JP2011513551A - ポリボロシロキサン及びその調製方法 - Google Patents

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    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/20Polysiloxanes containing silicon bound to unsaturated aliphatic groups

Abstract

低含有量のホウ素結合ヒドロキシ基を有するポリボロシロキサン、及び当該ポリボロシロキサンの調製方法である。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2008年3月4日に出願された米国仮特許出願第61/033442号の利益を主張する。米国仮特許出願第61/033442号は、参照により本明細書に援用される。
[発明の分野]
本発明は、ポリボロシロキサンに関し、より詳細には低含有量のホウ素結合ヒドロキシ基を有するポリボロシロキサンに関する。また、本発明は、このポリボロシロキサンの調製方法に関する。
[発明の背景]
ボロシロキサン及びその調製方法が当該技術分野において知られている。例えば、バーンズ(Burns)らによる米国特許第5,112,779号は、プレセラミックボロシロキサン、炭化ケイ素粉末、当該ボロシロキサン用の硬化剤、当該ボロシロキサン用の架橋剤、及び任意に追加の成分を含む混合物を熱分解して焼結を促進させることによる高密度セラミック体の調製を開示している。
ヤジミ(Yajimi)らによる米国特許第4,152,509号は、少なくとも1つのホウ酸化合物をフェニルシランと共に加熱して重縮合を生じさせることによって製造されたボロシロキサンポリマーを開示している。
ヤジミらによる米国特許第4,248,814号は、耐熱性セラミック焼結体の製造方法を開示している。この方法は、Siの少なくとも一部の側鎖にフェニル基を含有し、且つB、Si及びOから成る骨格構造を有するポリボロシロキサンを、−(R12Si)n−の構造を有するポリシラン(式中、nは少なくとも3であり、R1及びR2は互いに独立して、メチル、エチル、フェニル又は水素を表す)に0.01〜15重量%加え、そして反応に不活性な雰囲気中でそのポリマー混合物を加熱して重合させることにより、シロキサン結合を部分的に含有するポリカルボシランを調製し;前記ポリカルボシランを、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物及びケイ化物から成る群から選択される少なくとも1つの要素(member)から構成されるセラミック粉末と混合し;得られた混合物を成形し;そして混合物の成形と同時又はその後に、真空下、又は不活性ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、水素ガス、窒素ガス及び炭化水素ガスから成る群から選択される少なくとも1つのガスから構成される雰囲気下、800℃〜2,000℃の温度で混合物を焼結させることを含む。
パイロット(Pillot)らによる米国特許第6,180,809B1号は、ポリボロシロキサン前駆体を調製し、当該前駆体の窒化熱分解(nitriding pyrolysis)を行い、非晶質のホウ素及びケイ素の酸窒化物を得て、任意に追加の熱分解を行い、結晶化したホウ素及びケイ素の酸窒化物を得ることによって与えられたホウ素及びケイ素の酸窒化物を開示している。当該ポリボロシロキサン前駆体は、触媒の存在下、式R34SiCl2(式中、置換基R3及びR4は同一でも異なっていてもよく、水素原子、塩素原子、5個以下の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖のアルキル、アルケニル若しくはアルキニルラジカル、又は6〜18個の炭素原子を有するアリール若しくはアラルキルラジカルをそれぞれ表す)により表されるポリクロロシランと、式(R5O)3B(式中、R5は、1〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルラジカルを表す)との縮合により調製される。
上記文献は、様々なボロシロキサンを開示しているが、低含有量のホウ素結合ヒドロキシ基を有する本発明のポリボロシロキサン、又は当該ポリボロシロキサンの調製方法については開示していない。
本発明は、次の式:
(R1 2BO1/2l[(BO(3-v)/2)(OH)vm[(R1BO(2-w)/2)(OH)wn(R1 3SiO1/2p[(R1 2SiO(2-x)/2)(OH)xq[(R1SiO(3-y)/2)(OH)yr[(SiO(4-z)/2)(OH)zs (I)
(式中、各R1は独立してC1〜C10のヒドロカルビル又はC1〜C10のハロゲン置換ヒドロカルビルであり;lは0〜0.2であり;mは0〜0.5であり;nは0〜0.6であり;pは0〜0.7であり;qは0〜0.9であり;rは0〜0.999であり;sは0〜0.5であり;vは0〜0.05であり;wは0〜0.05であり;xは0〜0.45であり;yは0〜0.63であり;zは0〜0.25であり;m+nは0.001〜0.58であり;q+r+sは0.42〜0.999であり;(p+2q+3r+4s)/(3m+2n)は1.01〜1000であり;l+m+n+p+q+r+sは約1である)を有するポリボロシロキサンに向けられる。
また、本発明は、
(I)(a)(i)式B(OR23を有する少なくとも1つのトリアルコキシボラン、(ii)式R1B(OR22を有する少なくとも1つのジアルコキシボラン、(iii)(a)(i)と(a)(ii)とを含む混合物、並びに(iv)式R1 2BOR2を有するモノアルコキシボランと、(a)(i)及び(a)(ii)の少なくとも1つとを含む混合物から選択されるアルコキシボランを、ルイス酸触媒の存在下で、(b)(i)式R1SiX3を有する少なくとも1つのトリハロシラン、(ii)式R1 2SiX2を有する少なくとも1つのジハロシラン、(iii)式SiX4を有する少なくとも1つのテトラハロシラン、(iv)(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の少なくとも2つを含む混合物、並びに(v)式R1 3SiXを有するモノハロシランと、(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の少なくとも1つとを含む混合物から選択されるハロシランと反応させてポリボロシラン中間体を形成する工程であって、各R1は独立してC1〜C10のヒドロカルビル又はC1〜C10のハロゲン置換ヒドロカルビルであり;R2はC1〜C8のアルキルであり、Xは−Cl又は−Brであり、前記アルコキシボラン(a)及び前記ハロシラン(b)のモル数の合計に対する(a)(i)及び(a)(ii)のモル数の合計の比が0.001〜0.58であり、前記アルコキシボラン(a)及び前記ハロシラン(b)のモル数の合計に対する(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)のモル数の合計の比が0.42〜0.999であり、前記アルコキシボラン(a)のモル数に対する前記ハロシラン(b)のモル数の比が0.724〜999であり、前記アルコキシボラン(a)中の−OR2基のモル数に対する前記ハロシラン(b)中の−X基のモル数の比が少なくとも1.01である工程と、
