JP2011522840A - アミロイドーシス治療のための化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アルツハイマー病を含むβ-アミロイドーシスの治療におけるミモトープの使用に関連し、ここで該ミモトープは、APPシグナルの生理学的機能を妨害することなく
インビボで、非切断型Aβ1-40/42、及びN-末端を切断した形態のAβpE3-40/42、Aβ3-40/42、Aβ11-40/42、AβpE11-40/42及びAβ14-40/42に向けられた抗体形成を誘導する。

Description

本発明は、β-アミロイド形成及び/又は凝集(β-アミロイドーシス)に関連する疾患の予防、治療及び診断に関する。より具体的には、本発明は、β-アミロイド、及びN-末端を切断した、及び/又は翻訳後修飾されたβ-アミロイド断片に対する免疫反応を引き起こす新しいミモトープ、及び該ミモトープ及びAβペプチドを認識する新しい抗体の、β-アミロイド形成及び/又は凝集に関連する疾患の予防、治療及び診断のための使用を提供する。
様々な変性疾患が、プロテイノパチーと呼ばれるタンパク質の異常なポリマーか及び凝集によって特徴づけられる。本発明は、β-アミロイドーシスという用語でまとめられるβ-アミロイドタンパク質に関連するプロテイノパチーの予防、治療及び診断に関する。β-アミロイドーシスの最も有名な形態は、アルツハイマー病(AD)である。以下に限られないが、他の例には、レビー小体型認知症及びダウン症を伴う認知症がある。
ADは、ヒトの認知症に最もよくある形態である。これまで、ヒトの患者において進行性の神経変性及び関連する認知力の低下を停止させる有効な治療薬は見出されていない。ADは、広く星状細胞増加症及びミクログリオーシス、並びにジストロフィー神経及び神経喪失に密接に関連する細胞外アミロイド斑の異常な凝集により特徴づけられる。これらのアミロイド斑は、主に、アミロイド前駆体タンパク質(APP)に由来するアミロイド-β(Aβ; APP由来(gi:112927)ペプチドAβ40及びAβ42からなり、ここでAPPは神経系の様々な細胞型において発現される。Aβペプチドは、直接ADの病原及び進行に関与していると考えられている。結果として、脳におけるAβ負荷の減少が、AD患者において疾患の進行を遅らせる又は停止させ、また認知力の低下を停止させると予見されている。
APPは通常2つの開裂ステップを経てプロセシングを受け、既知のAβx-40/42/43を形成する。最初の開裂は、アミロイド前駆体タンパク質βサイト切断酵素1及び2(BACE1及びBACE2)により行われる;第2のタンパク分解ステップはγセクレターゼ複合体により行われる。
BACE酵素は、推定されるAβペプチドのN-末端部分の2つの部位を認識し、BACEのタンパク分解活性によりそれぞれAβ1-X及び11-Xが形成される。それゆえ、BACE介在性APPプロセシングは、全長Aβ1-40/42を主要な産物とした様々な異なるAβ種を生じさせる。γセクレターゼ活性により、Aβ1-40/42/43の3つの主要な断片を生じる。一旦これらのペプチドが生産されると、それらは、さらにアミノペプチダーゼによってさらに修飾され、段階的に分解される。これらのさらなるステップは、他の形態、例えばAβ3-40/42を生成する。
APPプロセシングに関与するタンパク質分解酵素の第3のファミリーは、αセクレターゼファミリーと呼ばれる(ADAM(「ディスインテグリン及びメタロプロテアーゼ」)ファミリー)。α-セクレターゼは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)をその膜貫通領域において切断し(Aβペプチド配列においてアミノ酸配列16及びアミノ酸配列17の間)、Aβペプチドの形成を阻止する。それゆえ、α-セクレターゼ開裂は、非アミロイド原性APPプロセシングにおいて決定的なステップとなる。特にα-セクレターゼ開裂によって放出された形態をsAPPαと呼ぶ。sAPPαは、APPのほとんどの生理学的機能を介在するのに必要であり、シグナル伝達分子としてふるまうと考えられている。脱落エクトドメインが培養線維芽細胞の成長において役割を果たすことを科学的根拠は示唆している。sAPPは培養一次ニューロンにおいて神経保護作用を有し、グルコース飢餓状態により引き起こされるグルコース細胞内Ca2+レベルの上昇を抑え、興奮毒性のグルタミン酸の閾値を上昇させ、並びに軸索及び樹枝状成長を介在することが見出された。
ヒトにおいては、アミロイド斑物質の平均60-85%が、N末端切断及びしばしば修飾されたAβ40/42誘導体により形成される。Aβレベル、変異及びBACE活性の観点からは、N-末端を切断したAβ種の相対的な量は様々である。Aβの切断型において最も多く存在するのは、Aβ3-40/42及びAβ11-40/42であり、切断型中、最大50%を構成すると考えられている。これは、これらのアイソフォームが、AD患者の脳における全てのアミロイドペプチドにおいて、25-40%を構成することを意味する。両ペプチドは、それぞれにN-末端にグルタミン酸残基を含有し、ここでこれはしばしば酵素的にピログルタミン酸に変換され、それぞれAβ3(pE)-40/42及びAβ11(pE)-40/42を形成する。Aβ3(pE)及び11(pE)ペプチドのアミノ末端は内部ラクタムによってブロックされているため、これらはピログルタミン酸特異的酵素以外のアミノペプチダーゼによるタンパク分解作用からは保護されており、それゆえ組織内において安定して存在する。βアミロイドの2、3、4、5、6、7、8、9又は10位においてさらにN-末端を切断したアミロイド変異体がAD患者において検出される。これらの形態は、例えばメチル化のような、しばしば翻訳後修飾される。
神経組織において切断及び修飾ペプチドは、全長Aβよりも安定であることが以前に示されている。加えて、N-末端を切断したAβの形態は、無修飾Aβペプチドよりもアミロイド原性が高いため、それゆえ斑の形成を促進し、また培地中の神経並びにインビボ試験において投与した場合には神経毒性を示す。Aβの切断された形態は、ADの初期段階において、インビボにおいて個々の病原として作用する、Aβの広範な凝集においてすでに検出されている。これらの効果から、比較的アミロイド原性は少ないが明らかにより豊富な全長Aβペプチド沈着の種である核の中心としておそらく作用することにより、Aβx-40/42ペプチドは、続く斑の形成を開始及び/又は加速し得ることが示唆される。さらに、N-末端を切断したAβ種が、重症及び若年性の散発性及び家族性アルツハイマー病並びにダウン症の患者において関わっているという有力な証拠がある。そのような患者からのデータは、切断されたAβ種の早期形成と疾患の発症並びに進行をリンクすることを示唆している。まとめると、この発見は、インビトロ及びAD患者の脳の両方において示されたN末端の不均一性が、Aβ沈着から斑の形成を加速しうることを予見している。それゆえ、AβのN末端ドメインにおけるAPPの開裂をもたらすタンパク分解が、AD及び関連疾患の病原として非常に重要でありうる。
これらの発見を考慮すると、AD患者においてこれらのペプチド種の量を減少させることが疾患の進行を変化させ、毒性及び付随する認知力の低下を軽減するために重要であるようである。それゆえ最適なADワクチンは、生理学的APPシグナル、とりわけsAPPαの機能を妨害することなくAD患者の脳において最も顕著な、Aβ1-40/42、Aβ3-40/42並びにAβ3(p)E-40/42及びAβ11-40/42並びにAβ11(p)E-40/42に対して免疫反応を示す必要がある。
免疫療法は、全長Aβを標的とした有効で受動的免疫付与戦略はAβ斑の減少につながり、動物モデルにおける疾患の進行において有益な効果を与えた。マウスモデルにおいて用いた有効なワクチン化アプローチはすべて、全長Aβ40/42又はAβの野生型配列を含む断片である。
