JP5989074B2 - アミロイドーシス治療のための化合物 - Google Patents
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Description
免疫療法は、全長Aβを標的とした有効で受動的免疫付与戦略はAβ斑の減少につながり、動物モデルにおける疾患の進行において有益な効果を与えた。マウスモデルにおいて用いた有効なワクチン化アプローチはすべて、全長Aβ40/42又はAβの野生型配列を含む断片である。
(X1)mHX2X3X4X5FX6(X7)n (式II)
(ここで、
X1は、セリン(S)、スレオニン(T)、又はシステイン(C)、
X2は、グルタミン(Q)、スレオニン(T)、又はメチオニン(M)、
X3は、リジン(K)、又はアルギニン(R)、
X4は、ロイシン(L)、又はメチオニン(M)、
X5は、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、フェニルアラニン(F)、又はイソロイシン(I)、
X6は、アスパラギン(N)、グルタミン酸(E)、アラニン(A)、又はシステイン(C)、
X7は、システイン(C)であり、
n及びmは、独立して0又は1であり、
該化合物は、アルツハイマー病の予防及び/又は治療のための薬剤を生産するための、アミノ酸配列HQKLVF及び/又はHQKLVFFAEDを含むアミロイド-β-ペプチド(Aβ)のエピトープに特異的な抗体に結合能のある化合物である。)
を含む化合物の少なくとも1つの使用に関する。
(X1)mGX2X3X4FX5X6(X7)n (式I)
を有する化合物の少なくとも1つの使用であり、
ここで、
X1が、セリン(S)、アラニン(A)、又はシステイン(C)、
X2が、セリン(S)、スレオニン(T)、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)、又はメチオニン(M)、
X3が、イソロイシン(I)、チロシン(Y)、メチオニン(M)、又はロイシン(L)、
X4が、ロイシン(L)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)、トリプトファン(W)、バリン(V)、ヒスチジン(H)、チロシン(Y)、イソロイシン(I)、リジン(K)、メチオニン(M)、又はフェニルアラニン(F)、
X5が、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、アルギニン(R)、グルタミン酸(E)、イソロイシン(I)、グルタミン(Q)、アスパラギン酸(D)、プロリン(P)、トリプトファン(W)、又はグリシン(G)、
X6が、いかなるアミノ酸残基であってもよい。
X7が、システイン(C)、
m及びnは、それぞれ独立して0又は1であり、
該化合物が、アルツハイマー病の予防及び/又は治療のための薬剤を製造するための、アミノ酸配列HQKLVF及び/又はHQKLVFFAEDを含むアミロイド-β-ペプチド(Aβ)のエピトープに特異的抗体への結合能を有することである。
本発明は以下の図及び実施例によりさらに説明されるが、それに限定されるものではない。
また、本発明のミモトープは、特に免疫アッセイ及びキットといった様々なアッセイ及びキットに用いられ得る。それゆえ、ミモトープは他のペプチド又はポリペプチドの一部であることが特に好ましく、特に免疫アッセイにおいてレポーターとして用いられる酵素であることである。そのようなレポーター酵素は、例えば、アルカリホスファターゼ又は西洋ワサビペルオキシダーゼを含む。
驚くべきことに、本発明の化合物は、シヌクレイノパチーに関連する症状も治療及び緩和することがわかった。
本発明のミモトープの同定のために用いた抗体は、Aβから得られたアミノ酸配列を検出するが、全長ヒトAPPは結合しない。検出された配列は、EVHHQKLVFFAED(=Aβの原エピトープアミノ酸配列11-24)及びp(E)VHHQKLVF(p4374=N-末端においてピログルタミン酸修飾されたAβの原エピトープアミノ酸配列11-19)を含む。抗体は、モノクローナル又はポリクローナル抗体製剤、又はそれらのいかなる抗体の部分であってもよいが唯一の必要条件としては、上述したエピトープ(ヒト由来のAβ)の少なくとも1つの抗体分子を特異的に認識するが、全長ヒトAPPには結合しないことである。
Alz-9の融合試験から誘導されたモノクローナル抗体:C57/Bl6マウスを、KLH(キーホールリンペットヘモシアニン)に結合した原AβエピトープHQKLVFC及びアジュバントとしてのアラム(水酸化アルミニウム)を用いて繰り返し免疫化した:p4377ペプチド特異的、抗体産生ハイブリドーマをELISA(p4377-ペプチドコートしたELISAプレート)によって検出した。ヒトAβ40/42(遺伝子組換えタンパク質)をポジティブ・コントロール・ペプチドとして用いた:ペプチド全長α-シヌクレインの両方に特異的に結合するため、ELISAに固定された遺伝子組換えタンパク質を認識するハイブリドーマが含まれる。p1454(ヒトAβ33-40)は、ネガティブコントロールペプチドとして用いた。さらにハイブリドーマはp4374、p1323及びsAPPαを試験した。2つの異なるシヌクレイン・タンパク質を区別しないため、ELISAプレートに固定された遺伝子組換えタンパク質を認識するハイブリドーマは含まれない。sAPPαも確かめた。さらなる抗体産生には、p4374、及びp1323のみと結合し、sPPαとは結合しないハイブリドーマを用いた。
