JP2011516539A - 2−フェニル−4−シクロプロピル−ピリミジン誘導体 - Google Patents

2−フェニル−4−シクロプロピル−ピリミジン誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、2−フェニル−4−シクロプロピル−ピリミジン誘導体、並びにヒト及び他の哺乳動物の末梢血管、内臓、肝及び腎血管、心臓血管及び脳血管の疾患又は血栓症を含む血小板凝集に関連する状態の治療及び/又は予防における、P2Y12受容体拮抗剤としての、それらの使用に関する。
【選択図】 なし

Description

発明の分野
本発明は、特定の2−フェニル−4−シクロプロピル−ピリミジン誘導体、並びにヒト及び他の哺乳動物の末梢血管、内臓、肝及び腎血管、心臓血管及び脳血管の疾患及び血栓症を含む血小板凝集に関連する状態の治療及び/又は予防における、P2Y12受容体拮抗剤としての、それらの使用に関する。
止血は血管系における血液の流動性を維持するための自然平衡であると考えられ、血管の傷害による過剰な血液損失を、固形の血餅を急速に形成することにより防ぐ。血管損傷後、血管の収縮と血小板粘着が急速に起こり、続いて血小板の凝集、凝固カスケードの活性化が起こり、最後に線溶系の活性化も起こる。止血異常は過剰の出血及び血栓症を招き、いずれも生命に関わる状態である。
一連の抗血小板剤が過去数年以上前から、異なる作用メカニズムに基づいて開発されてきた。抗血小板療法において最も広く使用される薬剤はアスピリンであるが、これはシクロオキシゲナーゼ−1を不可逆的に阻害し、それによってトロンボキサン経路に影響を及ぼす。必ずしも最適の効果を示すわけではないが、アスピリンによる治療は標準的療法であり、これに対し新しい治療剤が比較され、評価される。
ホスホジエステラーゼ阻害剤であるジピリダモール及びシロスタゾール並びにビタミンK拮抗剤(ワルファリン)のような他の薬剤が市販されているが、そのような薬剤として要求される全ての好ましい特徴を示していない。静脈投与でき、血小板凝集を阻止する3種の有力なGPIIb/IIIa受容体拮抗剤(アブシキシマブ(abciximab)、エプティフィバタイド(eptifibatide)、及びチロフィバン(tirofiban))が市場で利用可能である。そのほか、いくつかの経口活性なGPIIb/IIIa拮抗剤(例えば、シブラフィバン(sibrafiban)、ゼミロフィバン(xemilofiban)又はオルボフィバン(orbofiban))はこれまでのところ臨床的開発に成功していない。
アデノシン 5’−ジホスフェート(ADP)が血小板活性化と凝集における主要なメディエーターであり、2つの血小板ADP受容体P2Y及びP2Y12と干渉する。
血小板ADP受容体の拮抗剤が知られており、血小板凝集を阻害し、抗血栓作用を示す。これまでに知られている最も効果的な拮抗剤は、チクロピジン(ticlopidine)、クロピドグレル(clopidogrel)及びCS−747のようなチエノピリジン類であり、臨床的に抗血栓剤として使用されてきた。これらの薬剤は、それらの活性な代謝物によって、不可逆的にADP受容体のサブタイプP2Y12を阻害する。
AR−C69931MX(カングレロール(cangrelor))又はAZD6140のようないくつかのP2Y12拮抗剤は第III相臨床研究の段階に達している。これらの阻害剤は、選択的血小板ADP受容体拮抗剤であり、ADP−依存性血小板凝集を阻害し、インビボで有効である。
ピペラジノ−カルボニルメチルアミノカルボニル−ナフチル又は−キノリル誘導体が、ADP受容体拮抗剤として、国際公開公報第02/098856号及び国際公開公報第2004/052366号に記載されている。
国際公開公報第2006/114774号は、P2Y12受容体拮抗剤としての2−フェニル−4−(カルボニルメチルアミノカルボニル)−ピリミジン誘導体を記述する。
本発明の記載
発明者らは、本発明の2−フェニル−4−シクロプロピル−ピリミジン誘導体が、驚くべきことに、以前から当業者に知られている、そのすべてが分子のピペラジン基の窒素原子の1つにエトキシカルボニル置換を有する、対応する誘導体と比較して、著しく改善された生物活性を示すことを見出した。
以下に、本発明の種々の態様を記載する。
1)本発明は、第一に式Iの化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
Figure 2011516539
式中、
は、1個のハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシにより置換されていてもよい(任意(Optionally)に置換された)フェニルを表し;そして
は、水素、ヒドロキシメチル又はアルコキシメチルを表す。
式(I)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子などの、1又は2以上のキラル又は不斉中心を含んでいてもよい。従って、式(I)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
式Iの化合物は、P2Y12受容体拮抗剤である。したがって、それらは治療法(併用療法を含む)に有用であり、血小板活性化、凝集、及び脱顆粒の阻害剤として、血小板乖離の促進剤として、又は抗血栓剤として広く使用される。
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分の定義をしている。他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、当該定義は、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用される。
−「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を、好ましくはフッ素、塩素又は臭素を、より好ましくはフッ素を表す。
−「アルキル」という用語は、単独の場合も、又は組み合わせの場合も、1から7個の炭素原子を含む飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、イソ−ペンチル、n−ヘキシル、イソ−ヘキシル、n−ヘプチル又はイソ−ヘプチル)、そしてより好ましくは、1から4個の炭素原子を含む飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。好ましいアルキル基の代表的な例は、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルを含む。
−「アルコキシ」という用語は、単独の場合も、又は組み合わせの場合も、1から6個の炭素原子を含む飽和の、直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペンチルオキシ、イソ−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ又はイソ−ヘキシルオキシ)、そして好ましくは、1から4個の炭素原子を含む飽和直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を意味する。好ましいアルコキシ基の代表的な例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシを含む。