(II)前記ポリボロシロキサン中間体、及び任意に、式R1 nSiX4-nを有する少なくとも1つのハロシランを、水と反応させて水不溶性加水分解生成物を形成する工程であって、R1及びXは上記で定義した通りであり、nは0、1、2又は3であり、ただし、過量の水が使用される場合、方法は前記加水分解生成物を前記水から分離することをさらに含む工程と、
(III)前記加水分解生成物を蒸留して縮合水を除去する工程と
を含むポリボロシロキサンの調製方法に向けられる。
本ポリボロシロキサンは、透明度が高く、多くの有機溶媒中で良好な溶解度を有する。さらに、本ポリボロシロキサンは、従来の方法(例えば、ホウ酸又はエステルとシロキサン及び/又はアルコキシシランとの共加水分解)により調製されたポリボロシロキサンに比べて非常に低含有量のホウ素結合ヒドロキシ基を有する。その結果、本ポリボロシロキサンは、加水分解に安定であり(すなわち、水分による劣化に対する耐性)、大気に長期間曝された後に高透明度を維持する。
本発明のポリボロシロキサンは、熱硬化させて基板間の接着剤コーティングを形成することができる。また、このポリボロシロキサンがケイ素結合アルケニル基を含有する場合、このポリボロシロキサンは、ケイ素結合水素原子を有する架橋剤及びヒドロシリル化触媒と組み合わせてヒドロシリル化硬化性組成物を形成することができる。また、この組成物は、熱硬化させて基板間の接着剤コーティングを形成することができる。
本発明のこれらの特徴及び他の特徴、態様、並びに利益は、以下の記載及び添付の特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解されるであろう。
[発明の詳細な説明]
本明細書で使用される場合、(BO(3-v)/2)(OH)v及び(R1BO(2-w)/2)(OH)wという表記は、それぞれ3つの酸素原子及び2つの酸素原子に結合したホウ素を有する単位の平均式を意味する。ここで、各酸素原子はまた、他の原子(すなわち、Si又はH)に結合される。例えば、式(BO(3-v)/2)(OH)v(式中、v=0である)を有する単一の単位は、次の構造式によって表すことができる。
Figure 2011513551
同様に、式(R1BO(2-w)/2)(OH)w(式中、R1は、C1〜C10のヒドロカルビル又はC1〜C10のハロゲン置換ヒドロカルビルであり、w=0である)を有する単一の単位は、次の構造式によって表すことができる。
Figure 2011513551
さらに、式R1 2BO1/2(式中、各R1は独立して、C1〜C10のヒドロカルビル又はC1〜C10のハロゲン置換ヒドロカルビルである)を有する単位は、次の式を有する。
Figure 2011513551
上記の式の各々において、酸素原子に繋がる線部分(line segments)は、自由原子価(すなわち、他の原子への接着点)を表す。
本発明によるポリボロシロキサンは、次の式:
(R1 2BO1/2l[(BO(3-v)/2)(OH)vm[(R1BO(2-w)/2)(OH)wn(R1 3SiO1/2p[(R1 2SiO(2-x)/2)(OH)xq[(R1SiO(3-y)/2)(OH)yr[(SiO(4-z)/2)(OH)zs (I)
を有する。式中、各R1は独立してC1〜C10のヒドロカルビル又はC1〜C10のハロゲン置換ヒドロカルビルであり;lは0〜0.2であり;mは0〜0.5であり;nは0〜0.6であり;pは0〜0.7であり;qは0〜0.9であり;rは0〜0.999であり;sは0〜0.5であり;vは0〜0.05であり;wは0〜0.05であり;xは0〜0.45であり;yは0〜0.63であり;zは0〜0.25であり;m+nは0.001〜0.58であり;q+r+sは0.42〜0.999であり;(p+2q+3r+4s)/(3m+2n)は1.01〜1000であり;l+m+n+p+q+r+sは約1である。
ポリボロシロキサンは、式[(BO(3-v)/2)(OH)v]を有する単位及び/又は式[(R1BO(2-w)/2)(OH)w]を有する単位を、次の:式[(R1 2SiO(2-x)/2)(OH)x]を有する単位、式[(R1SiO(3-y)/2)(OH)y]を有する単位、及び式[(SiO(4-z)/2)(OH)z]を有する単位と組み合わせて含有する。式中、R1、v、w、x、y及びzは、下記で定義及び例示する通りである。
1により表されるヒドロカルビル及びハロゲン置換ヒドロカルビル基は、1〜10個の炭素原子、或いは1〜6個の炭素原子、或いは1〜4個の炭素原子を典型的に有する。少なくとも3個の炭素原子を含有する非環式ヒドロカルビル及びハロゲン置換ヒドロカルビル基は、分岐状又は非分岐状構造を有し得る。R1により表されるヒドロカルビル基の例としては、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルなど);シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル及びメチルシクロヘキシルなど);アリール(例えば、フェニル及びナフチルなど);アルカリール(例えば、トリル及びキシリルなど);アラルキル(例えば、ベンジル及びフェネチルなど);アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル及びオクテニルなど);アリールアルケニル(例えば、スチリル及びシンナミルなど);並びにアルキニル(例えば、エチニル及びプロピニルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。R1により表されるハロゲン置換ヒドロカルビル基の例としては、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、及び2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
1つの実施形態において、ポリボロシロキサンの式(I)中のR1により表されるヒドロカルビル基はフェニルではない。
ポリボロシロキサンの式(I)において、下付記号l、m、n、p、q、r及びsはモル分率である。下付記号lは、0〜0.2、或いは0〜0.1、或いは0〜0.05の値を典型的に有し;下付記号mは、0〜0.5、或いは0.1〜0.4、或いは0.15〜0.3の値を典型的に有し;下付記号nは、0〜0.6、或いは0〜0.4、或いは0.1〜0.2の値を典型的に有し;下付記号pは、0〜0.7、或いは0〜0.5、或いは0〜0.2の値を典型的に有し;下付記号qは、0〜0.9、或いは0〜0.7、或いは0〜0.5の値を典型的に有し;下付記号rは、0〜0.999、或いは0〜0.8、或いは0.1〜0.4の値を典型的に有し;下付記号sは、0〜0.5、或いは0〜0.35、或いは0.05〜0.2の値を典型的に有する。また、m+nの合計は、典型的に0.001〜0.58、或いは0.01〜0.4、或いは0.1〜0.3であり;q+r+sの合計は、典型的に0.42〜0.999、或いは0.45〜0.9、或いは0.6〜0.8であり;(p+2q+3r+4s)/(3m+2n)の比は、典型的に1.01〜1000、或いは1.2〜100、或いは1.5〜10である。