しかし、最初の全長Aβ42を用いたAD患者に対するワクチン接種による第IIa相臨床試験における自己反応性T細胞の脳浸潤を含む神経炎症性の副作用により中止した(Nicoll, J.A. et al. 2003 Nat Med 9:448-452; Bayer, A.J., et al. 2005 Neurology 64:94-101)。にもかかわらず、AN-1792の患者における臨床効果研究は、髄膜脳炎を起こしていないAβ42に対して抗体反応を示した患者は、非奏功者に比べて認知力の試験において良好な結果を示し、免疫療法がADにおける治療アプローチとして有効であり得ることを示した。
最も重要なことは、AN1792ワクチン接種を経た患者の検視から得られた近年の結果であるが、脳における全長Aβ種は消失したが、N-末端を切断したAβは残留した(Nicoll, J.A., et al. 2006 J Neuropathol Exp Neurol 65:1040-1048)。このことは、全長Aβ並びにこの分子のN-末端を切断した及び修飾型を標的とした新規なワクチンの開発が必要であることを強調する。
ヒトAβ40/42ペプチドに対する免疫反応を誘導することにより、AD患者における認知力の低下を妨げることができるが、安全なアルツハイマー病ワクチンは自己反応性T細胞が形成されないものでなければならない。免疫反応がAβだけを標的としていないため、野生型Aβ40/42ペプチド又はその断片を用いたワクチン接種は、患者において自己免疫疾患を誘導する内因性のリスクがある。
本発明の目的は、アルツハイマー病を治療及び/又は予防するために用いられ得る化合物及び薬剤を提供することにある。これらの化合物は、個体に投与された場合に、自己免疫疾患を誘導することが全くない又はリスクが顕著に減少されたものである。本発明の異なる目的としては、該化合物が、通常アミロイド沈着物の主な成分である切断及び/又は安定化したAβ形態を標的とした、インビボにおける抗体形成を誘導しうることである。
それゆえ本発明は、アミノ酸配列
(X1)mHX2X3X4X5FX6(X7)n (式II)
(ここで、
X1は、セリン(S)、スレオニン(T)、又はシステイン(C)、
X2は、グルタミン(Q)、スレオニン(T)、又はメチオニン(M)、
X3は、リジン(K)、又はアルギニン(R)、
X4は、ロイシン(L)、又はメチオニン(M)、
X5は、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、フェニルアラニン(F)、又はイソロイシン(I)、
X6は、アスパラギン(N)、グルタミン酸(E)、アラニン(A)、又はシステイン(C)、
X7は、システイン(C)であり、
n及びmは、独立して0又は1であり、
該化合物は、アルツハイマー病の予防及び/又は治療のための薬剤を生産するための、アミノ酸配列HQKLVF及び/又はHQKLVFFAEDを含むアミロイド-β-ペプチド(Aβ)のエピトープに特異的な抗体に結合能のある化合物である。)
を含む化合物の少なくとも1つの使用に関する。
本発明は、野生型Aβペプチドの配列を含まないが、国際公開第2004/062556号パンフレットに記載されているようなミモトープにより検出されないAβのネオエピトープの構造をミミックした抗原に言及する。そのようなミモトープベースのADワクチンは、それゆえ親構造ではなく、上述の病原Aβ分子とのみ排他的に抗体反応を起こす。重要なことは、これらのミモトープによって誘導された免疫反応は、全長APP及び分泌されたAPPα(sAPPα)と相互作用せず、それゆえワクチン接種は、両分子の正常な生理学的機能を保つ。さらに、ミモトープはT細胞の自己エピトープ能を持たず、有害な自己反応性T細胞の誘導を避けることができる。
驚いたことに、式Iのアミノ酸配列を含む化合物は、非切断Aβ形態であるAβ1-40/42、及びN-末端を切断した形態、例えばAβ3-40/42、Aβ(pE)3-40/42、非修飾Aβ11-40/42、修飾Aβp(E)11-40/42及びAβ14-40/42、及びまたさらにN-末端を切断した及びAβの2、4、5、6、7、8、9、又は10位で開始される、翻訳後修飾されたアミロイド変異体というような抗体のインビボ形成をそれぞれ誘導することができる。重要なことは、これらのミモトープは、ネオエピトープに交差反応をせず、それゆえAPPからの開裂後sAPPαに存在する通常のsAPPαシグナルを妨害しない。
本発明の分子のワクチン接種により形成された抗体(ミモトープ)は上にリスト化したAβ断片に結合する結果、Aβ斑の分解を生じた。
式I及びII及び本明細書中の全ての他のペプチド分子は、Aβペプチド及びその変異体Aβ1-40/42、AβpE3-40/42、Aβ3-40/42、及びAβ11-40/42、AβpE11-40/42及びAβ14-40/42を天然由来の化合物をミミックしており、それゆえアミノ酸配列を含む化合物は各抗体の形成を誘導することができる。追加的に、2、4、5、6、7、8、9又は10位におけるN末端切断型及び翻訳後修飾型アミロイド変異体もそのような抗体によって検出される。
本明細書中「β-アミロイドーシス」は、プロテイノパチーと呼ばれる、特異的タンパク質による異常なポリマー化及び蓄積により特徴づけられる、様々な変性疾患をいう。本発明は、用語β-アミロイドーシスのもとにまとめられるβ-アミロイドタンパク質に関連するプロテイノパチーの予防、治療及び診断に関する。β-アミロイドーシスの最も顕著な形態は、アルツハイマー病(AD)である。他の実施例には、以下に限られないが、レビー小体型認知症(Dementia with Lewy bodies)及びダウン症を伴う認知症がある。さらなる例としては、レビー小体型認知症(Lewy body dementia)、筋炎、孤発性封入体筋炎,アミロイド症を随伴した遺伝性脳出血(オランダ)、脳アミロイド血管症、Aβ関連血管炎がある。
式IIのアミノ酸配列を含む化合物の投与は、式Iのアミノ酸配列を含む化合物と同一のアミノ酸配列非切断型及び切断型及び翻訳後修飾により修飾された形態Aβに対して免疫反応を引き起こす。
本発明の好ましい具体的態様としては、SHTRLYF(C)、HMRLFFN(C)、SHQRLWF(C)、HQKMIFA(C)、HMRMYFE(C)、THQRLWF(C)、及びHQKMIF(C)からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するペプチドを含む化合物、好ましくは、SHTRLYF(C)、HMRLFFN(C)、HQKMIFA(C)、HMRMYFE(C)、THQRLWF(C)からなる群から選択される(全てインビボにおけるAβペプチドに向けた抗体形成を誘導できる)。
本発明のさらなる好ましい具体的態様としては、SHTRLYF(C)、SGEYVFH(C)、SGQLKFP(C)、SGQIWFR(C)、SGEIHFN(C)、HMRLFFN(C)、GELWFP(C)、HQKMIFA(C)、GEIWFEG(C)、GEIYFER(C)、THQRLWF(C)、GEIRFGS(C)、GEIKFDH(C)、又はGEIQFGA(C)、特にHQKMIFA(C)であるアミノ酸配列を有するペプチドを含む少なくとも1つの化合物である。
本発明の異なる態様としては、アミノ酸配列
(X1)mGX2X3X4FX5X6(X7)n (式I)
を有する化合物の少なくとも1つの使用であり、
ここで、
X1が、セリン(S)、アラニン(A)、又はシステイン(C)、
X2が、セリン(S)、スレオニン(T)、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)、又はメチオニン(M)、
X3が、イソロイシン(I)、チロシン(Y)、メチオニン(M)、又はロイシン(L)、
X4が、ロイシン(L)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)、トリプトファン(W)、バリン(V)、ヒスチジン(H)、チロシン(Y)、イソロイシン(I)、リジン(K)、メチオニン(M)、又はフェニルアラニン(F)、
