JP2014532787A - 高ガラス転移温度樹脂配合物 - Google Patents

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Abstract

シルセスキオキサン樹脂を備えたシアン酸エステルの変性に基づいた硬化性樹脂配合物を、複合構造体又は複合層の形成に使用するため提供する。より詳細には、芳香族性水酸基の500グラム/モルを超え2,000グラム/モル未満である芳香族性水酸基の当量を有するシルセスキオキサン樹脂成分、シアン酸エステル成分、及び任意の触媒を一般的に含む樹脂配合物を記載する。この樹脂配合物において、シルセスキオキサン樹脂成分は、樹脂配合物の全固形分の10重量%を超える量で存在している。そこから形成された樹脂複合層は、185℃以上のガラス転移温度を示し、そこで所定の時間の間、高温での水への暴露時に40%以下まで減少する。

Description

本開示は一般に、高ガラス転移温度、誘電特性、耐水性、及び熱加水分解安定性を示す樹脂配合物に関する。より詳細には、本開示は、シロキサン変性シアン酸エステル配合物及び製造方法、並びに印刷回路基板(PCB)用途に対して結合剤系としてのそれらの使用に関する。
この項目における記載は、単に、本開示に関連する背景情報を提供しているにすぎず、先行技術を構成するわけではない。
高性能マイクロエレクトロニクス実装、多層回路基板及び航空宇宙用複合材料用途で使用するのに適しているシアン酸エステル材の硬化の際に形成されるトリアジンネットワーク構造は、水の不存在下で柔軟性、低誘電損失、低水分含浸量、及び熱安定性のバランスを示す。これまでのところ、シアン酸エステル材は、高密度、高速多層電子基板の回路基板の積層のために使用される。
しかしながら、幾つかの有用な特性に加えて、シアン酸エステル化学は複数の欠点又は制限も示す。シアン酸エステル材の使用の利点及び欠点の概要を、表1に示す。シアン酸エステル化学の1つの欠乏は、その低い熱加水分解安定性であり、それは主に高温水暴露時にトリアジン結合の反転としてそれらを明らかにする。したがって、トリアジンネットワークは、疎水性であると考えられているが、特に、エポキシ樹脂において一般的に高い吸湿(すなわち、1.5〜4%)と比べると、微量の水の存在下で高温時に起こる劣化は大きな問題になる。
Figure 2014532787
本開示は、シアン酸エステル化学の使用に関連する多くの利点を維持する又は取り込む高い転移温度を有する複合層の形成に使用するための樹脂配合物を提供し、及び潜在的な欠点の数及び/又は大きさを減らす。樹脂配合物は一般的に、500グラム/モルを超え1,100グラム/モル未満である芳香族性水酸基の当量を有するシルセスキオキサン樹脂成分及びシアン酸エステル成分を含む。あるいは、樹脂配合物は硬化促進剤を含むこともできる。シルセスキオキサン樹脂成分は、樹脂配合物の全固形分の10重量%を超える量で存在する。シルセスキオキサン樹脂成分は、アルコキシ及びシラノレート官能基の10モル%未満を含み、1,000〜20,000グラム/モル、あるいは、2,000〜15,000グラム/モル、あるいは、3,000〜10,000グラム/モル、あるいは、4,000〜6,000グラム/モルの範囲の分子量を有する。あるいは、樹脂配合物は更に溶媒を含む場合がある。
樹脂配合物のシルセスキオキサン樹脂成分は一般的に、RSiO3/2の構造単位によって定義された第1部分とRXSiO1/2の構造単位によって定義された第2部分とを含む。これらの構造単位において、各R基はメチル基又はアリール基として独立して選択され、Xは芳香族性水酸基を含む部分である。R基がアリール基となるように選択される場合、該アリール基は一般的に1つ以上の芳香族基を含有する任意の部分から成ってもよい。X部分は、一般的に少なくとも1つのヒドロキシル基を含む任意の芳香族部分から成ってもよい。
あるいは、シルセスキオキサン樹脂成分は、RSiO2/2、(R)XSiO2/2、RSiO1/2、XSiO3/2、又はそれらの混合物の構造単位によって定義された第3部分を更に含んでもよい。シルセスキオキサンは、SiO4/2の構造単位によって定義された第4部分を所望により更に含んでもよい。
本開示の更に別の態様によれば、高い転移温度を有する樹脂複合層を備える。樹脂複合層は、一般的にシアン酸エステル成分、硬化促進剤、及び500グラム/モルを超え1,100グラム/モル未満並びにアルコキシ及びシラノール官能基の10モル%未満である芳香族性水酸基の当量を有するシルセスキオキサン樹脂成分を含む硬化性樹脂配合物から形成される。シルセスキオキサン樹脂成分は、樹脂配合物の全固形分の10重量%を超える量中に存在する。そこから形成される樹脂複合層は、185℃以上のガラス転移温度を示し、所定の時間の間、高温での水への暴露時に40%以下まで減少する。樹脂複合層は、透明であり、1MHzか10MHzで測定したときに0.0075以下の誘電損率(tan δ)を示す。
樹脂複合層におけるシルセスキオキサン樹脂成分は、DRR、T、DRX、MRRX及び以下の式に従うQ構造単位から成る。
(T(DRR(DRX(MRRX(Q)(T
式中、(Tは(R)SiO3/2の構造単位を表し、(DRRは(R)SiO2/2の構造単位を表し、(DRXは(R)(X)SiO2/2の構造単位を表し、(MRRXは(R)(X)SiO1/2の構造単位を表し、(Q)はSiO4/2の構造単位を表し、及び(Tは(X)SiO3/2の構造単位を表す。各R基はメチル基又はアリール基となるように独立して選択され、Xは少なくとも1つの芳香族性水酸基を含む部分であり、添字a−fは0より大きい添字a及びdと共に(a+b+c+d+e+f)=1の関係により各構造単位のモル%を表す。
本開示の更に別の態様によれば、上述の及び本明細書に更に記載した硬化樹脂配合物から成る複合樹脂層を含む電子封入システムを提供する。
本発明を適用する別の分野は、本明細書において提供される詳細な説明から明かになるであろう。詳細な説明及び特定例は、単なる例示を目的とするものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解するべきである。
以下の記載は、本質的に単なる例示であり、決して本開示、その用途、又は使用を限定することを意図したものではない。説明及び図面を通して、対応する参照番号は、同様の又は対応する部分及び特徴を示すことを理解されたい。
本開示は、一般的に複合構造体又は複合層を形成する際に用いるシルセスキオキサン樹脂を備えたシアン酸エステルの変性に基づく樹脂配合物を提供する。より詳細には、樹脂配合物は一般的に、芳香族性水酸基の500グラム/モルを超え1,100グラム/モル未満である芳香族性水酸基の当量を有するシルセスキオキサン樹脂成分及びシアン酸エステル成分を含む。あるいは、樹脂配合物は触媒を含む場合もある。この樹脂配合物において、シルセスキオキサン樹脂成分は、樹脂配合物の全固形分の10重量%を超える量で存在する。
