温度、過冷却、および工程段階d)およびe)の他のパラメーターの選択にある。高伸びが用いられる生成する軟質カプセルへの二次成形中に、網状構造形成は決して完了してはならないのであり、これは必然的に材料の引き裂きを生じるからである。しかしながら、完全に展開した網状構造に関して数%の小さな割合の網状構造形成が、有利であるとすることができ、溶融体の構造粘度、従ってその延性が改良されるからである。この工程は、網状構造形成が軟質カプセルの半分の熱シールの後に網状構造形成が主として起こるように制御される。この後は、できるだけ速い網状構造形成が好都合である。これは、例えば、低空気中水分の低温気流中で簡単に冷却される生成する軟質カプセルによって促進することができる。その結果、軟質カプセルは強度が増し、それらの表面は、ゲル化の結果、ほとんど粘着性がなくなり、カプセルの他の処理が単純化される。
【0063】
低軟化剤含量のゲルまたは網状構造は透明であり、微結晶の粒度が可視光線の波長を下回るので、微結晶が光線を散乱することができないからである。これは、処置を採用した結果、極めて小さな粒度の微結晶を得ることができるようになったことを示唆している。このような透明ゲルは、単相ゲルとして記載されている。軟化剤含量を更に高くすると、粒度が可視光線の波長のオーダーの大きさかまたはそれを上回る大きめの微結晶が形成され、従ってこれが光線を散乱することができ、従って透明ではなく、通常のゲルで見ることができるように乳白色となる。しかしながら、透明度は軟化剤含量によって制御されるだけでなく、網状構造形成性澱粉の溶液の分散度、その全混合物中の濃度、粘度、および特に段階d)およびe)におけるパラメーターも重要である。
【0064】
段階a)-k)は、好ましくは、工程スペースの適当な工程ゾーンが少なくとも1個のミキサーである少なくとも部分的領域では連続的に行われ、段階a)-g)は、少なくとも1個のミキサーの連続区分では連続的に起こり、段階h)およびi)は、少なくとも1個のミキサーの後の成形または二次成形ユニットで起こる。少なくとも1個のミキサーは一軸スクリューまたは二軸スクリューまたは多軸スクリューまたはリング押出機、またはコニーダー、またはスタティックミキサー、またはイストラルミキサー、または攪拌機ボールミル、または別の工程伸長部であり、温度、圧力および剪断を制御することができるものであることができる。現在用いられている熱可塑性成形法を用いて、フィルム、例えば、広いスリットノズルの後セクションローリングを介して押出したものを製造することができる。二次成形プラントは、好ましくは、連続作業カプセル化プラント、例えば、回転ダイプラントである。この方法の他の変法では、段階a)-c)を予め行い、熱可塑性澱粉の顆粒を得て、これを輸送して、中間体貯蔵に入れることができる。次に、熱可塑性澱粉を再度溶融体に変換した後、この溶融体を段階f)およびg)で、段階d)およびe)に準じて調製した1種類以上の網状構造形成性澱粉の溶液と混合することができる。
【0065】
軟質カプセルの形状には制限はなく、これらは任意形状であることができ、更に、二および多室カプセルを製造することもできる。ペースト状物質に対する液体、粉末、ビーズ、顆粒などのような従来技術による充填剤を、充填剤として用いることができる。軟質カプセルの他に、塗料ボール、および従来技術による軟質カプセルのカプセル化法を用いて製造される他の生成物を製造することもできる。更に、多層成形体、特に多層の軟質カプセルの層を、提案した方法によって製造されるフィルムを用いて製造することができる。他の層は、例えば、PEG、アルギン酸塩、カラゲナン、またはHPMCのような改質セルロースからなることができる。
【0066】
軟化剤
従来技術による澱粉または熱可塑性澱粉に対する溶媒、軟化剤および軟化剤混合物として適する同じ溶媒、軟化剤および軟化剤混合物を、軟化剤として用いることができ、これらは、好ましくは下記の群:
水、グリセロール、グリセロールエトキシレート、ポリグリセロール、ジグリセロール〜デカグリセロール、ポリグリセロールモノエトキシレート、グルコースとエチレンオキシドの反応生成物、グルコースモノエトキシレート、グルコシド、ブチルグルコシド、α-メチルグルコシド、マルトース、グルコトリ-および高級グルコポリサッカライド、単糖およびオリゴ糖シロップ、アルコール、ポリアルコール、ブタノール、エリトリトール、ペンタエリトリトール、トリエチロールプロパン、トリメチロールプロパン、トリエチルプロパンモノエトキシレート、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタジオール、ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、3-20のモノマー単位を有するポリビニルアルコール、完全にまたは部分的にポリビニルアルコールに加水分解されたポリビニルアセテート、トリヒドロキシメチルアミノメタン、アミノアルコール、脂肪アルコール、アミン、ヒドロキシアルキドアミン、エチレンジアミン、アミド、エステルアミド、ホルムアミド、酸アミド、スルホキシド、DMSO、第四アンモニウム化合物、グリコール、エチレングリコール、エチレンジグリコール、エチレントリグリコール、プロピレングリコール、プロピレンジグリコール、プロピレントリグリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリコール、ピロリドン、2-ピロリドンまたは1-メチル-2-ピロリドン、カプロラクタム、ポリカプロラクタム、ソルビトール、ソルビトールアセテート、ソルビトールジアセテート、ソルビトールモノエトキシレート、ソルビトールジプロポキシレート、ソルビトールジエトキシレート、ソルビトールヘキサエトキシレート、カルボキシメチルソルビトールの塩、アミノソルビトール、マルチトール、マンニトール、マンニトールモノアセテート、マンニトールモノエトキシレート、キシリトール、アラビトール、アドニトール、イジトール、ガラクチトール、アリトール、酸、カルボン酸、ギ酸、酢酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、ヒドロキシ酪酸、マレイン酸、脂肪酸、ジメチルスルホキシド、尿素、この群の化学的に改質した、特にエステル化によって得られた成分、この群の成分の混合物
から選択される。
【0067】
軟化剤または軟化剤混合物は、通常は段階b)で基剤澱粉におよび段階d)で網状構造形成性澱粉に添加され、他の軟化剤を段階a)、c)、e)、f)またはg)の少なくとも1つにおいてこの方法に加えることもできる。段階b)での軟化剤の添加は省略することができ、この場合には段階c)も省くことができ、相当する基剤澱粉を段階g)で全混合物に混合するのと同時に流体に転換し、または可塑化する。
【0068】
必要であれば、軟化剤を少なくとも1つの段階、例えば、ガス放出技術によって、特に段階f)および g)の少なくとも1つにおいてこの方法から除去することができる。これは、低軟化剤含量および高膨潤強度を有する軟質カプセル(制御放出カプセル)の製造に特に重要である。
【0069】
WO 01/37817 A1号明細書と比較すると、部分結晶性または微晶質ゲル構造の結果として、他の軟化剤、例えば、ソルビトール、マルチトールまたはマンニトールを一層小画分で用いて、変化する条件下での吸収挙動、および生成物特性を改良することができる。
【0070】
添加剤
1. 異種成核剤
異種成核剤は、特に低軟化剤含量WM0の工程に段階a)-g)の少なくとも1つで加え、困難な条件下で網状構造形成を促進し、網状構造密度を増加させることができる。それらは、下記の群:
ナノ粒子:単糖、オリゴ糖および多糖類のナノ粒子、微晶質セルロース、表面処理した微晶質セルロース、微晶質多糖類、微晶質澱粉、無機微結晶およびナノ微結晶、例えば、窒化ホウ素、ソルビトール誘導体、特に3,4-ジメチルジベンジリデンソルビトール、酸化チタン、炭酸カルシウム、ナノ粘土、この群の要素の混合物
から選択される。
【0071】
2. 核安定剤
核安定剤は、段階d)-f)の少なくとも1つで網状構造形成性多糖類の混合物に加え、特に網状構造形成性澱粉の高濃縮流体での微結晶の生長を抑制することができる。核安定剤として一般に用いられるものは、高分岐状多糖類であり、これは、数日または数週間後でもゲルを全く形成しないかまたはごく弱いゲルしか形成しない。例は、グリコーゲン、アミロペクチンまたはアガロペクチンである。青色値が0.08未満でありおよび/またはヨウ素親和性が0.7g/100g未満のアミロペクチンが好ましく用いられる。
【0072】
3. 添加剤
