JP2011513297A - ブロノポールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明はブロノポールの製造方法を提供する。方法は、反応容器に水、ブロモピクリン、ニトロメタンおよびパラホルムアルデヒドを充填する段階と、撹拌下の該反応容器に塩基を徐々に供給する段階と、反応を完了させる段階と、水性反応混合物からブロノポールを分離する段階とを含む。

Description

ブロノポールとしても知られる2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールは以下の式:
Figure 2011513297
を有している。
ブロノポールは、特に化粧品産業および工業排水処理に使用される抗微生物薬である。
ニトロメタン(CHNO)を出発材料としてブロノポールを製造するための慣用の合成経路は最も一般的な形態で以下の反応スキーム:
Figure 2011513297
で表すことができる。
第一経路は、ニトロメタンのヒドロキシメチル化による2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの形成、次いで該中間体の臭素化によるブロノポールの生成を含む。第二経路では上記の反応を逆の順序で行わせる。すなわち、先ずニトロメタンを臭素化し、得られた中間体を次にヒドロキシメチル化処理する。
本発明は、トリブロモニトロメタン(CBrNO、ブロモピクリンとしても知られる;略号BP)を使用するブロノポールの製造に関する。より具体的には本発明は、以下の反応スキーム(スキーム中では水酸化ナトリウムが可能な塩基として指示されている):
Figure 2011513297
によって示されるブロモピクリン、ニトロメタンおよびホルムアルデヒドの塩基触媒反応によるブロノポールの製造に関する。
上記に示した反応スキームに従ってブロノポールを製造するためにブロモピクリンを使用することはJP06−293710およびCN1903830に記載されていた。しかしながら、上記反応が極めて発熱性であり、反応を制御可能に進行させるのが容易でないことは知見されていた。本発明によって提供される方法は特に、このような塩基触媒反応によって放出される強熱に付随するいくつかの問題を解決することを目的とする。
JP06−293710 CN1903830
発明者らは、反応の速度および反応による熱発生速度は以下の要因の1つ以上を調節することによって有利に変更できることを知見した:
(i)反応中に消費されるホルムアルデヒド試薬;または、
(ii)反応を触媒するために使用される塩基の全量および濃度;または、
(iii)反応混合物中への塩基の供給計画、特に塩基の添加速度、塩基供給中の反応混合物の温度およびpH。
1つの特徴によれば、ブロノポールを製造するために本発明によって提供される方法は、反応容器に水、ブロモピクリン、ニトロメタンおよびパラホルムアルデヒドを充填する段階と、撹拌下の該反応容器に塩基を徐々に供給する段階と、反応を完了させる段階と、水性反応混合物からブロノポールを分離する段階とを含む。
より具体的には、ブロモピクリン、ニトロメタンおよびパラホルムアルデヒドを水性媒体中、触媒量の塩基の存在下で反応させる。該塩基は好ましくは、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ金属炭酸塩から成るグループから選択され、水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが特に好ましい。水および上記に指示した反応体を(ほぼ化学量論的量で)反応容器に導入し、反応混合物を加熱し、塩基の水溶液(好ましくは比較的希薄な溶液)を反応混合物に徐々に添加し、これによって反応を効果的に制御する。
ブロモピクリン出発材料は様々な合成経路で製造できる。たとえば、WO2007/023496およびWO2008/146277に記載された手順に従ってブロモピクリンを簡便に製造できる。当該反応は以下の化学式:
Figure 2011513297
によって表され、式中の、Mはアルカリ金属、好ましくはナトリウムである。ブロモピクリンは、反応容器に水、ニトロメタンおよび臭素を充填し、次いで塩基(NaOH)の濃い水溶液を徐々に添加することによって得られる。上記反応に従ってブロモピクリン出発材料を製造するための特に好ましい条件は以下の通りである(処理がバッチモードで行われる場合):
反応装置の内部温度:40℃(±5)
Br/ニトロメタンのモル比:3.25(±0.05)
NaOH水溶液の濃度:35%w/w(±1)
NaOH/ニトロメタンのモル比:3.50(±0.1)
反応時間(塩基の添加時間):4から6時間。