また、ポリボロシロキサンの式(I)において、下付記号v、w、x、y及びzは、式中の様々な単位と関連するヒドロキシ基の平均数を表す。下付記号vは、0〜0.05、或いは0〜0.04、或いは0〜0.03の値を典型的に有し;下付記号wは、0〜0.05、或いは0.01〜0.04、或いは0.01〜0.02の値を典型的に有し;下付記号xは、0〜0.45、或いは0.01〜0.35、或いは0.05〜0.25の値を典型的に有し;下付記号yは、0〜0.63、或いは0.01〜0.4、或いは0.05〜0.25の値を典型的に有し;下付記号zは、0〜0.25、或いは0.01〜0.15、或いは0.01〜0.05の値を典型的に有する。
さらに、ポリボロシロキサンの式(I)において、l+m+n+p+q+r+sの合計は約1(1におおよそ等しい)である。これは、上記式(I)で示される平均式を有する単位に加えて、ポリシロキサンが、残りの量(例えば、5モル%以下)の、以下の平均式:(BO(3-v’)/2)(OR2v’、(R1BO(2-w’)/2)(OR2w’、(R1 2SiO(2-x’)/2)(X)x’,(R1SiO(3-y’)/2)(X)y’及び(SiO(4-z’)/2)(X)z’を有する1つ以上の単位を含有してもよいことを意味する。式中、R1は、上記で定義及び例示した通りであり、R2はC1〜C8のアルキルであり、Xは−Cl又は−Brであり、v’は0〜0.04の平均値を有し;w’は0〜0.02の平均値を有し;x’は0〜0.03の平均値を有し;y’は0〜0.03の平均値を有し;z’は0〜0.03の平均値を有する。
2により表されるアルキル基は、1〜8個の炭素原子、或いは1〜6個の炭素原子、或いは1〜4個の炭素原子を典型的に有する。少なくとも3個の炭素原子を含有する非環式アルキル基は、分岐状又は非分岐状構造を有し得る。R2により表されるアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル及びオクチル、並びにシクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル及びメチルシクロヘキシルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
1つの実施形態において、ポリボロシロキサンは、1分子あたり平均少なくとも2つのアルケニル基を有する。R1により表されるアルケニル基は、ホウ素原子、ケイ素原子、又はホウ素原子及びケイ素原子の両方に結合され得る。この実施形態において、ポリボロシロキサン中のR1基の、典型的に少なくとも10モル%、或いは少なくとも25モル%、或いは少なくとも50モル%がアルケニルである。本明細書で使用される場合、「ポリボロシロキサン中のR1基のモル%がアルケニルである」という用語は、ポリボロシロキサン中のR1基の全モル数に対するポリボロシロキサン中のケイ素結合アルケニル基及びホウ素結合アルケニル基のモル数の比に100を乗じたものとして定義される。
ポリボロシロキサンは、500〜1,000,000、或いは500〜500,000、或いは10,000〜500,000、或いは10,000〜50,000の数平均分子量(Mn)を典型的に有する。ここで、当該分子量は、屈折率検出器及びシリコーン樹脂(MQ)標準物質を用いるゲル浸透クロマトグラフィによって測定される。
ポリボロシロキサンの25℃での粘度は、典型的に0.5〜10,000Pa・s、或いは1〜1,000Pa・s、或いは2〜100Pa・sである。
ポリボロシロキサンは、29Si NMRにより測定される場合に、20重量%未満、或いは15重量%未満、或いは10重量%未満のケイ素結合ヒドロキシ基を典型的に含有する。
また、ポリボロシロキサンは、5モル%未満、或いは4モル%未満、或いは3モル%未満のホウ素結合ヒドロキシ基を典型的に含有する。ここで、ホウ素結合ヒドロキシ基のモル%は、ポリボロシロキサン中のSi原子及びB原子のモル数の合計に対するポリボロシロキサン中のホウ素結合ヒドロキシ基のモル数の比に100を乗じたものとして定義される。さらに、ホウ素結合ヒドロキシ基のモル%は、関係D=νBC/Aから見積もることができる。ここで、Dはホウ素結合ヒドロキシ基のモル%であり;νは比例定数であり(これは、1の値を有すると見なされる);Aは、ポリボロシロキサンのFTIRスペクトル中の約3400cm-1に中心があるSi−OH吸収の面積であり;Bは、ポリボロシロキサンのFTIRスペクトル中の約3230cm-1に中心があるB−OH吸収の面積であり;Cは、29Si NMRにより測定されるような、ポリボロシロキサン中のケイ素結合ヒドロキシ基のモル%である。
本発明のポリボロシロキサンは、様々な有機溶媒に溶解する。例えば、有機溶媒におけるポリボロシロキサンの溶解度は、構造、分子量及びケイ素結合ヒドロキシ基の含有量に依存するが、室温(約23±2℃)で、典型的に少なくとも2g/mL、或いは少なくとも1g/mLである。特に、メチルイブチルケトンにおけるポリボロシロキサンの溶解度は、室温(約23±2℃)で、典型的に0.1〜2g/mL、或いは0.2〜1g/mLである。
ポリボロシロキサンは、高透明度を典型的に示す。一般に、ポリボロシロキサンの透明度は、ポリボロシロキサンの組成及び試料の厚さに依存する。例えば、50μmの厚さを有するポリボロシロキサンの被膜は、電磁スペクトルの可視領域(約400〜約700nm)の光に対して、少なくとも80%、或いは少なくとも85%、或いは少なくとも90%の透過パーセントを典型的に有する。特に、ポリボロシロキサンは、大気に長期間(例えば、数日〜数ヶ月)曝された後でさえも高透明度を示す。
式(I)を有するポリボロシロキサンの例としては、以下の式:
(ViMe2SiO1/20.7(BO3/20.25(SiO4/20.05
(BO3/20.15(Me2SiO2/20.55(PhSiO3/20.30
(BO3/20.1(PhBO2/20.25(ViMe2SiO1/20.25(MeSiO3/20.4
(BO3/20.25(BO2/2(OH))0.05(Me2SiO2/20.6(Me2SiO1/2(OH))0.1
(PhBO2/20.15(PhBO1/2(OH))0.03(PhSiO3/20.31(PhSiO2/2(OH))0.51
(ViMeBO1/20.05(BO3/20.2(ViMe2SiO1/20.1(MeSiO3/20.65
(BO3/20.01(Me2SiO2/20.4(Me2SiO1/2(OH))0.05(PhSiO2/2(OH))0.54、及び