ハイブリドーマクローンMV-002(内部名A115; IgG2b)を、それぞれp1323、p4374、p4377、p1454、Aβ及びsAPPαの特異的検出のために精製し分析した。MV-002はELISAにおいてエピトープp1323並びにp4377及び全長Aβタンパク質(遺伝子組換えタンパク質; Bachem AGより入手, Bubendorf, Switzerland)を認識した。しかし、ELISAにおいてp1454は検出しなかった。さらに、MV-002抗体は、sAPPαを検出しなかったが、Aβ11-19においてピログルタミン酸バージョンであるペプチドp4374に特異的に結合した。
この実施例において用いたファージディスプレーライブラリーは、Ph.D. 7: New England BioLabs E8102L(直線7量体ライブラリー)である。ファージ提示法は、製造者のプロトコール(www.neb.com)に従い行った。
2又は3の連続のピックアップにより、1つのファージクローンを選択し、及びファージ上清を、ピックアップ過程において用いた抗体でコーティングしたプレートで、ELISAにかけた。このELISAにおいて陽性であったファージクローン(標的には強いシグナルを示したが、非特異的コントロールにはシグナルを示さなかったもの)の配列を決定した。DNA配列から、ペプチド配列を推定した。これらのペプチドを合成し、及びELISAにより結合性及び阻害性により特徴づけた。いくつかのペプチドには追加のアミノ酸がC末端に結合している。加えて、スクリーニングにおいて同定したミモトープの結合配列情報から、いくつかの新規なミモトープを作製し、ミモトープのワクチン化のためのコンセンサス配列の同定のサポートとして用いた。
1. インビトロにおける結合アッセイ(ELISA)
ファージディスプレー並びにそれらの変異体から誘導されたペプチドをBSAに結合し、ELISAプレート(それぞれの図に示す通り1μM)に結合させ、続いて、同定されたペプチドの結合能の分析のためのスクリーニングプロセスに用いたモノクローナル抗体とともに培養した。
2. インビトロにおける結合阻害アッセイ(ELISA)
スクリーニングプロセスにおいて用いたモノクローナル抗体とともに、ファージディスプレーから得られた量の異なるペプチド(それぞれ図に示す通り、濃度範囲5μgないし0.03μg(段階希釈))を培養した。その後、結合する抗体の量を減少させるペプチドを、このアッセイにおいて阻害することであるとする。
1. ミモトープのインビボ試験
阻害並びに非阻害性ペプチドをKLHに結合させ、適切なアジュバント(水酸化アルミニウム)とともにマウス(野生型C57/Bl6マウス;脇腹への皮下注射)に注入した。動物は、隔週の間隔で3-6回ワクチン接種し、血清も隔週で採取した。各血清について、注入ペプチド並びに無関係なペプチドの抗体力価を決定した。さらに、ELISAプレートに固定した遺伝子組換えヒトAβタンパク質及び原ペプチドについて、それぞれに対する抗体力価決定した。一般に血清は、ウシ血清アルブミン及び遺伝子組換え全長タンパク質に反応させて抗ペプチド反応により分析される。抗体力価は、抗マウスIgG特異的抗体を用いて決定した。結果の詳細は図4、5及び図6に示す。
2.1. N-末端切断型及び修飾型Aβ特異的モノクローナル抗体の同定:
図1は、Alz-9試験において得られた、全長Aβ及びE11及びH14において切断されたAβ断片及びE11ないしpE11において修飾されたAβ断片に特異的なモノクローナル抗体MV-002(内部名A115; IgG2b)の特徴を示す。
2.2. AβのN末端切断型及び修飾型を標的とした特異的mABによるスクリーニング:
2.2.1. ファージディスプレーライブラリーPh.D.7
2.2.1.1. p1323に対するモノクローナル抗体のスクリーニング
PhD7ファージディスプレーライブラリーをスクリーニングし、このスクリーニングにより、47配列が同定された:表1は、ペプチドの同定及び原エピトープと比較したそれらの結合能の概略を示す。
図2及び3は、インビトロにおける結合及び阻害アッセイによる代表例を示す。得られたデータは、それぞれ表1及び2に概説する。
弱い阻害は、AB結合を低下させるのに、原エピトープよりも多くのペプチドが必要であることを意味する;強い阻害は、AB結合を低下させるのに、原エピトープと近い量のペプチドが必要であることを意味する。原ペプチドを標準としてミモトープと比較した。アッセイにおいて用いた5μgのペプチドによるODを、原ペプチドと比較して競合阻害能を計算するのに用いた。