本開示の1つの態様によれば、樹脂配合物は、10重量%より高いレベルでシアン酸エステル成分を配合した低いシラノール含有量を有する有機反応性シルセスキオキサン成分を含でおり、強化した誘電特性、減少した吸湿量、及び従来のシアン酸エステル材から成る類似構造体又は類似複合層と比較して改善された熱加水分解安定性を示す複合構造体又は複合層を形成する。驚くべきことに、本開示の教示に従ってシルセスキオキサン樹脂成分の取り込みによりシアン酸エステル樹脂の変性は、変性されないシアン酸エステル樹脂から形成された類似の複合体によって示されたTと比べて、そこから形成された複合体によって示されたガラス転移温度(T)の実質的な減少又は低下をもたらさない。
シアン酸エステルを変性するためにシルセスキオキサン樹脂のその使用に対して本発明の樹脂配合物は、シアン酸エステル樹脂と併せて他の変性剤(例えば、ポリフェニレンオキサイド)を使用する従来の樹脂配合物を超えるいくつかの他の利点を提示する。例えば、従来の不変性シアン酸エステル樹脂組成物を処理する際、本開示のシアン酸エステル/シルセスキオキサン樹脂組成物と関連した処理条件は、比較的に変化がなく典型的に利用された条件と同様である。このことは、実質的な溶液粘度の増加と全く対照的に、ポリフェニレンオキサイドなどの、他の変性剤の使用から見られる。溶液粘度の大幅な増加は、そこから形成された複合樹脂層の効果的及び費用効率の高い複合材料製造を妨げるだろう。
一般的に、本開示のシルセスキオキサンは、不変性シアン酸エステル樹脂によって示された特性又は属性が相補的であるべき種々の特性又は属性を示す(表1参照)。本開示の教示に従ってシルセスキオキサン樹脂の使用に伴う利点の概要を、表2に示す。不変性シアン酸エステル樹脂を用いて形成された類似の複合構造体又は複合層と比べて、そこから形成された複合構造体又は複合層は、減少した誘電損率、改善された耐湿性、及び強化された熱加水分解安定性の組み合わせの利点を提示する。組み合わせの利点は、不変性シアン酸エステル組成物と関連した高いTを損なうことなくシアン酸エステル/シルセスキオキサン樹脂配合物によって提示される。
Figure 2014532787
本開示の1つの態様によれば、シルセスキオキサン樹脂成分は、RSiO3/2の構造単位によって定義された第1部分及びRXSiO1/2の構造単位によって定義された第2部分を含む。各R基はメチル基又はアリール基として独立して選択され、一方、X官能基は少なくとも1つの芳香族性水酸基を含有する部分を表す。R基がアリール基となるように選択されると、アリール基は一般的に1つ以上の芳香族基を含有する任意の部分から成ってもよい。
あるいは、シルセスキオキサン樹脂成分は、RSiO2/2、(R)XSiO2/2、RSiO1/2;XSiO3/2;又はそれらの混合物の構造単位によって定義された第3部分を更に含む。第3成分の各R基も、メチル基又はアリール基として独立して選択され、X官能基は少なくとも1つの芳香族性水酸基を含む部分を表す。あるいは、シルセスキオキサン樹脂も、SiO4/2の構造単位によって定義された第4部分を含んでよい。
樹脂配合物において第1、第2、及び第3部分を含むシルセスキオキサン樹脂成分のほんの一例は、以下の化学式(F−1)に示される。
Figure 2014532787
R基がアリール基となるように選択されると、アリール基は一般的に1つ以上の芳香族基を含有する任意の部分から成ってもよい。X部分は、一般的に少なくとも1つのヒドロキシル基を含む任意の芳香族部分から成ってもよい。芳香族性水酸基の種々の例としては、フェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、キシレノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、グアヤコール、ピロガロール、フロログルシノール、イソプロピルフェノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、t−ブチル−フェノール、イソブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、p−フェニルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニルスルホン、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されない。X部分は、X部分及び所望の用途の選択に基づいて予め選択された架橋基の鎖の長さでは当業者には周知である任意の架橋基、連結基、又はシランカップリング剤を用いてシルセスキオキサン樹脂成分のシリコンと結合してもよい。
あるいは、シルセスキオキサン樹脂成分のX部分は、化学式(F−2)で表されるフェノール性単位か、または化学式(F−3)で表されるフェノール性単位から成ってもよい。
Figure 2014532787
シルセスキオキサン樹脂成分中に存在する構造単位(R)(X)SiO2/2及び構造単位(R)(X)SiO1/2は、(R)(H)SiO2/2又は(R)(H)SiO1/2として樹脂の中に最初に存在する水素化合物(Si−H)官能基が化学式F−2に示すX基を含有するフェノール性を形成するためのヒドロシリル化反応を介して2−アリルフェノールと反応することによって形成されてもよい。あるいは、シルセスキオキサン樹脂成分中に存在し得る構造単位(R)(X)SiO2/2及び構造単位(R)(X)SiO1/2は、(R)(ビニル)SiO2/2及び(R)(ビニル)SiO1/2として樹脂の中に最初に存在する任意のビニル(Si−ビニル)官能基が化学式F−3に示すX基を含有するフェノール性を形成するためのSi−H官能性フェノールと反応することによって形成されてもよい。
シルセスキオキサン樹脂成分は、芳香族性水酸基(g/eq.OH)の500グラム/モルを超え2,000グラム/モル未満、あるいは500〜1,500gms/eq.OH、あるいは500〜1,100未満gms/eq.OHである芳香族性水酸基の当量を有する。500g/eq.OH未満であるフェノールの当量を有するシルセスキオキサン樹脂成分は、低いガラス転移温度を示す樹脂組成物の形成をもたらす。過剰なフェノール性ヒドロキシル基(例えば、1,100g/eq.OH以上)を有するシルセスキオキサン樹脂成分は、シアン酸エステル成分を変性するためにシルセスキオキサン樹脂成分を用いて形成された不安定な複合層をもたらし得る。
樹脂配合物で用いたシルセスキオキサン樹脂成分は、1,000〜20,000グラム/モル、あるいは、2,000〜15,000グラム/モル、あるいは、3,000〜10,000グラム/モル、及びあるいはアルコキシ又はシラノール官能基の10モル%未満を備えた4,000〜6,000グラム/モル、あるいはアルコキシ又はシラノール官能基の7モル%未満、あるいはアルコキシ又はシラノール官能基の2モル%未満の範囲の分子量を示す。メトキシ基又はエトキシ基などの、シルセスキオキサン樹脂成分中に存在する残留アルコキシ官能基は、シルセスキオキサン樹脂を形成するために用いられたアルコキシシラン前駆体から由来してもよく、一方残留シラノール(Si−OH)官能基は、アルコキシかハロゲン官能基を含有するシラン前駆体の加水分解上に形成されてもよい。10モル%を超えるアルコキシ官能基又はシラノール官能基を含有するシルセスキオキサン樹脂成分は、不十分又は劣った熱安定性をもたらす。