ブロモピクリン出発材料を与える反応は塩基の添加速度に従って進行する。反応は発熱性で高速であり、塩基の供給の完了直後に停止する。反応の終了は臭素の消失および反応混合物中のpHが6から9に増加することによって判定できる。塩基の添加終了後、反応混合物を室温(〜25℃)に放冷し、撹拌を中止する。反応の完了後、2つの相が得られる。反応混合物が水相および有機相に分離する。有機相は本質的にブロモピクリンから構成されている。反応のブロモピクリン選択率は99%を上回る値であり、ニトロメタンに基づく収率は約97%である。ブロモピクリン出発材料を得るための全製造手順は後述する。
本発明によって出発材料として使用されるニトロメタンは市販されている。ニトロメタンはブロモピクリン出発材料に対して若干のモル過剰量で使用し得る。より具体的にはニトロメタン対ブロモピクリンのモル比は2:1から2.05:1の範囲、好ましくは約2.03:1の範囲でよい。
方法に使用されるホルムアルデヒドは反応容器内でパラホルムアルデヒドから用時生成される。パラホルムアルデヒドは式HOCH(OCHn−2OCHOHによって表される高分子量固体ポリマーであり、式中のnは重合度を示す。固体パラホルムアルデヒドはアルカリ性環境中で加熱すると反応混合物中で次第に溶解し、解重合してホルムアルデヒドを与え、このホルムアルデヒドが反応に参加する。ホルムアルデヒドが反応容器内で徐々に生成されるので、水性ホルムアルデヒドを使用するときに観察された比較的高速の熱放出に比較して反応熱の発生が減速される。
本発明によって使用される適当なパラホルムアルデヒドは微粉、フレークまたは粒物の形態でよい。粉粒形態のパラホルムアルデヒドは反応によって消費されるようなホルムアルデヒドを提供できるであろう。たとえば、重合度(n)が10から30の範囲およびホルムアルデヒドの検定含有率が約95%のパラホルムアルデヒドを使用し得る。一般的に、パラホルムアルデヒド対ブロモピクリンのモル比はほぼ化学量論的量、すなわち約6:1である。パラホルムアルデヒドをやや過剰な量、たとえば約6.1:1までの量で使用するとよい。
水および上記に挙げた試薬、すなわちブロモピクリン、ニトロメタンおよびパラホルムアルデヒドを典型的には室温で反応容器に充填する。一般に、この段階で反応容器に導入する水の量は、反応完了時に約50から60%(w/w)のブロノポール濃度の水溶液が得られるように調整する。塩基は一般に水溶液の形態で使用され、水性反応混合物に水を与えることが観察される。より具体的には、塩基を添加する前の反応混合物中のブロモピクリン出発材料の濃度は好ましくは33から37%w/wの範囲である。
反応開始以前の、すなわち、反応容器に塩基を添加する前の反応混合物は3つの相を含んでおり、従って試薬の効果的な混合を確保するために激しい撹拌が必要であることに注目されたい。このために、適当な撹拌装置(たとえば、馬蹄型撹拌機)または羽根車を反応容器に装着し、毎分100から500回転(rpm)の範囲の回転速度で作動させる。商業規模生産では、効率的な混合と効果的な熱移動および物質移動を与えるためにより複雑な撹拌装置を使用することが可能であろう。
上述のように反応容器に水、ブロモピクリンおよびニトロメタンを充填した後、反応容器を好ましくは約35から40℃に加熱し、塩基の供給を開始する。ニトロメタン出発材料および塩基が好ましくは順次に反応ゾーンに充填されるように塩基の添加がニトロメタンの添加の後になることに注目されたい。逆の添加順序、すなわち、反応容器に最後に添加された反応体が塩基でなくニトロメタンであった場合には選択率および効率の観点から有利でないことが知見された。より具体的には、塩基の消費量が増加し、反応のブロノポール選択率が低下し、形成された副生物トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン(THMNM)の量がかなり増加した(ニトロメタンの添加の後で塩基を添加するときは反応混合物は該副生物を3%未満の量で含んでいるが、逆の添加順序を使用するときは副生物THMNMのレベルが約8%に増加する)。
反応ゾーンに導入された塩基触媒(たとえば水酸化ナトリウム)の全量とブロモピクリン出発材料とのモル比は、1:100から10:100の範囲であり、より好ましくは3:100から7:100の範囲、最も好ましくは4:100から6:100の範囲でよい。熱制御の観点からは塩基を水溶液として反応ゾーンに送達するのが好ましいことが知見された。水溶液中の塩基の濃度は好ましくは0.1から1.25N、より好ましくは0.1から1N、最も好ましくは0.2から0.5Nでよい。水酸化ナトリウム水溶液の場合、最後の2つの範囲はそれぞれ0.4から4重量%、および、0.8から2重量%に換算される。一般に、塩基の重量濃度が約0.9から2.0%、より具体的には0.9から1.5%である水酸化ナトリウム水溶液が選択率、収率および熱制御の観点から十分に効果的であると考えられる。濃度1%を有している水酸化ナトリウム水溶液が特に好ましい。