−本明細書で用いる「アルコキシメチル」という用語は、1個の水素原子が本明細書で定義したアルコキシ基で置き換えられた、メチル基を意味する。アルコキシメチル基の例は、メトキシメチル及びメトキシエチルを含むが、これらに限定されるものではない。
さらに、以下の段落では、種々の他の用語を定義をする。当該定義は、他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、明細書及び請求の範囲を通して一律に適用される。
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。「Salt selection for basic drugs」、Int.J.Pharm.(1986)、33、201−217を参照してもよい。
本明細書で用いられる「室温」という用語は、25℃の温度を意味する。
温度に関して使用されていない場合、数値「X」の前に置かれる「約」という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」(又はその代わりの「付近」)の用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。
ii) 特に、本発明は、式ICEの化合物でもある式Iの化合物及び式ICEの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
Figure 2011516539
式中、
は、1個のハロゲン(特に、フッ素)により置換されていてもよい(任意に(Optionally)置換された)フェニルを表し;そして
は、水素、ヒドロキシメチル又はアルコキシメチルを表す。
iii) 本発明の1つの好ましい態様によれば、上記態様i)に定義した式Iの化合物又はその塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、1個のハロゲン、メチル又はトリフルオロメチルにより置換されていてもよい(任意に置換された)フェニルを表すような化合物又はその塩である。
iv) 好ましくは、上記態様i)又はii)に定義した式Iの化合物又はその塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、1個のハロゲンにより置換されていてもよい(任意に置換された)フェニルを表すような化合物又はその塩である。
v) より好ましくは、上記態様i)又はii)に定義した式Iの化合物又はその塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、1個のフッ素により置換されていてもよい(任意に置換された)フェニルを表すような(特に、Rが、フェニル又は4−フルオロフェニルを表すような、そして特に、Rがフェニルを表すような)化合物又はその塩である。
vi) 本発明の1つの特定の態様によれば、上記態様i)〜v)の1つに定義した式Iの化合物又はその塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが水素を表すような化合物又はその塩である。
vii) 本発明の別の特定の態様によれば、上記態様i)〜v)の1つに定義した式Iの化合物又はその塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、ヒドロキシメチル又はアルコキシメチルを表すような化合物又はその塩である。
viii) 態様vii)の1つの変形によれば、上記態様vii)に定義した式Iの化合物又はその塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rがヒドロキシメチルを表すような化合物又はその塩である。
ix) 態様vii)の他の変形によれば、上記態様vii)に定義した式Iの化合物又はその塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rがアルコキシメチル(特に、メトキシメチル)を表すような化合物又はその塩である。
x) 態様i)又はii)に定義した式Iの下記の化合物が特に好ましい:
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(6−シクロプロピル−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(トランス−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((1S,2S)−2−ヒドロキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(シス−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
並びにその塩(特に、薬学的に許容される塩)。
xi) 本発明のさらなる目的は、医薬としての、上記態様i)〜x)の1つに定義した、式Iの(又は式ICEの)化合物又はそれらの薬学的に許容される塩である。
式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば経腸又は非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
xii) 従って、本発明は、上記態様i)〜x)の1つに従う少なくとも1つの化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物にも関する。特に、本発明は、少なくとも一つの式Iの(又は式ICEの)化合物及び1又は2以上の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。
医薬組成物の製造は、いずれの当業者によく知られた様式で(例えばRemington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part 5、「Pharmaceutical Manufacturing」 [published by Lippincott Williams & Wilkinsにより出版]を参照されたい)、記述された式(I)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療上有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な治療上許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
xiii) 上記態様i)〜x)に定義した式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩は、医薬の製造のために使用してもよく、以下の目的に適している。