添加剤は、段階a)-g)の少なくとも1つで加え、加工性を向上させ、網状構造形成に影響を与え、重量%で0. 01%-10%、好ましくは0.02%-7%、更に好ましくは0.03%-5%の画分を有する生成物特性を改質することができる。とりわけ、熱可塑性澱粉の製造についての従来技術に相当する添加剤およびアジュバントを、澱粉ゲルについて用いることもできる。添加剤は、特に下記の群の物質:
食品添加剤、特に酸化防止剤および食品安定剤、グリセロール誘導体、モノ-、ジ-およびトリグリセリドおよびそれらのステアリン酸塩、グリセロールモノステアレート、(特に食用脂肪酸の)ポリグリセロールエステル、食用脂肪酸のモノ-、ジ-、またはトリグリセリド、ポリエチレングリコール、(特に食用脂肪酸の)ポリエチレングリコールエステル、レシチン、非イオン性およびイオン性湿潤剤および界面活性剤、乳化剤、錯生成剤、アミロース錯生成剤、Na-2-ステアロイルラクテート、脂肪族アルコール、脂肪酸、特にステアリン酸、脂肪族および芳香族エステル、ピリジン、ショ糖、ショ糖エステル、特に食用脂肪酸のショ糖エステル、脂肪、脂肪酸エステル、ワックス、特に植物性ワックス、例えば、カルナウバワックス、カンデリラワックス、木ロウ、オウリキュリーワックス、ミリカ・ゲイルワックス、ホホバワックス、ポリオレフィンワックス、天然樹脂、セラック、キチン、コラーゲン、カゼイン、単糖およびオリゴ糖、デキストラン、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、特に植物ポリペプチド、セルロース、セルロース誘導体、特にヒドロキシプロピル化セルロース、ヒドロコロイド、特にアルギン酸塩、カラゲナン、ガラクトマンナン、グルコマンナン、色素、食品として使用可能な物質、調味料、この群のヨウ素の混合物
から選択される。
【0073】
4. 充填剤
充填剤は、段階a)-g)の少なくとも1つで加え、材料の特性を改質し、および/または1kg当たりの特定の原料価格を引き下げることができる。一般に好ましいものは、従来技術によるプラスチックおよびバイオプラスチック技術で用いられる充填剤であり、これらは、特に下記の群:
鉱物、特に二酸化チタン、タルク、粘土、木粉、リグニン、繊維、特に綿、麻繊維、亜麻、ラミー、ジュート繊維のような天然繊維、スス、粘土、天然澱粉、インヒビテド澱粉(inhibited Starch)、架橋澱粉、アミロース含量が40%を上回る澱粉、これらの群の混合物
から選択される。
【0074】
5. 崩壊剤
従来技術による生薬で用いられる材料、例えば、アルカリおよびアルカリ土類イオンの炭酸および炭酸水素塩、特に炭酸カルシウムを崩壊剤として用いることができる。更に、アミラーゼも好ましい。崩壊剤または崩壊剤の混合物を、段階a)-c)またはg)の1つで計量して加えることができる。
【0075】
6. 特殊な添加剤
澱粉ゲルマトリックスに分離相として存在する特殊な添加剤は応力ピークを緩和することができるので、ゲルの粘度をゴムの様な材料の特殊添加剤によって大幅に改良することができる。特殊添加剤は、好ましくは下記の群:
グーアガムまたはイナゴマメ核粉のようなガラクトマンナン、ペクチンで、特にラムノガラクツロナンおよびプロトペクチン、デキストラン、キサンタン、チモサン、アルギン酸塩、寒天、アガロース、トチャカおよびカラゲナンのような海塩からのヒドロコロイド、フルセララン(furcellaran)、リチェニンおよびイソリチェニンのような地衣類からのヒドロコロイド、またはトラガカントゴム(Astragulus gum)、カラヤゴム、アラビヤゴム、クチラゴム(Kutira gum)のような樹木の滲出液としてのヒドロコロイド、イヌリン、ラテックス、キチン、キトサン、コラーゲン、カゼイン、これらの群の要素の混合物
から選択される。
【0076】
最適の結果を得るには、マトリックスにおけるこの相をできるだけ微細に分布させることが重要である。特殊な添加剤の同一画分については、粘度利得はマトリックス中のその分布および粒度によって明らかに変化する。これは、一方では、特殊な添加剤を予めできるだけ微細な粉末とすることによって、また他方では、この添加剤を予め膨潤させた後、低軟化剤含量の天然状態の基剤澱粉に加えることによって可能となる。混合中の剪断力の作用の結果、特殊な添加剤の膨潤した柔らかな粒子を硬質の天然澱粉粒子によって粉砕し且つ摩砕して、それに相応する特殊な添加剤の微細な分散相を得ることができる。
【0077】
特殊な添加剤を混合して特殊な添加剤の高分散相を得るための条件は、下記の通りである:
【0078】