樹脂配合物におけるシアン酸エステル成分は、ポリマー又は複数のシアン酸エステル(−OCN)官能基を含有する樹脂を含んでもよい。そのような樹脂は、当業者には周知である任意の工程に従って調製されたシアン酸エステルモノマー及びシアン酸エステルプレポリマーから由来してもよい。シアン酸エステル樹脂の種々の例としては、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エタン、及びビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタンなどが挙げられる。あるいは、シアン酸エステル成分は、任意のシアン酸エステル官能基を含有しない重合体セグメントを包含するホモポリマー又はコポリマーであってもよい。あるいは、シアン酸エステル成分は、シアン酸エステルモノマー、プレポリマー、又は少なくとも1つのビスフェノール部分(すなわち、ビスフェノールA、ビスフェノールFなど)を含有する部分的に重合させたシアン酸エステルのホモポリマーである。シアン酸エステル成分の1つの具体例は、Huntsman Corporationから入手可能なAroCyl(登録商標)L−10ジシアン酸エステルモノマーである。
硬化促進剤又は触媒は、樹脂配合物中に存在してもよく、望ましくは、任意の金属アセチルアセトネート又はオクトエート化合物を含んでもよい。そのようなアセチルアセトネート及びオクトエート化合物としては、鉄、コバルト、銅、亜鉛、クロム、又は金属マンガンが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、硬化促進剤はコバルトアセチルアセトネートである。
本開示の別の態様によれば、樹脂配合物は更に溶媒を含む。この溶媒は、樹脂複合層を形成するために樹脂配合物の硬化前か硬化中に蒸発するための十分な揮発性を有する任意の有機溶媒又はシロキサン溶媒であってもよい。シルセスキオキサン及びシアン酸エステル成分は、溶媒内に溶解されるか分散されてもよい。いくつかの代表的なシロキサン溶剤としては、ヘキサメチルジシロキサン又はオクタメチルトリシロキサンなどの直鎖状ポリシロキサン、及びヘキサメチルシクロトリシロキサン又はデカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状ポリシロキサンが挙げられる。適切な有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、及びキシレンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトンなどのケトン;ヘプタン、ヘキサン、又はオクタンなどの脂肪族炭化水素;プロピレングリコールメチルエーテルなどのグリコールエーテル;酢酸エチル又は酢酸ブチルなどのアセテート;及びジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、溶媒はトルエン又はキシレンである。
本開示の別の態様によれば、高い転移温度を示す樹脂複合層を備える。樹脂複合層は、硬化性樹脂配合物を含む。樹脂複合層は、所定の時間の間、高温で硬化する。複合層を形成する硬化性樹脂配合物は、シアン酸エステル成分、及び500グラム/モルを超え1,100グラム/モル未満並びにアルコキシル及びシラノール官能基の10モル%である芳香族性水酸基の当量を有するシルセスキオキサン樹脂成分を含む。シルセスキオキサン樹脂成分は、樹脂配合物の全固形分の10重量%を超える量で硬化性樹脂配合物中に存在する。樹脂複合層は、185℃以上、あるいは200℃以上であるガラス転移温度を示す。
樹脂複合層は、高温で例外的な加水分解安定性を示す。樹脂複合層によって示されたガラス転移温度は、所定の時間の間、高温での水への暴露時に40%以下、あるいは減少の約35%未満まで減少する。樹脂複合層が前記層の加水分解安定性を決定するために典型的に暴露するための条件は、高圧のエンクロージャにおいて100%の水で2時間180℃である。
樹脂複合層は、未硬化状態、並びに硬化状態でも透明である。硬化状態において、樹脂複合層は、1MHzか10MHzで測定したときに0.0075以下の誘電損率(tan δ)を示す。
樹脂複合層におけるシルセスキオキサン樹脂成分は、一般的に、D、T、T、DRX、MRRX及び以下の式に従うQ構造単位から成る。
(T(DRR(DRX(MRRX(Q)(T (F−4)
この化学式(F−4)における(Tは、(R)SiO3/2の構造単位を表し、(DRRは(R)SiO2/2の構造単位を表し、(DRXは(R)(X)SiO2/2の構造単位を表し、(MRRXは(R)(X)SiO1/2の構造単位を表し、(Q)はSiO4/2の構造単位を表し、及び(Tは(X)SiO3/2の構造単位を表す。各R基はメチル基又はアリール基として独立して選択され、Xは少なくとも1つの芳香族性水酸基を含む部分である。添字a−fは、0より大きい添字a及びdと共に(a+b+c+d+e+f)=1の関係により各構造単位のモル%を表す。樹脂複合層のシルセスキオキサン樹脂成分は、1,000〜20,000グラム/モル、あるいは、2,000〜15,000グラム/モル、あるいは、3,000〜10,000グラム/モル、及びあるいは、4,000〜6,000グラム/モルの範囲の分子量を有する。
複合樹脂層は、当業者には周知である任意の工程を用いて形成されてもよい。そのような工程としては、コーティング、鋳造、及び成形などを挙げてもよい。一度複合樹脂層を形成すると、前記層は、所定の時間の間、高温で層を加熱することによって硬化される。硬化温度は、約175℃を超える、あるいは約200℃を超える、あるいは約250℃を超える任意の温度であってもよい。時間の長さは約30分以上、あるいは1時間以上、あるいは約3時間であってもよい。
本開示の別の態様によれば、本明細書に記載の硬化性樹脂配合物の樹脂複合層を含む電子封入システムを提供する。電子封入システムは、電子装置の中で又は電子装置とともに使われてもよい。電子装置は、多層プリント配線基板及び電力半導体モジュールを含むが、これらに限定されない。硬化性樹脂配合物としては、シアン酸エステル成分及びシルセスキオキサン樹脂成分が挙げられる。あるいは、樹脂配合物は更に硬化促進剤を含む場合がある。シルセスキオキサン成分は、芳香族性水酸基(g/eq.OH)の500グラム/モルを超え2,000グラム/モル未満、あるいは500〜1,500gms/eq.OH、あるいは500〜1,100未満g/eq.OHである芳香族性水酸基の当量を有する。シルセスキオキサン樹脂成分は、またアルコキシ及びシラノール官能基の10モル%未満を有し、樹脂配合物の全固形分の10重量%を超える量で存在する。樹脂複合層は、185℃を超えるガラス転移温度を示す。