(PhBO2/20.3(MeSiO3/20.6(ViMe2SiO1/20.1
を有するポリボロシロキサンが挙げられるが、これらに限定されない。式中、Meはメチルであり、Viはビニルであり、Phはフェニルであり、括弧外の下付数値はモル分率である。また、上記式において、単位の順序は特定されない。
本発明のポリボロシロキサンは、(I)(a)(i)式B(OR23を有する少なくとも1つのトリアルコキシボラン、(ii)式R1B(OR22を有する少なくとも1つのジアルコキシボラン、(iii)(a)(i)と(a)(ii)とを含む混合物、並びに(iv)式R1 2BOR2を有するモノアルコキシボランと、(a)(i)及び(a)(ii)の少なくとも1つとを含む混合物から選択されるアルコキシボランを、ルイス酸触媒の存在下で、(b)(i)式R1SiX3を有する少なくとも1つのトリハロシラン、(ii)式R1 2SiX2を有する少なくとも1つのジハロシラン、(iii)式SiX4を有する少なくとも1つのテトラハロシラン、(iv)(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の少なくとも2つを含む混合物、並びに(v)式R1 3SiXを有するモノハロシランと、(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の少なくとも1つとを含む混合物から選択されるハロシランと反応させてポリボロシラン中間体を形成する工程であって、各R1は独立してC1〜C10のヒドロカルビル又はC1〜C10のハロゲン置換ヒドロカルビルであり、R2はC1〜C8のアルキルであり、Xは−Cl又は−Brであり、前記アルコキシボラン(a)及び前記ハロシラン(b)のモル数の合計に対する(a)(i)及び(a)(ii)のモル数の合計の比が0.001〜0.58であり、前記アルコキシボラン(a)及び前記ハロシラン(b)のモル数の合計に対する(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)のモル数の合計の比が0.42〜0.999であり、前記アルコキシボラン(a)のモル数に対する前記ハロシラン(b)のモル数の比が0.724〜999であり、前記アルコキシボラン(a)中の−OR2基のモル数に対する前記ハロシラン(b)中の−X基のモル数の比が少なくとも1.01である工程と、(II)前記ポリボロシロキサン中間体、及び任意に、式R1 nSiX4-nを有する少なくとも1つのハロシランを、水と反応させて水不溶性加水分解生成物を形成する工程であって、R1及びXは上記で定義した通りであり、nは0、1、2又は3であり、ただし、過量の水が使用される場合、方法は前記加水分解生成物を前記水から分離することをさらに含む工程と、(III)前記加水分解生成物を蒸留して縮合水を除去する工程とにより調製され得る。
ポリボロシロキサンの調製方法の工程(I)において、(a)(i)式B(OR23を有する少なくとも1つのトリアルコキシボラン、(ii)式R1B(OR22を有する少なくとも1つのジアルコキシボラン、(iii)(a)(i)と(a)(ii)とを含む混合物、並びに(iv)式R1 2BOR2を有するモノアルコキシボランと、(a)(i)及び(a)(ii)の少なくとも1つとを含む混合物から選択されるアルコキシボランを、ルイス酸触媒の存在下で、(b)(i)式R1SiX3を有する少なくとも1つのトリハロシラン、(ii)式R1 2SiX2を有する少なくとも1つのジハロシラン、(iii)式SiX4を有する少なくとも1つのテトラハロシラン、(iv)(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の少なくとも2つを含む混合物、並びに(v)式R1 3SiXを有するモノハロシランと、(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の少なくとも1つとを含む混合物から選択されるハロシランと反応させてポリボロシラン中間体を形成する。ここで、各R1は独立してC1〜C10のヒドロカルビル又はC1〜C10のハロゲン置換ヒドロカルビルであり、R2はC1〜C8のアルキルであり、Xは−Cl又は−Brであり、前記アルコキシボラン(a)及び前記ハロシラン(b)のモル数の合計に対する(a)(i)及び(a)(ii)のモル数の合計の比が0.001〜0.58であり、前記アルコキシボラン(a)及び前記ハロシラン(b)のモル数の合計に対する(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)のモル数の合計の比が0.42〜0.999であり、前記アルコキシボラン(a)のモル数に対する前記ハロシラン(b)のモル数の比が0.724〜999であり、前記アルコキシボラン(a)中の−OR2基のモル数に対する前記ハロシラン(b)中の−X基のモル数の比が少なくとも1.01である。
アルコキシボラン(a)は、(i)式B(OR23を有する少なくとも1つのトリアルコキシボラン、(ii)式R1B(OR22を有する少なくとも1つのジアルコキシボラン、(iii)(a)(i)と(a)(ii)とを含む混合物、並びに(iv)式R1 2BOR2を有するモノアルコキシボランと、(a)(i)及び(a)(ii)の少なくとも1つとを含む混合物から選択される。ここで、R1及びR2は、上記で定義及び例示した通りである。
アルコキシボラン(a)(i)は、式B(OR23を有する少なくとも1つのトリアルコキシボランであり、R2は上記で記載及び例示した通りである。トリアルコキシボランの例としては、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリペンチル、ホウ酸トリヘキシル及びホウ酸トリオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
アルコキシボラン(a)(i)は、単一のトリアルコキシボラン、又は式B(OR23をそれぞれ有する2つ以上の異なるトリアルコキシボランを含む混合物であり得る。式中、R2は、上記で定義及び例示した通りである。トリアルコキシボランの調製方法は、当該技術分野において周知であり、これらの化合物の多くが市販されている。
アルコキシボラン(a)(ii)は、式R1B(OR22を有する少なくとも1つのジアルコキシボランであり、R1及びR2は、上記で定義及び例示した通りである。ジアルコキシボランの例としては、フェニルジメトキシボラン、メチルジメトキシボラン、フェニルジエトキシボラン、メチルジエトキシボラン及びn−ブチルジメトキシボランが挙げられるが、これらに限定されない。
アルコキシボラン(a)(ii)は、単一のジアルコキシボラン、又は式R1B(OR22をそれぞれ有する2つ以上の異なるジアルコキシボランを含む混合物であり得る。式中、R1及びR2は、上記で定義及び例示した通りである。ジアルコキシボランの調製方法は、当該技術分野において周知であり、これらの化合物の多くが市販されている。
アルコキシボラン(a)(iii)は、それぞれ上記したような(a)(i)及び(a)(ii)を含む混合物である。