A. 特殊な添加剤が、添加時における軟化剤含量が重量%で5%-90%であり、好ましくは11%-90%であり、更に好ましくは18%-90%であり、特に26%-90%であり、最も好ましくは33%-90%である。水は、好ましくは軟化剤または膨潤剤として用いられる。
【0079】
B. 水含量が5%-20%の特殊な添加剤の平均流度分布が、150μ-0.1μの範囲であり、好ましくは100μ-0.1μの範囲であり、更に好ましくは50μ-0.1μの範囲であり、特に10μ-0.1μの範囲であり、最も好ましくは5μ-0.1μの範囲である。(1μ=1マイクロメーター=1μm)
【0080】
C. 特殊な添加剤を、基剤澱粉に天然の、予備ゼラチン化した、部分的にまたは完全に可塑化した状態で、段階a)-c)の少なくとも1つで、好ましくは段階a)で加え、基剤澱粉のこの時点における軟化剤含量が、重量%で1%-50%の範囲であり、好ましくは1%-30%の範囲であり、更に好ましくは1%-20%の範囲であり、特に1%-15%の範囲であり、最も好ましくは1%-12%の範囲である。
【0081】
最適な処置によって、特殊な添加剤を高分散相としてマトリックスに分散することができ、この相の平均粒度は、50μ-0.07μの範囲であり、好ましくは20μ-0.07μの範囲であり、更に好ましくは7μ-0.07μの範囲であり、特に3μ-0.07μの範囲であり、最も好ましくは1μ-0.07μの範囲である。
【0082】
上記条件下での特殊な添加剤の混合は、粘性のある澱粉ゲル軟質カプセルの製造の他に、粘度が改良されたTPS軟質カプセルの製造にも好都合である。
【0083】
7. 耐性澱粉
澱粉ゲルを基剤とする軟質カプセルのプレバイオティック効果を増加させ、吸収挙動を改良するために、追加の耐性澱粉、好ましくは微粉形態のものを、段階a)-g)の少なくとも1つにおいて添加剤として混合することができる。それらは、特に下記の群:
第一の型の耐性澱粉、第二の型の耐性澱粉、第三の型の耐性澱粉、澱粉ゲルを基剤とする耐性澱粉、これらの群の要素の組合せ
から選択することができる。
【0084】
澱粉網状構造の構造型
適当な工程制御により、室温で生成する微結晶が好ましくはA-構造を有するようにすることができる。室温で安定なB-構造型と比較して、この構造型は同一空気水分量に対する水吸収性が著しく減少し、これにより一層好ましい吸収挙動が得られる。室温で準安定性であるA-構造型は速度制御によって凍結することができ、従って室温で得ることもできる。A-構造型は、熱処理によりB-構造型を所望なA-構造型に転換することによって得ることもできる。必要な温度は、ごく短時間加えるものでなければならず、100℃を上回る。
【0085】
軟質カプセルの特性
最大膨潤状態で25℃の水に挿入して50%空気中水分および25℃でコンディショニングした軟質カプセル殻の膨潤度Q (Q=膨潤後の容積/膨潤前の容積)は、1.1-20の範囲であり、好ましくは1.1-10の範囲であり、最も好ましくは1.1-7の範囲である。制御放出カプセルについては、膨潤度Qは、1.03-7の範囲であり、好ましくは1.03-5の範囲であり、最も好ましくは1.03-3の範囲である。
【0086】
50%空気中水分および25℃でコンディショニングした軟質カプセル殻の破断強度は、1MPa-30MPaの範囲であり、好ましくは1.5MPa-20MPaの範囲であり、最も好ましくは2MPa-17MPaの範囲である。
【0087】
50%空気中水分および25℃でコンディショニングした軟質カプセル殻の破断伸びは、10-200%の範囲であり、好ましくは15%-150%の範囲であり、最も好ましくは20-125%の範囲である。
【0088】
50%空気中水分および25℃でコンディショニングした軟質カプセル殻の総軟化剤含量は、10-70%の範囲であり、好ましくは14-60%の範囲であり、最も好ましくは18-50%の範囲である。
【0089】
熱可塑性澱粉を基剤とする軟質カプセル殻と比較して、提案された方法による軟質カプセル殻は、一層平坦な吸収曲線を有する(水活性の関数としての水含量)。同一水活性については、低めの水含量を得ることができる。この挙動は、0.5を上回り、特に0.7を上回る水活性について、特に顕著である。
【0090】
パラメーター
TL0 網状構造形成性澱粉が溶解する最低温度
TLR TL0で溶解した後の熱力学的平衡での網状構造形成性澱粉の再結晶化温度
