JP2011521650A - 塩組成物および塩の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本願出願は、出典明示によりその全体が本明細書の一部とされる、2008年5月30日に出願された表題「PREPARATION OF MULTI-COMPONENT SOLID FORMULATIONS WITH UNIFORM COMPOSITION IN EACH PARTICLE」の米国仮特許出願第61/130,360号についての利益を主張する。
複数の構成要素からなる塩組成物は、通常、成分の単純なブレンド形態または混合物形態である。そのような組成物を混合および調製するための既存の方法では、結果として混合物を構成する様々な成分が取扱いの間および保存の間に部分的に分離する傾向のある混合物となる。したがって、成分や構成要素は組成物全体にわたって一様に分散されていない。これらの一様にブレンドされていない製品は、それらの食料品への適用の間に、局所的な低濃度または高濃度の成分を引き起こし得る。例えば、一様にブレンドされていない塩と香辛料との混合物は、食品において、ある部分では塩辛い味を与えるが、別の部分では強くスパイスの効いた風味を与えることとなり得る。このように、従来の一様にブレンドされていない塩組成物または混合物は、所望の味覚を求める使用者を苛立たせ得るし、一様にかつ均一に分布していない成分のために効果的でなくならせ得る。
本発明の実施形態において、塩組成物を製造する方法は、塩と成分とを混合する工程、凝塊組成物を形成させるのに十分な圧力下で塩と成分とを一緒に押圧する工程、および凝塊組成物のサイズを、実質的に一様な塩と成分とのブレンドからなる微粒子を含む組成物にまで粉砕する工程を含む。本組成物は、さまざまな食料品、規定食または医薬品の上または中に使用することができる。塩および成分を圧縮することにより一緒に押圧し、それらを凝塊組成物、すなわち例えば連続的なシート、ブリケットまたはフレークにし、続いて所望のサイズを有する微粒子に粉砕または縮小化(reduced)し得る。平均的な微粒子は塩と成分との組成物であり、微粒子はまとまって実質的に一様な塩と成分との組成物を形成する。典型的な組成物の微粒子は、同様の味覚プロフィール、芳香および色彩を、それが適用された食料品の各部分に与えるであろう。微粒子は分離装置を介して適合サイズと不適合サイズとにさらに分けることができる。不適合組成物の少なくとも一部は、混合工程、押圧工程または粉砕工程に再利用できる。
本発明は、以下に示す詳細な説明および添付する図面によりさらに完全に理解されるようになるであろう。これらの図面は、単なる実例として提供され、したがって本発明の限定を意図したものではない。
本発明に関する以下の説明は、本発明の様々な実施形態を例示することを意図したものである。そのため、議論される具体的な改良は、本発明の範囲に対する限定と解釈すべきではない。当業者には、様々な均等物、変更および改良が本発明の範囲を逸脱することなく行い得ることは明らかであろう、また、そのような均等な実施形態は本明細書に含まれるものと理解される。
本発明により作製された塩と成分とを含む組成物を構成する微粒子の一様性は、従来の過程により混合された製品と比較して、製品に対して実施された試験および分析ならび公知に微粒子の検定から明らかである。最初の実施例において、本発明により作製された組成物と、当業者には既知の方法、例えば乾燥成分を一緒にブレンドすることと共に液体を塩化ナトリウムなどの塩の上に塗り付けることにより一緒に混合された製品とを比較する試験を実施する。本発明の組成物試料は、以下の成分を用いて本明細書により開示される方法により製造される。試料は、塩化ナトリウム塩がブレンドされた対照のオレンジ風味粉末(Cargill Flavor Systems、オレンジ風味粉末、#043-00300、重量あたり2%)からなる。第二の試料は、塩とオレンジ風味粉末(Cargill Flavor Systems、オレンジ風味粉末、#043-00300、重量あたり2%)とを含み、本方法に従って調製された組成物からなる。第三の試料は、オレンジ風味液体(Cargill Flavor Systems、オレンジ風味液体、#040-00138、重量あたり0.2%)の塩の上に塗り付けることからなる。第四の試料は、塩および成分としてオレンジ風味液体(Cargill Flavor Systems、オレンジ色風味液体、#040-00138、重量あたり0.2%)を含み、本発明に従って調製された組成物からなる。第五の試料は、本発明により調製された塩化ナトリウムとニンニク油(Vegetable Juices Inc. ニンニク油、#10098、重量あたり0.2%)の組成物からなる。