X5が、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、アルギニン(R)、グルタミン酸(E)、イソロイシン(I)、グルタミン(Q)、アスパラギン酸(D)、プロリン(P)、トリプトファン(W)、又はグリシン(G)、
X6が、いかなるアミノ酸残基であってもよい。
X7が、システイン(C)、
m及びnは、それぞれ独立して0又は1であり、
該化合物が、アルツハイマー病の予防及び/又は治療のための薬剤を製造するための、アミノ酸配列HQKLVF及び/又はHQKLVFFAEDを含むアミロイド-β-ペプチド(Aβ)のエピトープに特異的抗体への結合能を有することである。
本発明の好ましい態様としては、SGEYVFH(C)、SGQLKFP(C)、SGQIWFR(C)、SGEIHFN(C)、GQIWFIS(C)、GQIIFQS(C)、GQIRFDH(C)、GEMWFAL(C)、GELQFPP(C)、GELWFP(C)、GEMQFFI(C)、GELYFRA(C)、GEIRFAL(C)、GMIVFPH(C)、GEIWFEG(C)、GDLKFPL(C)、GQILFPV(C)、GELFFPK(C)、GQIMFPR(C)、GSLFFWP(C)、GEILFGM(C)、GQLKFPF(C)、GTIFFRD(C)、GQIKFAQ(C)、GTLIFHH(C)、GEIRFGS(C)、GQIQFPL(C)、GEIKFDH(C)、GEIQFGA(C)、GELFFEK(C)、GEIRFEL(C)、GEIYFER(C)、SGEIYFER(C)、AGEIYFER(C)、及び(C)GEIYFERからなる群から選択されるeアミノ酸配列を有するペプチドを含む化合物である。
本発明の特に好ましい化合物は、上に同定されたアミノ酸配列を含む(comprise)又はからなり(consist of)、ここで該ペプチドのC-末端はシステイン残基を含んでいても含んでいなくてもよく(()を使用して特定した)、それにより化合物が例えば担体分子に結合しうる。しかし、またシステインを介して該ペプチドのN-末端に結合することももちろん可能である。
本発明の特に好ましい態様としては、アミノ酸配列が、GELWFP(C)、GEIWFEG(C)、GEIYFER(C)、GEILFGM(C)、GEIKFDH(C)、GEIQFGA(C)(全て競合ペプチドである)及びGEIKFDH(C)、GEIRFGS(C)、SGQLKFP(C)、SGQIWFR(C)、SGEIHFN(C)、GELWFP(C)、GEIWFEG(C)、GEIYFER(C)、GEIQFGA(C)、及びSGEYVFH(C)(全て上述のAβペプチドへの抗体形成をインビボで誘導することができる)からなる群から選択されることである。
本発明の他の態様としては、AIPLFVM(C)、KLPLFVM(C)、QLPLFVL(C)及びNDAKIVF(C)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、アルツハイマー病の予防及び/又は治療のための薬剤を製造するための少なくとも1つの化合物の使用に関する。
本発明の各化合物は、Aβ40/42から誘導されたペプチド、例えばAβ1-40/42、及びN-末端を切断した形態、例えばAβ3-40/42、Aβ(pE)3-40/42、非切断型Aβ11-40/42、修飾Aβp(E)11-40/42及びAβ14-40/42を含み、これらに対してそれぞれインビボにおいて抗体形成を誘導することができる。本発明の化合物は、Aβのアミノ酸残基14ないし19に対して作成された抗体により単離されているため、本発明の化合物は、Aβペプチドから開始して、アミノ酸2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14位におけるAβペプチドの切断型に結合できる抗体形成を誘導しうる。それゆえこれらの化合物は、該化合物の少なくとも1つを投与することにより、主要なAβ型、例えばAβ1-40/42、AβpE3-40/42及びAβ3-40/42を認識することができる抗体を形成するので特にADの治療及び/又は予防に適している。さらにこれらのミモトープは、APPからの切断後のsAPPαにおけるネオエピトープに対し、交差反応を誘導しないため、通常のsAPPαシグナルを妨害しない。
本発明の化合物、特に本発明のペプチドはさらに、N-末端においてアシル化及び/又はアセチル化反応により修飾されていてもよい。例えば、特に好ましい化合物は、アミノ酸配列ACGEIYFER(C)を含んでいることである。
本発明は以下の図及び実施例によりさらに説明されるが、それに限定されるものではない。
図1はモノクローナル抗体MV-002の特異的ペプチド及び遺伝子組換えタンパク質への結合を示す。 図2は、β-アミロイド及びN-末端を切断した及び/又は翻訳後修飾されたβ-アミロイド断片のミモトープとの典型的な結合アッセイを示す。 図3は、β-アミロイド及びN-末端を切断した及び/又は翻訳後修飾されたβ-アミロイド断片のミモトープとの典型的な阻害アッセイを示す。 図4は、ミモトープのワクチン接種によって生じた免疫反応のインビボにおける特徴付けの例を示す(注入ペプチド/無関係なペプチド)。 図5は、アミロイドβ断片及びsAPPαに対するミモトープのワクチン接種により生じた免疫反応のインビボにおける特徴付けの例を示す。 図6は、全長Aβ40/42に対するミモトープのワクチン接種により生じた免疫反応のインビボにおける特徴付けの例を示す。 図7は、アミロイド斑により占められた面積を示す。水酸化アルミニウムでアジュバント化したミモトープワクチンとともにTg2576を皮下に1ヶ月ごとに6回注入した。コントロールのマウスはPBS-アラムのみを投与した。アミロイド斑により占められた面積は、コントロール群に対して示した。グループ1:コントロール群;グループ2:p4675を投与。
本発明において、用語「ミモトープ」は、エピトープの形態学上の等価性を有するコンホメーションを持つ分子である模倣体を言う。ミモトープは、抗体において、望ましい抗原の免疫特異的結合である抗原結合領域と同一の部位に結合する。ミモトープは、宿主において、抗原の模倣体として反応し免疫反応を示す。またミモトープは、エピトープ及び該エピトープに結合する抗体の関与するインビトロ阻害アッセイ(例えば、ELISAによる阻害アッセイ)においてエピトープの模倣体として競合基質として作用する。しかし、本発明のミモトープは、インビトロ阻害アッセイにおいて、エピトープの模倣体であるので、必ずしも阻害又は競合しなくてもよいが、ホ乳類に投与した場合、特異的免疫反応を誘導できるものである。
本明細書中、用語「エピトープ」は、特定の抗体分子によって認識される抗原の免疫原性領域を言う。一般に、抗原は1つ以上のエピトープを有し、それぞれが、特定のエピトープを認識する抗体を結合することができる。
本発明のミモトープは、単離されたペプチド又は他のペプチド又はポリペプチドの一部としてのいずれかとして、当該分野においてよく知られた化学合成法により合成して生産しうる。あるいは、ペプチドミモトープは、ペプチドミモトープを産生する微生物中でも生産され得、必要であればその後単離され、さらに精製される。ペプチドミモトープは、例えばバクテリア、酵母又は菌類、例えば哺乳類又は昆虫細胞の真核細胞、又は遺伝子組換えウイルスベクター、例えばアデノウイルス、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、セムリキ森林ウイルス、バキュロウイルス、バクテリオファージ、シンドビスウイルス又はセンダイウイルスにおいても生産しうる。ペプチドミモトープを生産するのに適切なバクテリアには、大腸菌、枯草菌又は、例えばペプチドミモトープを発現するペプチドなど、他のあらゆるバクテリアが含まれる。適切な酵母の型には、サッカロマイセス・セレヴィシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、カンジダ、メタノール資化酵母又はペプチドを発現できる他のあらゆる酵母が含まれる。対応する方法は当業者に知られている。また遺伝子組換えにより生産されたペプチドを単離及び精製する方法も当該分野においてよく知られており、それには例えば、ゲル濾過、アフィニティクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等が含まれる。