Figure 2005508359
TLM 抑制された核生長の準安定状態を10秒間保持することができる温度
ΔTLU 過冷却 ΔTLU=TLR-TLM
TL1 第二または第三の流体を第一の流体に混合するときの溶液の温度
Figure 2005508359
T1 第二または第三の流体を加える前の第一の流体の温度
TM 混合工程中の温度
T3 混合工程終了時の温度
TK 網状構造形成の開始時の温度
Δtd 段階d)における移行の所要時間
Δte 段階e)における移行の所要時間
Vd 段階d)における加熱速度
ve 段階e)における加熱速度
ZK TL1における第三の流体中の核の数
ZN 第一と第二または第三の流体の混合物中の異種核の数
Z 網状構造形成中の活性核の数
CPN 第二または第三の流体中の網状構造形成性澱粉の濃度
CPNM 混合物中の網状構造形成性澱粉の濃度
CSta 第一の流体中の核安定剤の濃度
CStaM 混合物中の核安定剤の濃度
CN 混合物中の異種成核剤の濃度
WMd 段階d)における軟化剤含量
WM1 熱力学的方法の開始時における基剤澱粉の軟化剤含量
WM2 第二または第三の流体の添加後の混合物の軟化剤含量
WM3 混合工程の終了時における軟化剤含量
WM0 網状構造形成中の軟化剤含量
W0 網状構造形成中の水含量
W1 水中でW0のフィルムを膨潤させた後の水含量
Gd 段階d)における剪断速度
Gg 段階g)における剪断速度
Pw(T) 温度Tにおける水蒸気圧
N0/V0 網状構造形成を完了した後の網状構造密度
DP 平均重合度
CL 平均鎖長(未分岐部分のモノマー単位の数)
Qb 平均分岐度: 分岐α-グルカン単位のモル数/総α-グルカン単位のモル数
BV 青色値
IA ヨウ素親和性[g/100g]
Mw 分子量分布の重量平均
Tg ガラス転移温度
【0091】
軟化剤および水含量は、それぞれ基剤および網状構造形成性澱粉、すなわち網状構造の構成成分である澱粉に関係している。例えば、基剤澱粉10g、網状構造形成性澱粉3g、水11g、グリセリン2g、ショ糖7gおよび添加剤5gを含む網状構造は、軟化剤含量WM0が100*(11+2)/(11+2+10+3)=50%であり、水含量が100*11/(11+10+3)=45.8%である。
【0092】
(例)
本発明の他の利点、特徴、および可能な用途は、下記の例示用態様から得られるが、これらは制限的なものと考えるべきではない。
【実施例】
【0093】
1
処方物
67%(乾燥重量に対して)基剤澱粉: 70%ジャガイモ澱粉(10%水)(天然)、30%トウモロコシ澱粉(10%水)(天然)
19%(乾燥重量に対して)網状構造形成性澱粉: 50%高アミロース澱粉(天然)(50%アミロース含量、15%水)、40%酵素的に脱分岐したタピオカ澱粉(15%水)、10%マルトデキストリン(15%水)
添加剤: 0.7%レシチン、0.5%カルナウバワックス、5%炭酸カルシウム、基剤澱粉と共に添加
特殊添加剤: 4.8%(乾燥重量に対して)キサンタン(40%水)、3%(乾燥重量に対して)ラテックス(エマルション)、段階b)前に添加
段階b)の軟化剤 30%水、5%ソルビトール、5%マルチトール(基剤澱粉に対して、乾燥重量)
段階d)の軟化剤 75%水、5%グリセロール(網状構造形成性澱粉に対して、乾燥重量)
【0094】
方法
二軸スクリュー押出機、スルツァーミキサーおよび熱的に制御された剪断流を有する工程部分により網状構造形成性澱粉を計量、網状構造形成性澱粉を一緒に190℃(1分間、30バール)、pH 9で溶解、60℃まで過冷却(30秒間)。過冷却溶液を、基剤澱粉のバルク温度130℃で二軸スクリュー押出機に注入し、リターン混練要素で混合した後、排気、溶融体を圧送し、ワイドスリット押出の後、冷却ロール部分、フィルムを縦に2つに分割して、回転ダイプラントに供給し、成形体の製造および充填、コンディショニング。
【0095】
2
例1の改質1: 溶液の分離/過冷却/高アミロース澱粉(HAS)および脱分岐タピオカ澱粉(TAS)の注入。
HASについての段階d1)での軟化剤: 75%水
TASについての段階d2)での軟化剤: 70%、10%グリセロール
HAS: 190℃で溶解(1分間、30バール、pH 9)、80℃まで過冷却(20秒)
TAS: 200℃で溶解(1分間、20バール、pH 7)、50℃まで過冷却(20秒)
【0096】
3