−安定狭心症、不安定狭心症、心筋梗塞、塞栓症(動脈硬化合併症、特に塞栓性脳卒中を含む)、動脈血栓症(動脈硬化の一次動脈血栓性合併症、特に血栓性脳卒中を含む)、静脈血栓症(特に、深部静脈血栓症)、血管損傷又は炎症(脈管炎、動脈炎及び糸球体腎炎を含む)による2次的血栓症、肝内性肝静脈閉塞症、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、血栓の有無を問わない心筋梗塞、骨髄増殖性疾患、血小板血症、鎌状赤血球病、炎症性大腸炎、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群を含む疾患の治療又は予防;
−敗血症の血栓性合併症、成人呼吸窮迫症候群、抗リン脂質症候群、ヘパリン起因性血小板減少症、及び前子癇/子癇の予防;
−ある種の手術方法(特に血管形成のような冠血行再建術(PTCA)、他の血管移植手術、動脈内膜切除又はステント留置)又は突発性外傷傷害の後の心血管系合併症の予防;
−移植器官拒絶の予防。
xiv) 別の態様において、上記態様i)〜x)に定義した式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩は、医薬の製造のために使用してもよく、そして血管れん縮が血管狭窄、ひいては組織−虚血又は組織−死(壊死)を引き起こす状況においての合併症の予防に適している。
xv) 従って、本発明の特定の目的は、上記態様i)〜x)の1つに定義した式Iの(又は式ICEの)化合物又はその薬学的に許容される塩を、上記態様xiii)及び/又はxiv)(そして特に、態様xiii))に掲げた使用のための医薬を製造するために、及び一般に血管閉塞性疾患の治療のための医薬を製造するために使用することである。
xvi) より一般的には、本発明は、上記態様i)〜x)の1つに定義した式Iの(又は式ICEの)化合物又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩の、血管閉塞性疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための使用、並びに、式Iの(又は式ICEの)化合物の、ヒト及び他の哺乳類の血栓症を含む、末梢血管疾患、内臓血管疾患、肝血管疾患、腎血管疾患、心臓血管疾患、脳血管疾患又は血小板凝集に関連する状態の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための使用に関する。
xvii) 式Iの(又は式ICEの)化合物又はその薬学的に許容される塩の、上記態様xv)の医薬の製造のための上記の使用の中で、心筋梗塞、動脈血栓症(特に血栓性脳卒中)、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患及び安定狭心症、不安定狭心症の治療又は予防のための医薬の製造のために使用することが好まれる。
xviii) 本発明は、さらに、上記態様i)〜x)の1つに従う式Iの(又は式ICEの)化合物又はその化合物の薬学的に許容される塩の、血液製剤のインビトロでの保存(例えば、血小板濃縮物の保存)、体外血液の閉塞の予防、血液製剤処理機械(例えば、腎臓透析機又は血漿交換機)での閉塞の予防のための使用にも関する。
xix) 本発明は、また、態様i)〜x)の1つに従う式Iの(又は式ICEの)化合物又はそのような化合物の薬学的に許容される塩の有効量を、必要とする患者に投与することを含む、上記態様xiii)及び/又はxiv)(そして特に態様xiii))に記載の疾患の治療方法にも関する。
本明細書における、式I又はICEの化合物に対するいかなる言及も、適切かつ好都合なように、そのような化合物の塩(そして、特に薬学的に許容される塩)をも指すものと理解されるべきである。式Iの化合物について示した好適性は、当然のことながら、式ICEの化合物、並びに式Iの、又は式ICEの化合物の塩及び薬学的に許容される塩に準用される。本発明に従う、医薬としてのこれらの化合物、これらの化合物を活性成分として含む医薬組成物、疾病の治療のための医薬の製造のためのこれらの化合物の使用、又は本発明に従う、疾病の治療のための当該化合物においても同様に扱われる。
本発明によれば、式Iの(又はICEの)化合物は、下記の方法に従って製造することができる。
式Iの化合物の製造
略語
明細書及び実施例を通して、以下の略語が使用される:
Ac アセチル
ADP アデノシン二リン酸
AIBN 2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)
aq. 水性
BSA ウシ血清アルブミン
CC カラムクロマトグラフィー
DCM ジクロロメタン
de ジアステレオマー過剰率
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
dpm 1分当たりの壊変数
EA 酢酸エチル
EDCI N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド
EDTA エチレンジアミン四酢酸
Et エチル
Hept ヘプタン
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HV 高度真空
LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
Me メチル
MTBE 2−メトキシ−2−メチルプロパン
n−BuLi n−ブチルリチウム
org. 有機
Pd/C 炭素上パラジウム
Ph フェニル
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−
ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Rf 保持係数
RT 室温
SDS ドデシル硫酸ナトリウム
tBu tert−ブチル
TCCA トリクロロイソシアヌル酸
TEMPO 2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシラジカル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
保持時間
Tris トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
Z ベンジルオキシカルボニル
一般的製造ルート
式Iの種々の化合物は、下記のスキーム1に要約した一般的ルートを用いて製造することができる。
Figure 2011516539
式Iの化合物は、当業者に周知の標準的条件下で、好ましくはTFAを用いて、対応する式IIの化合物の加水分解により製造することができる(スキーム1)。
さらに、式Iの化合物がジアステレオマーの混合物として得られる場合には常に、それらはシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC及び結晶技術の適宜な組み合わせにより分離してもよい。
種々の合成中間体の製造
式IIの化合物の製造
式IIの化合物は、下記のスキーム2に要約したルートを用いて製造することができる。
Figure 2011516539