様々な条件を用いて開示した組成物に対して試行した試験の全てで、開示した組成物のみかけのかさ密度は、成分をブレンドした塩の規格品のかさ密度よりも小さい。同じ条件(試行#3と最後の試行の規格品とを比較する)下で、標準的なブレンド製品のかさ密度は76.1ポンド毎立方フィート(lb/cu ft)であるのに対して、開示した組成物のかさ密度は51.5(lb/cu ft)であり、ここで、双方とも焙煎・顆粒ニンニクにつき10%でブレンドされ、それぞれUSS 20×30スクリーンフラクションにより0.008インチのフレーク厚を有する。
試料の付着性は、1グラムの試験されるべき試料をOctogon 200篩振盪器に置き、それらを、薄層の植物油で一様に被覆され固定された傾斜のあるプレート上で振盪することによって粒子を分布させることによる、測量単位である。プレートの角度は、標準的な位置で固定される。付着する粒子の重量を、1グラムに対して比較し、付着する製品の百分率を計算する。それは、一般に反復して行われる。焙煎・顆粒ニンニクの重量あたり10%でブレンドされ、それぞれがUSS 20×30のスクリーンフラクションによる0.008インチのフレーク厚を有する標準的なブレンド製品の付着性を開示した組成物と比較することで(試行#3を規格品と比較する)、本組成物は重量あたり65%の付着性を有するのに対して、規格品は重量あたり24.8%の付着性であることを見出すことができる。試行#10で見られるようなより厚い0.016インチのフレーク厚を用いた場合でさえ、本組成物の付着性は重量あたり50%の付着性であるのに対して、規格品は重量あたり24.8%の付着性である。このより高い付着性は、組成物の局所的な適用に特に利益をもたらす。より大きな材料に対する付着性は、より少ない原料がそれを適用する場合に失われる。これはまた、それを消費する際に組成物からのより大きな風味のインパクトを与え得る。微粒子のより大きな付着性による利益を得る材料の例としては、製造者または最終消費者によって適用されるかどうかに関わらず、調理済みまたは包装済みの製品、スナック、チップ、ポップコーン、プレッツェル、肉、穀物およびその他の食料品などの製品への局所的な適用が挙げられる。
溶解性は、典型的には、1,000グラムの塩を、60°Fの3,000mlの水に混合し、90%飽和度に達するまでの時間として表される。製品を標準的な容器に加え、標準的な攪拌器を取り付け、標準的な速度で動作させる。最初に水を加え、次に攪拌器を作動させ、続いて時間ゼロで製品を加える。Dicromat塩分テスターを用いて、90%飽和状態に達するまでに経過した時間を測定する。ニンニクは標準的な溶解度試験に干渉するので計算を行ったが、計算は既知の溶解度値に基づいてほぼ正確に行うことができる。上記試験で得られた情報を用いて、開示した組成物と比較して(試行#3を規格品と比較する)、標準ブレンド製品の溶解性に関して計算を行い、双方とも焙煎・顆粒ニンニクの重量あたり10%を用いてブレンドされ、各々が0.008インチのフレーク厚を有し、USS20×30スクリーンフラクションを含む。標準的なブレンド製品に関して、その溶解時間は42秒であったのに対し、開示した組成物の溶解速度は31秒であった。より速い溶解速度は、多くの用途において利益がある。例えば、組成物を材料に適用する場合、組成物はしばしば溶液に適用され、より大きな溶解速度を有する化合物を有することが好ましい。これは、味覚の体験に関しても利益がある。消費の際に塩が溶液により速く移行すればするほど、より迅速な風味が知覚されることとなる。このことは、より大きな溶解速度が、製品に付随する他の風味を引き出す「フレーバー・バースト」を提供することとしてよく知られている。これは、塩を他の成分と組合わせる本願にとって特に重要である。したがって、より大きな溶解速度を有する製品は、塩だけでなく成分も同様に消費され、口の中で「フレーバー・バースト」という結果をもたらし得る。
幾つかの実験で、揮発性分子の1つは、分離されて過程に戻された再利用原料であった。具体的には、目的の製品に比べて大き過ぎるかまたは小さ過ぎる物質が、混合工程、押圧工程または縮小化工程の過程に再利用される。2つの試行6aおよび6bにおいて、これらの物質の50%毎重量および100%毎重量がそれぞれ再利用され、産物を再利用しない試行と同等の組成物が結果的に得られた。