樹脂複合層は、樹脂複合層として電子装置に組み込まれると、電子装置に環境保護又は密閉保護を与える障壁層として機能する。樹脂複合層は、電子装置の構成に用いられる材料として適合している。例えば、樹脂複合層は、多層プリント配線基板(PCB)に用いられると、印刷回路基板の構成に用いられる銅メタライゼーション、ポリマー材料、及びガラス繊維と適合している。この特殊な場合において、ポリマー材料はフェノール性樹脂、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、又はポリスチレン樹脂であってもよい。
ウエハレベル埋込み型パッケージは樹脂複合層が電子装置に用いられる一例を表す。そのようなパッケージは、樹脂組成物を第1のダイシングリングに取り付けられた成形テープ上に配置されたシリコンダイ上に均一に広げる圧縮成形を用いて形成される。樹脂複合層は、第2のダイシングリングに取り付けられた離型テープで覆われる。それから、ダイ及び組成物樹脂とともにダイシングリングは、圧縮成形ツールに配置される。型締力は、溶解物及び硬化性複合樹脂に対して特定の時間熱とともに適用される。最後に、クランプを開け離型テープを剥がし、それによって、成形ウエハをもたらす。埋込み型ウエハレベルの技術の更なる説明は、Kumarらによって2009年に発表されたComponents and Technology Conference(IEEE)(p 1289〜1296)の論文に記載されており、その内容がすべて参照により本明細書に組み込まれる。
以下の特定の実施例は、本開示を例示するために与えられているのであり、本開示の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。本開示を考慮すれば、開示される具体的な実施形態において、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく若しくはそれらを超えることなく多くの変更がなされ、それでも同様の又は類似する結果を得ることができることを当業者は理解されよう。以下の実施例は、本開示の樹脂配合物に対応する利益を確認し、樹脂配合物、並びにそこから形成された樹脂複合層に対応する許容範囲を強調する。
実施例1−シルセスキオキサン樹脂成分特性
いくつかの異なるシルセスキオキサン樹脂成分は、いくつかの従来のシルセスキオキサン樹脂成分(表3の比較番号B〜Eにおける樹脂1、3、8、及び9として記載)とともに本開示の教示(表3の実施番号1〜8の樹脂2、4、5、6、及び7として記載)に従って調製された。分子量、全アルコキシ含量及びシラノール含量、及びシルセスキオキサン樹脂成分のそれぞれに対して測定したフェノール性ヒドロキシル基の当量は、表3に集約される。
Figure 2014532787
表3を参照すると、本開示の教示に従って調製されたそれぞれのシルセスキオキサン樹脂(樹脂2及び4〜7)は、500を超えて1,100g/eq.OH未満の芳香族性水酸基の当量を示す。また、これらのシルセスキオキサン樹脂成分(樹脂2及び4〜7)は、約10モル%未満の全アルコキシ&シラノール含量及び4,000〜6,000グラム/モルの範囲の分子量を更に示す。比較すると、従来のシルセスキオキサン樹脂成分(樹脂1、3、8、及び9)は、500g/eq.OH未満(樹脂1)か又は1,100g/eq.OH以上(樹脂3、8、及び9)かである芳香族性水酸基の当量をそれぞれ示す。また、樹脂3は10モル%を超える全アルコキシ&シラノール含量を示し、一方樹脂9は実質的に30,000g/molを超える分子量を有する。さまざまな方法が上述の特性を測定するために用いられてもよいことを当業者は理解するであろう。例えば、シルセスキオキサン樹脂成分の分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定されてもよい。
実施例2−樹脂配合物の組成物
実施例1で上述したそれぞれのシルセスキオキサン樹脂成分(樹脂1〜9)は、表4の以下に示す重量比率に従ってシアン酸エステル成分を含有する樹脂配合物、任意の硬化促進剤(例えば、触媒)及び任意の溶媒を形成するために使用された。樹脂配合物のそれぞれの成分は、実施番号1〜8及び比較番号A〜Eにおいて樹脂配合物を形成するために1〜2時間回転輪上のガラス製の薬瓶の中で混合される。これらの樹脂配合物を調製するために用いるシアン酸エステルは、ジシアン酸エステルモノマー(AroCyl(登録商標)L−10、Huntsman Corporation)であり、硬化促進剤はコバルトアセチルアセトネートであり、溶媒はキシレンであった。
Figure 2014532787
次に表3を参照すると、比較番号Aに示す樹脂配合物は、シルセスキオキサン樹脂成分を用いることなく調製されており、従来のシアン酸エステル配合物を表す。他の各樹脂配合物は、約10重量%を超えるシリコンを含むように調製された。より詳細には、比較の樹脂配合物(比較番号B〜E)及び実施番号2、4、及び6〜8の樹脂配合物は、それらが30重量%のシリコンを含むように調製され、一方実施番号1及び3は20重量%のシリコンを含むように調製され、実施番号5は40重量%のシリコンを含むように調製された。樹脂配合物中に存在するシリコンの重量%は、固体ベースで算出され、樹脂配合物で用いられるシアン酸エステル樹脂のSi変性のレベルを示す。溶媒は、比較番号B、C、及びE、並びに実施番号4、5、及び8に示す樹脂配合物中には存在しない。
実施例3−樹脂複合層特性
比較の樹脂配合物(比較番号A〜E)及び本開示の教示によって調製された樹脂配合物(実施番号1〜8)のそれぞれは、1〜2mm厚さの樹脂複合層又はシートを形成するために流し込んだ。次いで流し込樹脂複合層のそれぞれは、30分間にわたって温度25℃から200℃までゆっくり上昇させることによって硬化し、その後に200℃で3時間連続暴露が続いた。従来の樹脂複合層(比較番号A〜E)によって測定された種々の特性は、表5の本開示の樹脂複合層(実施番号1〜8)と比較される。
Figure 2014532787
表5に記載された樹脂複合層に対して測定した特性は、日常的に測定され、複数の異なる方法によって得られる特性を表すことを当業者は理解するであろう。そのような一方法及び他の方法を示す本明細書に記載の方法は、本開示の範囲から超えることなく利用されてもよい。ガラス転移温度は、高圧のエンクロージャにおいて180℃で2時間、100%の水に樹脂複合材を暴露し、続いて105℃で2時間乾燥した後、検査された加水分解安定性とともに示差走査熱量測定を用いて測定される。重量減少は、288℃の温度で1時間、複合樹脂層の暴露で熱重量分析(TGA)を用いて評価することができる。樹脂複合層による水吸収は、複合層を105℃で2時間乾燥し、続いて90℃で10日間水に浸すことによって決定し、湿潤試料の重さを量り、水吸収は、(湿潤試料重量−乾燥試料重量)/(乾燥試料重量)の関係によって計算した。