すなわち、式IIIの中間体は、4−((S)−2−アミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステルとカップリングすることができ、式IVの化合物を与える。これは、任意に、NEt、DIPEA又はN−メチルモルフォリン等の適宜な塩基の存在下、そしてDCM、THF又はDMF等の適宜な溶媒中にて、好ましくはRT付近の温度にて、HOBT、EDCI塩酸塩、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、PyBOP、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスフォニウムヘキサフルオロホスフェート等の標準的なカップリング剤を用いて、又は、塩化オキサリル又は塩化チオニルを用いて、DCM又はMeCN等の適宜な溶媒中、RTと80℃の間の温度にて、標準的なペプチドカップリング方法を用いて行うことができる。
次いで、式IIの化合物は、Stille反応の標準的な条件、そして好ましくはトリブチルスタナン誘導体を用いて、トルエン等の適宜な溶媒中、そして好ましくは110℃と130℃の間に加熱して、式IVの中間体を、Mが−SnRであり、Rがアルキルである式Vの試薬と反応させることにより得ることができる。
あるいは、式IIの化合物は、Suzuki反応の標準的な条件、そして好ましくはボロン酸又はエステル誘導体を用いて、KPO、NaCO又はKCO等の適宜な塩基の存在下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の適宜なパラジウム触媒の存在下、DME/水又はジオキサン等の適宜な溶媒中、そして好ましくは80℃と110℃の間に加熱して、式IVの中間体を、MがB(OR’)であり、R’が水素又はアルキルである式Vの試薬と反応させることにより得ることができる。
式IIIの化合物の製造
式IIIの化合物は、下記のスキーム3に示すように製造することができる。
Figure 2011516539
式IIIの化合物は、過マンガン酸カリウム、TCCA/TEMPO等の標準的な酸化剤を用い、ジオキサン/水、アセトン/aq.NaHCO溶液等の適宜な溶媒中で、そして5℃とRTの間の温度にて、式VIの化合物(それらの製造については、国際公開公報第2006/114774号、式IVの化合物の製造、スキーム4aを見よ。)を酸化することにより得ることができる。
式Vの化合物の製造
購入可能でない場合には、式Vの化合物は、当業者に既知の手順に従って製造することができる。特に、Mが−SnR(Rはアルキルである。)であり、Rが-CH−OR’(R’は、水素又はアルキルである。)であり、かつ基、−SnRとRがトランス配置にある式Vの化合物は、下記のスキーム4に記載の通りに製造することができる。
Figure 2011516539
が-CH−OHである式VIIの化合物は、J.Org.Chem.(2000)、7070−7074においてBelanger G.らによって記載された手順に従って、ヒドロスタニル化反応を通じて、Rが−CH−OHである、対応する式VIIIのスタナンに変換することができる(スキーム4)。当該式VIIIの化合物は、次いで、J.Am.Chem.Soc.(1998)、120、11943−11952においてCharette A.B.らによって記載された手順に従って、シクロプロパン化反応を通じて、Rが−CH−OHである、式Vの化合物に変換することができる。この文献に記載のように、シクロプロパン化反応は、ジオキサボロランリガンドの存在下で行えば立体選択的であり、一方のエナンチオマーとしてのRが−CH−OHである、式Vの化合物を与える。
あるいは、Mが−SnR(Rはアルキルである。)であり、Rが-CH−OR”(R’は、水素又はアルキルである。)であり、かつ基−SnRとRがシス配置にある式Vの化合物は、下記のスキーム5に記載の通りに製造することができる。
Figure 2011516539
が-CH−OHである式VIIの化合物は、J.Med.Chem.(2006)、3832−3849においてSheppard G.S.らによって記載された手順に従って、ヒドロスタニル化反応を通じて、Rが−CH−OHである、対応する式IXのスタナンに変換することができる。式Vの化合物を与える下記の工程は、式VIIIの化合物の式Vの化合物への変換について既に記載した方法(スキーム4を見よ。)を用いて遂行することができる。最後に、Rが−CH−OHである式Vの化合物は、次いで、式R’−X(Xは、ハロゲン等の脱離基である。)のアルキル化剤を用い、NaH等の適宜な塩基の存在下、反応をTHF、MeCN又はDMF等の適宜な溶媒中、そして好ましくはRT付近で行い、ヒドロキシ基のアルキル化の標準的な条件を用いて、Rが−CH−OR’であり、R’がアルキルである式Vの化合物にアルキル化することができる。
4−((S)−2−アミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステルの製造
この化合物の合成は、実施例(実施例1、工程1.4)において記載する。
本発明の特定の態様を以下の実施例に記載するが、これらは本発明をより詳しく説明するためのものであり、いかなる意味においても、その範囲を限定するものではない。
使用された定性分析法:
H−NMR(400MHz)は、Brucker Avance 400装置で測定した。化学シフトは、使用する溶媒と関連して、ppmで示してある;多重度:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、p=五重項、hex−六重項、hept=七重項、m=多重項、br=広域:
LC−MS保持時間は、次の溶出条件を用いて得られた。
A Zorbax(登録商標)カラム(Zorbax SB.AQ 5μm、4.6x50mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は次の通りである:溶媒A=水+0.04%TFA;溶媒B=MeCN。溶出速度は4.5ml/分であり、溶出混合液の割合における特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する。(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
Figure 2011516539
ジアステレオマー過剰率の測定のための、キラルHPLCの保持時間は、下記の溶出条件を用いて得られた:
Chiralcelカラム(AD−H 250x4.6mm ID、5μm)を、無勾配条件下、25℃で用いた。2種類の溶出溶媒は次の通りである:溶媒A=70%ヘキサン;溶媒B=EtOH30%、0.1%TFA。溶出速度は0.8ml/分であり、検出波長は210nMであった。
使用した分取用LC−MS法:
I) 分取用LC−MS(I):
Phenomenex(登録商標)カラム(Gemini 10u C18 110A Ax 50x21.2mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は次の通りである:溶媒A=水+1%ギ酸;溶媒B=MeCN+1%ギ酸。溶出速度は50mL/分であった。溶出混合液の割合における特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