上記の試験は、特許請求する組成物の独特の物理的特性を示すだけでなく、開示した過程が作動する操作条件の多様な範囲を例示するものである。試験は、ロール圧、ロール速度、再利用および供給温度の様々な条件下で組成物を製造することによって、押圧工程、縮小化工程、混合工程および分離工程における操作条件を変更することで試行される。加えて、可変の粒子径、フレーク厚、調味料レベルおよび調味料または香味料の種類からなる組成物が用いられる。
以下のテーブル2における試験は、塩と成分との最適なブレンドを決定するために行われる。材料を制御するために、チキン・パティを鶏挽肉から作製し、一貫した厚みのチキンにする。細かくブレンドした塩と焙煎し脱水した顆粒ニンニクとの間のかさ密度が類似し、および最も均一なブレンドを提供するように、細かくブレンドした塩を、焙煎し脱水した顆粒ニンニクと共に用いる。チキン・パティを以下の手順に記載されるように調製した後、開示した組成物を以下のテーブル2の調合に従って調製し、チキン・パティに加え、続いて官能検査および評価を行う。6つの調合はすべて、より小さなグループの試験者達によって予めスクリーニングされ、それで好ましい調合は2、3および4である。試験者達による比較および検定のため、従来のブレンド製品と本発明の組成物の両方を用いて調製物を調製する。より大きなグループは、従来のブレンドおよび本発明の双方で製造された調合を、最終的な推奨のために味見する。この用途に関しては、調合3が本発明によって製造されるより好ましい組成物であるが、調合2もまた許容されるものと考えられる。適用した調合はグラムで表される。
以下のテーブル3で示されるように、調理済コメに対しても本組成物を用いた試験を実施する。この試験セットにおいて、塩とニンニクとを含む成分の様々な組成物を混合し、調理済コメに局所的に適用する場合の適当なブレンドを決定する。この場合、カプセル化されたニンニク油の重量あたり10%が用いられる。しかしながら、カプセル化されたニンニク油の高い強度の性質のため、カプセル化されたニンニク油を、測量精度を補助するために細かいブレンド塩に対して希釈し、重量希釈物あたり10%を作製する必要がある。6つの調合はすべて、より小さいグループの試験者により予めスクリーニングされ、それで好ましい調合は4、5および6である。より大きなグループは、最終的な推奨のためにそれらの調合を味見する。調合5が、このコメの適用にはより好ましい組成物である。適用した調合はグラムで表される。
保存期間
最終的なセットの用途では、ポテトチップに対して試験を行い、標準的なブレンド製品と本発明により調製された組成物の間との保存期間における影響を決定する。それぞれ塩気のないUTZブランドのポテトチップに重量あたり1.79%で適用して官能検査を行い、対照の標準ブレンドニンニク塩に対する本組成物の間に知覚される違い有無を決定する。スパイス バーン(Spice Barn)のニンニク粉末およびカーギル(Cargill)由来の細かいブレンド海塩を、成分および塩として用い、双方ともニンニク粉末レベル重量パーセントにつき最終10.1%を有する。方法論は、チップが室温で取り扱われ、調理され、凍結されて試験場に運ばれ、続いて試験前に2週間室温で保存されたことを除いて、上記のチキン・パティについて用いたものと同じ方法論である。試料は、必要に応じて開封されるのみで、大きい部分またはチップ全体だけが評価に用いられる。パネリスト達は、最もよい風味の評価を得るために1枚のポテトチップまたは2枚のチップ全体を一度に食べるよう指示される。
味覚試験を行い、溶液における標準的なブレンドにより作製される製品と開示した組成物により作製される製品間の差異もまた決定する。1セットの試験は、標準的な乾燥ブレンド製品と開示した組成物により作製される製品とを比較するものであり、双方とも、細かいブレンド塩およびニンニク粉末から作製され、ニンニク重量あたり10.1%の濃度を有する。それらを、水中で塩の重量あたり0.5%と塩の重量あたり1.2%の両方で評価した。試験は、4名の訓練された味の試験者によるサンプリングと評価を含む。
試験の次のセットにおいて、試料は、異なる形式の塩、例えば細粉塩(非常に細かい塩)を顆粒塩と比較して行われる。これらの試験において、下記のテーブル4に概要されるように、試料は、成分として重量あたり0.2%のニンニク油を顆粒塩および細粉塩と組合わせたものを用いて試行される。1セットでは、ニンニク油は標準的な過程として塩にあえるか、別のセットでは本発明を用いて作製される。加えて、異なる量のニンニク油成分を塩と組合わせて、それぞれ重量0.3%のニンニク油および0.6重量%のニンニク油の組成物を形成させる。
Claims (26)
- 組成物の製造方法であって、
(a)塩と成分とを混合する工程;