次に表5を参照すると、樹脂複合層の形成の前に、並びに樹脂複合層の形成及び硬化の後に、本開示の教示によって調製された樹脂配合物の外観(実施番号1〜8)は、実質的に透明であるか澄んでいる。比較すると、比較の樹脂配合物のいくつかは、濁っているか、樹脂複合層(比較番号D及びE)の形成前又は複合樹脂層(比較番号C〜E)の形成及び硬化後に透明の低減レベルを有する。
従来のシアン酸エステル複合層(比較番号A)によって示されたガラス転移温度(T)は、99℃の減少で約215℃であるか、所定の時間(例えば、180℃で2時間)高温で水への暴露時に発生した59%である。本開示の教示によって形成された樹脂複合層(実施番号1〜8)のそれぞれは、高ガラス転移温度を保ち、複合材の熱加水分解安定性を強化する。すなわち、本開示の樹脂配合物を用いて調製した樹脂複合層(実施番号1〜8)によって示されたガラス転移温度(T)は、85℃以下の減少で185℃以上であるか、高温で水への暴露時に40%である。
比較すると、比較の樹脂配合物から形成された1つの複合層(比較番号B)は、177℃の低ガラス転移温度を示す。複合層(比較番号B)によって示された低Tは、この複合層を調製するために用いられた樹脂配合物(表3参照)中に存在するフェノール性水酸基の低当量と相関すると考えられている。樹脂配合物(比較番号C〜E)から形成された他の複合層は、高温、すなわち、90℃又は45%を超える程度で、水への暴露時にそれらのガラス転移温度の大幅な減少をすべて示す。これらの比較複合層(比較番号C〜E)の不十分な加水分解安定性は、複合層が形成されたもとになる樹脂配合物を形成するために用いられたシルセスキオキサン樹脂成分中に存在する高含有残留アルコキシ及びシラノール基(表3参照)が原因と考えられている。
本開示の樹脂配合物(実施番号1〜8)を用いて形成した樹脂複合層は、比較樹脂複合層(比較番号B〜E)及び従来のシアン酸エステル複合層(比較番号A)のような水がない場合同様の高温安定性を示す。より詳細に、実施番号1〜6及び比較番号A〜Eの複合樹脂層は、3〜9重量%の288℃の温度への暴露中に重量減少を示した。更に、本開示の樹脂複合層(実施番号1〜8)は、従来のシアン酸エステル複合層(比較番号A)に対して観察された吸水より低い水分含浸量のレベル又は吸収量を示す。
本開示の樹脂配合物を用いて調製したいくつかの複合層(実施番号3〜5)は、表6に示すように熱膨張係数(CTE)及び誘電特性に対して従来のシアン酸エステル複合層(比較番号A)と更に比較された。いずれの場合にも、本開示の複合樹脂層は、従来のシアン酸エステル複合層並に、むしろそれ以上に機能した。より詳細には、複合樹脂層(実施番号3〜5)は、シアン酸エステル複合層(比較番号A)より約10〜20%高かったCTE並びに誘電率及びそれぞれ約10%及び30〜40%低かった損失率を示した。実施番号1〜8に対する誘電損率は、1MHz及び10MHzの両方で0.0075未満である。
したがって、本開示の教示によって調製された樹脂配合物を用いて形成された複合樹脂層は、高性能マイクロエレクトロニクス実装、多層回路基板及び航空宇宙用複合材料用途で使用するためのシアン酸エステル化学によってもたらされる同じ利点を提供する。更に、不変性シアン酸エステル樹脂を用いて形成された類似の複合構造体又は複合層と比べて、本開示の樹脂配合物から形成された複合構造体又は複合層は、減少した誘電損率、改善された耐湿性、及び強化された熱加水分解安定性の組み合わせの利点を提供する。
Figure 2014532787
実施例4−シルセスキオキサン樹脂成分の調製
樹脂1−3リットルの三つ口丸底フラスコに、フェニルトリメトキシシラン(785.18g)及びメチルトリメトキシシラン(539.44g)を充填した。フラスコはテフロン(登録商標)かき混ぜ用ヘラ、温度計、及び水冷凝縮器を搭載したディーン・スターク装置を備えた。全量で0.662g、390uLのトリフルオロメタンスルホン酸(FC−24、3M Company)を添加し、続いて室温で脱イオン水(186.28g、10.34モル)をゆっくりと加える。メタノール(572.9g)を留去するために温度を71℃まで昇温させた。次いで反応混合物を50℃まで冷却させ、248.30gのテトラメチルジシロキサンを添加し、続いて氷酢酸(111.1g)を加えた。反応混合物を50℃で3時間にわたり加熱した。次いで鍋温度を70℃まで上昇させて揮発性物質(177.5g)を留去した。次いでn−ヘプタン(439.7g)を反応混合物に添加した。反応混合物を脱イオン水(1×150mL 15分間40℃、1×100mL 15分間40℃、3×75mL 15分間40℃−最終洗浄水pH=3.0)で洗った。反応混合物を加熱還流し、共沸蒸留を介して水を除去した。
120℃の油浴温度及び約133Pa(約1mm Hg)の圧力でロータリーエバポレーターを使用して乾燥するまで樹脂を除去した。樹脂は80%固体でトルエンに溶解した。250mLの三つ口丸底フラスコに、2−アリルフェノール(27.77g)を充填し、105℃まで加熱した。次いでトルエン(6400ppm Pt)に溶解した0.113gの白金触媒を添加した。全量で68.75gの上述のSi−H樹脂溶液を、丸底フラスコにゆっくり添加した。次いで反応混合物を110℃で30分間にわたり加熱した。150℃の油浴温度及び約133Pa(約1mm Hg)の圧力でロータリーエバポレーターを使用して乾燥するまで得られる樹脂を除去した。70重量%の固溶体を作り出すためにキシレン(32.94g)にシルセスキオキサン樹脂を溶解し、この固溶体に1.2マイクロメートルフィルターを通して加圧濾過を行った。
樹脂2−2リットルの三つ口丸底フラスコに、736.66gのDow Corning(登録商標)217 Flake Resin及び491.09gのトルエンを充填した。フラスコは温度計、空気駆動式テフロン(登録商標)かき混ぜ用ヘラ、及び水冷凝縮器を搭載したディーン・スターク装置を備えていた。217 Flake resinをトルエンに溶解した。次いでテトラメチルジシラザン(153.64g)を室温で添加し、続いてトリフルオロ酢酸(0.200g)を添加した。反応混合物を還流温度まで4時間にわたり加熱し、それから室温まで冷却した。全量で3.0gの重炭酸ナトリウムを添加し、反応混合物を室温で3時間混合した。次いで反応混合物に、0.45マイクロメートルフィルターを通して加圧濾過を行った。乾燥するまで樹脂を除去した(ロータリーエバポレーター、油浴120℃、完全真空)。回収した樹脂は70%固体のトルエンに再溶解した。次いで3リットルの三つ口丸底フラスコに、2−アリルフェノール(319.0g)を充満し、105℃の温度まで加熱した。次いでトルエン(トルエン中3708ppm Pt)に溶解した3.05gの白金触媒を添加した。上述のSi−H樹脂(トルエンの70%、832.8g)を反応混合物にゆっくり添加し、それから110℃まで1.5時間にわたり加熱した。FTIR分析では少量のSi−Hがまだ存在していることを示した。従って、2−アリルフェノール(10g)の添加量を添加し、反応混合物を110℃まで1時間加熱した。FTIR分析ではSi−Hが残存していなことを示した。従って、150℃の油浴温度及び33〜67Pa(0.25〜0.50mm Hg)の圧力でロータリーエバポレーターを使用して乾燥するまで得られる樹脂を除去した。回収した樹脂を70重量%の固体のキシレン(462.8g)に溶解し、1.2マイクロメートルフィルターを通して加圧濾過し、次いで樹脂配合物を形成するために用いるまで保管した。