ペプチドミモトープの単離を促進するため、アフィニティクロマトグラフィーによる単離が可能な異種のポリペプチドペプチドに、ペプチドミモトープが翻訳により融合(共有結合)できるような融合ポリペプチドが作製される。典型的な異種のポリペプチドは、His-Tag(例えば、His6;6つのヒスチジン残基)、GST-Tag(グルタチオン-S-トランスフェラーゼ)等がある。融合ポリペプチドは、ミモトープの精製を促進するだけでなく、精製の間、ミモトープポリペプチドを分解から保護する。精製後、異種のポリペプチドを除去したい場合、融合ポリペプチドは、ペプチドミモトープと異種のポリペプチドの接合は開裂部位を含んでいてもよい。開裂部位は、当該部位のアミノ酸配列(例えば、プロテアーゼ)に、酵素特異的に開裂されるアミノ酸配列からなる。
また、本発明のミモトープは、それにより該部位にシステイン残基が結合できるように、N及び/又はC末端又はその付近で修飾されていてもよい。好ましい態様としては、末端部位に位置する(ペプチドのN及びC末端に位置する)システイン残基が、ジスルフィド結合によりペプチドを環化するために用いられることである。
また、本発明のミモトープは、特に免疫アッセイ及びキットといった様々なアッセイ及びキットに用いられ得る。それゆえ、ミモトープは他のペプチド又はポリペプチドの一部であることが特に好ましく、特に免疫アッセイにおいてレポーターとして用いられる酵素であることである。そのようなレポーター酵素は、例えば、アルカリホスファターゼ又は西洋ワサビペルオキシダーゼを含む。
本発明のミモトープは、好ましくはアミノ酸配列がAβ又はAβ断片のアミノ酸配列が変化している抗原性ポリペプチドである。この観点から、1つ以上の天然由来のアミノ酸残基のアミノ酸置換体だけでなく、1つ以上の非天然のアミノ酸(すなわち、20の「典型」アミノ酸でない)、又はそのような完全に非天然のアミノ酸から集められたものであるものを含みうる。さらに、Aβ1-40/42、AβpE3-40/42、Aβ3-40/42、Aβ11-40/42、AβpE11-40/42及びAβ14-40/42(及び、アミノ酸第2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12及び13位において開始される、N-末端を切断した他の形態のAβ)の抗体を誘導し、結合する独創的な抗原は、D-又はL-アミノ酸又はDL-アミノ酸の組み合わせを集めたものであり及び、任意に、さらに修飾、閉環反応又は誘導体化により変更されていてもよい。適切な抗体-誘導抗原は、市販のペプチドライブラリーから入手可能である。好ましくは、これらのペプチドは少なくとも7アミノ酸であり、好ましい長さは16までであり、好ましくは、14又は20アミノ酸残基である(例えば、5ないし16アミノ酸残基)。しかし本発明によると、長いペプチドも、よく抗体-誘導抗原として用いられる。さらに本発明のミモトープも、また本発明のミモトープもポリペプチドの一部をなし得、従ってN-及び/又はC末端に少なくとも1つのさらなるアミノ酸残基を含み得る。
本発明のミモトープ(すなわち、抗体-誘導抗原)の生産には、もちろんファージライブラリー、ペプチドライブラリーも適切であり、例えば、最も種々の構造をとる部分はコンビナトリアルケミストリーの手法によって生産され、又はハイスループットスクリーニング技術により得られる(Display: A Laboratory Manual by Carlos F. Barbas (Editor), et al.; Willats WG Phage display: practicalities and prospects. Plant Mol. Biol. 2002 Dec.; 50(6):837-54)。
さらに本発明には、核酸(「アプタマー」)に基づく抗-Aβ1-40/42-、-AβpE3-40/42-、-Aβ3-40/42-、-Aβ11-40/42-、AβpE11-40/42-、及びAβ14-40/42-抗体-誘導抗原が用いられ得、これらは最も多様な(オリゴヌクレオチド)ライブラリー(例えば、2-180核酸残基)により得られる(例えば、Burgstaller et al., Curr. Opin. Drug Discov. Dev. 5(5) (2002), 690-700; Famulok et al., Acc. Chem. Res. 33 (2000), 591-599; Mayer et al., PNAS 98 (2001), 4961-4965、等がある)。核酸に基づく抗体-誘導抗原においては、核酸骨格は、例えば、ホスホジエステル又はホスホロチオエート化合物により、又は本発明においては塩基としては、主としてU、T、A、C、G、H及びmCが用いられうるが、その組み合わせ又は化学種(例えば、PNA)によって提供される。本発明において好ましいヌクレオチドの2’-残基は、H、OH、F、Cl、NH2、O-メチル、O-エチル、O-プロピル又はO-ブチルが用いられ得、ここで核酸は、また異なって修飾されていてもよく、すなわち、オリゴヌクレオチド合成には通常用いられるように、例えば保護基によって修飾されていてもよい。それゆえ、アプタマーベースの抗体-誘導抗原は、また本発明の範囲に含まれる好ましい抗体-誘導抗原である。
本発明の好ましい態様としては、化合物は医薬的に許容される担体と結合していることであり、好ましくはKLH(キーホールリンペットヘモシアニン)、破傷風トキソイド、アルブミン-結合タンパク質、ウシ血清アルブミン、デンドリマー(MAP; Biol. Chem. 358: 581)、ペプチドリンカー(又は隣接領域)、並びに、Singh et al. Nat. Biotech. 17 (1999), 1075-1081 (特にその文献の表1)、及びO’Hagan et al., Nature Reviews, Drug Discovery 2 (9) (2003), 727-735(特にその中に記載されている内因性免疫賦活物質及び送達システム)に記載されているアジュバント物質、及び他の物質又はそれらの混合物である。この文脈において結合化学(例えば、ヘテロ二官能性化合物、例えばGMBS、及び「Bioconjugate Techniques」, Greg T. Hermansonに記載されているその他も当然に含み、それらを介して)は、当該分野における熟練者に知られている反応から選択され得る。さらに、ワクチン組成物はアジュバントとともに製剤化され得、好ましくは、低溶解性アルミニウム組成物、特に水酸化アルミニウムである。また、もちろん、MF59リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、サイトカイン(例えば、IL-2、IL-12、GM-CSF)、サポニン(例えば、QS21)、MDP誘導体、CpGオリゴヌクレオチド、LPS、MPL、ポリホスファゼン、乳剤(例えば、フロイント(Freund’s)、SAF)、リポソーム、ビロソーム、免疫刺激複合体、コクリエート、PLG微粒子、ポロキサマー粒子、ウイルス様粒子、易熱性エンテロトキシン(LT)、コレラ毒素(CT)、変異毒素(mutant toxins)(例えば、LTK63、及びLTR72)、微小粒子及び/又は重合リポソームのようなアジュバントも用いられ得る。
本発明の化合物は、好ましくは、NHS-ポリ(エチレンオキシド)(PEO)(例えばNHS-PEO4-マレイミド)からなる群から選択されるリンカーを介して担体又はアジュバントに結合する。
本発明の化合物(ミモトープ)及び医薬的に許容される担体を含むワクチンは、例えば、皮内、静注、腹腔内、筋肉内、鼻腔内、経口、皮下等のあらゆる適切な投与様式、及びあらゆる適切な送達装置(O’Hagan et al., Nature Reviews, Drug Discovery 2 (9), (2003), 727-735)により投与されうる。本発明の化合物は、好ましくは、静脈内、皮下、皮内、又は筋肉内投与(例えば「Handbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations」, Sarfaraz Niazi, CRC Press Inc, 2004参照)として製剤化される。