最も一般的な形態では、反応を撹拌下に、好ましくは35から60℃の範囲の温度で、好ましくは1から8時間、より好ましくは2時間以上、さらに好ましくは3時間以上、たとえば約3から7時間、具体的には約4から5時間進行させる。反応持続時間は塩基の添加速度および反応混合物からの熱の除去に従って変更できる。反応混合物の温度を41℃よりも高温、たとえば45から60℃、より好ましくは45から55℃の範囲にして塩基の少なくとも一部分(塩基の全量の少なくとも30%、好ましくは50から100%)を反応混合物に供給するのが特に好ましい。反応温度を上記に指示した範囲内に維持しながら上記に提示したような比較的希薄な塩基の水溶液を供給することによって適度な塩基消費量で反応完了に到達し得ることが知見された。
反応プロフィルのいくつかの特徴、および、反応を制御可能に行って適度な熱放出を可能にするためのいくつかの好ましい態様を以下により詳細に記述する。
塩基の添加中の反応混合物に関する高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)分析は、以下のスキーム(使用される塩基は水酸化ナトリウム水溶液で表されている):
Figure 2011513297
で示すように反応が2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール(DBNE)中間体を経由して進行することを示す。
塩基の全量の25%未満、より具体的には全量の約10から20%(ほぼ15%)の添加後にブロモピクリンがほぼ完全に反応し、中間体2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール(DBNE)が形成されることが知見された。ほぼこの段階でブロノポールの形成が始まる。塩基の別の部分(約15から25%、より具体的には20%、反応混合物中の塩基の蓄積量が28から43%、より具体的には約35%)の添加後、ブロノポールの50%以上(約60から70%)が形成される。この時点で熱発生が減速する。残りの塩基水溶液の添加中にブロノポール形成反応が完了し、反応混合物が均質溶液に変化する。
塩基の添加中の反応熱発生速度は経時的に一定でないことが観察された。反応によって発生する熱全量の60%以上、より具体的には約70から80%が塩基の全量の三分の一未満、あるいは四分の一未満の添加中に放出される。残りの熱(約20から30%)は塩基供給の終了まで漸減量で放出される。
また、塩基のかなりの部分(約50から75%)が40℃以下、すなわち約35から38℃の温度で反応混合物に添加されるならば、このような温度および供給方式では反応が完了に到達しないことも知見された。その後に反応混合物を約50℃に加熱したとしても反応を完了させることはできない。塩基のかなりの部分を40℃以下の温度で反応混合物に供給すると塩基の総消費量が増加し、その結果として、確実に反応を完了させて90%以上好ましくは93%以上の十分な選択率でブロノポールを得るためには最終的に大量の塩基が必要になる。
したがって本発明は、水、ブロモピクリン、ニトロメタンおよびホルムアルデヒドソース(好ましくはパラホルムアルデヒドの形態)を反応容器に充填する段階と、撹拌下の該反応容器に塩基を徐々に供給する段階と、水性反応混合物からブロノポールを分離する段階とを含み、前記塩基供給段階の時間−温度−pHプロフィルは、塩基の使用量が最小でありながら反応のブロノポール選択率が最大になるように維持されるブロノポールの製造方法を提供する。
ブロモピクリン出発材料に対して好ましくは3から7モル%、より好ましくは4から6モル%の範囲の少ない塩基消費量で反応の選択率が好ましくは90%以上(HPLC,面積%)、より好ましくは93%以上、たとえば93から97%となるような望ましい時間−温度−pHプロフィルを反応混合物中で維持するために、いくつかの塩基供給計画を使用し得る。使用できる漸進的供給計画では、反応の時間−温度−pHプロフィルが、反応混合物のpHを6から8の範囲内に維持しながら塩基の少なくとも一部分を41℃以上、より具体的には41から60℃、好ましくは45から55℃の温度で供給する段階を含む。
可能な1つの供給計画によれば、0.1から1Nの範囲の濃度を有している塩基の水溶液を実質的に一定の速度で2時間以下、好ましくは3時間以下、より好ましくは3から7時間、いっそう好ましくは4から5時間の期間にわたって反応混合物に供給し、該供給期間の少なくとも一部分および場合によっては該供給期間の全体にわたって反応混合物の温度を41℃以上、より好ましくは44℃以上、もっとも好ましくは45から55℃に維持する。“実質的に一定の速度”という用語は、塩基の全量が反応期間中に反応混合物に均一に供給されることを意味しており、必要ならば反応物質のオーバーヒートを防止するために短い中断期間を挿入して反応時間を延長する。0.8から4.0重量%の範囲の濃度をもつ水酸化ナトリウム溶液のような0.2から1Nの濃度の塩基を使用する場合、塩基の全量の少なくとも30%、好ましくは50から100%を41から55℃の範囲の温度で3時間以上の期間(3から7時間)を要して反応混合物に添加する。このような供給計画は、反応混合物のオーバーヒートを防止し、許容できる排熱速度、優れた選択率、および、たとえばブロモピクリン出発材料に対して3から7モル%という低い塩基消費量で反応を円滑に進行させるために効果的であることが知見された。