アルコキシボラン(a)(iv)は、式R1 2BOR2を有するモノアルコキシボランと、(a)(i)及び(a)(ii)の少なくとも1つとを含む混合物であり、R1及びR2は、上記で定義及び例示した通りである。モノアルコキシボランの例としては、メチルフェニルメトキシボラン及びジメチルメトキシボランが挙げられるが、これらに限定されない。
モノアルコキシボランは、単一のモノアルコキシボラン、又は式R1 2BOR2をそれぞれ有する2つ以上の異なるモノアルコキシボランを含む混合物であり得る。式中、R1及びR2は、上記で定義及び例示した通りである。モノアルコキシボランの調製方法は、当該技術分野において周知であり、これらの化合物の多くが市販されている。
ハロシラン(b)は、(i)式R1SiX3を有する少なくとも1つのトリハロシラン、(ii)式R1 2SiX2を有する少なくとも1つのジハロシラン、(iii)式SiX4を有する少なくとも1つのテトラハロシラン、(iv)(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の少なくとも2つを含む混合物、並びに(v)式R1 3SiXを有するモノハロシランと、(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の少なくとも1つとを含む混合物から選択される。ここで、R1はC1〜C10のヒドロカルビル又はC1〜C10のハロゲン置換ヒドロカルビルであり、Xは−Cl又は−Brである。
ハロシラン(b)(i)は、式R1SiX3を有する少なくとも1つのトリハロシランであり、R1及びXは、上記で記載及び例示した通りである。トリハロシランの例としては、次の式:MeSiCl3、EtSiCl3、MeSiBr3、EtSiBr3、PhSiCl3、n−BuSiCl3及びi−PrSiCl3(式中、Meはメチルであり、Etはエチルであり、Phはフェニルであり、n−Buはノルマルブチルであり、i−Prはイソプロピルである)を有するシランが挙げられるが、これらに限定されない。
ハロシラン(b)(i)は、単一のトリハロシラン、又は式R1SiX3をそれぞれ有する2つ以上の異なるトリハロシランを含む混合物であり得る。式中、R1及びXは、上記で定義及び例示した通りである。トリハロシランの調製方法は、当該技術分野において周知であり、これらの化合物の多くが市販されている。
ハロシラン(b)(ii)は、式R1 2SiX2を有する少なくとも1つのジハロシランであり、R1及びXは、上記で定義及び例示した通りである。ジハロシランの例としては、次の式:Me2SiCl2、Et2SiCl2、Me2SiBr2、Et2SiBr2、PhMeSiCl2、ViMeSiCl2及びPh2SiCl2(式中、Meはメチルであり、Etはエチルであり、Phはフェニルであり、Viはビニルである)を有するシランが挙げられるが、これらに限定されない。
ハロシラン(b)(ii)は、単一のジハロシラン、又は式R1 2SiX2をそれぞれ有する2つ以上の異なるジハロシランを含む混合物であり得る。式中、R1及びXは、上記で定義及び例示した通りである。ジハロシランの調製方法は、当該技術分野において周知であり、これらの化合物の多くが市販されている。
ハロシラン(b)(iii)は、式SiX4を有する少なくとも1つのテトラハロシランであり、Xは−Cl又は−Brである。テトラハロシランの例としては、SiCl4及びSiBr4が挙げられる。
ハロシラン(b)(iii)は、単一のテトラハロシラン、又は式SiX4をそれぞれ有する2つ以上の異なるテトラハロシランを含む混合物であり得る。式中、Xは、上記で定義及び例示した通りである。テトラハロシランの調製方法は、当該技術分野において周知であり、これらの化合物の多くが市販されている。
ハロシラン(b)(iv)は、それぞれ上記したような(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の少なくとも2つを含む混合物である。
ハロシラン(b)(v)は、式R1 3SiXを有するモノハロシランと、(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の少なくとも1つとを含む混合物であり、R1及びXは、上記で定義及び例示した通りである。モノハロシランの例としては、次の式:ViMe2SiCl、ViPhMeSiCl、Me3SiBr、PhMe2SiCl、Vi2MeSiBr及びPh2MeSiCl(式中、Meはメチルであり、Viはビニルであり、Phはフェニルである)を有するシランが挙げられるが、これらに限定されない。
モノハロシランは、単一のモノハロシラン、又は式R1 3SiXをそれぞれ有する2つ以上の異なるモノハロシランを含む混合物であり得る。式中、R1及びXは、上記で定義及び例示した通りである。モノハロシランの調製方法は、当該技術分野において周知であり、これらの化合物の多くが市販されている。
ルイス酸触媒は、アルコキシボラン(a)中のホウ素結合基−OR2と、ハロシラン(b)中のケイ素結合基−Xとの間の縮合反応を促進し得る少なくとも1つのルイス酸触媒である。ルイス酸触媒の例としては、次の式:AlCl3、FeCl3、BCl3及びZnCl2を有する触媒が挙げられるが、これらに限定されない。ルイス酸触媒は、単一のルイス酸触媒、又は2つ以上の異なるルイス酸触媒を含む混合物であり得る。
ポリボロシロキサン中間体を生成させるためのアルコキシボランとハロシランとの反応は、例えば、ハロシランをアルコキシボランと接触させるのに適した任意の標準的な反応器内で行われ得る。適切な反応器としては、ガラス反応器、及びテフロン(登録商標)裏地付反応器が挙げられる。好ましくは、攪拌器(stirring)などの攪拌手段が反応器に備えられる。また、好ましくは、不活性雰囲気(例えば、窒素又はアルゴン)中、水分の不存在下で反応が行われる。
アルコキシボラン(a)は、ハロシラン(b)及びルイス酸触媒の混合物に典型的に添加される。また、逆の添加(すなわち、ルイス酸の存在下でアルコキシボランにハロシランを添加すること)も可能である。しかし、逆の添加は、多分散性がより高いポリボロシロキサンに繋がることがあり、いくつかのケースではゲル形成を引き起こすことがある。
ハロシラン(b)及びルイス酸触媒の混合物に対するアルコキシボラン(a)の添加速度は、攪拌の効率的な手段を備えた1000mL反応容器に関して、典型的に0.1〜2mL/分である。添加速度が遅すぎる場合、反応時間が不必要に長くなる。添加速度が速すぎる場合、反応混合物がゲルを形成することがある。
アルコキシボラン(a)とハロシラン(b)との反応は、25〜150℃、或いは30〜90℃、或いは40〜80℃の温度で典型的に行われる。当該温度が25℃未満であると、反応速度が典型的に非常に遅くなる。当該温度が150℃を超えると、反応の過度の揮発が起こる。