例1の改質2: 処方物は同一であるが、基剤澱粉の可塑化、および添加剤および特殊な添加剤中で予備的に1段階a)で二軸スクリュー押出機を用いて加工した後、造粒。顆粒を一軸スクリュー押出機で再可塑化。
一軸スクリュー押出機で例1の改質1の通りに網状構造形成性澱粉の溶解/過冷却/注入、マドック要素を用いて混合、溶融体ポンプなし、他の工程段階は例1と同一。

Claims (19)

  1. 澱粉ゲルを基剤とした成形体の製造方法であって、ゲルを少なくとも1種類の基剤澱粉と少なくとも1種類の網状構造形成性澱粉の全混合物からホモ結晶化および/またはヘテロ結晶化によって形成し、これらの成分は別々に且つ個別に調製することを特徴とする、方法。
  2. 基剤澱粉を可塑化しまたは可塑化せず、特に少なくとも1種類の網状構造形成性澱粉を加えた後に可塑化し、網状構造形成性澱粉を溶解し、これらの成分を全混合物に一緒に加えた後にこの状態で、好ましくは分子分散方式で混合することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. ゲルまたは網状構造形成が、全混合物の成形体への二次成形前または中にはたかだか部分的にしか起こらず、二次成形が完了した後に主としてまたは完全に起こることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 少なくとも1種類の工程ゾーンにおいて、下記の段階:
    a) それぞれ1個の基剤澱粉を加え、
    b) それぞれ1個の基剤の澱粉にそれぞれ1個の第一の軟化剤を作用させ、
    c) それぞれ1個の基剤澱粉をそれぞれ1個の第一の流体に移し、それぞれ1個の第一の混合物を形成させ、
    d) それぞれ1個の網状構造形成性澱粉をそれぞれ1個の第二の流体にそれぞれ1個の第二の軟化剤の作用によって移し、
    e) それぞれの第二の流体をそれぞれの第三の流体に移し、
    f) 段階d)からのそれぞれの第二の流体および/または段階e)からのそれぞれの第三の流体を、段階a)-c)からのそれぞれの第一の混合物の1つに組込み、
    g) 段階a)-f)からのそれぞれの混合物を合わせて少なくとも1種類の好ましくは分子分散全混合物とし、
    h) 段階g)で形成した少なくとも1種類の全混合物から、少なくとも1種類のフィルムを成形し、
    i) 段階h)で形成した少なくとも1種類のフィルムを二次成形プラントに供給し、少なくとも1種類のフィルムから成形体を製造し、特に段階h)で形成した少なくとも1種類のフィルムを連続カプセル化プラント、例えば、回転ダイプラントに供給し、充填剤または活性成分を含む熱シールした軟質カプセルを製造し、
    j) 段階a)-h)またはa)-i)を完了した後に、段階g)で形成した少なくとも1種類の全混合物から、特にそれぞれ少なくとも1種類の網状構造形成性澱粉のそれぞれの高分子同士の互いのホモ結晶化によっておよび/またはこれらのそれぞれの高分子とそれぞれ少なくとも1種類の基剤澱粉のそれぞれの高分子との間のヘテロ結晶化によって、澱粉網状構造の形成を開始し、
    k) 二次成形体、特に調整された温度及び空気中水分のプロファイルの下で調整することによる軟質カプセル、の水分含量又は所望される軟化剤を設定する段階、
    を含んでなることを特徴とする、請求項1-3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 段階d)-g)の少なくとも1つにおいて、特に段階f)の後であって段階h)の前に、軟化剤をこの方法から、例えば排気技術によって、少なくとも部分的に積極的に除去することを特徴とする、請求項1-4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 段階d)において、網状構造形成性澱粉を含む第二の流体を過熱し、段階e)において、必要ならば、第三の流体を過冷却することを特徴とする、請求項1-5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 段階a)-g)の少なくとも1つにおいて、異種成核剤を少なくとも一回加え、および/または第二または第三の流体を段階e)中または後に超音波で処理することを特徴とする、請求項1-6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 