可能な別の供給計画によれば、反応混合物への塩基の添加速度を反応期間中に一定に維持しない。添加速度を反応の進行に伴って増加する。したがって、反応容器への塩基の漸進的供給が、第一の供給速度から増加した第二の供給速度への切換えを含む。
相対的に遅い第一の供給速度から相対的に速い第二の供給速度への切換えは、反応の第一段階の完了後、すなわち2,2−ジブロモ−2−ニトロメタン(DBNE)中間体が得られた後に行う。既に上記に指摘したように、ブロモピクリンから2,2−ジブロモ−2−ニトロメタン(DBNE)への反応の第一段階は高速であり、DBNEからブロノポールまでの第二段階よりも相対的に少ない量の塩基(10から20%)および低い温度が必要である。反応の第一段階には大量の熱の放出が伴う。第一段階中は塩基を緩やかな速度で慎重に添加して熱放出速度を抑制する。顕著に発熱性の反応の第一段階の完了後(反応の時間−温度プロフィルは反応の第一段階完了の指標となる急勾配ピークを示す)、反応混合物の温度を約45から55℃に維持しながら塩基の残りの量を増加速度で供給する。これらの条件下で、塩基の添加終了時のブロノポール選択率は約95%であり、塩基の消費量はかなり少ない(ブロモピクリン出発材料に対して3から7モル%)。透明溶液が得られた後のもっと緩やかな第二の発熱ピークは本質的に完全なブロノポール形成を示す指標である。
上述のような反応容器への塩基の漸進的供給の好ましい実施態様、すなわち、非一定供給速度を使用する実施態様は、塩基の第一の量を第一の速度で反応混合物に供給し、次いで、塩基の第二の量を第二の速度で反応混合物に供給する段階を含み、第一の量は好ましくは塩基の全量の40%以下、より具体的には10から30%であり、第一の速度は第二の速度よりもたとえば2から5倍、好ましくは3から4倍遅い。この第一の供給速度は反応混合物の温度が35から45℃であるときに使用され、増加した第二の供給速度は反応温度を45から55℃の範囲にして使用され、反応は45から55℃の範囲の温度で完了する。この供給計画下で、反応は3から7時間後に終了し、選択率は93から95%であり、塩基消費量はブロモピクリン出発材料に対して7モル%未満である。
上記に指摘したように本発明の方法は、塩基の希薄水溶液を使用して塩基を一定速度で供給し、反応時間が好ましくは3から7時間となるように供給中にオーバーヒート防止目的の中断を挿入することによって実施し得る。しかしながらいくつかの場合には、上記に提示した塩基の非一定供給速度方法が一定供給速度方法よりも有利であろう。
塩基の非一定供給速度に付随する利点を示す。グラフ中、横座標は反応時間(時)、左縦座標は熱発生速度、右縦座標は反応混合物に供給された塩基(0.5NのNaOH溶液)の量を示す。実験はRC1反応装置で1.5モルのBPを使用して行った。点線は、2つの異なる供給計画で反応混合物に添加された塩基の量を時間の関数として表す。符号1によって示された点線は、この点線の勾配から明らかなように、一定速度の塩基の供給に対応する。符号2によって示された点線は、2つの異なる勾配を特徴としており、相対的に遅い第一の供給速度からより速い速度への切換えを表す(切換えは反応開始の約75分後に行われている。75分以後に使用された供給速度は点線1の供給速度に等しい)。実線は上記に提示した2つの供給方法下の反応による熱発生速度を時間の関数として表す。太い実線および細い実線はそれぞれ、塩基の一定供給速度方法(実線1)および塩基の非一定供給速度方法(実線2)の熱発生速度を表す。反応の熱発生速度は0.5NのNaOHの配給速度および反応時間の関数である。グラフに示すように、反応の第一段階中、熱発生速度は塩基配給速度に強く依存する。より具体的に、太い実線は反応開始から最初の30分以内に既に2つの急勾配ピークを示し、これは、反応によって相当量の熱が短期間に放出されたことを表す。グラフ中に明らかに示されているように、塩基の非一定供給速度は反応中に熱をより均等に放出させ、反応混合物の急激な温度上昇の危険を回避する。相対的に遅い第一の供給速度からより速い第二の速度への切換えを含む供給計画は塩基の全消費量をかなり(ほぼ30%)節約できることが明らかである。
塩基の添加を開始する前に反応混合物中に少量のブロノポール(約1から10モル%のブロノポール)が存在すると熱放出速度の変化が緩和されることが知見された。ただし、反応速度はやや減速しまた反応を完了するために必要な塩基の量は増加する(普通よりも約5から15%増、すなわち、ブロモピクリン出発材料に対して約6から7モル%)。