樹脂3−2リットルの三つ口丸底フラスコに、Dow Corning(登録商標)217 flake resin(830.0g)及びトルエン(553.3g)を充填した。フラスコは温度計、空気駆動式テフロン(登録商標)かき混ぜ用ヘラ、及び水冷凝縮器を備えていた。217 flake resinは、トルエンに溶解した。次いでテトラメチルジシラザン(74.87g)を添加し、続いてトリフルオロ酢酸(0.146g)を添加した。反応混合物を4時間にわたり還流状態で加熱した。100℃の油浴温度及び約133Pa(約1mm Hg)の圧力でロータリーエバポレーターを使用して乾燥に近い状態まで樹脂を除去した。樹脂は、トルエン(69.6% NVC)に再溶解し、5.0マイクロメートルフィルターを通して加圧濾過した。次いで2mLの三つ口丸底フラスコに、2−アリルフェノール(175.5g)を充填し、105℃まで加熱した。次いでトルエン(3519ppm Pt)に溶解した3.06gの白金触媒を添加した。上述のSi−H機能性樹脂(1258g w/876g固体)を丸底フラスコにゆっくり添加し、110℃で1時間にわたり加熱した。150℃の油浴温度及び約133Pa(約1mm Hg)の圧力でロータリーエバポレーターを使用して乾燥するまで樹脂を除去した。70重量%の固体のメチルイソブチルケトンに樹脂を溶解し、5.0マイクロメートルフィルターを通して加圧濾過し、樹脂配合物を形成するために用いるまで保管した。
樹脂4−2リットルの三つ口丸底フラスコに、テトラメチルジビニルジシロキサン(63.90g)、脱イオン水(214.7g)及びトルエン(517.4g)を充填した。次いで脱イオン水(5.44g)に溶解した0.608gのトリフルオロメタンスルホン酸(FC−24、3M Company)を撹拌添加した。次いでフェニルトリメトキシシラン(659.9g)及びテトラエトキシシラン(82.74g)をゆっくり混ぜあわせた。得られた混合物は還流状態を2時間にわたり加熱し、次いで50℃まで冷却した。次いで炭酸カルシウム(1.38g)を添加し、混合物を室温で一晩中撹拌した。揮発性物質(758.0g)を80℃の鍋温度で留去した。除去したものと同等の量のトルエン(758.0g)を添加した。蒸気温度85℃に達するまで揮発性物質(253.1g)を留去した。次いで混合物を50℃まで冷却し、濾過した(1.2マイクロメートルフィルター)。次いで全量で1.26gの水酸化カリウム(水中に45.7重量%)及び1.94gの脱イオン水を添加した。混合物を加熱還流し、共沸蒸留を介して水を除去した。固形分含有量を約50重量%に増量するために溶媒(164g)の一部を留去した。混合物を80℃で18時間にわたり粘性を高め続けた。次いで混合物を冷却し、酢酸(1.16g)を添加した。混合物を1時間にわたり撹拌し、次いで1.2マイクロメートルフィルターを通して加圧濾過した。250mLの三つ口丸底フラスコに、上述のビニル樹脂溶液(103.4g、50.0g固体)を充填した。フラスコは温度計、磁気撹拌棒、及び水冷凝縮器を備えていた。窒素封入を行った。溶液を105℃に加熱し、次いでトルエン(1691ppm Pt)に溶解した0.360gの白金触媒を添加した。次いでフェノール性シランをゆっくり添加し、混合物を110℃で30分間にわたり加熱した。100℃の油浴温度及び約33Pa(約2.5mm Hg)の圧力でロータリーエバポレーターを使用して乾燥するまで樹脂を除去した。回収した樹脂は70重量%固体のキシレンに溶解した。
樹脂5−1リットルの三つ口丸底フラスコに、Dow Corning(登録商標)255 flake resin(150.3g)及びキシレン(308.0g)を充填した。フラスコは温度計、圧縮空気駆動式テフロン(登録商標)かき混ぜ用ヘラ、及び水冷凝縮器を搭載したディーン・スターク装置を備えていた。255 Flake resinをキシレンに溶解した。
溶液を30分間加熱還流し、次いで室温まで冷却した。次いで全量で44.9gのクロロジメチルビニルシランを添加した。反応混合物を75℃まで4時間にわたり加熱し、次いで1時間にわたり還流状態で加熱した。揮発性物質(119.3g)の一部を留去し、次いでいくらかの追加キシレン(80.0g)を添加した。任意のHCIは、水で洗うことによって除去された。次の工程は数回繰り返された:1)30mL脱イオン水を添加した、2)80℃まで15分間にわたり加熱した、次いで3)水相を除去した。混合物を還流温度まで加熱し、共沸蒸留を介して水を除去した。次いで10重量%のKOH水溶液(1.81g)を添加した。ディーン・スターク装置に予充填されたキシレンを用いて混合物を3時間にわたり加熱還流し、次いで室温まで冷却した。次いでキシレン溶液(1.74g)の10重量%の氷酢酸を添加し、混合物を室温で一晩中混ぜ合わせた。次いで混合物を0.45マイクロメートルフィルターを通して加圧濾過し、150℃の油浴温度及び約67Pa(約0.5mm Hg)の圧力でロータリーエバポレーターを使用して乾燥するまで樹脂を除去した。樹脂は45.0%固体でキシレンに溶解した。250mLの三つ口丸底フラスコに、上述のビニル樹脂溶液(83.68g、37.66g固体)を充填した。フラスコは温度計、磁気撹拌棒、及び水冷凝縮器を備えていた。窒素雰囲気生成装置を使用し、フラスコを105℃まで加熱した。次いでトルエン(1335ppm Pt)に溶解した0.372gの白金触媒を添加した。次いで実施例5に記載されたフェノール性シランをゆっくり添加し、混合物を110℃で30分間にわたり加熱した。キシレンの一部は、固形分を増量するために留去した。
樹脂6−250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、実施例6に示すビニル樹脂(55.74g)を充填した。フラスコは温度計、磁気撹拌棒、及び水冷凝縮器を備えていた。窒素封入を行った。混合物を100℃で加熱し、次いでトルエン(1700ppm Pt)に溶解した0.236gの白金触媒を添加した。実施例5に記載のフェノール性シランをゆっくり添加した。混合物を110℃まで15分間にわたり加熱した。キシレン(4.94g)を、生成物濃度が約70%になるまで減らすために添加した。