本発明の薬剤(ワクチン)は、0.1ngないし10mg、好ましくは、10ngないし1mg、特に100ngないし100μg、又はあるいは、例えば100fmolないし10μmol、好ましくは、10pmolないし1μmol、特に100pmolないし100nmolで本発明の化合物を含んでいてもよい。また、典型的には、ワクチンは、例えば緩衝剤、安定剤等の補助物質を含んでいてもよい。
本発明の他の態様としては、シヌクレイノパチーの症状を治療及び/又は緩和するための上述の化合物の使用に関する。
驚くべきことに、本発明の化合物は、シヌクレイノパチーに関連する症状も治療及び緩和することがわかった。
アミロイドーシス及びシヌクレイノパチーは、それぞれβ-アミロイド及びα-シヌクレインが脳に蓄積することと関連がある。ある患者は、両方の疾患の臨床的及び病理的特徴を示し、病理経路の重複の可能性を上昇させる。またこれらの患者は、レビー小体型認知症又は痴呆を伴うパーキンソン病(DLB/PDD)として新しく特定された疾患に罹患していると分類される。近年のDLB/PDDの遺伝子組み換え動物モデルにより、マウスにおける、α-シヌクレイン及びアミロイド前駆体タンパク質(hAPP)の両方の過剰発現は、コリン性神経喪失及びシナプス小胞の減少、広範なアミロイド斑の形成、及びhaSYN-免疫反応性神経線維封入体(immunoreactive intraneuronal fibrillar inclusions)に伴う認知及び運動性の変化の進行をもたらすことがわかった。これらの特徴は全てDLB/PDD症にも見られる。近年、両分子はインビトロにおいて、相互作用をし、ハイブリッドオリゴマーを形成する可能性があることが記載されている。また、APPの過剰発現が、α-シヌクレインの過剰発現の病理効果を悪化させうることも示された。対照に、α-シヌクレインは、アミロイドβペプチドの分泌及び毒性を促進し、それゆえβ-アミロイドの効果を増強させ、このことが神経変性プロセスの病理経路の重複という概念をサポートしている。
両プロテイノパチーにおいて、進行性のペプチドオリゴマーの蓄積が起こることが特定され、典型的にはシヌクレイノパチー又はアミロイドーシスのいずれかにおいて中枢への毒性のある現象の1つとして、様々な変化をもたらす。発症機序の類似性にもかかわらず、α-シヌクレイン及びAβは脳の完全性及び機能性においては異なった、並びに収斂性の病理効果があることが仮定されている。シヌクレインは認知機能よりも運動機能においてより深刻な影響を与えると考えられているのに対し、アミロイドβペプチドは逆の効果があると記載されている。相違の違いの理由は現在のところ知られていないが、両分子の相互依存及び効果の明確な記載はなされていない。
本発明の治療アプローチは、主として細胞外アミロイドを除去するためのAβを標的とした免疫療法である。それゆえ、斑の沈着から神経細胞死並びに記憶障害及び認知力の低下におけるアミロイド関連性の変性を緩和すると考えられている。しかし、シヌクレインの細胞内局在は、これらの細胞内タンパク質は主としてシナプス、特にシナプス小胞に限定して働くことを示唆している。また興味深いことに、病理的にシヌクレイノパチーに統一された顕著な特徴であるシヌクレインの蓄積は主に細胞内で検出される。加えて、シヌクレイノパチーの根本的な病理メカニズムは、ミトコンドリアの機能不全、タンパク質の異常な折りたたみの蓄積、ユビキチン化又はホスホリル化並びにαシヌクレインの蓄積のような神経内変化に起因すると考えられている。これらの変化は結果的にシナプス機能の変化、シナプス機能障害及びドパミン作動性ニューロンの喪失、及びシヌクレイノパチーの古典的な臨床的兆候をもたらす。対照的にAβは主として神経細胞外において見られ、アミロイド斑並びに原線維、前原線維及びβアミロイドのオリゴマーは、細胞外又は脳内に適用された場合には、神経毒機能を発揮する。それゆえ、細胞外アミロイドを主として標的として、PDのようなシヌクレイノパチーの症状を軽減させようとするアプローチは、主として以下に記載する典型的な症状を導く細胞内プロセスに影響を与えることは専門家にとって驚きである。さらに驚いたことに、主として細胞内で起こる重複する両分子の効果は、2つのタンパク質により直接の相互作用に起因していると、現在のところ信じられている。
本発明において用語「シヌクレイノパチー」とは、病的なシヌクレイン凝集によって特徴づけられる全ての神経変性疾患を含む。複数の神経変性疾患には、パーキンソン病(PD)、レビー小体病(LBD)、広範性レビー小体病(DLBD)、レビー小体型認知症(DLB)、痴呆を伴うパーキンソン病(PDD)、多系統萎縮症(MSA)、及び脳内の鉄蓄積を伴うI型神経変性(I型NBIA)からなる群から選択される、まとめてシヌクレイノパチーとしてグループ化される。
本明細書中「シヌクレイノパチーの症状」とは、シヌクレイノパチー、特にパーキンソン病の症状であり、該疾患に罹患している患者の運動性及び非運動性の行動を言う。「運動症状」は、静止時振戦、動作緩慢、硬直、姿勢の不安定、前屈姿勢、ジストニア、倦怠感、細かい動きの機敏さ及び運動協調性の障害、粗大運動協調性の障害、動きの欠如(腕の振りの減少)、静座不能、会話障害、筋肉の制御の欠如による声の柔らかさの欠如又は不明瞭な発語、顔の表情の欠如、又は「マスキング(masking)」、小字症、嚥下困難、性機能障害、涎等を含む。「非運動」症状は、疼痛、認知症又は錯乱、睡眠障害、便秘、皮膚障害、鬱、恐怖又は不安、記憶困難及び思考力の低下、尿障害、疲労及び痛み、活力の喪失、強迫行動、けいれん等を含む。
本発明の好ましい態様としては、シヌクレイノパチーは、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、及び脳への鉄蓄積を伴う神経変性からなる群から選択される。特に好ましい態様としてはパーキンソン病がある。
本発明の他の態様としては、SHTRLYF(C)、SGEYVFH(C)、SGQLKFP(C)、SGQIWFR(C)、SGEIHFN(C)、GQIWFIS(C)、NDAKIVF(C)、GQIIFQS(C)、GQIRFDH(C)、HMRLFFN(C)、GEMWFAL(C)、GELQFPP(C)、GELWFP(C)、SHQRLWF(C)、HQKMIFA(C)、GEMQFFI(C)、GELYFRA(C)、GEIRFAL(C)、GMIVFPH(C)、GEIWFEG(C)、GEIYFER(C)、AIPLFVM(C)、GDLKFPL(C)、GQILFPV(C)、GELFFPK(C)、GQIMFPR(C)、HMRMYFE(C)、GSLFFWP(C)、GEILFGM(C)、GQLKFPF(C)、KLPLFVM(C)、GTIFFRD(C)、THQRLWF(C)、GQIKFAQ(C)、GTLIFHH(C)、GEIRFGS(C)、GQIQFPL(C)、GEIKFDH(C)、GEIQFGA(C)、QLPLFVL(C)、HQKMIF(C)、GELFFEK(C)、GEIRFEL(C)、AcGEIYFER(C)、SGEIYFER(C)、AGEIYFER(C)及び(C)GEIYFERからなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドに関する。括弧書を用いて示したとおり、本発明のペプチドはC-又はN-末端においてシステイン残基を含んでいても含んでいなくてもよい。また、結果的に本発明は、以下のアミノ酸配列まで包含する:SHTRLYF、SGEYVFH、SGQLKFP、SGQIWFR、SGEIHFN、GQIWFIS、NDAKIVF、GQIIFQS、GQIRFDH、HMRLFFN、GEMWFAL、GELQFPP、GELWFP、SHQRLWF、HQKMIFA、GEMQFFI、GELYFRA、GEIRFAL、GMIVFPH、GEIWFEG、GEIYFER、AIPLFVM、GDLKFPL、GQILFPV、GELFFPK、GQIMFPR、HMRMYFE、GSLFFWP、GEILFGM、GQLKFPF、KLPLFVM、GTIFFRD、THQRLWF、GQIKFAQ、GTLIFHH、GEIRFGS、GQIQFPL、GEIKFDH、GEIQFGA、QLPLFVL、HQKMIF、GELFFEK、GEIRFEL、SGEIYFER、及びAGEIYFER。