最終反応混合物中に存在する生成物の濃度は50から60%(w/w)の範囲である。反応混合物を約0から20℃に冷却し、ブロノポールを反応混合物から晶出させることによって(結晶化は播種手段によって誘発し得る)、生成物を反応混合物から単離する。固体生成物はたとえば濾過によって99.0%以上の純度で液相から容易に分離できる。
方法の直接収率は約70から80%、より具体的には約75%である。
反応混合物から生成物を単離するための有用な手順は、反応混合物を約0.3から0.5℃/分の速度で冷却してブロノポールの水中スラリーを形成する段階を含む。冷却中に過飽和溶液が得られるので、約35℃の反応容器に少量(出発BP1モルあたり約1g)の純ブロノポールを添加してブロノポールの結晶化を誘発する。反応容器の内部温度が7℃に達すると結晶化が完了する。
濾過によって液相から固体生成物を分離した後、好ましくはブロノポール生成物1kgあたり200から400g、より好ましくは250から350gの量の冷水(約10℃)を使用して生成物を洗浄する。最後に、洗浄した生成物をたとえば20から30mmHgの真空下の回転蒸発器で最初に25℃から50℃で2時間乾燥し、次いで50から70℃で一定重量になるまで1時間さらに乾燥する。
上記に既に指摘したように、得られたブロノポールは高純度である。生成物の好ましい純度レベルは99.5から99.9%の範囲(HPLCによる,面積%)であり、融点は131から133℃、より好ましくは132から133℃の範囲である。上記に示した改善された純度プロフィルは、再結晶化手順の使用を要せずに方法によって直接到達できる。
生成物の分離後に得られた水性液相は生成物の追加の収集物を回収するために処理し得る。このために、部分蒸発によって水性液相をその初期重量のほぼ三分の一まで濃縮する。得られた残渣を冷却し、晶出するブロノポールを濾過によって収集する。この第二の収集物の純度(96から99%)は反応の選択率(93から95%)よりも高いので、以後の反応の反応混合物に充填し次いで上述の結晶化手順で処理する。従って生成物の総収率は80%以上、より具体的には83から90%に増加する。
以下は使用した分析手順の記述である。
ブロノポールの純度および検定含有率はHPLCによって測定した。
ブロノポールのHPLC分析方法:純度鑑定および検定
HPLC純度鑑定(勾配)
カラムおよびパッキン:Kromasil C18,2502.1mm,5μm
溶媒:A:HO(KHPO 2.7g/L,pH=4);B:AcN
勾配プログラム
Figure 2011513297
予定時間:10分
流速:0.22ml/分
デテクタ:210nm
注入量:10μL
サンプル調製物:100mlの測定ボトル中の200mgのサンプル、(KHPO 2.7g/L,HO,pH=4)
HPLC検定(アイソクラチック)
カラムおよびパッキン:Kromasil C18,2504.6mm,5μm
溶媒:A:HO(KHPO 2.7g/L,pH=4)−85%;
:B:AcN−15%
流速:1ml/分
デテクタ:220nm
注入量:20μL
オーブン温度:25℃
標準調製物:100mlの測定ボトル中の100mgの標準、(KHPO 2.7g/L,pH=4)
サンプル調製物:100mlの測定ボトル中の100mgのサンプル、(KHPO 2.7g/L,pH=4)
分析時間:15分。
ブロノポールの融点(m.p.)はOptimelt MPA 100計器で測定した。
(実施例)
実施例ではときには以下の略号を使用する:aq.−水性;ブロモピクリン−BP;ブロノポール−BRP;密度−d;分析せず−n.a.;検出せず−n.d.;ニトロメタン−NM;パラホルムアルデヒド−PFAL;室温−RT;〜は約を表す。
ブロモピクリン出発材料の製造
機械的撹拌器と凝縮器と熱電対と、NaOH水溶液添加用蠕動ポンプとを備えた1L容のジャケット付き反応装置に、水(160g)、ニトロメタン(100g)および臭素(845g)を室温で撹拌下に導入した。34.7%のNaOH水溶液(655g)を164g/時の速度で反応装置に添加した。添加中の反応装置の内部温度は36から41℃に維持されていた(Laudaの設定温度は35から36℃であった)。添加の終了は、臭素の色の消失および反応混合物のpHが6から9に増加したことによって判断した。
得られた混合物を41℃から24℃まで0.5時間撹拌した(Laudaの設定温度は20℃であった)。撹拌を停止すると2つの相が得られた。重い有機相(474g)は純度>99%(GC,面積%)のブロモピクリンであり、ニトロメタンに基づく収率は97.1%であった。
水相(1270g)を処理すると42から44%のNaBr水溶液もしくはHBr水溶液が得られるかまたは臭素を回収できる。
ブロノポールの製造
機械的撹拌器と凝縮器と熱電対と、NaOH水溶液添加用蠕動ポンプとを備えた1L容のジャケット付き反応装置に、水(200g)、パラホルムアルデヒド(189g)、ブロモピクリン(290g)およびニトロメタン(122g)を室温で撹拌下に導入した。次に混合物を45℃に加熱し、0.5NのNaOH水溶液(100g)を135分で反応装置に滴下した。添加中の反応装置の内部温度は45から48℃に維持されていた。反応混合物のpHは8から6に低下した。