Figure 2011516539
II) 分取用LC−MS(II):
X−terra(登録商標)カラム(Prep MS C18 OBD(登録商標) 10u 30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は、分取用LC−MS(I)について記載した通りであった。溶出速度は100ml/分であった。溶出混合液の割合における特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
Figure 2011516539
CCにたいして使用した固定相:
CCによる精製は、他の記載がない限り、シリカゲルを用いて行った。
実施例1:4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(6−シクロプロピル−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
1.1. ピペラジン−1,4−ジカルボン酸 ブチルエステル tert−ブチルエステル:
ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(150g)の、4℃に冷却したDCM(1.05L)中の溶液に、NEt(123.6mL)、次いでn−ブチルクロロギ酸エステル(107mL)を、30minに渡って滴下した。冷却バスを除き、そして反応混合物を2.5hに渡ってRTに温めた。水を添加し、相を分離し、そして水相をDCMで抽出した。合わせた有機相を乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、油状物(242.8g)を得た。化合物を直接次の工程に付した。TLC:(EA/Hept、1/1)Rf=0.7。
1.2. ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル 塩酸塩:
中間体1.1(230.5g)のMeOH(1L)中の冷(15℃)溶液に、ジオキサン中4M HCl(604mL)を添加した。混合物をRTにて一晩攪拌し、そして蒸発乾固した。残渣をMTBE(800mL)中に懸濁し、そして混合物を30min攪拌し、そしてろ過した。固形物をHV下で乾燥して、白色の固体(176g)を得た。H NMR(CDCl):10.05(br. s、2H)、4.21(t、J=6.5Hz、2H)、3.85(t、J=4.8Hz、4H)、3.22(s、4H)、1.69(m、2H)、1.39(m、2H)、0.96(t、J=7.5Hz、3H)。
1.3. 4−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
Z−(L)Glu(OtBu)−OH(25.2g)のDCM/THF(240mL/60mL)中の溶液に、EDCI塩酸塩(17.2g)、HOBT水和物(13.7g)及びDIPEA(28.2mL)を添加した。RTにて5min攪拌した後、中間体1.2(20g)を添加した。混合物をRTにて一晩攪拌した。DCMと水を添加し、そして相を分離した。有機相を2M NaCOで、1M NaHSOで、そして塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして溶媒を蒸発させた。HV下での乾燥の後、所望の化合物をオレンジ色の油状物(40g)として得た。LC−MS:t=1.04min;[M+H]:506.49。
1.4. 4−((S)−2−アミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.3(40g)を、Pd/C(wet、5%、19mg)を用いて、MeOH(300mL)中で24h、水素化した。混合物を、セライトを通してろ過し、そして溶媒を蒸発させた。HV乾燥の後、所望の化合物を明茶色の油状物(28g)として得た。LC−MS:t=0.79min;[M+H]:372.58。
1.5. 6−クロロ−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボン酸:
(6−クロロ−2−フェニル−ピリミジン−4−イル)−メタノール(240g;国際公開公報第2006/114774号に記載の方法と同様の方法を用いて製造、実施例24、中間体24.2)の、アセトン(2L)中の溶液に、NaHCO水溶液(15%、961mL)を添加した。混合物を5℃に冷却し、そしてNaBr(11.2g)、次いでTEMPO(8.56g)を添加した。次いで、TCCA(506g)を1.5hに渡って分割して添加した。得られた混合物を、RTにて1.5h攪拌した。混合物を、セライトのパッドを通してろ過し、そして溶液を蒸発させた。残渣を水/EAで希釈した。水相をEAで抽出し、そして合わせた有機相を乾燥し(NaSO)、そして溶媒を蒸発させた。残渣(EA/Hept)の再結晶化により、所望の生成物をベージュ色の固体(162.1g)として得た。LC−MS:t=0.94min;[M+H]:235.18。
1.6. 4−{(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−[(6−クロロ−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.5(17.5g)のMeCN(600mL)中の懸濁液に、塩化オキサリル(12.6mL)を添加した。混合物を2h還流加熱し、0℃に冷却し、そしてNEt(31mL)、次いで中間体1.4(27.6g)をゆっくりと添加した。混合物をRTに温め、RTにて1h攪拌し、そして蒸発させた。残渣をCC(Hept/EA、1/0から1/1へ)で精製し、所望の生成物をベージュ色の固体(18g)として得た。LC−MS:t=1.18min;[M+H]:588.79。
1.7. 4−{(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−[(6−シクロプロピル−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.6(8mg)、シクロプロピルボロン酸(1mg)、KPO(58mg)及びPd(PPh(7.9mg)の、ジオキサン(0.5mL)中の混合物を、アルゴン下、110℃にて一晩攪拌した。溶媒を蒸発させた。粗生成物を分取用TLC(EA)で精製して、所望の化合物を黄色の油状物(25mg)として得た。LC−MS:t=1.20min;[M+H]:594.44。
1.8. 4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(6−シクロプロピル−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.7(20mg)を、TFA(0.5mL)とDCM(1mL)に溶解し、そして混合物をRTにて4h攪拌した。溶媒を除き、そして残渣を分取用LC−MS(I)で精製して、所望の化合物を白色の粉末(3mg)として得た。LC−MS:t=1.06min;[M+H]:538.58。