樹脂7−250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、実施例6に記載のビニル樹脂(55.73g)を充填した。フラスコは温度計、磁気撹拌棒、及び水冷凝縮器を備えていた。窒素封入を行った。次いでフラスコを100℃で加熱し、トルエン(1700ppm Pt)に溶解した0.209gの白金触媒を添加した。次いで実験5に示すフェノール性シランをゆっくり添加し、混合物を冷却しながら15分間にわたり混ぜ合わせた。
樹脂8−250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、実施例6からビニル樹脂(79.49g)を充填した。フラスコは温度計、磁気撹拌棒、及び水冷凝縮器を備えていた。窒素封入を行った。次いでフラスコを100℃まで加熱し、トルエン(1700ppm Pt)に溶解した0.264gの白金触媒を添加した。次いで実施例5のフェノール性シランをゆっくり添加した。混合物を冷却しながら15分間にわたり混ぜ合わせた。
樹脂9−500ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、フェニルトリメトキシシラン(91.33g)、メチルトリメトキシシラン(62.85g)、及びテトラメチル−ジビニルジシロキサン(7.46g)を充填した。フラスコは、温度計、テフロン(登録商標)かき混ぜ用ヘラ、及び水冷凝縮器を搭載したディーン・スターク装置を備えていた。窒素封入を行った。トリフルオロメタンスルホン酸(FC−24、3M Company)(48uL、0.081g)を添加し、続いて室温で脱イオン水(24.86g)をゆっくり添加した。混合物を60℃まで3時間にわたり加熱し、次いでメタノール(73.4g)を80℃の鍋温度で留去した。キシレン(121.2g)続いて脱イオン水(24.86g)及び10重量%のKOH(aq)溶液(1.30g)を添加した。ディーン・スタークの容積と同等の量のキシレンを添加した。混合物を加熱還流し、ディーン・スターク装置から水相(36.1g)を除去した。全量で26.0gの揮発性物質を除去した。次いで混合物を100℃まで冷却し、添加された脱イオン水(6.22g)よりも添加した。混合物を加熱還流し、水相(6.7g)だけ除去した。混合物を3時間再加熱還流し、次いで室温まで冷却した。次いでキシレン溶液(1.05g)の10重量%の氷酢酸を添加し、混合物を3時間にわたり混ぜ合わせた。次いで混合物を0.45マイクロメートルフィルターを通して加圧濾過し、120℃の油浴温度及び約33Pa(約2.5mm Hg)の圧力でロータリーエバポレーターを使用して乾燥するまで樹脂を除去した。次いで樹脂をキシレン(59.5% NVC)に溶解した。250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、上述のビニル樹脂溶液(84.0g)を充填した。フラスコは温度計、磁気撹拌棒、及び水冷凝縮器を備えていた。窒素封入を行った。フラスコを100℃で加熱し、次いでトルエン(1233ppm Pt)に溶解した0.384gの白金触媒を添加した。次いでフェノール性シランをゆっくり添加し、冷却しながら15分間にわたり混ぜ合わせた。
実施例5−フェノール性シランの調製
500ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、テトラメチルジシロキサン(150.0g)を充填した。フラスコは磁気撹拌棒、温度計、及び水冷凝縮器を備えていた。窒素封入を行った。次いでフラスコを55℃に加熱し、トルエン(1225ppm Pt)に溶解した0.459gの白金触媒を添加した。次いで約20秒の時間枠にわたって2−アリルフェノール(37.8g)を添加した。次いで加熱を停止した。しかしながら、室温まで冷却しながら5時間にわたり混ぜ合わせ続けた。室温及び約67Pa(約0.5mm Hg)の圧力でロータリーエバポレーターにビニル製品を回収した。
実施例6−ビニル樹脂の調製
1リットルの三つ口丸底フラスコに、フェニルトリメトキシシラン(161.54g)、メチルトリメトキシシラン(110.88g)、及びテトラメチルジシロキサン(53.49g)を充填した。フラスコは、温度計、テフロン(登録商標)かき混ぜ用ヘラ、及び水冷凝縮器を搭載したディーン・スターク装置を備えていた。窒素封入を行った。全量で80マイクロリットルのトリフルオロメタンスルホン酸(FC−24、3M Company)を添加し、続いて脱イオン水(44.0g)をゆっくり添加した。混合物を60℃で3時間にわたり加熱した。メタノール(131.2g)を80℃の鍋温度で留去した。次いでキシレン(214.1g)を添加し、続いて脱イオン水(44.0g)及び10重量%のKOH(aq)溶液(2.64g)を添加した。ディーン・スタークの容積と同等の量のキシレンを添加した。混合物を加熱還流し、ディーン・スターク装置から水相(55.3g)を除去した。全量で45.6gの揮発性物質を除去した。混合物を100℃まで冷却し、追加の脱イオン水(11.0g)を添加した。混合物を加熱還流し、水相(11.1g)を除去した。次いで混合物を3時間にわたり加熱還流することにより、追加の揮発性物質(40.5g)を除去した。混合物を室温まで冷却し、キシレン溶液(2.21g)の10重量%の氷酢酸を添加した。混合物を室温で3時間にわたり混ぜ合わせた。次いで混合物は0.45マイクロメートルフィルターを通して加圧濾過を行った。100℃の油浴温度及び約33Pa(約2.5mm Hg)の圧力でロータリーエバポレーターを使用して乾燥するまで製品を除去した。回収した製品は62.9%のキシレンに溶解し、今後の使用のために保管した。
当業者は、上述の測定値が、様々な異なる試験方法によって得ることができる標準的測定値であることを認識するであろう。これら実施例に記載されている試験方法は、必要な測定値のそれぞれを得るために利用可能な方法を1つだけ示している。
前述した本発明の様々な実施形態の記載は、説明及び記述を目的として提示されている。この記載は網羅的なものではなく、又は開示した実施形態そのものに本発明を限定することを意図するものではない。上記の教示を踏まえて、多くの改変又は変更が可能である。論じられた実施形態は、本発明の原理及びその実際的な適用の最良の説明を提供するよう選択及び記載され、それにより当業者は、想定される特定の使用に適した様々な修正とともに、本発明を様々な実施形態で使用することが可能となる。そのような修正及び変更の全ては、それらが公正に、法律的に、かつ公平に権利を与えられた広さに従って解釈された場合、添付の特許請求の範囲により決定される本発明の範囲内に含まれる。

Claims (26)

  1. 高い転移温度を有する複合層の形成に用いるための樹脂配合物であって、
    芳香族性水酸基(g/eq.OH)の500グラム/モルを超え2,000グラム/モル未満である芳香族性水酸基の当量を有するシルセスキオキサン樹脂成分と、