得られた混合物を〜50℃で1時間撹拌し、次に14℃に冷却すると、粗ブロノポールが晶出した。スラリーを濾過し、室温の水(150g)で洗浄した。濾液および洗浄液(491g)は〜90gのブロノポールを含有していた。
30mmHg真空の蒸発器で室温から70℃にして生成物を一定重量まで乾燥した。粗ブロノポール(459g)が>99.5%の純度(HPLC)で得られた。
ブロノポールの製造
機械的撹拌器と凝縮器と熱電対と、NaOH水溶液添加用蠕動ポンプとを備えた1L容のジャケット付き反応装置に、水(328gg)、ブロモピクリン(290g)、パラホルムアルデヒド(192g)およびニトロメタン(127g)を室温で撹拌下に導入した。次に混合物を45℃に加熱し、1NのNaOH水溶液(63g)を3時間で反応装置に滴下した。添加中の反応装置の内部温度は45から53℃に維持されていた。反応混合物のpHは8から6に低下した。
先行反応の第二収集物から回収した湿性ブロノポール(〜90g)を添加し、得られた混合物を〜50℃で30分間撹拌した。次に混合物を15℃に冷却すると粗ブロノポールが晶出した。スラリーを濾過し、15℃の水(170g)で洗浄した。
30mmHg真空の蒸発器で室温から70℃にして生成物を一定重量まで乾燥した。粗ブロノポール(522g)が>99.5%の純度(HPLC)で得られた。
結晶化後の濾液および洗浄液(674g)を30mmHgで部分蒸発させた(436gの水および軽量相の除去)。蒸発残渣を20℃に冷却し、濾過し、50gの水で洗浄した。湿性ブロノポール(84g)を収集し、濾液(192g)を廃棄した。
ブロノポールの製造
機械的撹拌器と凝縮器と熱電対と、NaOH水溶液添加用蠕動ポンプとを備えた1L容のジャケット付き反応装置に、水(270g)、パラホルムアルデヒド(189g)、ブロモピクリン(290g)およびニトロメタン(122g)を室温で撹拌下に導入した。次に混合物を50℃に加熱し、0.5NのNaOH水溶液(80g)を2部に分け、25gを74分、次に55gを96分で反応装置に滴下し、次に混合物を50から52℃で1時間撹拌した。反応混合物のpHは8から6に低下した。
先行反応から回収した湿性ブロノポール(60g)を添加し、得られた混合物を〜50℃で30分間撹拌した。次に混合物を12℃に冷却すると、粗ブロノポールが晶出した。スラリーを濾過し、12℃の水(170g)で洗浄した。
30mmHg真空の蒸発器で室温から70℃にして生成物を一定重量まで乾燥した。粗ブロノポール(509g)が>99.5%の純度(HPLC)で得られた。
結晶化後の濾液および洗浄液(607g)を30mmHgで部分蒸発させた(398gの水および軽量相の除去)。蒸発残渣を20℃に冷却し、濾過し、50gの水で洗浄した。湿性ブロノポール(73g)を収集し、濾液(163g)を廃棄した。
ブロノポールの製造
機械的撹拌器(馬蹄型)と凝縮器と熱電対とpH計と、NaOH水溶液添加用蠕動ポンプとを備えた1L容のジャケット付き反応装置に、水(200g)、ブロモピクリン(298g,1モル)、ニトロメタン(123g,2.015モル,Aldrich)およびパラホルムアルデヒド(189g,6モル,Aldrich)を室温で撹拌下に導入した。
次に混合物を44℃に加熱し、1%NaOH水溶液(200g)を200分で反応装置に滴下した。塩基の添加中の反応装置の内部温度は55℃よりも高温に上昇しなかった。
NaOH水溶液の添加を開始したときの反応混合物は3つの相を含んでいた。混合物を激しく撹拌した(〜400rpm)。塩基の添加が終了したときに単一の液相が得られた。
塩基の添加中に、反応装置のジャケットに水を循環させたので反応装置の内部温度はゆるやかに上昇した(44℃から51℃まで)。Laudaの設定温度(s.p.)を手動操作で45→40→45℃に変更した。80gの塩基性溶液の添加後、熱放出速度が安定し、加熱−冷却Laudaのs.p.は50℃に維持された。
pHのモニタリングは、7.2→5.8→6.8という範囲の変化を示した。塩基の添加の完了後、反応混合物を50℃で60分間撹拌すると、この間にpHが6.8から5.3に低下した。
HPLC分析用に2つのサンプルを採取した。1つのサンプルは塩基の添加終了の15分後に採取し、第二のサンプルは塩基の添加終了の1時間後に採取した。結果は、ブロノポールが得られる反応は塩基の添加終了と共にほぼ完了していることを示した。
次に混合物を90分で5℃に冷却した。純ブロノポール(1g)を27℃の反応装置に添加した。結晶化が直ちに開始し、純ブロノポールが晶出した。スラリーを濾過し、5から10℃の水(150g)で洗浄した。
30mmHg真空の蒸発器で室温から70℃にして生成物を一定重量まで乾燥した。純ブロノポール(461g)が、HPLCによる面積%の純度>99.9%、検定含有率99.8%およびm.p.132から133℃で得られた。