本発明の好ましい態様としては、本発明のペプチドは医薬的に許容される担体、好ましくはKLH(キーホールリンペットヘモシアニン)と結合していることである。
さらに本発明の他の態様としては、本発明の少なくとも1つのペプチドを含む製剤、好ましくはワクチンに関する。該医薬製剤は、アルツハイマー病に罹患した個体の治療又は個体におけるAβ斑の形成を妨げアルツハイマー病となることを防ぐために用いられ得る。
方法
本発明のミモトープの同定のために用いた抗体は、Aβから得られたアミノ酸配列を検出するが、全長ヒトAPPは結合しない。検出された配列は、EVHHQKLVFFAED(=Aβの原エピトープアミノ酸配列11-24)及びp(E)VHHQKLVF(p4374=N-末端においてピログルタミン酸修飾されたAβの原エピトープアミノ酸配列11-19)を含む。抗体は、モノクローナル又はポリクローナル抗体製剤、又はそれらのいかなる抗体の部分であってもよいが唯一の必要条件としては、上述したエピトープ(ヒト由来のAβ)の少なくとも1つの抗体分子を特異的に認識するが、全長ヒトAPPには結合しないことである。
ミモトープは、同定され、及びさらに、モノクローナル抗体及びペプチドライブラリーによって特徴づけられる。
実施例1: β-アミロイド及びN-末端を切断した及び/又は翻訳後修飾されたβ-アミロイド断片を特異的に検出するモノクローナル抗体の産生。
Alz-9の融合試験から誘導されたモノクローナル抗体:C57/Bl6マウスを、KLH(キーホールリンペットヘモシアニン)に結合した原AβエピトープHQKLVFC及びアジュバントとしてのアラム(水酸化アルミニウム)を用いて繰り返し免疫化した:p4377ペプチド特異的、抗体産生ハイブリドーマをELISA(p4377-ペプチドコートしたELISAプレート)によって検出した。ヒトAβ40/42(遺伝子組換えタンパク質)をポジティブ・コントロール・ペプチドとして用いた:ペプチド全長α-シヌクレインの両方に特異的に結合するため、ELISAに固定された遺伝子組換えタンパク質を認識するハイブリドーマが含まれる。p1454(ヒトAβ33-40)は、ネガティブコントロールペプチドとして用いた。さらにハイブリドーマはp4374、p1323及びsAPPαを試験した。2つの異なるシヌクレイン・タンパク質を区別しないため、ELISAプレートに固定された遺伝子組換えタンパク質を認識するハイブリドーマは含まれない。sAPPαも確かめた。さらなる抗体産生には、p4374、及びp1323のみと結合し、sPPαとは結合しないハイブリドーマを用いた。
ハイブリドーマクローンMV-002(内部名A115; IgG2b)を、それぞれp1323、p4374、p4377、p1454、Aβ及びsAPPαの特異的検出のために精製し分析した。MV-002はELISAにおいてエピトープp1323並びにp4377及び全長Aβタンパク質(遺伝子組換えタンパク質; Bachem AGより入手, Bubendorf, Switzerland)を認識した。しかし、ELISAにおいてp1454は検出しなかった。さらに、MV-002抗体は、sAPPαを検出しなかったが、Aβ11-19においてピログルタミン酸バージョンであるペプチドp4374に特異的に結合した。
実施例2: ファージ提示法、インビトロでの結合性及び阻害性(ELISA)
この実施例において用いたファージディスプレーライブラリーは、Ph.D. 7: New England BioLabs E8102L(直線7量体ライブラリー)である。ファージ提示法は、製造者のプロトコール(www.neb.com)に従い行った。
2又は3の連続のピックアップにより、1つのファージクローンを選択し、及びファージ上清を、ピックアップ過程において用いた抗体でコーティングしたプレートで、ELISAにかけた。このELISAにおいて陽性であったファージクローン(標的には強いシグナルを示したが、非特異的コントロールにはシグナルを示さなかったもの)の配列を決定した。DNA配列から、ペプチド配列を推定した。これらのペプチドを合成し、及びELISAにより結合性及び阻害性により特徴づけた。いくつかのペプチドには追加のアミノ酸がC末端に結合している。加えて、スクリーニングにおいて同定したミモトープの結合配列情報から、いくつかの新規なミモトープを作製し、ミモトープのワクチン化のためのコンセンサス配列の同定のサポートとして用いた。
1. インビトロにおける結合アッセイ(ELISA)
ファージディスプレー並びにそれらの変異体から誘導されたペプチドをBSAに結合し、ELISAプレート(それぞれの図に示す通り1μM)に結合させ、続いて、同定されたペプチドの結合能の分析のためのスクリーニングプロセスに用いたモノクローナル抗体とともに培養した。
2. インビトロにおける結合阻害アッセイ(ELISA)
スクリーニングプロセスにおいて用いたモノクローナル抗体とともに、ファージディスプレーから得られた量の異なるペプチド(それぞれ図に示す通り、濃度範囲5μgないし0.03μg(段階希釈))を培養した。その後、結合する抗体の量を減少させるペプチドを、このアッセイにおいて阻害することであるとする。
実施例3: ミモトープのインビボ試験:免疫原性及び交差反応性の分析
1. ミモトープのインビボ試験
阻害並びに非阻害性ペプチドをKLHに結合させ、適切なアジュバント(水酸化アルミニウム)とともにマウス(野生型C57/Bl6マウス;脇腹への皮下注射)に注入した。動物は、隔週の間隔で3-6回ワクチン接種し、血清も隔週で採取した。各血清について、注入ペプチド並びに無関係なペプチドの抗体力価を決定した。さらに、ELISAプレートに固定した遺伝子組換えヒトAβタンパク質及び原ペプチドについて、それぞれに対する抗体力価決定した。一般に血清は、ウシ血清アルブミン及び遺伝子組換え全長タンパク質に反応させて抗ペプチド反応により分析される。抗体力価は、抗マウスIgG特異的抗体を用いて決定した。結果の詳細は図4、5及び図6に示す。
2. 結果
2.1. N-末端切断型及び修飾型Aβ特異的モノクローナル抗体の同定:
図1は、Alz-9試験において得られた、全長Aβ及びE11及びH14において切断されたAβ断片及びE11ないしpE11において修飾されたAβ断片に特異的なモノクローナル抗体MV-002(内部名A115; IgG2b)の特徴を示す。
2.2. AβのN末端切断型及び修飾型を標的とした特異的mABによるスクリーニング:
2.2.1. ファージディスプレーライブラリーPh.D.7
2.2.1.1. p1323に対するモノクローナル抗体のスクリーニング
PhD7ファージディスプレーライブラリーをスクリーニングし、このスクリーニングにより、47配列が同定された:表1は、ペプチドの同定及び原エピトープと比較したそれらの結合能の概略を示す。
Figure 2011522840

Figure 2011522840
表1の凡例:結合能は以下の結合コードで表した: 1:Xは、親抗体の希釈因子を示す。Ac-はアセチル化アミノ酸を示す。
Figure 2011522840
2.3. インビトロにおける、ファージディスプレーライブラリーによるスクリーニングにおいて、モノクローナル抗体を用いて同定されたN末端切断型及び修飾型Aβに対するミモトープの特徴:
図2及び3は、インビトロにおける結合及び阻害アッセイによる代表例を示す。得られたデータは、それぞれ表1及び2に概説する。