    シアン酸エステル成分と、を含み、
    前記シルセスキオキサン樹脂成分が、前記樹脂配合物の全固形分の10重量%を超える量で存在する、樹脂配合物。
  2. 前記シルセスキオキサン樹脂成分が、RSiO3/2の構造単位によって定義された第1部分と、RXSiO2/2の構造単位によって定義された第2部分と、を含み、
    ここで、各R基はメチル基又はアリール基として独立して選択され、Xは芳香族性水酸基を含む部分である、請求項1に記載の樹脂配合物。
  3. 前記樹脂配合物が硬化促進剤を更に含む、請求項1又は2に記載の樹脂配合物。
  4. 前記シルセスキオキサン樹脂成分が、RSiO2/2、RSiO1/2、(R)XSiO2/2、XSiO3/2、又はそれらの混合物によって定義された第3部分を更に含み、
    ここで、各R基はメチル基又はアリール基として独立して選択され、Xは芳香族性水酸基を含む部分である、請求項2に記載の樹脂配合物。
  5. 前記アリール基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、又はナフチル基である、請求項2又は4に記載の樹脂配合物。
  6. 前記X部分が、フェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、キシレノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、グアヤコール、ピロガロール、フロログルシノール、イソプロピルフェノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、t−ブチル−フェノール、イソブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、p−フェニルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、ビスフェノールA、又はジヒドロキシジフェニルスルホンである、請求項2又は4に記載の樹脂配合物。
  7. 前記X部分が、以下の式に従うフェノール性単位(F−2)又はフェノール性単位(F−3)として更に定義される、請求項2又は4に記載の樹脂配合物。
    Figure 2014532787
  8. 前記シルセスキオキサン樹脂が、構造単位SiO4/2によって定義された第4部分を更に含む、請求項4に記載の樹脂配合物。
  9. 前記シルセスキオキサン樹脂成分が10モル%未満のアルコキシ及びシラノール官能基を含む、請求項1〜8に記載の樹脂配合物。
  10. 前記シルセスキオキサン樹脂成分が、1,000〜20,000グラム/モルの範囲の分子量を有する、請求項1〜9に記載の樹脂配合物。
  11. 前記シアン酸エステル成分がビスフェノールシアン酸エステルである、請求項1〜10に記載の樹脂配合物。
  12. 前記硬化促進剤が金属アセチルアセトネート又は金属オクトエート化合物である、請求項3に記載の樹脂配合物。
  13. 前記樹脂配合物が溶媒を更に含む、請求項1〜12に記載の樹脂配合物。
  14. 高い転移温度を有する樹脂複合層であって、
    硬化性樹脂配合物を含み、前記硬化性樹脂配合物は、
    シアン酸エステル成分と、
    芳香族性水酸基(g/eq.OH)の500グラム/モルを超え2,000グラム/モル未満及びアルコキシの10モル%未満であるフェノール性ヒドロキシル基の当量並びにシラノール官能基を有するシルセスキオキサン樹脂成分と、樹脂配合物の全固形分の10重量%を超える量で存在するシルセスキオキサン樹脂成分と、を含み、
    前記樹脂複合層は185℃以上のガラス転移温度を示す、樹脂複合層。
  15. 前記樹脂複合層が所定の時間の間、175℃を超えた温度で硬化する、請求項14に記載の樹脂複合層。
  16. 前記樹脂複合層によって示された前記ガラス転移温度が、所定の時間の間、高い温度での水への暴露時に40%以下まで減少する、請求項14又は15に記載の樹脂複合層。
  17. 前記樹脂配合物における前記シルセスキオキサン樹脂成分が、D、T、DRX、MRRX及び以下の式に従うQ構造単位を含み、
    (T(DRR(DRX(MRRX(Q)(T (F−4)
    式中、(Tは(R)SiO3/2の構造単位を表し、(DRRは(R)SiO2/2の構造単位を表し、(DRXは(R)(X)SiO2/2の構造単位を表し、(MRRXは(R)(X)SiO1/2の構造単位を表し、(Q)はSiO4/2の構造単位を表し、及び(Tは(X)SiO3/2の構造単位を表し、
    式中、各R基はメチル基又はアリール基として独立して選択され、Xは少なくとも1つの芳香族性水酸基を含む部分であり、
    式中、添字a−fは、0より大きい添字a及びdと共に(a+b+c+d+e+f)=1の関係により各構造単位のモル%を表す、請求項14〜16に記載の樹脂複合層。
  18. 前記シルセスキオキサン樹脂成分が、1,000〜20,000グラム/モルの範囲の分子量を有する、請求項14〜17に記載の樹脂複合層。
  19. 前記樹脂複合層が透明である、請求項14〜18に記載の樹脂複合層。
  20. 前記樹脂複合層が1MHz又は10MHzで測定したときに0.0075以下の誘電損率(tan δ)を示す、請求項14〜19に記載の樹脂複合層。
  21. 電子封入システムであって、前記電子封入システムは樹脂複合層を含み、前記樹脂複合層は硬化樹脂配合物であって、
    シアン酸エステル成分と、
    芳香族性水酸基(g/eq.OH)の500グラム/モルを超え2,000グラム/モル未満及びアルコキシの10モル%未満であるフェノール性ヒドロキシル基の当量並びにシラノール官能基を有するシルセスキオキサン樹脂成分と、樹脂配合物の全固形分の10重量%を超える量で存在するシルセスキオキサン樹脂成分と、を含み、
    前記樹脂複合層が185℃以上及び電子装置の一部として用いるために適合するガラス転移温度を示す、電子封入システム。
  22. 前記電子装置が、多層プリント配線基板又は電力半導体モジュールである、請求項21に記載の電子封入システム。
  23. 前記樹脂複合層は、前記電子装置に環境保護又は密閉保護を与える障壁層である、請求項21又は22に記載の電子封入システム。
  24. 前記樹脂複合層が、印刷回路基板の構成に用いられる銅メタライゼーション、ポリマー材料、及びガラス繊維と適合する、請求項22に記載の電子封入システム。
  25. 前記ポリマー材料が、フェノール性樹脂、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、又はポリスチレン樹脂である、請求項24に記載の電子封入システム。
  26. 前記封入システムが、ウエハレベル埋込み型パッケージである、請求項21に記載の電子封入システム。
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