段階a)-g)の少なくとも1つにおいて、少なくとも1種類の添加剤をこの方法に加えることを特徴とする、請求項1-7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 段階a)-g)の少なくとも1つにおいて、好ましくは段階a)-c)の1つにおいて、特殊な添加剤を加え、高粘度を有する生成澱粉ゲルがこの特殊な添加剤を高分散相の形態で含み、この相の平均流度が50μ-0.07μの範囲であり、好ましくは20μ-0.07μの範囲であり、更に好ましくは7μ-0.07μの範囲であり、特に3μ-0.07μの範囲であり、最も好ましくは1μ-0.07μの範囲であることを特徴とする、請求項1-8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 段階h)で成形したフィルムを縦方向に2つに分け、これらを回転ダイプラントに、特に同じ距離にわたって且つ同一速度で、別々に供給し、熱シールした軟質カプセルの2つに分けたものが同一プレヒストリー(pre-history)を受ける、すなわち段階h)で同時且つ平行してフィルムに成形されることを特徴とする、請求項1-9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 段階a)-h)を2つの異なる工程ゾーンで平行して行い、回転ダイ法において熱シールした軟質カプセルの2つに分けたものが2種類の異なる工程ゾーンに由来する2種類のフィルムからなっていることを特徴とする、請求項1-10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 軟質カプセルの成形体が請求項1-11のいずれか一項に記載の方法によって製造されることを特徴とする、成形体、特に軟質カプセル。
  13. 軟質カプセルを制御放出用途に用いることを特徴とする、請求項1-12のいずれか一項に記載の軟質カプセル。
  14. 成形体または軟質カプセルの少なくとも1層が、好ましくは請求項1-13のいずれか一項に記載の方法によって製造した澱粉ゲルからなることを特徴とする、多層成形体、特に多層軟質カプセル。
  15. 最大厚みが0.3mmのフィルム形態の軟質カプセル殻であって、このフィルムを乾燥し、この状態で最大43%の空気水分量を有する大気中に室温で置き、フィルムの重量が最早変化せず且つフィルムの水分含量がW43となるまでそこに貯蔵した後、且つ次にフィルムを少なくとも90%の空気水分量を有する大気中に室温で置き、重量が最早変化せず且つフィルムの水分含量がW90となるようにした後、水含量の差W90-W43が重量%で3%-25%であり、好ましくは3%-20%であり、更に好ましくは3%-17%であり、特に3%-13%であり、最も好ましくは3%-10%であり、最も特別には3%-7%であることを特徴とする、好ましくは請求項1-14のいずれか一項に記載の軟質カプセル殻。
  16. 散乱角3°< 2θ < 37°の間で、7-14重量%の水を含む試料の広角X線回折曲線の非晶質画分から結晶性画分を分離することによって得られた結晶性画分が15%-100%であり、好ましくは25%-100%であり、更に好ましくは35%-100%であり、特に45%-100%であり、最も好ましくは60%-100%であることを特徴とする、好ましくは請求項1-15のいずれか一項に記載の軟質カプセル殻。
  17. 軟質カプセル殻が単相の透明な澱粉ゲル、特に回転ダイ法によって製造されたものからなることを特徴とする、好ましくは請求項1-16のいずれか一項に記載の軟質カプセル。
  18. 軟質カプセル殻が添加剤の形態での耐性澱粉であって、特に、重量%での画分が1%-70%であり、好ましくは3%-50%であり、最も好ましくは5%-45%であるものを含むことを特徴とする、好ましくは請求項1-17のいずれか一項に記載の軟質カプセル。
  19. 軟質カプセル殻がプレバイオティック効果(prebiotic effect)を有し、および/または類似する軟化剤含量を有するTPS軟質カプセル殻と比較して10%-95%低く、好ましくは20%-95%低く、最も好ましくは30%-95%低いグリセアミック指数を有することを特徴とする、好ましくは請求項1-18のいずれか一項に記載の軟質カプセル。
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