MV-002ミモトープ:インビトロにおける競合阻害試験において、47配列のうち11配列がモノクローナル抗体MV-002の結合を阻害した。残りの36配列はインビトロにおける競合阻害試験において、特異的モノクローナル抗体の結合を阻害しなかったが、なお、親抗体に対する結合能は保っていた(表2)。重要なことは、親抗体にインビトロで結合するための原エピトープにおいて競合することは、図4-6に記載したとおり、インビボで免疫反応の交差反応性を有することが必要条件ではないということである。それゆえ、脳からのアミロイドペプチドのクリアランスを導くことのできる、インビボで免疫反応を誘導するペプチドを検出するためには、阻害だけでなく非阻害性ペプチドも用いられる。
Figure 2011522840
表2の説明:阻害能は以下の配列によってコードされている:
弱い阻害は、AB結合を低下させるのに、原エピトープよりも多くのペプチドが必要であることを意味する;強い阻害は、AB結合を低下させるのに、原エピトープと近い量のペプチドが必要であることを意味する。原ペプチドを標準としてミモトープと比較した。アッセイにおいて用いた5μgのペプチドによるODを、原ペプチドと比較して競合阻害能を計算するのに用いた。
Figure 2011522840
2.4. インビボにおける、アミロイドβに対するモノクローナル抗体のファージディスプレーライブラリーにおけるスクリーニングによって同定されたミモトープの特徴付け:
雌C57/Bl6マウス各群5-6匹を、KLHに結合させたペプチド30μgで皮下注射により免疫化した。コントロール群には原エピトープ-KLH結合体を投与した。アジュバントとしてはアラムを用いた(全て1mg/マウス)。投与したペプチドは、全て、モノクローナル抗体に特異的に結合することができたが、いくつかのペプチドは、その親抗体の原エピトープへの結合をインビトロで阻害しなかった(インビトロ結合阻害アッセイ)。インビトロのELISAアッセイによる抗体力価の決定は、単独のマウスの血清又は集めた血清(図5参照)により、それぞれのワクチン接種2週間ごとに行った(図6及び7をそれぞれ参照)。抗体力価は、全ての図においてOD半値(OD max/2)として計算した。ELISAプレートのウェルは、ミモトープ-BSA結合体及び無関係なペプチド-BSA結合体(ネガティブコントロール)によりコーティングした。ポジティブコントロールは、親抗体をミモトープ-BSA結合体と反応させて行った。検出は、抗マウスIgGで行った。さらに、遺伝子組換えタンパク質をELISAプレートに固定し、血清を反応させた。図4、5及び6は、インビボにおけるミモトープの特徴付けに用いられたアッセイの代表例を示す。示した結果は、p4670、p4675、p4680及びp4681のようなインビトロでの阻害アッセイにおいて活性なペプチドから得られたもの、及びインビトロで結合能を有しないペプチドp4403から得られたものをそれぞれ示す。
図4は、インビボにおけるミモトープのワクチン接種により誘導された免疫反応を、注入ペプチド及び関係のない配列を含む無関係なペプチドに対する免疫反応を分析することによって特徴付けた例である。実施例中、エピトープp4377、ミモトープp4670、p4675、p4680、p4681及びp4403は注入ペプチドに対して免疫反応を誘導したが、無関係な配列(p1454)に対する非特異的免疫反応は誘導しなかった。
図5は、親抗体(p4377)並びにAβ切断種から得られたペプチド(p1323及びp4374)及びsAPPα、それぞれの原エピトープに対する、ミモトープのワクチン接種により引き起こされた免疫反応のインビボでの特徴付けの例を示す。
p4377及びミモトープp4670、p4675、p4680、p4681及びp4403は、原エピトープp4377に対して検出可能な免疫反応を引き起こした。同様の現象が、p4374の修飾型において、交差反応性を分析していると検出される。興味深いことに、原エピトープ及びミモトープワクチンは、原エピトープの修飾型であるp4374に対して関連する抗体力価を示した。驚いたことにミモトープはp1323に対して、より効果的な免疫反応を生じさせることができるが、それが必須ではないようであり、これは原Aβ断片より広い免疫反応を示す可能性があることを示している。さらに、sAPPαに対しては検出されなかった。
図6は、全長Aβに対するミモトープワクチン接種により引き起こされた免疫反応の特徴である。驚いたことにMV-002を用いて選択されたミモトープは、抗体を作るための切断又は修飾型の短いエピトープだけでなく、全長Aβ、Aβの非修飾型、並びに原配列又はさらにはp4377まで交差反応性を引き起こした。
興味深いことに、競合性だけでなく非競合性ペプチドも原Aβ配列を含む、ペプチドと特異的に相互作用する同様の免疫反応を誘導することができることがわかった。それゆえ、本発明のミモトープは、AD患者の脳内において見られる天然由来のAβの広いスペクトルを標的とした最適な、新規なワクチンの候補を構成する。その形態には、Aβ1-40/42、及びN-末端を切断した形態Aβ3-40/42、Aβ(pE)3-40/42、非修飾型Aβ11-40/42、修飾型Aβp(E)11-40/42及びAβ14-40/42に限られない。重要なことは、本発明のミモトープもまたAPPから切り出されたsAPPαにおけるネオエピトープに対して交差反応を誘導しなかったため、通常のsAPPαシグナルを妨害しない(詳細は図5を参照)。
Figure 2011522840
表4は、MV-002由来のミモトープを用いた全長Aβに対するミモトープワクチン接種により引き起こされた免疫反応のさらなる例を示す。表4にリスト化したペプチドは全て、全長及び/又は切断型及び修飾型Aβ又はそれらの断片に対して特異的免疫反応を示した。
Figure 2011522840
2.5: 遺伝子組み換え動物におけるインビボにおける、AD様病変を減少させるためのミモトープの有効性(概念の証明のための分析)
Tg2576 ADマウスモデルを、ミモトープワクチンの前臨床での有効性を試験するために用いた。この遺伝子組み換え体は、ハムスタープリオンタンパク質(PrP)プロモーターによる制御のもと、タンパク質の過剰発現を生じる、アミノ酸670/671位においてスウェーデン型二重変異を有するヒトAPPを発現する。これは、現在AD研究において最も広く用いられている方法の1つである。Tg2576モデルは、疾患特異的である、アミロイド斑蓄積及び星状細胞増加を含む、AD病態の様々な特徴を有している。現在ある全ての他のADモデル系と同様、ADの全ての主要な神経病理学的特徴を反映しているわけではない。
ミモトープ処置により脳内Aβ蓄積を予防することができるかを評価するため、ペプチド-KLH複合体をアラム(アジュバント:水酸化アルミニウム)に吸着させた、又はPBSをアラム(PBS又はコントロールと呼ぶ)に吸着させたものを単独でTg2576マウスに毎月皮下注射を行い、投与した。最後の免疫化の8週間後、動物を安楽死させ、脳を収穫しAβ沈着(AD様病変)を分析した。マウスは深い麻酔のもとで安楽死させた。続いて、脳を単離し、4%PFA中で固定し、エタノールで段階的に脱水し、キシレン中で培養しパラフィン包埋した。パラフィン包埋した脳は、7μMにおいて切断ミクロトームを用いてスライスし、スライドガラスに乗せた。
Tg2576動物においてAD様病変であるかを評価する方法としては、動物の脳内においてアミロイド沈着により占有された相対領域を分析した。この分析は、自動化された面積認識プログラムを用いて行った。斑であるかを特定するため、スライス断片を(Aβ40/42特異的)モノクローナル抗体(mAb) 3A5で染色した。ミモトープ処置動物をコントロール動物と比較した。動物はすべて13.5-14ヶ月で安楽死させた。この分析のため、大脳皮質及び海馬をカバーしている3スライド/動物を選択し、ミラックスシステム(Mirax-system)(ツァイス(Zeiss))を用いて文書で記録した。アミロイド斑により占められた面積の計算には、得られた画像を調べ、我々は各スライドにつき、4つまでの個別のセクションを分析し、
不自然で異常な染色強度を有する部分を排除した。