結晶化後の濾液および洗浄液(626g)を30mmHgで部分蒸発させ、水および軽量相(391g)を除去した。蒸発残渣(230g)を20℃に冷却すると、粗生成物が晶出した。得られたスラリーを濾過し、水(50g)で洗浄した。95%(HPLC,面積%)を上回る純度の湿性粗ブロノポール(80g)を収集し、濾液(185g)を廃棄した。
ブロノポールの直接収率は76.8%であり、結晶化段階の濾液から回収した粗ブロノポール(第二収集物)を次のバッチに再利用した後の方法の総収率は86から88%であった。
ブロノポールの製造
機械的撹拌器(馬蹄型)と凝縮器と熱電対とpH計と、NaOH水溶液添加用蠕動ポンプとを備えた1L容のジャケット付き反応装置に、水(200g)、ブロモピクリン(298g,1モル)、ニトロメタン(123g,2.015モル,Aldrich)およびパラホルムアルデヒド(189g,6モル,Aldrich)を室温で撹拌下に導入した。
次に混合物を44℃に加熱し、1%NaOH水溶液(200g)を200分で反応装置に滴下した。最初の65gを120分で、残りの135gを100分で滴下した。塩基の添加中の反応装置の内部温度は55℃よりも高温に上昇しなかった。
NaOH水溶液の添加を開始したときの反応混合物は3つの相を含んでいた。混合物を激しく撹拌した(〜400rpm)。塩基の添加が終了したときに単一の液相が得られた。
塩基の添加中に、反応装置のジャケットに水を循環させたので反応装置の内部温度はゆるやかに上昇した(44℃から52℃まで)。Laudaの設定温度(s.p.)は45℃であった。104gの塩基性溶液の添加後、熱放出速度が安定し、加熱−冷却Laudaのs.p.は50℃に維持された。塩基の添加中にHPLC分析用サンプルを採取した。結果は、ブロノポールが得られる反応は塩基の添加終了と共に完了していることを示した。
次に混合物を90分で7℃に冷却した。純ブロノポール(1g)を34℃の反応装置に添加した。結晶化が直ちに開始し、純ブロノポールが晶出した。スラリーを濾過し、5から10℃の水(150g)で洗浄した。
30mmHg真空の蒸発器で室温から70℃にして生成物を一定重量まで乾燥した。純ブロノポール(445g)がHPLCによる面積%の純度>99.9%、検定含有率100.4%およびm.p.〜132℃で得られた。
ブロノポールの直接収率は〜74%であった。先行実施例に提示した手順に従って結晶化段階の濾液から回収した粗ブロノポール(第二収集物)を次のバッチに再利用した後の方法の総収率は約86から88%に上昇した。
塩基の添加中の反応混合物の温度およびpHの変化をモニターし、結果を次表に示す。
Figure 2011513297
水性ホルムアルデヒドを使用するブロノポールの製造
機械的撹拌器と凝縮器と熱電対と、NaOH水溶液添加用蠕動ポンプとを備えた1L容のジャケット付き反応装置に、ブロモピクリン(290g)、37%ホルムアルデヒド水溶液(520g)およびニトロメタン(127g)を室温で撹拌下に導入した。次に混合物を45℃に加熱し、1%NaOH水溶液(61g)を2.5時間で反応装置に滴下した。塩基の添加中の反応装置の内部温度は45から64℃であった。反応混合物のpHは8から6に低下した。
得られた混合物を〜50℃で30分間撹拌した。次に混合物を15℃に冷却すると、粗ブロノポールが晶出した。スラリーを濾過し、15℃の水(170g)で洗浄した。
30mmHg真空の蒸発器で室温から70℃にして生成物を一定重量まで乾燥した。粗ブロノポール(439g)が〜99%(HPLC)の純度で得られた。
結晶化後の濾液および洗浄液(674g)を30mmHgで部分蒸発させた(455gの水および軽量相が除去された)。蒸発残渣を20℃に冷却し、濾過し、50gの水で洗浄した。湿性ブロノポール(84g)を収集し、濾液(167g)を廃棄した。
(比較例)
種々の温度におけるブロノポールの製造
塩基の大部分(75%)を35から38℃の温度で添加する実験を行った。以下の表にまとめた結果から、50℃に加熱した後であっても反応が不完全であったことが判明する。反応を完了させブロノポールを94%の選択率で得るためには1%NaOH水溶液をもっと多くの量で(200gの代わりに329g)添加しなければならなかった。
Figure 2011513297
(比較例)
NaOH水溶液の後にニトロメタンを添加するブロノポールの製造
機械的撹拌器と凝縮器と熱電対と、ニトロメタン添加用蠕動ポンプとを備えた1L容のジャケット付き反応装置に、水(200g)、ブロモピクリン(290g)、パラホルムアルデヒド(193g)および0.5NのNaOH水溶液(208g)を室温で撹拌下に導入した。次に混合物を47℃に加熱し、ニトロメタン(127g)を4時間で反応装置に滴下した。添加中の反応装置の内部温度は47から52℃に維持されていた。反応混合物のpHは11から6に低下した。ブロノポールへの変換率は46%しかなかった。反応を完了させるために0.5NのNaOH水溶液(43g)を添加した。得られた混合物を〜50℃で50分間撹拌した。次に混合物を7℃に冷却すると、粗ブロノポールが晶出した。スラリーを濾過し、5から10℃の水(170g)で洗浄した。