雌C57/Bl6マウス各群5-6匹を、KLHに結合させたペプチド30μgで皮下注射により免疫化した。コントロール群には原エピトープ-KLH結合体を投与した。アジュバントとしてはアラムを用いた(全て1mg/マウス)。投与したペプチドは、全て、モノクローナル抗体に特異的に結合することができたが、いくつかのペプチドは、その親抗体の原エピトープへの結合をインビトロで阻害しなかった(インビトロ結合阻害アッセイ)。インビトロのELISAアッセイによる抗体力価の決定は、単独のマウスの血清又は集めた血清(図5参照)により、それぞれのワクチン接種2週間ごとに行った(図6及び7をそれぞれ参照)。抗体力価は、全ての図においてOD半値(OD max/2)として計算した。ELISAプレートのウェルは、ミモトープ-BSA結合体及び無関係なペプチド-BSA結合体(ネガティブコントロール)によりコーティングした。ポジティブコントロールは、親抗体をミモトープ-BSA結合体と反応させて行った。検出は、抗マウスIgGで行った。さらに、遺伝子組換えタンパク質をELISAプレートに固定し、血清を反応させた。図4、5及び6は、インビボにおけるミモトープの特徴付けに用いられたアッセイの代表例を示す。示した結果は、p4670、p4675、p4680及びp4681のようなインビトロでの阻害アッセイにおいて活性なペプチドから得られたもの、及びインビトロで結合能を有しないペプチドp4403から得られたものをそれぞれ示す。
p4377及びミモトープp4670、p4675、p4680、p4681及びp4403は、原エピトープp4377に対して検出可能な免疫反応を引き起こした。同様の現象が、p4374の修飾型において、交差反応性を分析していると検出される。興味深いことに、原エピトープ及びミモトープワクチンは、原エピトープの修飾型であるp4374に対して関連する抗体力価を示した。驚いたことにミモトープはp1323に対して、より効果的な免疫反応を生じさせることができるが、それが必須ではないようであり、これは原Aβ断片より広い免疫反応を示す可能性があることを示している。さらに、sAPPαに対しては検出されなかった。
興味深いことに、競合性だけでなく非競合性ペプチドも原Aβ配列を含む、ペプチドと特異的に相互作用する同様の免疫反応を誘導することができることがわかった。それゆえ、本発明のミモトープは、AD患者の脳内において見られる天然由来のAβの広いスペクトルを標的とした最適な、新規なワクチンの候補を構成する。その形態には、Aβ1-40/42、及びN-末端を切断した形態Aβ3-40/42、Aβ(pE)3-40/42、非修飾型Aβ11-40/42、修飾型Aβp(E)11-40/42及びAβ14-40/42に限られない。重要なことは、本発明のミモトープもまたAPPから切り出されたsAPPαにおけるネオエピトープに対して交差反応を誘導しなかったため、通常のsAPPαシグナルを妨害しない(詳細は図5を参照)。
Tg2576 ADマウスモデルを、ミモトープワクチンの前臨床での有効性を試験するために用いた。この遺伝子組み換え体は、ハムスタープリオンタンパク質(PrP)プロモーターによる制御のもと、タンパク質の過剰発現を生じる、アミノ酸670/671位においてスウェーデン型二重変異を有するヒトAPPを発現する。これは、現在AD研究において最も広く用いられている方法の1つである。Tg2576モデルは、疾患特異的である、アミロイド斑蓄積及び星状細胞増加を含む、AD病態の様々な特徴を有している。現在ある全ての他のADモデル系と同様、ADの全ての主要な神経病理学的特徴を反映しているわけではない。
不自然で異常な染色強度を有する部分を排除した。
Claims (7)
- SHTRLYF(C)、HMRLFFN(C)、HQKMIFA(C)、およびTHQRLWF(C)から選ばれる少なくとも1つのペプチドの、アルツハイマー病を含むβ−アミロイドーシスの予防及び/又は治療のための医薬を製造するための使用。
- ペプチドが医薬的に許容される、KLH(キーホールリンペットヘモシアニン)である担体に結合していることにより特徴づけられる請求項1に記載の使用。
- 静脈内、皮下、皮内、又は筋肉内投与用に製剤化されていることにより特徴づけられる、請求項1または2に記載の使用。
- 水酸化アルミニウムであるアジュバントとともに製剤されているペプチドである、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
- ペプチドが薬剤中に、0.1ngないし10mg、または10ngないし1mg、または100ngないし10μg含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
- ペプチドが医薬的に許容される、KLH(キーホールリンペットヘモシアニン)である担体に結合していることにより特徴づけられる、アルツハイマー病を含むβ−アミロイドーシスの予防及び/又は治療用の、SHTRLYF(C)、HMRLFFN(C)、HQKMIFA(C)およびTHQRLWF(C)から選ばれるペプチド。
- 少なくとも1つの、SHTRLYF(C)、HMRLFFN(C)、HQKMIFA(C)、およびTHQRLWF(C)から選ばれるペプチドを含む、アルツハイマー病を含むβ−アミロイドーシスの予防及び/又は治療用のワクチン製剤。
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