反応時間は、様々な因子(例えば、アルコキシボラン(a)及びハロシラン(b)の構造や、温度など)に依存する。反応は、アルコキシボランに本来存在する−OR2基の少なくとも95モル%を−O−Si結合に変換するのに十分な時間の間、典型的に行われる。例えば、反応時間は、40〜80℃の温度で、典型的に1〜24時間、或いは1〜8時間、或いは2〜5時間である。最適の反応時間は、下記の実施例の欄に記載された方法を用いる日常的な実験によって決定され得る。
アルコキシボラン(a)及びハロシラン(b)のモル数の合計に対する(a)(i)及び(a)(ii)のモル数の合計の比は、典型的に0.001〜0.58、或いは0.01〜0.4、或いは0.1〜0.35である。
アルコキシボラン(a)及びハロシラン(b)のモル数の合計に対する(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)のモル数の合計の比は、典型的に0.42〜0.999、或いは0.5〜0.9、或いは0.6〜0.8である。
アルコキシボラン(a)のモル数に対するハロシラン(b)のモル数の比は、典型的に0.724〜999、或いは1.2〜99、或いは1.5〜9である。
アルコキシボラン(a)中の−OR2基のモル数に対するハロシラン(b)中の−X基のモル数の比は、典型的に少なくとも1.01である。例えば、アルコキシボラン(a)中の−OR2基のモル数に対するハロシラン(b)中の−X基のモル数の比は、典型的に1.01〜1,000、或いは1.2〜100、或いは1.5〜10である。
ルイス酸触媒の濃度は、アルコキシボラン(a)とハロシラン(b)との反応を触媒するのに十分な濃度である。典型的に、ルイス酸触媒の濃度は、アルコキシボラン及びハロシランの合計重量を基準として、0.1〜3重量%、或いは0.5〜1重量%である。
ポリボロシランの調製方法の工程(II)において、ポリボロシロキサン中間体、及び任意に、式R1 nSiX4-nを有する少なくとも1つのハロシランを水と反応させて水不溶性加水分解生成物を形成する。ここで、R1及びXは上記で定義した通りであり、nは0、1、2又は3であり、ただし、過量の水が使用される場合、方法は加水分解生成物を前記水から分離することをさらに含む。
工程(II)の任意のハロシランは、式R1 nSiX4-n(式中、R1及びXは上記で定義及び例示した通りであり、nは0、1、2又は3である)を有する少なくとも1つのハロシランである。従って、ハロシランは、式R1 3SiXを有するモノハロシラン、式R1 2SiX2を有するジハロシラン、式R1SiX3を有するトリハロシラン、又は式SiX4を有するテトラハロシラン(式中、R1及びXは上記で定義及び例示した通りである)であり得る。モノハロシラン、ジハロシラン、トリハロシラン及びテトラハロシランの例は、本方法の工程(I)のために上記した通りである。さらに、任意のハロシランは、単一のハロシラン、又は式R1 nSiX4-nをそれぞれ有する2つ以上の異なるハロシランを含む混合物であり得る。式中、R1及びXは、上記で定義及び例示した通りである。
ポリボロシロキサン中間体及び任意のハロシランは、当該中間体を水に添加することによって水と典型的に混合される。逆の添加(すなわち、ポリボロシロキサンに水を添加すること)も可能である。
ポリボロシロキサン中間体及び任意のハロシランの水への添加速度は、攪拌の効率的な手段を備えた1000mL反応容器に関して、典型的に2mL/分〜1,000mL/分である。添加速度が遅すぎる場合、反応時間が不必要に長くなる。添加速度が速すぎる場合、反応混合物がゲルを形成することがある。
ボロシロキサン中間体と水との反応は、0〜50℃、或いは0〜30℃、或いは2〜10℃の温度で典型的に行われる。当該温度が0℃未満であると、反応速度が典型的に非常に遅くなる。当該温度が50℃を超えると、反応混合物がゲルを形成することがある。
反応時間は、いくつかの因子(例えば、ポリボロシロキサン中間体の構造や温度など)に依存する。反応は、ポリボロシロキサン中間体及び任意のハロシランの加水分解を生じさせるのに十分な時間の間、典型的に行われる。本明細書中で使用される場合、「加水分解」という用語は、ポリボロシロキサン中間体及び任意のハロシラン中に本来存在するケイ素結合基−Xの少なくとも95モル%が、ケイ素結合ヒドロキシ基に変換されることを意味する。例えば、反応時間は、2〜10℃の温度で、典型的に15〜300分、或いは15〜100分、或いは30〜50分である。最適の反応時間は、下記の実施例の欄に記載された方法を用いる日常的な実験によって決定され得る。
反応混合物中の水の濃度は、典型的にポリボロシロキサン中間体及び任意のハロシランの加水分解を生じさせるのに十分な濃度である。例えば、水の濃度は、典型的にポリボロシロキサン中間体及び任意のハロシロキサン中のケイ素結合基−Xのモル数の合計に対する水のモル数の比が0.5〜10、或いは1〜8、或いは4〜6となるような濃度である。
ポリボロシロキサン中間体及び任意のハロシランと水との反応は、有機溶媒の存在下で行われてもよい。有機溶媒は、本方法の条件下でポリボロシロキサン中間体及び任意のハロシランと反応せず、且つポリボロシロキサン中間体及び加水分解生成物と混和性である任意の非プロトン性有機溶媒又は双極性(dipolar)プロトン性有機溶媒であり得る。有機溶媒は、典型的に水と非混和性である。本明細書中で使用される場合、「非混和性」という用語は、溶媒における水の溶解度が、25℃において100gの溶媒に対して約0.1g未満であることを意味する。
有機溶媒の例としては、n−ペンタン、ヘキサン、n−へプタン、イソオクタン及びドデカンなどの脂肪族飽和炭化水素;シクロペンタン及びシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン(THF)及びジオキサンなどの環状エーテル;メチルイソブチルケトン(MIBK)などのケトン;トリクロロエタンなどのハロゲン化アルカン;並びにブロモベンゼン及びクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素が挙げられるが、これらに限定されない。
有機溶媒は、単一の有機溶媒、又は上記でそれぞれ記載及び例示したような2つ以上の異なる有機溶媒を含む混合物であり得る。
存在する場合、有機溶媒の濃度は、反応混合物の合計重量を基準として、典型的に1〜80重量%、或いは5〜60重量%、或いは30〜50重量%である。
ポリボロシロキサン中間体及び任意のハロシランが過量の水と反応される場合、方法は、典型的に下記の工程(III)を開始する前に加水分解生成物を水から分離することをさらに含む。本明細書中で使用される場合、「過量の水」という用語は、ポリボロシロキサン中間体及び任意のハロシラン中のケイ素結合基−Xのモル数の合計に対する水のモル数の比が、典型的に1よりも大きい(例えば、1〜8、或いは4〜6)水の濃度であることを意味する。