30mmHg真空の蒸発器で室温から70℃にして生成物を一定重量まで乾燥した。粗ブロノポール(409g)が98.7%(HPLC)の純度で得られた。
塩基としてNaCO水溶液を使用したブロノポールの製造
機械的撹拌器と凝縮器と熱電対と、塩基水溶液添加用蠕動ポンプとを備えた1L容のジャケット付き反応装置に、水(200g)、ブロモピクリン(298g)、パラホルムアルデヒド(194g)およびニトロメタン(126g)を室温で撹拌下に導入した。次に混合物を45℃に加熱し、2.65%NaCO水溶液(120g)を3時間で反応装置に滴下した。添加中の反応装置の内部温度は45から50℃に維持されていた。反応混合物のpHは8から6に低下した。
得られた混合物を〜50℃で30分間撹拌した。ブロノポール選択率は95.2%(HPLCによる,面積%)であった。

Claims (18)

  1. 反応容器に水、ブロモピクリン、ニトロメタンおよびパラホルムアルデヒドを充填する段階と、撹拌下の前記反応容器に塩基を徐々に供給する段階と、反応を完了させる段階と、水性反応混合物からブロノポールを分離する段階とを含むブロノポールの製造方法。
  2. 反応容器に供給された塩基の全量とブロモピクリンとのモル比が1:100から10:100の範囲である請求項1に記載の方法。
  3. 塩基対ブロモピクリンの比が3:100から7:100の範囲である請求項2に記載の方法。
  4. 塩基は、塩基の濃度が0.1から1.25Nの範囲である水溶液の形態で反応容器に供給される請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 塩基が0.2から0.5Nの濃度の水溶液として提供される請求項4に記載の方法。
  6. 0.8から2%の範囲の重量濃度をもつ水酸化ナトリウムの水溶液が使用される請求項5に記載の方法。
  7. 塩基の少なくとも一部分は反応混合物の内部温度が41℃よりも高温であるときに供給される請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 塩基の全量の少なくとも30%は45から60℃の範囲の温度で反応混合物に供給される請求項7に記載の方法。
  9. 反応容器に水、ブロモピクリン、ニトロメタンおよびホルムアルデヒドソースを充填する段階と、撹拌下の前記反応容器に塩基を徐々に供給する段階とを含み、前記供給中の時間−温度−pHプロフィルは、塩基の使用量が最小でありながら反応のブロノポール選択率が最大になるように維持されており、次いで、水性反応混合物からブロノポールを分離する段階を含むブロノポールの製造方法。
  10. 反応のブロノポール選択率が90%(HPLC,面積%)であり、反応混合物に供給された塩基の全量がブロモピクリン出発材料に対して3から7モル%の範囲である請求項9に記載の方法。
  11. 塩基の供給期間の少なくとも一部分の間は反応混合物の内部温度が41℃から60℃の範囲である請求項9または10に記載の方法。
  12. 0.1から1Nの範囲の濃度を有している塩基の水溶液を実質的に一定の速度で2時間以上の期間にわたって反応混合物に供給する請求項11に記載の方法。
  13. 塩基の水溶液の濃度が0.1から0.5Nであり、塩基の供給期間の少なくとも一部分で反応混合物の内部温度が45から55℃の範囲であり、供給が3から7時間継続される請求項12に記載の方法。
  14. 反応容器への塩基の漸進的供給が、第一供給速度からより速い第二供給速度への切換えを含む請求項9または10に記載の方法。
  15. 第一供給速度からより速い第二供給速度への切換えが、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール(DBNE)中間体の形成後に行われる請求項14に記載の方法。
  16. 第一供給速度は塩基の全量の最初の40%以下を導入するために反応開始の際に使用される請求項14に記載の方法。
  17. 使用されるブロモピクリンは、反応容器に水、ニトロメタンおよび臭素を充填し、次いで濃塩基水溶液を徐々に添加し、反応の完了後に反応混合物を水相と有機相とに分離することによって得られる請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. HPLC分析によればブロノポールが99.5から99.9%(面積)の純度で得られる請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
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