実施例2:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(トランス−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
2.1. (E)−3−トリブチルスタンナニル−プロプ−2−エン−1−オール((E)−3−tributylstannanyl−prop−2−en−1−ol):
ニートのプロパルギルアルコール(5mL)に水素化トリブチルスズ(29.2mL)、次いでAIBN(716mg)を添加した。混合物を80℃にて2.75h加熱し、RTに冷却し、そして直接CC(EA/Hept、5/95)で精製して、所望の化合物(12.9g)を得た。H−NMR(CDCl):6.21(m、2H);4.20(m、2H);1.56−1.29(m、18H);0.92(t、9H)。
2.2. (トランス−2−トリブチルスタンナニル−シクロプロピル)−メタノール:
ジメトキシエタン(0.186mL)の、−5℃に冷却した無水DCM(10mL)中の溶液に、内部温度を−7℃付近に保ちつつ、アルゴン下、ジエチル亜鉛(ヘキサン1M、1.9mL)、次いでジヨードメタン(0.309mL)を、20minの間に渡ってゆっくりと添加した。添加完了後、得られた溶液を−5℃にて10min攪拌した。中間体2.1(500mg)のDCM(2mL)中の溶液を滴下した。冷却バスを除き、そして反応混合物をRTに温め、そしてRTにて一晩攪拌した。反応をNHCl水溶液(1mL)と1M HCl水溶液(1mL)でクェンチした。混合物をHOで希釈し、有機相を分離し、そして水相をEtOで抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥し、そして溶媒を蒸発させた。CC(Hept/EA、95/5)により、所望の化合物(374mg)を得た。H−NMR(CDCl):3.58(m、1H);3.42(m、1H);1.57−1.47(m、6H);1.38−1.28(m、6H);1.10(m、1H);0.92(t、9H);0.83(m、6H);0.78(m、1H);0.55(m、2H);−0.30(m、1H)。
2.3. トリブチル−(トランス−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−スタナン:
中間体2.2(250mg)のTHF(50mL)中の溶液に、NaH(83mg、鉱油中60%)をRTにて添加し、そして混合物をRTにて45min攪拌した。CHI(0.150mL)を添加し、そして攪拌をRTにて15h続けた。反応混合物を水で希釈し、そして水相をDCMで数回抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥し、そして溶媒を蒸発させた。粗生成物をCC(Hept/EA、100/0から95/5へ)で精製し、所望の生成物(248mg)を得た。H−NMR(CDCl):3.45(dd、1H);3.38(s、3H);3.12(dd、1H);1.55−1.47(m、6H);1.37−1.28(m、6H);1.04(m、1H);0.91(t、9H);0.83(m、6H);0.55(m、2H);−0.30(m、1H)。
2.4. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−(トランス−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体2.3(70mg)、中間体1.6(100mg)及びPd(PPh(11mg)の、トルエン(1mL)中の溶液を脱気し、そしてアルゴン下、130℃で一晩加熱した。混合物を蒸発させ、そして粗生成物をCC(Hept/EA、6/4から1/1へ)で精製し、所望の化合物を黄色の油状物(66mg)として得た。LC−MS:t=1.18min;[M+H]:638.29。
2.5. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(トランス−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.7を中間体2.4に置き換えて、実施例1、工程1.8の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(Hept/EA、1/1)、次いで分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS:t=1.01min;[M+H]:582.33。
実施例3:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
3.1.((1R,2S)−2−トリブチルスタンナニル−シクロプロピル)−メタノール:
ジメトキシエタン(0.465mL)の、−10℃に冷却した無水DCM(17mL)中の溶液に、内部温度を−10℃付近に保ちつつ、アルゴン下、ジエチル亜鉛(ヘキサン中1M、4.88mL)、次いでジヨードメタン(0.768mL)を、20minの間に渡ってゆっくりと添加した。添加完了後、得られた溶液を−10℃にて10min攪拌した。(4R,5R)−2−ブチル−N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボキサミド(0.72mL)の、DCM(7mL)中の溶液を、5minに渡って添加し、次いですぐに、中間体2.1(826mg)のDCM(7mL)中の溶液を滴下した。冷却バスを除き、そして反応混合物をRTに温め、そしてRTにて一晩攪拌した。反応をNHCl水溶液(2mL)と1M HCl水溶液(2mL)でクェンチした。混合物をHOで希釈し、有機相を分離し、そして水相をDCMとEtOで抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥し、そして溶媒を蒸発させた。CC(Hept/EA、95/5)により、所望の化合物(660mg)を得た。H−NMR(CDCl):3.55(dd、1H);3.39(dd、1H);1.54−1.44(m、6H);1.37−1.24(m、6H);1.14−1.03(m、1H);0.89(t、9H);0.81(t、6H);0.80−0.75(m、1H);0.55−0.50(m、2H);−0.20――0.30(m、1H)。旋光(589nm、CHCl、25℃、l=10cm、10mL中101.6mg、c=1.016):比旋光度=+14.033°。
3.2. トリブチル−((1S,2R)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−スタナン:
中間体2.2を中間体3.1に置き換えて、実施例2、工程2.3の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。H−NMR(CDCl):3.42(dd、1H);3.36(s、3H);3.09(dd、1H);1.54−1.43(m、6H);1.36−1.24(m、6H);1.03(m、1H);0.89(t、9H);0.80(m、6H);0.54(m、2H);−0.30(m、1H)。