MV002のミモトープについては、1つの例示的な候補について面積の分析をした:分析は、ペプチド-KLH複合体ワクチンを用いて、以下の繰り返しのワクチン接種により行われた。コントロール群の平均占有率は0.35%であったのに対し、ミモトープ処置動物が0.24%であった。これはミモトープ処置群のグループ2が31%の減少を生じたことと対応する。
それゆえ、このデータのセットは、ミモトープワクチン処置が遺伝子組み換え動物におけるAD様病変において有益であることを明らかに示している。

Claims (15)

  1. アミノ酸配列
    (X1)mHX2X3X4X5FX6(X7)n (式II)
    (ここで、
    X1は、セリン(S)、スレオニン(T)、又はシステイン(C)、
    X2は、グルタミン(Q)、スレオニン(T)、又はメチオニン(M)、
    X3は、リジン(K)、又はアルギニン(R)、
    X4は、ロイシン(L)、又はメチオニン(M)、
    X5は、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、フェニルアラニン(F)、又はイソロイシン(I)、
    X6は、アスパラギン(N)、グルタミン酸(E)、アラニン(A)、又はシステイン(C)、
    X7は、システイン(C)であり、
    n及びmは、独立して0又は1であり、
    該化合物は、アルツハイマー病の予防及び/又は治療のための薬剤を製造するための、 アミノ酸配列HQKLVF及び/又はHQKLVFFAEDを含むアミロイド-β-ペプチド(Aβ)のエピトープに特異的な抗体への結合能を有する。)
    を含む化合物の、少なくとも1つの使用。
  2. SHTRLYF(C)、HMRLFFN(C)、SHQRLWF(C)、HQKMIFA(C)、HMRMYFE(C)、THQRLWF(C)、及びHQKMIF(C)からなる群から選択されるペプチドを含むアミノ酸配列を有するペプチドを含む化合物であることにより特徴づけられる請求項1記載の使用。
  3. アミノ酸配列
    (X1)mGX2X3X4FX5X6(X7)n (式I)
    (ここで、
    X1は、セリン(S)、アラニン(A)、又はシステイン(C)、
    X2は、セリン(S)、スレオニン(T)、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)、又はメチオニン(M)、
    X3は、イソロイシン(I)、チロシン(Y)、メチオニン(M)、又はロイシン(L)、
    X4は、ロイシン(L)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)、トリプトファン(W)、バリン(V)、ヒスチジン(H)、チロシン(Y)、イソロイシン(I)、リジン(K)、メチオニン(M)、又はフェニルアラニン(F)、
    X5は、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、アルギニン(R)、グルタミン酸(E)、イソロイシン(I)、グルタミン(Q)、アスパラギン酸(D)、プロリン(P)、トリプトファン(W)、又はグリシン(G)、
    X6は、いかなるアミノ酸残基であってもよく、
    X7は、システイン(C)であり、
    m及びnは、それぞれ独立して0又は1であり、
    該化合物は、アルツハイマー病を含むβ-アミロイドーシスの予防及び/又は治療のための薬剤を製造するための、アミノ酸配列HQKLVF及び/又はHQKLVFFAEDを含むアミロイド-β-ペプチド(Aβ)のエピトープに特異的な抗体への結合能を有する。)
    を有する化合物の、少なくとも1つの使用。
  4. SGEYVFH(C)、SGQLKFP(C)、SGQIWFR(C)、SGEIHFN(C)、GQIWFIS(C)、GQIIFQS(C)、GQIRFDH(C)、GEMWFAL(C)、GELQFPP(C)、GELWFP(C)、GEMQFFI(C)、GELYFRA(C)、GEIRFAL(C)、GMIVFPH(C)、GEIWFEG(C)、GQILFPV(C)、GELFFPK(C)、GQIMFPR(C)、GSLFFWP(C)、GEILFGM(C)、GQLKFPF(C)、GTIFFRD(C)、GQIKFAQ(C)、GTLIFHH(C)、GEIRFGS(C)、GQIQFPL(C)、GEIKFDH(C)、GEIQFGA(C)、GELFFEK(C)、GEIRFEL(C)、GEIYFER(C)、SGEIYFER(C)、AGEIYFER(C)、及び(C)GEIYFERからなる群から選択されるアミノ酸配列を有するペプチドを含む化合物であることにより特徴づけられる請求項3記載の使用。
  5. アルツハイマー病を含むβ-アミロイドーシスの予防及び/又は治療のための薬剤を製造するための、AIPLFVM(C)、KLPLFVM(C)、QLPLFVL(C)、及びNDAKIVF(C)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む化合物の、少なくとも1つの使用。
  6. 化合物が、4ないし20アミノ酸残基を含むポリペプチドを含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の使用。
  7. 化合物が医薬的に許容され、好ましくはKLH(キーホールリンペットヘモシアニン)である担体に結合していることにより特徴づけられる請求項1ないし6のいずれかに記載の使用。
  8. 静脈内、皮下、皮内、又は筋肉内投与用に製剤化されていることにより特徴づけられる、請求項1ないし7のいずれかに記載の使用。
  9. 好ましくは水酸化アルミニウムであるアジュバントとともに製剤されている化合物である、請求項1ないし8のいずれかに記載の使用。
  10. 化合物が薬剤中に、0.1ngないし10mg、好ましくは10ngないし1mg、特に100ngないし10μg含まれることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の化合物。
  11. シヌクレイノパチーの症状を治療及び/又は緩和する請求項1ないし10のいずれかに定義されている化合物の使用。
  12. パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、及び脳への鉄蓄積を伴う神経変性からなる群から選択されることにより特徴づけられる請求項11記載の使用。
  13. SHTRLYF(C)、SGEYVFH(C)、SGQLKFP(C)、SGQIWFR(C)、SGEIHFN(C)、GQIWFIS(C)、NDAKIVF(C)、GQIIFQS(C)、GQIRFDH(C)、HMRLFFN(C)、GEMWFAL(C)、GELQFPP(C)、GELWFP(C)、SHQRLWF(C)、HQKMIFA(C)、GEMQFFI(C)、GELYFRA(C)、GEIRFAL(C)、GMIVFPH(C)、GEIWFEG(C)、GEIYFER(C)、AIPLFVM(C)、GDLKFPL(C)、GQILFPV(C)、GELFFPK(C)、GQIMFPR(C)、HMRMYFE(C)、GSLFFWP(C)、GEILFGM(C)、GQLKFPF(C)、KLPLFVM(C)、GTIFFRD(C)、THQRLWF(C)、GQIKFAQ(C)、GTLIFHH(C)、GEIRFGS(C)、GQIQFPL(C)、GEIKFDH(C)、GEIQFGA(C)、QLPLFVL(C)、HQKMIF(C)、GELFFEK(C)、GEIRFEL(C)、AcGEIYFER(C)、SGEIYFER(C)、AGEIYFER(C)、及び(C)GEIYFERからなる群から選択されるアミノ酸配列を有するペプチド。
  14. ペプチドが医薬的に許容され、好ましくはKLH(キーホールリンペットヘモシアニン)である担体に結合していることにより特徴づけられる請求項11に記載のペプチド。
  15. 少なくとも1つのペプチドを含み、好ましくはワクチンである、請求項11又は12に記載の医薬製剤。
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