加水分解生成物は、攪拌をやめ、2つの層(有機相及び水相)に混合物を分離させ、加水分解生成物を含有する有機相を除去することによって水から分離され得る。有機相は、水で典型的に洗浄される。水は、洗浄の際に水と有機相との間のエマルションの形成を最小限にするために、塩化ナトリウムなどの中性無機塩をさらに含み得る。水中の中性無機塩の濃度は、飽和に至るまでであり得る。有機相は、水と混合し、2つの層に混合物を分離させ、水層を除去することによって洗浄され得る。有機相は、別個の部分の水を用いて1〜5回典型的に洗浄される。洗浄1回あたりの水の量は、典型的に有機相の量の0.5〜2倍である。混合は、従来の方法(例えば、攪拌又は振とうなど)により行われ得る。
ポリボロシロキサンの調製方法の工程(III)において、加水分解生成物を蒸留して縮合水(すなわち、加熱中に加水分解生成物中のケイ素結合ヒドロキシ基の縮合により形成された水)を除去する。蒸留は、大気圧又は大気圧以下の圧力(subatmospheric pressure)で行われ得る。蒸留は、100kPaにおいて、80〜150℃、或いは90〜110℃の温度で典型的に行われる。蒸留は、500〜1,000,000の数平均分子量を有するポリボロシロキサンを生じるのに十分な時間の間、典型的に継続される。例えば、加水分解生成物は、0.5〜24時間の間に80〜149℃の温度、或いは1〜12時間の間に90〜120℃の温度、或いは3〜8時間の間に100〜115℃の温度で典型的に加熱される。蒸留が、下記の縮合触媒の存在下で行われる場合、ポリボロシロキサンは、より低温及び/又は短時間で典型的に形成され得る。
ポリボロシロキサンが比較的高い粘度(例えば、25℃で100Pa・sよりも高い粘度)を有する場合、水の除去は、水と最小限の共沸混合物(minimum boiling azeotrope)を形成する水非混和性有機溶媒の存在下で加水分解生成物の蒸留を行うことによって容易になされる。この場合、蒸留は、水を集めて溶媒を蒸留容器に戻すディーンスタークトラップを用いて便利に行われ得る。
また、加水分解生成物は、縮合触媒の存在下で蒸留され得る。縮合触媒は、ケイ素結合ヒドロキシ(シラノール)基の縮合を促進してSi−O−Si結合を形成するのに典型的に使用される任意の縮合触媒であり得る。縮合触媒の例としては、ジラウリン酸スズ、オクチル酸スズ及びテトラブチルスズなどのスズ(II)及びスズ(III)化合物;オクチル酸亜鉛などの亜鉛化合物;並びにチタンテトラブトキシドなどのチタン化合物が挙げられるが、これらに限定されない。縮合触媒は、単一の縮合触媒、又は2つ以上の異なる縮合触媒を含む混合物であり得る。
存在する場合、縮合触媒の濃度は、本方法の工程(I)に用いられるアルコキシボラン及びハロシランの混合重量を基準として、典型的に0.1〜10重量%、或いは0.5〜5重量%、或いは1〜3重量%である。
縮合触媒は、加水分解生成物の蒸留後、ポリボロシロキサン及び縮合触媒の混合物を濾過することによって容易に除去し得る。
ポリボロシロキサンの調製方法の1つの実施形態によると、アルコキシボラン(a)、ハロシラン(b)及び任意のハロシラン(工程II)は、フェニル基を含有しない。
本方法の他の実施形態によると、混合されるアルコキシボラン(a)、ハロシラン(b)及び任意のハロシラン(工程II)中のR1により表される基の少なくとも10モル%、或いは少なくとも25モル%、或いは少なくとも50モル%は、アルケニルである。
ポリボロシロキサンは、透明度が高く、多くの有機溶媒中で良好な溶解度を有する。さらに、ポリボロシロキサンは、従来の方法(例えば、ホウ酸又はエステルとシロキサン及び/又はアルコキシシランとの共加水分解)により調製されたポリボロシロキサンに比べて非常に低含有量のホウ素結合ヒドロキシ基を有する。その結果、ポリボロシロキサンは、加水分解に安定であり(すなわち、水分による劣化に対する耐性)、大気に長期間曝された後に高透明度を維持する。
本発明のポリボロシロキサンは、熱硬化させて基板間の接着剤コーティングを形成することができる。また、このポリボロシロキサンがケイ素結合アルケニル基を含有する場合、このポリボロシロキサンは、ケイ素結合水素原子を有する架橋剤及びヒドロシリル化触媒と組み合わせてヒドロシリル化硬化性組成物を形成することができる。また、この組成物は、熱硬化させて基板間の接着剤コーティングを形成することができる。
以下の実施例は、本発明のポリボロシロキサン及び方法を、より良好に説明するために提示されるが、添付の特許請求の範囲で記述される本発明を限定するものではない。別記しない限り、実施例で説明される部及びパーセントは全て重量に基づく。
(実施例1)
塩化鉄(III)を少量の塩化チオニルの上方で一晩乾燥させた。窒素下、50℃において、0.4gのFeCl3と60gのジメチルジクロロシランとの攪拌混合物に、ホウ酸トリメチルを滴下して(drop-wise)添加した。添加の間、揮発性生成物を蒸留によって除去した。ホウ酸トリメチルの添加が完了した後、混合物を50℃でさらに1時間攪拌した。次に、温度を80℃に上昇させ、この温度で1時間保持した。加熱をやめ、混合物を室温まで冷却し、ポリボロシロキサン中間体を生じさせた。
(実施例2)
実施例1のポリボロシロキサン中間体(5g)を、5gのジメチルジクロロシラン及び10gのトルエンと混合した。混合物を50gの脱イオン水に注ぎ、得られた2相混合物を精力的に振とうした。攪拌をやめ、有機相及び水相を分離させた。上方の有機相を集め、20g部の脱イオン水で数回洗浄した。ディーンスタークトラップ及び温度計を備えたフラスコに混合物を移動し、89〜115℃で蒸留して水を除去した。集められた水の量が一定に維持されたとき、混合物を室温まで冷却し、ポリボロシロキサンを生じさせた。
ポリボロシロキサンの試料をアルミニウム皿に配置し、空気循環式オーブン内で1時間、200℃で加熱し、室温に冷却した際に、透明固体としての硬化ポリボロシロキサンを生じさせた。周囲条件下で4時間保存した後、硬化ポリボロシロキサンは透明を維持した。一晩の保存の後、硬化ポリボロシロキサンは僅かに濁った。しかしながら、さらなる保存は、透明度のさらなる変化を生じさせなかった。
(実施例3)
実施例1のポリボロシロキサン中間体(15g)を、30gのジメチルジクロロシラン、8gのビニルジメチルクロロシラン及び40gのp−キシレンと混合した。混合物を40gの脱イオン水に注ぎ、得られた2相混合物を精力的に振とうした。攪拌をやめ、有機相及び水相を分離させた。上方の有機相を集め、40g部の脱イオン水で数回洗浄し、5gの硫酸マグネシウムの上方で乾燥させた後、濾過した。濾液を、ポリボロシロキサンの理論的収量を基準として、0.2重量%のオクチル酸亜鉛で処理し、ディーンスタークトラップ及び温度計を備えたフラスコ内で混合物を加熱し、120℃で2時間蒸留して水を除去した。混合物を室温まで冷却し、次に濾過した。濾液を、ロータリーエバポレーターを用い、減圧(5mmHg、667Pa)下、80℃で濃縮し、粘性液体としてのポリボロシロキサンを生じさせた。
(比較例1)