3.3. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体2.3を中間体3.2に置き換えて、実施例2、工程2.4の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.17min;[M+H]:638.3。
3.4. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.7を中間体3.3に置き換えて、実施例1、工程1.8の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(EA)で精製した。LC−MS:t=1.05min;[M+H]:582.20。H−NMR(CDCl):9.13(d、1H);8.50(m、2H);7.84(s、1H);7.51(m、3H);5.32(m、1H);4.14(t、2H);3.80−3.48(m、9H);3.42(dd、1H);3.40(s、3H);2.60−2.48(m、2H);2.24(m、1H);2.12(m、1H);2.06(m、1H);1.97(m、1H);1.68−1.58(m、3H);1.46−1.36(m、2H);1.18(m、1H);0.96(t、9H)。キラルHPLC:t=21.87min;93%de。
実施例4:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((1S,2S)−2−ヒドロキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
4.1. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−((1S,2S)−2−ヒドロキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体2.3を中間体3.1に置き換えて、実施例2、工程2.4の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(Hept/EA、1/1から3/7へ、次いでEA)で精製した。LC−MS:t=1.11min;[M+H]:624.26。
4.2. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((1S,2S)−2−ヒドロキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.7を中間体4.1に置き換えて、実施例1、工程1.8の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、粗製化合物をMeOH/NaOH(3mL/1M、3mL)中に取り、そして混合物をRTにて30min攪拌した。混合物を酸性化し(1M HCl)、そしてDCMで抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥し、そして溶媒を蒸発させた。残渣を分取用TLC(Hept/EA/AcOH、95/5/0.1)で精製した。LC−MS:t=0.97min;[M+H]:568.45。
実施例5:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
5.1. 4−フルオロ−ベンズアミジン:
ヘキサメチルジシラザン(7mL)のEtO(40mL)中の氷冷溶液に、n−BuLi(ヘキサン中1.6M、20.6ml)、次いで、4−フルオロベンゾニトリル(2g)のEtO(10ml)中の溶液を添加した。0℃にて10min攪拌した後、混合物をRTに温め、そしてRTにて20h攪拌した。1M HCl溶液の添加により混合物をpH1に酸性化し、そしてCHClで洗浄した。次いで、NaCOとNaOHの添加により、水層をpH14に塩基性化し、そしてCHClで2回抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、所望の化合物(1.59g)を得た。LC−MS:t=0.33min;[M+H]:139.21。
5.2. 6−クロロ−2−(4−フルオロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸:
国際公開公報第2006/114774号、実施例1、工程1.3及び実施例24、工程24.1、24.2及び24.3に記載の方法と同様の方法を用いて、この化合物を、中間体5.1から4工程で製造した。LC−MS:t=0.90min;[M+H]:253.24。
5.3. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−クロロ−2−(4−フルオロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.5を中間体5.2に置き換えて、実施例1、工程1.6の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.19min;[M+H]:606.09。
5.4. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体2.3を中間体5.3に置き換えて、実施例2、工程2.4の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(II)で精製した。LC−MS:t=1.19min;[M+H]:656.22。
5.5. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.7を中間体5.4に置き換えて、実施例1、工程1.8の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用TLC(DCM/アセトン/AcOH、5/3/0.1)で精製した。LC−MS:t=1.06min;[M+H]:600.32。
実施例6:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(シス−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
6.1. (シス−2−トリブチルスタンナニル−シクロプロピル)−メタノール:
中間体2.1を、(Z)−3−トリブチルスタンナニル−プロプ−2−エン−1−オール(Sheppardら、J.Med.Chem.(2006)、49、3832)に置き換えて、実施例2、工程2.2の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。H−NMR(CDCl):3.56−3.60(m、1H);3.25−3.30(m、1H);1.48−1.60(m、6H);1.28−1.44(m、8H);0.84−0.94(m、16H);0.20−0.24(m、1H);−0.02−0.04(m、1H)。
6.2. トリブチル−(シス−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−スタナン:
中間体2.2を中間体6.1に置き換えて、実施例2、工程2.3の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。H−NMR(CDCl):3.35(s、3H);3.30−3.34(m、1H);3.09−3.13(m、1H);1.48−1.57(m、6H);1.28−1.39(m、8H);0.83−0.94(m、16H);0.24−0.28(m、1H);−0.04−0.02(m、1H)。
6.3. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−(シス−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体2.3を中間体6.2に置き換えて、実施例2、工程2.4の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(第一のCC:Hept/EA、1/1から3/7へ、次いでEA;2番目のCC:Hept/EA、1/0から1/1へ)で2回精製した。LC−MS:t=1.17min;[M+H]:638.38。
6.4. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(シス−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.7を中間体6.3に置き換えて、実施例1、工程1.8の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.03min;[M+H]:582.42。
生物学的試験
P2Y12受容体結合試験
方法
遺伝子組み換えヒトP2Y12受容体を発現できるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、24穴細胞培養プレート中で培養した。細胞は、結合バッファー(50mM トリス pH7.4、100mM NaCl、1mM EDTA、0.5%BSA)で3回洗浄した。ついで、細胞を、1ウェルあたり0.5mlの、トリチウムラベル 2−メチル−チオ−アデノシン 5’−ジホスフェート(2−メチル−S−ADP)(100,000から300,000dpm/ウェル)含有結合バッファーと種々の濃度の試験化合物とともに培養した。室温で2時間の培養後、細胞を結合バッファーで3回洗浄した。次いで、可溶化バッファー(SDS、NaOH、EDTA)0.5mlを加えて、細胞を可溶化した。それぞれのウェルの内容物をベータ計数バイアルに移し、Ultima Gold Scintillation液2.0mlを加えた。細胞関連シグナルの定量後、過剰の非放射性2−メチル−S−ADPを加えることによって示される最大可能阻害と比較して、阻害量が計算された。
結果
P2Y12受容体結合試験のための上記の手順を用いて、実施例及び参照化合物について、下記の表に示す結果が得られた:
Figure 2011516539
Figure 2011516539

Claims (12)

  1. 式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
    Figure 2011516539
    式中、
    は、1個のハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシにより置換されていてもよいフェニルを表し;そして
    は、水素、ヒドロキシメチル又はアルコキシメチルを表す。
  2. 式ICEの化合物でもある、請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
    Figure 2011516539
    式中、
    は、1個のハロゲンにより置換されていてもよいフェニルを表し;そして
    は、水素、ヒドロキシメチル又はアルコキシメチルを表す。
  3. が、1個のフッ素により置換されていてもよいフェニルを表す、請求項1又は2に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
  4. が水素を表す、請求項1〜3の1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
  5. が、ヒドロキシメチル又はアルコキシメチルを表す、請求項1〜3の1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
  6. がヒドロキシメチルを表す、請求項5に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
  7. がアルコキシメチルを表す、請求項5に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
  8. 以下からなる群より選択される請求項1に記載の式Iの化合物:
    4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(6−シクロプロピル−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
    4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(トランス−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
    4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
    4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((1S,2S)−2−ヒドロキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
    4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
    4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(シス−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
    又はそのような化合物の塩。
  9. 医薬としての、請求項1〜8の1項に定義された式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  10. 請求項1〜8の1項に定義された式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩の少なくとも一つ、及び1又は2以上の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物。
  11. 血管閉塞性疾患の治療のための医薬を製造するための、請求項1〜8の1項に定義された式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用。
  12. 血管閉塞性疾患の治療のための、請求項1〜8の1項に定義された式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩。
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