(b)凝塊組成物を形成させるために塩と成分とを一緒に押圧する工程;および
(c)凝塊組成物の大きさを、実質的に一様な塩と成分とのブレンドからなる微粒子を含む組成物にまで粉砕する工程を含む、製造方法。 - 押圧工程が、圧縮、フレーキング、ペレット化またはブリケッティングにより実施される、請求項1記載の方法。
- 凝塊組成物を、シート、フレーク、ペレットまたはブリケットに形成する、請求項1記載の方法。
- シートが、少なくとも0.005インチの平均の厚みを有する連続シートである、請求項3記載の方法。
- シートが、約0.005インチ〜約0.3インチの平均の厚みを有する連続シートである、請求項4記載の方法。
- ブリケットが、少なくとも0.25インチの平均の厚みを有する、請求項3記載の方法。
- ブリケットが、約0.25インチ〜約2.0インチの平均の厚みを有する、請求項6記載の方法。
- フレークが、少なくとも0.004インチの平均の厚みを有する、請求項3記載の方法。
- フレークが、約0.004インチ〜約0.05インチの平均の厚みを有する、請求項8記載の方法。
- 塩が、塩化物塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩またはグルコン酸塩のアニオン、またはそれらの組合わせからなる有機塩または無機塩を含む、請求項1記載の方法。
- 塩が、塩化ナトリウム、海塩、塩化カリウム、フロール・デ・セル、ヨウ素添加塩または岩塩、またはそれらの組合わせである、請求項10記載の方法。
- 成分が、香味料、調味料、着色料、芳香剤、マスキング剤、促進剤、高薬効剤、合成風味料、抽出物、栄養素、微量栄養素、スパイス、油、ハーブ、ミネラル、無機塩、有機塩、代用塩、甘味料、ビタミン、乳化剤、安定剤、アンチケーキング剤、栄養補助剤、抗酸化剤、またはそれらの組合わせを含む、請求項1記載の方法。
- 成分が、消費に関して安全であると一般に認識される食品成分である、請求項1記載の方法。
- 着色料が、天然着色料または人工着色料から選択されるものである、請求項12記載の方法。
- 適合サイズに応じて組成物を分離する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
- 少なくとも一部の不適合組成物を、混合工程、押圧工程または縮小化工程の過程に再利用する、請求項15記載の方法。
- (a)塩、および;
(b)香味料、調味料、着色料、芳香剤、マスキング剤、促進剤、高薬効剤、合成風味料、抽出物、栄養素、微量栄養素、スパイス、油、ハーブ、ミネラル、有機塩、無機塩、代用塩、甘味料、ビタミン、乳化剤、安定剤、アンチケーキング剤、栄養補助剤、および抗酸化剤、またはそれらの組合わせからなる群より選択される成分を含む組成物であって、当該組成物は微粒子を含み、微粒子は実質的に一様な塩と成分とのブレンドからなることを特徴とする、組成物。 - 組成物が、塩と成分とをブレンドすることにより調製され、同じ平均粒子重量を有する対応製品よりも速い溶解速度を有する、請求項17記載の組成物。
- 組成物のみかけのかさ密度が、塩と成分とをブレンドすることにより調製され、同じ平均粒子重量を有する対応製品よりも小さい、請求項17記載の組成物。
- 組成物が、塩と成分とをブレンドすることにより調製され、同じ平均粒子重量を有する対応製品よりも、食品に対して向上した付着性を有する、請求項17記載の組成物。
- 塩が、塩化物塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩またはグルコン酸塩のアニオン、またはそれらの組合わせからなる有機塩または無機塩を含む、請求項17記載の組成物。
- 塩が、塩化ナトリウム、海塩、塩化カリウム、フロール・デ・セル、ヨウ素添加塩または岩塩、またはそれらの組合わせからなる群より選択されるものである、請求項21記載の組成物。
- 組成物が、食料品、規定食または医薬品を含む製品と共に用いられる、請求項17記載の組成物。
- 食料品が、肉、穀物、野菜、果物、ソース、調理品、冷凍食品、キャンディ、スナック、チップ、包装食品、飲料、またはそれらの組合わせを含む、請求項23記載の組成物。
- 規定食が、栄養補助剤、エネルギーバー、飲料、粉末、添加剤、栄養ドリンク、レトルト、無菌のインスタント食品、無菌のインスタント飲料、またはそれらの組合わせを含む、請求項23記載の組成物。
- 医薬品が、薬品、コーティング、溶液、液体、またはそれらの組合わせを含む、請求項23記載の組成物。
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