当該技術分野において周知の方法(例えば、米国特許第5,112,779号を参照)に従い、ポリボロシロキサンを調製した。1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン(0.125モル)、1.5モルの脱イオン水、及び0.1gのトリフルオロメタンスルホン酸を、温度計、凝縮器、機械的攪拌器及びマントルヒーターを備えた3口フラスコ内で混合した。0.25モルのトリメトキシフェニルシラン、0.25モルのジメチルジメトキシシラン、及び0.25モルのホウ酸トリメチルの混合物を、室温で攪拌しながらフラスコに滴下して加えた。添加が完了した後、混合物を60℃に加熱し、この温度で1時間保持した。次に、混合物の温度をゆっくりと上昇させ、メタノール副生成物の蒸留を行った。混合物の温度が85℃に至ったとき、加熱をやめ、混合物を室温まで冷却した。次に、混合物を1gの炭酸カルシウムで処理し、1時間攪拌した。混合物を、濾紙(5μmの細孔径)を通して濾過した。濾液をトルエンで希釈し、次に、ポリボロシロキサンの理論的収量を基準として0.03重量%の水酸化カリウムで処理した。ディーンスタークトラップ及び温度計を備えたフラスコに混合物を移動し、110〜115℃で蒸留して水を除去した。集められた水の量が一定に維持されたとき、混合物を室温まで冷却した。混合物の試料をアルミニウム皿に配置し、空気循環式オーブン内で1時間、150℃で加熱し、室温に冷却した際に、高粘性透明液体を生じさせた。周囲条件下で4時間保存した後、ポリボロシロキサンは不透明になった。

Claims (15)

  1. 次の式:
    (R1 2BO1/2l[(BO(3-v)/2)(OH)vm[(R1BO(2-w)/2)(OH)wn(R1 3SiO1/2p[(R1 2SiO(2-x)/2)(OH)xq[(R1SiO(3-y)/2)(OH)yr[(SiO(4-z)/2)(OH)zs (I)
    (式中、各R1は独立してC1〜C10のヒドロカルビル又はC1〜C10のハロゲン置換ヒドロカルビルであり;lは0〜0.2であり;mは0〜0.5であり;nは0〜0.6であり;pは0〜0.7であり;qは0〜0.9であり;rは0〜0.999であり;sは0〜0.5であり;vは0〜0.05であり;wは0〜0.05であり;xは0〜0.45であり;yは0〜0.63であり;zは0〜0.25であり;m+nは0.001〜0.58であり;q+r+sは0.42〜0.999であり;(p+2q+3r+4s)/(3m+2n)は1.01〜1000であり;l+m+n+p+q+r+sは約1である)を有するポリボロシロキサン。
  2. 1により表される前記ヒドロカルビル基はフェニルではない、請求項1に記載のポリボロシロキサン。
  3. 前記ポリボロシロキサンは、1分子あたり平均少なくとも2つのアルケニル基を有する、請求項1に記載のポリボロシロキサン。
  4. 前記ポリボロシロキサン中の少なくとも10モル%のR1基はアルケニルである、請求項1に記載のポリボロシロキサン。
  5. 前記ポリボロシロキサンは、15重量%未満のケイ素結合ヒドロキシ基を含有する、請求項1に記載のポリボロシロキサン。
  6. 前記ポリボロシロキサンは、5モル%未満のホウ素結合ヒドロキシ基を含有する、請求項1に記載のポリボロシロキサン。
  7. (I)(a)(i)式B(OR23を有する少なくとも1つのトリアルコキシボラン、(ii)式R1B(OR22を有する少なくとも1つのジアルコキシボラン、(iii)(a)(i)と(a)(ii)とを含む混合物、並びに(iv)式R1 2BOR2を有するモノアルコキシボランと、(a)(i)及び(a)(ii)の少なくとも1つとを含む混合物から選択されるアルコキシボランを、ルイス酸触媒の存在下で、(b)(i)式R1SiX3を有する少なくとも1つのトリハロシラン、(ii)式R1 2SiX2を有する少なくとも1つのジハロシラン、(iii)式SiX4を有する少なくとも1つのテトラハロシラン、(iv)(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の少なくとも2つを含む混合物、並びに(v)式R1 3SiXを有するモノハロシランと、(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の少なくとも1つとを含む混合物から選択されるハロシランと反応させてポリボロシラン中間体を形成する工程であって、各R1は独立してC1〜C10のヒドロカルビル又はC1〜C10のハロゲン置換ヒドロカルビルであり;R2はC1〜C8のアルキルであり、Xは−Cl又は−Brであり、前記アルコキシボラン(a)及び前記ハロシラン(b)のモル数の合計に対する(a)(i)及び(a)(ii)のモル数の合計の比が0.001〜0.58であり、前記アルコキシボラン(a)及び前記ハロシラン(b)のモル数の合計に対する(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)のモル数の合計の比が0.42〜0.999であり、前記アルコキシボラン(a)のモル数に対する前記ハロシラン(b)のモル数の比が0.724〜999であり、前記アルコキシボラン(a)中の−OR2基のモル数に対する前記ハロシラン(b)中の−X基のモル数の比が少なくとも1.01である工程と、
    (II)前記ポリボロシロキサン中間体、及び任意に、式R1 nSiX4-nを有する少なくとも1つのハロシランを、水と反応させて水不溶性加水分解生成物を形成する工程であって、R1及びXは上記で定義した通りであり、nは0、1、2又は3であり、ただし、過量の水が使用される場合、方法は前記加水分解生成物を前記水から分離することをさらに含む工程と、
    (III)前記加水分解生成物を蒸留して縮合水を除去する工程と
    を含むポリボロシロキサンの調製方法。
  8. 前記ルイス酸触媒は塩化鉄(III)である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記アルコキシボラン(a)及び前記ハロシラン(b)のモル数の合計に対する(a)(i)及び(a)(ii)のモル数の合計の比が0.01〜0.4である、請求項7に記載の方法。
  10. 前記アルコキシボラン(a)及び前記ハロシラン(b)のモル数の合計に対する(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)のモル数の合計の比が0.5〜0.9である、請求項7に記載の方法。
  11. 前記アルコキシボラン(a)のモル数に対する前記ハロシラン(b)のモル数の比が1.2〜99である、請求項7に記載の方法。
  12. 前記アルコキシボラン(a)中の−OR2基のモル数に対する前記ハロシラン(b)中の−X基のモル数の比が1.2〜100である、請求項7に記載の方法。
  13. 前記アルコキシボラン(a)、前記ハロシラン(b)、及び前記任意のハロシラン(工程II)はフェニル基を含有しない、請求項7に記載の方法。
  14. 前記アルコキシボラン(a)、前記ハロシラン(b)、及び前記任意のハロシラン(工程II)中のR1により表される基の少なくとも10モル%がアルケニルである、請求項7に記載の方法。
  15. 請求項7の方法により調製されたポリボロシロキサン。
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